説明

撮像装置、撮像装置のハイバネーション制御方法

【課題】ハイバネーションに必要なシステムの状態情報を、非圧縮の状態で、ユーザにより利用される不揮発性の記憶領域に一時的に保存しておくことにより、ハイバネーションによるシステムの起動を高速化することが可能な、新規かつ改良された撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像部と、前記撮像部により撮像された画像データを記憶する不揮発性の記憶領域であるユーザ領域と、システムの起動に必要な起動用データおよび前記ユーザ領域の利用状況に関する情報を含む起動用管理情報を記憶する不揮発性の記憶領域であるシステム領域と、ユーザから前記システムのOFF要求があった場合に、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存し、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断する起動制御部と、を備える撮像装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像装置のハイバネーション制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ(以下PCという)、ハードディスクレコーダ、デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置、などの各種情報処理装置は、ユーザの要求に応じて、迅速にシステムを起動して動作可能な状態にすることが要求される。また、システムの遮断時にシステムの状態情報を所定の不揮発性の領域に退避しておくことにより、次回のシステムの起動時に、システムを高速で起動し、前回システムを遮断した状態でタスクを再開できるような技術が知られている。このような技術は、いわゆるハイバネーションと呼ばれ、特にPCにおいて広く利用されている。例えば、特許文献1には、ハイバネーションを利用したPCが開示されている。
【0003】
また、デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置の場合、起動時間が長くなってしまうと、ユーザが撮像機会を失ってしまうという問題が発生する。したがって、デジタルスチルカメラやビデオカメラなどの撮像装置では特に、システムの高速起動が強く要望されている。しかしながら、このような撮像装置の場合、小型化、軽量化、携帯性などが強く要求されるため、PCのように十分な容量の不揮発性の内部記憶領域を備えることができないのが現状である。また、デジタルスチルカメラの不揮発性の内部記憶領域は、一般にシステムの起動・作動に必要なデータやプログラムなどを記憶するシステム領域と、ユーザにより画像データが保存されるユーザ領域とを有する。一般に、デジタルスチルカメラの不揮発性の内部記憶領域は、ユーザが利用可能なユーザ領域の容量を可能な限り多く確保するために、システム領域の容量が最小限に制限される。したがって、デジタルスチルカメラなどの撮像装置においては、上述したハイバネーションを利用してシステムを起動するために、システムの遮断時におけるシステムの状態情報を圧縮した状態でシステム領域に保存する。これにより、次回システムを起動する際に、システム領域に保存されている圧縮された状態情報を解凍することにより、遮断前の状態でタスクを再開することができる。
【特許文献1】特開2007−334383号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ハイバネーションによりシステムを起動する際には、システム領域に保存されている圧縮された状態のシステムの状態情報を解凍する必要があるため、起動時間が長くなってしまう。これを解決するには、システムの状態情報の圧縮率を下げてシステム領域に保存することにより、システムの起動時における解凍時間を短縮する方法が考えられる。しかしながら、上述したように、デジタルスチルカメラなどの撮像装置では十分な容量の不揮発性の内部記憶領域を備えることが難しい。したがって、圧縮率を下げてシステムの状態情報をシステム領域に保存することにより、本来ユーザが利用するユーザ領域の容量を設計段階において小さく設定しておかなければならないという問題が発生する。デジタルスチルカメラなどの撮像装置においては、設計仕様の1つであるユーザ領域の容量は、ユーザの利便性のみならず、製品の市場価値などにも大きく影響するため、設計段階において可能な限り大きく設定しておくことが望ましい。
【0005】
また、特に軽量性、低価格性、携帯性などが要求される撮像装置などでは、システム領域に圧縮されたシステムの状態情報を保存する領域が確保されていないものもある。このような撮像装置では、いわゆるハイバネーションを利用することができないため、常にシステムを1から起動して初期状態でタスクを開始する、いわゆるコールドブートと呼ばれる起動が必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ハイバネーションに必要なシステムの状態情報を、非圧縮の状態で、ユーザにより利用される不揮発性の記憶領域に一時的に保存しておくことにより、ハイバネーションによるシステムの起動を高速化することが可能な、新規かつ改良された撮像装置および撮像装置のハイバネーション制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像データを記憶する不揮発性の記憶領域であるユーザ領域と、前記ユーザ領域の利用状況に関する情報を含む起動用管理情報、およびシステムの起動に必要な起動用データを記憶する不揮発性の記憶領域であるシステム領域と、ユーザから前記システムのOFF要求があった場合に、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存し、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断する起動制御部と、を備える撮像装置が提供される。
【0008】
係る構成により、撮像装置は、システム領域に保存されている起動用管理情報に基づいて、ユーザ領域の利用状況を確認することができる。また、撮像装置は、ユーザからシステムのOFF要求があった場合に、前記起動用管理情報に基づいてユーザ領域の利用状況を判断し、システムの状態に関する状態情報をユーザ領域またはシステム領域に保存することができる。さらに、撮像装置は、状態情報を保存する際、ユーザ領域には非圧縮の状態で状態情報を保存し、システム領域には圧縮した状態で状態情報を保存することができる。また、撮像装置が起動用管理情報を更新することにより、起動用管理情報は、非圧縮の状態情報がユーザ領域に保存されているか否かについての最新の情報を有することができる。
【0009】
また、前記起動制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記撮像部により撮像された画像データが保存されているか否かを判断してもよい。この場合、前記起動制御部は、前記ユーザ領域に前記画像データが保存されていない場合には、前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に保存して前記起動用管理情報を更新し、前記ユーザ領域に前記画像データが保存されている場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存して前記起動用管理情報を更新することもできる。
【0010】
また、前記起動制御部は、前記ユーザ領域に前記画像データが保存されている場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っているか否かを判断してもよい。この場合、前記起動制御部は、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っている場合には、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に保存し、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っていない場合には、前記システムの状態に関する状態情報を圧縮した状態で前記システム領域に保存することもできる。
【0011】
また、前記起動制御部は、ユーザから前記システムの起動要求があった場合に、前記システム領域に保存されている前記起動用データに基づいて前記システムを起動し、前記起動用管理情報に基づいて、前記システム領域に保存されている前記圧縮された状態情報、または前記ユーザ領域に保存されている前記非圧縮の状態情報のいずれか一方に基づいて、前記システムをOFFする前の状態に復元することもできる。
【0012】
また、前記起動制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていないと判断した場合には、前記システム領域に保存されている前記圧縮された状態情報を解凍することにより前記システムの状態を復元し、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていると判断した場合には、該非圧縮の状態情報により前記システムの状態を復元することもできる。
【0013】
また、前記起動制御部は、ユーザから前記システムのOFF要求があった場合に、前記システムのバッテリの残容量が予め設定された容量より多いか否かを判断してもよい。この場合、前記起動制御部は、前記バッテリの残容量が予め設定された容量より少ない場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存して、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断することもできる。また、前記起動制御部は、前記バッテリの残容量が予め設定された容量より多い場合には、前記状態情報を揮発性の記憶領域に保持した状態で前記システムへの通電を継続することもできる。
【0014】
また、前記起動制御部は、前記状態情報を揮発性の記憶領域に保持した状態で前記システムへ予め設定された時間継続して通電した場合、前記起動用管理情報に基づいて、前記揮発性の記憶領域に保持されている前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存して、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断することもできる。
【0015】
前記撮像装置はさらに、前記撮像部により撮像された画像データを前記ユーザ領域に保存するデータ保存制御部を備えることもできる。
【0016】
また、前記データ保存制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されているか否かを判断してもよい。この場合、前記データ保存制御部は、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていないと判断した場合には、前記画像データを前記ユーザ領域に保存し、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていると判断した場合には、該非圧縮の状態情報を消去した後に、前記画像データを前記ユーザ領域に保存することもできる。
【0017】
また、前記データ保存制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されているか否かを判断し、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていないと判断した場合には、前記画像データを前記ユーザ領域に保存し、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていると判断した場合には、前記ユーザ領域に前記画像データを保存するのに必要な空き容量が残っているか否かを、前記起動用管理情報に基づいて判断してもよい。この場合、前記データ保存制御部は、前記ユーザ領域に前記画像データを保存するのに必要な空き容量が残っている場合には、該データを前記ユーザ領域に保存し、前記ユーザ領域に前記画像データを保存するのに必要な空き容量が残っていない場合には、前記非圧縮の状態情報を消去した後に、前記画像データを前記ユーザ領域に保存することもできる。
【0018】
また、前記起動用管理情報は、少なくとも前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されているか否かに関する情報と、前記ユーザ領域に前記画像データが保存されているか否かに関する情報と、前記ユーザ領域の空き容量に関する情報と、を含むこともできる。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、被写体を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像データを記憶する着脱可能な外部記憶装置を収納する装着部と、前記撮像部により撮像されたデータを記憶する不揮発性の記憶領域であるユーザ領域と、システムの起動に必要な起動用データおよび前記ユーザ領域と前記外部記憶装置との利用状況に関する情報を含む起動用管理情報を記憶する不揮発性の記憶領域であるシステム領域と、ユーザから前記システムのOFF要求があった場合に、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域もしくは前記外部記憶装置のいずれか一方に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存し、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断する起動制御部と、を備える撮像装置が提供される。
【0020】
