説明

撮像装置およびバーチャルスライド装置

【課題】簡素な装置構成で、染色色素のピーク波長に合わせたスペクトル情報の計測を精度良く行なうことができる。
【解決手段】H染色用LED1061は、第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する。E染色用LED1062は、第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する。スペクトル取得素子1141は、H染色用LED1061が発光する光を少なくとも透過する第1のカラーフィルタを有する第1の画素と、E染色用LED1062が発光する光を少なくとも透過する第2のカラーフィルタを有する第2の画素とを有する。制御部116は、H染色用LED1061とE染色用LED1062とが同時に発光するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびバーチャルスライド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バーチャルスライド装置とは、病理標本などの標本が配置されている標本スライドを、撮像用カメラを用いて高倍率、高解像度で分割撮影し、その撮影した分割画像を張り合わせて標本スライド全体をデジタル画像化し、そしてこれをPCのモニタ上に表示を行なう装置で、あたかも実際の顕微鏡で標本を観察しているかのように操作ができる顕微鏡装置である。
【0003】
バーチャルスライド装置は、細胞、組織診断といった病理学の分野などにおいて普及し始めている。バーチャルスライド装置には正確な病理診断を行なうために標本画像の忠実な色再現性と、迅速な診断を行なうために高速で画像を取得することが要求されている。
【0004】
撮影画像の色再現性を向上させる方法として、被写体のRGBカラー画像データと点計測した被写体のスペクトル情報(点計測スペクトル)とを用いて、RGB3バンド画像の分光反射率の推定精度を向上させて、標本スライドのカラー画像の色再現性を向上させる方法が知られている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
【0005】
図7は、従来知られている、点スペクトルを計測するスペクトル検出器を備えたバーチャルスライド装置の構成を示した概略図である。図示するバーチャルスライド装置1000は、標本スライド1001が載置されるステージ1002と、標本スライド1001を照明する光源1004と、光源1004の光を集光するコンデンサレンズ1005と、標本スライド1001に対向するように複数のレンズで構成された対物レンズ1006と、対物レンズ1006の光軸に沿って配置された結像レンズ1007と、標本スライド1001の像を撮影するカメラ1008と、標本スライド1001の点計測スペクトルを計測するスペクトル検出ユニット1009とを備えている。
【0006】
また、バーチャルスライド装置1000は、標本スライド1001からの光を分配してスペクトル検出ユニット1009に導くビームスプリッタ1011を対物レンズ1006の光軸上に備えている。また、顕微鏡装置1000は、ビームスプリッタ1011からの光を集光し、スペクトル検出ユニット1009に導くコンデンサレンズ1012を備えている。スペクトル検出ユニット1009は、スペクトル検出センサ1010を備えている。また、バーチャルスライド装置1000は、スペクトル検出ユニット1009が検出するスペクトルデータに基づいて、カメラ1008が撮影した標本スライド1001の画像の処理を行う画像処理部1111を備えている。
【0007】
図8は、従来知られているスペクトル検出センサ1010の構成を示した概略図である。図示する例では、スペクトル検出センサ1010は、9個の受光素子701−1〜701−9を備えている。受光素子701−1〜701−9の受光面側には、各々分光透過率の異なるカラーフィルタ702−1〜702−9が搭載されている。これにより、スペクトル検出センサ1010を備えたスペクトル検出ユニット1009は、標本スライド1001の点計測スペクトルを計測する。
【0008】
バーチャルスライド装置1000の撮像カメラ1008は、標本スライド1001に搭載された標本のRGB画像を取得する。また、スペクトル検出センサ1010を備えたスペクトル検出ユニット1009は、標本の点計測スペクトルを計測する。画像処理部1111は、スペクトル検出ユニット1009が計測したスペクトルデータを基に分光透過率の推定技術を用いて、撮像カメラ1008が撮像した画像の色再現性の向上、および画像中の組織および細胞の特徴抽出を行なう。
【0009】
また、異なる分光分布特性の発光を行なう複数の光源により順次照明された分光画像を取得し、これら分光画像データを基に標本画像の色再現性の良いカラー画像を生成するバーチャルスライド装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
なお、標本は光を殆ど吸収および散乱せず無色透明に近いため、観察に先立って色素による染色を施すのが一般的である。染色手法としては種々のものが提案されており、その総数は100種類以上にも達するが、特に病理標本に関しては、色素として青紫色のヘマトキシリン(H)と赤色のエオシン(E)の2つを用いるヘマトキシリン−エオシン染色(以下、「HE染色」と称す)が標準的に用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第7864379号明細書
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】「多点計測スペクトルを利用したカラー画像の色推定手法の実験的評価」、第54回応用物理学会関係連合講演会講演予稿集、2007年3月、p.1071
