撮像装置および撮像プログラム
【課題】両手がふさがっていても容易に撮影を行うことができる撮像装置および撮像プログラムを提供する。
【解決手段】１または複数のレンズからなるレンズ群３０１ａを有する光学系３０１と、光学系３０１によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部２０１とを備え、光学系３０１の光軸を変位させることが可能な撮像装置１であって、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面と直交する位置を基準位置として、この基準位置からの変位量を検出する傾き検出部３０４と、傾き検出部３０４が検出した変位量に応じて、光学系３０１の状態を判定する状態判定部２１５ｃと、状態判定部２１５ｃが光学系２０１の光軸が基準位置から移動していると判定した場合、撮像装置１における撮影を決定する条件を切替える撮影制御部２１５ｄと、を備える。
【解決手段】１または複数のレンズからなるレンズ群３０１ａを有する光学系３０１と、光学系３０１によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部２０１とを備え、光学系３０１の光軸を変位させることが可能な撮像装置１であって、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面と直交する位置を基準位置として、この基準位置からの変位量を検出する傾き検出部３０４と、傾き検出部３０４が検出した変位量に応じて、光学系３０１の状態を判定する状態判定部２１５ｃと、状態判定部２１５ｃが光学系２０１の光軸が基準位置から移動していると判定した場合、撮像装置１における撮影を決定する条件を切替える撮影制御部２１５ｄと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、被写体を撮像して電子的な画像データを生成する撮像装置および撮像プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、被写体を撮像して電子的な画像データを生成する撮像装置では、アオリ機能を有する撮影レンズやマウントアダプタを用いることによって、撮影レンズの光軸を撮像素子に対して傾けることで被写体の被写界深度を調整しながら撮影することができる技術が知られている（たとえば、特許文献１を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００１−１９４７００号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上述した従来技術では、撮影レンズの光軸を傾けながら撮影する場合、撮影レンズの傾きを維持させるため、撮影レンズを両手で操作しなければならなかった。このため、両手がふさがってしまい、レリーズボタンを操作して撮影を行うことが困難であった。
【０００５】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、両手がふさがっていても容易に撮影を行うことができる撮像装置および撮像プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像装置は、１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、前記変位量検出部が検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部が前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御部と、を備えたことを特徴とする。
【０００７】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記撮影制御部は、前記光学系の光軸の変位量が所定時間維持された場合、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする。
【０００８】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、水平面を基準としたときの当該撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、前記撮影制御部は、前記変位量と前記姿勢とに基づいて、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする。
【０００９】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示部と、当該撮像装置が撮影を開始するまでの時間を示す情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【００１０】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記光学系は、当該撮像装置の本体部に対して着脱自在であることを特徴とする。
【００１１】
また、本発明にかかる撮像プログラムは、１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、前記変位量検出ステップが検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定ステップと、前記状態判定ステップが前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、状態判定部が光学系の光軸が基準位置から移動していると判定した場合、撮影制御部が撮像装置における撮影を開始する制御を行う。この結果、レンズ部の操作によってユーザの両手がふさがっていても容易に撮影を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】図１は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の被写体に面する側の構成を示す斜視図である。
【図２】図２は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の撮影者に面する側（背面側）の構成を示す斜視図である。
【図３】図３は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図４】図４は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の収差情報記憶部が記憶するレンズ部の収差情報の一例を示す図である。
【図５】図５は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の収差情報記憶部が記憶するレンズ部の収差情報の別の一例を示す図である。
【図６】図６は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置におけるレンズ部の要部の構成を模式的に示す断面図である。
【図７】図７は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置におけるレンズ部の操作方法を模式的に示す図である。
【図８】図８は、図７に示す操作によって動作するレンズ部の概要を模式的に説明する図である。
【図９】図９は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と垂直をなす方向に対してレンズ部の光軸が変化することによって生じる収差の変化を模式的に説明する図である。
【図１０】図１０は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変位することによって生じる収差の例（第１例）を模式的に説明する図である。
【図１１】図１１は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変位することによって生じる収差の例（第２例）を模式的に説明する図である。
【図１２】図１２は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変化することによって生じる収差の例（第３例）を模式的に説明する図である。
【図１３】図１３は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置が生成する画像の一例を示す図である。
【図１４】図１４は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図１５】図１５は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図１６】図１６は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図１７】図１７は、本発明の実施の形態２の撮像装置の動作を模式的に説明する図である。
【図１８】図１８は、図１７に示す状況下に対応する画像の一例を示す図である。
【図１９】図１９は、本発明の実施の形態２にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図２０】図２０は、レンズ部の別な構成例の要部を示す図である。
【図２１】図２１は、レンズ部の動作を模式的に説明する図である。
【図２２】図２２は、レンズ部の別な実施例を装着した撮像装置の被写体に面する側の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態（以下、「実施の形態」という）について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１５】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の被写体に面する側（前面側）の構成を示す斜視図である。図２は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の撮影者に面する側（背面側）の構成を示す斜視図である。図３は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。図１〜図３に示す撮像装置１は、デジタル一眼レフカメラであり、本体部２と、本体部２に着脱自在なレンズ部３と、を備える。撮像装置１は、電子ビューファインダ（ＥＶＦ）やエレクトロニックフラッシュ等のアクセサリ４も装着可能である。
【００１６】
図１〜図３に示すように、本体部２は、撮像部２０１と、撮像駆動部２０２と、信号処理部２０３と、フラッシュ発光部２０４と、姿勢検出部２０５と、タイマー２０６と、第１通信部２０７と、第２通信部２０８と、操作入力部２０９と、表示部２１０と、タッチパネル２１１と、記憶部２１２と、電源部２１３と、電源供給部２１４と、本体制御部２１５と、を有する。
【００１７】
撮像部２０１は、レンズ部３が集光した光を受光して電気信号に変換するＣＣＤ（Charge Coupled Device）やＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）等の撮像素子と、シャッタとを用いて構成される。
【００１８】
撮像駆動部２０２は、レリーズ信号に応じて撮像素子およびシャッタを駆動させる機能を有する。たとえば、撮像駆動部２０２は、所定のタイミングで撮像素子から画像データ（アナログ信号）を信号処理部２０３に出力させる。
【００１９】
フラッシュ発光部２０４は、キセノンランプやＬＥＤ（Light Emitting Diode）等を用いて構成される。フラッシュ発光部２０４は、撮像装置１が撮像する視野領域へ向けて補助光であるストロボ光を照射する。
【００２０】
姿勢検出部２０５は、加速度センサを用いて構成される。姿勢検出部２０５は、撮像装置１の加速度を検出することにより、撮像装置１の姿勢状態を検出する。具体的には、姿勢検出部２０５は、水平面を基準としたときの撮像装置１の姿勢（傾斜角度）を検出する。
【００２１】
タイマー２０６は、計時機能や撮影日時の判定機能を有する。タイマー２０６は、撮像された画像データに日時データを付加させるため、本体制御部２１５に日時データを出力する。
【００２２】
第１通信部２０７は、本体部２に装着されたレンズ部３との通信を行うための通信インターフェースである。第２通信部２０８は、本体部２に装着されるアクセサリ４のアクセサリ通信部４０１との通信を行うための通信インターフェースである。
【００２３】
操作入力部２０９は、図１および図２に示すように、撮像装置１の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り換える電源スイッチ２０９ａと、静止画撮影の指示を与える静止画レリーズ信号を入力するレリーズスイッチ２０９ｂと、撮像装置１に設定された各種撮影モード切換の指示を与える切換信号を入力する撮影モード切換スイッチ２０９ｃと、撮像装置１の各種設定を選択または決定の指示を与える指示信号を入力する操作スイッチ２０９ｄと、撮像装置１に設定された操作メニュー画面の表示の指示を与える指示信号を入力するメニュースイッチ２０９ｅと、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号を入力する動画スイッチ２０９ｆと、を有する。
【００２４】
表示部２１０は、液晶または有機ＥＬ（Electro Luminescence）等からなる表示パネルを用いて実現される。表示部２１０は、画像データのほか、撮像装置１の操作情報や撮影に関する情報を適宜表示する。
【００２５】
タッチパネル２１１は、表示部２１０の表示画面上に設けられる。タッチパネル２１１は、ユーザが表示部２１０で表示される情報に基づいて接触した位置を検出し、この検出した接触位置に応じた操作信号の入力を受け付ける。一般に、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式等がある。本実施の形態では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。
【００２６】
