説明

撮像装置、画像合成方法、及びコンピュータプログラム

【課題】撮影された画像の位置をずらして複数の画像を合成した際に、それぞれの画像に含まれる微小な画素欠陥が加算されることにより発生するキズを補正する。
【解決手段】キズ画素の位置と検出レベルとを含むキズ情報を予め撮像装置100に記憶しておく。画像Aに対する画像Bの変更量を合成位置情報として導出する。この合成位置情報に基づいて、画像Bの位置をずらして画像Aと合成して合成画像Dを生成すると共に、画像Bのキズ情報の位置を変更する。そして、画像Aのキズ情報と変更後の画像Bのキズ情報とを合成して合成画像Dのキズ情報を生成する。このとき、合成画像Dのキズ情報から、ISO100に対応する検出レベルが100のキズ情報を削除すると共に、同じアドレスが示されている画素のキズ情報の検出レベルを高くする。このキズ情報を用いて合成画像Dのキズ画素を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、画像合成方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、撮像素子の画素の欠陥を補正するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の撮像装置においては、撮像素子の画像の欠陥を以下のようにして補正している。まず、撮像素子における画素欠陥の位置情報等の画素欠陥情報を製品の出荷の直前に検査して、当該画素欠陥情報を撮像装置の製品個体毎に記憶しておく。そして、撮像装置が備える専用の補正回路によって、撮像装置が生成する画像に対して、画素欠陥が原因となるキズを目立たなくする処理を行っていた。
例えば、特許文献1では、静止画・EVF等の動作モード毎に画素欠陥の位置情報を記憶しておき、それぞれの動作モード時にそれぞれの画素欠陥の位置情報を使用して、画素欠陥を補正する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−242103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮像装置では、複数枚の画像の撮像を行い、それらの位置合わせをした後にそれらを合成する手振れ補正や、多重露光が行われている。この様に、画像の合成をする場合には、画像を重ね合わせた際に、一枚では問題にならない程度の微小な画素欠陥が加算され、当該画素欠陥がキズとして目立つという問題がある。
しかしながら、前述の特許文献に開示された従来技術では、画像の位置をずらして(合わせて)複数の画像を合成する場合に、微小な画素欠陥の位置が一致して目立つ様になったキズを補正できない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、撮影された画像の位置をずらして(合わせて)複数の画像を合成した際に、それぞれの画像に含まれる微小な画素欠陥が加算されることにより発生するキズを補正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の撮像装置は、撮像素子を用いて撮影された複数の画像を合成する合成手段と、前記複数の画像を合成する際の画素位置を含む合成位置情報に基づいて、前記合成手段により合成される前記複数の画像の画素欠陥情報に含まれる欠陥画素の位置を示す情報を変更する変更手段と、前記変更手段により変更された前記画素欠陥情報に基づいて、前記合成手段により合成された画像における欠陥画素を補正する補正手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、撮影された画像の位置をずらして複数の画像を合成した際に、それぞれの画像に含まれる微小な画素欠陥が加算されることにより発生するキズを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】撮像装置の構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態の画像処理部の構成を示す図である。
【図3】第1の実施形態のキズ情報合成部の構成を示す図である。
【図4】第1の実施形態の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】キズ位置と、キズ情報と、キズ画素とその周辺の画素を示す図である。
【図6】補正後の画像Aのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図7】補正後の画像Bのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図8】補正後の画像Cのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図9】アドレス変換後の画像Bのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図10】画像Aと画像Bのキズ情報を合成したキズ情報を示す図である。
【図11】合成画像Dのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図12】補正後の合成画像Dのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図13】アドレス変換後の画像Cのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図14】合成画像Dと画像Cのキズ情報を合成したキズ画像を示す図である。
【図15】合成画像Eのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図16】補正後の合成画像Eのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図17】第2の実施形態の画像処理部の構成を示す図である。
【図18】第2の実施形態のキズ情報合成部の構成を示す図である。
【図19】第2の実施形態の撮像装置の動作を説明するフローチャートである。
【図20】キズ位置と、キズ情報を示す図である。
【図21】補正後の画像Fのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図22】補正後の画像Gのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図23】補正後の画像Hのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図24】撮影時に補正された画素の情報と撮像素子の範囲外になる画素の情報とが削除された画像Fのキズ情報を示す図である。
【図25】撮影時に補正された画素の情報と撮像素子の範囲外になる画素の情報とが削除された画像Gのキズ情報を示す図である。
【図26】アドレス変換後の画像Gのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図27】検出レベルが変換された後の画像Gのキズ画素の位置と、被写体の位置と、キズ情報を示す図である。
【図28】合成画像Iのキズ位置と、被写体の位置と、キズ情報を示す図である。
