撮像装置、映像出力方法および映像再生プログラム
【課題】 可変速撮像による映像を滑らかに表示させる。
【解決手段】 メモリコントローラ30は、A/D変換部22から供給された撮像フレームを、3つのバンクを撮像フレームに同期して所定に切り替えて書き込む。また、メモリコントローラ30は、3つのバンクを映像フレームに同期してそれぞれ所定に切り替え、あるタイミングの撮像フレームと、その1つ前の撮像フレームとを同期基準信号に同期して、それぞれ映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出す。映像フレーム(n)は、乗算器31に供給され、映像フレーム(n)の画素毎に係数kを乗じる。一方、別のバンクから読み出された映像フレーム(n−1)は、乗算器32に供給され、映像フレーム(n−1)の画素毎に係数(1−k)を乗じる。加算器33で、2つの映像フレームを画素毎に加算し、混合された再生映像フレームを表示装置28で表示する。
【解決手段】 メモリコントローラ30は、A/D変換部22から供給された撮像フレームを、3つのバンクを撮像フレームに同期して所定に切り替えて書き込む。また、メモリコントローラ30は、3つのバンクを映像フレームに同期してそれぞれ所定に切り替え、あるタイミングの撮像フレームと、その1つ前の撮像フレームとを同期基準信号に同期して、それぞれ映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出す。映像フレーム(n)は、乗算器31に供給され、映像フレーム(n)の画素毎に係数kを乗じる。一方、別のバンクから読み出された映像フレーム(n−1)は、乗算器32に供給され、映像フレーム(n−1)の画素毎に係数(1−k)を乗じる。加算器33で、2つの映像フレームを画素毎に加算し、混合された再生映像フレームを表示装置28で表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、可変速撮像可能な撮像装置、映像出力方法および映像再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特殊撮影などでは、撮影した被写体が撮影時の速度よりも速く動いて見えることを想定して撮影する可変速撮影を行うことがある。例えば、フィルムを用いた撮影の場合、撮影時に、フィルムの回転速度を通常の撮影時よりも遅くした状態で撮影を行い、映写時に、通常の速度でフィルムを回転させることにより、高速映写を実現することができる。
【0003】
また、例えば、撮像映像をディジタルビデオデータにより記録する場合、撮影時の映像フレームのフレーム周波数を、再生時の映像フレームのフレーム周波数よりも低く設定して被写体を撮影し、再生時に規定のフレーム周波数の映像信号として再生することにより、高速再生を実現するようにした可変速撮像が可能な撮像装置が提案されている。
【0004】
従来の撮像装置による可変速撮像方法について、概略的に説明する。被写体を所定のフレーム周波数で撮像し、撮像して得られた撮像フレームは、メモリに書き込まれる。メモリは、撮像フレームを書き込むための領域として複数のバンクを有し、各バンクに対して、それぞれ撮像フレームを書き込むことができるようになっている。メモリに書き込まれた撮像フレームは、外部から供給される同期基準信号に基づき、所定のフレーム周波数の映像フレームとして読み出される。
【0005】
この時、撮像フレームのフレーム周波数と、映像フレームのフレーム周波数が異なるため、撮像フレームが書き込まれている間に、当該撮像フレームを読み出すタイミングがくる場合がある。書き込まれている撮像フレームは、書き込みが完了するまで映像フレームとして読み出すことができないので、このような場合には、別のバンクに書き込まれた1つ前の撮像フレームを再度読み出すようにする。すなわち、タイミングによっては、同じ撮像フレームが重複して読み出される。
【0006】
このように、撮像フレームをフレーム周波数の異なる映像フレームとして読み出すことにより、可変速撮像を可能とする撮像装置が特許文献1に記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−125210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
撮像映像をビューファインダで見る場合について考える。ビューファインダは、例えば30Hzの映像フレームに基づき、撮像映像が映出される。上述したように、映像フレームの読み出しは、タイミングによっては重複する部分が生じるため、このままビューファインダに表示した場合、映像フレームが時間軸に対応していないので、不自然な動きとなって見えてしまうという問題点があった。
【0009】
したがって、この発明の目的は、可変速撮像が可能な撮像装置により撮像された映像を、ビューファインダなどの表示部に表示させる際に、映像が違和感なく、滑らかに表示できる撮像装置、映像出力方法および映像再生プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被写体からの光を撮像する撮像部と、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像するように撮像部を駆動する撮像駆動部と、撮像部から出力された撮像フレームを順次格納する記憶部と、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力する信号処理部とを有することを特徴とする撮像装置である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力するようにしたことを特徴とする映像出力方法である。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力するようにした映像出力方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする映像出力プログラムである。
【0013】
上述したように、請求項1、4および5に記載の発明は、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力するようにしているため、ビューファインダなどの表示装置において、映像を滑らかに映出させることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明は、可変速撮像を行う際に、ある時点における映像フレームと、1つ前の映像フレームを所定の割合で混合させて再生映像フレームを生成するようにしているため、映像を滑らかに映出させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の一形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の一形態に適用可能な撮像装置11の一例の構成を示す。撮像装置11は、例えば、撮像部21、A/D変換部22、ディジタル信号処理部23、メモリ24、タイミング信号発生部25、撮像タイミング信号発生部26、システムコントローラ27および表示装置28を有する。
【0016】
タイミング信号発生部25は、外部から供給された同期基準信号に基づき、タイミング信号を生成し、ディジタル信号処理部23に供給すると共に、撮像タイミング信号発生部26に供給する。この同期基準信号は、この撮像装置11が放送局内やスタジオ内で用いられる場合は、放送局内やスタジオ内の放送機器で共通に用いられる信号である。例えば、放送局内やスタジオ内では、この同期基準信号を用いて、映像フレームの同期をとることができる。
【0017】
システムコントローラ27は、例えばCPU(Central Processing Unit)からなり、図示されないROM(Read Only Memory)に予め記憶されたプログラムに従い、図示されないRAM(Random Access Memory)をプログラム実行の際のワークメモリとして用いて、この撮像装置11の各部を制御する。システムコントローラ27は、外部から供給された制御コマンドに基づき、撮像信号の撮像フレームのフレーム周波数を決定するための信号を生成し、撮像タイミング信号発生部26に供給する。
【0018】
撮像タイミング信号発生部26は、タイミング信号発生部25から供給されたタイミング信号と、システムコントローラ27から供給された撮像フレームのフレーム周波数を決定するための信号とに基づき、撮像部21による撮像タイミングを決定する撮像タイミング信号を生成し、撮像部21およびディジタル信号処理部23に供給する。
【0019】
撮像部21は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)を撮像素子として用い、撮像素子に受光された光を光電変換により撮像信号に変換する。撮像素子は、例えば、2200画素×1125ラインを有効画素とする。撮像部21は、撮像タイミング信号発生部26から供給された撮像タイミング信号に基づき、1フレーム分の撮像信号を出力する。撮像部21から出力された撮像信号は、A/D変換部22に供給され、ディジタル撮像信号に変換され、ディジタル信号処理部23に供給される。
【0020】
ディジタル信号処理部23は、供給されたディジタル撮像信号に対して、γ(ガンマ)補正やホワイトバランス調整といった所定の信号処理を施し、メモリ24に書き込む。メモリ24は、データを書き込む領域として、それぞれ少なくとも1フレーム分の映像信号を書き込むことができるバンクa、バンクbおよびバンクcの少なくとも3バンクを有する。ディジタル信号処理部23から供給されたディジタル撮像信号に基づく撮像フレームのデータは、3バンクのうち、所定に選択されたバンクに書き込まれる。メモリ24のバンクに書き込まれた撮像フレームのデータは、タイミング信号発生部25から供給されたタイミング信号に同期してメモリ24のバンクから読み出され、読み出されたデータが映像信号として外部に出力されると共に、表示装置28に供給される。
【0021】
表示装置28は、例えば、ビューファインダとして用いられ、ディジタル信号処理部23から出力された映像信号を、同期基準信号に同期したフレーム周波数で表示する。
【0022】
次に、撮像装置11により可変速撮像を行う方法について説明する。撮像部21でCCDに撮像され、所定の信号処理を施した後、A/D変換部22でディジタル撮像信号に変換された撮像フレームのデータがメモリ24のバンクに書き込まれる。このメモリ24に書き込まれた撮像フレームのデータは、1撮像フレーム分のデータが全て書き込まれ、当該撮像フレームのデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に同期した映像フレームの先頭の位置から読み出される。
【0023】
なお、同期基準信号に同期した映像フレームは、フレーム周波数が30Hz(ヘルツ)、1フレームあたりのライン数が1125ライン、1ラインあたりの画素数が2200画素であるものとする。
【0024】
ここで、例えば、再生時の速度が撮像時の速度の1.5倍となるようにする場合について考える。これは、例えば、20Hzのフレーム周波数で撮像した映像を、30Hzのフレーム周波数で再生することで実現できる。したがって、撮像フレームのフレーム周波数と、同期基準信号に同期した映像フレームのフレーム周波数との比をフレーム比とするとき、この値が2/3になる。CCDを駆動するクロック周波数と1フレームあたりのライン数とが固定的であるとき、撮像フレームの1ラインあたりの画素数は、撮像フレームのフレーム周波数が30Hzの場合の1ラインあたりの画素数である2200画素に、フレーム比の逆数である3/2を乗じて、3300画素となる。
【0025】
すなわち、再生時の速度が撮像時の速度のX倍となるようにする場合には、フレーム比を1/Xとすればよいので、1ラインあたりの画素数は、同期基準信号に基づく撮像フレームのフレーム周波数における1ラインあたりの画素数である2200画素に、フレーム比の逆数であるXを乗じて、「2200×X」画素となる。
【0026】
一方、CCDを駆動するクロック周波数が固定的であると共に、CCDの1ラインあたりの有効画素数がフレーム周波数によらず固定的である。そのため、図2に示すように、撮像フレームのフレーム周波数に対応した1ラインあたりの画素数(この例では、3300画素)と、CCDの1ラインあたりの画素数との差分である1100画素分の時間については、例えば、何も撮像されないようにして、ブランキング部分とする。メモリ24のバンクには、ブランキング部分を除いた、2200画素×1125ラインの撮像フレームのデータが書き込まれる。
【0027】
撮像装置11により可変速撮像を行う方法について、図3を参照して、より具体的に説明する。図3Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図3Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図3Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。図3Dは、同期基準信号に基づくフレーム先頭位置に対応するタイミングを示す。