記憶部２１２は、撮像装置１の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリやＤＲＡＭ（Dynamic Random Access Memory）等の半導体メモリを用いて実現される。記憶部２１２は、撮像装置１を動作させるための各種プログラム、本実施の形態にかかる撮像プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データやパラメータ等を記憶する。また、記憶部２１２は、画像データを記憶するとともに、本体部２に装着可能なレンズ部３の情報やレンズ部３の種類に応じた画像データの補正情報等の情報を記憶する。なお、記憶部２１２が、外部から装着されるメモリカード等のコンピュータで読取可能な記憶媒体を含むものであってもよい。
【００２７】
電源部２１３は、撮像装置１に着脱自在なバッテリを用いて構成される。電源供給部２１４は、撮像装置１の各構成部（装着されるレンズ部３およびアクセサリ４も含む）に対して電源部２１３の電力を供給する。なお、電源供給部２１４は、外部電源（図示せず）から供給される電力を撮像装置１の各構成部に供給するようにしてもよい。
【００２８】
本体制御部２１５は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等を用いて構成される。本体制御部２１５は、操作入力部２０９やタッチパネル２１１からの指示信号や切換信号等に応じて撮像装置１を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置１の動作を統括的に制御する。本体制御部２１５は、画像処理部２１５ａと、顔検出部２１５ｂと、状態判定部２１５ｃと、撮影制御部２１５ｄと、表示制御部２１５ｅとを有する。
【００２９】
画像処理部２１５ａは、信号処理部２０３から入力される画像データに対して各種の画像処理を施して記憶部２１２に出力する。具体的には、画像処理部２１５ａは、画像データに対して、少なくともエッジ強調、ホワイトバランス、色補正およびγ補正を含む画像処理を行う。
【００３０】
顔検出部２１５ｂは、画像データに対応する画像に含まれる人物の顔をパターンマッチグによって検出する。なお、顔検出部２１５ｂは、人物の顔だけでなく、犬や猫等の顔を検出してもよい。さらに、顔検出部２１５ｂは、パターンマッチング以外の周知技術を用いて人物の顔を検出してもよい。
【００３１】
状態判定部２１５ｃは、第１通信部２０７から入力されるレンズ部３の状態に関する情報に基づいて、レンズ部３の状態を判定する。
【００３２】
撮影制御部２１５ｄは、静止画レリーズ信号が入力された場合、撮像装置１における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置１における撮影動作とは、撮像駆動部２０２の駆動によって撮像部２０１が出力した画像データに対し、信号処理部２０３および画像処理部２１５ａが所定の処理を施す動作をいう。このようにして処理が施された画像データは、本体制御部２１５によって記憶部２１２に記録される。また、撮影制御部２１５ｄは、状態判定部２１５ｃの判定結果に応じて、撮像装置１における撮影を決定する条件を切替える。撮影を決定する条件とは、少なくとも露出、感度（ＩＳＯ）、絞り値およびシャッタ速度等である。
【００３３】
表示制御部２１５ｅは、メニュースイッチ２０９ｅから指示信号が入力された場合、操作メニュー画面を表示部２１０に表示させる。表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を行うまでの情報を表示部２１０に表示させる。具体的には、表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を開始するまでの時間を表示部２１０に表示させる。また、表示制御部２１５ｅは、状態判定部２１５ｃの判定結果に応じて、表示部２１０が表示する画像の領域において光学系３０１のピントが合うピント領域および／または光学系３０１のピントが合わないぼけ領域を表示部２１０に表示させる。
【００３４】
以上の構成を有する本体部２に対して、音声入出力機能や、インターネットを介した通信を行う通信機能などを具備させてもよい。
【００３５】
レンズ部３は、レンズ鏡筒３０が蛇腹状をなし（図１を参照）、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面と直交する方向を基準として全方位に揺動可能なチルトレンズ（ティルトレンズ）である。
【００３６】
レンズ部３は、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して全方位に揺動可能なチルトレンズ（ティルトレンズ）である。
【００３７】
レンズ部３は、光学系３０１と、レンズ駆動部３０２と、位置検出部３０３と、傾き検出部３０４と、絞り駆動部３０５と、レンズ操作部３０６と、レンズ通信部３０７と、レンズ記憶部３０８と、レンズ制御部３０９と、を有する。
【００３８】
光学系３０１は、一または複数のレンズからなるレンズ群３０１ａと、レンズ群３０１ａのピントを調整するピント機構３０１ｂと、光学系３０１の光軸を撮像部２０１の受光面に対して揺動可能に傾斜させる傾き機構３０１ｃと、レンズ群３０１ａが集光した光の入射量を制限する絞り機構３０１ｄと、を有する。
【００３９】
レンズ駆動部３０２は、ＤＣモータやステッピングモータ等を用いて構成される。レンズ駆動部３０２は、ピント機構３０１ｂを駆動することにより、光学系３０１のレンズ群３０１ａを光軸で移動させることで光学系３０１のピントを調整する。
【００４０】
位置検出部３０３は、レンズ群３０１ａの光軸方向の位置を検出する。傾き検出部３０４は、光学系３０１の光軸と撮像部２０１の受光面とが直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量であるチルト量を検出する。この意味で、本実施の形態１では、傾き検出部３０４が変位量検出部として機能する。
【００４１】
絞り駆動部３０５は、ステッピングモータ等を用いて構成される。絞り駆動部３０５は、絞り機構３０１ｄを駆動することにより、撮像部２０１に入射する光の光量を調整する。
【００４２】
レンズ操作部３０６は、図１に示すように、レンズ部３のレンズ鏡筒３０の周囲に設けられるピントリングであり、光学系３０１内のレンズ群３０１ａを操作する信号が入力される。なお、レンズ操作部３０６は、プッシュ式のスイッチ等であってもよい。
【００４３】
レンズ通信部３０７は、レンズ部３が本体部２に装着されたときに、本体部２の第１通信部２０７と通信を行うための通信インターフェースである。
【００４４】
レンズ記憶部３０８は、光学系３０１のレンズ群３０１ａの位置や動きを決定するための制御用プログラムや各種パラメータを記憶する。レンズ記憶部３０８は、レンズ部３の各種収差に関する収差情報記憶部３０８ａを有する。さらに、レンズ記憶部３０８は、レンズ部３の傾斜角度限界値情報、最至近距離限界情報、レンズ部３の動き等を拘束する拘束条件情報、光学系３０１の傾斜角度に応じたピント位置情報、レンズ部３の繰り出し可能範囲および光学系３０１の傾斜角度とレンズ部３の繰り出し量によって定まるピント位置情報等を記憶する。
【００４５】
図４は、収差情報記憶部３０８ａが記憶するレンズ部３の収差情報の一例を示す図である。図４に示すように、収差情報テーブルＴ１には、光学系３０１から焦点距離だけ離れた位置に結像される像を光学系３０１の中心から見たときの光軸からのズレ角φ（つまり、光軸方向を０とした時の画角φ）と収差（例えば、像面湾曲量や非点隔差）Ｓとの関係が記載されている。たとえば、ズレ角φが５°の場合、収差Ｓが０．１ｍｍとして記載されている。
【００４６】
図５は、収差情報記憶部３０８ａが記憶するレンズ部３の収差情報の別の例を示す図である。図５に示すように、収差情報テーブルＴ２には、上述したズレ角φと色収差（例えば、像面湾曲量や非点隔差）との関係が記載されている。たとえば、ズレ角が５°の場合、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）およびＢ（青）の理想像高に対する倍率がそれぞれ９８％、９６％および９３％として記載されている。また、ズレ角φが１０°の場合、Ｒ、ＧおよびＢの理想像高に対する倍率が、それぞれ９６％、９２％および８５％として記載されている。一般に、波長が小さい光ほど屈折率は大きい。このため、Ｒ、Ｇ、Ｂの３成分の中で最も波長が小さいＢ成分の歪曲収差が最も大きい。さらに、色ごとの歪曲収差（色収差）は、ズレ角φが大きいほど大きくなる。
【００４７】
レンズ制御部３０９は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等を用いて構成される。レンズ制御部３０９は、本体部２からの指示信号に応じてレンズ部３の動作を制御する。
【００４８】
ここで、図６を参照して、レンズ部３の要部の構成について説明する。図６は、レンズ部３の要部の構成を模式的に示す断面図である。図６において、左側が被写体側（以下、前方という）であり、右側が本体部２に装着される側（以下、後方という）である。
【００４９】
図６に示すように、レンズ部３は、レンズ群３０１ａおよび絞り機構３０１ｄを保持する第１枠３１と、第１枠３１を前後方向に移動可能に保持する第２枠３２と、中心点Ｏ１を軸にして第２枠３２を揺動可能に保持する第３枠３３とを有する。また、第２枠３２の内側には、位置検出部３０３が設けられ、第３枠３３の内側には、傾き検出部３０４が設けられる。
【００５０】
位置検出部３０３は、反射型変位センサ等によって構成される。具体的には、位置検出部３０３は、発光素子と受光素子とを有するフォトインタラプタ３０３ａと、位置によって異なる反射率を有する反射部材３０３ｂとを備える。フォトインタラプタ３０３ａは、第２枠３２の内周側に設けられ、反射部材３０３ｂは、第１枠３１の外周側に設けられる。位置検出部３０３は、フォトインタラプタ３０３ａで照射した光を反射部材３０３ｂで反射させ、反射部材３０３ｂで反射した光をフォトインタラプタ３０３ａに受光させることにより、中心点Ｏ１から繰り出された第１枠３１の繰り出し量を算出し、この算出した繰り出し量からレンズ群３０１ａの光軸方向の位置を検出する。なお、位置検出部３０３は、各種ポジションセンサ等を用いてもよい。また、反射部材３０３ｂは、別部材ではなく、反射率の異なる部位を一体成形して作成してもよい。
【００５１】
傾き検出部３０４は、中心点Ｏ１に対する第２枠３２の傾斜角度を検出することにより、光学系３０１の光軸と撮像部２０１の受光面とが直交する位置から光学系３０１の光軸が指向している方向を検出する。傾き検出部３０４は、フォトインタラプタ３０４ａと、反射部材３０４ｂとを有する。なお、傾き検出部３０４は、各種ポジションセンサ等を用いてもよい。また、反射部材３０４ｂは、別部材ではなく、反射率の異なる部位を一体成形して作成してもよい。
【００５２】
以上の構成を有するレンズ部３は、光学系３０１の光軸の近傍でのみピントが合い、その周辺は放射状に広がるぼけが生じる。また、レンズ部３では、光軸を傾斜させた側と反対側の収差が最も大きくなる。
【００５３】
このように構成されたレンズ部３の操作方法について説明する。図７は、レンズ部３の操作方法を模式的に示す図である。図８は、図７に示す操作によって動作するレンズ部３の概要を模式的に説明する図である。
【００５４】
図７および図８に示すように、ユーザがレンズ操作部３０６を操作して光学系３０１のピントを調整する場合（図７（ａ））、レンズ操作部３０６の操作量に応じてレンズ制御部３０９が第１枠３１を前方に繰り出させる（図８（ａ））。これにより、レンズ部３は、光学系３０１のピントが調整される。その後、傾き機構３０１ｃがユーザによるレンズ鏡筒３０の操作（図７（ｂ））に応じて第１枠３１を傾斜させる（図８（ｂ））。これにより、レンズ部３は、撮像部２０１の受光面と直交する位置から光学系３０１の光軸を変更することができる。
【００５５】
つぎに、撮像部２０１の受光面に対してレンズ部３の光軸が変化することによって生じる収差の変化について説明する。図９〜図１２は、撮像部２０１の受光面と垂直をなす方向に対してレンズ部３の光軸が変化することによって生じる収差の変化を模式的に説明する図である。図９〜図１２では、レンズ群３０１ａが一つのレンズからなる場合を示している。以下、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面の中心を通過するとともに撮像部２０１の受光面と直交する位置にある状態を「初期状態」という。
【００５６】
図９に示すように、撮像部２０１の受光面から二つの被写体Ｅ１１、Ｅ１２までの距離が等しい（ｄ１）場合に、収差補正が十分に出来ていないレンズ群３０１ａで被写体Ｅ１１にピントを合わせたとき、撮像部２０１に形成される被写体Ｅ１２の像に収差ｓ1が生じるため、被写体Ｅ１２の像がぼけて形成される。しかしながら、この収差を表現の一つとして活かすことで、撮像する画像の表現に変化を持たせることができる。
【００５７】
さらに、図１０に示すように、撮像部２０１の受光面に対するレンズ群３０１ａを傾斜角度θ（たとえばθ＝５°）で傾斜させた場合、被写体Ｅ１２の像がさらに光軸Ｌ１の周辺から入射するため、撮像部２０１に形成される被写体Ｅ１２の収差ｓ2が収差ｓ1に比して大きくなる（ｓ1＜ｓ2）。これにより、撮像される画像は、被写体Ｅ１１と被写体Ｅ１２との差異がより強調されたものとなる。図１０では、実際には被写体Ｅ１１に対しても軸外収差が発生するが、レンズ群３０１ａの初期状態からの傾斜角度θは、被写体Ｅ１１の像に対してはほとんど影響を与えない程度に小さいものとしている。
【００５８】
また、図１１に示すように、撮像部２０１から被写体Ｅ１１までの距離ｄ１が、撮像部２０１から被写体Ｅ１２までの距離ｄ2より小さい場合（ｄ1＜ｄ2）、被写体Ｅ１２の像が、図１０に示す場合よりも光軸Ｌ１に対して遠くの位置から入射するため、撮像部２０１に形成される被写体Ｅ１２の収差ｓ3が収差ｓ2に比してさらに大きくなる（ｓ2＜ｓ3）。図１１においても、レンズ群３０１ａの初期状態からの傾斜角度θは、被写体Ｅ１１の像に対してはほとんど影響を与えない程度に小さいものとしている。
【００５９】