【図29】補正後の合成画像Iのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図30】撮影時に補正された画素の情報と撮像素子の範囲外になる画素の情報とが削除された画像Hのキズ画素の位置と、被写体の位置と、キズ情報を示す図である。
【図31】合成時に補正された画素の情報が削除された合成画像Iのキズ画素の位置と、被写体の位置と、キズ情報を示す図である。
【図32】アドレス変換後の画像Hのキズ位置と、被写体位置と、キズ情報を示す図である。
【図33】検出レベルが変換された後の画像Hのキズ画素の位置と、被写体の位置と、キズ情報の一例を示す図である。
【図34】合成画像Jのキズ位置と、被写体の位置と、キズ情報を示す図である。
【図35】キズ画素が補正された後の合成画像Jのキズ画素の位置と、被写体の位置と、キズ情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す図である。
以下、図1を参照して、本実施形態の撮像装置の基本的な構成の一例を説明する。
図1に示す撮像装置100において、撮像素子101は、光学像を電気信号に変換(光電変換)するためのものである。AFE(アナログフロントエンド)103は、撮像素子101から出力されたアナログの画像信号に対して、ゲイン調整や、所定の量子化ビットに対応してデジタル変換を行うものである。TG102は、撮像素子101及びAFE103の駆動タイミングを制御するタイミングジェネレータである。
【0009】
RAM108は、AFE103でデジタル変換された画像データや、後述する画像処理部109で処理された画像データを記憶するための画像データ記憶手段としての機能と、後述するCPU104が動作を行う際のワークメモリとしての機能等を兼備する。本実施形態では、これらの機能を、RAM108を用いて行うようにしているが、アクセス速度が十分に問題ないレベルのメモリであれば、RAM108以外の他のメモリを用いてこれらの機能を実現することも可能である。
【0010】
ROM106は、後述するCPU104が動作を行う際のプログラム等を格納する。本実施形態では、ROM106がFlash−ROMである場合を例に挙げて示すが、アクセス速度が十分に問題ないレベルのメモリであれば、Flash−ROM以外の他のメモリをROM106として適用することも可能である。
【0011】
CPU104は、撮像装置100を統括的に制御する。画像処理部109は、撮影された画像の補正・圧縮等の処理を行う。
I/F(インターフェース)110は、静止画像データ及び動画像データを、コネクタ112を介して接続される外部記録媒体113に記録したり外部記録媒体113から入力したりするためのものである。外部記録媒体113は、例えば、不揮発メモリ又はハードディスク等である。外部記録媒体113は、撮像装置100と接続をするためのコネクタ116と、撮像装置100に対し静止画像データ及び動画像データを入出力するためのI/F(インターフェース)114を備えている。
尚、本実施形態では、記録媒体として着脱可能な外部記録媒体113を適用しているが、その他のデータの書き込みが可能な不揮発性メモリやハードディスク等を、撮像装置100が内蔵した形態でもよい。
操作部105は、ユーザによる操作に基づいて、撮影命令や撮影条件等の設定をCPU104に対して行うためのものである。表示部107は、撮影した静止画像や動画像や、メニュー等の表示を行う。
【0012】
図2は、画像処理部109の構成の一例を示す図である。
画像合成部200aは、撮影された複数枚の画像を合成する。ずれ検出部200hは、撮影された複数枚の画像データから、当該複数枚の画像間の被写体位置のずれを検知し、被写体位置のずれ量を、画像合成部200a及び後述するキズ情報合成部200bに対して出力する。画像合成部200aは、ずれ検出部200hから取得する「被写体位置のずれ量」に基づき、複数枚の画像データに対して所定の位置合わせ処理を行い、複数枚の画像を合成する。本実施形態では、画像の合成は、相互に対応する画素データ同士の加算処理を行うことによって実現されるが、画像を合成する方法はこの限りでない。
【0013】
本実施形態では、ROM106に格納されたキズ情報(画素欠陥情報)に基づき、画像のキズ画素の補正を行う。キズ情報は、例えば、キズ(画素欠陥)のレベルと、キズのある「撮像素子101上の位置(アドレス)」とを含む情報である。キズ補正部200eは、キズの補正の対象となる画像データと、キズ情報とを入力し、後述する処理によりキズの検出・補正を行う。
キズ情報合成部200bは、複数枚の画像データを合成する際に、撮影情報と、合成する対象となる画像データのキズ情報とに基づき、合成後の画像のキズ情報を生成し、キズ補正部200eに出力する。
画像圧縮部200fは、画像を記録する際に画像を圧縮する。セレクタ200c、200d、200gは、画像データ又はキズ情報を選択して出力する。
【0014】
図3は、図2に示すキズ情報合成部200bの構成の一例を示す図である。
アドレス変換部201aは、キズ情報のアドレスを変換する。キズ情報合成部201bは、複数のキズ情報を合成する。検出レベル変換部201cは、合成したキズ情報内の検出レベルを、合成時のアドレスの一致・不一致と、撮影情報とに基づいて変更する。
【0015】
次に、図4のフローチャートを参照しながら、本実施形態の撮像装置100の動作の一例を説明する。
ユーザは、予め表示部107に表示されるメニュー設定から、操作部105を用いて撮影時の画像防振機能の有効・無効を設定する。その後、操作部105のシャッターボタンがユーザにより押下されると撮影が開始される。
【0016】
撮影が開始されると、ステップS101において、CPU104は、画像防振機能が有効になっているか否かを判断する。この判断の結果、画像防振機能が有効になっている場合にはステップS102に進む。
ステップS102に進み、CPU104が、撮像素子101、TG102、及びAFE103に所定の設定をすると、画像の撮影が行われる。撮像素子101から出力される画像信号はAFE103にてAD変換される(デジタルデータに変換される)。デジタルデータに変換された画像信号(画像データ)はRAM108に格納される。本実施形態では、撮影感度はISO100であるものとする。
【0017】
その後、ステップS103において、キズ画素の補正(キズ補正)が行われる。CPU104は、RAM108に格納されている画像データを画像処理部109に転送する。画像処理部109に転送された画像データは、図2に示すデータ入力Cとして画像処理部109に入力される。このときセレクタ200dはb側に接続されており、データ入力Cとして入力された画像データは、キズ補正部200eに入力される。
【0018】
また、CPU104は、ROM106に格納されている「撮像素子101のキズ情報」を画像処理部109に転送する。このようにして転送されたキズ情報は、図2に示すキズ情報入力Cとして画像処理部109に入力される。このとき、セレクタ200cはb側に接続されており、キズ情報入力Cとして入力されたキズ情報は、キズ補正部200eに入力される。
【0019】