【非特許文献2】「Piecewise Wiener推定による多点測定スペクトルを利用した色再現」、第55回応用物理学関係連合講演会講演予稿集、2008年3月、p1055
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
通常、カラーフィルタ702−1〜702−9は、顔料系若しくは染料系の有機物であり、これらが受光素子701−1〜701−9(フォトダイオード)上に塗布されてスペクトル検出センサ1010が形成されている。
【0014】
図9は、従来知られている顔料系若しくは染料系のカラーフィルタ702−1〜702−9が塗布された受光素子701−1〜701−9の分光感度特性を示している。曲線801は、カラーフィルタ702−1が塗布された受光素子701−1の分光感度特性を示している。曲線802は、カラーフィルタ702−2が塗布された受光素子701−2の分光感度特性を示している。曲線803は、カラーフィルタ702−3が塗布された受光素子701−3の分光感度特性を示している。曲線804は、カラーフィルタ702−4が塗布された受光素子701−4の分光感度特性を示している。曲線805は、カラーフィルタ702−5が塗布された受光素子701−5の分光感度特性を示している。曲線806は、カラーフィルタ702−6が塗布された受光素子701−6の分光感度特性を示している。曲線807は、カラーフィルタ702−7が塗布された受光素子701−7の分光感度特性を示している。曲線808は、カラーフィルタ702−8が塗布された受光素子701−8の分光感度特性を示している。曲線809は、カラーフィルタ702−9が塗布された受光素子701−9の分光感度特性を示している。
【0015】
顔料系若しくは染料系のカラーフィルタ702−1〜702−9の減衰特性はなだらかである為、図9に示すように、隣接するスペクトル間の色分離性が悪いので、HE染色のスペクトル情報を精度よく分離して検出することは困難であった。なお、グレーティングや液晶チューナブルフィルタなどを用いて高分解能にスペクトル分離する分光装置があるが、グレーティングを用いる場合には、光学系が複雑となり大掛かりな装置となってしまう。また、液晶チューナブルフィルタを用いる場合には、所望する複数のスペクトル毎にフィルタ調整を行い、スペクトル信号を順次複数回検出を行うのでスペクトル信号検出に時間が掛かってしまう。そのため、高速で画像を取得することが要求されるバーチャルスライド装置への適用は不向きである。
【0016】
また、特許文献1に開示されているバーチャルスライド装置では、各分光分布特性を有する照明毎に分光画像を取得する必要があるので、高速に高色再現された画像を取得することは困難であった。
【0017】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、簡素な装置構成で、染色色素のピーク波長に合わせたスペクトル情報の計測を精度良く行なうことができる撮像装置およびバーチャルスライド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、第1の染色液および第2の染色液で染色された試料を撮影領域に提示するステージと、前記提示された試料を照らす照明部と、前記照明部を制御する制御部と、第1の受光面に結像された像を撮影する撮像素子と、第2の受光面に導入された光のスペクトル情報を取得するスペクトル取得素子と、前記提示された試料の像を前記第1の受光面に結像させ、前記提示された試料からの光を第2の受光面に導入する光学系と、を有し、前記照明部は、前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯と、前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯とを含む波長帯に発光波長帯を持つ発光スペクトルをもった撮像用光源と、前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第1のスペクトル取得光源と、前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第2のスペクトル取得光源と、を有し、前記スペクトル取得素子は、前記第1のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第1のカラーフィルタを有する第1の画素と、前記第2のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第2のカラーフィルタを有する第2の画素と、を有し、前記制御部は、前記第1のスペクトル取得光源と前記第2のスペクトル取得光源とが同時に発光するように制御することを特徴とする撮像装置である。
【0019】
また、本発明の撮像装置において、前記照明部はさらに、前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれ、前記第1のスペクトル取得光源が発光する光の波長帯と一致しない波長帯の光を発光する第3のスペクトル取得光源と、前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれ、前記第2のスペクトル取得光源が発光する光の波長帯と一致しない波長帯の光を発光する第4のスペクトル取得光源と、を有し、前記制御部は、前記第1のスペクトル取得光源または前記第3のスペクトル取得光源と、前記第2のスペクトル取得光源または前記第4のスペクトル取得光源とが同時に発光するように制御することを特徴とする。
【0020】
