説明

携帯電話機

【課題】 蓋体ケースを閉じたまま、オンフック操作及びオフフック操作が可能であると共に通話が可能な携帯電話機を提供する。
【解決手段】 本発明に係る携帯電話機においては、本体ケース1に蓋体ケース2を開閉可能に連結して、本体ケース1の内面には蓋体ケース2によって覆われるテンキー13を設け、蓋体ケース2に画像表示面を設けている。
本体ケース1の一端部には、蓋体ケース2を閉じた状態で使用可能な送話部6が配備される一方、蓋体ケース2の一端部には受話部7が配備されており、蓋体ケース2を閉じた状態で露出しているキーによりオンフック操作及びオフフック操作が可能であると共に、蓋体ケース2を閉じた状態で送話部6と受話部7を用いた通話が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ケースに蓋体ケースを連結してなる携帯電話機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
折り畳み式携帯電話機においては、携帯時には本体ケースと蓋体ケースを折り畳むことによって小型化し、送受信時には、両ケースを開くことによって、本体ケースの内面に設けられたキー操作面と送話部を露出させると共に、蓋体ケースの内面に設けられた画像表示面と受話部を露出させて、通話を可能とすることが出来る。
【0003】
この様な折り畳み式携帯電話機は、携帯に便利であるばかりでなく、鞄等に入れて携帯する場合において、操作キーは蓋体ケースによって覆われているため、意思に反してキーが押下される虞れはなく、安全である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の折り畳み式携帯電話機においては、着信があった場合、蓋体ケースを開いて受話部や送話部を露出させない限り、通話が出来ないので、不便である問題があった。
そこで本発明の目的は、蓋体ケースを閉じたまま、オンフック操作及びオフフック操作が可能であると共に通話が可能な携帯電話機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、本体ケースに蓋体ケースを開閉可能に連結して、本体ケースの内面に複数のキーを設け、蓋体ケースの内面に画像表示面を設けた携帯電話機において、前記蓋体ケースは、閉じた状態で前記本体ケースの内面に設けられたキー操作面を覆うこととなる長さに形成され、前記本体ケースに配備された送話部は、前記蓋体ケースを閉じた状態でも音声の入力が可能であり、閉じたときに覆い隠されない前記蓋体ケースの背面に受話部が配備されており、さらに、前記蓋体ケースの背面には、補助ディスプレイが配備されており、オフフック操作は前記蓋体ケースを開いた状態と閉じた状態で行なうことが可能であり、前記蓋体ケースを閉じた状態にて、閉じた状態で露出したキーを操作することで前記補助ディスプレイに表示された登録電話番号をスクロールさせ、表示された電話番号に電話ができるとともに、前記蓋体ケースを閉じた状態にて、着信時に着信情報を前記補助ディスプレイに表示し、露出したキーを操作することで前記送話部と前記受話部を用いた通話が可能となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る携帯電話機によれば、蓋体ケースを閉じたまま、オフフック操作が可能であると共に、送話部と受話部を用いた通話が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る携帯電話機において、蓋体ケースを開いた状態の正面図である。
【図2】本発明に係る携帯電話機において、蓋体ケースを閉じた状態の側面図(a)及び正面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態につき、図1及び図2に沿って具体的に説明する。
【0009】
本発明に係る携帯電話機は、図示の如く扁平な本体ケース(1)と蓋体ケース(2)を具え、本体ケース(1)の上端部と蓋体ケース(2)の下端部とがヒンジ機構(3)を介して互いに連結されて、図1の如く蓋体ケース(2)を開いた状態と、図2の如く蓋体ケース(2)を閉じた状態の間で、開閉操作が可能となっている。
又、本体ケース(1)の背部には、伸縮式アンテナ(4)が配備されている。