図5(a)は、撮像素子101上の画素位置(キズ位置)を示すものであり、1つの格子が1画素に相当する。画素位置は、X又はYアドレスで定義され、それぞれn画素ずつ、m画素ずつ画素が並んでいるものとする。図5(a)において、パターンが記載されている画素がキズ画素(欠陥画素)である。図5(b)は、図5(a)に示すキズ画素に対応するキズ情報を示す図である。キズ情報には、X・Yアドレスで表されるキズ位置と、各キズ画素のキズの程度(大きさ)を示すキズの検出レベルとが含まれる。検出レベルは、値が大きくなるほどキズ画素としての出力値(画素値)が小さいものとなる。図5(a)では、検出レベルに応じてパターンを異ならせてキズ画素を示している。
【0020】
キズ補正部200eは、キズ補正部200eに順次入力される画像データの画素位置を順次モニタし(指定し)、キズ情報に存在するキズ画素の位置(X・Yアドレス)を指定すると、該当する画素の検出レベルをキズ情報から参照する。キズ補正部200eは、この画像データと同時に入力される撮影情報から、撮影感度を参照し、撮影感度と検出レベルとに応じて、該当する画素の補正の有無を判断する(キズの検出を行う)。キズ補正部200eは、例えば、撮影感度がISO100の場合には、検出レベルが100のキズ画素を補正し、ISO200の場合には、検出レベルが200以下の画素を補正する。
【0021】
キズ画素の補正は、例えば、該当する画素の周辺の画素であって、該当する画素と同色の画素の出力(画素値)の平均値を、該当する画素の画素値として置き換えることにより行われる。図5(c)は、キズ画素とその周辺の画素の一例を示す図である。例えば、図5(c)に示す「G22に位置する画素」を補正する場合には、G11・G13・G31・G33に位置する画素の出力(画素値)を平均した値を、G22の画素値として置き換える。本実施形態では、このようにしてキズ画素を補正する場合を例に挙げるが、キズ画素を補正する方法はこの限りではない。
【0022】
本実施形態では、撮影はISO100の撮影感度で行われるので、検出レベルが100である「アドレス(X、Y)が(2、10)、(3、8)、(7、4)、(8、1)、(9、11)の画素」が補正される。図6は、キズ画素が補正された後の1枚目の画像のキズ画素の位置(図6(a))と、被写体の位置(図6(b))と、キズ情報(図6(c))の一例を示す図である。図6(a)において、検出レベルが200であるために補正されないキズ画素が残るが、このキズ画素は、キズ画素としての出力値が小さいので画質に影響を与えない。
キズ補正された画像は、1枚目の画像としてRAM108に格納される。尚、1枚目の画像の、撮像素子の画素位置と被写体の位置との関係は、図6(b)に示す様になる。この画像を、以下の説明では、画像Aと称する。
【0023】
次に、ステップS104において、CPU104は、画像防振動作時に必要な撮影枚数(設定枚数)の撮影が終了したかどうかを判断する。本実施形態では、画像防振動作時に3枚の画像を使用するので、ステップS102に戻り、次の撮影をする。その後、前述したステップS102〜S104の動作を繰り返し、2枚目、3枚目の画像をRAM108に格納する。
図7、図8は、それぞれ、キズ画素が補正された後の2枚目、3枚目の画像のキズ画素の位置(図7(a)、図8(a))と、被写体の位置(図7(b)、図8(b))と、キズ情報(図7(c)、図8(c))の一例を示す図である。2枚目、3枚目の「キズ補正後の画像のキズ画素と、撮像素子の画素位置と、被写体の位置」の関係は、それぞれ図7、図8に示す様になる。以下の説明では、この画像を各々、画像B、画像Cと称する。
【0024】
ステップS104にて設定枚数の撮影とキズ画素の補正とが終了すると、ステップS105に進み、3枚の画像A、B、Cの合成が行われる。まず、CPU104は、RAM108に格納されている画像Aと画像Bのデータを画像処理部109に転送する。図2に示すデータ入力Aとして画像Aのデータが、データ入力Bとして画像Bのデータがそれぞれ画像処理部109に入力される。これにより、ずれ検出部200hには画像A、Bのデータが入力される。ずれ検出部200hは、画像Aと画像Bのずれを検出する。図6及び図7に示す様に、画像Bの各画素のアドレスをXアドレス方向に+4、Yアドレス方向に+2ずらすと、被写体の位置が画像Aの位置と同じになるので、動き検出部200hは、合成位置情報(+4、+2)を出力する。尚、本実施形態では、画像Aの位置に画像B、Cの位置を合わせるようにしているが、画像A、B、Cの位置を基準となる位置に合わせるようにしていれば、必ずしもこのようにする必要はない。
【0025】
画像合成部200aは、動き検出部200hから出力された合成位置情報(+4、+2)に基づいて画像Bの各画素のアドレスをXアドレス方向に+4、Yアドレス方向に+2だけずらし、ずらした後の画像Bと画像Aとを加算して合成画像Dを出力する。その後、ステップS106において、合成画像Dのキズ画素の補正が行われる。
【0026】
まず、CPU104は、画像A、Bのキズ情報を画像処理部109に転送する。キズ情報は、それぞれ図2に示すキズ情報入力A、Bとして画像処理部109に入力される。このときの画像A、画像Bのキズ情報は、それぞれ図6(c)、図7(c)に示すものであり、図5(b)に示すキズ情報と同一である。また、画像A、Bの撮影時の撮影感度(ISO100)の撮影情報と、動き検出部200hから出力される合成位置情報とがキズ情報合成部200bに入力される。キズ情報入力Bとして入力された画像Bのキズ情報と、合成位置情報は、アドレス変換部201aに入力される。アドレス変換部201aは、この合成位置情報に基づいて、画像Bのキズ情報に含まれるアドレスを変換する。図9は、アドレスが変換された後の2枚目の画像(画像B)のキズ画素の位置(図9(a))と、被写体の位置(図9(b))と、キズ情報(図9(c))の一例を示す図である。このときの合成位置情報は(+4、+2)であるので、画像Bのキズ情報に含まれるアドレスはX方向に+4、Y方向に+2だけずれる。その結果、図7(c)に示すキズ情報は、図9(c)に示すキズ情報に変換される。
【0027】
その後、キズ入力Aとして入力された画像Aのキズ情報と、アドレス変換部201aから出力された画像Bの(変換後の)キズ情報とが合成される。図10は、画像Aのキズ情報と、アドレスを画像Aに合わせて変換した後の画像Bのキズ情報とを合成したキズ情報を示す図である。合成したキズ情報のデータは、検出レベル変換部201cに入力される。検出レベル変換部201cには撮影情報(ISO100の撮影感度)も入力されている。検出レベルが100のキズはすでに補正されているので、図10に示すキズ情報の中から削除される。また、キズ情報として同じ(2つの)アドレスが示されている画素は、画像の合成後にキズが重なった画素であり、キズとしての出力値が高くなっていることを示す。よって、その様な画素については、キズ情報の検出レベルが1段階高く変更される。図10に示す例では、アドレス(5、3)の画素で検出レベルが200のキズが重なっているので、その検出レベルが1段階高い100に変更される。
【0028】
図11は、この様にして生成された合成画像Dのキズ位置(図11(a))と、被写体の位置(図11(b))と、キズ情報(図11(c))を示す図である。セレクタ200cはa側に接続されて、図11(c)に示す合成画像Dのキズ情報は、キズ補正部200eに入力される。また、セレクタ200dは、a側に接続され、合成画像Dのデータがキズ補正部200eに入力される。キズ補正部200eでは前述した処理と同様に、合成画像Dのキズ情報を用いて、合成画像Dのキズ画素を補正する。
