説明

撓み抵抗性を有する寛骨臼カップ

【課題】不十分にリーミングされた寛骨臼の腔内にプレス嵌めできるが、シェル内部に影響を与えないように撓む寛骨臼シェルを提供する。
【解決手段】シェルは、外側表面、内側表面及び縁を有する第1の壁を含む。シェルは更に、第1の壁12の外側表面から延びる第2の壁14を含む。第2の壁は、外側表面、内側表面及び縁を有する。第2の壁の縁は、第1の壁の縁から外方向に離間されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、整形外科手術中に使用されるインプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト身体内の関節は、2つ以上の骨又は他の骨格部分の間の接合部を形成する。足首、腰、膝、肩、肘及び手首は、身体内に見出される多数の関節のうちのほんの数例である。上記の関節の例のリストから明らかとなるように、関節の多くは骨間の相対的な動作を可能にする。例えば、関節は、摺動、滑動、蝶番の運動、又は球動作を有し得る。例えば、足首は蝶番動作を可能にし、膝は滑動動作と蝶番動作とを組み合わせることができ、肩及び腰は、球配置による動作を可能にする。
【0003】
身体内の関節は、応力が加えられ、又は多様な方法で損傷される場合がある。例えば、長年に亘る関節の継続した使用により、関節上に漸進的な磨耗及び断裂が与えられる。運動を可能にする関節は、骨間に配置されている軟骨を有し、この軟骨は運動に潤滑を提供し、また関節に指向される力の幾分かを吸収する。時間の経過と共に、関節の通常の使用により軟骨が磨耗し、動作する骨同士の直接接触がもたらされる場合がある。対称的に、通常の使用における関節に対する外傷、例えば、自動車事故などの事故による大きい力の供給が、骨、軟骨又は腱若しくは靱帯などの他の結合組織に対する相当な損傷の原因となり得る。
【0004】
関節の疾病を指す用語である関節症は、関節が損傷した状態となり得る他の一手段である。おそらく最も知られている関節疾病は関節炎であり、関節炎は一般に、疼痛、肥大、硬直、不安定性、及び多くの場合、変形をもたらす関節の疾病又は炎症と称されている。
【0005】
多数の異なる形態の関節炎が存在し、変形性関節症は最も一般的であり、この変形性関節症は、関節内の軟骨の摩耗及び断裂から生じる。他のタイプの関節炎は骨壊死であり、骨壊死は、血液供給の損失による骨の一部の死を原因とする。他のタイプの関節炎は関節に対する外傷を原因とし、一方、関節リウマチ、ループス及び乾癬性関節炎などの他の関節炎は、軟骨を破壊し、関節の内張りの炎症に関連する。
【0006】
股関節は、一般に関節症に罹患する関節の1つである。股関節は、大腿骨又は大腿骨を骨盤と連結する球関節である。骨盤は、大腿骨内の球関節頭部を受容するための、寛骨臼と称される半球形の窪みを有する。大腿骨の頭部と寛骨臼の両方は軟骨で被覆されて、大腿骨が骨盤内で容易に動作することを可能にしている。一般に関節症に罹患する他の関節には、脊椎、膝、肩、手根、中手、及び手の指骨が挙げられる。関節症に対立するものとして、関節形成術は、一般に人工関節の作製を指す。疼痛が激しい場合、又は関節の可動範囲が制限される場合などの、関節炎又は他の形態の関節症のいくつかのケースでは、人工関節内の関節の部分的又は全体的な置き換えが正当とされる場合がある。関節置き換えの手順は、勿論、問題の特定の関節によって様々であるが、一般的には、罹患した骨の終端部分を人工関節インプラントで置き換え、軟骨の代用品として機能する部材を挿入することを含む。
【0007】
人工関節インプラントは、骨と結合した状態となり、関節に強度及び剛性を提供する剛性材料から形成されている。軟骨代用部材は、関節に潤滑を提供し、圧縮力の幾分かを吸収するように選定される。インプラントに好適な材料には、チタン、コバルトクロム、ステンレス鋼、セラミックなどの金属及び複合材料が挙げられ、軟骨代用品に好適な材料には、ポリエチレンが挙げられる。人工関節インプラントを宿主骨に固定するために、セメントも使用し得る。
【0008】