また、図１２に示すように、撮像部２０１から被写体Ｅ１１までの距離ｄ３が距離ｄ2に比して小さく（ｄ2＜ｄ3）、かつ初期状態から傾斜させた後のレンズ群３０１ａの光軸Ｌ1上に被写体Ｅ１１が位置している場合、被写体Ｅ１１にレンズ群３０１ａのピントを合わせると、被写体Ｅ１１と被写体Ｅ１２との差異がより一層強調されたものとなる。
【００６０】
図１３は、光学系３０１の光軸の変化に対応した画像の変化例を示す図である。図１３（ａ）に示す画像Ｗ１１は、初期状態にあるレンズ群３０１ａで、被写体である人物の顔にピント合わせをして撮像した画像である。また、図１３（ｂ）に示す画像Ｗ１２は、レンズ群３０１ａを初期状態から傾斜させた状態で、人物の顔にピント合わせをして撮像した画像である。画像Ｗ１１と画像Ｗ１２を比較すると、二つの画像とも人物の顔の周囲は放射状に広がってぼけている（破線で表示）が、そのぼけ量（収差）は画像Ｗ１２の方が画像Ｗ１１よりも大きくなっている。このように、光学系３０１の場合、レンズ群３０１ａを初期状態から傾斜させると、光軸付近とその周囲との差異を一層強調した画像を撮像することができる。
【００６１】
以上の構成を有する撮像装置１において、チルトレンズであるレンズ部３以外のレンズ部を装着することも可能である。そこで、以下の説明においては、撮像装置１に装着可能なレンズ部を総称して「レンズ部３Ｇ」という。レンズ部３Ｇは、少なくともレンズ通信部３０７とレンズ制御部３０９とを備えるものとする。
【００６２】
つぎに、以上の構成を有する撮像装置１が行う動作について説明する。図１４は、撮像装置１が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【００６３】
図１４において、撮像装置１が撮影モードに設定されている場合について説明する（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）。この場合、表示制御部２１５ｅは、ライブビュー画像を表示部２１０に表示させる（ステップＳ１０２）。また、レンズ制御部３０９は、本体制御部２１５との間でレンズ部３Ｇのレンズ状態の通信を行う（ステップＳ１０３）。
【００６４】
続いて、本体制御部２１５は、レンズ制御部３０９から入力される信号に基づいて、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズであるか否かを判断する（ステップＳ１０４）。本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズである場合（ステップＳ１０４：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ１０５へ移行する。一方、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ１０４：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ１１３へ移行する。
【００６５】
ステップＳ１０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズ（上述したレンズ部３）である場合（ステップＳ１０４：Ｙｅｓ）について説明する。以下、レンズ部３Ｇがチルトレンズである場合の処理を示すステップＳ１０５〜Ｓ１１０では、レンズ部３Ｇをレンズ部３と記載する。この場合、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像内にレンズ部３のピント領域を示すＭＦ（マニュアルフォーカス）ターゲットを表示部２１０に表示させる（ステップＳ１０５）。たとえば、図１５に示すように、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像Ｗ２１内にレンズ部３のピント領域を矩形状のフレームＭ１で表示部２１０に表示させる。これにより、ユーザは、ライブビュー画像を見てレンズ部３のピント領域を確認しながら撮影を行うことができる。
【００６６】
続いて、状態判定部２１５ｃは、レンズ部３の傾き操作が行われたか否かを判定する（ステップＳ１０６）。具体的には、状態判定部２１５ｃは、レンズ部３の傾き検出部３０４が光学系３０１の傾きを検出したか否かを判定する。レンズ部３の傾き操作が行われた場合（ステップＳ１０６：Ｙｅｓ）、撮像装置１は上述したステップＳ１０１へ戻る。一方、直前の傾き操作から所定時間内（たとえば３秒以内）にレンズ部３の傾き操作が行われていない場合（ステップＳ１０６：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ１０７へ移行する。
【００６７】
ステップＳ１０７において、撮影制御部２１５ｄは、基準位置に対する光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°であるか否かを判断する。基準位置に対する光学系３０１における光軸の傾斜角度φが０°である場合（ステップＳ１０７：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ１１３へ移行する。一方、基準位置に対する光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°でない場合（ステップＳ１０７：Ｎｏ）、撮影制御部２１５ｄは、レンズ部３のピントを調整するピント操作（繰り出し操作）が行われたか否かを判断する（ステップＳ１０８）。具体的には、撮影制御部２１５ｄは、レンズ部３の位置検出部３０３の検出結果に応じて、レンズ部３のピント操作が行われたか否かを判断する。レンズ部３のピント操作が行われた場合（ステップＳ１０８：Ｙｅｓ）、撮像装置１は上述したステップＳ１０１へ戻る。一方、直前のピント操作から所定時間内（たとえば３秒以内）にレンズ部３のピント操作が行われていない場合（ステップＳ１０８：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１０９に移行する。
【００６８】
ステップＳ１０９において、表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を行うまでの情報としてカウントダウンを表示部２１０に表示させる。たとえば、図１６に示すように、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像Ｗ３１中に撮像装置１が撮影を行うまでのカウントダウンとしてタイムゲージＧ１を表示部２１０に表示させる。これにより、ユーザは、撮像装置１に撮影を行わせたくない場合、タイムゲージＧ１のカウントがなくなる前にレンズ部３の傾き操作またはピント操作を行うことにより、撮像装置１の撮影を中止させることができる。さらに、ユーザは、撮像装置１が撮影を行うまでの時間を視認して直感的に把握することができる。
【００６９】
ステップＳ１０９の後、撮影制御部２１５ｄは、カウントダウンが終了したか否かを判断する（ステップＳ１１０）。カウントダウンが終了していない場合（ステップＳ１１０：Ｎｏ）、撮像装置１は上述したステップＳ１０１へ戻る。一方、カウントダウンが終了した場合（ステップＳ１１０：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ１１１に移行する。
【００７０】
ステップＳ１１１において、撮像装置１は、撮影制御部２１５ｄの制御のもと、撮影を行い、取得した画像データを記憶部２１２に記録する（ステップＳ１１２）。
【００７１】
ステップＳ１０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ１０４：Ｎｏ）について説明する。この場合、レンズ部３Ｇのピントを調整するピント操作が行われた場合（ステップＳ１１３：Ｙｅｓ）、そのピント操作が行われてから所定時間（たとえば３秒）が経過していないとき（ステップＳ１１４：Ｎｏ）、レンズ制御部３０９は、ピント操作の操作量に応じてレンズ部３Ｇのピントを調整し（ステップＳ１１５）、撮像装置１はステップＳ１１７へ移行する。一方、ピント操作が行われ（ステップＳ１１３：Ｙｅｓ）、かつそのピント操作が行われてから所定時間が経過しているとき（ステップＳ１１４：Ｙｅｓ）、レンズ制御部３０９は、レンズ駆動部３０２を駆動してレンズ部３ＧのＡＦ制御を行い（ステップＳ１１６）、撮像装置１はステップＳ１１７へ移行する。
【００７２】
ステップＳ１１７において、レリーズスイッチ２０９ｂが押されて静止画レリーズ信号が入力された場合（ステップＳ１１７：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ１１１に移行する。
【００７３】
ステップＳ１１７において、レリーズスイッチ２０９ｂを介して静止画レリーズ信号が入力されない場合（ステップＳ１１７：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１１８へ移行する。
【００７４】
ステップＳ１１２の後、電源スイッチ２０９ａが押された場合（ステップＳ１１８：Ｙｅｓ）、本体制御部２１５は、電源をオフする制御を行い（ステップＳ１１９）、一連の処理を終了する。
【００７５】
ステップＳ１１２の後、電源スイッチ２０９ａが押されない場合（ステップＳ１１８：Ｎｏ）において、レンズ部３Ｇが別のレンズ部３Ｇに交換されたとき（ステップＳ１２０：Ｙｅｓ）、本体制御部２１５は、新たに装着されたレンズ部３Ｇからレンズ種別情報を取得する（ステップＳ１２１）。その後、撮像装置１はステップＳ１０１へ戻る。一方、電源スイッチ２０９ａが押されない場合（ステップＳ１１８：Ｎｏ）において、レンズ部３Ｇが別のレンズ部３Ｇに交換されていなければ（ステップＳ１２０：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１０１へ戻る。
【００７６】
つぎに、ステップＳ１０１において、撮影モードに設定されていない場合（ステップＳ１０１：Ｎｏ）について説明する。この場合において、撮像装置１が再生モードに設定されているとき（ステップＳ１２２：Ｙｅｓ）、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０にファイル一覧を表示させる（ステップＳ１２３）。
【００７７】
続いて、操作入力部２０９またはタッチパネル２１１を介して拡大して表示するファイルが選択された場合（ステップＳ１２４：Ｙｅｓ）、表示制御部２１５ｅは、選択されたファイルを表示部２１０に再生表示させる（ステップＳ１２５）。
【００７８】
その後、別の画像ファイルが新たに選択された場合（ステップＳ１２６：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ１２５へ戻る。一方、別の画像ファイルが選択されない場合（ステップＳ１２６：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１２７へ移行する。
【００７９】
ステップＳ１２７において、操作入力部２０９またはタッチパネル２１１によって画像再生の終了指示が入力された場合（ステップＳ１２７：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ１１８に移行する。これに対して、終了指示が入力されていない場合（ステップＳ１２７：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１２３へ戻る。
【００８０】
ステップＳ１２４において、ファイルが選択されない場合（ステップＳ１２４：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１２７へ移行する。
【００８１】
ステップＳ１２２において、撮像装置１が再生モードに設定されていない場合（ステップＳ１２２：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１０１へ戻る。
【００８２】
以上説明した本実施の形態１によれば、状態判定部２１５ｃが光学系３０１の光軸が基準位置から移動していると判定した場合、撮影制御部２１５ｄが撮像装置１における撮影を開始する制御を行う。この結果、レンズ部３の操作によってユーザの両手がふさがっていても容易に撮影を行うことができる。
【００８３】
さらに、本実施の形態１によれば、ユーザが撮影を行いたくないときにレンズ部３の傾き操作またはピント操作を行うことによって、撮影を中止することができる。
【００８４】
さらにまた、本実施の形態１によれば、カメラの使用条件に最適な撮影を始める条件にして無理なく撮影を可能にすることができる。
【００８５】
また、本実施の形態１によれば、表示制御部２１５ｅが撮像装置１によって撮影が行われるまでの情報を表示部２１０に表示させる。この結果、ユーザは、撮像装置１が撮影を行うまでの時間を視認して直感的に把握することができる。
【００８６】
また、本実施の形態１では、ユーザがレンズ部３の傾き操作を行うごとに、撮影制御部２１５ｄが撮像装置１に撮影を行わせるようにしてもよい。
【００８７】
なお、本実施の形態１では、光学系３０１ａの光軸が撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して傾斜可能であったが、たとえば、光学系３０１の光軸を、撮像部２０１の受光面となす角度を保持したまま移動可能としてもよい。
【００８８】
また、本実施の形態１では、ティルトによる光軸を傾ける変化について重点的に説明したが、光軸を平行に変更するシフトレンズにも応用可能である。
【００８９】
（実施の形態２）
つぎに、本発明の実施の形態２について説明する。なお、本発明の実施の形態２にかかる撮像装置は、上述した実施の形態１にかかる撮像装置１と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【００９０】
図１７は、本実施の形態２の撮像装置１の動作を模式的に説明する図である。図１８は、図１７に示す状況下に対応する画像の一例を示す図である。なお、図１７では、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面に直交する方向に対して上下方向に傾斜する場合についてのみ説明する。また、図１７では、上方向に傾斜する角度を正（＋）とし、下方向に傾斜する角度を負（−）とする。