【0029】
図12は、キズ画素が補正された後の合成画像Dのキズ画素の位置(図12(a))と、被写体の位置(図12(b))と、キズ情報(図12(c))を示す図である。セレクタ200gはb側に接続され、キズ画素が補正された合成画像Dのデータと、合成画像Dのキズ情報は、RAM108に格納される。
【0030】
次に、ステップS107において、CPU104は、設定枚数の画像の合成が終了したかどうかを判断する。この判断の結果、設定枚数の画像の合成が終了していない場合にはステップS105に戻り、ステップS105、S106の処理を行う。ここでは、3枚の画像の合成をするのでステップS105に戻る。
【0031】
ステップS105において、3枚目の画像の合成が行われる。まず、CPU104は、RAM108に格納されている合成画像Dと画像Cのデータを画像処理部109に転送する。図2のデータ入力Aとして合成画像Dのデータが、データ入力Bとして画像Cのデータがそれぞれ画像処理部109に入力される。これにより、ずれ検出部200hには合成画像D、画像Cのデータが入力される。ずれ検出部200hは、合成画像Dと画像Cのずれを検出する。図12及び図8に示す様に、画像Cの各画素のアドレスをXアドレス方向に+2、Yアドレス方向に+2ずらすと、被写体の位置が合成画像Dの位置と同じになるので、動き検出部200hは、合成位置情報(+2、+2)を出力する。
【0032】
画像合成部200aは、ずれ検出部200hから出力された合成位置情報(+2、+2)に基づいて画像Cの各画素のアドレスをXアドレス方向に+2、Yアドレス方向に+2だけずらす。そして、画像合成部200aは、各画素の位置をずらした画像Cと合成画像Dとを加算して合成画像Eを出力する。その後、ステップS106において、合成画像Eのキズ画素の補正が行われる。
【0033】
まず、CPU104は、合成画像D、画像Cのキズ情報を画像処理部109に転送する。キズ情報は、それぞれ図2に示すキズ情報入力A、Bとして画像処理部109に入力される。このときの合成画像D、画像Cのキズ情報は、それぞれ図12(c)、図8(c)に示すものである。また、画像Cの撮影時の撮影感度(ISO100)の撮影情報と、ずれ検出部200hから出力される合成位置情報とがキズ情報合成部200bに入力される。キズ情報入力Bとして入力された画像Cのキズ情報と、合成位置情報は、アドレス変換部201aに入力される。アドレス変換部201aは、その合成位置情報に基づいて、画像Cのキズ情報に含まれるアドレスを変換する。図13は、アドレスが変換された後の3枚目の画像(画像C)のキズ画素の位置(図13(a))と、被写体の位置(図13(b))と、キズ情報(図13(c))の一例を示す図である。このときの合成位置情報は(+2、+2)であるので、画像Cのキズ情報に含まれるアドレスはX方向に+2、Y方向に+2だけずれる。その結果、図8(c)に示すキズ情報は、図10(c)に示すキズ情報に変換される。
【0034】
その後、キズ入力Aとして入力された合成画像Dのキズ情報と、アドレス変換部201aから出力された画像Cの(変換後の)キズ情報とが合成される。図14は、合成画像Dのキズ情報と、アドレスを合成画像Dに合わせて変換した後の画像Cのキズ情報とを合成したキズ情報を示す図である。合成したキズ情報のデータは、検出レベル変換部201cに入力される。検出レベル変換部201cには撮影情報(ISO100の撮影感度)も入力されている。検出レベルが100のキズはすでに補正されているので、図14に示すキズ情報の中から削除される。また、キズ情報として同じアドレスが示されている画素は、画像の合成後にキズが重なった画素であり、キズとしての出力値が高くなっていることを示す。よって、その様な画素については、キズ情報の検出レベルが1段階高く変更される。図14に示す例では、アドレス(7、9)の画素で検出レベルが200のキズが重なっているので、その検出レベルが1段階高い100に変更される。
【0035】
図15は、この様にして生成された合成画像Eのキズ情報(図15(a))と、被写体の位置(図15(b))と、キズ情報(図15(c))を示す図である。セレクタ200cはa側に接続されて合成画像Eのキズ情報として、キズ補正部200eに入力される。また、セレクタ200dはa側に接続され、合成画像Eのデータがキズ補正部200eに入力される。キズ補正部200eでは前述した処理と同様に、合成画像Eのキズ情報を用いて、合成画像Eのキズ画素を補正する。
【0036】
図16は、キズ画素が補正された後の合成画像Eのキズ画素の位置(図16(a))と、被写体の位置(図16(b))と、キズ情報(図16(c))を示す図である。画像の合成は終了のため、セレクタ200gはa側に接続され、キズ画素が補正された合成画像Eのデータは、画像圧縮部200fにて圧縮された後にRAM108に格納される。
以上のようにして、全ての(3枚の)画像A〜Cの合成が終了すると、ステップS108に進み、CPU104は、RAM108に格納された合成画像Eのデータを外部記録媒体113に記録し、撮影が終了となる。
【0037】
一方、ステップS101の判断の結果、画像防振機能が無効になっている場合には、ステップS109へ進み、撮影、キズ画素の補正、及び記録が一枚毎に行われる。ステップS109、S110の動作は、ステップS102、S103の動作と同様である。ステップS110でキズ画素の補正が終了した画像データが、画像圧縮部200fで圧縮されてRAM108へ格納される。最後に、ステップS111において、CPU104は、RAM108に格納された画像データを外部記録媒体113に記録し、撮影が終了となる。
【0038】
以上のように本実施形態では、キズ画素の位置(アドレス)と検出レベルとを含むキズ情報を予め撮像装置100に記憶しておく。動き(ずれ)検出を行うために3枚の画像を撮像するとする。まず、1枚目の画像Aに対する2枚目の画像Bの変更量を合成位置情報として導出する。この合成位置情報に基づいて、画像Bの位置をずらして画像Aと合成して合成画像Dを生成すると共に、画像Bのキズ情報の位置(アドレス)を変更する。そして、画像Aのキズ情報と変更後の画像Bのキズ情報とを合成して合成画像Dのキズ情報を生成する。このとき、合成画像Dのキズ情報から、撮影情報(ISO100の撮影感度)に対応する検出レベルが100のキズ情報を削除すると共に、同じアドレスが示されている画素のキズ情報の検出レベルを高くする。このキズ情報を用いて合成画像Dのキズ画素を補正する。次に、合成画像Dと画像Cとについて、画像A、Bと同じ処理を行い、それらの合成画像Eのキズ情報を生成し、合成画像Eのキズ画素を補正する。以上のようにすることにより、画像の位置をずらして(合わせて)複数枚の画像を合成するときに、1枚毎のキズ画素の補正では補正しない微小なキズ画素が重なった場合、キズとしての出力値が大きくなった画素のみを補正することができる。
【0039】
<変形例>