係る構成により、撮像装置は、システム領域に保存されている起動用管理情報に基づいて、ユーザ領域の利用状況を確認することができる。また、撮像装置は、ユーザからシステムのOFF要求があった場合に、前記起動用管理情報に基づいてユーザ領域の利用状況を判断し、システムの状態に関する状態情報をシステム領域、ユーザ領域、または外部記憶装置に保存することができる。さらに、撮像装置は、状態情報を保存する際、ユーザ領域および外部記憶装置には非圧縮の状態で状態情報を保存し、システム領域には圧縮した状態で状態情報を保存することができる。また、撮像装置が起動用管理情報を更新することにより、起動用管理情報は、非圧縮の状態情報がユーザ領域または外部記憶装置のいずれか一方に保存されているか否かについての最新の情報を有することができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、ハイバネーションに必要なシステムの状態情報を、非圧縮の状態で、ユーザにより利用される不揮発性の記憶領域に一時的に保存しておくことにより、ハイバネーションによるシステムの起動を高速化することが可能な、新規かつ改良された撮像装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.実施形態の概要
2.デジタルカメラ100の機能構成
3.内部記憶領域112の構成
4.デジタルカメラ100の各種処理フロー
4−1.非圧縮H/I140の保存フロー
4−2.ハイバネーションよるシステムの起動フロー
4−3.画像データの保存フロー
5.変形例
5−1.変形例1(非圧縮H/I140の保存における変形例)
5−2.変形例2(画像データの保存における変形例)
5−3.変形例3(外部記憶装置124に非圧縮H/I140を保存する変形例)
5−4.変形例4(ユーザ領域132または外部記憶装置124のいずれか一方に非圧縮H/I140を保存する変形例)
5−5.変形例5(ネットワークアプリケーション情報を利用した変形例)
5−6.変形例6(ホットブート機能と併用する変形例)
【0023】
(1.実施形態の概要)
本発明の実施形態の1つに係る撮像装置は、上述したようにハイバネーションによるシステムの高速起動を特徴の1つとする。そこで、本実施形態を説明するにあたり、まず、一般的な撮像装置における代表的なシステムの起動方法の概略を説明する。
【0024】
撮像装置は、システムの動作時に行われるタスクの状態情報などは通常、揮発性の領域であるRAMなどに記憶されている。したがって、一度システムをOFFにすると、次回のシステムの起動時には、初期設定などシステムの起動に必要なすべての処理を行った後に、初期状態からタスクを開始する、いわゆる「コールドブート」と呼ばれる起動を行う。これに対して、システム起動時に、システムOFFの際に中断されたタスクから処理を開始できるように、システムOFF時にシステムの状態情報を退避させておき、電源投入時に退避させたシステム情報を復元することもできる。
【0025】
このように、システムの状態情報を一時的に退避することにより、次回のシステム起動時にタスクを再開する機能を実現するためには、2つの方法が例として挙げられる。1つ目の方法は、撮像装置のシステムのOFF要求があった際に、RAMなどの揮発性の記憶領域に電源を供給し続けることにより、システムの状態情報を保持する方法である。この方法は、システムの起動要求があった場合に、RAMに保持されている状態情報に基づいて高速でシステムを再開することができる方法であり、「ホットブート」と呼ばれている。2つ目の方法は、撮像装置のシステムをOFFする直前に、RAMなどの揮発性の記憶領域に展開されているシステムの状態情報を圧縮して、システムが利用する不揮発性の記憶領域に保存する方法である。この方法は、システムの起動要求があった場合に、不揮発性の領域に保存されているシステムの状態情報を解凍した後に、RAMに展開してシステムを再開することができる方法であり、「ハイバネーションまたはホットブート」と呼ばれている。
【0026】
ハイバネーションによりシステムを起動するには、上述したように、システムをOFFする直前にシステムの状態情報を不揮発性の内部記憶領域に保存しておく必要がある。デジタルカメラなどの撮像装置の不揮発性の内部記憶領域は、一般にシステムの起動・作動に必要なデータやプログラムなどを記憶するシステム領域と、ユーザにより画像データが保存されるユーザ領域とを有している。一般に、不揮発性の内部記憶領域は、ユーザが利用可能なユーザ領域の容量を可能な限り多く確保するために、システム領域の容量が最小限に制限される。したがって、ハイバネーションを利用してシステムを起動するために、システムの遮断時におけるシステムの状態情報を圧縮した状態でシステム領域に保存する。この結果、次回システムを起動する際に、システム領域に保存されている圧縮された状態情報を解凍してRAMなどに展開することにより、システム0FF時の状態でタスクを再開できるようにシステムを起動することができる。以下、このハイバネーションによるシステムの起動を高速化することが可能な本実施形態に係る撮像装置の概要について説明する。
【0027】
上述したように、従来の撮像装置は、ハイバネーションによりシステムを起動する場合、不揮発性の内部記憶領域のシステム領域に保存されている圧縮されたシステムの起動情報を解凍する必要がある。したがって、圧縮された起動情報の解凍作業により起動時間が長くなってしまうという問題があった。これに対して、本実施形態に係る撮像装置は、ハイバネーションによるシステムの起動の高速化を可能とする。具体的には、本実施形態に係る撮像装置は、不揮発性の内部記憶領域のうち、本来ユーザにより撮像された画像データなどを記憶するためのユーザ領域に、非圧縮のシステムの状態情報を一時的に保存する。これにより、本実施形態に係る撮像装置は、ユーザ領域に保存されている非圧縮のシステムの状態情報に基づいて、ハイバネーションによるシステムの起動を高速化することができる。さらに、ユーザがユーザ領域を利用する場合には、ユーザ領域に保存されている非圧縮のシステムの状態情報を自動で消去することなどにより、非圧縮のシステムの状態情報を保存することによるユーザへの弊害を一切防止することができる。以下このような特徴を有する本実施形態に係る撮像装置の詳細について説明する。なお、明細書の以下の説明においては、ハイバネーションを利用するためにシステムをOFFする際に保存されるシステムの状態情報を、ハイバネーションイメージ(H/I)という。
【0028】
(2.デジタルカメラ100の機能構成)
まず、本発明の実施形態の1つ係る撮像装置の一例であるデジタルカメラ100の機能構成について説明する。図1は、デジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。なお、図1に示すデジタルカメラ100は、被写体を撮像する撮像装置の一例であり、少なくとも静止画を撮像するデジタルスチルカメラであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
図1に示すように、デジタルカメラ100は主に、操作入力部102と、撮像部104と、音声入出力部106と、表示部108と、データ処理部110と、内部記憶領域112と、デコーダ114と、装着部116と、RAM118と、外部インターフェース120と、通信インターフェース121と、を含んで構成される。これらの各構成部は、バスで接続され、制御部122によって制御される。以下、デジタルカメラ100の各構成部の詳細について説明する。
【0030】
操作入力部102は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチ、レバー、ダイヤルなどで構成される。ユーザは、この操作部102を操作することにより、デジタルカメラ100に対して処理動作(撮影動作、ズーム・フォーカス・絞り・露出・シャッタースピード・画質等の調整動作、記録動作、再生動作など)を指示したり、各種のデータを入力したりできる。
【0031】
撮像部104は、被写体を撮像して画像信号を生成する。この撮像部104は、被写体からの入射光を光学像として集光させるレンズ群などからなる光学系、当該光学系により撮像面に集光された光学像を光電変換する撮像素子、及びこれらの駆動機構などからなる。撮像部104は、例えば、カメラ制御部(図示せず)などを備え、制御部122からの指示に基づいて、撮像部104の各部の動作を制御する。例えば、撮像時には、操作入力部102に対するユーザ操作に応じて、適切なズーム、フォーカス等で被写体が撮像されるように、撮像部104の駆動機構を制御して、ズームレンズ、フォーカスレンズなどを駆動させる。
【0032】
音声入出力部106は、例えば、外部音声を入力するためのマイク、再生された音声を出力するためのスピーカなどで構成される。
【0033】
表示部108は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display)などからなり、デジタルカメラ100上に備えられる。表示部108は、撮像部104により撮像された画像データや、ユーザに対する通知メッセージ(例えば、撮影モード、空き容量通知、エラー通知)などを表示する。
【0034】
データ処理部110は、デジタルシ信号処理回路(DSP)などで構成され、撮像部104から入力された画像信号に対して、例えば、ホワイトバランス調整、色補正、エッジ強調、ガンマ補正などの各種の信号処理を行う。ここで、ホワイトバランス調整とは、例えば、RAW画像データ(信号処理前の画像)に対して、RGB(Red Green Blue)の色ごとに予め設定されたゲインをかけ、各画素(pixel)に対応する画素値を増幅する処理である。色調補正処理とは、例えば、画像の色調を補正する処理である。エッジ強調処理とは、例えば、画像からエッジ部分を検出し、検出されたエッジ部分の輝度を高めることにより画像の濃淡を強調する処理である。ガンマ補正処理とは、例えば、RGBの信号を非線形変換し、視覚的なリニアリティ(linearity)を確保する処理である。データ処理部110による処理後の画像信号は、表示部108に表示されたり、外部インターフェース120を介して外部機器に出力されたりする。
【0035】
内部記憶領域112は、例えば、システムの起動用データ、アプリケーション、画像データなどを記憶する不揮発性の記憶領域である。内部記憶領域112としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、などの不揮発性メモリが挙げられるが、これらに限定されるものではない。なお、内部記憶領域112の詳細の構成については後述する。
【0036】
デコーダ114は、内部記憶領域112などに記憶されている各種の圧縮プログラムや圧縮データなどをデコードする。例えば、デジタルカメラ100のシステムを起動する際には、制御部122は、デコーダ114を介して、内部記憶領域112に保存されている圧縮されたシステムの起動用データを解凍することができる。
【0037】
装着部116は、着脱可能な外部記憶装置124の差込口を有し、外部記憶装置124を着脱可能に収納する。ここで、装着部116に挿入され収納される外部記憶装置124としては、例えば、メモリスティック(登録商標)やSDメモリーカードなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、装着部116は、複数の外部記憶装置124の規格に対応したマルチ装着部とすることもできる。ユーザは、撮像部104によって撮像された画像を、装着部116に挿入された外部記憶装置124に記録することができる。
【0038】
RAM(Random Access Memory)118は、例えば、制御部122が実行するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を記憶する揮発性の記憶領域である。
【0039】
外部インターフェース120は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、「PC:Personal Computer」という)などの外部装置を接続するためのインターフェースである。外部インターフェース120は、外部装置とデータを入出力するためのインターフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、LAN(Local Area Network)ポートなどの各種のポート(接続口)で構成される。外部インターフェース120を介してデジタルカメラ100とPCとを接続することで、PCによりデジタルカメラ100の動作を制御することができる。例えば、デジタルカメラ100に装着された外部記録装置124または内部記憶領域112内に記憶されている画像データ、音声データ等を、PCで出力(表示、音声出力など)することができる。
【0040】
通信インターフェース121は、デジタルカメラ100が備える通信手段であり、ネットワークを介して外部装置と無線/有線で通信を行うための通信部である。ここで、ネットワークとしては、例えば、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの有線ネットワーク、基地局を介した無線WAN(WWAN;Wireless Wide Area Network)や無線MAN(WMAN;Wireless Metropolitan Area Network)などの無線ネットワーク、もしくは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
また、通信インターフェース121としては、例えば、通信アンテナおよびRF回路(無線通信)、IEEE802.15.1ポートおよび送受信回路(無線通信)、IEEE802.11bポートおよび送受信回路(無線通信)、LAN端子および送受信回路(有線通信)、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
制御部122は、デジタルカメラ100全体を制御する演算処理装置および制御装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などである。制御部122は、デジタルカメラ100の上述した各構成部の各処理を実行する。また、本実施形態に係る制御部122は、システムの起動および遮断を制御する起動制御部126や、撮像部104により撮像された画像データなどの内部記憶領域112または外部記憶装置124への保存を制御するデータ保存制御部128としても機能する。なお、起動制御部126およびデータ保存制御部128の処理の詳細については、後述する処理フローにおいて説明する。
【0043】