【0028】
撮像フレームのデータは、例えば、メモリ24の3つのバンクに順に書き込まれ、書き込みが完了した撮像フレームのデータは、映像フレームの先頭の位置で、データの読み出しが行われる。なお、映像フレームのデータの読み出しが終わっても、次の撮像フレームの書き込みが完了していない場合は、次の映像フレームの先頭で、当該映像フレームのデータが再度読み出される。
【0029】
図3において、撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図3A)。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、撮像フレーム#1のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#11として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0030】
撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがメモリ24のバンクbに書き込まれる(図3B)。映像フレーム#11の読み出しが完了した時点では、撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了していないので、バンクaに書き込まれている撮像フレーム#1のデータが、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から、映像フレーム#12として再度読み出される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、撮像フレーム#2のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#13として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0031】
撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがメモリ24のバンクcに書き込まれる(図3C)。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータは、撮像フレーム#3のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#14として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0032】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる。映像フレーム#14の読み出しが完了した時点では、撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了していないので、バンクcに書き込まれている撮像フレーム#3のデータが、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から、映像フレーム#15として再度読み出される。
【0033】
映像フレーム#15の読み出しが完了した後、バンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータは、撮像フレーム#4のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#16として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0034】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび映像フレームの読み出しが行われる。
【0035】
このように、フレーム周波数が20Hzの撮像フレームを、フレーム周波数が30Hzの映像フレームとして読み出し、重複した映像フレームを取り去ることにより、この映像信号を再生した場合に、被写体の速度が撮影時の速度よりも1.5倍速く見えるようにすることができる。
【0036】
次に、フレーム比を4/5とした場合の可変速撮像法について、図4を参照して説明する。この場合、24Hzのフレーム周波数で撮像した映像を、30Hzのフレーム周波数で再生することにより、撮像時の速度の1.25倍で再生することができる。図4Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図4Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図4Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。図4Dは、同期基準信号に基づくフレーム先頭位置に対応するタイミングを示す。
【0037】
図4において、撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図4A)。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、撮像フレーム#1のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#11として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0038】
撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがメモリ24のバンクbに書き込まれる(図4B)。映像フレーム#11の読み出しが完了した時点では、撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了していないので、バンクaに書き込まれている撮像フレーム#1のデータが、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から、映像フレーム#12として再度読み出される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、撮像フレーム#2のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#13として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0039】
撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがメモリ24のバンクcに書き込まれる(図4C)。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータは、撮像フレーム#3のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#14として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0040】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータは、撮像フレーム#4のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#15として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0041】
撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#5のデータがメモリ24のバンクbに書き込まれる。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#5のデータは、撮像フレーム#5のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#16として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0042】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび映像フレームの読み出しが行われる。
【0043】
このように、フレーム周波数が24Hzの撮像フレームを、フレーム周波数が30Hzの映像フレームとして読み出し、重複した映像フレームを取り除くことにより、この映像信号を再生した場合に、被写体の速度が撮影時の速度よりも1.25倍速く見えるようにすることができる。
【0044】
例えば、出力される映像信号を記録媒体に記録し、後に映像フレームの重複分を取り除いて出力する。こうすることにより、撮像フレームのフレーム周波数と異なるフレーム周波数の映像フレームを再生することができる。
【0045】
ここで、この映像信号を表示装置28に映出させる場合について考える。表示装置28に映像信号を表示するときは、ディジタル信号処理部23から供給された映像がそのまま表示されるので、重複した映像フレームが取り除かれない。そのため、映像フレームが重複する部分については、映像が止まって見えることになり、滑らかに映出することができない。この映像フレームが重複する部分は、例えば、上述の図3の例では、映像フレーム#11および#12と、映像フレーム#14および#15と、映像フレーム#17および#18とにあたる部分であり、図4の例では、映像フレーム#11および#12と、映像フレーム#16および#17とにあたる部分である。
【0046】
そこで、この発明の実施の一形態では、撮像装置11で可変速撮像して映像をビューファインダなどの表示装置で映出させる際に、ある時点での映像フレームと1つ前の映像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成し、このようにして得られた再生映像フレームを表示装置28で映出することにより、表示装置28に表示される映像が滑らかに見えるようにした。
【0047】
図5は、この発明の実施の一形態によるディジタル信号処理部23の一例の構成を示す。メモリコントローラ30は、A/D変換部22から供給される撮像フレームのメモリ24への書き込みおよび読み出しを制御する。A/D変換部22から供給された撮像フレームは、メモリコントローラ30の制御により、バンクa、バンクbおよびバンクcの3つのバンクを、撮像フレームに同期して所定に切り替えられて書き込まれる。メモリコントローラ30は、メモリ24の3つのバンクを、映像フレームに同期してそれぞれ所定に切り替え、あるタイミングの撮像フレームと、その撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを、同期基準信号に同期して、それぞれ映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出す。
【0048】
メモリ24のバンクから読み出された映像フレーム(n)は、乗算器31に供給されると共に、出力の映像信号として外部に出力される。乗算器31は、供給された映像フレーム(n)の画素毎に係数kを乗じ、加算器33に供給する。なお係数kは、0以上1以下の値である。
【0049】
一方、メモリ24の別のバンクから読み出された映像フレーム(n−1)は、乗算器32に供給される。乗算器32は、供給された映像フレーム(n−1)の画素毎に係数(1−k)を乗じ、加算器33に供給する。加算器33は、供給された2つの映像フレームを画素毎に加算し、2つの映像フレームが混合された再生映像フレームを得る。得られた再生映像フレームは、表示装置28に供給される。表示装置28は、供給された再生映像フレームを表示する。
【0050】
次に、上述した係数kについて説明する。係数kは、フレーム比およびフレームシーケンス番号に応じて決定される。図6にフレーム比とフレームシーケンス番号と係数kとの対応関係の一例を示す。
【0051】
なお、フレームシーケンス番号は、撮像フレームの先頭の位置と、映像フレームの先頭の位置とが一致する映像フレームから、次に撮像フレームの先頭の位置と映像フレームの先頭の位置とが一致する映像フレームまでの時間を1周期として考え、1周期内の先頭の撮像フレームが最初に読み出される映像フレームを先頭として、1周期の時間内の映像フレームに対して割り当てられる番号を示す。
【0052】
係数kは、再生映像フレームを生成する際に用いられる映像フレーム(n)と映像フレーム(n−1)とを混合する際の割合を決定する。この割合は、映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出したそれぞれの撮像フレームの時間比に基づき、決定される。この例では、係数kは、フレーム比を2/3とした場合において、フレームシーケンス番号が「0」、「1」および「2」の時は、それぞれ「1」、「0.5」および「1」となる。また、フレーム比を4/5とした場合において、フレームシーケンス番号が「0」、「1」、「2」、「3」および「4」の時は、それぞれ「1」、「0.75」、「0.5」、「0.25」および「1」となる。