【００９１】
図１７に示すように、撮像部２０１の受光面に対して光学系３０１の光軸が直交する（図１７（ａ））から光学系３０１の光軸を所定角度（θ）上方向に傾斜させた場合（図１７（ｂ））、撮像部２０１によって生成される画像が画像Ｗ４１（図１８（ａ））から画像Ｗ４２（図１８（ｂ）になる。この場合、ユーザが考えたぼける領域が変化する。このため、光学系３０１が上方向に傾斜した傾斜角度（θ）に応じて撮像装置１を所定角度（γ）下方向に傾斜させた場合（図１７（ｃ））、光学系３０１の傾斜によってピント領域間が変化する。そこで、本実施の形態２では、光学系３０１の光軸が傾斜した傾斜角度と、撮像装置１が傾斜した傾斜角度との和が所定範囲内（−５°＜θ＋γ＜５°）になった場合に、撮影制御部２１５ｄが撮像装置１に撮影を行わせる。
【００９２】
つぎに、本実施の形態２にかかる撮像装置１が行う動作について説明する。図１９は、撮像装置１が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【００９３】
図１９において、撮像装置１が撮影モードに設定されている場合を説明する（ステップＳ２０１：Ｙｅｓ）。この場合、表示制御部２１５ｅは、ライブビュー画像を表示部２１０に表示させる（ステップＳ２０２）。また、レンズ制御部３０９は、本体制御部２１５との間でレンズ部３Ｇのレンズ状態の通信を行う（ステップＳ２０３）。
【００９４】
続いて、本体制御部２１５は、レンズ制御部３０９から入力される信号に基づいて、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズであるか否かを判断する（ステップＳ２０４）。本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズである場合（ステップＳ２０４：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ２０５へ移行する。一方、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ２０４：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ２１５へ移行する。
【００９５】
ステップＳ２０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズ（上述したレンズ部３）である場合（ステップＳ２０４：Ｙｅｓ）について説明する。以下、レンズ部３Ｇがチルトレンズである場合の処理を示すステップＳ２０５〜Ｓ２１２では、レンズ部３Ｇをレンズ部３と記載する。この場合、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像内にレンズ部２のピント領域を表すＭＦターゲット（図１５を参照）を表示部２１０に表示させる。
【００９６】
続いて、状態判定部２１５ｃは、レンズ部３の傾き操作が行われたか否かを判定する（ステップＳ２０６）。レンズ部３の傾き操作が行われた場合（ステップＳ２０６：Ｙｅｓ）、撮像装置１は上述したステップＳ２０１へ戻る。一方、直前の傾き操作から所定時間（たとえば３秒以内）にレンズ部３の傾き操作が行われていない場合（ステップＳ２０６：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ２０７へ移行する。
【００９７】
ステップＳ２０７において、状態判定部２１５ｃは、基準位置に対して光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°であるか否かを判定する。基準位置に対して光学系３０１における光軸の傾斜角度φが０°である場合（ステップＳ２０７：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ２１５へ移行する。一方、基準位置に対して光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°でない場合（ステップＳ２０７：Ｎｏ）、状態判定部２１５ｃは、姿勢検出部２０５が検出する検出結果に応じて、撮像装置１が水平（γ＝０°）であるか否かを判定する（ステップＳ２０８）。撮像装置１が水平でない場合（ステップＳ２０８：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ２０９へ移行する。一方、撮像装置１が水平である場合（ステップＳ２０８：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ２１０へ移行する。
【００９８】
ステップＳ２０９において、撮影制御部２１５ｄは、光学系３０１の傾斜角度θと撮像装置１の傾斜角度γとの和が所定範囲内であるか否かを判断する。光学系３０１の傾斜角度θと撮像装置１の傾斜角度γとの和が所定範囲内でない場合（ステップＳ２０９：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ２０１へ戻る。一方、光学系３０１の傾斜角度θと撮像装置１の傾斜角度γとの和が所定範囲内である場合（ステップＳ２０９：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２１０へ移行する。
【００９９】
続いて、撮影制御部２１５ｄは、レンズ部３のピントを調整するピント操作が行われたか否かを判断する（ステップＳ２１０）。レンズ部３のピント操作が行われた場合（ステップＳ２１０：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２０１へ戻る。一方、直前のピント操作から所定時間、たとえば、３秒間内にレンズ部３のピント操作が行われていない場合（ステップＳ２１０：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ２１１へ移行する。
【０１００】
その後、表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を行うまでの情報としてカウントダウン（図１６を参照）を表示部２１０に表示させる（ステップＳ２１１）。
【０１０１】
ステップＳ２１１の後、撮影制御部２１５ｄは、カウントダウンが終了したか否かを判断する（ステップＳ２１２）。カウントダウンが終了していない場合（ステップＳ２１２：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ２０１へ戻る。一方、カウントダウンが終了した場合（ステップＳ２１２：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２１３へ移行する。
【０１０２】
ステップＳ２１３において、撮像装置１は、撮影制御部２１５ｄの制御のもと、撮影を行い、取得した画像を記憶部２１２に記録する（ステップＳ２１４）。
【０１０３】
ステップＳ２０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ２０４：Ｎｏ）について説明する。この場合、レンズ部３Ｇのピントを調整するピント操作が行われたとき（ステップＳ２１５：Ｙｅｓ）、そのピント操作が行われてから所定時間（たとえば３秒）が経過していないとき（ステップＳ２１６：Ｎｏ）、レンズ制御部３０９は、ピント操作の操作量に応じたレンズ部３Ｇのピントを調整し（ステップＳ２１７）、撮像装置１はステップＳ２１９へ移行する。一方、ピント操作が行われ（ステップＳ２１５：Ｙｅｓ）、かつそのピント操作が行われてから所定時間が経過しているとき（ステップＳ２１６：Ｙｅｓ）、レンズ制御部３０９は、レンズ駆動部３０２を駆動してレンズ部３ＧのＡＦ制御を行い（ステップＳ２１８）、撮像装置１はステップＳ２１９へ移行する。
【０１０４】
ステップＳ２１９において、レリーズスイッチ２０９ｂが押されて静止画レリーズ信号が入力された場合（ステップＳ２１９：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２１３へ移行する。ステップＳ２２０〜ステップＳ２２９は、図１４で説明したステップＳ１１８〜Ｓ１２７に順次対応する。
【０１０５】
以上説明した本発明の実施の形態２によれば、撮影制御部２１５ｄが傾き操作およびピント操作がなく、基準位置に対する光学系３０１の光軸の傾斜角度と撮像装置１の傾斜角度との和が所定範囲内になり所定時間経過したときに、撮像装置１における撮影動作を開始する制御を行う。この結果、レンズ部３の特性を生かしながら、自動的に撮影することができる。さらに、上述した実施の形態１と同様の効果を有する。
【０１０６】
図２０は、レンズ部の別な構成例の要部を示す図である。図２０に示すように、レンズ部６は、レンズ群３０１ａおよび絞り機構３０１ｄを保持する第１枠６１と、第１枠６１を保持する第２枠６２と、中心点Ｏ１を回転中心として第２枠６２を揺動可能に保持する第３枠６３と、第３枠６３を前後方向に移動可能に保持する第４枠６４とを有する。また、第３枠６３の内側には、傾き検出部３０４が設けられ、第４枠６４の内側には、位置検出部３０３が設けられる。
【０１０７】
このように構成されたレンズ部６を用いることにより、撮像部２０１の受光面と直交する方向に対する光学系３０１の光軸の向きを変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【０１０８】
図２１に示すように、ユーザによるレンズ操作部３０６の操作量に応じて第１枠６１および第２枠６２を前後方向に移動させることにより（図２１（ａ））、レンズ部６のピントを調整する。その後、ユーザがレンズ部６のレンズ鏡筒３０を操作し、第１枠６１および第２枠６２を所定の角度に傾斜させる（図２１（ｂ））。
【０１０９】
このように構成されたレンズ部６を用いることにより、撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して光学系３０１の光軸を変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【０１１０】
図２２は、レンズ部のさらに別な実施例を装着した撮像装置１の被写体に面する側（前面側）の構成を示す斜視図である。図２２に示すように、レンズ部７は、光学系７０１と、光学系７０１を前後方向に移動可能に保持するピント機構７０２と、ピント機構７０２を撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して傾斜可能に保持するボールソケット７０３とを備える。また、ピント機構７０２は、光学系７０１のピントを調整するレンズ操作部（ピントリング）７０２ａを有する。
【０１１１】
このように構成されたレンズ部７を用いることにより、撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して光学系３０１の光軸を変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【０１１２】
また、上述した実施の形態では、撮像装置１をデジタル一眼レフカメラとして説明していたが、たとえばレンズ部３と本体部２とが一体に形成されたデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等の撮影機能と表示機能を備えた各種電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【０１１３】
１ 撮像装置
２ 本体部
３，６，７ レンズ部
４ アクセサリ
３０ レンズ鏡筒
３１，６１ 第１枠
３２，６２ 第２枠
３３，６３ 第３枠
６４ 第４枠
２０１ 撮像部
２０２ 撮像駆動部
２０３ 信号処理部
２０４ フラッシュ発光部
２０５ 姿勢検出部
２０６ タイマー
２０７ 第１通信部
２０８ 第２通信部
２０９ 操作入力部
２０９ａ 電源スイッチ
２０９ｂ レリーズスイッチ
２０９ｃ 撮影モード切換スイッチ
２０９ｄ 操作スイッチ
２０９ｅ メニュースイッチ
２０９ｆ 動画スイッチ
２１０ 表示部
２１１ タッチパネル
２１２ 記憶部
２１３ 電源部
２１４ 電源供給部
２１５ 本体制御部
２１５ａ 画像処理部
２１５ｂ 顔検出部
２１５ｃ 状態判定部
２１５ｄ 撮影制御部
２１５ｅ 表示制御部
３０１ 光学系
３０１ａ レンズ群
３０１ｂ ピント機構
３０１ｃ 傾き機構
３０１ｄ 絞り機構
３０２ レンズ駆動部
３０３ 位置検出部
３０４ 傾き検出部
３０５ 絞り駆動部
３０６，７０１ａ レンズ操作部
３０７ レンズ通信部
３０８ レンズ記憶部
３０８ａ 収差情報記憶部
３０９ レンズ制御部
４０１ アクセサリ通信部
７０１ 光学系
７０２ ピント機構
７０３ ボールソケット
【技術分野】
【０００１】
本発明は、被写体を撮像して電子的な画像データを生成する撮像装置および撮像プログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来から、被写体を撮像して電子的な画像データを生成する撮像装置では、アオリ機能を有する撮影レンズやマウントアダプタを用いることによって、撮影レンズの光軸を撮像素子に対して傾けることで被写体の被写界深度を調整しながら撮影することができる技術が知られている（たとえば、特許文献１を参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００１−１９４７００号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、上述した従来技術では、撮影レンズの光軸を傾けながら撮影する場合、撮影レンズの傾きを維持させるため、撮影レンズを両手で操作しなければならなかった。このため、両手がふさがってしまい、レリーズボタンを操作して撮影を行うことが困難であった。
【０００５】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、両手がふさがっていても容易に撮影を行うことができる撮像装置および撮像プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる撮像装置は、１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、前記変位量検出部が検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定部と、前記状態判定部が前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御部と、を備えたことを特徴とする。