本実施形態では、2つの画像のキズ情報を合成する際に、それらの画像のキズ情報において、相互にアドレスが一致する場合にのみ、当該キズ画素の検出(補正)が行われ易くなるように、当該アドレスに対応するキズ画素の検出レベルを変更した(高くした)。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、微小なキズが隣接した画素にある場合にもキズとして目立ちやすくなる。このため、例えば、2つの画像のキズ情報を合成する際に、それらの画像のキズ情報において、アドレスが所定数(連続して)隣接している場合、それらのアドレスに対応するキズ画素の検出レベルを、当該キズ画素の検出が行われ易くなるように変更してもよい。また、相互に一致するアドレスに対応する検出レベルと、相互に隣接するアドレスに対応する検出レベルとの双方を変更してもよい。
【0040】
また、全体として合成する画像の数が多いと、微小なキズが密集し、合成した画像の画質が落ちる虞がある。そこで、例えば、キズ画素を補正した後の所定領域内の微小キズ(キズ画素)の数が所定数以下になる様に(キズ画素の検出(補正)が行われ難くなる様に)、キズ情報に含まれる検出レベルを変更する(低くする)ようにしてもよい。
また、キズ画素の周辺の画素出力(画素値)によっては、キズの目立ちやすさが異なる。このため、前述した検出レベルの変更に加えて又は代えて、例えば、キズ画素の周辺の画素出力(画素値)に応じて、当該キズ画素の検出レベルを、当該キズ画素の検出(補正)が行われ易くなるように変更する程度を異ならせるようにしてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、画像データが、RGBのベイヤー配列の画像データである場合を例に挙げて説明したが、画像データはこの限りではない。YUVの輝度・色差情報を有する画像データ等、画像の位置ずれによってキズの位置が変わるものであれば、どのような画像データであっても本実施形態の手法を適用することができる。
【0042】
また、本実施形態では、キズ情報に含まれる検出レベルを参照して、キズ画素の検出を行う場合を例に挙げて説明したが、キズ画素の検出を行う方法はこの限りではない。例えば、キズ情報に含まれるアドレスで特定される画素の出力値と、設定された所定の検出閾値とを比較し、検出閾値を超えた画素をキズ画素として検出するようにしてもよい。この場合、キズ情報に、検出レベルを含めずに、アドレス情報のみを含めるようにすることができる。この場合、例えば、合成位置情報に基づいて、一方の画像のキズ情報に含まれるアドレスを他方の画像に合わせて変換してそれらのキズ情報を合成した後、それらのアドレスが一致又は所定の条件下にある場合に検出閾値を変更する構成になる。このように、キズ画素の検出が行われ易くなるようにすることは、検出レベルを変更することの他に、検出閾値を変更することによっても実現される。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
本実施形態の撮像装置の基本的な構成は、図1に示す構成であり、第1の実施形態の構成と同じであるため、その詳細な説明を省略する。
図17は、本実施形態の画像処理部109の構成の一例を示す図である。
画像合成部300aは、撮影された複数枚の画像を合成する。画像合成部300aでは、予め設定された合成位置情報に基づいて、複数枚の画像データに対して所定の位置合わせ処理を行い、画像を合成する。本実施形態では、画像の合成は、相互に対応する画素データ同士の加算処理を行うことによって実現するが、画像を合成する方法はこの限りでない。
【0044】
本実施形態でも第1の実施形態と同様に、ROM106に格納されたキズ情報に基づき、画像のキズ画素の補正を行う。キズ情報は、キズ(画素欠陥)のレベルと、キズのある「撮像素子101上の位置(アドレス)」とを含む情報である。キズ補正部300eは、キズの補正の対象となる画像データと、キズ情報とを入力し、後述する処理によりキズの検出・補正を行う。
キズ情報合成部300bは、複数枚の画像データを合成する際に、撮影情報と、合成する対象となる画像データのキズ情報とに基づき、合成後の画像のキズ情報を生成し、キズ補正部300eに出力する。
画像圧縮部300fは、画像を記録する際に画像を圧縮する。セレクタ300c、300d、300gは、画像データ又はキズ情報を選択して出力する。
【0045】
図18は、図17に示すキズ情報合成部300bの構成の一例を示す図である。
未補正画素検出部301d、301eは、撮影情報に基づいて、キズ情報の中で補正していない画素を検出する。アドレス変換部301aは、キズ情報のアドレスを変換する。キズ情報合成部301bは、複数のキズ情報を合成する。検出レベル変換部301cは、合成したキズ情報内の検出レベルを、撮影情報と、画像合成時の重みづけ情報とに基づいて変更する。
【0046】
次に、図19のフローチャートを参照しながら、本実施形態の撮像装置100の動作の一例を説明する。
本実施形態では、画像の撮影は予め行われており、外部記録媒体113に記録されている。撮影時の処理は、第1の実施形態で説明したステップS109〜S111と同じ処理で実現され、キズ画素が補正された画像データが外部記録媒体113に記録されている。
図20(a)は、撮像素子101上の画素位置(キズ位置)を示すものであり、1つの格子が1画素に相当する。画素位置は、X又はYアドレスで定義され、それぞれn画素ずつ、m画素ずつ画素が並んでいるものとする。図20(a)において、パターンが記載されている画素がキズ画素である。図20(b)は、図20(a)に示すキズ画素に対応するキズ情報を示す図である。キズ情報には、X・Yアドレスのキズ位置と、各キズ画素のキズの程度を示すキズの検出レベルとが含まれる。検出レベルは、値が大きくなるほどキズ画素としての出力値が小さいものとなる。図20(a)では、検出レベルに応じてパターンを異ならせて示している。撮影時のキズ画素の補正は、図20(b)に示すキズ情報に基づいて行われる。
【0047】
本実施形態では、撮影された3枚の画像を合成する。以下の説明では、3枚の画像をそれぞれ画像F、画像G、画像Hと称する。画像F、画像G、画像Hは、それぞれISO100、ISO200、ISO400の撮影感度で撮影されたものである。図21〜図23は、それぞれ、キズ画素が補正された後の画像F、G、Hのキズ画素の位置(図21(a)〜図23(a))と、被写体の位置(図21(b)〜図23(b))と、キズ情報(図21(c)〜図23(c))の一例を示す図である。
【0048】
ステップS201において、ユーザは、表示部107に表示されるメニューから画像合成を選択する。表示部107には、外部記録媒体113に記録される画像が表示され、ユーザは、操作部105を使用して、画像F、画像G、画像Hを選択する。操作部105は、ユーザによって画像F、画像G、画像Hが選択されたことをCPU104に対して設定する。
次に、ステップS202において、ユーザは、操作部105を使用して、合成する際の各画像F、G、Hの位置を設定する。ここでは、画像Fの位置を変更せずに、画像Gの各画素のアドレスをXアドレス方向に−2、Yアドレス方向に−2変更した位置に設定すると共に、画像Hの各画素のアドレスをYアドレス方向に−2変更した位置に設定するものとする。この設定と共に、ユーザは、操作部105を使用して、合成の際の各画像F、G、Hの明度を設定する。ここでは、画像Hの明度を2倍にする設定とする。操作部105は、これらの内容をCPU104に対して設定する。