【0053】
フレーム更新は、映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)を読み出すバンクを次の映像フレームの周期で切り替えるか否かを示す。映像フレームのフレーム更新のタイミングは、フレーム比およびフレームシーケンス番号に応じて決定される。図6中の「○」は、フレーム更新を行うことを示し、フレーム更新を行う場合は、同期基準信号に同期した1つ前のフレームに基づき、映像フレーム(n)の読み出しを行ったバンクの次のバンクに格納されている撮像フレームのデータを映像フレーム(n)として読み出すようにする。すなわち、フレーム更新を行う場合は、読み出すバンクを次のバンクに切り替える。映像フレーム(n−1)についても同様である。
【0054】
一方、図6中の「×」は、フレーム更新を行わないことを示し、フレーム更新を行わない場合は、同期基準信号に同期した1つ前のフレームに基づき、映像フレーム(n)の読み出しを行ったバンクと同じバンクに格納されている撮像フレームのデータを映像フレーム(n)として再度読み出すようにする。すなわち、フレーム更新を行わない場合は、読み出すバンクを切り替えない。映像フレーム(n−1)についても同様である。
【0055】
なお、図6に示す、フレーム比とフレームシーケンス番号と係数kとの対応関係は、例えば、システムコントローラ27に接続された図示されないROMに、予めテーブルとして記憶するようにしてもよい。システムコントローラ27は、制御コマンドが供給されたときに、制御コマンドに重畳されたフレーム比とフレームシーケンス番号とに基づき、このテーブルを参照し、係数kを決定する。
【0056】
また、係数kは、これに限らず、ユーザにより独自に決定してもよい。さらに、例えば、所定の計算により算出されるようにしてもよい。例えば、最初のフレームシーケンス番号と、後述するフレーム更新が行われないフレームシーケンス番号とに対応する映像フレームの係数kは、フレーム比の分子の値の逆数分づつ変化するような値とすることができる。
【0057】
また、この例では、係数kは、フレームシーケンス番号に応じて、1次関数的に変化する値をとるようにしているが、これに限らず、例えば、2次関数的に変化する値としてもよい。
【0058】
次に、メモリコントローラ30により、映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)をメモリ24の各バンクから読み出す際の動作について説明する。メモリコントローラ30は、フレーム比およびフレームシーケンス番号に基づくフレーム更新を示す情報から、撮像フレームのデータを読み出すバンクを選択し、同期基準信号に同期した映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出すようにしている。
【0059】
図7は、メモリコントローラ30の一例の構成を示す。メモリコントローラ30は、例えば、スイッチ40、スイッチ41およびスイッチ42を有し、フレーム更新を示す情報に基づき、それぞれのスイッチの出力端子が選択される。
【0060】
スイッチ40、41および42は、それぞれ3つの出力端子を有する。出力端子40a、41aおよび42aは、映像フレーム(n)を出力する端子である。出力端子40b、41bおよび42bは、映像フレーム(n−1)を出力する端子である。また、出力端子40c、41cおよび42cは、何も出力しない端子である。スイッチ40、41および42は、それぞれ異なる出力端子が選択され、同期基準信号に基づき、出力端子が切り替えられる。
【0061】
図8は、フレーム比を2/3とした場合の、図6の例に示すフレームシーケンス番号に応じた各バンクに対応するスイッチの選択状態の一例を示す。なお、図8中の「n」は、そのバンクに対応するスイッチの映像フレーム(n)を出力する端子が選択されたことを示し、「n−1」は、映像フレーム(n−1)を出力する端子が選択されたことを示す。また、「x」は、何も出力されない端子が選択されていることを示す。この例では、便宜上、最初にバンクbに対応するスイッチ41の、映像フレーム(n)を出力する端子が選択されている。
【0062】
フレームシーケンス番号が0の時、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として出力されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として出力される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0063】
フレームシーケンス番号が1の時、フレーム更新されるので、スイッチ40、41および42において、それぞれ出力端子が1つずつ切り替えられる。すなわち、スイッチ42の出力端子42aが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ41の出力端子41bが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクaに対応するスイッチ40では、出力端子40cが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0064】
フレームシーケンス番号が2の時、フレーム更新されないので、各スイッチ40、41および42の出力端子の選択状態が保持され、スイッチ42の出力端子42aが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として再度読み出されると共に、スイッチ41の出力端子41bが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として再度読み出される。この時、バンクaに対応するスイッチ40では、出力端子40cが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0065】
以下、上述と同様に、フレームシーケンス番号に応じて、各スイッチ40、41および42の出力端子が順次選択され、各バンクに書き込まれた撮像フレームのデータが映像フレーム(n)または映像フレーム(n−1)として読み出される。
【0066】
図9は、フレーム比を4/5とした場合の、図6の例に示すフレームシーケンス番号に応じた各バンクに対応するスイッチの選択状態の一例を示す。なお、図9中の「n」は、そのバンクに対応するスイッチの、映像フレーム(n)を出力する端子が選択されることを示し、「n−1」は、映像フレーム(n−1)を出力する端子が選択されることを示す。また、「x」は、何も出力されない端子が選択されていることを示す。この例では、便宜上、最初にバンクbに対応するスイッチ41の、映像フレーム(n)を出力する端子が選択されている。
【0067】
フレームシーケンス番号が0の時、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0068】
フレームシーケンス番号が1の時、フレーム更新されるので、スイッチ42の出力端子42aが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ41の出力端子41bが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクaに対応するスイッチ40では、出力端子40cが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0069】
フレームシーケンス番号が2の時、フレーム更新されるので、スイッチ40の出力端子40aが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ42の出力端子42bが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクbに対応するスイッチ41では、出力端子41cが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0070】
フレームシーケンス番号が3の時、フレーム更新されるので、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0071】
フレームシーケンス番号が4の時、フレーム更新されないので、各スイッチ40、41および42の出力端子の選択状態が保持され、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として再度読み出されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として再度読み出される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0072】
以下、上述と同様に、フレームシーケンス番号に応じて、各スイッチ40、41および42の出力端子が順次選択され、各バンクに書き込まれた撮像フレームのデータが映像フレーム(n)または映像フレーム(n−1)として読み出される。
【0073】
このように、図6に示すフレームシーケンス番号に応じてフレーム更新が行われ、各バンクに書き込まれた撮像フレームのデータは、フレーム更新が行われない場合を除いて、同期基準信号に基づくフレームに同期して、映像フレーム(n)、映像フレーム(n−1)、「なし」の順に、順次読み出される。
【0074】
なお、上述したメモリコントローラ30におけるスイッチ構成およびスイッチの切り替え制御は、この実施の一形態による動作を実施可能とするための一例であり、これに限定されるものではない。
【0075】
次に、図6に示すフレーム比とフレームシーケンス番号と係数kとの対応関係を用いて、フレーム比が2/3である場合の再生映像フレームを生成する方法について、図10を参照して説明する。図10Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し図10Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図10Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。また、図10Dは、撮像フレームのタイミングを示し、図10Eは、再生映像フレームのタイミングを示す。
【0076】
外部からシステムコントローラ27に対してフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給され、同期基準信号の1フレーム内の任意のタイミングで、1フレームシーケンス番号毎に1つ送られる。または、フレーム比およびフレームシーケンス番号は、撮像装置11のシステムコントローラ27により、同期基準信号に基づき生成される。システムコントローラ27は、フレーム比およびフレームシーケンス番号に基づき、上述のテーブルを参照して係数kおよび撮像フレームの1ラインあたりの画素数を決定する。撮像フレームの1ラインあたりの画素数に基づき、撮像フレームのフレームサイズが設定されて撮像が開始される。なお、バンクa、バンクbおよびバンクcの読み出しと出力との関係は、図8および図9で説明したようなスイッチ40、41および42のシーケンスに従う。
【0077】
撮像された撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図10A)。撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがバンクbに書き込まれる(図10B)。撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがバンクcに書き込まれる(図10C)。
【0078】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=0)がシステムコントローラ27に供給される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#2のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#1のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#14として出力される。
【0079】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがバンクaに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=1)がシステムコントローラ27に供給される。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータおよびバンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#3のデータに係数k(=0.5)が乗じられると共に、撮像フレーム#2のデータに係数1−k(=0.5)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#15として出力される。