また、本発明の撮像装置において、前記第1の染色液はヘマトキシンであり、前記第2の染色液はエオシンであることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の撮像装置において、前記第1のカラーフィルタはローパスフィルタであり、前記第2のカラーフィルタはハイパスフィルタであることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の撮像装置において、前記スペクトル取得素子はさらに、前記第1のスペクトル取得光源が発光する前記光の波長帯と、前記第2のスペクトル取得光源が発光する前記光の波長帯とは異なる波長帯の光を少なくとも透過する第3のカラーフィルタを有する第3の画素を有することを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、第1の染色液および第2の染色液で染色された試料を撮影領域に順次提示するステージと、前記提示された試料を照らす照明部と、前記照明部を制御する制御部と、第1の受光面に結像された像を撮影する撮像素子と、第2の受光面に導入された光のスペクトル情報を取得するスペクトル取得素子と、前記提示された試料の像を前記第1の受光面に結像させ、前記提示された試料からの光を第2の受光面に導入する光学系と、を有し、前記照明部は、前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯と、前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯とを含む波長帯に発光波長帯を持つ発光スペクトルをもった撮像用光源と、前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第1のスペクトル取得光源と、前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第2のスペクトル取得光源と、を有し、前記スペクトル取得素子は、前記第1のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第1のカラーフィルタを有する第1の画素と、前記第2のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第2のカラーフィルタを有する第2の画素と、を有し、前記制御部は、前記第1のスペクトル取得光源と前記第2のスペクトル取得光源とが同時に発光するように制御することを特徴とするバーチャルスライド装置である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、第1のスペクトル取得光源は、第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光し、第2のスペクトル取得光源は、第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する。また、スペクトル取得素子は、第1のスペクトル取得光源が発光する光を少なくとも透過する第1のカラーフィルタを有する第1の画素と、第2のスペクトル取得光源が発光する光を少なくとも透過する第2のカラーフィルタを有する第2の画素とを有する。また、制御部は、第1のスペクトル取得光源と第2のスペクトル取得光源とが同時に発光するように制御する。
【0025】
これにより、第1のスペクトル取得光源および第2のスペクトル取得光源は、染色色素のピーク波長に合わせた光のみを試料に照射することができ、スペクトル取得素子は、染色色素のピーク波長に合わせた光のみに基づいたスペクトル情報を取得することができる。従って、試料のスペクトル情報の計測を精度良く行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるバーチャルスライド装置の構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における主照明と補助照明との波長特性と、H染色色素とE染色色素との透過率とを示したグラフである。
【図3】本発明の第1の実施形態におけるスペクトル取得素子の構成を示した概略図である。
【図4】本発明の第1の実施形態におけるH染色検出用ローパスフィルタと、E染色検出用ハイパスフィルタが透過する光の波長と、H染色色素とE染色色素との吸光度を示したグラフである。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるバーチャルスライド装置が備える照明部の構成を示した概略図である。
【図6】ローパスフィルタと、バンドパスフィルタと、ハイパスフィルタとの吸光度と、第1の染色色素と、第2の染色色素と、第3の染色色素との吸光度を示したグラフである。
【図7】従来知られている、点スペクトルを計測するスペクトル検出器を備えたバーチャルスライド装置の構成を示した概略図である。
【図8】従来知られているスペクトル検出センサの構成を示した概略図である。
【図9】従来知られている顔料系若しくは染料系のカラーフィルタが塗布された受光素子の分光感度特性を示している。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態におけるバーチャルスライド装置1の構成を示した概略図である。図示する例では、バーチャルスライド装置1は、ステージ102と、ステージ駆動部103と、照明部104と、コンデンサレンズ108と、対物レンズ109と、ハーフミラー110と、第1の結像レンズ111と、撮像部112と、第2の結像レンズ113と、スペクトル検出部114と、色情報処理部115と、制御部116とを備える。撮像部112は、撮像素子1121を備える。スペクトル検出部114は、スペクトル取得素子1141を備える。
【0028】
ステージ102は、スライドガラス上に病理標本や生物組織などを載置した標本スライド101(標本、試料)を載置するための台である。ステージ102は、コンデンサレンズ108と対物レンズ109との間に配置されている。ステージ駆動部103は、ステージ102を水平及び垂直方向に駆動し、標本スライド101を、撮像部112の撮影領域に順次提示する。
【0029】