【0049】
合成する際の各画像F、G、Hの位置と明度の設定が終了すると、ステップS203において、画像の読み出しが開始される。CPU104は、外部記録媒体113に格納されている画像Fと画像Gのデータを画像処理部109に転送する。図17に示すデータ入力Aとして画像Fのデータが、データ入力Bとして画像Gのデータがそれぞれ画像処理部109に入力される。
【0050】
次に、ステップS204において、3枚の画像F、G、Hの合成が行われる。まず、CPU104は、画像Gの合成位置情報(Xアドレス変更、Yアドレス変更)=(−2、−2)と、重みづけ情報の一例である明度情報(明度変更情報)とを画像処理部109に送信する。画像合成部300aは、合成位置情報(−2、−2)に基づいて、画像Gの各画素のアドレスをXアドレス方向に−2、Yアドレス方向に−2ずらす。また、画像Gの明度を変更しないので、画像合成部300aは、明度情報である1倍を画像Gの明度に乗算し、各画素のアドレスをずらすと共に明度として1倍を乗算した画像Gと、画像Fとを加算して合成画像Iを出力する。
【0051】
その後、ステップS205において、合成画像Iのキズ画素の補正(キズ補正)が行われる。まず、CPU104は、画像F、Gのキズ情報を画像処理部109に転送する。キズ情報は、それぞれ図18に示すキズ情報入力A、Bとして画像処理部109に入力される。このときの画像F、画像Gのキズ情報は、それぞれ図21(c)、図22(c)に示すものであり、図20(b)に示すキズ情報と同一である。これらキズ情報と、画像F、Gの撮影時の撮影感度(ISO100、ISO200)の撮影情報は、図18に示す未補正画素検出部301d、301eにそれぞれ入力される。
【0052】
未補正画素検出部301d、301eは、各画像F、Gの撮影時に補正された画素の情報をキズ情報から削除する。また、未補正画素検出部301d、301eは、アドレスが、撮像素子の範囲外になる画素の情報についてもキズ情報から削除する。図24、図25は、それぞれ撮影時に補正された画素の情報と撮像素子の範囲外になる画素の情報とが削除された画像F、Gのキズ画素の位置(図24(a)、図25(a))と、被写体の位置(図24(b)、図25(b))と、キズ情報(図24(c)、図25(c))の一例を示す図である。
【0053】
その後、図18に示すアドレス変換部301aには、未補正画素検出部301eからの出力と合成位置情報とが入力される。アドレス変換部301aは、画像Gのキズ情報に含まれるアドレスを変換する。このときの合成位置情報は(−2、−2)であるので、画像Gのキズ情報に含まれるアドレスは、X方向に−2、Y方向に−2だけずれる。図26は、アドレスが変換された後の画像Gのキズ画素の位置(図26(a))と、被写体の位置(図26(b))と、キズ情報(図26(c))の一例を示す図である。
【0054】
アドレス変換部301aからの出力は検出レベル変換部301cに入力される。検出レベル変換部301cは、画像Gのキズ情報の検出レベルを変換する。検出レベル変換部301cには、撮影条件の一例である撮影感度と、重みづけ情報の一例である明度情報とが入力される。後述するキズ情報の合成時に、他の撮影感度で撮影した画像とキズ検出の基準を共通にして扱う必要があるため、画像Gのキズ情報の検出レベルを、撮影感度がISO100の場合に換算する必要がある。画像GはISO200の撮影感度で撮影されているため、検出レベル変換部301cは、画像Gの検出レベルを1段階高く設定する。さらに、明度を上げて画像を合成する場合には、キズ画素としての出力値が大きくなるので、明度を上げた分だけ検出レベルを高くする必要がある。画像Gの明度(明度情報)は1倍に設定されているので、ここでは検出レベルの変更はない。よって、検出レベル変換部301cは、撮影感度換算分と明度換算分とを合わせて画像Gの検出レベルを1段階高く変換する。図27は、検出レベルが変換された後の画像Gのキズ画素の位置(図27(a))と、被写体の位置(図27(b))と、キズ情報(図27(c))の一例を示す図である。
【0055】
その後、キズ情報合成部301bは、図24(c)に示す画像Fのキズ情報と、図27(c)に示す画像Gのキズ情報とを合成する。キズ情報として同じ(2つの)アドレスが示されている画素は、画像の合成後にキズが重なった画素であり、キズとしての出力値が高くなっていることを示す。よって、その様な画素については、キズ情報の検出レベルが1段階高く変更される。この場合、アドレス(7、9)の画素は検出レベルが200のキズが重なっているので、検出レベルが1段階高い100に変更される。
【0056】
図28は、この様にして生成された合成画像Iのキズ位置(図28(a))と、被写体の位置(図28(b))と、キズ情報(図28(c))を示す図である。セレクタ300cは、a側に接続されて、図28(c)に示す合成画像Iのキズ情報として、キズ補正部300eに入力される。また、セレクタ300dは、a側に接続され、合成画像Iのデータがキズ補正部300eに入力される。キズ補正部300eは、第1の実施形態で説明したキズ補正部200eの処理と同様に、キズ情報を用いて、合成画像Iのキズ画素を補正する。
図29は、キズ画素が補正された後の合成画像Iのキズ画素の位置(図29(a))と、被写体の位置(図29(b))と、キズ情報(図29(c))を示す図である。セレクタ300gはb側に接続され、キズ画素が補正された合成画像Iのデータと、合成画像Iのキズ情報は、RAM108に格納される。
【0057】
次に、ステップS206において、CPU104は、設定枚数の画像の合成が終了したかどうかを判断する。この判断の結果、設定枚数の画像の合成が終了していない場合にはステップS203に戻り、ステップS203〜S205の処理を行う。ここでは、3枚の合成をするのでステップS203に戻る。
【0058】
ステップS203において、次の画像の読み出しが開始される。まず、CPU104は、外部記録媒体113に格納されている合成画像Iと画像Hのデータを画像処理部109に転送する。図17のデータ入力Aとして合成画像Iのデータが、データ入力Bとして画像Hのデータがそれぞれ画像処理部109に入力される。
次に、ステップS204において、合成画像Iと画像Hとの合成が行われる。まず、CPU104は、画像Hの合成位置情報(Xアドレス変更、Yアドレス変更)=(0、−2)と、重みづけ情報の一例である明度情報(明度変更情報)とを画像処理部109に送信する。画像合成部300aは、合成位置情報(0、−2)に基づいて、画像Hの各画素のアドレスをYアドレス方向に−2ずらす。また、画像Hは明度を2倍にして合成するので、画像合成部300aは、明度情報である2倍を画像Hの明度に乗算する。そして、画像合成部300aは、各画素のアドレスをずらすと共に明度として2倍を乗算した画像Hと、合成画像Iとを加算して合成画像Jを出力する。
【0059】
その後、ステップS205において合成画像Jのキズ画素の補正が行われる。まず、CPU104は、合成画像Iのキズ情報と、画像Hのキズ情報とを画像処理部109に転送する。キズ情報は、それぞれ図18に示すキズ情報入力A、Bとして画像処理部109に入力される。このときの合成画像Iのキズ情報と、画像Hのキズ情報は、それぞれ図29(c)、図23(c)に示すものである。これらキズ情報と、画像Gの撮影時の撮影感度(ISO400)の撮影情報は、図18に示す未補正画素検出部301d、301eにそれぞれ入力される。