【0080】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=2)がシステムコントローラ27に供給される。フレームシーケンスがCの場合、フレーム更新されないので、バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータおよびバンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータが、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から再度読み出され、撮像フレーム#3のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#2のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#16として出力される。撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#5のデータがバンクbに書き込まれる。なお、撮像フレーム#3のデータに乗じられる係数kの値が1となるのは、フレーム更新されず、係数kが乗じられる撮像フレームが、1フレームシーケンス番号前と同じ撮像フレームが読み出されるためである。
【0081】
ここで、撮像フレーム#2のデータがバンクbから読み出されている最中に、バンクbに対して撮像フレーム#5のデータが書き込まれることになる。この場合、例えば、撮像フレームのデータの読み出しが完了している部分に書き込まれるようにする。
【0082】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび読み出しが行われ、再生映像フレームが生成される。
【0083】
次に、フレーム比が4/5である場合の再生映像フレームの生成方法について、図11を参照して説明する。図11Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し図11Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図11Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。また、図11Dは、撮像フレームのタイミングを示し、図11Eは、再生映像フレームのタイミングを示す。
【0084】
撮像された撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図11A)。撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがバンクbに書き込まれる(図11B)。撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがバンクcに書き込まれる(図11C)。
【0085】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=0)がシステムコントローラ27に供給される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#2のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#1のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#14として出力される。
【0086】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがバンクaに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=1)がシステムコントローラ27に供給される。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータおよびバンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#3のデータに係数k(=0.75)が乗じられると共に、撮像フレーム#2のデータに係数1−k(=0.25)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#15として出力される。
【0087】
撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#5のデータがバンクbに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=2)がシステムコントローラ27に供給される。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータおよびバンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#4のデータに係数k(=0.5)が乗じられると共に、撮像フレーム#3のデータに係数1−k(=0.5)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#16として出力される。
【0088】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=3)がシステムコントローラ27に供給される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#5のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#5のデータに係数k(=0.25)が乗じられると共に、撮像フレーム#4のデータに係数1−k(=0.75)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#17として出力される。
【0089】
撮像フレーム#5のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#6のデータがバンクcに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=4)がシステムコントローラ27に供給される。フレームシーケンスがEの場合、フレーム更新されないので、バンクbに書き込まれた撮像フレーム#5のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータが、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から再度読み出され、撮像フレーム#5のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#4のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#18として出力される。なお、撮像フレーム#3のデータに乗じられる係数kの値が1となるのは、フレーム更新されず、係数kが乗じられる撮像フレームが、1フレームシーケンス番号前と同じ撮像フレームが読み出されるためである。
【0090】
ここで、バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータが読み出されている最中に、撮像フレーム#5のデータが書き込まれることになる。この場合、例えば、読み出しが完了している部分に書き込まれるようにする。
【0091】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび読み出しが行われ、再生映像フレームが生成される。
【0092】
このように、ある時点における映像フレームと1つ前の映像フレームとに所定の係数を乗じ、2つのフレームのデータを画素毎に混合して得られた再生映像フレームを連続的に表示することにより、映像信号を滑らかに見せることができる。
【0093】
なお、この例では、フレーム比を2/3および4/5とした場合の可変速撮像の方法について説明したが、これはこの例に限られない。例えば、フレーム比は、1/30〜30/30の間の任意の整数比で表されるフレーム比に対して適用可能である。すなわち、1〜30倍速撮影に対応できる。また、映像フレームのフレームサイズが2200画素×1125ラインである場合について説明したが、これは一例であって、他のフレームサイズである場合にも適用できる。
【0094】
さらに、係数kおよびフレーム更新を示す情報は、コントローラ10からシステムコントローラ27に送られるフレーム比とフレームシーケンス番号とに基づき、決定されるように説明したが、これに限らず、例えば、外部からシステムコントローラ27に、係数kおよびフレーム更新を示す情報を直接供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】この発明の実施の一形態に適用可能な撮像装置11の一例の構成を示すブロック図である。
【図2】撮像フレームの一例を示す略線図である。
【図3】フレーム比を2/3として可変速撮像を行う際の撮像フレームおよび映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【図4】フレーム比を4/5として可変速撮像を行う際の撮像フレームおよび映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【図5】ディジタル信号処理部の一例の構成を示すブロック図である。
【図6】フレーム比とフレームシーケンス番号と係数との一例の対応関係を示す略線図である。
【図7】メモリコントローラの一例の構成を示すブロック図である。
【図8】フレーム比を2/3とした場合のフレームシーケンス番号に応じたメモリコントローラの動作の一例を示す略線図である。
【図9】フレーム比を4/5とした場合のフレームシーケンス番号に応じたメモリコントローラの動作の一例を示す略線図である。
【図10】フレーム比を2/3とした場合の再生映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【図11】フレーム比を4/5とした場合の再生映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【符号の説明】
【0096】
11 撮像装置
23 ディジタル信号処理部
24 メモリ
25 タイミング信号発生部
26 撮像タイミング信号発生部
27 システムコントローラ
28 表示装置
30 メモリコントローラ
31、32 乗算器
33 加算器
40、41、42 スイッチ
【技術分野】
【0001】
この発明は、可変速撮像可能な撮像装置、映像出力方法および映像再生プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特殊撮影などでは、撮影した被写体が撮影時の速度よりも速く動いて見えることを想定して撮影する可変速撮影を行うことがある。例えば、フィルムを用いた撮影の場合、撮影時に、フィルムの回転速度を通常の撮影時よりも遅くした状態で撮影を行い、映写時に、通常の速度でフィルムを回転させることにより、高速映写を実現することができる。
【0003】
また、例えば、撮像映像をディジタルビデオデータにより記録する場合、撮影時の映像フレームのフレーム周波数を、再生時の映像フレームのフレーム周波数よりも低く設定して被写体を撮影し、再生時に規定のフレーム周波数の映像信号として再生することにより、高速再生を実現するようにした可変速撮像が可能な撮像装置が提案されている。
【0004】
従来の撮像装置による可変速撮像方法について、概略的に説明する。被写体を所定のフレーム周波数で撮像し、撮像して得られた撮像フレームは、メモリに書き込まれる。メモリは、撮像フレームを書き込むための領域として複数のバンクを有し、各バンクに対して、それぞれ撮像フレームを書き込むことができるようになっている。メモリに書き込まれた撮像フレームは、外部から供給される同期基準信号に基づき、所定のフレーム周波数の映像フレームとして読み出される。
【0005】
この時、撮像フレームのフレーム周波数と、映像フレームのフレーム周波数が異なるため、撮像フレームが書き込まれている間に、当該撮像フレームを読み出すタイミングがくる場合がある。書き込まれている撮像フレームは、書き込みが完了するまで映像フレームとして読み出すことができないので、このような場合には、別のバンクに書き込まれた1つ前の撮像フレームを再度読み出すようにする。すなわち、タイミングによっては、同じ撮像フレームが重複して読み出される。
【0006】
