説明

撮像装置、画像検索方法及びプログラム

【課題】画像検索をより容易に行う。
【解決手段】複数の画像を記録する記録媒体3と、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶する指紋登録DB8とを備える撮像装置100であって、指の指紋を検出して指紋データを生成する指紋検出部6と、生成された指紋データと対応付けられて指紋登録DBに記憶されている顔画像データを特定する顔画像特定部7と、特定された顔画像データに係る顔を画像から検出する顔検出部2aと、記録媒体に記録されている複数の画像の各々について、顔検出部により顔が検出された否かを判定する判定部9aと、顔が検出されたと判定された画像を検索結果として表示する表示部5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、この撮像装置を用いた画像検索方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影時に撮影者の指紋を検出して撮影者個人を特定する属性情報を記録用の画像データに付加して記憶したり、撮影後に顔認識により被写体を識別して被写体個人を特定する属性情報を記録用の画像データに付加して記憶することにより、個人を特定した画像検索を行うことができる撮像装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−333360号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、外部機器から転送された画像データなどでは一旦個人を特定する各種の属性情報を対応付けて記憶しなければ、属性情報を利用した画像検索を行うことができないといった問題がある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、画像検索をより容易に行うことができる撮像装置、この撮像装置を用いた画像検索方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の撮像装置は、
複数の画像を記録する記録手段と、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶するデータ記憶手段と、指の指紋を検出して指紋データを生成する指紋検出手段と、前記指紋検出手段により生成された指紋データと対応付けられて前記データ記憶手段に記憶されている顔画像データを特定する顔画像特定手段と、前記顔画像特定手段により特定された前記顔画像データに係る顔を画像から検出する顔検出手段と、前記記録手段に記録されている複数の画像の各々について、前記顔検出手段により顔が検出された否かを判定する判定手段と、前記判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力する出力手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記指紋検出手段は、装置本体の所定位置に設けられた指紋センサを備え、前記指紋センサ上に指が置かれたことを検出する指検出手段を更に備えることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の撮像装置において、
前記指検出手段により前記指紋センサ上に指が置かれたことが検出されると、前記顔画像特定手段が前記顔画像データを特定する処理、前記判定手段が前記顔検出手段により顔が検出された否かを判定する処理、及び、前記出力手段が前記判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力する処理の実行を順次制御する制御手段を更に備えることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の撮像装置において、
前記指紋センサの所定の検出領域内にて、同時または所定時間内に検出される全ての指紋を、検索対象となる顔を指定するための対象指定用指紋として特定する指紋特定手段を更に備えることを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の撮像装置において、
前記顔画像特定手段は、前記指紋特定手段により前記対象指定用指紋として特定された複数の指紋のうち、少なくとも一の指紋の指紋データと対応付けられている顔画像データを特定し、前記出力手段は、前記顔画像特定手段により特定された顔画像データに係る顔が少なくとも一つ或いは全て検出されたと前記判定手段により判定された画像を検索結果として出力することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明の画像検索方法は、
複数の画像を記録する記録手段と、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶するデータ記憶手段と、を備える撮像装置に、指の指紋を検出して指紋データを生成する処理と、生成された指紋データと対応付けられて前記データ記憶手段に記憶されている顔画像データを特定する処理と、特定された前記顔画像データに係る顔を前記記録手段に記録されている複数の画像の中から検出する処理と、顔が検出された画像を検索結果として出力する処理と、を実行させることを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明のプログラムは、
