説明

撮像装置および撮像装置の制御方法

【課題】光学系の位置を検出し、かつ、光学系の駆動機構の小型化を図ることが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】圧縮コイルばねで光学系の駆動範囲内に弾性的に釣り合い支持されたAFレンズ12と、駆動手段を制御し、AFレンズ12を光軸に沿って駆動する駆動制御手段を備える撮像装置を設ける。撮像素子110が被写体の像信号を出力し、CPU111が像信号に基づき被写体像のコントラスト評価値を算出し、光学系の駆動用の駆動信号とコントラスト評価値との対応情報を記憶し、光学系の駆動用の駆動信号と、駆動信号と光学系の位置との対応情報とに基づき光学系の位置を算出する。CPU111が、算出されたコントラスト評価値と評価値情報とに基づき、コントラスト評価値に対応する駆動信号を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置および撮像装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体のコントラストを評価し、コントラストの評価結果に基づいて合焦動作を行うコントラストAF(TV−AFとも称する)を行う撮像装置が提案されている。例えば、特許文献1は、撮像素子からの輝度信号に基づいて、第1、第2の焦点評価値を出力し、第1、第2の焦点評価値のうち、真の焦点評価値を選択し、真の焦点評価値に基づいてフォーカスレンズを変位して合焦動作を実行するビデオカメラを開示する。なお、特許文献2は、コイルを複数に分けて配置したリニアモータを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−215268号公報
【特許文献2】特開2007−28715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1が開示するビデオカメラは、AFレンズ等の光学系の位置を検出する専用の位置検出手段を備えない。これにより、光学系の駆動機構を小型にすることができる。しかし、このビデオカメラは、AFレンズの位置を検出することができないので、例えば、至近撮影時の調光制御などの、AFレンズの位置に応じた様々な撮影条件制御を行うことができない。また、特許文献2が開示するリニアモータを撮像装置に適用し、リニアモータで光学系を駆動するようにした場合、以下のような問題がある。すなわち、このリニアモータは、複数のコイルの切り替え制御を行わず、光学系の駆動とは関係のないコイルも使用するので、省電力化を図ることができない。
【0005】
本発明は、上述した問題の少なくとも一つを解決するためになされたものである。本発明は、光学系の位置を検出し、かつ、光学系の駆動機構の小型化を図ることが可能な撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態の撮像装置は、弾性手段と、前記弾性手段によって、光学系の駆動範囲内に弾性的に釣り合い支持された光学系と、駆動手段を制御して、前記光学系を光軸に沿って駆動する駆動制御手段と、前記光学系を通過した光を光電変換して被写体の像信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段が出力した像信号に基づいて、被写体像のコントラスト評価値を算出する評価値算出手段と、前記駆動制御手段が出力する前記光学系の駆動に用いる駆動信号と前記コントラスト評価値とを対応付け、該駆動信号と該コントラスト評価値との対応情報を評価値情報として記憶手段に記憶する対応付け手段と、前記駆動制御手段が出力する前記駆動信号と、予め記憶手段に記憶された前記駆動信号と前記光学系の位置との対応情報とに基づいて、前記光学系の位置を算出する位置算出手段と、前記算出されたコントラスト評価値と、前記記憶手段に記憶された前記評価値情報とに基づいて、該算出されたコントラスト評価値に対応する前記駆動信号を決定する駆動信号決定手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の撮像装置によれば、光学系の位置を検出し、かつ、光学系の駆動機構の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例1の撮像装置の構成例を示す図である。
【図2】実施例1の撮像装置の全体構成図である。
【図3】コイルへの通電量とAFレンズの位置との関係を説明する図である。