なお、デジタルカメラ100の機能構成は、図1に示す構成に限られない。例えば、デジタルカメラ100は、操作入力部102および表示部108を、タッチスクリーンで構成された一つの操作表示デバイスで実現することなども可能である。また、例えば、通信インターフェース121などの一部の構成を備えないことも可能である。
【0044】
(3.内部記憶領域112の構成)
次に、本実施形態に係るデジタルカメラ100の特徴的な部分の1つである内部記憶領域112の構成の一例について説明する。内部記憶領域112は、上述したように、システムの起動用データ、アプリケーション、画像データなどを記憶する不揮発性の記憶領域である。上述したように、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、不揮発性領域である内部記憶領域112のユーザ領域132にハイバネーションイメージを保存することにより、システムを高速で起動し、システムOFF時の状態でタスクを再開することを可能とする。そこで、本実施形態に係るデジタルカメラ100の構成を説明するにあたり、まず一般的な従来のデジタルカメラ10に備えられる内部記憶領域12の構成について説明する。図14は、一般的な従来のデジタルカメラ10に備えられる内部記憶領域12の構成を示す概念図である。
【0045】
内部記憶領域12は、システムが利用するシステム領域14と、ユーザが利用するユーザ領域16と、を含んで構成される。図14に示すように、システム領域14には、システムの起動時に起動用のプログラムを読み込んで起動するローダー(Loader)18と、システムの起動に必要な起動用データ20と、システムOFF時のシステムの状態情報を圧縮したハイバネーションイメージ(H/I)22が保存されている。また、起動用データ20は、通常システム領域14の容量を考慮して圧縮された状態で保存され、コールドブートによりシステムを起動する際に解凍される。ユーザ領域16は、ユーザが画像データなどを保存するための領域である。例えば、デジタルカメラ10に外部記憶装置などが挿入されていない場合には、ユーザは、内部記憶領域12のユーザ領域16に画像データを保存することができる。なお、図14に示す内部記憶領域12は、従来のデジタルカメラ10に備えられる内部記憶領域12の一例であり、システム領域14には、図14に示した例以外に種々のプログラムなどを記憶されている場合もある。また、システム領域14およびユーザ領域16の容量は、デジタルカメラ10の製造時に設定されるものである。したがって、一般的には、システム領域14は、システムの起動・動作に必要最小限の容量で設定され、ユーザの利便性を考慮しユーザ領域16の容量は可能な限り大きく設定される。
【0046】
このようにして構成される内部記憶領域12を備える従来の一般的なデジタルカメラ10は、ユーザから電源の起動要求があった場合に、システム領域14に記憶されている起動用データ20に基づいてシステムの初期設定などを行った後、圧縮されたH/I22を解凍してRAMなどの主記憶装置に展開する。このような、従来の一般的なデジタルカメラ10による、システムの起動動作の流れについて図15を参照にして説明する。図15は、従来の一般的なデジタルカメラ10によるハイバネーションによるシステムの起動の流れを示すフロー図である。
【0047】
図15に示すように、デジタルカメラ10は、ユーザから電源の起動要求があった場合には、ステップ30において、Loader18を起動する。その後、ステップ32において、システム領域14に保存されている起動用データ20をRAMに展開することによりシステムの初期化などを行う。なお、内部記憶領域12は、ユーザ領域16の容量を可能な限り大きくする方が好ましいため、システム領域12の容量を必要最小限に設定する必要がある。そのため、システム領域12には、起動用データ20が圧縮されて保存されているのが通常である。この場合、デジタルカメラ10は、起動用圧縮データ20を解凍した後にRAMへ展開する。次にデジタルカメラ10は、ステップ34において、システム領域14に保存されている圧縮H/I22を解凍し、RAMへ展開する。その後、ステップ38において、RAMに展開された解凍済みのH/I22に基づいて、各種アプリケーションを再開することにより、システムの起動を終了する。
【0048】
このように、従来の一般的なデジタルカメラ10では、ハイバネーションに必要なH/I22を圧縮した状態で保存しているため、ハイバネーションの際に当該H/I22の解凍作業が必要となり、起動時間が長くなってしまうという問題がある。これに対して、本発明の実施形態の1つに係るデジタルカメラ100は、非圧縮のH/Iを、本来ユーザが使用するユーザ領域132に一時的に保存することにより、ハイバネーションによるシステムの高速起動を可能としている。以下、本実施形態に係るデジタルカメラ100の備える内部記憶領域112の構成について説明する。
【0049】
図2は、本実施形態に係るデジタルカメラ100の備える内部記憶領域112の構成を示す概念図である。図2に示すように、内部記憶領域112は、上述した従来の内部記憶領域12と同様に、システム領域130およびユーザ領域132から構成される。また、システム領域130には、上述した従来の内部記憶領域12のシステム領域14と同様に、Loader134と、起動用データ138と、圧縮H/I142が保存される。さらにシステム領域130には、図2に示すように、起動用管理情報136が保存される。起動用管理情報136は、ユーザ領域132に関する情報であり、ユーザによるユーザ領域132の利用状況や、画像データの保存の有無、ユーザ領域の空き容量、後述する非圧縮H/I140がユーザ領域132に保存されているか否か、などの情報を含む。起動用管理情報136は、ユーザ領域132の利用状況をフラグ情報などにより管理し、ユーザ領域132の利用状況に応じて、制御部122によって適宜更新されるものである。
【0050】
ユーザ領域132は、ユーザによって利用される領域であり、上述したように通常は、撮像部104によって撮像された画像データなどが保存される。しかしながら、近年、例えば、メモリースティック(登録商標)、SDメモリーカードなどの外部記憶装置124の技術の発達に伴い、これら外部記憶装置124の容量増加、低価格化などが顕著となっている。これにより、ユーザは、内部記憶領域132を利用することなく、装着部116に挿入されている外部記憶装置124に画像データなどを記録する場合が多い。そこで、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、非圧縮の状態のH/I140を、当該ユーザ領域132に保存しておくことにより、ハイバネーションによるシステムの高速起動を実現する。
【0051】
図2に示すように、ユーザ領域132には、ハイバネーションに必要な、システムの状態情報を圧縮していない非圧縮H/I140が保存されていることがわかる。したがって、デジタルカメラ100は、ユーザから電源の起動要求があった場合、システム領域130に保存されている圧縮H/I142ではなく、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションを実行することができる。この結果、デジタルカメラ100は、ハイバネーションに際して、圧縮H/I142の解凍動作が不要となる。これにより、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、従来に比べてハイバネーションによるシステムの起動を高速に行うことができる。
【0052】
(4.デジタルカメラ100の各種処理フロー)
次に、上記のように構成されるデジタルカメラ100において、内部記憶領域112のユーザ領域132に非圧縮H/I140を保存することにより実現することが可能な、各種処理の流れについて図3〜5を参照に説明する。なお、本明細書において、フロー図に記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【0053】
(4−1.非圧縮H/I140の保存フロー)
まず、上記のように構成されるデジタルカメラ100において、ユーザからの電源のOFF要求に応じて、システムをOFFする際に、次回ハイバネーションによるシステムの起動をするのに必要なH/Iを非圧縮で保存する処理の流れについて説明する。図3は、本実施形態に係るデジタルカメラ100において、ユーザからの電源のOFF要求に応じて、システムをOFFする際に、非圧縮H/I140を保存する処理の流れを示すフロー図である。
【0054】
図3に示すように、デジタルカメラ100は、ユーザから電源のOFF要求があった場合には、まずステップ300において、起動制御部126が、システム領域130に保存されている起動用管理情報136へアクセスする。その後、起動制御部126は、ステップ302において、ユーザ領域132に画像データが保存されているか否かを判断する。前述したように、ユーザ領域132は、本来ユーザにより撮像された画像などのデータを保存するための領域である。そこで、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、ユーザ領域132をあくまでユーザに弊害を及ぼさない範囲で利用する。
【0055】
すなわち、ステップ302において、ユーザ領域132にユーザにより撮像された画像データが保存されていると判断された場合、起動制御部126は、ステップ304において、現状のシステムの状態情報を圧縮した圧縮H/I142を作成し、システム領域130に保存する。その後、起動用制御部126は、ステップ308において、システム領域308に保存されている、起動用管理情報136を更新する。すなわち、起動制御部126は、起動用管理情報136の圧縮H/I142の有無に関するフラグ情報を更新する。これにより、次回システムを起動する際に、起動制御部126は、起動用管理情報136に基づいて。システム領域130に圧縮H/I142が保存されているか否かを判断することができる。その後、起動制御部126は、ステップ310において、システムのすべての電源を遮断することにより、システムの電源をOFFにする。
【0056】
一方、ステップ302において、ユーザ領域132にユーザにより撮像された画像データが保存されていないと判断された場合、起動制御部126は、ステップ306において、現状のシステムの状態情報を圧縮することなく、非圧縮H/I140としてユーザ領域132に保存する。起動制御部126は、RAM118に展開されているシステムの状態情報などを、非圧縮H/I140としてユーザ領域132に保存することができる。次に起動制御部126は、ステップ308において、起動用管理情報136を更新する。すなわち、起動制御部126は、起動用管理情報136の非圧縮H/I140の有無に関するフラグ情報を更新する。これにより、次回システムを起動する際に、起動制御部126は、起動用管理情報136に基づいて。システム領域130に非圧縮H/I140が保存されているか否かを判断することができる。その後、起動制御部126は、ステップ310において、システムのすべての電源を遮断することにより、システムの電源をOFFにする。
【0057】
(4−2.ハイバネーションよるシステムの起動フロー)
次に、上記のようにして、システムOFF時に保存された非圧縮H/I140または圧縮H/I142に基づいて、ハイバネーションによりシステムを起動する処理の流れについて説明する。図4は、本実施形態に係るデジタルカメラ100において、ユーザからの電源の起動要求に応じて、ハイバネーションによりシステムを起動する処理の流れを示すフロー図である。
【0058】
図4に示すように、デジタルカメラ100は、ユーザから電源の起動要求があった場合には、まずステップ400において、起動制御部126が、システム領域130に保存されている起動用管理情報136へアクセスする。起動用管理情報136は、上述したように、ユーザ領域132の利用状況に関する情報を管理するものである。したがって、起動制御部126は、起動用管理情報136へアクセスすることにより、ユーザ領域132における画像データや非圧縮H/I140の有無などを確認することができる。
【0059】
次にステップ402において、起動制御部126は、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されているか否かを確認する。前述したように、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されている場合には、当該非圧縮H/I140に基づいて高速でハイバネーションを行うことができる。一方、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていない場合には、システム領域130に保存されている圧縮H/I142を解凍することによりハイバネーションを行う。したがって、起動制御部126は、圧縮H/I142または非圧縮H/I140のいずれに基づいてハイバネーションを行うかを決定するために、ステップ402の判断を行う。起動制御部126は、例えば、起動用管理情報136の有する非圧縮H/I140の有無に関するフラグが「1」の場合には、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されており、「0」の場合には保存されていないと判断することができる。
【0060】
ステップ402において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていないと判断された場合、起動制御部126は、ステップ404において、システム領域130に保存されている圧縮H/I142を解凍することによりハイバネーションを行う。すなわち、起動制御部126は、システム領域130に保存されているLoader134を起動し、起動用データ138を解凍してRAM118に展開することによりシステムの初期化などを行う。その後、起動制御部126は、システム領域130に保存されている圧縮H/I142を自動解凍し、RAM118に展開することにより、各種アプリケーションをシステムOFF前の状態に復元する。
【0061】