このように、撮像フレームをフレーム周波数の異なる映像フレームとして読み出すことにより、可変速撮像を可能とする撮像装置が特許文献1に記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−125210号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
撮像映像をビューファインダで見る場合について考える。ビューファインダは、例えば30Hzの映像フレームに基づき、撮像映像が映出される。上述したように、映像フレームの読み出しは、タイミングによっては重複する部分が生じるため、このままビューファインダに表示した場合、映像フレームが時間軸に対応していないので、不自然な動きとなって見えてしまうという問題点があった。
【0009】
したがって、この発明の目的は、可変速撮像が可能な撮像装置により撮像された映像を、ビューファインダなどの表示部に表示させる際に、映像が違和感なく、滑らかに表示できる撮像装置、映像出力方法および映像再生プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被写体からの光を撮像する撮像部と、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像するように撮像部を駆動する撮像駆動部と、撮像部から出力された撮像フレームを順次格納する記憶部と、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力する信号処理部とを有することを特徴とする撮像装置である。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力するようにしたことを特徴とする映像出力方法である。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力するようにした映像出力方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする映像出力プログラムである。
【0013】
上述したように、請求項1、4および5に記載の発明は、同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、記憶部に格納された撮像フレームと撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、同期基準信号に基づき出力するようにしているため、ビューファインダなどの表示装置において、映像を滑らかに映出させることができる。
【発明の効果】
【0014】
この発明は、可変速撮像を行う際に、ある時点における映像フレームと、1つ前の映像フレームを所定の割合で混合させて再生映像フレームを生成するようにしているため、映像を滑らかに映出させることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施の一形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の一形態に適用可能な撮像装置11の一例の構成を示す。撮像装置11は、例えば、撮像部21、A/D変換部22、ディジタル信号処理部23、メモリ24、タイミング信号発生部25、撮像タイミング信号発生部26、システムコントローラ27および表示装置28を有する。
【0016】
タイミング信号発生部25は、外部から供給された同期基準信号に基づき、タイミング信号を生成し、ディジタル信号処理部23に供給すると共に、撮像タイミング信号発生部26に供給する。この同期基準信号は、この撮像装置11が放送局内やスタジオ内で用いられる場合は、放送局内やスタジオ内の放送機器で共通に用いられる信号である。例えば、放送局内やスタジオ内では、この同期基準信号を用いて、映像フレームの同期をとることができる。
【0017】
システムコントローラ27は、例えばCPU(Central Processing Unit)からなり、図示されないROM(Read Only Memory)に予め記憶されたプログラムに従い、図示されないRAM(Random Access Memory)をプログラム実行の際のワークメモリとして用いて、この撮像装置11の各部を制御する。システムコントローラ27は、外部から供給された制御コマンドに基づき、撮像信号の撮像フレームのフレーム周波数を決定するための信号を生成し、撮像タイミング信号発生部26に供給する。
【0018】
撮像タイミング信号発生部26は、タイミング信号発生部25から供給されたタイミング信号と、システムコントローラ27から供給された撮像フレームのフレーム周波数を決定するための信号とに基づき、撮像部21による撮像タイミングを決定する撮像タイミング信号を生成し、撮像部21およびディジタル信号処理部23に供給する。
【0019】
撮像部21は、例えば、CCD(Charge Coupled Devices)を撮像素子として用い、撮像素子に受光された光を光電変換により撮像信号に変換する。撮像素子は、例えば、2200画素×1125ラインを有効画素とする。撮像部21は、撮像タイミング信号発生部26から供給された撮像タイミング信号に基づき、1フレーム分の撮像信号を出力する。撮像部21から出力された撮像信号は、A/D変換部22に供給され、ディジタル撮像信号に変換され、ディジタル信号処理部23に供給される。
【0020】
ディジタル信号処理部23は、供給されたディジタル撮像信号に対して、γ(ガンマ)補正やホワイトバランス調整といった所定の信号処理を施し、メモリ24に書き込む。メモリ24は、データを書き込む領域として、それぞれ少なくとも1フレーム分の映像信号を書き込むことができるバンクa、バンクbおよびバンクcの少なくとも3バンクを有する。ディジタル信号処理部23から供給されたディジタル撮像信号に基づく撮像フレームのデータは、3バンクのうち、所定に選択されたバンクに書き込まれる。メモリ24のバンクに書き込まれた撮像フレームのデータは、タイミング信号発生部25から供給されたタイミング信号に同期してメモリ24のバンクから読み出され、読み出されたデータが映像信号として外部に出力されると共に、表示装置28に供給される。
【0021】
表示装置28は、例えば、ビューファインダとして用いられ、ディジタル信号処理部23から出力された映像信号を、同期基準信号に同期したフレーム周波数で表示する。
【0022】
次に、撮像装置11により可変速撮像を行う方法について説明する。撮像部21でCCDに撮像され、所定の信号処理を施した後、A/D変換部22でディジタル撮像信号に変換された撮像フレームのデータがメモリ24のバンクに書き込まれる。このメモリ24に書き込まれた撮像フレームのデータは、1撮像フレーム分のデータが全て書き込まれ、当該撮像フレームのデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に同期した映像フレームの先頭の位置から読み出される。
【0023】
なお、同期基準信号に同期した映像フレームは、フレーム周波数が30Hz(ヘルツ)、1フレームあたりのライン数が1125ライン、1ラインあたりの画素数が2200画素であるものとする。
【0024】
ここで、例えば、再生時の速度が撮像時の速度の1.5倍となるようにする場合について考える。これは、例えば、20Hzのフレーム周波数で撮像した映像を、30Hzのフレーム周波数で再生することで実現できる。したがって、撮像フレームのフレーム周波数と、同期基準信号に同期した映像フレームのフレーム周波数との比をフレーム比とするとき、この値が2/3になる。CCDを駆動するクロック周波数と1フレームあたりのライン数とが固定的であるとき、撮像フレームの1ラインあたりの画素数は、撮像フレームのフレーム周波数が30Hzの場合の1ラインあたりの画素数である2200画素に、フレーム比の逆数である3/2を乗じて、3300画素となる。
【0025】
すなわち、再生時の速度が撮像時の速度のX倍となるようにする場合には、フレーム比を1/Xとすればよいので、1ラインあたりの画素数は、同期基準信号に基づく撮像フレームのフレーム周波数における1ラインあたりの画素数である2200画素に、フレーム比の逆数であるXを乗じて、「2200×X」画素となる。
【0026】
一方、CCDを駆動するクロック周波数が固定的であると共に、CCDの1ラインあたりの有効画素数がフレーム周波数によらず固定的である。そのため、図2に示すように、撮像フレームのフレーム周波数に対応した1ラインあたりの画素数(この例では、3300画素)と、CCDの1ラインあたりの画素数との差分である1100画素分の時間については、例えば、何も撮像されないようにして、ブランキング部分とする。メモリ24のバンクには、ブランキング部分を除いた、2200画素×1125ラインの撮像フレームのデータが書き込まれる。
【0027】
撮像装置11により可変速撮像を行う方法について、図3を参照して、より具体的に説明する。図3Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図3Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図3Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。図3Dは、同期基準信号に基づくフレーム先頭位置に対応するタイミングを示す。
【0028】
撮像フレームのデータは、例えば、メモリ24の3つのバンクに順に書き込まれ、書き込みが完了した撮像フレームのデータは、映像フレームの先頭の位置で、データの読み出しが行われる。なお、映像フレームのデータの読み出しが終わっても、次の撮像フレームの書き込みが完了していない場合は、次の映像フレームの先頭で、当該映像フレームのデータが再度読み出される。
【0029】
図3において、撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図3A)。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、撮像フレーム#1のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#11として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0030】
撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがメモリ24のバンクbに書き込まれる(図3B)。映像フレーム#11の読み出しが完了した時点では、撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了していないので、バンクaに書き込まれている撮像フレーム#1のデータが、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から、映像フレーム#12として再度読み出される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、撮像フレーム#2のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#13として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0031】
撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがメモリ24のバンクcに書き込まれる(図3C)。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータは、撮像フレーム#3のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#14として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0032】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる。映像フレーム#14の読み出しが完了した時点では、撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了していないので、バンクcに書き込まれている撮像フレーム#3のデータが、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から、映像フレーム#15として再度読み出される。
【0033】
映像フレーム#15の読み出しが完了した後、バンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータは、撮像フレーム#4のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#16として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0034】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび映像フレームの読み出しが行われる。