照明部104は、主照明105(撮像用光源)と補助照明106とを有する。主照明105は、例えば白色LEDなどであり、撮像部112が標本スライド101の像を撮像するために用いる可視光を発生する光源である。補助照明106は、H染色用LED1061(第1のスペクトル取得光源)とE染色用LED1062(第2のスペクトル取得光源)とを有する。H染色用LED1061は、H染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測するために用いる、発光スペクトルの半値幅が狭い狭帯域の光(波長λの光)を発生する光源である。E染色用LED1062は、E染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測するために用いる、発光スペクトルの半値幅が狭い狭帯域の光(波長λの光)を発生する光源である。
【0030】
コンデンサレンズ108は、照明部104の主照明105および補助照明106が発生した光を集光して標本スライド101に対して照射する。対物レンズ109は、複数のレンズで構成されており、標本スライド101に対向するように配置されている。また、対物レンズ109は、標本スライド101からの光束を集光させ、集光させた光をハーフミラー110に対して照射する。このように、対物レンズ109は、標本スライド101の透過像を拡大する。
【0031】
ハーフミラー110は、対物レンズ109からの光の一部を透過し、一部を第2の結像レンズ113に対して照射する。ハーフミラー110が透過した光は第1の結像レンズ11に対して照射される。
【0032】
第1の結像レンズ111は、対物レンズ109の光軸に沿って配置されている。また、第1の結像レンズ111は、対物レンズ109が集光しハーフミラー110が透過した光を、撮像部112が備える撮像素子1121の撮像面上に結像させる。これにより、標本スライド101からの光は、撮像部112が備える撮像素子1121に導かれる。撮像部112が備える撮像素子1121は、標本スライド101からの光を受光し、受光した光を、受光した光の強度に応じた電気信号に光電変換する。撮像部112は、撮像素子1121が光電変換した電気信号に基づいて標本スライド101の画像データを生成する。
【0033】
第2の結像レンズ113は、対物レンズ109が集光した光のうち、ハーフミラー110が反射した光を、スペクトル検出部114が備えるスペクトル取得素子1141の受光面上に結像させる。これにより、標本スライド101からの光は、スペクトル検出部114が備えるスペクトル取得素子1141に導かれる。スペクトル検出部114が備えるスペクトル取得素子1141はカラーフィルタを塗布された受光素子を備えており、標本スライド101からの光を受光し、受光した光の強度に応じた電気信号に光電変換する。スペクトル検出部114は、スペクトル取得素子1141が光電変換した電気信号に基づいて標本スライド101のスペクトル情報を検出する。
【0034】
色情報処理部115は、スペクトル検出部114が検出した標本スライド101のスペクトル情報を用いて、撮像部112が生成した標本スライド101の画像データの色補正を行う。色情報処理部115は、色補正として、例えば、色再現性処理や染色均質化処理を行う。制御部116は、照明部104が備える主照明105と補助照明106の点灯を制御する。
【0035】
なお、コンデンサレンズ108と、対物レンズ109と、ハーフミラー110と、第1の結像レンズ111と、第2の結像レンズ113とが、請求項に係る光学系に相当する。また、バーチャルスライド装置1は、CPU(Central Processing Unit、中央演算処理装置)と、ROM(Read Only Memory、読み出し専用記憶装置)と、RAM(Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)と、外部記憶装置等とを含む、図示せぬコンピュータシステムを有している。そして、上述したステージ駆動部103と撮像部112とにより行なわれる処理の過程は、コンピュータシステムにより制御される。
【0036】
次に、主照明105と補助照明106との波長特性と、H染色色素とE染色色素との吸光度とについて説明する。図2は、本実施形態における主照明105と補助照明106との波長特性と、H染色色素とE染色色素との吸光度とを示したグラフである。なお、図示するグラフは、主照明105が白色LEDであり、補助照明106が波長λの光を発生するH染色用LED1061と、波長λの光を発生するE染色用LED1062とを備える場合の波長特性を示している。
【0037】
図示するグラフの横軸は波長を示している。また、図示するグラフの縦軸は、主照明105と補助照明106との放射強度と、H染色色素とE染色色素との吸光度を示している。また、曲線201は、主照明105が発生する光の各波長成分の強度を示している。また、曲線202は、H染色用LED1061が発生する光の各波長成分の強度を示している。また、曲線203は、E染色用LED1062が発生する光の各波長成分の強度を示している。また、破線204は、H染色色素で吸収される光の各波長成分の吸光度を示している。また、破線205は、E染色色素で吸収される光の各波長成分の吸光度を示している。
【0038】
図示するように、主照明105が発生する光の波長帯域は広い。また、H染色用LED1061が発生する光の波長帯域と、E染色用LED1062が発生する光の波長帯域とは狭い。また、H染色用LED1061が発生する光の波長のピークと、H染色色素で吸収される光の波長成分のピークとが一致(ほぼ一致)している。また、E染色用LED1062が発生する光の波長のピークと、E染色色素で吸収される光の波長成分のピークとが一致(ほぼ一致)している。
【0039】