一方ステップ402において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていると判断された場合、起動制御部126は、ステップ406において、非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションを行う。すなわち、起動制御部126は、H/I140の解凍作業が不要であるため、圧縮H/I142を解凍することによりハイバネーションを行うステップ404の場合と比較して、ハイバネーションを高速に行うことができる。
【0062】
(4−3.画像データの保存フロー)
次に、ユーザが撮像部104により被写体を撮像した場合において、撮像データを内部記憶領域112のユーザ領域132に保存する処理の流れについて説明する。ユーザは、大量の高画質データを保存するために、装着部116に外部記憶装置124を挿入し、撮像した画像データを外部記憶装置124に保存することが通常である。しかしながら、例えば、外部記憶装置124の故障時、外部記憶装置124の紛失時、外部記憶装置124の容量不足時などにおいては、撮像した画像データを内部記憶領域112のユーザ領域132に保存する必要がある。また、内部記憶領域112と外部記憶装置124のいずれに画像データを保存するかは、例えばユーザにより任意に設定することが可能な場合も想定される。
【0063】
前述したように、ユーザ領域132は、本来はユーザにより撮像された画像データを保存するための領域である。したがって、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されている場合においても、ユーザにより撮像された画像データを優先して保存する必要がある。
【0064】
ユーザ領域132に非圧縮H/I140を保存することを特徴とする、本実施形態に係るデジタルカメラ100においても、以下に説明するデータ保存制御部128による処理により、画像データを優先的にユーザ領域132に保存することができる。図5は、本実施形態に係るデジタルカメラ100において、ユーザが撮像した画像データを、ユーザ領域132に保存する処理の流れを示すフロー図である。
【0065】
図5に示すように、デジタルカメラ100は、撮像部104を介して被写体が撮像された場合、撮像データをユーザ領域132に保存するにあたり、まず、データ保存制御部128が、ステップ500において起動用管理情報136へアクセスする。前述したように、ユーザ領域132は、本来はユーザにより撮像された画像データを保存するための領域であるため、画像データをユーザ領域132に保存するに当たり、ユーザ領域132の利用状況を把握する必要があるからである。
【0066】
起動用管理情報136は、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されているか否かを表すフラグ情報を有している。したがって、データ保存制御部128は、ステップ502において、起動用管理情報136に基づいて、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されているか否かを判断する。データ保存制御部128は、例えば、起動用管理情報136の有する非圧縮H/I140の有無に関するフラグが「1」の場合には、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されており、「0」の場合には保存されていないと判断することができる。
【0067】
ステップ502において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていると判断された場合、データ保存制御部128は、ステップ504において、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140を消去する。ユーザ領域132は、本来ユーザにより撮像された画像データを保存するための領域であるため、一時的に保存していた非圧縮H/I140を消去し、画像データの保存を優先するためである。
【0068】
次にステップ506において、データ保存制御部128は、起動用管理情報136を更新する。ステップ504において、ユーザ領域132の非圧縮H/I140は消去されたため、データ保存制御部128は、起動用管理情報136の有する非圧縮H/I140の有無に関する情報を更新する必要がある。したがって、データ保存制御部128は、例えば、非圧縮H/I140の有無に関するフラグを「1」から「0」に更新する。このように、データ保存制御部128が適宜起動用管理情報136を更新することにより、起動用管理情報136は、非圧縮H/I140がユーザ領域132に保存されているか否かについての最新の情報を有することができる。したがって、例えば、デジタルカメラ100の電源が寸断されたような場合においても、制御部122は、起動用管理情報136に基づいて、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されているか否かを確実に認識することができる。したがって、システムの起動時において、起動制御部126は、圧縮H/I142または非圧縮H/I140のいずれに基づいてハイバネーションを行うかを適切に判断することができる。
【0069】
次にステップ508において、データ保存制御部128は、撮像部104により撮像された画像データを、ユーザ領域132に保存する。その後、データ保存制御部128は、ステップ510において、起動用管理情報136の有する他の情報、例えば、ユーザ領域132の空き容量、ユーザ領域132における画像データの有無、などを更新する。
【0070】
一方、ステップ502において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140がないと判断された場合、データ保存制御部128は、ステップ512において、撮像部104により撮像された画像データを、ユーザ領域132に保存する。その後、データ保存制御部128は、ステップ514において、起動用管理情報136の有する、例えば、ユーザ領域132の空き容量、ユーザ領域132における画像データの有無、などの情報を更新する。
【0071】
このように、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、ハイバネーションによるシステムの起動を高速化するために、本来ユーザにより利用されるユーザ領域132に非圧縮H/I140を保存することを特徴とするが、ユーザ領域132に画像データを保存することも可能である。すなわち、ユーザ領域132に画像データを保存する必要がある場合には、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140を消去し、画像データの保存を優先する。この結果、ユーザ領域132に非圧縮H/I140を保存することにより、ユーザが画像データをユーザ領域132に保存する領域が減少するという弊害を防止することができる。すなわち、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、ユーザに対する弊害を一切伴うことなく、ハイバネーションの高速化に必要な非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存することができる。すなわち、デジタルカメラ100は、ハイバネーションに必要なシステムの状態情報を、非圧縮の状態で、ユーザにより利用される不揮発性の記憶領域であるユーザ領域132に一時的に保存しておくことにより、ハイバネーションを高速で行うことが可能である。
【0072】
(5.変形例)
上記のように、本実施形態にかかるデジタルカメラ100は、本来ユーザによって撮像された画像データを保存するためのユーザ領域132に、非圧縮H/I140を保存することにより、ハイバネーションの高速化を可能とすることを特徴としている。しかしながら、上述した機能構成、処理フローは、本実施形態の代表的な一例を説明するものであり、デジタルカメラ100は、上記特徴を有することにより、各種処理を変形して実行することができる。以下に、上記特徴を備える本実施形態に係るデジタルカメラ100の変形例について説明する。
【0073】
(5−1.変形例1)
図3に示した非圧縮H/I140の保存フローでは、ステップ302において、ユーザ領域132に画像データが保存されている場合には、ステップ304において、システムの状態情報を圧縮した圧縮H/I142をシステム領域130に保存した。しかしながら、ユーザ領域132の空き容量に余裕がある場合には、システムの状態情報を圧縮することなく、非圧縮の状態でユーザ領域132に保存した方が好ましい。前述したように、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていない場合には、次回システムをハイバネーションにより起動する際、圧縮H/I142を解凍する必要があるため、ハイバネーションを高速で行うことができない。したがって、システムをOFFにする際には、可能な限りユーザ領域132に、非圧縮H/I140を保存しておくことが望ましい。すなわち、仮にユーザ領域132に画像データが保存されている場合においても、ユーザ領域132の空き容量が、非圧縮H/I140を保存するのに必要な容量より大きい場合には、起動制御部126は、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存してもよい。
【0074】
図6は、変形例1のデジタルカメラ100において、ユーザからの電源のOFF要求に応じて、システムをOFFする処理の流れを示すフロー図である。なお、上述した図3のフローと同様の処理については詳細の説明を省略する。
【0075】
図6に示すように、デジタルカメラ100は、ユーザから電源のOFF要求があった場合には、まずステップ600において、起動制御部126が、システム領域130に保存されている起動用管理情報136へアクセスする。その後、起動制御部126は、ステップ602において、ユーザ領域132に画像データが保存されているか否かを判断する。
【0076】
ステップ602において、ユーザ領域132にユーザにより撮像された画像データが保存されていないと判断された場合、起動制御部126は、ステップ604において、現状のシステムの状態情報を圧縮することなく、非圧縮H/I140としてユーザ領域132に保存する。その後、起動制御部126は、ステップ606において、起動用管理情報136を更新し、ステップ608において、システムのすべての電源を遮断することにより、システムの電源をOFFにする。
【0077】
一方ステップ602において、ユーザ領域132にユーザにより撮像された画像データが保存されていると判断された場合、起動制御部126は、ステップ610において、ユーザ領域132の空き容量が、システムの状態情報を非圧縮で保存するのに必要な容量より大きいか否かを判断する。上述したように、ユーザ領域132に非圧縮H/I140の保存に必要な空き容量がある場合には、H/Iを圧縮することなく、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存した方が好ましいからである。起動制御部126は、例えば、RAM118に展開されているシステムの状態情報の容量と、起動用管理情報136が有するユーザ領域132の空き容量に関する情報とに基づいて、ユーザ領域132に非圧縮H/I140の保存に必要な空き容量があるか否かを判断することができる。
【0078】
ステップ610において、ユーザ領域132の空き容量が、非圧縮H/I140を保存するのに必要な容量より大きいと判断された場合には、起動制御部126は、ステップ604において、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存する。すなわち、起動御部126は、H/Iを圧縮することなく、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存する。この結果、ユーザ領域132には、画像データおよび非圧縮H/I140が保存されていることとなる。図7は、このようにユーザ領域132に、画像データおよび非圧縮H/I140が保存されている場合の内部記憶領域112の構成の一例を示す概念図である。
【0079】
図7に示すように、ユーザ領域132には、非圧縮H/I140に加え、複数の画像データ1、2、・・・が保存されていることがわかる。このように、起動制御部126は、ユーザ領域132の空き容量に余裕がある限り、H/Iを圧縮することなく、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存することができる。なお、起動制御部126は、非圧縮H/I140をユーザ領域132の所定の位置に固定して保存することが望ましい。これにより、起動制御部126は、ユーザ領域132内の非圧縮H/I140の保存位置を考慮することなく、画像データをユーザ領域132に保存することができるためである。
【0080】
その後、起動用制御部126は、図6のステップ606において、起動用管理情報136を更新し、ステップ608において、システムのすべての電源を遮断することにより、システムの電源をOFFにする。これにより、次回システムを起動する際には、起動制御部126は、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションを高速で行うことができる。
【0081】
一方、ステップ610において、ユーザ領域132の空き容量が、非圧縮H/I140を保存するのに必要な容量より小さいと判断された場合、起動制御部126は、ステップ612において、圧縮H/I142を作成し、システム領域130に保存する。その後、起動用制御部126は、ステップ606において、起動用管理情報136を更新し、ステップ608において、システムのすべての電源を遮断することにより、システムの電源をOFFにする。
【0082】
このように、変形例1のデジタルカメラ100は、システムをOFFする際に、起動用制御部126が、ユーザ領域132の空き容量に余裕がある限りは、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存しておくことができる。したがって、ユーザ領域132に画像データが保存されている場合においても、非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションによるシステムの起動を高速で行うことができる。この結果、変形例1のデジタルカメラ100は、可能な限りユーザ領域132に非圧縮H/I140を保存しておくことができ、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションを高速で行う機会をより多く提供することができる。