複数の画像を記録する記録手段と、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶するデータ記憶手段と、を備える撮像装置のコンピュータを、指の指紋を検出して指紋データを生成する指紋検出手段、前記指紋検出手段により生成された指紋データと対応付けられて前記データ記憶手段に記憶されている顔画像データを特定する顔画像特定手段、前記顔画像特定手段により特定された前記顔画像データに係る顔を画像から検出する顔検出手段、前記記録手段に記録されている複数の画像の各々について、前記顔検出手段により顔が検出された否かを判定する判定手段、前記判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力手段から出力させる出力制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、画像検索を行う人物の指の指紋を検出するだけで画像検索をより容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した一実施形態の撮像装置を示す背面図である。
【図2】図1の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1の撮像装置の指紋登録DBに記憶されている指紋登録テーブルの一例を示す図である。
【図4】図1の撮像装置による指紋登録処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1の撮像装置による画像検索処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図5の画像検索処理を説明するための図である。
【図7】図5の画像検索処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100を示す背面図であり、図2は、撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0016】
本実施形態の撮像装置100は、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて指紋登録DB8に登録しておき、指紋検出部6により生成された指紋データと対応付けられて指紋登録DB8に記憶されている顔画像データを特定して、記録媒体3に記録されている複数の画像の各々について、顔検出部2aにより顔画像データに係る顔が検出された否かを判定し、顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力する。
具体的には、図1及び図2に示すように、撮像装置100は、撮像部1と、画像処理部2と、記録媒体3と、表示処理部4と、表示部5と、指紋検出部6と、顔画像特定部7と、指紋登録DB8と、画像検索部9と、操作入力部10と、メモリ11と、CPU12とを備えている。
【0017】
撮像部1は、撮像手段として、被写体を撮像して画像フレームを生成する。具体的には、撮像部1は、レンズ部1aと、電子撮像部1bと、撮像処理部1cを備えている。
【0018】
レンズ部1aは、図示は省略するが、複数のレンズから構成され、例えば、ズームレンズやフォーカスレンズ等を備えている。また、レンズ部1aは、図示は省略するが、被写体の撮像の際に、ズームレンズを光軸方向に移動させるズーム駆動部、フォーカスレンズを光軸方向に移動させる合焦駆動部等を備えている。
【0019】
電子撮像部1bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等から構成され、レンズ部1aの各種レンズを通過した被写体像を二次元の画像信号に変換する。
【0020】
撮像処理部1cは、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像処理部1cは、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部1bを走査駆動させて、所定周期毎に被写体像を電子撮像部1bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部1bの撮像領域から1画面分ずつ画像フレームを読み出して画像処理部2に出力する。
また、撮像処理部1cは、AE(自動露出処理)、AF(自動合焦処理)、AWB(自動ホワイトバランス)の制御などを行う。
【0021】
画像処理部2は、撮像処理部1cから転送された画像フレームに基づいて、画質調整処理や解像度変換処理や画像符号化処理等を行って表示用画像データや記録用画像データを生成する。具体的には、画像処理部2は、撮像処理部1cから転送された画像フレームのアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドして、A/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換して、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを生成する。
カラープロセス回路から出力される輝度信号Y及び色差信号Cb,Crは、図示しないDMAコントローラを介して、バッファメモリとして使用されるメモリ11にDMA転送される。
