説明

撥水表面洗浄システム

【課題】微細凹凸から成る撥水表面を備えたパネルの洗浄に際して、撥水表面を傷つけることなく汚れを除去することができ、撥水パネル、例えば、自動車用撥水性ウィンドウパネルに好適に用いることができる撥水表面洗浄システムを提供する。
【解決手段】水の静置接触角が120°以上である撥水表面を有するパネルPrの撥水表面を洗浄するに際して、撥水表面と払拭部材Wの間に、上記撥水表面に対する静置接触角が90°以上である洗浄液Lを供給し、この洗浄液Lが常に介在した状態で払拭部材Wを摺動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に対する静置接触角が120°以上となるような撥水表面を備えたパネルの洗浄システムに係わり、さらに詳細には、このようなパネルの撥水性を低下させることなく、撥水表面に付着した汚れを除去することができる撥水表面洗浄システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両、船舶、航空機などの各種ウィンドウパネルにおいて、付着した雨滴を除去するためにワイパーシステムが導入されているが、ウィンドウパネルの撥水化によって、降雨時にもワイパーを作動させる必要がないウィンドウパネルを実現し、運転時の視認性を向上させることが望まれている。
【0003】
水の接触角が120°以上となるような撥水表面の作成方法としては、表面に微細な凹凸を形成させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような撥水表面を備えたパネルをウィンドウパネルとして用いることにより、雨天時においても、水滴が付着せず良好な視界を確保することができる。また、航空機や船舶用、自動車や電車等の車両用ウィンドウに用いた場合には、走行時の風圧によって水滴を除去することができる。
【特許文献1】特開平8−323280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような撥水パネルといえども、その撥水表面に汚れが付着することによって撥水性が低下するため、定期的に、あるいは汚れの付着状況に応じて表面を洗浄することが必要となる。
洗浄方法としては、ゴムワイパーのような部材を摺動させて拭き取ることが考えられるが、拭き取りに際して、ワイパーが汚れを引きずり、表面凹凸が傷付くために撥水性が損なわれるという問題がある。
【0005】
本発明は、微細凹凸から成る撥水表面の洗浄における上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、撥水表面を傷つけることなく汚れを除去することができ、撥水パネル、特に自動車用撥水性ウィンドウパネルに好適に用いることができる撥水表面洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、撥水表面と汚れを拭き取る払拭部材の間に洗浄液を供給し、この洗浄液を介して払拭部材を摺動させるようにすることによって上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
すなわち、本発明の撥水表面洗浄システムは、水の静置接触角が120°以上である撥水表面を有するパネルの撥水表面を洗浄するためのシステムであって、上記撥水表面上を該撥水表面に対する静置接触角が90°以上である洗浄液を介して摺動する払拭部材を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、払拭部材がパネルの撥水表面との間に、撥水表面に対する静置接触角が90°以上である洗浄液が介在した状態で摺動するようにしたから、撥水表面の微細凹凸形状を傷つけることなく、汚れを除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の撥水表面洗浄システムの実施形態などについて、さらに詳細に説明する。
【0010】
本発明の撥水表面洗浄システムは、上記したように、水の静置接触角が120°以上の撥水表面を備えたパネルの撥水面を洗浄するためのものである。
すなわち、当該システムは、図1(a)及び(b)に示すように、払拭部材Wが撥水パネルPrの撥水表面上を摺動するようになっている。そして、これら払拭部材WとパネルPrの間に、撥水表面に対する静置接触角が90°以上である洗浄液Lが常に介在した状態で摺動するようにしてある。
【0011】
したがって、パネルPr上の汚れが洗浄液Lに吸収されて除去されるため、払拭部材Wが汚れを引きずり撥水表面の微細凹凸を損傷することを防ぎつつ、汚れを除去することができる。
【0012】
ここで、撥水表面をもつパネルPrとしては、水の静置接触角が120°以上であれば特に限定はなく、例えばフラクタル構造を付与する方法(特許文献1参照)を始めとして、撥水性の微粒子を表面に塗布する方法や表面が撥水性表面に凹凸構造を付与する方法などによって得ることができる。