次に、スペクトル取得素子1141の構成について説明する。図3は、スペクトル取得素子1141の構成を示した概略図である。図示する例では、スペクトル取得素子1141は、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301(第1の画素)と、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302(第2の画素)と、各々分光透過率の異なるカラーフィルタを有する受光素子303〜312とを備える。H染色検出用ローパスフィルタと、E染色検出用ハイパスフィルタとが透過する光の波長は図4に示す通りである。
【0040】
図4は、本実施形態におけるH染色検出用ローパスフィルタと、E染色検出用ハイパスフィルタが透過する光の波長と、H染色色素とE染色色素との吸光度を示したグラフである。図示するグラフの横軸は波長を示している。また、図示するグラフの縦軸は、透過率及び吸光度を示している。実線401は、H染色検出用ローパスフィルタの透過率を示している。実線402は、E染色検出用ハイパスフィルタの透過率を示している。破線403は、H染色色素の吸光度を示している。また、破線404は、E染色色素の吸光度を示している。図示するように、H染色検出用ローパスフィルタは、H染色色素の波長の光を透過し、E染色色素の波長の光を吸収する。また、E染色検出用ハイパスフィルタは、E染色色素の波長の光を透過し、H染色色素の波長の光を吸収する。
【0041】
次に、バーチャルスライド装置1の動作手順について説明する。
(ステップS101)制御部116は主照明105をONにし、補助照明106のH染色用LED1061とE染色用LED1062とをOFFにする。このとき、撮像部112は、標本スライド101の画像を撮像し、スペクトル検出部114は、標本スライド101の点計測スペクトル情報を計測する。その後、ステップS102の処理に進む。
【0042】
(ステップS102)制御部116は主照明105をOFFにし、補助照明106のH染色用LED1061とE染色用LED1062とをONにする。このとき、スペクトル検出部114は、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301で、H染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測し、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302で、E染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測する。その後、ステップS103の処理に進む。
【0043】
(ステップS103)色情報処理部115は、ステップS101の処理で計測した標本スライド101の点計測スペクトル情報と、ステップS102の処理で計測したH染色に特化したスペクトルのスペクトル情報とE染色に特化したスペクトルのスペクトル情報とに基づいて、ステップS101の処理で撮像した標本スライド101の画像の色再現性処理および染色均質化処理を行う。その後、処理を終了する。
【0044】
上述したとおり、本実施形態におけるバーチャルスライド装置1は、補助照明106としてH染色用LED1061とE染色用LED1062とを備える。LEDは発光スペクトルの半値幅が狭いので、H染色用LED1061とE染色用LED1062とは、HE染色のスペクトルに対応した狭帯域の光のみを照射することができる。また、スペクトル検出部114は、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301と、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302とを備えている。そのため、H染色用LED1061とE染色用LED1062とが同時に発光した場合においても、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301は、H染色に特化したスペクトルのスペクトル情報のみを計測することができ、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302は、E染色に特化したスペクトルのスペクトル情報のみを計測することができる。
【0045】
従って、バーチャルスライド装置1は、簡素な装置構成で、点計測スペクトル情報に加え、染色色素のピーク波長に合わせたスペクトル情報の計測を精度良く行なうことができる。
【0046】
また、バーチャルスライド装置1は、計測した点計測スペクトル情報と、染色色素のピーク波長に合わせたスペクトル情報とに基づいて、撮像部112が生成した標本スライド101の画像データの色再現性処理および染色均質化処理を行う。そのため、より高精度に標本スライド101を撮像した画像データの画像処理を行うことができる。例えば、標本スライド101が病理標本である場合、より高精度に、病理標本の組織および細胞の特徴抽出を行うことができる。
【0047】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態におけるバーチャルスライド装置2と第1の実施形態におけるバーチャルスライド装置1とで異なる構成は、照明部の構成のみである。他の構成は、第1の実施形態におけるバーチャルスライド装置1と同様の構成である。
【0048】
図5は、本実施形態におけるバーチャルスライド装置2が備える照明部501の構成を示した概略図である。図示する例では、照明部501は、主照明105と、補助照明502とを有する。主照明105は、第1の実施形態の照明部105と同様である。補助照明502は、H染色用LED群503とE染色用LED群504とを有する。
【0049】