【0022】
また、画像処理部2は、記録媒体3に記録されている複数の画像の中で所定の顔検出方法を用いて顔を検出する顔検出部2aを具備している。
顔検出部2aは、具体的には、記録媒体3に記録されている複数の画像の中で、顔画像特定部7(後述)により特定された顔画像データに係る顔を検出する。なお、この顔検出処理は、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
ここで、顔検出部2aは、顔画像特定部7により特定された顔画像データに係る顔を画像から検出する顔検出手段を構成している。
【0023】
記録媒体3は、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成され、画像処理部2のJPEG圧縮部(図示略)により符号化された静止画像の記録用画像データを記録する。
【0024】
表示処理部4は、メモリ11に一時的に記憶されている表示用データを読み出して表示部5に表示させる制御を行う。具体的には、表示処理部4は、VRAM、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、CPU12の制御下にてメモリ11から読み出されてVRAM(図示略)に記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから定期的に読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部5に出力する。
【0025】
表示部5は、撮像装置100本体の裏面側に表示画面を露出させるように設けられた液晶表示装置から構成されている(図4(b)参照)。そして、表示部5は、表示処理部4からのビデオ信号に基づいて電子撮像部1bにより撮像された画像などを表示画面に表示する。具体的には、表示部5は、撮像モードにて、撮像部1による被写体の撮像により生成された複数の画像フレームに基づいてライブビュー画像を表示したり、本撮像画像として撮像されたレックビュー画像を表示する。
【0026】
また、表示部5は、CPU12の制御下にて、使用者の指の指紋を検出して指紋データを生成する指紋検出部6を備えている。
指紋検出部6は、使用者の指の指紋データを生成する指紋センサ6aを備えている。指紋センサ6aは、表示部5の液晶表示装置に組み込まれてなり、各画素に内蔵された光センサから構成されている。即ち、指紋センサ6aは、表示部5の表示画面前面に亘って配設されている。そして、指紋センサ6aは、表示部5の表示画面に置かれた指先の指紋の凹凸形状を読み取って、その信号を指紋データとして出力する。
ここで、指紋検出部6及びCPU12は、使用者の何れかの指の指紋を検出して指紋データを生成する指紋検出手段を構成している。
【0027】
また、指紋検出部6は、指検出手段として、指紋センサ6aの所定領域が指に覆われることで光センサによる受光状態が変化すると、指紋センサ6a上に指が置かれたことを検出する。
【0028】
指紋検出部6は、画像検索の対象となる顔を指定するための対象指定用指紋データを特定する指紋特定部6bを備えている。
指紋特定部6bは、指紋センサ6aの所定の検出領域内に複数の人物の指が同時または所定時間内に置かれた場合に、当該指紋センサ6aにより生成された複数の指紋データを対象指定用指紋データとして特定する。
ここで、指紋検出部6及びCPU12は、指紋センサ6aの所定の検出領域内にて、同時または所定時間内に検出される全ての指紋を対象指定用指紋として特定する指紋特定手段を構成している。
【0029】
また、表示部5は、画像検索処理にて検索された画像を表示する。即ち、表示部5は、画像検索部9の判定部9aにより顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力する出力手段を構成している。
【0030】
顔画像特定部7は、CPU12の制御下にて、指紋検出部6により生成された指紋データと対応付けられて指紋登録DB8の指紋登録テーブルT1に登録されている顔画像データを特定する。
指紋登録DB8は、データ記憶手段として、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶している。具体的には、指紋登録DB8は、図3に示すように、人物と、顔画像情報と、指紋情報とが対応付けられた指紋登録テーブルT1を記憶している。
指紋登録テーブルT1は、例えば、人物として「Aさん」と、顔画像情報として「顔画像データA」と、指紋情報として「指紋A」とを対応付けて記憶している。同様に、人物として「Bさん」と、顔画像情報として「顔画像データB」と、指紋情報として「指紋B」とを対応付けて記憶している。同様に、人物として「Cさん」と、顔画像情報として「顔画像データC」と、指紋情報として「指紋C」とを対応付けて記憶している。
なお、顔画像情報は、顔画像データに限られるものではなく、人物を特定するための顔画像に係る情報であれば任意であり、顔の特徴データ等であっても良い。
【0031】
そして、顔画像特定部7は、指紋登録テーブルT1に登録されている複数の指紋データの各々と、指紋センサ6aにより生成され、指紋特定部6bにより対象指定用指紋データとして特定された指紋データとを比較して、一致する指紋データを特定する。そして、顔画像特定部7は、特定された指紋データと対応付けられている顔画像データを特定する。