これら方法のうち、撥水表面に凹凸構造を付与する方法を採用することが望ましく、これによれば、凹凸構造の密着性が高くなるため、耐摩耗性に優れたパネルとすることができる。なお、パネルPrの撥水性について、水の静置接触角が120°以上としたのは、これに満たない場合には、十分な撥水性が得られず、例えば車両用のウィンドウパネルに適用した場合に、ワイパーを作動させることなく運転することが不可能になることによる。
【0013】
当該パネルの材料としては、上記の方法で撥水表面が作成可能な材料である限り、特に規定しないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ガラス強化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶性ポリマー、フッ素樹脂、ポリアレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアミドビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール等の熱硬化性樹脂、さらにはこれらを2種以上ブレンドした材料、また、ガラス、酸化ケイ酸、酸化アルミニウム等の無機材料や、上記樹脂に無機材料をコンポジット化した材料を用いることが可能である。
【0014】
また、材料物性を向上させるために、例えば、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化インジウム合金等を添加して用いることが可能であって、とりわけ透明性があるものは、例えば窓(ウインドシールド)や鏡(サイドミラー)の表面に好適に用いることができる。
【0015】
次に、払拭部材Wとしては、摺動時に撥水表面との界面に、洗浄液Lを保持できる材質、形状のものであれば、特に限定されることはないが、例えば、自動車等に用いられるゴム製のワイパーブレードや、繊維や多孔体から成るものが挙げられる。
好ましくは、保液性のある繊維集合体や多孔体を用いることであり、さらに好ましくは、図2に示すように、ワイパーブレードBwの摺動部に、例えば上記した繊維集合体や多孔体などから成る保液材料Mを取り付けたものを用いることができる。
【0016】
保液性を備えた材料を用いた場合、予めこれに洗浄液Lを含浸させておくことにより、摺動に際して洗浄液Lが染み出し、摺動界面に洗浄液Lを供給することができる。
また、図2に示したように、ゴム製のワイパーブレードBwに保液材料Mを取り付けた場合には、自動車、船舶、電車などに好適に用いることができる。
【0017】
これに用いる繊維集合体としては、液体を含浸すれば織布でも不織布でもよく、素材や繊維の直径、織り方などについても特に限定はないが、繊維の空隙率が60%以上であることが好ましい。60%以上の空隙率では洗浄液を飽和するまで含浸させることによって、摺動に伴って汚れを除去するのに十分な量の洗浄液を供給することができる。
また、多孔体についても、洗浄液を含浸する限り、材料や形状について特に規定はないが、同様の理由により、空隙率が60%以上であることが好ましい。
【0018】
払拭部材Wの断面形状については、摺動時に洗浄液Lを逃さずに掻き取ることができる形状・構造であることが望ましく、例えば、図3(a)〜(d)に示すような多角形や略円形などが挙げられ、特に多角形の場合には、撥水表面との接触部が辺であっても頂点であっても良い。
また、払拭部材Wは必ずしも撥水表面に接している必要はなく、例えば、払拭部材Wに含浸されている洗浄液Lの膜のみが撥水表面に接触する状態となっていても良い。
【0019】
洗浄液Lとしては、撥水パネルPrの撥水表面に対する接触角が90°以上であれば、特に規定しないが、例えば、水や、水にメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノールのようなアルコール類などの水和性の有機物を混合したものが好適に用いることができる。
なお、洗浄液Lの撥水表面に対する接触角を90°以上としたのは、この接触角が90°に満たない場合には、汚れを取り込んだ液体が撥水表面で濡れ広がるため、汚れ除去性が低下することによる。
【0020】
上記洗浄液Lの供給方法としては、払拭部材Wと撥水表面の界面に常に洗浄液Lが保持されている状態にできる限り何ら規定されない。
例えば、給水ノズルから払拭部材に洗浄液を供給しながら摺動させたり、摺動部材に設けたノズルから洗浄液を直接供給したり、保液性の払拭部材に洗浄液を含浸させて摺動したりすることができるが、保液性を備えた払拭部材に洗浄液を含浸させて摺動する方法が好ましい。この方法によれば、払拭部材に含浸させた洗浄液が、払拭部材の摺動に伴って円滑に供給され、液体を連続して送給する必要がなく、複雑な機構も必要としない。
【0021】
このとき、洗浄液Lの供給量は多いほど好ましく、撥水表面の面積1m当たり3mL以上であることが望ましい。単位面積当たりの水の供給量が3mL/mに満たない場合には、汚れを吸収した洗浄液が十分な流動性を得ることができず、撥水表面から脱離し難くなる傾向がある。
【0022】
本発明の洗浄システムを、特に、自動車、電車などの車両や、船舶、航空機などに適用する場合、例えば図4に示すように、上記撥水表面を備えたパネルPrをウィンドウパネルとして用い、上記払拭部材Wをワイパーブレードとして用い、洗浄液Lをウォッシャー液とすることができる。