【0035】
このように、フレーム周波数が20Hzの撮像フレームを、フレーム周波数が30Hzの映像フレームとして読み出し、重複した映像フレームを取り去ることにより、この映像信号を再生した場合に、被写体の速度が撮影時の速度よりも1.5倍速く見えるようにすることができる。
【0036】
次に、フレーム比を4/5とした場合の可変速撮像法について、図4を参照して説明する。この場合、24Hzのフレーム周波数で撮像した映像を、30Hzのフレーム周波数で再生することにより、撮像時の速度の1.25倍で再生することができる。図4Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図4Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図4Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。図4Dは、同期基準信号に基づくフレーム先頭位置に対応するタイミングを示す。
【0037】
図4において、撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図4A)。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、撮像フレーム#1のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#11として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0038】
撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがメモリ24のバンクbに書き込まれる(図4B)。映像フレーム#11の読み出しが完了した時点では、撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了していないので、バンクaに書き込まれている撮像フレーム#1のデータが、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から、映像フレーム#12として再度読み出される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、撮像フレーム#2のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#13として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0039】
撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがメモリ24のバンクcに書き込まれる(図4C)。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータは、撮像フレーム#3のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#14として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0040】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータは、撮像フレーム#4のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#15として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0041】
撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#5のデータがメモリ24のバンクbに書き込まれる。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#5のデータは、撮像フレーム#5のデータの書き込み完了後にくる、同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から映像フレーム#16として、同期基準信号に基づき読み出される。
【0042】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび映像フレームの読み出しが行われる。
【0043】
このように、フレーム周波数が24Hzの撮像フレームを、フレーム周波数が30Hzの映像フレームとして読み出し、重複した映像フレームを取り除くことにより、この映像信号を再生した場合に、被写体の速度が撮影時の速度よりも1.25倍速く見えるようにすることができる。
【0044】
例えば、出力される映像信号を記録媒体に記録し、後に映像フレームの重複分を取り除いて出力する。こうすることにより、撮像フレームのフレーム周波数と異なるフレーム周波数の映像フレームを再生することができる。
【0045】
ここで、この映像信号を表示装置28に映出させる場合について考える。表示装置28に映像信号を表示するときは、ディジタル信号処理部23から供給された映像がそのまま表示されるので、重複した映像フレームが取り除かれない。そのため、映像フレームが重複する部分については、映像が止まって見えることになり、滑らかに映出することができない。この映像フレームが重複する部分は、例えば、上述の図3の例では、映像フレーム#11および#12と、映像フレーム#14および#15と、映像フレーム#17および#18とにあたる部分であり、図4の例では、映像フレーム#11および#12と、映像フレーム#16および#17とにあたる部分である。
【0046】
そこで、この発明の実施の一形態では、撮像装置11で可変速撮像して映像をビューファインダなどの表示装置で映出させる際に、ある時点での映像フレームと1つ前の映像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成し、このようにして得られた再生映像フレームを表示装置28で映出することにより、表示装置28に表示される映像が滑らかに見えるようにした。
【0047】
図5は、この発明の実施の一形態によるディジタル信号処理部23の一例の構成を示す。メモリコントローラ30は、A/D変換部22から供給される撮像フレームのメモリ24への書き込みおよび読み出しを制御する。A/D変換部22から供給された撮像フレームは、メモリコントローラ30の制御により、バンクa、バンクbおよびバンクcの3つのバンクを、撮像フレームに同期して所定に切り替えられて書き込まれる。メモリコントローラ30は、メモリ24の3つのバンクを、映像フレームに同期してそれぞれ所定に切り替え、あるタイミングの撮像フレームと、その撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを、同期基準信号に同期して、それぞれ映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出す。
【0048】
メモリ24のバンクから読み出された映像フレーム(n)は、乗算器31に供給されると共に、出力の映像信号として外部に出力される。乗算器31は、供給された映像フレーム(n)の画素毎に係数kを乗じ、加算器33に供給する。なお係数kは、0以上1以下の値である。
【0049】
一方、メモリ24の別のバンクから読み出された映像フレーム(n−1)は、乗算器32に供給される。乗算器32は、供給された映像フレーム(n−1)の画素毎に係数(1−k)を乗じ、加算器33に供給する。加算器33は、供給された2つの映像フレームを画素毎に加算し、2つの映像フレームが混合された再生映像フレームを得る。得られた再生映像フレームは、表示装置28に供給される。表示装置28は、供給された再生映像フレームを表示する。
【0050】
次に、上述した係数kについて説明する。係数kは、フレーム比およびフレームシーケンス番号に応じて決定される。図6にフレーム比とフレームシーケンス番号と係数kとの対応関係の一例を示す。
【0051】
なお、フレームシーケンス番号は、撮像フレームの先頭の位置と、映像フレームの先頭の位置とが一致する映像フレームから、次に撮像フレームの先頭の位置と映像フレームの先頭の位置とが一致する映像フレームまでの時間を1周期として考え、1周期内の先頭の撮像フレームが最初に読み出される映像フレームを先頭として、1周期の時間内の映像フレームに対して割り当てられる番号を示す。
【0052】
係数kは、再生映像フレームを生成する際に用いられる映像フレーム(n)と映像フレーム(n−1)とを混合する際の割合を決定する。この割合は、映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出したそれぞれの撮像フレームの時間比に基づき、決定される。この例では、係数kは、フレーム比を2/3とした場合において、フレームシーケンス番号が「0」、「1」および「2」の時は、それぞれ「1」、「0.5」および「1」となる。また、フレーム比を4/5とした場合において、フレームシーケンス番号が「0」、「1」、「2」、「3」および「4」の時は、それぞれ「1」、「0.75」、「0.5」、「0.25」および「1」となる。
【0053】
フレーム更新は、映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)を読み出すバンクを次の映像フレームの周期で切り替えるか否かを示す。映像フレームのフレーム更新のタイミングは、フレーム比およびフレームシーケンス番号に応じて決定される。図6中の「○」は、フレーム更新を行うことを示し、フレーム更新を行う場合は、同期基準信号に同期した1つ前のフレームに基づき、映像フレーム(n)の読み出しを行ったバンクの次のバンクに格納されている撮像フレームのデータを映像フレーム(n)として読み出すようにする。すなわち、フレーム更新を行う場合は、読み出すバンクを次のバンクに切り替える。映像フレーム(n−1)についても同様である。
【0054】
一方、図6中の「×」は、フレーム更新を行わないことを示し、フレーム更新を行わない場合は、同期基準信号に同期した1つ前のフレームに基づき、映像フレーム(n)の読み出しを行ったバンクと同じバンクに格納されている撮像フレームのデータを映像フレーム(n)として再度読み出すようにする。すなわち、フレーム更新を行わない場合は、読み出すバンクを切り替えない。映像フレーム(n−1)についても同様である。
【0055】
なお、図6に示す、フレーム比とフレームシーケンス番号と係数kとの対応関係は、例えば、システムコントローラ27に接続された図示されないROMに、予めテーブルとして記憶するようにしてもよい。システムコントローラ27は、制御コマンドが供給されたときに、制御コマンドに重畳されたフレーム比とフレームシーケンス番号とに基づき、このテーブルを参照し、係数kを決定する。
【0056】
また、係数kは、これに限らず、ユーザにより独自に決定してもよい。さらに、例えば、所定の計算により算出されるようにしてもよい。例えば、最初のフレームシーケンス番号と、後述するフレーム更新が行われないフレームシーケンス番号とに対応する映像フレームの係数kは、フレーム比の分子の値の逆数分づつ変化するような値とすることができる。
【0057】
また、この例では、係数kは、フレームシーケンス番号に応じて、1次関数的に変化する値をとるようにしているが、これに限らず、例えば、2次関数的に変化する値としてもよい。
【0058】
次に、メモリコントローラ30により、映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)をメモリ24の各バンクから読み出す際の動作について説明する。メモリコントローラ30は、フレーム比およびフレームシーケンス番号に基づくフレーム更新を示す情報から、撮像フレームのデータを読み出すバンクを選択し、同期基準信号に同期した映像フレーム(n)および映像フレーム(n−1)として読み出すようにしている。
【0059】
図7は、メモリコントローラ30の一例の構成を示す。メモリコントローラ30は、例えば、スイッチ40、スイッチ41およびスイッチ42を有し、フレーム更新を示す情報に基づき、それぞれのスイッチの出力端子が選択される。
【0060】
スイッチ40、41および42は、それぞれ3つの出力端子を有する。出力端子40a、41aおよび42aは、映像フレーム(n)を出力する端子である。出力端子40b、41bおよび42bは、映像フレーム(n−1)を出力する端子である。また、出力端子40c、41cおよび42cは、何も出力しない端子である。スイッチ40、41および42は、それぞれ異なる出力端子が選択され、同期基準信号に基づき、出力端子が切り替えられる。
【0061】
図8は、フレーム比を2/3とした場合の、図6の例に示すフレームシーケンス番号に応じた各バンクに対応するスイッチの選択状態の一例を示す。なお、図8中の「n」は、そのバンクに対応するスイッチの映像フレーム(n)を出力する端子が選択されたことを示し、「n−1」は、映像フレーム(n−1)を出力する端子が選択されたことを示す。また、「x」は、何も出力されない端子が選択されていることを示す。この例では、便宜上、最初にバンクbに対応するスイッチ41の、映像フレーム(n)を出力する端子が選択されている。