このとき、顔画像特定部7は、対象指定用指紋として特定された複数の指紋のうち、少なくとも一の指紋の指紋データと対応付けられている顔画像データを特定する。
ここで、顔画像特定部7及びCPU12は、指紋検出部6により生成された指紋データと対応付けられて指紋登録DB8に記憶されている顔画像データを特定する顔画像特定手段を構成している。
【0032】
画像検索部9は、CPU12の制御下にて、記録媒体3に記録されている複数の画像データの中で使用者所望の画像データを検索する。
具体的には、画像検索部9は、記録媒体3に記録されている複数の画像の各々について、顔検出部2aにより顔が検出された否かを判定する判定部9aを備えている。
判定部9aは、判定手段として、記録媒体3に記録されている複数の画像の各々について、顔画像特定部7によって特定された顔画像データに係る顔が顔検出部2aにより検出された否かを判定する。具体的には、判定部9aは、顔画像特定部7により特定された顔画像データから顔の特徴データを抽出するとともに、複数の画像データの中で顔検出部2aにより検出された顔から当該顔の特徴データを抽出し、これらの特徴データの差分が所定の閾値以下であるか否かを判定する。そして、これらの特徴データの差分が所定の閾値以下である場合に、顔画像特定部7により特定された顔画像データに係る顔が顔検出部2a10により検出されたと判定する。
また、判定部9aは、顔画像特定部7により複数の顔画像データが特定された場合には、これら複数の顔画像データに係る顔のうち、少なくとも一つ或いは全ての顔が顔検出部2aにより検出されたか否かを判定する。
【0033】
また、画像検索部9は、画像検索処理を自動的に実行させる自動実行制御部9bを備えている。
自動実行制御部9bは、制御手段として、指紋検出部6により指紋センサ6a上に指が置かれたことが検出されると、CPU12の制御下にて、顔画像特定部7が顔画像データを特定する処理、判定部9aが顔検出部2aにより顔が検出された否かを判定する処理、及び、表示部5が判定部9aにより顔が検出されたと判定された画像を検索結果として表示する処理の実行を順次制御する。
【0034】
操作入力部10は、当該撮像装置100の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部10は、被写体の撮影指示に係るシャッタボタン10a、機能選択や表示設定等に係るメニュー画面の表示指示に係るメニューボタン10b(図4(b)等参照)、動作モード等の選択や決定指示に係る選択決定ボタン10c(図4(b)等参照)、ズーム量の調整指示に係るズームボタン(図4(b)等参照)等を備えている。そして、操作入力部10は、これらのボタンの操作に応じて所定の操作信号をCPU12に出力する。
【0035】
CPU12は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、CPU12は、撮像装置100用の各種処理プログラムに従って各種の制御動作を行うものである。
【0036】
メモリ11は、例えば、フラッシュメモリ等により構成され、CPU12によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0037】

次に、撮像装置100による指紋登録処理について、図4を参照して説明する。
図4は、指紋登録処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【0038】
指紋登録処理は、使用者による操作入力部10の所定操作に基づいて指紋登録モードが選択された場合に実行される処理である。
図4に示すように、使用者による操作入力部10の所定操作に基づいて、複数の動作モードの中で指紋登録モードが選択指定されると(ステップS1)、CPU12は、使用者による操作入力部10の所定操作に基づいて人物名(例えば、Aさん)の入力を受け付ける。
そして、人物名が入力されると(ステップS2)、CPU12は、撮像部1に当該人物の顔を含む画像(顔画像)を撮像させ(ステップS3)、顔画像データ(例えば、顔画像データA)を生成させる(ステップS4)。
【0039】
次に、CPU12は、指紋検出部6に顔画像が撮像された人物の指紋を指紋センサ6aにより検出させて(ステップS5)、当該指紋の指紋データ(例えば、指紋A)を生成させる(ステップS6)。
【0040】
その後、CPU12は、人物名と、撮像部1により生成された顔画像データと、指紋検出部6により生成された指紋データとを対応付けて指紋登録DB8の指紋登録テーブルT1に登録させる(ステップS7)。
【0041】
次に、CPU12は、使用者による操作入力部10の所定操作に基づいて、指紋登録モードの終了指示が入力されているか否かを判定する(ステップS8)。ここで、指紋登録モードの終了指示が入力されていないと判定されると(ステップS8;NO)、CPU12は、使用者による操作入力部10の所定操作に基づいて、次の人物名(例えば、Bさん)が入力されているか否かを判定する(ステップS9)。なお、次の人物名には、既に設定されている人物名とは異なる新たな人物名の他、既に設定されている人物名であって、使用者が再設定を所望する人物名も含む。
そして、次の人物名が入力された判定されると(ステップS9;YES)、CPU12は、処理をステップS2に移行させて、それ以降の処理を繰り返し実行する。このようにして、複数の人物の各々について顔画像と指紋とが対応付けて登録される。