H染色用LED群503は、第1H染色用LED5031と、第2H染色用LED5032と、第3H染色用LED5033とを有する。第1H染色用LED5031は、波長λの光を発生する光源である。第2H染色用LED5032は、波長λよりもΔλだけ短い波長λ−Δλの光を発生する光源である。第3H染色用LED5033は、波長λよりもΔλだけ長い波長λ+Δλの光を発生する光源である。
【0050】
E染色用LED群504は、第1E染色用LED5041と、第2E染色用LED5042と、第3E染色用LED5043とを有する。第1E染色用LED5041は、波長λの光を発生する光源である。第2E染色用LED5042は、波長λよりもΔλだけ短い波長λ−Δλの光を発生する光源である。第3E染色用LED5043は、波長λよりもΔλだけ長い波長λ+Δλの光を発生する光源である。
【0051】
この構成により、照明部501は、波長λおよび波長λの光と、波長λおよび波長λの光を中心に前後Δλずらした波長の光とを照射することができる。なお、LEDの発光波長はLEDを構成する半導体のバンドギャップの大きさによって決定される。即ち、LEDを構成する半導体の材料によってバンドギャップの大きさは決定されるが、半導体への不純物ドーピングによって、LEDの発光波長を若干シフトすることができる(Δλずらすことができる)。
【0052】
次に、バーチャルスライド装置2の動作手順について説明する。
(ステップS201)制御部116は、第1H染色用LED5031と、第1E染色用LED5041とをONにし、主照明105と、第2H染色用LED5032と、第3H染色用LED5033と、第2E染色用LED5042と、第3E染色用LED5043とをOFFにする。このとき、スペクトル検出部114は、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301で、H染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測し、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302で、E染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測する。その後、ステップS202の処理に進む。
【0053】
(ステップS202)制御部116は、第2H染色用LED5032と、第2E染色用LED5042とをONにし、主照明105と、第1H染色用LED5031と、第3H染色用LED5033と、第1E染色用LED5041と、第3E染色用LED5043とをOFFにする。このとき、スペクトル検出部114は、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301で、H染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測し、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302で、E染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測する。その後、ステップS203の処理に進む。
【0054】
(ステップS203)制御部116は、第3H染色用LED5033と、第3E染色用LED5043とをONにし、主照明105と、第1H染色用LED5031と、第2H染色用LED5032と、第1E染色用LED5041と、第2E染色用LED5042とをOFFにする。このとき、スペクトル検出部114は、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301で、H染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測し、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302で、E染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測する。その後、ステップS203の処理に進む。
【0055】
(ステップS204)制御部116は、ステップS201〜ステップS203の処理で計測したH染色に特化したスペクトルのスペクトル情報のうち、最良のH染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を判定する。そして、制御部116は、第1H染色用LED5031と、第2H染色用LED5032と、第3H染色用LED5033のうち、最良のH染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を取得した際に点灯したH染色用LEDを判定する。また、制御部116は、ステップS201〜ステップS203の処理で計測したE染色に特化したスペクトルのスペクトル情報のうち、最良のE染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を判定する。そして、制御部116は、第1E染色用LED5041と、第2E染色用LED5042と、第3E染色用LED5043とのうち、最良のE染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を取得した際に点灯したE染色用LEDを判定する。なお、最良のスペクトル情報としては、例えば、信号強度が一番高い値とする。その後、ステップS205の処理に進む。
【0056】
(ステップS205)制御部116は主照明105をONにし、第1H染色用LED5031と、第2H染色用LED5032と、第3H染色用LED5033と、第1E染色用LED5041と、第2E染色用LED5042と、第3E染色用LED5043とをOFFにする。このとき、撮像部112は、標本スライド101の画像データを生成し、スペクトル検出部114は、標本スライド101の点計測スペクトル情報を計測する。その後、ステップS206の処理に進む。