例えば、股関節全置換は、大腿骨の球形状の頭部を除去し、髄質の管又は骨髄と称される骨の中央内に幹インプラントを挿入することを含む。幹インプラントは、髄質の管内にセメントで接着されてもよく、又は多孔質被覆表面を有して、インプラントに対して骨を直接治癒させてもよい。幹インプラントは、健康な大腿骨の首部及び球形状の頭部と同一の機能を遂行することを意図した首部及び球形状の頭部を有する。カップ又はシェルを寛骨臼内に直接配置してもよい。カップ又はシェルは、骨の内殖を促進するための多孔質コーティングを含んで、シェルを寛骨臼に固定し得る。代替的に、又は付加的に、シェルは骨ねじを受容するための1つ又は複数の開口部を含んで、シェルが寛骨臼に付着すること補助してもよい。カップは、金属、例えばコバルトクロム、ステンレス鋼又はチタンから形成されてもよい。代替的に、カップは、セラミック又はポリエチレンから形成されてもよい。いくつかの実施形態において、カップは、頭部に直接係合する。別の実施形態では、ある種のライナーがカップ内に挿入されて、カップが頭部に関節接合される。ライナーは、金属、セラミック又はポリエチレンから形成されてもよい。
【0009】
カップ又はシェルを挿入する際、寛骨臼の腔は、多くの場合、挿入されるシェルよりも小さいサイズにリーミングされる。次いで、シェルが骨内にプレス嵌めされる。しかしながら、そのようなプレス嵌めはシェルを撓ませるのに十分に大きい負荷を付与する場合がある。シェルの撓みは、手術の遅延、患者に対する害、又は製品不満足をもたらす多数の手術中の問題を引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、不十分にリーミングされた寛骨臼の腔内にプレス嵌めできるが、シェル内部に影響を与えないように撓むシェルが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、股関節形成術に使用される寛骨臼シェルを提供する。シェルは、外側表面、内側表面及び縁を有する第1の壁を含む。シェルは更に、第1の壁の外側表面から延びる第2の壁を含む。第2の壁は、外側表面、内側表面及び縁を有する。第2の壁の縁は、第1の壁の縁から外方向に離間されている。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、股関節形成術に使用される寛骨臼アセンブリを提供する。アセンブリは、外側表面及び内側表面を有する第1の壁を有するシェルを含む。外側表面は、第1の半径を含む。シェルは更に、第1の壁の外側表面から延びる第2の壁を含む。第2の壁は、外側表面及び内側表面を有する。内側表面は、第2の半径を有する。第2の壁の内側表面の第2の半径は、第1の壁の外側表面の第1の半径よりも大きい。アセンブリは更に、第1の壁の内側表面に結合するよう適合されたライナーを含む。
【0013】
本発明の更なる別の実施形態によれば、寛骨臼シェルの製造方法を提供する。本方法は、寛骨臼シェルの第1の壁を製造することと、寛骨臼シェルの第2の壁を製造することと、を含む。寛骨臼シェルの第2の壁が第1の壁上に摺動され、第2の壁が第1の壁に固着される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明及びその利点をより完全に理解するために、ここで添付の図面と共に以下の説明を参照することにする。
【図1】本発明の一実施形態による寛骨臼シェルの斜視図。
【図2】図1の寛骨臼シェルの部分切除図。
【図3】図1の寛骨臼シェルの上面図。
【図4】図1の寛骨臼シェルと、関連したライナーとのアセンブリの部分切除図。
【図5】模擬プレス嵌め寛骨臼内に挿入された図1の寛骨臼シェルの斜視図。
【図6】本発明の一実施形態による寛骨臼シェルの製造方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態及びその利点は、以下の説明及び図面を参照することにより最良に理解される。以下の説明及び図面において、同様の参照符号が、図面の同様の部分及び対応する部分に対して用いられている。
【0016】
以下図1を参照すると、寛骨臼シェル(即ち、カップ)10が示されている。寛骨臼シェル10は、第1の壁12と、第1の壁12から延びる第2の壁14とを含む。第2の壁14は、第1の壁12に永久に定着されている。第1の壁12は、外側表面16、内側表面18、及び2つの表面16、18を結合する縁20を有する。第2の壁14は、外側表面22、内側表面24(図2)、及び2つの22、24を結合する縁26を有する。第2の壁14の縁26は、第1の壁12の縁20から外方向に離間されている。換言すれば、第2の壁14の内側表面24と、第1の壁12の外側表面16との間に凹部28が存在する。凹部28は、第2の壁14が、準備された寛骨臼内に挿入される際に、第1の壁12を撓ませることなく、第2の壁14が撓むことを可能にする。このことは、以下により完全かつ詳細に説明される。図1に示すように、第2の壁14は、外方向に延びる複数のフランジ30を含んでもよい。フランジ30は、長手方向の凹部32により分離されている。フランジ30及び凹部32は、第2の壁14が準備された寛骨臼内に挿入された際に撓むことを可能にする。別の実施形態では、第2の壁14は、凹部32によって分離されたフランジ30を含まなくてもよい。それらの実施形態では、第2の壁14は、準備された寛骨臼内に挿入された際に撓む単一の略球形壁であってもよい。