【０００７】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記撮影制御部は、前記光学系の光軸の変位量が所定時間維持された場合、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする。
【０００８】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、水平面を基準としたときの当該撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、前記撮影制御部は、前記変位量と前記姿勢とに基づいて、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする。
【０００９】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示部と、当該撮像装置が撮影を開始するまでの時間を示す情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【００１０】
また、本発明にかかる撮像装置は、上記発明において、前記光学系は、当該撮像装置の本体部に対して着脱自在であることを特徴とする。
【００１１】
また、本発明にかかる撮像プログラムは、１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に、前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、前記変位量検出ステップが検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定ステップと、前記状態判定ステップが前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【００１２】
本発明によれば、状態判定部が光学系の光軸が基準位置から移動していると判定した場合、撮影制御部が撮像装置における撮影を開始する制御を行う。この結果、レンズ部の操作によってユーザの両手がふさがっていても容易に撮影を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【００１３】
【図１】図１は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の被写体に面する側の構成を示す斜視図である。
【図２】図２は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の撮影者に面する側（背面側）の構成を示す斜視図である。
【図３】図３は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図４】図４は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の収差情報記憶部が記憶するレンズ部の収差情報の一例を示す図である。
【図５】図５は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の収差情報記憶部が記憶するレンズ部の収差情報の別の一例を示す図である。
【図６】図６は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置におけるレンズ部の要部の構成を模式的に示す断面図である。
【図７】図７は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置におけるレンズ部の操作方法を模式的に示す図である。
【図８】図８は、図７に示す操作によって動作するレンズ部の概要を模式的に説明する図である。
【図９】図９は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と垂直をなす方向に対してレンズ部の光軸が変化することによって生じる収差の変化を模式的に説明する図である。
【図１０】図１０は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変位することによって生じる収差の例（第１例）を模式的に説明する図である。
【図１１】図１１は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変位することによって生じる収差の例（第２例）を模式的に説明する図である。
【図１２】図１２は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置における撮像部の受光面と直交する方向に対してレンズ部の光軸が変化することによって生じる収差の例（第３例）を模式的に説明する図である。
【図１３】図１３は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置が生成する画像の一例を示す図である。
【図１４】図１４は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図１５】図１５は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図１６】図１６は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図１７】図１７は、本発明の実施の形態２の撮像装置の動作を模式的に説明する図である。
【図１８】図１８は、図１７に示す状況下に対応する画像の一例を示す図である。
【図１９】図１９は、本発明の実施の形態２にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図２０】図２０は、レンズ部の別な構成例の要部を示す図である。
【図２１】図２１は、レンズ部の動作を模式的に説明する図である。
【図２２】図２２は、レンズ部の別な実施例を装着した撮像装置の被写体に面する側の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【００１４】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態（以下、「実施の形態」という）について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１５】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の被写体に面する側（前面側）の構成を示す斜視図である。図２は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の撮影者に面する側（背面側）の構成を示す斜視図である。図３は、本発明の実施の形態１にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。図１〜図３に示す撮像装置１は、デジタル一眼レフカメラであり、本体部２と、本体部２に着脱自在なレンズ部３と、を備える。撮像装置１は、電子ビューファインダ（ＥＶＦ）やエレクトロニックフラッシュ等のアクセサリ４も装着可能である。
【００１６】
図１〜図３に示すように、本体部２は、撮像部２０１と、撮像駆動部２０２と、信号処理部２０３と、フラッシュ発光部２０４と、姿勢検出部２０５と、タイマー２０６と、第１通信部２０７と、第２通信部２０８と、操作入力部２０９と、表示部２１０と、タッチパネル２１１と、記憶部２１２と、電源部２１３と、電源供給部２１４と、本体制御部２１５と、を有する。
【００１７】
撮像部２０１は、レンズ部３が集光した光を受光して電気信号に変換するＣＣＤ（Charge Coupled Device）やＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）等の撮像素子と、シャッタとを用いて構成される。
【００１８】
撮像駆動部２０２は、レリーズ信号に応じて撮像素子およびシャッタを駆動させる機能を有する。たとえば、撮像駆動部２０２は、所定のタイミングで撮像素子から画像データ（アナログ信号）を信号処理部２０３に出力させる。
【００１９】
フラッシュ発光部２０４は、キセノンランプやＬＥＤ（Light Emitting Diode）等を用いて構成される。フラッシュ発光部２０４は、撮像装置１が撮像する視野領域へ向けて補助光であるストロボ光を照射する。
【００２０】
姿勢検出部２０５は、加速度センサを用いて構成される。姿勢検出部２０５は、撮像装置１の加速度を検出することにより、撮像装置１の姿勢状態を検出する。具体的には、姿勢検出部２０５は、水平面を基準としたときの撮像装置１の姿勢（傾斜角度）を検出する。
【００２１】
タイマー２０６は、計時機能や撮影日時の判定機能を有する。タイマー２０６は、撮像された画像データに日時データを付加させるため、本体制御部２１５に日時データを出力する。
【００２２】
第１通信部２０７は、本体部２に装着されたレンズ部３との通信を行うための通信インターフェースである。第２通信部２０８は、本体部２に装着されるアクセサリ４のアクセサリ通信部４０１との通信を行うための通信インターフェースである。
【００２３】
操作入力部２０９は、図１および図２に示すように、撮像装置１の電源状態をオン状態またはオフ状態に切り換える電源スイッチ２０９ａと、静止画撮影の指示を与える静止画レリーズ信号を入力するレリーズスイッチ２０９ｂと、撮像装置１に設定された各種撮影モード切換の指示を与える切換信号を入力する撮影モード切換スイッチ２０９ｃと、撮像装置１の各種設定を選択または決定の指示を与える指示信号を入力する操作スイッチ２０９ｄと、撮像装置１に設定された操作メニュー画面の表示の指示を与える指示信号を入力するメニュースイッチ２０９ｅと、動画撮影の指示を与える動画レリーズ信号を入力する動画スイッチ２０９ｆと、を有する。
【００２４】
表示部２１０は、液晶または有機ＥＬ（Electro Luminescence）等からなる表示パネルを用いて実現される。表示部２１０は、画像データのほか、撮像装置１の操作情報や撮影に関する情報を適宜表示する。
【００２５】
タッチパネル２１１は、表示部２１０の表示画面上に設けられる。タッチパネル２１１は、ユーザが表示部２１０で表示される情報に基づいて接触した位置を検出し、この検出した接触位置に応じた操作信号の入力を受け付ける。一般に、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式等がある。本実施の形態では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。
【００２６】
記憶部２１２は、撮像装置１の内部に固定的に設けられるフラッシュメモリやＤＲＡＭ（Dynamic Random Access Memory）等の半導体メモリを用いて実現される。記憶部２１２は、撮像装置１を動作させるための各種プログラム、本実施の形態にかかる撮像プログラムおよびプログラムの実行中に使用される各種データやパラメータ等を記憶する。また、記憶部２１２は、画像データを記憶するとともに、本体部２に装着可能なレンズ部３の情報やレンズ部３の種類に応じた画像データの補正情報等の情報を記憶する。なお、記憶部２１２が、外部から装着されるメモリカード等のコンピュータで読取可能な記憶媒体を含むものであってもよい。
【００２７】
電源部２１３は、撮像装置１に着脱自在なバッテリを用いて構成される。電源供給部２１４は、撮像装置１の各構成部（装着されるレンズ部３およびアクセサリ４も含む）に対して電源部２１３の電力を供給する。なお、電源供給部２１４は、外部電源（図示せず）から供給される電力を撮像装置１の各構成部に供給するようにしてもよい。
【００２８】
本体制御部２１５は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等を用いて構成される。本体制御部２１５は、操作入力部２０９やタッチパネル２１１からの指示信号や切換信号等に応じて撮像装置１を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置１の動作を統括的に制御する。本体制御部２１５は、画像処理部２１５ａと、顔検出部２１５ｂと、状態判定部２１５ｃと、撮影制御部２１５ｄと、表示制御部２１５ｅとを有する。
【００２９】
画像処理部２１５ａは、信号処理部２０３から入力される画像データに対して各種の画像処理を施して記憶部２１２に出力する。具体的には、画像処理部２１５ａは、画像データに対して、少なくともエッジ強調、ホワイトバランス、色補正およびγ補正を含む画像処理を行う。
【００３０】
顔検出部２１５ｂは、画像データに対応する画像に含まれる人物の顔をパターンマッチグによって検出する。なお、顔検出部２１５ｂは、人物の顔だけでなく、犬や猫等の顔を検出してもよい。さらに、顔検出部２１５ｂは、パターンマッチング以外の周知技術を用いて人物の顔を検出してもよい。
【００３１】
状態判定部２１５ｃは、第１通信部２０７から入力されるレンズ部３の状態に関する情報に基づいて、レンズ部３の状態を判定する。
【００３２】
撮影制御部２１５ｄは、静止画レリーズ信号が入力された場合、撮像装置１における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置１における撮影動作とは、撮像駆動部２０２の駆動によって撮像部２０１が出力した画像データに対し、信号処理部２０３および画像処理部２１５ａが所定の処理を施す動作をいう。このようにして処理が施された画像データは、本体制御部２１５によって記憶部２１２に記録される。また、撮影制御部２１５ｄは、状態判定部２１５ｃの判定結果に応じて、撮像装置１における撮影を決定する条件を切替える。撮影を決定する条件とは、少なくとも露出、感度（ＩＳＯ）、絞り値およびシャッタ速度等である。
【００３３】