【0083】
(5−2.変形例2)
図5に示した画像データの保存フローでは、ステップ502において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が存在する場合には、ステップ504において、非圧縮H/I140を消去した後に画像データをユーザ領域132に保存した。しかしながら、ユーザ領域132の空き容量に余裕がある場合には、非圧縮H/I140を消去することなく、画像データをユーザ領域132に保存した方が好ましい。H/Iは、前述したように、RAM118のスナップショットデータ、レジスタ値、ファイルキャッシュなどの種々の情報を含む。しかしながら、ハイバネーション機能を備える上で、H/Iとしてどのような情報を保存するかは、例えば、設計者などが製造段階で任意に設定することもできる。したがって、例えば、H/Iの作成において、H/Iを不可変の情報のみを含んで作成する場合や、H/Iの一部を不可変の情報として作成する場合なども想定される。このように、H/Iが不可変の情報を含む場合には、一度ユーザ領域132に保存された非圧縮H/I140を可能な限り保存しておくことが望ましい。H/Iが不可変な情報のみを含む場合には、次のシステムOFF時に改めてH/Iを作成する必要がないからである。変形例2のデジタルカメラ100は、この点を考慮し、ユーザ領域132の空き容量が、ユーザにより撮像された画像データを保存するために必要な容量より大きい場合には、非圧縮H/I140を消去することなく、画像データをユーザ領域132に保存する。
【0084】
図8は、変形例2のデジタルカメラ100において、データ保存制御部128により、ユーザが撮像した画像データを、ユーザ領域132に保存する処理の流れを示すフロー図である。なお、上述した図5のフローと同様の処理については詳細の説明を省略する。
【0085】
図8に示すように、データ保存制御部128は、図5に示したフローと同様にステップ800において、起動用管理情報136へアクセスする。その後、データ保存制御部128は、ステップ802において、起動用管理情報136に基づいて、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されているか否かを判断する。ここでユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていない場合には、データ保存制御部128は、ステップ804において、画像データをユーザ領域132に保存し、ステップ806において、起動用管理情報136の、ユーザ領域132の空き容量などに関する情報を更新する。
【0086】
一方、ステップ802において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140があると判断された場合、データ保存制御部128は、ステップ808において、ユーザ領域132に画像データを保存するのに必要な空き容量が残っているか否かを判断する。上述したように、ユーザ領域132に画像データの保存に必要な空き容量がある場合には、非圧縮H/I140を消去することなく、画像データをユーザ領域132に保存した方が好ましいからである。データ保存制御部128は、例えば、撮像部104によって撮像された画像データの容量と、起動用管理情報136が有するユーザ領域132の空き容量に関する情報とに基づいて、ユーザ領域132に画像データの保存に必要な空き容量が残っているか否かを判断することができる。
【0087】
ステップ808において、ユーザ領域132に、画像データを保存するために必要な空き容量が残っている判断された場合には、データ保存制御部128は、ステップ804において画像データをユーザ領域132に保存する。すなわち、データ保存制御部128は、非圧縮H/I140を消去することなく、画像データをユーザ領域132に保存する。この結果、ユーザ領域132には、上述した図7のように、画像データおよび非圧縮H/I140が保存されていることとなる。
【0088】
一方、図8のステップ808において、ユーザ領域132に、画像データを保存するために必要な空き容量が残っていないと判断された場合には、データ保存制御部128は、図5に示したフローと同様に、ステップ810において、非圧縮H/I140を消去する。その後、データ保存制御部128は、ステップ812において、起動用管理情報136を更新する。さらに、データ保存制御部128は、ステップ814において、画像データをユーザ領域132に保存した後、ステップ816において、起動用管理情報136を更新する。
【0089】
このように、変形例2のデジタルカメラ100は、データ保存制御部128が、ユーザ領域132の空き容量に余裕がある限りは、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存しておくことができる。したがって、例えば、H/Iが不可変な情報のみから構成される場合には、システムOFF時において、起動制御部126は、改めて非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存する必要がない。また、ユーザ領域132の空き容量が減少し、新しい画像データを保存するための容量が不足している場合には、非圧縮H/I140を消去することにより、当該画像データの保存を優先することができる。この結果、非圧縮H/I140がユーザ領域132に保存されることにより、ユーザが画像データをユーザ領域132に保存する領域が減少するという弊害を防止することができる。すなわち、変形例2のデジタルカメラ100は、ユーザに対する弊害を一切伴うことなく、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140を継続的に保存しておくこともできる。
【0090】
(5−3.変形例3)
上記実施形態に係るデジタルカメラ100は、ハイバネーションを高速で行うために、非圧縮H/I140を、本来ユーザが画像データの保存に利用する内部記憶領域112のユーザ領域132に保存することを特徴としている。しかしながら、本来ユーザが画像データの保存に利用する領域はユーザ領域132のみに限られない。例えば、装着部116に挿入される外部記憶装置124も、ユーザが画像データを保存するための領域である。したがって、ユーザ領域132の代わりに外部記憶装置124の空き容量に非圧縮H/I140を保存することによっても、ハイバネーションを高速で行うことができる。変形例3のデジタルカメラ100は、非圧縮H/I140を、内部記憶領域112のユーザ領域132の代わりに、外部記憶装置124に保存することができる。
【0091】
ここで、外部記憶装置124は、装着部116に抜き差しが可能であるため、変形例3のデジタルカメラ100は、システムを起動する際には、前回システムがOFFされた時から外部記憶装置124が装着部116から抜き差しされたかを認識する必要がある。なぜなら、外部記憶装置124に非圧縮H/I140を保存したとしても、その後当該外部記憶装置124が装着部116から抜かれ、非圧縮H/I140が保存されていない別の外部記憶装置124が挿入されることも想定されるためである。このような場合においても、起動用管理情報136は、外部記憶領域124に非圧縮H/I140が保存されていると認識している。したがって、起動用管理情報136の有する情報と、外部記憶装置124の非圧縮H/I140の実際の保存状況とに矛盾が生じてしまうおそれがある。また、外部記憶装置124が装着部116から抜かれた後に、別のデジタルカメラで保存された非圧縮H/Iを有する別の外部記憶装置124が装着部116に挿入されることも想定される。このような場合には、起動用管理情報136の有する情報と、外部記憶装置124の非圧縮H/I140の実際の保存状況とに矛盾は生じないが、外部記憶装置124には別のデジタルカメラの非圧縮H/Iが保存されていることとなる。この場合、デジタルカメラ100は、他のデジタルカメラの非圧縮H/Iに基づいてハイバネーションによるシステム起動を行うこととなり、システムエラーや故障の原因となってしまう恐れもある。したがって、変形例3のデジタルカメラ100は、システムの起動時において、前回システムがOFFされた時から外部記憶装置124が装着部116から抜き差しされたかを確認する。
【0092】
変形例3のデジタルカメラ100において、ハイバネーションによりシステムを起動する処理の流れについて、以下図9を参照にして説明する。図9は、変形例3のデジタルカメラ100において、ユーザからの電源の起動要求に応じて、ハイバネーションによりシステムを起動する処理の流れを示すフロー図である。なお、変形例3のデジタルカメラ100では、システムOFFの際に、ユーザ領域132の代わりに外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されるが、上記実施形態において説明した図3と同様のフローにより保存されるため、詳細の処理は省略する。
【0093】
図9に示すように、変形例3のデジタルカメラ100は、ユーザから電源の起動要求があった場合には、まずステップ900において、起動制御部126は、外部記憶装置124が装着部116に抜き差しされたか否かを判断する。なお、通常、一般的なデジタルカメラは、メモリースティック(登録商標)、SDカードなどの外部記憶装置124の抜き差しを判断し、外部記憶装置124の抜き差しがない場合には、ヘッダ情報などへのアクセスを軽減することにより、外部記憶装置124の読み込みの高速化を図っている。変形例3のデジタルカメラ100は、このような通常のデジタルカメラに備えられる外部記憶装置124の抜き差しを判断する手段を備えることにより実現することができる。
【0094】
上述したように、外部記憶装置124が装着部116から抜き差しされた場合には、現在外部記憶装置124には非圧縮H/I140が保存されておらず、起動用管理情報136の有する情報と矛盾している可能性がある。また、外部記憶装置124に、他のデジタルカメラで保存された非圧縮H/Iが保存されている可能性もある。したがって、ステップ900において、外部記憶装置124が装着部116に抜き差しされたと判断された場合、起動制御部126は、ステップ908において、内部記憶領域112のシステム領域130に保存されている起動用データ138に基づいてコールドブートを行う。すなわち、起動制御部126は、システム領域130に保存されているLoader134を起動し、起動用データ138を解凍してRAM118に展開することによりシステムの初期化などを行うことにより起動を完了する。これにより、システムのエラーや故障を防止することができる。
【0095】
一方、ステップ900において、外部記憶装置124が装着部116から抜き差しされていないと判断された場合、ステップ902において、起動制御部126は、システム領域130に保存されている起動用管理情報136へアクセスする。その後、起動制御部126は、ステップ904において、起動用管理情報136に基づいて、外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されているか否かを判断する。
【0096】
ステップ904において、外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されていると判断された場合、起動制御部126は、ステップ906において、非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションによるシステム起動を高速で行うことができる。
【0097】
一方、ステップ904において、外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されていないと判断された場合、起動制御部126は、ステップ908において、内部記憶領域112のシステム領域130に保存されている起動用データ138に基づいてコールドブートを行う。
【0098】
このように、変形例3のデジタルカメラ100は、非圧縮H/I140を外部記憶装置124に保存することにより、当該非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションによるシステム起動を高速で行うことができる。また、外部記憶装置124は、本来ユーザが画像データを保存するための領域であるため、デジタルカメラ100自体は、非圧縮H/I140を保存するための不揮発性の領域(ROMなど)を別途備える必要がない。したがって、小型化、軽量化、携帯性などが要求されるデジタルカメラなどの撮像装置においても、外部記憶装置124に非圧縮H/I140を保存することにより、システムの高速起動を実現することができる。また、外部記憶装置124の装着部116への抜き差しを判断することにより、起動用管理情報136と、実際の非圧縮H/I140の保存状況とが矛盾する場合においても、起動用データ138に基づいてコールドブートによるシステム起動を安全に行うことができる。
【0099】
(5−4.変形例4)
上記変形例3のデジタルカメラ100は、外部記憶装置124に非圧縮H/I140を保存するが、例えば、内部記憶領域112のユーザ領域132および外部記憶装置124のいずれか一方に選択的に非圧縮H/I140を保存することもできる。上述したように、ユーザ領域132も外部記憶装置124も本来はユーザにより画像データが保存されるための領域であるため、ユーザに弊害を及ぼさないように非圧縮H/I140を保存する必要がある。この点を考慮し、変形例4のデジタルカメラ100は、ユーザ領域132または外部記憶装置124のうち、空き容量の大きい方を選択して、非圧縮H/I140を保存することができる。
【0100】
図10は、変形例4のデジタルカメラ100において、ユーザからの電源のOFF要求に応じて、システムをOFFする処理の流れを示すフロー図である。
【0101】