本体ケース(1)の内面には、オフフックキー(11)、オンフックキー(12)、テンキー(13)、アップ/ダウンキー(14)などの複数のキーが配備されると共に、本体ケース(1)の下端部にはマイクロホン(61)が内蔵されて、本体ケース(1)の内面に露出する送話部(6)が構成されている。
【0010】
又、本体ケース(1)の内面には、蓋体ケース(2)の開閉を検出するための開閉検出スイッチ(8)が配備されている。
【0011】
尚、蓋体ケース(2)は、図2(b)の如く蓋体ケース(2)を閉じた状態でも送話部(6)の一部を外部へ露出させるべく、閉じた状態での長さが本体ケース(1)よりも僅かに短くなる様に形成されている。
従って、送話部(6)は、図1の如く蓋体ケース(2)を開いた状態でマイクロホン(61)への音声の入力が可能であると共に、図2の如く蓋体ケース(2)を閉じた状態でもマイクロホン(61)への音声の入力が可能である。
【0012】
又、図1に示すオフフックキー(11)、オンフックキー(12)及びアップ/ダウンキー(14)はそれぞれ、その表面(操作面)の全体が本体ケース(1)の内面に露出すると共に、蓋体ケース(2)を閉じた状態でもキー表面の一部が本体ケース(1)の側面から露出する様に、本体ケース(1)の側端部に設置されている。
従って、図1の如く蓋体ケース(2)を開いた状態で各キーの押下操作が可能であると共に、図2の如く蓋体ケース(2)を閉じた状態でもキーの端部に指を掛けて、押下操作を行なうことが出来る。
【0013】
一方、蓋体ケース(2)の内面には、主ディスプレイ(21)が配備されると共に、蓋体ケース(2)の上端部には主スピーカ(51)が内蔵されて、蓋体ケース(2)の内面に露出する主受話部(5)が構成されている。
【0014】
尚、主ディスプレイ(21)には、従来と同様に、日時や各種のメッセージ、着信時の相手の電話番号、氏名、発信時の相手の電話番号等が表示される。
【0015】
又、蓋体ケース(2)の下端部には、図2(b)の如く補助スピーカ(71)が内蔵されて、蓋体ケース(2)の背面に露出する補助受話部(7)を構成している。
該補助スピーカ(71)は、着信時に着信音を発生するリンガーとしての機能と、通話時の受話スピーカとしての機能を兼ね備えたものであって(例えばWO98/42454号参照)、着信時にはリンガーとして機能し、その後のオフフック操作によって受話スピーカとしての機能に自動的に切り替わる。
【0016】
又、蓋体ケース(2)の背面には、補助受話部(7)の近傍に、補助ディスプレイ(22)が配備されており、着信時に相手の電話番号を表示することが可能となっている。
【0017】
更に又、蓋体ケース(2)の背面には、着信時に点滅する着信報知LED(23)が配備されている。
【0018】
上記携帯電話機においては、蓋体ケース(2)の開閉状態が開閉検出スイッチ(8)によって検出され、その検出結果に応じて、蓋体ケース(2)が閉じているときは、補助スピーカ(71)とマイクロホン(61)が動作可能状態となり、蓋体ケース(2)が開いているときは、主スピーカ(51)とマイクロホン(61)が動作可能状態となる。
【0019】
蓋体ケース(2)を閉じた状態で着信があった場合、着信報知LED(23)が点滅を開始すると共に、補助スピーカ(71)がリンガーとして機能し、着信を報知する。
又、補助ディスプレイ(22)には、相手の電話番号が表示される。
【0020】
そこで、ユーザが図1の如く蓋体ケース(2)を開くと、これが開閉検出スイッチ(8)によって検知され、主スピーカ(51)とマイクロホン(61)が動作可能状態となる。
又、補助スピーカ(71)はオフとなる。
ここで、オフフックキー(11)を押下することによって回線が開き、主受話部(5)と送話部(6)を用いた通話が可能となる。
このとき、アップ/ダウンキー(14)は音量調節キーとしての機能を発揮する。
【0021】
通話終了後、オンフックキー(12)を押下すれば、回線が切断される。
【0022】
着信があった場合において、図2(a)(b)の如く蓋体ケース(2)を閉じた状態で通話を行なわんとするときは、蓋体ケース(2)を閉じたままで、本体ケース(1)の側部に露出したオフフックキー(11)を押下する。
これによって、補助スピーカ(71)が受話スピーカとしての機能に切り替わり、送話部(6)と補助受話部(7)を用いた通話が可能となる。
【0023】
通話終了後、蓋体ケース(2)を閉じたままオンフックキー(12)を押下すれば、回線が切断される。
【0024】