表示制御部２１５ｅは、メニュースイッチ２０９ｅから指示信号が入力された場合、操作メニュー画面を表示部２１０に表示させる。表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を行うまでの情報を表示部２１０に表示させる。具体的には、表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を開始するまでの時間を表示部２１０に表示させる。また、表示制御部２１５ｅは、状態判定部２１５ｃの判定結果に応じて、表示部２１０が表示する画像の領域において光学系３０１のピントが合うピント領域および／または光学系３０１のピントが合わないぼけ領域を表示部２１０に表示させる。
【００３４】
以上の構成を有する本体部２に対して、音声入出力機能や、インターネットを介した通信を行う通信機能などを具備させてもよい。
【００３５】
レンズ部３は、レンズ鏡筒３０が蛇腹状をなし（図１を参照）、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面と直交する方向を基準として全方位に揺動可能なチルトレンズ（ティルトレンズ）である。
【００３６】
レンズ部３は、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して全方位に揺動可能なチルトレンズ（ティルトレンズ）である。
【００３７】
レンズ部３は、光学系３０１と、レンズ駆動部３０２と、位置検出部３０３と、傾き検出部３０４と、絞り駆動部３０５と、レンズ操作部３０６と、レンズ通信部３０７と、レンズ記憶部３０８と、レンズ制御部３０９と、を有する。
【００３８】
光学系３０１は、一または複数のレンズからなるレンズ群３０１ａと、レンズ群３０１ａのピントを調整するピント機構３０１ｂと、光学系３０１の光軸を撮像部２０１の受光面に対して揺動可能に傾斜させる傾き機構３０１ｃと、レンズ群３０１ａが集光した光の入射量を制限する絞り機構３０１ｄと、を有する。
【００３９】
レンズ駆動部３０２は、ＤＣモータやステッピングモータ等を用いて構成される。レンズ駆動部３０２は、ピント機構３０１ｂを駆動することにより、光学系３０１のレンズ群３０１ａを光軸で移動させることで光学系３０１のピントを調整する。
【００４０】
位置検出部３０３は、レンズ群３０１ａの光軸方向の位置を検出する。傾き検出部３０４は、光学系３０１の光軸と撮像部２０１の受光面とが直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量であるチルト量を検出する。この意味で、本実施の形態１では、傾き検出部３０４が変位量検出部として機能する。
【００４１】
絞り駆動部３０５は、ステッピングモータ等を用いて構成される。絞り駆動部３０５は、絞り機構３０１ｄを駆動することにより、撮像部２０１に入射する光の光量を調整する。
【００４２】
レンズ操作部３０６は、図１に示すように、レンズ部３のレンズ鏡筒３０の周囲に設けられるピントリングであり、光学系３０１内のレンズ群３０１ａを操作する信号が入力される。なお、レンズ操作部３０６は、プッシュ式のスイッチ等であってもよい。
【００４３】
レンズ通信部３０７は、レンズ部３が本体部２に装着されたときに、本体部２の第１通信部２０７と通信を行うための通信インターフェースである。
【００４４】
レンズ記憶部３０８は、光学系３０１のレンズ群３０１ａの位置や動きを決定するための制御用プログラムや各種パラメータを記憶する。レンズ記憶部３０８は、レンズ部３の各種収差に関する収差情報記憶部３０８ａを有する。さらに、レンズ記憶部３０８は、レンズ部３の傾斜角度限界値情報、最至近距離限界情報、レンズ部３の動き等を拘束する拘束条件情報、光学系３０１の傾斜角度に応じたピント位置情報、レンズ部３の繰り出し可能範囲および光学系３０１の傾斜角度とレンズ部３の繰り出し量によって定まるピント位置情報等を記憶する。
【００４５】
図４は、収差情報記憶部３０８ａが記憶するレンズ部３の収差情報の一例を示す図である。図４に示すように、収差情報テーブルＴ１には、光学系３０１から焦点距離だけ離れた位置に結像される像を光学系３０１の中心から見たときの光軸からのズレ角φ（つまり、光軸方向を０とした時の画角φ）と収差（例えば、像面湾曲量や非点隔差）Ｓとの関係が記載されている。たとえば、ズレ角φが５°の場合、収差Ｓが０．１ｍｍとして記載されている。
【００４６】
図５は、収差情報記憶部３０８ａが記憶するレンズ部３の収差情報の別の例を示す図である。図５に示すように、収差情報テーブルＴ２には、上述したズレ角φと色収差（例えば、像面湾曲量や非点隔差）との関係が記載されている。たとえば、ズレ角が５°の場合、Ｒ（赤）、Ｇ（緑）およびＢ（青）の理想像高に対する倍率がそれぞれ９８％、９６％および９３％として記載されている。また、ズレ角φが１０°の場合、Ｒ、ＧおよびＢの理想像高に対する倍率が、それぞれ９６％、９２％および８５％として記載されている。一般に、波長が小さい光ほど屈折率は大きい。このため、Ｒ、Ｇ、Ｂの３成分の中で最も波長が小さいＢ成分の歪曲収差が最も大きい。さらに、色ごとの歪曲収差（色収差）は、ズレ角φが大きいほど大きくなる。
【００４７】
レンズ制御部３０９は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）等を用いて構成される。レンズ制御部３０９は、本体部２からの指示信号に応じてレンズ部３の動作を制御する。
【００４８】
ここで、図６を参照して、レンズ部３の要部の構成について説明する。図６は、レンズ部３の要部の構成を模式的に示す断面図である。図６において、左側が被写体側（以下、前方という）であり、右側が本体部２に装着される側（以下、後方という）である。
【００４９】
図６に示すように、レンズ部３は、レンズ群３０１ａおよび絞り機構３０１ｄを保持する第１枠３１と、第１枠３１を前後方向に移動可能に保持する第２枠３２と、中心点Ｏ１を軸にして第２枠３２を揺動可能に保持する第３枠３３とを有する。また、第２枠３２の内側には、位置検出部３０３が設けられ、第３枠３３の内側には、傾き検出部３０４が設けられる。
【００５０】
位置検出部３０３は、反射型変位センサ等によって構成される。具体的には、位置検出部３０３は、発光素子と受光素子とを有するフォトインタラプタ３０３ａと、位置によって異なる反射率を有する反射部材３０３ｂとを備える。フォトインタラプタ３０３ａは、第２枠３２の内周側に設けられ、反射部材３０３ｂは、第１枠３１の外周側に設けられる。位置検出部３０３は、フォトインタラプタ３０３ａで照射した光を反射部材３０３ｂで反射させ、反射部材３０３ｂで反射した光をフォトインタラプタ３０３ａに受光させることにより、中心点Ｏ１から繰り出された第１枠３１の繰り出し量を算出し、この算出した繰り出し量からレンズ群３０１ａの光軸方向の位置を検出する。なお、位置検出部３０３は、各種ポジションセンサ等を用いてもよい。また、反射部材３０３ｂは、別部材ではなく、反射率の異なる部位を一体成形して作成してもよい。
【００５１】
傾き検出部３０４は、中心点Ｏ１に対する第２枠３２の傾斜角度を検出することにより、光学系３０１の光軸と撮像部２０１の受光面とが直交する位置から光学系３０１の光軸が指向している方向を検出する。傾き検出部３０４は、フォトインタラプタ３０４ａと、反射部材３０４ｂとを有する。なお、傾き検出部３０４は、各種ポジションセンサ等を用いてもよい。また、反射部材３０４ｂは、別部材ではなく、反射率の異なる部位を一体成形して作成してもよい。
【００５２】
以上の構成を有するレンズ部３は、光学系３０１の光軸の近傍でのみピントが合い、その周辺は放射状に広がるぼけが生じる。また、レンズ部３では、光軸を傾斜させた側と反対側の収差が最も大きくなる。
【００５３】
このように構成されたレンズ部３の操作方法について説明する。図７は、レンズ部３の操作方法を模式的に示す図である。図８は、図７に示す操作によって動作するレンズ部３の概要を模式的に説明する図である。
【００５４】
図７および図８に示すように、ユーザがレンズ操作部３０６を操作して光学系３０１のピントを調整する場合（図７（ａ））、レンズ操作部３０６の操作量に応じてレンズ制御部３０９が第１枠３１を前方に繰り出させる（図８（ａ））。これにより、レンズ部３は、光学系３０１のピントが調整される。その後、傾き機構３０１ｃがユーザによるレンズ鏡筒３０の操作（図７（ｂ））に応じて第１枠３１を傾斜させる（図８（ｂ））。これにより、レンズ部３は、撮像部２０１の受光面と直交する位置から光学系３０１の光軸を変更することができる。
【００５５】
つぎに、撮像部２０１の受光面に対してレンズ部３の光軸が変化することによって生じる収差の変化について説明する。図９〜図１２は、撮像部２０１の受光面と垂直をなす方向に対してレンズ部３の光軸が変化することによって生じる収差の変化を模式的に説明する図である。図９〜図１２では、レンズ群３０１ａが一つのレンズからなる場合を示している。以下、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面の中心を通過するとともに撮像部２０１の受光面と直交する位置にある状態を「初期状態」という。
【００５６】
図９に示すように、撮像部２０１の受光面から二つの被写体Ｅ１１、Ｅ１２までの距離が等しい（ｄ１）場合に、収差補正が十分に出来ていないレンズ群３０１ａで被写体Ｅ１１にピントを合わせたとき、撮像部２０１に形成される被写体Ｅ１２の像に収差ｓ1が生じるため、被写体Ｅ１２の像がぼけて形成される。しかしながら、この収差を表現の一つとして活かすことで、撮像する画像の表現に変化を持たせることができる。
【００５７】
さらに、図１０に示すように、撮像部２０１の受光面に対するレンズ群３０１ａを傾斜角度θ（たとえばθ＝５°）で傾斜させた場合、被写体Ｅ１２の像がさらに光軸Ｌ１の周辺から入射するため、撮像部２０１に形成される被写体Ｅ１２の収差ｓ2が収差ｓ1に比して大きくなる（ｓ1＜ｓ2）。これにより、撮像される画像は、被写体Ｅ１１と被写体Ｅ１２との差異がより強調されたものとなる。図１０では、実際には被写体Ｅ１１に対しても軸外収差が発生するが、レンズ群３０１ａの初期状態からの傾斜角度θは、被写体Ｅ１１の像に対してはほとんど影響を与えない程度に小さいものとしている。
【００５８】
また、図１１に示すように、撮像部２０１から被写体Ｅ１１までの距離ｄ１が、撮像部２０１から被写体Ｅ１２までの距離ｄ2より小さい場合（ｄ1＜ｄ2）、被写体Ｅ１２の像が、図１０に示す場合よりも光軸Ｌ１に対して遠くの位置から入射するため、撮像部２０１に形成される被写体Ｅ１２の収差ｓ3が収差ｓ2に比してさらに大きくなる（ｓ2＜ｓ3）。図１１においても、レンズ群３０１ａの初期状態からの傾斜角度θは、被写体Ｅ１１の像に対してはほとんど影響を与えない程度に小さいものとしている。
【００５９】
また、図１２に示すように、撮像部２０１から被写体Ｅ１１までの距離ｄ３が距離ｄ2に比して小さく（ｄ2＜ｄ3）、かつ初期状態から傾斜させた後のレンズ群３０１ａの光軸Ｌ1上に被写体Ｅ１１が位置している場合、被写体Ｅ１１にレンズ群３０１ａのピントを合わせると、被写体Ｅ１１と被写体Ｅ１２との差異がより一層強調されたものとなる。
【００６０】
図１３は、光学系３０１の光軸の変化に対応した画像の変化例を示す図である。図１３（ａ）に示す画像Ｗ１１は、初期状態にあるレンズ群３０１ａで、被写体である人物の顔にピント合わせをして撮像した画像である。また、図１３（ｂ）に示す画像Ｗ１２は、レンズ群３０１ａを初期状態から傾斜させた状態で、人物の顔にピント合わせをして撮像した画像である。画像Ｗ１１と画像Ｗ１２を比較すると、二つの画像とも人物の顔の周囲は放射状に広がってぼけている（破線で表示）が、そのぼけ量（収差）は画像Ｗ１２の方が画像Ｗ１１よりも大きくなっている。このように、光学系３０１の場合、レンズ群３０１ａを初期状態から傾斜させると、光軸付近とその周囲との差異を一層強調した画像を撮像することができる。
【００６１】
以上の構成を有する撮像装置１において、チルトレンズであるレンズ部３以外のレンズ部を装着することも可能である。そこで、以下の説明においては、撮像装置１に装着可能なレンズ部を総称して「レンズ部３Ｇ」という。レンズ部３Ｇは、少なくともレンズ通信部３０７とレンズ制御部３０９とを備えるものとする。
【００６２】
つぎに、以上の構成を有する撮像装置１が行う動作について説明する。図１４は、撮像装置１が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【００６３】
図１４において、撮像装置１が撮影モードに設定されている場合について説明する（ステップＳ１０１：Ｙｅｓ）。この場合、表示制御部２１５ｅは、ライブビュー画像を表示部２１０に表示させる（ステップＳ１０２）。また、レンズ制御部３０９は、本体制御部２１５との間でレンズ部３Ｇのレンズ状態の通信を行う（ステップＳ１０３）。
【００６４】
続いて、本体制御部２１５は、レンズ制御部３０９から入力される信号に基づいて、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズであるか否かを判断する（ステップＳ１０４）。本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズである場合（ステップＳ１０４：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ１０５へ移行する。一方、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ１０４：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ１１３へ移行する。
【００６５】
ステップＳ１０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズ（上述したレンズ部３）である場合（ステップＳ１０４：Ｙｅｓ）について説明する。以下、レンズ部３Ｇがチルトレンズである場合の処理を示すステップＳ１０５〜Ｓ１１０では、レンズ部３Ｇをレンズ部３と記載する。この場合、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像内にレンズ部３のピント領域を示すＭＦ（マニュアルフォーカス）ターゲットを表示部２１０に表示させる（ステップＳ１０５）。たとえば、図１５に示すように、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像Ｗ２１内にレンズ部３のピント領域を矩形状のフレームＭ１で表示部２１０に表示させる。これにより、ユーザは、ライブビュー画像を見てレンズ部３のピント領域を確認しながら撮影を行うことができる。