図10に示すように、変形例4のデジタルカメラ100は、ユーザから電源のOFF要求があった場合には、まずステップ1000において、起動制御部126が、システム領域130に保存されている起動用管理情報136へアクセスする。その後、起動制御部126は、ステップ1002において、内部記憶領域112のユーザ領域132または外部記憶装置124に、画像データが保存されているか否かを判断する。前述したように、ユーザ領域132および外部記憶装置124は、本来ユーザにより撮像された画像などのデータを保存するための領域であるため、画像データが保存されている場合には、非圧縮H/I140を保存しないからである。
【0102】
ステップ1002において、内部記憶領域112のユーザ領域132または外部記憶装置124のいずれか一方に画像データが保存されていると判断された場合、起動制御部126は、ステップ1011において、内部記憶領域112のシステム領域130に、圧縮H/I142を保存する。その後、起動制御部126は、ステップ1012において、システムの電源をOFFにする。これにより、次回システムを起動する際には、起動制御部126は、システム領域130に保存されている圧縮H/I142を解凍する事により、ハイバネーションによるシステム起動を行うことができる。
【0103】
一方、ステップ1002において、内部記憶領域112のユーザ領域132および外部記憶装置124のいずれにも画像データが保存されていないと判断された場合、起動制御部126はステップ1004の処理を行う。すなわち、起動制御部126は、ユーザ領域132の空き容量と外部記憶装置124の空き容量とを比較する。前述したように、起動用管理情報136は、ユーザ領域132および外部記憶装置124の容量に関する情報を有することができる。したがって、起動制御部126は、起動用管理情報136に基づいて、ユーザ領域132の空き容量と外部記憶装置124の空き容量とで、いずれの空き容量が大きいかを判断することができる。
【0104】
ステップ1004において、ユーザ領域132の空き容量が外部記憶装置124の空き容量よりも大きいと判断された場合には、起動制御部126は、ステップ1008において、内部記憶領域112のユーザ領域132に非圧縮H/I140を保存する。
【0105】
一方、ステップ1004において、外部記憶装置124の空き容量がユーザ領域132の空き容量よりも大きいと判断された場合には、起動制御部126は、ステップ1006において、外部記憶装置124に非圧縮H/I140を保存する。
【0106】
その後、起動制御部126は、ステップ1010において、起動用管理情報136を更新する。すなわち、起動制御部126は、起動用管理情報136の有するユーザ領域132または外部記憶装置124内の非圧縮H/I140の有無のフラグ情報を更新する。これにより、次回システムを起動する際に、起動制御部126は、起動用管理情報136に基づいて、ユーザ領域132または外部記憶装置124のいずれか一方に非圧縮H/I140が保存されているか否かを判断することができる。その後、起動制御部126は、ステップ1012において、システムの電源をOFFにする。
【0107】
図11は、変形例4のデジタルカメラ100において、ユーザからの電源の起動要求に応じて、ハイバネーションによりシステムを起動する処理の流れを示すフロー図である。
【0108】
上述したように、変形例4のデジタルカメラ100は、非圧縮H/I140をユーザ領域132または外部記憶装置124のいずれか一方に保存する。したがって、ユーザから電源の起動要求があった場合には、起動制御部126は、まずステップ1100において、起動用管理情報136にアクセスし、ステップ1102において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されているか否かを判断する。
【0109】
ステップ1102において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていると判断された場合には、起動制御部126は、内部記憶領域112のユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140に基づいてハイバネーションによるシステムの高速起動を行う。
【0110】
一方、ステップ1102において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていないと判断された場合には、外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されている可能性がある。しかしながら、上記変形例3において説明したように、外部記憶装置124は装着部116から抜き差しされる場合があるため、起動用管理情報136との矛盾が生じてしまうおそれがある。したがって、ステップ1102において、ユーザ領域132に非圧縮H/I140が保存されていないと判断された場合、上記変形例3の図9のフローと同様に、起動制御部126は、ステップ1106において、外部記憶装置124の抜き差しの有無を判断する。外部記憶装置124が抜き差しされた場合には、起動制御部126は、ステップ1108において、システム領域130に保存されている起動用データ138に基づいて、コールドブートによりシステムを起動する。一方、外部記憶装置124が抜き差しされていない場合には、起動制御部126は、ステップ1110において、外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されているか否かを、起動用管理情報136に基づいて判断する。外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されていないと判断された場合には、起動制御部126は、ステップ1108において、システム領域130に保存されている起動用データ138に基づいて、コールドブートによりシステムを起動する。一方、外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存されていると判断された場合には、起動制御部126は、ステップ1112において、当該非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションによるシステムの高速起動を行う。
【0111】
このように、変形例4のデジタルカメラ100は、本来ユーザにより画像データが保存される不揮発性の領域が複数存在する場合には、より空き容量の大きい領域に非圧縮H/I140を保存することができる。これにより、一方の記憶領域が画像データの保存により残容量が少ない場合でも、他方の記憶領域に非圧縮H/I140を保存することができるため、ハイバネーションによるシステムの高速起動を実現することができる。
【0112】
なお、上記変形例4の説明においては、内部記憶領域112のユーザ領域132および外部記憶装置124の2つの記憶領域を有する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、複数の内部記憶領域112を有している場合や、2以上の外部記憶装置124を挿入するための装着部116を有している場合などにも適用することができる。また、上記説明においては、ユーザ領域132と外部記憶装置124の空き容量に基づいていずれの領域に非圧縮H/I140を保存するかを判断したが、これに限定されるものではない。例えば、ユーザ領域132と外部記憶装置124の書き込み速度、読み込み速度、などの他のパラメータに基づいて、いずれの領域に非圧縮H/I140を保存するかを判断しても良い。この場合、当該パラメータに関する情報をシステム領域130の起動用管理情報136が有することにより実現することができる。また、上記変形例4の説明においては、ユーザ記憶領域132または外部記憶装置124に画像データが保存されている場合には、圧縮H/I142をシステム領域130に保存したが、これに限定されるものではない。例えば、変形例1において説明したように、画像データが保存されている場合においても、ユーザ領域132または外部記憶装置124の空き容量を考慮して、ユーザ領域132または外部記憶装置124に非圧縮H/I140を保存することも可能である。
【0113】
(5−5.変形例5)
本実施形態に係るデジタルカメラ100は、任意に通信インターフェース121を備えることができる。したがって、例えば、ネットワーク通信を利用したGPS(Global Positioning
System)などの各種機能を搭載することもできる。GPS機能を利用した地図表示の再生アプリケーションは通常、位置情報に基づいて地図情報をネットワーク上からダウンロードして、地図表示の再生を行う地図表示再生モードなどを備えている。したがって、例えば、地図表示再生モードの最中にデジタルカメラ100の電源をOFFにした場合、次回ハイバネーションによりシステムを起動することにより、地図表示の再生アプリケーションが起動され、地図表示再生モードが再開される。しかしながら、再度ネットワークから位置情報に基づく地図情報をダウンロードする必要があり、システムの再開に時間を要してしまうおそれがある。変形例5のデジタルカメラ100は、GPSアプリケーションのように、特定のアプリケーション情報をH/Iに含めることにより、ハイバネーションによるシステムの再開を高速で行うこともできる。以下、特定のアプリケーションとして、GPSを利用した地図表示機能の例について説明する。
【0114】
図12は、変形例5のデジタルカメラ100において、ユーザからの電源のOFF要求に応じて、システムをOFFする処理の流れを示すフロー図である。
【0115】
図12に示すように、変形例5のデジタルカメラ100は、ユーザから電源のOFF要求があった場合には、まずステップ1200において、起動制御部126が、システム領域130に保存されている起動用管理情報136へアクセスする。その後、起動制御部126は、ステップ1202において、ユーザ領域132に、画像データが保存されているか否かを判断する。
【0116】
ステップ1202において、内部記憶領域112のユーザ領域132に画像データが保存されていると判断された場合、起動制御部126は、ステップ1204において、システム領域130に、圧縮H/I142を保存する。その後、起動制御部126は、ステップ1212において、起動用管理情報136を更新し、ステップ1214において、システムの電源をOFFにする。これにより、次回システムを起動する際には、起動制御部126は、システム領域130に保存されている圧縮H/I142を解凍する事により、ハイバネーションによるシステム起動を行うことができる。
【0117】
一方、ステップ1202において、内部記憶領域112のユーザ領域132に画像データが保存されていないと判断された場合、起動制御部126は、ステップ1204において、現在GPSの地図表示モードが実行されているか否かを確認する。
【0118】
ステップ1206において、現在GPSの地図表示モードが実行されていないと判断された場合には、起動制御部126は、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存する。なお、この保存された非圧縮H/I140には、GPSの地図情報は含まれていない。その後、起動制御部132は、ステップ1212において、起動用管理情報136を更新し、ステップ1214において、システムの電源をOFFにする。これにより、次回システムを起動する際には、起動制御部126は、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションによるシステム起動を高速で行うことができる。また、システムのOFF時において、GPSの地図表示モードのアプリケーションは実行されていなかったため、ハイバネーションによりシステムが再開された時に、地図表示モードが実行されることはない。
【0119】
一方、ステップ1206において、現在GPSの地図表示モードが実行されていると判断された場合には、起動制御部126は、現在ダウンロードされている地図情報を含めた非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存する。その後、起動制御部132は、ステップ1212において、起動用管理情報136を更新し、ステップ1214において、システムの電源をOFFにする。これにより、次回システムを起動する際には、起動制御部126は、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I140に基づいて、ハイバネーションによるシステム起動を高速で行うことができる。また、上述したように、非圧縮H/I140には、システムをOFFする直前にダウンロードされていた地図情報が含まれている。したがって、ハイバネーションにより地図表示モードを再開する際に、改めてネットワーク上の地図情報をダウンロードする必要がない。この結果、ハイバネーションによるシステムの再開を高速に行うことができる。
【0120】
このように、変形例5のデジタルカメラ100は、ネットワークから所定の情報をダウンロードして実行する所定のアプリケーション機能を備える場合においても、ハイバネーションによるシステムの起動を高速に行うことができる。すなわち、システムをOFFする際に、ネットワークからダウンロードされているアプリケーション情報を非圧縮H/I140に含めることにより、次回ハイバネーションによりシステムを起動する際に、改めてアプリケーションの再開に必要な情報を、ネットワークからダウンロードする必要がない。この結果、変形例5のデジタルカメラ100は、ネットワークを利用した所定のアプリケーションの再開を含む、ハイバネーションによるシステムの起動を高速で行うことが可能である。
【0121】
なお、上記変形例5の説明においては、GPS機能を利用した地図表示モードのアプリケーションを中心に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ネットワークから所定の情報をダウンロードする必要がある様々なアプリケーションについても同様に適用することができる。また、どのアプリケーションのどの情報をH/Iに含めるかについては、例えば、製品製造時に初期設定で決定しておくこともでき、または、ユーザが任意のアプリケーションを設定することもできる。
【0122】
(5−6.変形例6)