【0023】
このとき、洗浄液Lは、ノズルNから噴射させることができるが、従来のワイパー装置のように、パネルPrに向けて噴射させても、その撥水性によって飛散してしまい、ワイパーブレードである払拭部材Wとの間に介在させることができない。
したがって、洗浄液噴射のタイミングをワイパーアームの往復作動と同期させ、ワイパーアームが例えば下反転位置(停止位置)にある時に、保液性を備えたワイパーブレード(W)に直接噴射して、洗浄液Lを含浸させることが必要となる。
【0024】
また、ワイパーブレード(W)の保液性が十分でない場合には、ノズルの噴射方向をワイパーアームの往復作動に同期させ、洗浄液Lが常にワイパーブレード(W)の近傍位置に噴射されるようにすることができる。また、ワイパーアームに洗浄液供給用の配管を設け、ワイパーブレードの近傍位置に開口させたノズルから洗浄液Lを供給するようになすことも可能である。
【実施例】
【0025】
以下に、本発明を実施例に基づいて、さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されないことは言うまでもない。なお、本明細書において、濃度や含有量などについての「%」は、特記しない限り、質量百分率を表すものとする。
【0026】
(実施例1)
アクリル板にナノインプリント法により、底面径100μm、高さ200μmの微細特記を100μmのピッチに六方配列されて成る微細構造を付与した表面に、フルオロアルキルシランを処理した撥水表面(水の静置接触角:145°)を備えたものを試験用パネルとして用いた。
このパネルの撥水表面に、JIS Z 8901に8種として規定される試験用粉体(関東ローム)を単位面積当たり3g/m乗せて汚れ付着パネルを作成した。
【0027】
次に、自動車用ワイパーブレードを3cm切り出し、そのリップ部に空隙率79.2%の布(東レ(株)製商品名:トレシー)を接着剤で貼り付け、水に浸して十分に水を含浸させた。そして、トライボギア(HEIDON 14FW)を用い、0.97N/cmの荷重で100回摺動させた結果、汚れが除去されていることを目視にて確認した。
上記によって汚れを払拭した後、上記パネルの撥水表面の接触角を接触角計(協和界面科学CA10X)によって測定した。その結果を表1に示す。
【0028】
(実施例2)
ワイパーブレードのリップ部に貼り付けた布(東レ(株)製商品名:トレシー)の空隙率を60.6%としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返した結果、汚れが除去されていることが同様に確認された。また、払拭後の撥水表面における接触角の測定結果を表1に併せて示す。
【0029】
(実施例3)
ワイパーブレードのリップ部に貼り付けた布(東レ(株)製商品名:トレシー)の空隙率を56.0%としたこと以外は、同様の操作を繰り返した結果、汚れが除去されていることが同様に確認された。また、払拭後の当該撥水表面における接触角の測定結果を表1に併せて示す。
【0030】
(実施例4)
アクリル板の表面にアルキルケテンダイマーを再結晶化させることによって作製したフラクタル撥水表面(水の静置接触角:160°)に、上記同様に試験用粉体を付着させて、汚れ付着パネルを作成した。
次に、自動車用ワイパーブレードを3cm切り出し、給水ポンプを用いて、ワイパーブレードが撥水表面に接している箇所に、1mL/secの速度で水を連続的に供給しながら、トライボギアを用いて10gの荷重で100回摺動させた。その結果、汚れが除去されていることが目視により確認された。そして、払拭後の撥水表面の接触角を同様に測定し、その結果を表1に併せて示す。
【0031】
(実施例5)
ワイパーブレードのリップ部に貼り付けた布を市販のスポンジ(空隙率:96.0%)に替えたたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返した結果、汚れが除去されていることが目視により確認された。
そして、払拭後の撥水表面における接触角の測定結果を表1に併せて示す。
【0032】
(実施例6)
洗浄液として、水に替えて、10%エタノール水溶液(撥水表面に対する静置接触角:136°)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返した結果、汚れが除去されていることが目視により確認された。
また、払拭後の撥水表面における接触角の測定結果を表1に併せて示す。
【0033】
(比較例1)
洗浄液として水を用いることなく、これ以外は上記実施例1と同様の操作を繰り返した結果、汚れが除去されていることが目視により確認された。
そして、払拭後の撥水表面の接触角を測定し、その結果を表1に併せて示す。
【0034】
(比較例2)
洗浄液として、水に替えて、市販のウォッシャー液(メタノール49%+陰イオン界面活性剤、撥水表面に対する静置接触角:50°)を用いたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返した結果、汚れが除去されていることが目視により確認された。