【0017】
ここで図2を参照すると、寛骨臼シェル10の断面図が示されている。図示されるように、第2の壁14は内側壁12から外方向に延び、凹部28を形成している。また、本実施形態に示されるように、第1の壁12の縁20は、第2の壁14の縁26よりも低く延びている。いくつかの寛骨臼シェル設計において、第2の壁14よりも長く延びる第1の壁12を有して、ライナー34のテーパ係合を増大させることが望ましい(図4)。別の実施形態では、縁20、26は同一面内に存在してもよい。別の実施形態では、第2の壁14の縁26は、第1の壁12の縁20よりも低く延びてもよい。
【0018】
第1の壁12の内側表面18は凹状であり、ライナー34と一致するように設計されている(図4)。内側表面18はロック機構36を含み、ロック機構36は、本実施形態ではテーパ38及びロック凹部40を含む。ロック機構36は、ライナー34上の対応する特徴部と相互作用して、ライナー34をシェル10内にロックする。別の実施形態では、異なるタイプのロック機構を使用してもよく、例えば、テーパのみを使用してもよく、又はロックリングのみを使用してもよい。別の実施形態では、ねじ付きロック、ねじ、ピンなどの他の既知のロック機構を使用してもよい。
【0019】
第1の壁12の外側表面16は、球形として図示されている。しかしながら、所定の別の実施形態では、外側表面16は、円筒形の形状であってもよい。図3に示されるように、外側表面16(円筒形又は球形のいずれか)は、半径r1を有する。半径r1は第2の壁14の内側表面24の半径r2よりも小さい。r1とr2との間の差は、第1の壁12が影響を受ける前に第2の壁14が圧縮され得る量である。第2の壁14の外側表面22は、準備された寛骨臼内に嵌合するサイズである半径r3を有する。第1の壁12の内側表面18は、上述したようにライナー34と一致するように設計されているため、ライナー34の半径に対応する半径r4を有するであろう。いくつかの実施形態において、非常に多様な寛骨臼内に嵌合するように多様な半径r3を有する複数のシェル10が提供されるであろう。また、第1の壁12の内側表面18の半径r4も、一組のシェル10内で変動して、異なるライナー34を収容し得る。
【0020】
図4は、ライナー34が内部に取り付けられているシェル10を示す。図示するように、ライナー34は、シェル10のロック機構36に対応するロック機構42を含む。この実施形態では、ロック機構42は、シェルのテーパ38に対応するテーパ44と、シェル10のロック凹部40内にロックされるロックリング46とを含む。いくつかの実施形態において、ロック機構42はテーパ44又はロックリング46のみを含み、両方は含まなくてもよい。更なる別の実施形態では、テーパ44は、シェルのテーパ38内にロックされなくてもよい。テーパ38、44は、挿入を容易にできるように、単なる合致するテーパであってもよい。別の実施形態では、他のタイプのロック機構を使用してもよい。
【0021】
ここで図5を参照すると、シェル10は、模擬プレス嵌め寛骨臼48内に挿入されて示されている。図示されるように、模擬寛骨臼48は、シェル10の第2の壁14を圧縮する。図5に示されるように、第2の壁14のフランジ50は、内側壁18から距離D1を有する。第2の壁14のフランジ52は、内側壁18から距離D2を有する。非圧縮状態において、D1はD2とほぼ同一である。しかしながら、第2の壁14が寛骨臼48によって圧縮されるにつれ、D2はD1よりも小さくなる。圧縮中でさえも、内側(即ち、第1の)壁12は不変のままである。かくして、シェル10を寛骨臼48内に挿入する前又は後であってもよいライナー34の挿入時、ロックテーパ38及びロック凹部40は影響を受けない。
【0022】