【００６６】
続いて、状態判定部２１５ｃは、レンズ部３の傾き操作が行われたか否かを判定する（ステップＳ１０６）。具体的には、状態判定部２１５ｃは、レンズ部３の傾き検出部３０４が光学系３０１の傾きを検出したか否かを判定する。レンズ部３の傾き操作が行われた場合（ステップＳ１０６：Ｙｅｓ）、撮像装置１は上述したステップＳ１０１へ戻る。一方、直前の傾き操作から所定時間内（たとえば３秒以内）にレンズ部３の傾き操作が行われていない場合（ステップＳ１０６：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ１０７へ移行する。
【００６７】
ステップＳ１０７において、撮影制御部２１５ｄは、基準位置に対する光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°であるか否かを判断する。基準位置に対する光学系３０１における光軸の傾斜角度φが０°である場合（ステップＳ１０７：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ１１３へ移行する。一方、基準位置に対する光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°でない場合（ステップＳ１０７：Ｎｏ）、撮影制御部２１５ｄは、レンズ部３のピントを調整するピント操作（繰り出し操作）が行われたか否かを判断する（ステップＳ１０８）。具体的には、撮影制御部２１５ｄは、レンズ部３の位置検出部３０３の検出結果に応じて、レンズ部３のピント操作が行われたか否かを判断する。レンズ部３のピント操作が行われた場合（ステップＳ１０８：Ｙｅｓ）、撮像装置１は上述したステップＳ１０１へ戻る。一方、直前のピント操作から所定時間内（たとえば３秒以内）にレンズ部３のピント操作が行われていない場合（ステップＳ１０８：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１０９に移行する。
【００６８】
ステップＳ１０９において、表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を行うまでの情報としてカウントダウンを表示部２１０に表示させる。たとえば、図１６に示すように、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像Ｗ３１中に撮像装置１が撮影を行うまでのカウントダウンとしてタイムゲージＧ１を表示部２１０に表示させる。これにより、ユーザは、撮像装置１に撮影を行わせたくない場合、タイムゲージＧ１のカウントがなくなる前にレンズ部３の傾き操作またはピント操作を行うことにより、撮像装置１の撮影を中止させることができる。さらに、ユーザは、撮像装置１が撮影を行うまでの時間を視認して直感的に把握することができる。
【００６９】
ステップＳ１０９の後、撮影制御部２１５ｄは、カウントダウンが終了したか否かを判断する（ステップＳ１１０）。カウントダウンが終了していない場合（ステップＳ１１０：Ｎｏ）、撮像装置１は上述したステップＳ１０１へ戻る。一方、カウントダウンが終了した場合（ステップＳ１１０：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ１１１に移行する。
【００７０】
ステップＳ１１１において、撮像装置１は、撮影制御部２１５ｄの制御のもと、撮影を行い、取得した画像データを記憶部２１２に記録する（ステップＳ１１２）。
【００７１】
ステップＳ１０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ１０４：Ｎｏ）について説明する。この場合、レンズ部３Ｇのピントを調整するピント操作が行われた場合（ステップＳ１１３：Ｙｅｓ）、そのピント操作が行われてから所定時間（たとえば３秒）が経過していないとき（ステップＳ１１４：Ｎｏ）、レンズ制御部３０９は、ピント操作の操作量に応じてレンズ部３Ｇのピントを調整し（ステップＳ１１５）、撮像装置１はステップＳ１１７へ移行する。一方、ピント操作が行われ（ステップＳ１１３：Ｙｅｓ）、かつそのピント操作が行われてから所定時間が経過しているとき（ステップＳ１１４：Ｙｅｓ）、レンズ制御部３０９は、レンズ駆動部３０２を駆動してレンズ部３ＧのＡＦ制御を行い（ステップＳ１１６）、撮像装置１はステップＳ１１７へ移行する。
【００７２】
ステップＳ１１７において、レリーズスイッチ２０９ｂが押されて静止画レリーズ信号が入力された場合（ステップＳ１１７：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ１１１に移行する。
【００７３】
ステップＳ１１７において、レリーズスイッチ２０９ｂを介して静止画レリーズ信号が入力されない場合（ステップＳ１１７：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１１８へ移行する。
【００７４】
ステップＳ１１２の後、電源スイッチ２０９ａが押された場合（ステップＳ１１８：Ｙｅｓ）、本体制御部２１５は、電源をオフする制御を行い（ステップＳ１１９）、一連の処理を終了する。
【００７５】
ステップＳ１１２の後、電源スイッチ２０９ａが押されない場合（ステップＳ１１８：Ｎｏ）において、レンズ部３Ｇが別のレンズ部３Ｇに交換されたとき（ステップＳ１２０：Ｙｅｓ）、本体制御部２１５は、新たに装着されたレンズ部３Ｇからレンズ種別情報を取得する（ステップＳ１２１）。その後、撮像装置１はステップＳ１０１へ戻る。一方、電源スイッチ２０９ａが押されない場合（ステップＳ１１８：Ｎｏ）において、レンズ部３Ｇが別のレンズ部３Ｇに交換されていなければ（ステップＳ１２０：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１０１へ戻る。
【００７６】
つぎに、ステップＳ１０１において、撮影モードに設定されていない場合（ステップＳ１０１：Ｎｏ）について説明する。この場合において、撮像装置１が再生モードに設定されているとき（ステップＳ１２２：Ｙｅｓ）、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０にファイル一覧を表示させる（ステップＳ１２３）。
【００７７】
続いて、操作入力部２０９またはタッチパネル２１１を介して拡大して表示するファイルが選択された場合（ステップＳ１２４：Ｙｅｓ）、表示制御部２１５ｅは、選択されたファイルを表示部２１０に再生表示させる（ステップＳ１２５）。
【００７８】
その後、別の画像ファイルが新たに選択された場合（ステップＳ１２６：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ１２５へ戻る。一方、別の画像ファイルが選択されない場合（ステップＳ１２６：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１２７へ移行する。
【００７９】
ステップＳ１２７において、操作入力部２０９またはタッチパネル２１１によって画像再生の終了指示が入力された場合（ステップＳ１２７：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ１１８に移行する。これに対して、終了指示が入力されていない場合（ステップＳ１２７：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１２３へ戻る。
【００８０】
ステップＳ１２４において、ファイルが選択されない場合（ステップＳ１２４：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１２７へ移行する。
【００８１】
ステップＳ１２２において、撮像装置１が再生モードに設定されていない場合（ステップＳ１２２：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ１０１へ戻る。
【００８２】
以上説明した本実施の形態１によれば、状態判定部２１５ｃが光学系３０１の光軸が基準位置から移動していると判定した場合、撮影制御部２１５ｄが撮像装置１における撮影を開始する制御を行う。この結果、レンズ部３の操作によってユーザの両手がふさがっていても容易に撮影を行うことができる。
【００８３】
さらに、本実施の形態１によれば、ユーザが撮影を行いたくないときにレンズ部３の傾き操作またはピント操作を行うことによって、撮影を中止することができる。
【００８４】
さらにまた、本実施の形態１によれば、カメラの使用条件に最適な撮影を始める条件にして無理なく撮影を可能にすることができる。
【００８５】
また、本実施の形態１によれば、表示制御部２１５ｅが撮像装置１によって撮影が行われるまでの情報を表示部２１０に表示させる。この結果、ユーザは、撮像装置１が撮影を行うまでの時間を視認して直感的に把握することができる。
【００８６】
また、本実施の形態１では、ユーザがレンズ部３の傾き操作を行うごとに、撮影制御部２１５ｄが撮像装置１に撮影を行わせるようにしてもよい。
【００８７】
なお、本実施の形態１では、光学系３０１ａの光軸が撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して傾斜可能であったが、たとえば、光学系３０１の光軸を、撮像部２０１の受光面となす角度を保持したまま移動可能としてもよい。
【００８８】
また、本実施の形態１では、ティルトによる光軸を傾ける変化について重点的に説明したが、光軸を平行に変更するシフトレンズにも応用可能である。
【００８９】
（実施の形態２）
つぎに、本発明の実施の形態２について説明する。なお、本発明の実施の形態２にかかる撮像装置は、上述した実施の形態１にかかる撮像装置１と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【００９０】
図１７は、本実施の形態２の撮像装置１の動作を模式的に説明する図である。図１８は、図１７に示す状況下に対応する画像の一例を示す図である。なお、図１７では、光学系３０１の光軸が撮像部２０１の受光面に直交する方向に対して上下方向に傾斜する場合についてのみ説明する。また、図１７では、上方向に傾斜する角度を正（＋）とし、下方向に傾斜する角度を負（−）とする。
【００９１】
図１７に示すように、撮像部２０１の受光面に対して光学系３０１の光軸が直交する（図１７（ａ））から光学系３０１の光軸を所定角度（θ）上方向に傾斜させた場合（図１７（ｂ））、撮像部２０１によって生成される画像が画像Ｗ４１（図１８（ａ））から画像Ｗ４２（図１８（ｂ）になる。この場合、ユーザが考えたぼける領域が変化する。このため、光学系３０１が上方向に傾斜した傾斜角度（θ）に応じて撮像装置１を所定角度（γ）下方向に傾斜させた場合（図１７（ｃ））、光学系３０１の傾斜によってピント領域間が変化する。そこで、本実施の形態２では、光学系３０１の光軸が傾斜した傾斜角度と、撮像装置１が傾斜した傾斜角度との和が所定範囲内（−５°＜θ＋γ＜５°）になった場合に、撮影制御部２１５ｄが撮像装置１に撮影を行わせる。
【００９２】
つぎに、本実施の形態２にかかる撮像装置１が行う動作について説明する。図１９は、撮像装置１が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【００９３】
図１９において、撮像装置１が撮影モードに設定されている場合を説明する（ステップＳ２０１：Ｙｅｓ）。この場合、表示制御部２１５ｅは、ライブビュー画像を表示部２１０に表示させる（ステップＳ２０２）。また、レンズ制御部３０９は、本体制御部２１５との間でレンズ部３Ｇのレンズ状態の通信を行う（ステップＳ２０３）。
【００９４】
続いて、本体制御部２１５は、レンズ制御部３０９から入力される信号に基づいて、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズであるか否かを判断する（ステップＳ２０４）。本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズである場合（ステップＳ２０４：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ２０５へ移行する。一方、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ２０４：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ２１５へ移行する。
【００９５】
ステップＳ２０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズ（上述したレンズ部３）である場合（ステップＳ２０４：Ｙｅｓ）について説明する。以下、レンズ部３Ｇがチルトレンズである場合の処理を示すステップＳ２０５〜Ｓ２１２では、レンズ部３Ｇをレンズ部３と記載する。この場合、表示制御部２１５ｅは、表示部２１０が表示するライブビュー画像内にレンズ部２のピント領域を表すＭＦターゲット（図１５を参照）を表示部２１０に表示させる。
【００９６】
続いて、状態判定部２１５ｃは、レンズ部３の傾き操作が行われたか否かを判定する（ステップＳ２０６）。レンズ部３の傾き操作が行われた場合（ステップＳ２０６：Ｙｅｓ）、撮像装置１は上述したステップＳ２０１へ戻る。一方、直前の傾き操作から所定時間（たとえば３秒以内）にレンズ部３の傾き操作が行われていない場合（ステップＳ２０６：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ２０７へ移行する。
【００９７】