【0042】
その後、ステップS9にて、次の人物名が入力されていないと判定されると(ステップS9;NO)、CPU12は、処理をステップS8に移行させる。
そして、ステップS8にて、指紋登録モードの終了指示が入力されたと判定されると(ステップS8;YES)、CPU12は、指紋登録処理を終了させる。
【0043】
次に、撮像装置100による画像検索処理について、図5〜図7を参照して説明する。
図5は、画像検索処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。また、図6は、画像検索処理の際の撮像装置100の状態の一例を示す図であり、図7は、画像検索処理により検索された画像の一例を示す図である。
【0044】
画像検索処理は、撮像装置100を用いた画像検索方法の一例として説明する処理である。
先ず、図5に示すように、使用者による操作入力部10の所定操作に基づいて、複数の動作モードの中で画像検索モードが選択指定される(ステップS21)。このとき、検索対象となる複数の人物をAND条件で検索するか、OR条件で検索するか等の画像検索条件を設定しても良い。
【0045】
次に、CPU12は、指紋検出部6の指紋センサ6aに検索対象となる人物の指紋を検出させる(ステップS22)。例えば、図6に示すように、検索対象となる二人の人物(例えば、Aさん及びBさん)が予め指紋登録テーブルT1に指紋が登録されている指を指紋センサ6a上に置く。なお、指を指紋センサ6aに置く行為は、同時に行っても良いし、多少のタイムラグがあっても同時に所定時間以上置かれていれば、当該行為は同時に行われたものと判断する。さらに、複数の指が指紋センサ6aに置かれるのが同時ではなくとも所定時間内に連続して複数の指が置かれた場合に、これらの指を検索対象として判断するようにしてもよい。
これにより、指紋センサ6aは、当該指紋センサ6a上に置かれている全ての指の指紋を検出して、それぞれの指紋データを生成する(ステップS23)。
【0046】
続けて、CPU12は、指紋検出部6に指紋センサ6aに置かれている全ての指の指紋の検出が完了したか否かを判定させる(ステップS24)。例えば、指紋センサ6aのセンサ領域を複数に分割して、その領域毎に指紋を検出する構成とした場合に、指紋検出部6は、指紋を検出した領域の数と生成された指紋データの数とが一致したか否かに応じて全ての指の指紋の検出が完了したか否かを判定する。
ここで、全ての指の指紋の検出が完了していないと判定された場合(ステップS24;NO)、即ち、例えば、Aさんの指の指紋は検出したがBさんの指の指紋をまだ検出していない場合には、CPU12は、処理をステップS22に移行させて、それ以降の処理を実行させる。
そして、全ての指の指紋の検出が完了したと判定されると(ステップS24;YES)、CPU12は、指紋検出部6の指紋特定部6bに、指紋センサ6aにより生成された複数の指紋データを対象指定用指紋データとして特定させる(ステップS25)。
【0047】
次に、CPU12は、画像検索部9の自動実行制御部9bに、画像検索処理を自動的に実行させる。即ち、自動実行制御部9bは、先ず、顔画像特定部7に、指紋登録テーブルT1に登録されている複数の指紋データの中で、対象指定用指紋データとして特定された指紋データと一致する指紋データを特定して、当該指紋データと対応付けられている顔画像データを特定させる(ステップS26)。
【0048】
その後、自動実行制御部9bは、検索条件に応じて処理を分岐させる(ステップS27)。
即ち、複数の人物をAND条件で検索する場合(ステップS27;全員)、自動実行制御部9bは、画像検索部9の判定部9aに、記録媒体3に記録されている複数の画像の各々について、顔画像特定部7によって特定された全ての顔画像データに係る全ての顔が顔検出部2aにより検出された否かを判定させることにより、検索対象となる人物が全員同時に写っている画像を検索する(ステップS28)。
一方、複数の人物をOR条件で検索する場合(ステップS27;少なくとも何れか一人)、自動実行制御部9bは、画像検索部9の判定部9aに、記録媒体3に記録されている複数の画像の各々について、顔画像特定部7によって特定された何れか一の顔画像データに係る顔が顔検出部2aにより検出された否かを判定させることにより、検索対象となる人物の少なくとも何れか一人が写っている画像を検索する(ステップS29)。
【0049】
そして、自動実行制御部9bは、表示部5に、画像検索部9により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として表示させる(ステップS30)。
これにより、画像検索処理を終了させる。
【0050】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて指紋登録DB8に登録しておき、指紋検出部6により生成された指紋データと対応付けられて指紋登録DB8に記憶されている顔画像データを顔画像特定部7により特定して、記録媒体3に記録されている複数の画像の各々について、顔検出部2aにより顔画像データに係る顔が検出された否かを判定部9aにより判定し、顔が検出されたと判定された画像を検索結果として表示部5に表示するので、指紋検出部6に検索対象となる人物の指紋を検出させるだけで当該人物の顔が含まれる画像を検索して表示することができる。