【0060】
未補正画素検出部301dは、合成画像Iの合成時に補正された画素の情報をキズ情報から削除する。合成画像Iの合成時には、ISO100の撮影感度を基準として検出レベルを判断しているので、検出レベルが100のものがキズ情報から削除されることとなる。また、未補正画素検出部301eは、画像Hの撮影時に補正した画素の情報をキズ情報から削除する。更に、未補正画素検出部301eは、アドレスが撮像素子の範囲外になる画素についても削除する。図30は、撮影時に補正された画素の情報と撮像素子の範囲外になる画素の情報とが削除された画像Hのキズ画素の位置(図30(a))と、被写体の位置(図30(b))と、キズ情報(図30(c))の一例を示す図である。また、図31は、合成画像Iの合成時に補正された画素の情報が削除された合成画像Iのキズ画素の位置(図31(a))と、被写体の位置(図31(b))と、キズ情報(図31(c))の一例を示す図である。
【0061】
その後、図18に示すアドレス変換部301aには、未補正画素検出部301eからの出力と合成位置情報とが入力される。アドレス変換部301aは、画像Hのキズ情報に含まれるアドレスを変換する。このときの合成位置情報は(0、−2)であるので、画像Hのキズ情報に含まれるアドレスは、Y方向に−2だけずれる。図32は、アドレスが変換された後の画像Hのキズ画素の位置(図32(a))と、被写体の位置(図32(b))と、キズ情報(図32(c))の一例を示す図である。
【0062】
アドレス変換部301aからの出力は、検出レベル変換部301cに入力される。検出レベル変換部301cは、画像Hのキズ情報の検出レベルを変換する。検出レベル変換部301cには、撮影情報の一例である撮影感度と、重みづけ情報の一例である明度情報とが入力される。前述したように、キズ情報の合成時に、他の撮影感度で撮影した画像とキズ検出の基準を共通にして扱う必要があるため、画像Hのキズ情報の検出レベルを、撮影感度がISO100の場合に換算する必要がある。画像HはISO400の撮影感度で撮影されているため、画像Hの検出レベルを2段階高く設定する。さらに、明度を上げて画像を合成する場合には、キズ画素としての出力値が大きくなるので、明度を上げた分だけ検出レベルを高くする必要がある。画像Hの明度(明度情報)は2倍に設定されているので、検出レベルを1段階高く設定する。よって、検出レベル変換部301cは、撮影感度換算分と明度換算分とを合わせて3段階キズレベルを高く変換する。図33は、検出レベルが変換された後の画像Hのキズ画素の位置(図33(a))と、被写体の位置(図33(b))と、キズ情報(図33(c))の一例を示す図である。
【0063】
その後、キズ情報合成部301bは、図31(c)に示す合成画像Iのキズ情報と、図33(c)に示す画像Hのキズ情報とを合成する。前述したように、キズ情報として同じ(2つの)アドレスが示されている画素は、画像の合成後にキズが重なった画素であり、キズとしての出力値が高くなっていることを示す。よって、その様な画素については、キズ情報の検出レベルが1段階高く変更される。図31、図33に示す例では、アドレス(5、4)の画素で検出レベルが200のキズが重なっているので、その検出レベルが1段階高い100に変更される。
【0064】
図34は、この様にして生成された合成画像Jのキズ画素の位置(図34(a))と、被写体の位置(図34(b))と、キズ情報(図34(c))を示す図である。セレクタ300cは、a側に接続されて、図34(c)に示す合成画像Jのキズ情報として、キズ補正部300eに入力される。また、セレクタ300dは、a側に接続され、合成画像Jのデータがキズ補正部300eに入力される。キズ補正部300eは、第1の実施形態で説明したキズ補正部200eの処理と同様に、キズ情報を用いて、合成画像Jのキズ画素を補正する。
【0065】
図35は、キズ画素が補正された後の合成画像Jのキズ画素の位置(図35(a))と、被写体の位置(図35(b))と、キズ情報(図35(c))を示す図である。これで画像の合成は終了であるため、セレクタ300gはa側に接続され、キズ画素が補正された合成画像Jのデータは、画像圧縮部300fにて圧縮された後にRAM108に格納される。
そうすると、ステップS206において、設定枚数の画像の合成が終了したと判断されるので、ステップS207において、CPU104は、RAM108に格納される合成画像Jのデータを外部記録媒体113に記録し、画像の合成が終了となる。
【0066】
以上のように本実施形態では、キズ画素の位置(アドレス)と検出レベルとを含むキズ情報を予め撮像装置100に記憶しておく。既に外部記録媒体に記録されている3枚の画像F、G、Hを合成する場合、ユーザによる指定に基づいて、画像G、Hの各画素のアドレスを画像Fに合うように移動すると共に、画像F、G、Hの明度を変更する。まず、明度を変更した画像Gの各画素のアドレスを画像Fに合うように移動して画像G、Fの合成画像Iを生成すると共に画像Gのキズ情報の位置(アドレス)を変更する。そして、画像Gのキズ情報の検出レベルを画像Fの撮影感度と明度に応じて変更し、検出レベルと位置(アドレス)とが変更された画像Gのキズ情報と画像Fのキズ情報とを合成して合成画像Iのキズ情報を生成する。このとき、同じアドレスが示されている画素のキズ情報の検出レベルを高くする。このキズ情報を用いて合成画像Iのキズ画素を補正する。そして、合成画像Iと画像Hとについて、画像F、Gと同じ処理を行い、それらの合成画像Jのキズ情報を生成し、合成画像Jのキズ画素を補正する。以上のようにすることにより、画像の位置をずらして複数枚の画像を合成するときに、1枚毎のキズ補正にて補正しない微小なキズが重なった場合、撮影条件や合成条件に対応しながら、キズとしての出力値が大きくなった画素のみを補正することができる。
【0067】
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
【0068】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【0069】
尚、前述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0070】
(その他の実施例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
【符号の説明】
【0071】
100 撮像装置、101 撮像素子、109 画像処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を用いて撮影された複数の画像を合成する合成手段と、
前記複数の画像を合成する際の画素位置を含む合成位置情報に基づいて、前記合成手段により合成される前記複数の画像の画素欠陥情報に含まれる欠陥画素の位置を示す情報を変更する変更手段と、
前記変更手段により変更された前記画素欠陥情報に基づいて、