ここで図6を参照して、本発明の一実施形態によるシェルの製造方法を記載する。工程100において、第1の壁12は、既知の方法を用いて製造される。一実施形態において、第1の壁12は機械加工される。しかしながら、他の既知の方法も用いてもよい。工程102において第2の壁14が製造された後、第2の壁14が第1の壁12上に摺動される(工程104)。第2の壁14は、焼結プロセスを介して、又はシェルに多孔質外側コーティングを加えることにより第1の壁12に固着される(工程106)。別の実施形態では、第1の壁及び第2の壁は、一緒に溶接され又は締結具を介して取り付けられてもよい。
【0023】
別の実施形態では、シェル10は、単一部品として製造されてもよい。次いで、シェル10内に凹部28が切削され、第1の壁12及び第2の壁14を形成されてもよい。
【0024】
本実施形態において、シェル10は、チタン、コバルトクロム、ステンレス鋼などの生体適合性金属から形成される。シェル10はまた、Warsaw,INのDePuy,Inc.により製造されているGRIPTION(登録商標)などの多孔質金属を用いて作製されてもよい。上記に論じたように、シェル10はWarsaw,INのDePuy Orthopaedics,Inc.により製造されているPOROCOAT(登録商標)などの焼結コーティングを有してもよい。他の既知の多孔質コーティング及び材料も使用することができる。更なる別の実施形態では、シェルは超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの生体適合性セラミック又はプラスチックから形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の壁12及び第2の壁14は、同一の材料から形成されてもよい。別の実施形態では、第1の壁12及び第2の壁14は、異なる材料から形成されてもよい。それらの実施形態において、第1の壁12は、より剛性の高い材料から形成されてもよく、第2の壁14は、より可撓性の高い材料から形成されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、ライナー34は、チタン、コバルトクロム及びステンレス鋼などの生体適合性金属から形成されてもよい。別の実施形態では、ライナー34は、UHMWPE、酸化防止剤を有するポリエチレン(酸化防止剤を有するUHMWPEを含む)などの生体適合性ポリエチレン、及びPEEKから形成されてもよい。ライナー34はまた、当技術分野にて既知のように、生体適合性セラミックスから形成されてもよい。
【0026】
本発明には様々な改変物及び代替形態を受け入れる余地があるが、本発明の特定の実施形態は、図面にて例示として示されている。ただし、本発明を開示される特定の形態に限定することを何ら意図するものではなく、その逆に、添付の特許請求の範囲において定義される発明の趣旨並びに範囲に包含されるすべての改変物、均等物、及び代替物を網羅することを意図するものであることが理解されるべきである。
【0027】
〔実施の態様〕
(1) 股関節形成術に使用される寛骨臼シェルであって、
外側表面、内側表面及び縁を有する第1の壁と、
前記第1の壁の前記外側表面から延び、かつ外側表面、内側表面及び縁を有する第2の壁と、を含み、
前記第2の壁の前記縁が、前記第1の壁の前記縁から外方向に離間されている、寛骨臼シェル。
(2) 前記第1の壁の前記内側表面が、前記シェルにライナーをロックするためのロック機構を含む、実施態様1に記載の寛骨臼シェル。
(3) 前記ロック機構がテーパを含む、実施態様2に記載の寛骨臼シェル。
(4) 前記ロック機構がロック凹部を含む、実施態様2に記載の寛骨臼シェル。
(5) 前記第1の壁の前記外側表面が凸状である、実施態様1に記載の寛骨臼シェル。
(6) 前記第1の壁の前記外側表面が第1の半径を有し、前記第2の壁の前記内側表面が、前記第1の半径よりも大きい第2の半径を有する、実施態様5に記載の寛骨臼シェル。
(7) 前記第2の壁が、外方向に延びる複数のフランジを含む、実施態様1に記載の寛骨臼シェル。
(8) 前記第1の壁の前記外側表面が円筒形である、実施態様1に記載の寛骨臼シェル。
(9) 前記第1の壁の前記内側表面が凹状である、実施態様1に記載の寛骨臼シェル。
(10) 股関節形成術に使用される寛骨臼アセンブリであって、
シェルであって、
外側表面及び内側表面を有し、前記外側表面が第1の半径を有する第1の壁と、
前記第1の壁の前記外側表面から延び、かつ外側表面及び内側表面を有し、前記内側表面が第2の半径を有する第2の壁と、含み、