上記実施形態のデジタルカメラ100は、システムをOFFする際に、非圧縮H/I140を不揮発性の記憶領域であるユーザ領域132に記憶し、システムの電源をOFFすることにより、システムを高速で起動するハイバネーション機能を備えている。しかしながら、デジタルカメラ100は、例えば、ホットブートと呼ばれる機能を搭載することも可能である。ホットブートとは、上述したように、ユーザからシステムのOFF要求があった際に、RAM118の記憶領域に電源を供給し続けることによりシステムの状態情報を保持し、次回ユーザからシステムの起動要求があった際に、システムを高速で再開する方法である。ここで、システムのOFF要求によりシステムの状態情報を退避してタスクを中断する動作は一般に「サスペンド」と呼ばれ、退避された状態情報を復元してタスクを再開する動作は一般に「レジューム」と呼ばれている。ホットブートでは、RAM118にシステムの状態情報を保持し通電を継続しているため高速でシステムを再開することができるが、一方で、通電により電力を消費し続けてしまうという問題がある。そこで、変形例6のデジタルカメラ100は、ホットブート機能を搭載する場合において、ホットブートによるシステムの再開と、上記実施形態の特徴の1つであるハイバネーションによるシステムの再開とを併用することもできる。
【0123】
図13は、変形例6のデジタルカメラ100において、ユーザからの電源のOFF要求があった際の処理の流れを示すフロー図である。
【0124】
図13に示すように、変形例6のデジタルカメラ100は、ユーザから電源のOFF要求があった場合には、まずステップ1300において、起動制御部126が、デジタルカメラ100のバッテリの容量が十分に残っているか否かを確認する。変形例6のデジタルカメラ100は、ホットブート機能を備えるが、上述したように、サスペンド時にはシステム電源への通電が必要となるため、バッテリの容量が十分に残っていない場合には実行することができないからである。起動制御部126は、バッテリの残容量が所定の容量より少ない場合には、サスペンドに必要な容量が残っていないと判断し、バッテリの残容量が所定の容量より多い場合には、サスペンドに必要な容量が残っていると判断することができる。なお、判断基準と成る上記所定の容量は、変形例6のデジタルカメラの製造時に設定することができ、または、ユーザにより任意に設定されることができる。
【0125】
ステップ1300において、サスペンドに必要なバッテリの容量が残っていないと判断された場合、起動制御部126は、図4に示した各ステップにしたがって、ハイバネーションに必要なH/Iを内部記憶領域112に保存してシステムをOFFにする。すなわち、起動制御部126は、圧縮H/I142をシステム領域140に保存するか、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存して、システムをOFFにする。これにより、デジタルカメラ100は、ホットブート機能を搭載する場合においても、バッテリの残容量が少ないときには、サスペンドすることなく、ハイバネーションによるシステムの起動に備えた処理を行うことができる。
【0126】
一方、ステップ1300において、サスペンドに必要なバッテリの容量が残っていると判断された場合、起動制御部126は、ステップ1302において、サスペンドを行う。すなわち、起動制御部126は、RAM118に展開されている各種状態情報を保持したまま、システムの通電を継続する。これにより、その後ユーザから電源の起動要求があった場合に、高速でシステムを再開することができる。
【0127】
その後、起動制御部126は、ステップ1304において、サスペンドを開始してから予め設定された一定時間が経過したか否かを判断する。前述したように、サスペンド時にはシステムの電源を通電した状態であるため、電力を継続的に消費してしまうという問題がある。したがって、長時間サスペンド状態が継続されることにより、電力が消費されバッテリ切れが発生するおそれもある。また、省エネルギの観点からも長時間サスペンド状態が継続されることは好ましくない。そこで、変形例6のデジタルカメラ100は、サスペンド状態が所定時間継続された場合には、サスペンド状態を退避し、ハイバネーションによるシステム起動へと移行する。なお、変形例6のデジタルカメラ100において、サスペンド状態を継続する所定時間は、例えば、製造時に予め設定しておくことができ、または、ユーザにより任意に設定されることができる。
【0128】
ステップ1304において、サスペンドを開始してから予め設定された一定時間が経過したと判断された場合、起動制御部126は、図4に示した各ステップにしたがって、ハイバネーションに必要なH/Iを内部記憶領域112に保存してシステムをOFFにする。すなわち、サスペンドを開始してから所定時間ユーザによる電源のON要求がなかった場合には、起動制御部126は、サスペンド状態を中止し、RAM118に保持していた状態情報を、H/Iとしてユーザ領域132またはシステム領域130に保存する。これにより、次回ユーザからシステムの起動要求があった場合には、ユーザ領域132に保存されている非圧縮H/I132、またはシステム領域130に保存されている圧縮H/I142に基づいて、ハイバネーションによるシステム起動を行うことができる。
【0129】
一方、ステップ1304において、サスペンドを開始してから予め設定された一定時間が経過していないと判断された場合、起動制御部126は、ステップ1306において、所定時間が経過するまで、システムの電源の起動要求があったか否かを判断する。ステップ1306において、ユーザからシステムの電源の起動要求があったと判断された場合には、起動制御部126は、ステップ1306において、レジュームを行う。すなわち、起動制御部126は、RAM118に保持していたシステムの状態情報に基づいて、システムを高速で再開することができる。
【0130】
このように、変形例6のデジタルカメラ100は、ホットブート機能を搭載する場合においても、バッテリ容量やサスペンドの継続時間などに基づいて、ハイバネーション機能も合わせて利用することができる。すなわち、変形例6のデジタルカメラ100は、バッテリの容量に余裕がある場合には、システムを高速で再開できるホットブートを行うためにサスペンドを行い、バッテリの容量に余裕がない場合には、H/Iを内部記憶領域112に記憶してシステムをOFFにする。このとき、上述したように、ユーザ領域132の利用状況などに応じて、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存することにより、ハイバネーションによるシステムの起動を高速で行うことが可能である。また、サスペンド状態で一定時間ユーザからシステムのON要求がなかった場合にも、サスペンド状態を中止し、H/Iを内部記憶領域112に記憶してシステムをOFFにすることもできる。これにより、バッテリ切れ、電力の無駄な消費を防止することができるとともに、次回のシステム起動時には、ハイバネーションによるシステムの高速起動を行うこともできる。
【0131】
以上、本実施形態に係るデジタルカメラ100の種々の変形例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。すなわち、本実施形態に係るデジタルカメラ100に、一般のデジタルカメラで想定される機能(例えば、通信手段、画像編集、撮像モード編集など)を付加することも当然に可能である。
【0132】
また、上述した複数の変形例を複合して適用することも可能である。例えば、変形例4のデジタルカメラ100は、ユーザ領域132および外部記憶装置124の空き容量に基づいて、非圧縮H/I140を保存する領域を決定する。しかし、外部記憶装置124に非圧縮H/I140が保存された場合には、図11に示したように、外部記憶装置124の抜き差しの影響を受けるため、ハイバネーションによるシステムの高速起動を行う機会が失われる可能性がある。これを回避するために、例えば、変形例4と変形例2を組み合わせたデジタルカメラ100などが考えられる。すなわち、図10のフローにおいて。原則として、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存し、ユーザ領域132の空き容量が不足している場合にのみ外部記憶領域124に保存する。この結果、本来ユーザにより画像データが保存される複数の不揮発性の記憶領域を効率よく利用することができ、ハイバネーションによりシステムを高速起動する機会をより確実に確保することができる。
【0133】
また、上記実施形態では、非圧縮H/I140をユーザ領域132に保存しない場合には、圧縮H/I142をシステム領域130に保存する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、実際のデジタルカメラなどの撮像装置においては、システム領域130に、圧縮H/I142を保存するのに必要な容量が備えられていない場合も考えられる。すなわち、撮像装置によっては、ハイバネーションの機能自体を備えていない場合もある。このように圧縮H/I142を保存するのに十分なシステム領域142を有していない撮像装置であっても、上記実施形態の特徴を適用することにより、ハイバネーションによるシステム起動を可能とすることもできる。すなわち、本来ユーザが利用するユーザ領域132に非圧縮H/I140を保存しておくことにより、ハイバネーションによるシステムの高速起動を実現することも可能である。
【0134】
以上説明したように、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、ハイバネーションに必要なシステムの状態情報を非圧縮の状態(非圧縮H/I140)で、本来ユーザが利用する不揮発性の記憶領域(ユーザ領域132、外部記憶装置124)に保存することができる。また、本来ユーザが利用する不揮発性の記憶領域の利用状況に関する情報を有する起動用管理情報136を、不揮発性の内部記憶領域112のシステム領域130に有することができる。したがって、デジタルカメラ100は、システムを起動する際に、起動用管理情報136に基づいて、本来ユーザが利用する不揮発性の記憶領域に非圧縮H/I140が保存されているか否かを判断することができる。この結果、デジタルカメラ100は、起動用管理情報136の有する情報に基づいて、非圧縮H/I140により、ハイバネーションによるシステムの起動を高速で行うことができる。すなわち、本実施形態に係るデジタルカメラ100は、ハイバネーションに必要なシステムの状態情報を、非圧縮の状態で、本来ユーザにより利用される不揮発性の記憶領域に一時的に保存しておくことにより、ハイバネーションによるシステムの起動を高速化することが可能である。
【0135】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0136】
例えば、上記実施形態では、本発明の撮像装置として、デジタルスチルカメラの例を挙げて説明したが、本発明はかかる例に限定されない。撮像装置は、撮像部および撮像部により撮像されたデータを記録する不揮発性の記憶領域を備えるデバイスであれば、例えば、その他の撮像装置(デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、記録装置など)にも適用することができる。したがって、上記実施形態の説明では、ユーザ領域132などに画像データが保存される場合を例に説明したが、例えば、動画データ、音声データなどのその他の各種データデータを含むこともできる。
【0137】
また、上記実施形態では、ユーザ領域132には、完全に非圧縮の状態のH/Iを保存したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザ領域132の空き容量が小さい場合には、H/Iを通常よりも低い圧縮率で圧縮して保存しておくことも可能である。この場合、非圧縮H/I140に基づいてシステムを起動する場合と比較すると起動時間は長くなるが、通常の圧縮H/I142に基づいてシステムを起動する場合と比較して、より速くハイバネーションによるシステム起動を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の実施形態の1つに係る撮像装置の一例であるデジタルカメラ100の機能構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係るデジタルカメラ100の備える内部記憶領域112の構成を示す概念図である。
【図3】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、システムをOFFする際の処理の流れを示すフロー図である。
【図4】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、ハイバネーションによるシステムの起動の流れを示すフロー図である。
【図5】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、画像データをユーザ領域132に保存する別の流れを示すフロー図である。
【図6】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、システムをOFFする際の処理の別の流れを示すフロー図である。
【図7】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、画像データおよび非圧縮H/I140が保存される内部記憶領域112の構成を示す概念図である。
【図8】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、画像データをユーザ領域132に保存する別の流れを示すフロー図である。
【図9】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、システムの起動の別の流れを示すフロー図である。
【図10】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、システムのOFFの別の流れを示すフロー図である。
【図11】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、システムの起動の別の流れを示すフロー図である。
【図12】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、システムのOFFの別の流れを示すフロー図である。