ステップＳ２０７において、状態判定部２１５ｃは、基準位置に対して光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°であるか否かを判定する。基準位置に対して光学系３０１における光軸の傾斜角度φが０°である場合（ステップＳ２０７：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ２１５へ移行する。一方、基準位置に対して光学系３０１における光軸の傾斜角度θが０°でない場合（ステップＳ２０７：Ｎｏ）、状態判定部２１５ｃは、姿勢検出部２０５が検出する検出結果に応じて、撮像装置１が水平（γ＝０°）であるか否かを判定する（ステップＳ２０８）。撮像装置１が水平でない場合（ステップＳ２０８：Ｎｏ）、撮像装置１は後述するステップＳ２０９へ移行する。一方、撮像装置１が水平である場合（ステップＳ２０８：Ｙｅｓ）、撮像装置１は後述するステップＳ２１０へ移行する。
【００９８】
ステップＳ２０９において、撮影制御部２１５ｄは、光学系３０１の傾斜角度θと撮像装置１の傾斜角度γとの和が所定範囲内であるか否かを判断する。光学系３０１の傾斜角度θと撮像装置１の傾斜角度γとの和が所定範囲内でない場合（ステップＳ２０９：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ２０１へ戻る。一方、光学系３０１の傾斜角度θと撮像装置１の傾斜角度γとの和が所定範囲内である場合（ステップＳ２０９：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２１０へ移行する。
【００９９】
続いて、撮影制御部２１５ｄは、レンズ部３のピントを調整するピント操作が行われたか否かを判断する（ステップＳ２１０）。レンズ部３のピント操作が行われた場合（ステップＳ２１０：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２０１へ戻る。一方、直前のピント操作から所定時間、たとえば、３秒間内にレンズ部３のピント操作が行われていない場合（ステップＳ２１０：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ２１１へ移行する。
【０１００】
その後、表示制御部２１５ｅは、撮像装置１が撮影を行うまでの情報としてカウントダウン（図１６を参照）を表示部２１０に表示させる（ステップＳ２１１）。
【０１０１】
ステップＳ２１１の後、撮影制御部２１５ｄは、カウントダウンが終了したか否かを判断する（ステップＳ２１２）。カウントダウンが終了していない場合（ステップＳ２１２：Ｎｏ）、撮像装置１はステップＳ２０１へ戻る。一方、カウントダウンが終了した場合（ステップＳ２１２：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２１３へ移行する。
【０１０２】
ステップＳ２１３において、撮像装置１は、撮影制御部２１５ｄの制御のもと、撮影を行い、取得した画像を記憶部２１２に記録する（ステップＳ２１４）。
【０１０３】
ステップＳ２０４において、本体部２に装着されたレンズ部３Ｇがチルトレンズでない場合（ステップＳ２０４：Ｎｏ）について説明する。この場合、レンズ部３Ｇのピントを調整するピント操作が行われたとき（ステップＳ２１５：Ｙｅｓ）、そのピント操作が行われてから所定時間（たとえば３秒）が経過していないとき（ステップＳ２１６：Ｎｏ）、レンズ制御部３０９は、ピント操作の操作量に応じたレンズ部３Ｇのピントを調整し（ステップＳ２１７）、撮像装置１はステップＳ２１９へ移行する。一方、ピント操作が行われ（ステップＳ２１５：Ｙｅｓ）、かつそのピント操作が行われてから所定時間が経過しているとき（ステップＳ２１６：Ｙｅｓ）、レンズ制御部３０９は、レンズ駆動部３０２を駆動してレンズ部３ＧのＡＦ制御を行い（ステップＳ２１８）、撮像装置１はステップＳ２１９へ移行する。
【０１０４】
ステップＳ２１９において、レリーズスイッチ２０９ｂが押されて静止画レリーズ信号が入力された場合（ステップＳ２１９：Ｙｅｓ）、撮像装置１はステップＳ２１３へ移行する。ステップＳ２２０〜ステップＳ２２９は、図１４で説明したステップＳ１１８〜Ｓ１２７に順次対応する。
【０１０５】
以上説明した本発明の実施の形態２によれば、撮影制御部２１５ｄが傾き操作およびピント操作がなく、基準位置に対する光学系３０１の光軸の傾斜角度と撮像装置１の傾斜角度との和が所定範囲内になり所定時間経過したときに、撮像装置１における撮影動作を開始する制御を行う。この結果、レンズ部３の特性を生かしながら、自動的に撮影することができる。さらに、上述した実施の形態１と同様の効果を有する。
【０１０６】
図２０は、レンズ部の別な構成例の要部を示す図である。図２０に示すように、レンズ部６は、レンズ群３０１ａおよび絞り機構３０１ｄを保持する第１枠６１と、第１枠６１を保持する第２枠６２と、中心点Ｏ１を回転中心として第２枠６２を揺動可能に保持する第３枠６３と、第３枠６３を前後方向に移動可能に保持する第４枠６４とを有する。また、第３枠６３の内側には、傾き検出部３０４が設けられ、第４枠６４の内側には、位置検出部３０３が設けられる。
【０１０７】
このように構成されたレンズ部６を用いることにより、撮像部２０１の受光面と直交する方向に対する光学系３０１の光軸の向きを変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【０１０８】
図２１に示すように、ユーザによるレンズ操作部３０６の操作量に応じて第１枠６１および第２枠６２を前後方向に移動させることにより（図２１（ａ））、レンズ部６のピントを調整する。その後、ユーザがレンズ部６のレンズ鏡筒３０を操作し、第１枠６１および第２枠６２を所定の角度に傾斜させる（図２１（ｂ））。
【０１０９】
このように構成されたレンズ部６を用いることにより、撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して光学系３０１の光軸を変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【０１１０】
図２２は、レンズ部のさらに別な実施例を装着した撮像装置１の被写体に面する側（前面側）の構成を示す斜視図である。図２２に示すように、レンズ部７は、光学系７０１と、光学系７０１を前後方向に移動可能に保持するピント機構７０２と、ピント機構７０２を撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して傾斜可能に保持するボールソケット７０３とを備える。また、ピント機構７０２は、光学系７０１のピントを調整するレンズ操作部（ピントリング）７０２ａを有する。
【０１１１】
このように構成されたレンズ部７を用いることにより、撮像部２０１の受光面と直交する方向に対して光学系３０１の光軸を変更することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏する。
【０１１２】
また、上述した実施の形態では、撮像装置１をデジタル一眼レフカメラとして説明していたが、たとえばレンズ部３と本体部２とが一体に形成されたデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等の撮影機能と表示機能を備えた各種電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【０１１３】
１ 撮像装置
２ 本体部
３，６，７ レンズ部
４ アクセサリ
３０ レンズ鏡筒
３１，６１ 第１枠
３２，６２ 第２枠
３３，６３ 第３枠
６４ 第４枠
２０１ 撮像部
２０２ 撮像駆動部
２０３ 信号処理部
２０４ フラッシュ発光部
２０５ 姿勢検出部
２０６ タイマー
２０７ 第１通信部
２０８ 第２通信部
２０９ 操作入力部
２０９ａ 電源スイッチ
２０９ｂ レリーズスイッチ
２０９ｃ 撮影モード切換スイッチ
２０９ｄ 操作スイッチ
２０９ｅ メニュースイッチ
２０９ｆ 動画スイッチ
２１０ 表示部
２１１ タッチパネル
２１２ 記憶部
２１３ 電源部
２１４ 電源供給部
２１５ 本体制御部
２１５ａ 画像処理部
２１５ｂ 顔検出部
２１５ｃ 状態判定部
２１５ｄ 撮影制御部
２１５ｅ 表示制御部
３０１ 光学系
３０１ａ レンズ群
３０１ｂ ピント機構
３０１ｃ 傾き機構
３０１ｄ 絞り機構
３０２ レンズ駆動部
３０３ 位置検出部
３０４ 傾き検出部
３０５ 絞り駆動部
３０６，７０１ａ レンズ操作部
３０７ レンズ通信部
３０８ レンズ記憶部
３０８ａ 収差情報記憶部
３０９ レンズ制御部
４０１ アクセサリ通信部
７０１ 光学系
７０２ ピント機構
７０３ ボールソケット
【特許請求の範囲】
【請求項１】
１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、
前記変位量検出部が検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定部と、
前記状態判定部が前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項２】
前記撮影制御部は、前記光学系の光軸の変位量が所定時間維持された場合、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする請求項１に記載の撮像装置。
【請求項３】
水平面を基準としたときの当該撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、
前記撮影制御部は、前記変位量と前記姿勢とに基づいて、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする請求項１または２に記載の撮像装置。
【請求項４】
前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示部と、
当該撮像装置が撮影を開始するまでの時間を示す情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項２または３に記載の撮像装置。
【請求項５】
前記光学系は、当該撮像装置の本体部に対して着脱自在であることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項６】
１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、
前記変位量検出ステップが検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定ステップと、
前記状態判定ステップが前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御ステップと、
を実行させることを特徴とする撮像プログラム。
【請求項１】
１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置であって、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出部と、
前記変位量検出部が検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定部と、
前記状態判定部が前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御部と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項２】
前記撮影制御部は、前記光学系の光軸の変位量が所定時間維持された場合、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする請求項１に記載の撮像装置。
【請求項３】
水平面を基準としたときの当該撮像装置の姿勢を検出する姿勢検出部をさらに備え、
前記撮影制御部は、前記変位量と前記姿勢とに基づいて、当該撮像装置における撮影を開始する制御を行うことを特徴とする請求項１または２に記載の撮像装置。
【請求項４】
前記撮像部が生成した前記画像データに対応する画像を表示する表示部と、
当該撮像装置が撮影を開始するまでの時間を示す情報を前記表示部に表示させる表示制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項２または３に記載の撮像装置。
【請求項５】
前記光学系は、当該撮像装置の本体部に対して着脱自在であることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一つに記載の撮像装置。
【請求項６】
１または複数のレンズからなるレンズ群を有する光学系と、前記光学系によって集光された光を受光して電子的な画像データを生成する撮像部とを備え、前記光学系の光軸を変位させることが可能な撮像装置に、
前記光軸が前記撮像部の受光面と直交する位置を基準位置として、該基準位置からの変位量を検出する変位量検出ステップと、
前記変位量検出ステップが検出した前記変位量に応じて、前記光学系の状態を判定する状態判定ステップと、
前記状態判定ステップが前記光学系の光軸が前記基準位置から移動していると判定した場合、当該撮像装置における撮影を決定する条件を切替える撮影制御ステップと、
を実行させることを特徴とする撮像プログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【公開番号】特開２０１２−１４１５１７（Ｐ２０１２−１４１５１７Ａ）
【公開日】平成２４年７月２６日（２０１２．７．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−８６７（Ｐ２０１１−８６７）
【出願日】平成２３年１月５日（２０１１．１．５）
【出願人】（５０４３７１９７４）オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年７月２６日（２０１２．７．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１月５日（２０１１．１．５）
【出願人】（５０４３７１９７４）オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]