【0062】
フレームシーケンス番号が0の時、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として出力されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として出力される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0063】
フレームシーケンス番号が1の時、フレーム更新されるので、スイッチ40、41および42において、それぞれ出力端子が1つずつ切り替えられる。すなわち、スイッチ42の出力端子42aが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ41の出力端子41bが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクaに対応するスイッチ40では、出力端子40cが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0064】
フレームシーケンス番号が2の時、フレーム更新されないので、各スイッチ40、41および42の出力端子の選択状態が保持され、スイッチ42の出力端子42aが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として再度読み出されると共に、スイッチ41の出力端子41bが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として再度読み出される。この時、バンクaに対応するスイッチ40では、出力端子40cが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0065】
以下、上述と同様に、フレームシーケンス番号に応じて、各スイッチ40、41および42の出力端子が順次選択され、各バンクに書き込まれた撮像フレームのデータが映像フレーム(n)または映像フレーム(n−1)として読み出される。
【0066】
図9は、フレーム比を4/5とした場合の、図6の例に示すフレームシーケンス番号に応じた各バンクに対応するスイッチの選択状態の一例を示す。なお、図9中の「n」は、そのバンクに対応するスイッチの、映像フレーム(n)を出力する端子が選択されることを示し、「n−1」は、映像フレーム(n−1)を出力する端子が選択されることを示す。また、「x」は、何も出力されない端子が選択されていることを示す。この例では、便宜上、最初にバンクbに対応するスイッチ41の、映像フレーム(n)を出力する端子が選択されている。
【0067】
フレームシーケンス番号が0の時、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0068】
フレームシーケンス番号が1の時、フレーム更新されるので、スイッチ42の出力端子42aが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ41の出力端子41bが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクaに対応するスイッチ40では、出力端子40cが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0069】
フレームシーケンス番号が2の時、フレーム更新されるので、スイッチ40の出力端子40aが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ42の出力端子42bが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクbに対応するスイッチ41では、出力端子41cが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0070】
フレームシーケンス番号が3の時、フレーム更新されるので、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として読み出されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として読み出される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0071】
フレームシーケンス番号が4の時、フレーム更新されないので、各スイッチ40、41および42の出力端子の選択状態が保持され、スイッチ41の出力端子41aが選択され、バンクbに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n)として再度読み出されると共に、スイッチ40の出力端子40bが選択され、バンクaに書き込まれている撮像フレームのデータが映像フレーム(n−1)として再度読み出される。この時、バンクcに対応するスイッチ42では、出力端子42cが選択され、バンクcに書き込まれている撮像フレームのデータは、出力されない。
【0072】
以下、上述と同様に、フレームシーケンス番号に応じて、各スイッチ40、41および42の出力端子が順次選択され、各バンクに書き込まれた撮像フレームのデータが映像フレーム(n)または映像フレーム(n−1)として読み出される。
【0073】
このように、図6に示すフレームシーケンス番号に応じてフレーム更新が行われ、各バンクに書き込まれた撮像フレームのデータは、フレーム更新が行われない場合を除いて、同期基準信号に基づくフレームに同期して、映像フレーム(n)、映像フレーム(n−1)、「なし」の順に、順次読み出される。
【0074】
なお、上述したメモリコントローラ30におけるスイッチ構成およびスイッチの切り替え制御は、この実施の一形態による動作を実施可能とするための一例であり、これに限定されるものではない。
【0075】
次に、図6に示すフレーム比とフレームシーケンス番号と係数kとの対応関係を用いて、フレーム比が2/3である場合の再生映像フレームを生成する方法について、図10を参照して説明する。図10Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し図10Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図10Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。また、図10Dは、撮像フレームのタイミングを示し、図10Eは、再生映像フレームのタイミングを示す。
【0076】
外部からシステムコントローラ27に対してフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給され、同期基準信号の1フレーム内の任意のタイミングで、1フレームシーケンス番号毎に1つ送られる。または、フレーム比およびフレームシーケンス番号は、撮像装置11のシステムコントローラ27により、同期基準信号に基づき生成される。システムコントローラ27は、フレーム比およびフレームシーケンス番号に基づき、上述のテーブルを参照して係数kおよび撮像フレームの1ラインあたりの画素数を決定する。撮像フレームの1ラインあたりの画素数に基づき、撮像フレームのフレームサイズが設定されて撮像が開始される。なお、バンクa、バンクbおよびバンクcの読み出しと出力との関係は、図8および図9で説明したようなスイッチ40、41および42のシーケンスに従う。
【0077】
撮像された撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図10A)。撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがバンクbに書き込まれる(図10B)。撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがバンクcに書き込まれる(図10C)。
【0078】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=0)がシステムコントローラ27に供給される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#2のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#1のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#14として出力される。
【0079】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがバンクaに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=1)がシステムコントローラ27に供給される。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータおよびバンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#3のデータに係数k(=0.5)が乗じられると共に、撮像フレーム#2のデータに係数1−k(=0.5)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#15として出力される。
【0080】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=2)がシステムコントローラ27に供給される。フレームシーケンスがCの場合、フレーム更新されないので、バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータおよびバンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータが、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から再度読み出され、撮像フレーム#3のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#2のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#16として出力される。撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#5のデータがバンクbに書き込まれる。なお、撮像フレーム#3のデータに乗じられる係数kの値が1となるのは、フレーム更新されず、係数kが乗じられる撮像フレームが、1フレームシーケンス番号前と同じ撮像フレームが読み出されるためである。
【0081】
ここで、撮像フレーム#2のデータがバンクbから読み出されている最中に、バンクbに対して撮像フレーム#5のデータが書き込まれることになる。この場合、例えば、撮像フレームのデータの読み出しが完了している部分に書き込まれるようにする。
【0082】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび読み出しが行われ、再生映像フレームが生成される。
【0083】
次に、フレーム比が4/5である場合の再生映像フレームの生成方法について、図11を参照して説明する。図11Aは、バンクaのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し図11Bは、バンクbのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示し、図11Cは、バンクcのデータの書き込みおよび読み出しのタイミングを示す。また、図11Dは、撮像フレームのタイミングを示し、図11Eは、再生映像フレームのタイミングを示す。
【0084】
撮像された撮像フレーム#1のデータがメモリ24のバンクaに書き込まれる(図11A)。撮像フレーム#1のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#2のデータがバンクbに書き込まれる(図11B)。撮像フレーム#2のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#3のデータがバンクcに書き込まれる(図11C)。
【0085】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=0)がシステムコントローラ27に供給される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#1のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#2のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#1のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#14として出力される。