【図13】同実施形態に係るデジタルカメラ100において、システムのOFFの別の流れを示すフロー図である。
【図14】従来の一般的なデジタルカメラ10備える内部記憶領域12の構成を示す概念図である。
【図15】従来の一般的なデジタルカメラ10において、コールドブートによるシステムの起動の流れを示すフロー図である。
【符号の説明】
【0139】
100 デジタルカメラ
102 操作入力部
104 撮像部
106 音声入出力部
108 表示部
110 データ処理部
112 内部記憶領域
114 デコーダ
116 装着部
118 RAM
120 外部インターフェース
121 通信インターフェース
122 制御部
124 外部記憶装置
126 起動制御部
128 データ保存制御部
130 システム領域
132 ユーザ領域
134 Loader
136 起動用管理情報
138 起動用圧縮データ
140 起動用解凍データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された画像データを記憶する不揮発性の記憶領域であるユーザ領域と、
前記ユーザ領域の利用状況に関する情報を含む起動用管理情報、およびシステムの起動に必要な起動用データを記憶する不揮発性の記憶領域であるシステム領域と、
ユーザから前記システムのOFF要求があった場合に、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存し、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断する起動制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記起動制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記撮像部により撮像された画像データが保存されているか否かを判断し、
前記ユーザ領域に前記画像データが保存されていない場合には、前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に保存して前記起動用管理情報を更新し、
前記ユーザ領域に前記画像データが保存されている場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存して前記起動用管理情報を更新する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記起動制御部は、前記ユーザ領域に前記画像データが保存されている場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っているか否かを判断し、
前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っている場合には、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に保存し、
前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っていない場合には、前記システムの状態に関する状態情報を圧縮した状態で前記システム領域に保存する、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記起動制御部は、ユーザから前記システムの起動要求があった場合に、前記システム領域に保存されている前記起動用データに基づいて前記システムを起動し、
前記システム領域に保存されている前記圧縮された状態情報、または前記ユーザ領域に保存されている前記非圧縮の状態情報のいずれか一方に基づいて、前記システムをOFFする前の状態に復元する、請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記起動制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていないと判断した場合には、前記システム領域に保存されている前記圧縮された状態情報を解凍することにより前記システムの状態を復元し、
前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていると判断した場合には、該非圧縮の状態情報により前記システムの状態を復元する、請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記起動制御部は、ユーザから前記システムのOFF要求があった場合に、前記システムのバッテリの残容量が予め設定された容量より多いか否かを判断し、
前記バッテリの残容量が予め設定された容量より少ない場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存して、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断し、
前記バッテリの残容量が予め設定された容量より多い場合には、前記状態情報を揮発性の記憶領域に保持した状態で前記システムへの通電を継続する、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記起動制御部は、前記状態情報を前記揮発性の記憶領域に保持した状態で前記システムへ予め設定された時間継続して通電した場合、前記起動用管理情報に基づいて、前記揮発性の記憶領域に保持されている前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存して、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断する、請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記撮像部により撮像された画像データを前記ユーザ領域に保存するデータ保存制御部を更に備える、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記データ保存制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されているか否かを判断し、
前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていないと判断した場合には、前記画像データを前記ユーザ領域に保存し、
前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていると判断した場合には、該非圧縮の状態情報を消去した後に、前記画像データを前記ユーザ領域に保存する、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記データ保存制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されているか否かを判断し、
前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていないと判断した場合には、前記画像データを前記ユーザ領域に保存し、
前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されていると判断した場合には、前記ユーザ領域に前記画像データを保存するのに必要な空き容量が残っているか否かを、前記起動用管理情報に基づいて判断し、
前記ユーザ領域に前記画像データを保存するのに必要な空き容量が残っている場合には、該画像データを前記ユーザ領域に保存し、
前記ユーザ領域に前記画像データを保存するのに必要な空き容量が残っていない場合には、前記非圧縮の状態情報を消去した後に、前記画像データを前記ユーザ領域に保存する、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記起動用管理情報は、少なくとも前記ユーザ領域に前記非圧縮の状態情報が保存されているか否かに関する情報と、前記ユーザ領域に前記画像データが保存されているか否かに関する情報と、前記ユーザ領域の空き容量に関する情報と、を含む、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項12】
被写体を撮像する撮像部と、
前記撮像部により撮像された画像データを記憶する着脱可能な外部記憶装置を収納する装着部と、
前記撮像部により撮像された画像データを記憶する不揮発性の記憶領域であるユーザ領域と、
前記ユーザ領域と前記外部記憶装置との利用状況に関する情報を含む起動用管理情報、およびシステムの起動に必要な起動用データを記憶する不揮発性の記憶領域であるシステム領域と、
ユーザから前記システムのOFF要求があった場合に、前記起動用管理情報に基づいて、前記システムの状態に関する状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域もしくは前記外部記憶装置のいずれか一方に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存し、前記起動用管理情報を更新した後に前記システムへの通電を遮断する起動制御部と、
を備える撮像装置。
【請求項13】
前記起動制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域または前記外部記憶装置に前記撮像部により撮像された画像データが保存されているか否かを判断し、
前記ユーザ領域または前記外部記憶装置に前記画像データが保存されていない場合には、前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域または前記外部記憶装置のいずれか一方に保存して記起動用管理情報を更新し、
前記ユーザ領域に前記画像データが保存されている場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域もしくは前記外部記憶装置のいずれか一方に、または圧縮した状態で前記システム領域に保存して前記起動用管理情報を更新する、請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記起動制御部は、前記ユーザ領域または前記外部記憶装置に前記画像データが保存されている場合には、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域または前記外部記憶装置に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っているか否かを判断し、
前記ユーザ領域または前記外部記憶装置に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っている場合には、前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域または前記外部記憶装置に保存し、
前記ユーザ領域または前記外部記憶装置に前記非圧縮の状態の状態情報を保存するのに必要な容量が残っていない場合には、前記状態情報を圧縮した状態で前記システム領域に保存する、請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記起動制御部は、前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域の空き容量と前記外部記憶装置の空き容量のいずれが大きいかを判断し、
前記ユーザ領域の空き容量が前記外部記憶装置の空き容量より大きい場合には、前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に保存し、
前記外部記憶装置の空き容量が前記ユーザ領域の空き容量より大きい場合には、前記状態情報を非圧縮の状態で前記外部記憶装置に保存する、請求項14に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記起動制御部は、ユーザから前記システムの起動要求があった場合に、前記システム領域に保存されている前記起動用データに基づいてシステムを起動し、
前記起動用管理情報に基づいて、前記システム領域に保存されている前記起動用圧縮データ、もしくは前記ユーザ領域または前記外部記憶装置のいずれか一方に保存されている前記非圧縮の状態情報に基づいて、前記システムを再開する、請求項15に記載の撮像装置。
【請求項17】
ユーザからシステムのOFF要求があった場合に、起動制御部により、
前記システムの処理に関する情報を記憶する不揮発性の記憶領域であるシステム領域に保存され、撮像部により撮像された画像データを記憶する不揮発性の記憶領域であるユーザ領域の利用状況に関する情報を含む起動用管理情報に基づいて、前記画像データが前記ユーザ領域に保存されているか否かを判断するユーザ領域判断ステップと、
前記ユーザ領域に前記画像データが保存されている場合には、揮発性の記憶領域に展開されている前記システムの状態に関する状態情報を圧縮した状態で前記システム領域に保存し、前記ユーザ領域に前記画像データが保存されていない場合には、前記状態情報を非圧縮の状態で前記ユーザ領域に保存する保存ステップと、
前記起動用管理情報を更新する更新ステップと、
前記システムへの通電を遮断する遮断ステップと、
を含む、撮像装置のハイバネーション制御方法。
【請求項18】
ユーザから前記システムの起動要求があった場合に、前記起動制御部により、
前記システム領域に保存されている、前記システムの起動に必要な起動用データに基づいて前記システムを起動する起動ステップと、
前記起動用管理情報に基づいて、前記ユーザ領域に保存されている前記非圧縮の状態情報、または前記システム領域に保存されている前記圧縮された状態情報のいずれか一方に基づいて、前記システムをOFFする前の状態に復元する復元ステップと、
を含む、請求項16に記載の撮像装置のハイバネーション制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−21743(P2010−21743A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179560(P2008−179560)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】