【0057】
(ステップS206)制御部116は、ステップS204の処理で判定した、最良のH染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を取得した際に点灯していたH染色用LED(第1H染色用LED5031と、第2H染色用LED5032と、第3H染色用LED5033とのいずれか)と、最良のE染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を取得した際に点灯していたE染色用LED(第1E染色用LED5041と、第2E染色用LED5042と、第3E染色用LED5043とのいずれか)との2つのみをONにし、その他の補助照明と主照明105とをOFFにする。このとき、スペクトル検出部114は、H染色検出用ローパスフィルタを有する受光素子301で、H染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測し、E染色検出用ハイパスフィルタを有する受光素子302で、E染色に特化したスペクトルのスペクトル情報を計測する。その後、ステップS207の処理に進む。
【0058】
(ステップS207)色情報処理部115は、ステップS205の処理で計測した標本スライド101の点計測スペクトル情報と、ステップS206の処理で計測したH染色に特化したスペクトルのスペクトル情報とE染色に特化したスペクトルのスペクトル情報とに基づいて、ステップS205の処理で生成した標本スライド101の画像データの色再現性処理および染色均質化処理を行う。その後、処理を終了する。
【0059】
上述したとおり、本実施形態におけるバーチャルスライド装置2は、補助照明502として第1H染色用LED5031と、第1H染色用LED5031が発光する光の波長λの光を中心に前後Δλずらした波長の光を発光する第2H染色用LED5032と第3H染色用LED5033とを有する。また、バーチャルスライド装置2は、補助照明502として第1E染色用LED5041と、第1E染色用LED5041が発光する光の波長λの光を中心に前後Δλずらした波長の光を発光する第2E染色用LED5042と第3E染色用LED5043とを有する。
【0060】
この構成により、染色液の固体ばらつきや、染色条件の違いや、病理標本の厚さの違いなどにより、HE染色のピーク波長が異なる場合においても、バーチャルスライド装置2は、HE染色のスペクトルに対応した狭帯域の光のみを照射することができる。従って、点計測スペクトル情報に加え、染色色素のピーク波長に合わせたスペクトル情報の計測をさらに精度良く行なうことができる。
【0061】
また、バーチャルスライド装置2は、計測した点計測スペクトル情報と、染色色素のピーク波長に合わせたスペクトル情報とに基づいて、撮像部112が生成した標本スライド101の画像データの色再現性処理および染色均質化処理を行う。そのため、より高精度に標本スライド101の画像データの画像処理を行うことができる。
【0062】
以上、この発明の第1の実施形態および第2の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0063】
例えば、上述した実施形態では、染色液として、H染色色素とE染色色素とを用いる例について説明したが、これに限らない。例えば、用いる染色液の特性(吸光度)に応じて、補助照明の種類と、スペクトル取得素子の受光素子が有するフィルタの種類を変更することで、どのような染色液を用いた場合においても本発明を実現することができる。
【0064】
また、上述した実施形態では、2種類の染色液を用いる例について説明したが、これに限らず、1種類もしくは3種類以上の染色液を用いるようにしてもよい。なお、2種類の染色液を用いる場合には、スペクトル取得素子の受光素子が有するフィルタとして、ハイパスフィルタとローパスフィルタを用いたが、3種類以上の染色液を用いる場合には、さらにバンドパスフィルタを用いる。
【0065】
図6は、ローパスフィルタと、バンドパスフィルタと、ハイパスフィルタとの透過率と、第1の染色色素と、第2の染色色素と、第3の染色色素との吸光度を示したグラフである。図示するグラフの横軸は波長を示している。また、図示するグラフの縦軸は、透過率及び吸光度を示している。実線601は、ローパスフィルタの透過率を示している。実線602は、バンドパスフィルタの透過率を示している。実線603は、ハイパスフィルタの透過率を示している。破線604は、第1の染色色素の吸光度を示している。破線605は、第2の染色色素の吸光度を示している。破線606は、第3の染色色素の吸光度を示している。図示するように、ローパスフィルタは、第1の染色色素の波長の光を透過し、その他の染色色素の光を吸収する。また、バンドパスフィルタは、第2の染色色素の波長の光を透過し、その他の染色色素の光を吸収する。また、ハイパスフィルタは、第3の染色色素の波長の光を透過し、その他の染色色素の波長の光を吸収する。
【0066】
このように、3種類以上の染色液を用いる場合には、さらにバンドパスフィルタを用いることで、染色色素のピーク波長に合わせたスペクトル情報の計測を精度良く行なうことができる。
【符号の説明】
【0067】
1・・・バーチャルスライド装置、101・・・標本スライド、102・・・ステージ、103・・・ステージ駆動部、104,501・・・照明部、105・・・主照明、106,502・・・補助照明、108・・・コンデンサレンズ、109・・・対物レンズ、110・・・ハーフミラー、111・・・第1の結像レンズ、112・・・撮像部、113・・・第2の結像レンズ、114・・・スペクトル検出部、115・・・色情報処理部、116・・・制御部、301〜312・・・受光素子、503・・・H染色用LED群、504・・・E染色用LED群、1061・・・H染色用LED、1062・・・E染色用LED、1121・・・撮像素子、1141・・・スペクトル取得素子、5031・・・第1H染色用LED、5032・・・第2H染色用LED、5033・・・第3H染色用LED、5041・・・第1E染色用LED、5042・・・第2E染色用LED、5043・・・第3E染色用LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の染色液および第2の染色液で染色された試料を撮影領域に提示するステージと、