【0086】
撮像フレーム#3のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#4のデータがバンクaに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=1)がシステムコントローラ27に供給される。バンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータおよびバンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#3のデータに係数k(=0.75)が乗じられると共に、撮像フレーム#2のデータに係数1−k(=0.25)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#15として出力される。
【0087】
撮像フレーム#4のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#5のデータがバンクbに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=2)がシステムコントローラ27に供給される。バンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータおよびバンクcに書き込まれた撮像フレーム#3のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#4のデータに係数k(=0.5)が乗じられると共に、撮像フレーム#3のデータに係数1−k(=0.5)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#16として出力される。
【0088】
フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=3)がシステムコントローラ27に供給される。バンクbに書き込まれた撮像フレーム#5のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータは、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から読み出され、撮像フレーム#5のデータに係数k(=0.25)が乗じられると共に、撮像フレーム#4のデータに係数1−k(=0.75)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#17として出力される。
【0089】
撮像フレーム#5のデータの書き込みが完了すると、撮像フレーム#6のデータがバンクcに書き込まれる。フレーム比およびフレームシーケンス番号(フレーム比=2/3、フレームシーケンス番号=4)がシステムコントローラ27に供給される。フレームシーケンスがEの場合、フレーム更新されないので、バンクbに書き込まれた撮像フレーム#5のデータおよびバンクaに書き込まれた撮像フレーム#4のデータが、このフレーム比およびフレームシーケンス番号が供給された直後の同期基準信号に基づくフレームの先頭の位置から再度読み出され、撮像フレーム#5のデータに係数k(=1)が乗じられると共に、撮像フレーム#4のデータに係数1−k(=0)が乗じられ、2つのデータが画素毎に混合され、再生映像フレーム#18として出力される。なお、撮像フレーム#3のデータに乗じられる係数kの値が1となるのは、フレーム更新されず、係数kが乗じられる撮像フレームが、1フレームシーケンス番号前と同じ撮像フレームが読み出されるためである。
【0090】
ここで、バンクbに書き込まれた撮像フレーム#2のデータが読み出されている最中に、撮像フレーム#5のデータが書き込まれることになる。この場合、例えば、読み出しが完了している部分に書き込まれるようにする。
【0091】
以下、上述と同様にして、メモリ24の各バンクへの撮像フレームの書き込みおよび読み出しが行われ、再生映像フレームが生成される。
【0092】
このように、ある時点における映像フレームと1つ前の映像フレームとに所定の係数を乗じ、2つのフレームのデータを画素毎に混合して得られた再生映像フレームを連続的に表示することにより、映像信号を滑らかに見せることができる。
【0093】
なお、この例では、フレーム比を2/3および4/5とした場合の可変速撮像の方法について説明したが、これはこの例に限られない。例えば、フレーム比は、1/30〜30/30の間の任意の整数比で表されるフレーム比に対して適用可能である。すなわち、1〜30倍速撮影に対応できる。また、映像フレームのフレームサイズが2200画素×1125ラインである場合について説明したが、これは一例であって、他のフレームサイズである場合にも適用できる。
【0094】
さらに、係数kおよびフレーム更新を示す情報は、コントローラ10からシステムコントローラ27に送られるフレーム比とフレームシーケンス番号とに基づき、決定されるように説明したが、これに限らず、例えば、外部からシステムコントローラ27に、係数kおよびフレーム更新を示す情報を直接供給するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】この発明の実施の一形態に適用可能な撮像装置11の一例の構成を示すブロック図である。
【図2】撮像フレームの一例を示す略線図である。
【図3】フレーム比を2/3として可変速撮像を行う際の撮像フレームおよび映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【図4】フレーム比を4/5として可変速撮像を行う際の撮像フレームおよび映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【図5】ディジタル信号処理部の一例の構成を示すブロック図である。
【図6】フレーム比とフレームシーケンス番号と係数との一例の対応関係を示す略線図である。
【図7】メモリコントローラの一例の構成を示すブロック図である。
【図8】フレーム比を2/3とした場合のフレームシーケンス番号に応じたメモリコントローラの動作の一例を示す略線図である。
【図9】フレーム比を4/5とした場合のフレームシーケンス番号に応じたメモリコントローラの動作の一例を示す略線図である。
【図10】フレーム比を2/3とした場合の再生映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【図11】フレーム比を4/5とした場合の再生映像フレームのタイミングを示す略線図である。
【符号の説明】
【0096】
11 撮像装置
23 ディジタル信号処理部
24 メモリ
25 タイミング信号発生部
26 撮像タイミング信号発生部
27 システムコントローラ
28 表示装置
30 メモリコントローラ
31、32 乗算器
33 加算器
40、41、42 スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光を撮像する撮像部と、
同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像するように上記撮像部を駆動する撮像駆動部と、
上記撮像部から出力された撮像フレームを順次格納する記憶部と、
上記記憶部に格納された上記撮像フレームと該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、上記同期基準信号に基づき出力する信号処理部と
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
上記信号処理部は、出力される上記再生映像フレームと、該再生映像フレームに用いられる上記撮像フレームとの時間比に基づき混合して、上記再生映像フレームを生成するようにしたことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置において、
上記記憶部は、上記撮像フレームを格納するバンクを少なくとも3つ有し、
上記撮像フレームは、該撮像フレームのタイミングに同期して順次切り替えられた上記3バンクのうちの選択されたバンクに書き込まれ、
上記同期基準信号に同期して上記バンクの切り替えを示すフレーム更新情報に基づき上記3バンクを所定に切り替え、上記再生映像フレームを生成する際に用いる上記撮像フレームおよび該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとをそれぞれ選択するようにした
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、
撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、
上記記憶部に格納された上記撮像フレームと該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、上記同期基準信号に基づき出力するようにした
ことを特徴とする映像出力方法。
【請求項5】
同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、
撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、
上記記憶部に格納された上記撮像フレームと該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、上記同期基準信号に基づき出力する
ようにした映像出力方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする映像出力プログラム。
【請求項1】
被写体からの光を撮像する撮像部と、
同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像するように上記撮像部を駆動する撮像駆動部と、
上記撮像部から出力された撮像フレームを順次格納する記憶部と、
上記記憶部に格納された上記撮像フレームと該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、上記同期基準信号に基づき出力する信号処理部と
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の撮像装置において、
上記信号処理部は、出力される上記再生映像フレームと、該再生映像フレームに用いられる上記撮像フレームとの時間比に基づき混合して、上記再生映像フレームを生成するようにしたことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の撮像装置において、
上記記憶部は、上記撮像フレームを格納するバンクを少なくとも3つ有し、
上記撮像フレームは、該撮像フレームのタイミングに同期して順次切り替えられた上記3バンクのうちの選択されたバンクに書き込まれ、
上記同期基準信号に同期して上記バンクの切り替えを示すフレーム更新情報に基づき上記3バンクを所定に切り替え、上記再生映像フレームを生成する際に用いる上記撮像フレームおよび該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとをそれぞれ選択するようにした
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、
撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、
上記記憶部に格納された上記撮像フレームと該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、上記同期基準信号に基づき出力するようにした
ことを特徴とする映像出力方法。
【請求項5】
同期基準信号に基づくフレーム周波数よりも低いフレーム周波数の撮像フレームを撮像し、
撮像された撮像フレームを記憶部に順次格納し、
上記記憶部に格納された上記撮像フレームと該撮像フレームの1つ前の撮像フレームとを所定の割合で混合させた再生映像フレームを生成して、上記同期基準信号に基づき出力する
ようにした映像出力方法をコンピュータ装置に実行させることを特徴とする映像出力プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−303621(P2006−303621A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118677(P2005−118677)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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