前記合成手段により合成された画像における欠陥画素を補正する補正手段と、を有する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記画素欠陥情報は、撮像素子における欠陥画素の位置を示す情報と、欠陥画素の欠陥の大きさを示す情報とを含み、
前記変更手段は、前記合成手段により合成される前記複数の画像のそれぞれの画素欠陥情報で特定される欠陥画素であって、相互に同じ位置にある欠陥画素と、相互に隣接する位置にある欠陥画素とのうち、少なくとも何れか一方の欠陥画素の欠陥の大きさを示す情報を更に変更し、
前記補正手段は、前記変更手段により前記画素欠陥情報が変更された後に、前記画素欠陥情報に基づいて、前記合成手段により合成された画像における欠陥画素を補正することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記補正手段により補正された欠陥画素の所定領域内における数が所定数以下になるように、前記合成手段により合成される前記複数の画像の画素欠陥情報に含まれる、欠陥画素の欠陥の大きさを示す情報を変更することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記合成手段により合成される前記複数の画像の欠陥情報を検出する検出手段を有し、
前記変更手段は、撮影条件に基づいて、前記合成手段により合成される前記複数の画像のそれぞれの画素欠陥情報で特定される欠陥画素であって、相互に同じ位置にある欠陥画素と、相互に隣接する位置にある欠陥画素とのうち、少なくとも何れか一方の欠陥画素の欠陥の大きさを示す情報を、当該欠陥画素が前記検出手段により検出され易くなるように変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮影条件は、撮影感度を含むことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記合成手段により合成される前記複数の画像の欠陥情報を検出する検出手段を有し、
前記変更手段は、画像の画素値の大きさに対する重みづけ情報に基づいて、前記合成手段により合成される前記複数の画像のそれぞれの画素欠陥情報で特定される欠陥画素であって、相互に同じ位置にある欠陥画素と、相互に隣接する位置にある欠陥画素とのうち、少なくとも何れか一方の欠陥画素の欠陥の大きさを示す情報を、当該欠陥画素が前記検出手段により検出され易くなるように変更することを特徴とする請求項2〜5の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記重みづけ情報は、明度を含むことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記合成手段により合成される前記複数の画像の欠陥情報を検出する検出手段を有し、
前記変更手段は、前記合成手段により合成される前記複数の画像のそれぞれの画素欠陥情報で特定される欠陥画素であって、相互に同じ位置にある欠陥画素と、相互に隣接する位置にある欠陥画素とのうち、少なくとも何れか一方の欠陥画素の欠陥の大きさを示す情報を、当該欠陥画素の周辺の画素の画素値に応じて、当該欠陥画素が前記検出手段により検出され易くなるように変更することを特徴とする請求項3〜7の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記合成手段により合成される前記複数の画像の欠陥情報を検出する検出手段を有し、
前記画素欠陥情報は、前記撮像素子における欠陥画素の位置を示す情報を含み、
前記検出手段は、前記画素欠陥情報に含まれる撮像素子における欠陥画素の位置を示す情報と、当該欠陥画素の画素値と検出閾値との比較の結果とを用いて、欠陥画素を検出することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記検出手段は、前記変更手段により画素欠陥情報が変更された後に、前記合成手段により合成される前記複数の画像のそれぞれの画素欠陥情報に、相互に同じ位置となる欠陥画素の位置を示す情報と、相互に隣接する位置となる欠陥画素の位置を示す情報とのうち、少なくとも何れか一方の情報が含まれていると、前記補正手段により前記欠陥画素の画素値の補正が行われ易くなるように前記検出閾値を変更することを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記検出手段は、撮影条件に基づいて、前記補正手段により前記欠陥画素の画素値の補正が行われ易くなるように前記検出閾値を変更することを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記撮影条件は、撮影感度を含むことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記検出手段は、画像の画素値の大きさに対する重みづけ情報に基づいて、前記補正手段により前記欠陥画素の画素値の補正が行われ易くなるように前記検出閾値を変更することを特徴とする請求項10〜12の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記重みづけ情報は、明度を含むことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記検出手段は、前記欠陥画素の周辺の画素の画素値に応じて、当該欠陥画素が前記検出手段により検出され易くなるように前記検出閾値を変更することを特徴とする請求項10〜14の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記複数の画像の間のずれ検出の結果、又は操作部の操作の結果に応じて、複数の画像を合成する際の各画像の各画素の位置の変更量を含む合成位置情報を生成する生成手段を有することを特徴とする請求項1〜15の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項17】
撮像素子を用いて撮影された複数の画像を合成する合成工程と、
前記複数の画像を合成する際の画素位置を含む合成位置情報に基づいて、前記合成工程により合成される前記複数の画像の画素欠陥情報に含まれる欠陥画素の位置を示す情報を変更する変更工程と、
前記変更工程により変更された前記画素欠陥情報に基づいて、前記合成工程により合成された画像における欠陥画素を補正する補正工程と、を有する
ことを特徴とする画像合成方法。
【請求項18】
撮像素子を用いて撮影された複数の画像を合成する合成工程と、
前記複数の画像を合成する際の画素位置を含む合成位置情報
に基づいて、前記合成工程により合成される前記複数の画像の画素欠陥情報に含まれる欠陥画素の位置を示す情報を変更する変更工程と、
前記変更工程により変更された前記画素欠陥情報に基づいて、前記合成工程により合成された画像における欠陥画素を補正する補正工程と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2013−16896(P2013−16896A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146322(P2011−146322)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】