前記提示された試料を照らす照明部と、
前記照明部を制御する制御部と、
第1の受光面に結像された像を撮影する撮像素子と、
第2の受光面に導入された光のスペクトル情報を取得するスペクトル取得素子と、
前記提示された試料の像を前記第1の受光面に結像させ、前記提示された試料からの光を第2の受光面に導入する光学系と、
を有し、
前記照明部は、
前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯と、前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯とを含む波長帯に発光波長帯を持つ発光スペクトルをもった撮像用光源と、
前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第1のスペクトル取得光源と、
前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第2のスペクトル取得光源と、
を有し、
前記スペクトル取得素子は、
前記第1のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第1のカラーフィルタを有する第1の画素と、
前記第2のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第2のカラーフィルタを有する第2の画素と、
を有し、
前記制御部は、前記第1のスペクトル取得光源と前記第2のスペクトル取得光源とが同時に発光するように制御する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記照明部はさらに、
前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれ、前記第1のスペクトル取得光源が発光する光の波長帯と一致しない波長帯の光を発光する第3のスペクトル取得光源と、
前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれ、前記第2のスペクトル取得光源が発光する光の波長帯と一致しない波長帯の光を発光する第4のスペクトル取得光源と、
を有し、
前記制御部は、前記第1のスペクトル取得光源または前記第3のスペクトル取得光源と、前記第2のスペクトル取得光源または前記第4のスペクトル取得光源とが同時に発光するように制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の染色液はヘマトキシンであり、
前記第2の染色液はエオシンである
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1のカラーフィルタはローパスフィルタであり、
前記第2のカラーフィルタはハイパスフィルタである
ことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記スペクトル取得素子はさらに、前記第1のスペクトル取得光源が発光する前記光の波長帯と、前記第2のスペクトル取得光源が発光する前記光の波長帯とは異なる波長帯の光を少なくとも透過する第3のカラーフィルタを有する第3の画素
を有することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
第1の染色液および第2の染色液で染色された試料を撮影領域に順次提示するステージと、
前記提示された試料を照らす照明部と、
前記照明部を制御する制御部と、
第1の受光面に結像された像を撮影する撮像素子と、
第2の受光面に導入された光のスペクトル情報を取得するスペクトル取得素子と、
前記提示された試料の像を前記第1の受光面に結像させ、前記提示された試料からの光を第2の受光面に導入する光学系と、
を有し、
前記照明部は、
前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯と、前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯とを含む波長帯に発光波長帯を持つ発光スペクトルをもった撮像用光源と、
前記第1の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第1のスペクトル取得光源と、
前記第2の染色液の吸収スペクトルの吸収波長帯に含まれる波長帯の光を発光する第2のスペクトル取得光源と、
を有し、
前記スペクトル取得素子は、
前記第1のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第1のカラーフィルタを有する第1の画素と、
前記第2のスペクトル取得光源が発光する前記光を少なくとも透過する第2のカラーフィルタを有する第2の画素と、
を有し、
前記制御部は、前記第1のスペクトル取得光源と前記第2のスペクトル取得光源とが同時に発光するように制御する
ことを特徴とするバーチャルスライド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−3386(P2013−3386A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135200(P2011−135200)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】