これにより、個人を特定する属性情報を予め撮影画像に付加しておかなくとも所望の画像を検索することができ、さらに、操作入力部のキー入力やメニュー選択による複数回の入力操作を行わなくとも検索対象の個人を容易に指定することができる。
従って、画像検索を行う人物所望の画像の検索をより容易に行うことができる。
特に、指紋検出部6は、表示部5に組み込まれて構成されているので、画像検索を行う人物が表示部5から視線を外すことなく、表示部5の表示画面に検索対象となる人物の指を置くだけで、当該人物所望の画像の検索を簡便に行うことができる。さらに、画像を閲覧しながら検索対象を切り換えるような場合であっても、画面表示をメニュー選択画面に切り換えたり、検索対象を指定するための顔画像を新たに撮影する必要がないので、閲覧中の画像から視線を外すことなく、素早く容易な画像の閲覧操作を行うことができる。
【0051】
また、指紋検出部6は、撮像装置100本体の所定位置に設けられた指紋センサ6aを備え、指紋センサ6a上に指が置かれたことが検出されると、顔画像特定部7が顔画像データを特定する処理、判定部9aが顔検出部2aにより顔が検出された否かを判定する処理、及び、表示部5が判定部9aにより顔が検出されたと判定された画像を検索結果として表示する処理の実行を順次制御するので、指紋センサ6aに画像検索を行う人物が指を置くだけで画像検索処理を自動的に行うことができ、当該撮像装置100の利便性を向上させることができる。
【0052】
また、指紋センサ6aの所定の検出領域内にて、同時または所定時間内に検出される全ての指紋を、検索対象となる顔を指定するための対象指定用指紋として特定するので、複数の人が一緒に集まって写真を鑑賞する場合などに、検索対象となる人物が複数いる場合であっても、これら複数の人物の指の指紋を同時または所定時間内に指紋検出部6により検出することで、当該複数の人物を検索対象として集合写真等の画像検索を迅速に行うことでき、当該撮像装置100の利便性を向上させることができる。
さらに、対象指定用指紋として特定された複数の指紋のうち、少なくとも一の指紋の指紋データと対応付けられている顔画像データを特定して、当該顔画像データに係る顔が少なくとも一つ或いは全て検出されたと判定された画像を検索結果として出力するので、複数の人物をAND条件或いはOR条件で検索することができ、画像検索の幅をより拡げることができ、当該撮像装置100の利便性を向上させることができる。
このとき、複数の人物をAND条件で検索するか、OR条件で検索するかの指定は、例えば、複数の人物が同時に指紋センサ6aに指を置いて指紋を検出させた場合には、AND条件とし、一方、順に指を置いて指紋を検出させた場合には、OR条件とするようにしても良い。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、出力手段として表示部511を例示したが、これに限られるものではなく、TV装置等と接続可能な外部出力端子(図示略)であっても良く、当該外部出力端子からTV装置に検索結果としての画像データを出力して、当該画像データに係る画像を表示させるようにしても良い。
【0054】
また、上記実施形態にあっては、指紋検出部6として、表示部5に組み込まれたものを例示したが、これに限られるものではなく、撮像装置100本体の如何なる位置に設けても良い。
さらに、指紋検出センサ6aとして面センサを例示したが、これに限られるものではなく、例えば、指先をずらすように移動させることで指紋を検出するラインセンサであっても良い。
【0055】
さらに、上記実施形態にあっては、一人物の何れかの指の指紋と顔画像データを対応付けるようにしたが、例えば、人物の親指〜小指の各々について、正面顔、右向き顔、左向き顔、下向き顔、上向き顔等の画像データをそれぞれ対応付けて指紋登録テーブルT1に登録しておき、画像検索の際に指紋検出部6により検出した指の種類に応じて検索対象の絞り込みを行うようにしても良い。
【0056】
また、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。
加えて、上記実施形態にあっては、指紋検出手段、顔画像特定手段、顔検出手段、判定手段、出力制御手段、制御手段としての機能を、CPU12の制御下にて、指紋検出部6、顔画像特定部7、顔検出部2a、画像検索部9、判定部9a、自動実行制御部9bが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、CPU12によって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、指紋検出制御処理ルーチン、顔画像特定処理ルーチン、顔検出処理ルーチン、判定処理ルーチン、出力制御処理ルーチン、自動実行制御処理ルーチンを含むプログラムを記憶する。そして、指紋検出制御処理ルーチンにより、画像検索に係る人物の指の指紋を指紋センサ6aに検出させて指紋データを生成させる指紋検出手段としてCPU12を機能させる。また、顔画像特定処理ルーチンにより、指紋検出部6により生成された指紋データと対応付けられて指紋登録DB8に記憶されている顔画像データを特定する顔画像特定手段としてCPU12を機能させる。また、顔検出処理ルーチンにより、顔画像特定手段により特定された顔画像データに係る顔を画像から検出する顔検出手段として機能させる。