また、払拭後の撥水表面における接触角の測定結果を表1に併せて示す。
【0035】
【表1】

【0036】
以上のように、保液性を備えた払拭部材に洗浄液を含ませたり、払拭部材の撥水表面に接している部分に洗浄液を連続的に供給したりして、撥水表面との間に洗浄液が常に介在した状態で払拭部材を摺動させるようにした本発明の実施例においては、パネルの撥水性を損なうことなく、汚れを除去できることが確認された。
これに対して、洗浄液を用いないで払拭した比較例1や、撥水表面に対する接触角が小さい洗浄液を用いた比較例2においては、払拭部材が汚れを引きずるため、汚れは除去できるものの、撥水表面の微細凹凸が損傷を受け、撥水性が損なわれることが判明した。
【0037】
(実施例7)
自動車のフロントガラスに、市販撥水剤((株)カーメイト製、商品名:シブクリア)を塗付し(水の静置接触角:155°)、同様の方法によって上記試験用粉体を汚れとして付着させた。
次に、ワイパーブレードのリップ部の表面に空隙率79.2%の布(東レ(株)製商品名:トレシー)を巻きつけ、ウォッシャー液として水を用い、表面に5秒間水を塗布した後に、ワイパーを5往復稼動させたところ、汚れが除去されていることを目視によって確認した。そして、ワイパーの稼働後に、フロントガラスに散水したところ、表2に示すように、水滴は付着しなかった。
【0038】
(実施例8)
ウォッシャー液として水に替えて、15%メタノール水溶液(フロントガラス撥水表面に対する静置接触角:99°)を用いたこと以外は、上記実施例7と同様の操作を繰り返した結果、同様に汚れが除去されていることが目視により確認された。
また、ワイパーの稼働後に、フロントガラスに散水したところ、表2に併せて示すように、水滴は付着しないことが確認された。
【0039】
(比較例3)
洗浄液を水に替えて、上記比較例2に用いた市販のウォッシャー液(フロントガラス撥水表面に対する静置接触角:50°)をフロントガラスに吹きかけた後にワイパーを稼働させたこと以外は、上記実施例7と同様の操作を繰り返したところ、同様に汚れが除去されていることが目視により確認された。
また、ワイパーの稼働後に、フロントガラスに散水したところ、表2に併せて示すように、水滴の付着が確認された。
【0040】
【表2】

【0041】
表2の結果から明らかなように、保液性を備えたワイパーブレードに洗浄液を含浸させ、フロントガラスとの間に洗浄液が介在した状態でワイパーを作動させるようにした実施例7,8においては、撥水性を維持しながら、汚れを除去できることが確認された。
一方、フロントガラスに接触角が90°未満の洗浄液を噴射させた比較例3においては、フロントガラス表面に洗浄液が濡れ広がり、ワイパー作動に伴って、汚れを引きずったため、ガラス表面の微細凹凸が傷付き、撥水性が低下する結果となった。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の撥水表面洗浄システムにおける払拭部材の撥水表面上の摺動状況を示す概略説明図である。
【図2】本発明に用いる払拭部材の一例として、ゴム製ワイパーブレードに保液材料を取り付けた構造例を示す断面説明図である。
【図3】(a)〜(d)は本発明に用いる払拭部材の形状例を示す断面図である。
【図4】本発明の撥水表面洗浄システムを自動車のワイパー装置に適用した例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0043】
Pr 撥水パネル
W 払拭部材
L 洗浄液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の静置接触角が120°以上である撥水表面を有するパネルの上記撥水表面を洗浄するシステムであって、該撥水表面上を撥水表面に対する静置接触角が90°以上である洗浄液を介して摺動する払拭部材を備えたことを特徴とする撥水表面洗浄システム。
【請求項2】
上記払拭部材が保液性を有し、上記洗浄液を含浸した状態で摺動することを特徴とする請求項1に記載の撥水表面洗浄システム
【請求項3】
上記払拭部材の少なくとも表面が、空隙率が60%以上の多孔体又は繊維集合体で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の撥水表面洗浄システム。
【請求項4】
上記パネルが自動車用のウインドウパネルであると共に、上記払拭部材がワイパーに取り付けられており、当該払拭部材に向けて洗浄液を噴射するノズルを備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の撥水表面洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−227187(P2009−227187A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−77221(P2008−77221)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】