尚、蓋体ケース(2)を閉じた状態で、アップ/ダウンキー(14)は補助ディスプレイ(22)に表示される登録電話番号をスクロールさせる機能を発揮し、相手の電話番号が表示された状態で、オフフックキー(11)を押下すると、その電話番号に電話がかけられることになる。
この結果、送話部(6)と補助受話部(7)を用いた通話が可能となる。
本発明に係る携帯電話機によれば、上述の如く、蓋体ケース(2)を閉じた状態と開いた状態の両方において、送話部(6)がマイクロホンの機能を発揮すると共に、補助受話部(7)が、着信時のリンガーの機能と蓋体ケース(2)を閉じた状態における受話スピーカの機能を発揮するので、マイクロホンは1つ、スピーカは2つ装備すればよく、マイクロホン及びスピーカが従来よりも1つずつ減少して、携帯電話機の小型化、軽量化が可能となる。
【符号の説明】
【0025】
(1) 本体ケース
(11) オフフックキー
(12) オンフックキー
(14) アップ/ダウンキー
(2) 蓋体ケース
(21) 主ディスプレイ
(22) 補助ディスプレイ
(23) 受信LED
(3) ヒンジ機構
(5) 主受話部
(51) 主スピーカ
(6) 送話部
(61) マイクロホン
(7) 補助受話部
(71) 補助スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースに蓋体ケースを開閉可能に連結して、本体ケースの内面に複数のキーを設け、蓋体ケースの内面に画像表示面を設けた携帯電話機において、
前記蓋体ケースは、閉じた状態で前記本体ケースの内面に設けられたキー操作面を覆うこととなる長さに形成され、前記本体ケースに配備された送話部は、前記蓋体ケースを閉じた状態でも音声の入力が可能であり、閉じたときに覆い隠されない前記蓋体ケースの背面に受話部が配備されており、
さらに、前記蓋体ケースの背面には、補助ディスプレイが配備されており、
オフフック操作は前記蓋体ケースを開いた状態と閉じた状態で行なうことが可能であり、
前記蓋体ケースを閉じた状態にて、閉じた状態で露出したキーを操作することで前記補助ディスプレイに表示された登録電話番号をスクロールさせ、表示された電話番号に電話ができるとともに、
前記蓋体ケースを閉じた状態にて、着信時に着信情報を前記補助ディスプレイに表示し、露出したキーを操作することで前記送話部と前記受話部を用いた通話が可能となることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
本体ケースに蓋体ケースを開閉可能に連結して、本体ケースの内面にテンキーを含む複数のキーを設け、蓋体ケースの内面に画像表示面を、閉じた状態で露出にする補助ディスプレイを設けた携帯電話機において、
本体ケースの上端部と蓋体ケースの下端部とがヒンジ機構を介して互いに連結され、蓋体ケースは、閉じた状態で本体ケース内面のキー操作面を覆うこととなる長さに形成され、本体ケースの下端部には送話部が配備され、
該送話部は、蓋体ケースを閉じた状態で音声の入力が可能であり、
蓋体ケースの上端部には、蓋体ケースを開いた状態で該蓋体ケースの内面に露出する主受話部が配備されると共に、
蓋体ケースの下端部には、蓋体ケースの背面に露出する補助受話部が配備されており、補助受話部は、オフフック操作は蓋体ケースを開いた状態と閉じた状態で行なうことが可能であり、蓋体ケースを閉じた状態にて着信を受けると、前記補助ディスプレイに着信情報を表示するとともに、オフフック操作を行なうことで送話部と補助受話部により通話が可能となり、
蓋体ケースを閉じた状態にて、閉じた状態で露出したキーを操作することで前記補助ディスプレイに表示された登録電話番号をスクロールさせ、表示された電話番号に電話ができることを特徴とする携帯電話機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−11481(P2010−11481A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211328(P2009−211328)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【分割の表示】特願2005−370449(P2005−370449)の分割
【原出願日】平成12年1月28日(2000.1.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】