また、判定処理ルーチンにより、記録媒体3に記録されている複数の画像の各々について、顔検出部2aにより顔が検出された否かを判定する判定手段として機能させる。また、出力制御処理ルーチンにより、判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として表示部5から出力させる出力制御手段としてCPU12を機能させる。また、自動実行制御処理ルーチンにより、指紋センサ6a上に指が置かれたことが検出されると、顔画像特定手段が顔画像データを特定する処理、判定手段が顔検出手段により顔が検出された否かを判定する処理、及び、出力手段が判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力する処理の実行を順次制御する制御手段としてCPU12を機能させる。
【符号の説明】
【0057】
100 撮像装置
2 画像処理部
2a 顔検出部
5 表示部
6 指紋検出部
6a 指紋センサ
6b 指紋特定部
7 顔画像特定部
8 指紋登録DB
9 画像検索部
9a 判定部
9b 自動実行制御部
12 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を記録する記録手段と、
複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶するデータ記憶手段と、
指の指紋を検出して指紋データを生成する指紋検出手段と、
前記指紋検出手段により生成された指紋データと対応付けられて前記データ記憶手段に記憶されている顔画像データを特定する顔画像特定手段と、
前記顔画像特定手段により特定された前記顔画像データに係る顔を画像から検出する顔検出手段と、
前記記録手段に記録されている複数の画像の各々について、前記顔検出手段により顔が検出された否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記指紋検出手段は、
装置本体の所定位置に設けられた指紋センサを備え、
前記指紋センサ上に指が置かれたことを検出する指検出手段
を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記指検出手段により前記指紋センサ上に指が置かれたことが検出されると、前記顔画像特定手段が前記顔画像データを特定する処理、前記判定手段が前記顔検出手段により顔が検出された否かを判定する処理、及び、前記出力手段が前記判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力する処理の実行を順次制御する制御手段
を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記指紋センサの所定の検出領域内にて、同時または所定時間内に検出される全ての指紋を、検索対象となる顔を指定するための対象指定用指紋として特定する指紋特定手段
を更に備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記顔画像特定手段は、
前記指紋特定手段により前記対象指定用指紋として特定された複数の指紋のうち、少なくとも一の指紋の指紋データと対応付けられている顔画像データを特定し、
前記出力手段は、
前記顔画像特定手段により特定された顔画像データに係る顔が少なくとも一つ或いは全て検出されたと前記判定手段により判定された画像を検索結果として出力することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
複数の画像を記録する記録手段と、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶するデータ記憶手段と、を備える撮像装置に、
指の指紋を検出して指紋データを生成する処理と、
生成された指紋データと対応付けられて前記データ記憶手段に記憶されている顔画像データを特定する処理と、
特定された前記顔画像データに係る顔を前記記録手段に記録されている複数の画像の中から検出する処理と、
顔が検出された画像を検索結果として出力する処理と、
を実行させることを特徴とする画像検索方法。
【請求項7】
複数の画像を記録する記録手段と、複数の人物の各々について顔画像データと指紋データとを対応付けて記憶するデータ記憶手段と、を備える撮像装置のコンピュータを、
指の指紋を検出して指紋データを生成する指紋検出手段、
前記指紋検出手段により生成された指紋データと対応付けられて前記データ記憶手段に記憶されている顔画像データを特定する顔画像特定手段、
前記顔画像特定手段により特定された前記顔画像データに係る顔を画像から検出する顔検出手段、
前記記録手段に記録されている複数の画像の各々について、前記顔検出手段により顔が検出された否かを判定する判定手段、
前記判定手段により顔が検出されたと判定された画像を検索結果として出力手段から出力させる出力制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−165012(P2010−165012A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4578(P2009−4578)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】