前記第2の壁の前記内側表面の前記第2の半径が、前記第1の壁の前記外側表面の前記第1の半径よりも大きい、シェルと、
前記第1の壁の前記内側表面に結合するよう適合されたライナーと、を含む、寛骨臼アセンブリ。
【0028】
(11) 前記第2の壁が、外方向に延びる複数のフランジを含む、実施態様10に記載の寛骨臼システム。
(12) 前記第1の壁の前記外側表面が円筒形である、実施態様10に記載の寛骨臼システム。
(13) 前記第1の壁の前記外側表面が略球形である、実施態様10に記載の寛骨臼システム。
(14) 前記第1の壁の前記内側表面が、前記シェルに前記ライナーをロックするためのロック機構を含む、実施態様10に記載の寛骨臼システム。
(15) 前記シェルが複数のシェルから選択され、前記ライナーが複数のライナーから選択される、実施態様10に記載の寛骨臼システム。
(16) 前記複数のライナーが、前記複数のライナーのうち少なくとも1つの他のライナーとは異なる材料から形成された少なくとも1つのライナーを含む、実施態様15に記載の寛骨臼システム。
(17) 寛骨臼シェルの製造方法であって、
前記寛骨臼シェルの第1の壁を製造することと、
前記寛骨臼シェルの第2の壁を製造することと、
前記寛骨臼シェルの前記第2の壁を前記第1の壁上に摺動させることと、
前記第2の壁を前記第1の壁に固着させることと、を含む、方法。
(18) 前記第2の壁を前記第1の壁に固着させることが、焼結によって前記第2の壁を前記第1の壁に固着させることを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第2の壁を製造することが、外方向に延びる複数のフランジを有する前記第2の壁を形成することを含む、実施態様17に記載の方法。
(20) 前記第1の壁を製造することが、第1の半径を有する外側壁を製造することを含み、前記第2の壁を製造することが、第2の半径を有する内側壁を製造することを含み、前記第2の半径が前記第1の半径よりも大きい、実施態様17に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
股関節形成術に使用される寛骨臼シェルであって、
外側表面、内側表面及び縁を有する第1の壁と、
前記第1の壁の前記外側表面から延び、かつ外側表面、内側表面及び縁を有する第2の壁と、を含み、
前記第2の壁の前記縁が、前記第1の壁の前記縁から外方向に離間されている、寛骨臼シェル。
【請求項2】
前記第1の壁の前記内側表面が、前記シェルにライナーをロックするためのロック機構を含む、請求項1に記載の寛骨臼シェル。
【請求項3】
前記ロック機構がテーパを含む、請求項2に記載の寛骨臼シェル。
【請求項4】
前記ロック機構がロック凹部を含む、請求項2に記載の寛骨臼シェル。
【請求項5】
前記第1の壁の前記外側表面が凸状である、請求項1に記載の寛骨臼シェル。
【請求項6】
前記第1の壁の前記外側表面が第1の半径を有し、前記第2の壁の前記内側表面が、前記第1の半径よりも大きい第2の半径を有する、請求項5に記載の寛骨臼シェル。
【請求項7】
前記第2の壁が、外方向に延びる複数のフランジを含む、請求項1に記載の寛骨臼シェル。
【請求項8】
前記第1の壁の前記外側表面が円筒形である、請求項1に記載の寛骨臼シェル。
【請求項9】
前記第1の壁の前記内側表面が凹状である、請求項1に記載の寛骨臼シェル。
【請求項10】
股関節形成術に使用される寛骨臼アセンブリであって、
シェルであって、
外側表面及び内側表面を有し、前記外側表面が第1の半径を有する第1の壁と、
前記第1の壁の前記外側表面から延び、かつ外側表面及び内側表面を有し、前記内側表面が第2の半径を有する第2の壁と、含み、
前記第2の壁の前記内側表面の前記第2の半径が、前記第1の壁の前記外側表面の前記第1の半径よりも大きい、シェルと、
前記第1の壁の前記内側表面に結合するよう適合されたライナーと、を含む、寛骨臼アセンブリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−71003(P2013−71003A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−211997(P2012−211997)
【出願日】平成24年9月26日(2012.9.26)
【出願人】(501384115)デピュイ・プロダクツ・インコーポレイテッド (216)
【Fターム(参考)】