【図4】撮像装置の合焦動作の例を説明する図である。
【図5】撮像装置の合焦動作の例を説明するフローチャートである。
【図6】駆動電流とAFレンズの位置との対応情報を示す図である。
【図7】コイルへの通電制御処理を説明するフローチャートである。
【図8】実施例2の撮像装置の構成例を示す図である。
【図9】駆動制御部の回路構成例である。
【図10】コイルへの通電制御処理の例を説明するフローチャートである。
【図11】コイルへの通電制御処理の例を説明するフローチャートである。
【図12】実施例3の撮像装置の構成例を示す図である。
【図13】コイルへの通電制御処理の例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施例1の撮像装置の構成例を示す図である。図1(A)は、撮像装置が備えるAFレンズの駆動機構の断面を示す。図1(B)は、図1(A)のA−A断面矢視図である。AF(Auto Focus)レンズ12は、フォーカスレンズであって、光学系の一部を構成する。レンズ保持枠13は、AFレンズ12を保持する。ガイド軸14は、レンズ保持枠13を光軸(撮影光軸)11に沿った方向に摺動支持する。支持軸15a、15bは、ガイド軸14を支持する。支持軸15a、15bは、図2に示す鏡筒21に設けられる。
【0010】
圧縮コイルばね16a、16bは、弾性手段であって、支持軸15a、15bとレンズ保持枠13の間に設けられる。圧縮コイルばね16a、16bは、ガイド軸14と同軸である。永久磁石17は、レンズを保持する保持部材であるレンズ保持枠13に固定され、矢印17a方向に着磁された磁性体(磁石)である。第1のコイルであるコイル19aと、第2のコイルであるコイル19bは、永久磁石17と対向し、コア18周りに巻かれて固定されたコイルである。コイル19bは、コイル19aよりも撮像素子側に配置されている。
【0011】
永久磁石17とコイル19aとコイル19bとが、駆動モータを構成し、この駆動モータが、AFレンズ12を駆動する駆動手段として機能する。本実施例の撮像装置は、コイル19a、19bを固定し、永久磁石17をレンズ保持枠13と共に移動させる可動磁石方式をとる。すなわち、永久磁石17は、駆動されるAFレンズ12と一体的に移動する。可動磁石方式によれば、永久磁石の撮影光軸11に沿った方向の長さを短くすることができる。
【0012】
撮像素子110には、AFレンズ12を含む不図示の光学系を介して光を受光し、受光した光を光電変換して被写体の像信号を出力する撮像手段である。駆動制御部112は、駆動指示部111aが出力した駆動制御信号に従って、駆動モータを制御し、AFレンズ12を駆動する。具体的には、駆動制御部112は、駆動指示部111aが出力した駆動制御信号に基づいて、コイル19a、19bに印加する駆動電圧を決定し、該決定した駆動電圧をコイル19a、19bに印加する。これにより、コイル19a、19bに駆動電流が流れ、駆動力が発生する。姿勢検出部113は、撮像装置の姿勢情報を検出する。
【0013】
CPU111は、撮像装置全体を制御する。CPU111は、カメラ本体部に設けられる。CPU111は、駆動指示部111a、評価値算出部111b、関連付け部111c、制御部111d、位置算出部111e、撮影制御部111fを備える。駆動指示部111aは、制御部111dから制御信号の通知を受け、通知された制御信号に従って、駆動制御部112に対して、コイル19a、19bに通電するように指示する(駆動制御信号を出力する)。
【0014】
駆動制御部112は、駆動指示部111aからの指示すなわち駆動制御信号に従って、コイルに通電することによって、駆動モータを駆動する。すなわち、制御部111d、駆動指示部111aおよび駆動制御部112が、駆動モータを制御して、AFレンズ12を撮影光軸11に沿って駆動する駆動制御手段として機能する。
【0015】
また、駆動指示部111aが出力する駆動制御信号または駆動制御部112がコイルに印加する駆動電圧が、AFレンズ12の駆動に用いる駆動信号として機能する。本実施例では、上記駆動制御信号をコイルに通電する駆動電流に換算した場合の当該駆動電流をAFレンズ12の駆動に用いる駆動信号として扱う。
【0016】
評価値算出部111bは、撮像素子110が出力する像信号に基づいて、被写体像のコントラスト評価値を算出する。関連付け部111cは、駆動指示部111aが出力する駆動制御信号と評価値算出部111bが出力するコントラスト評価値とを対応(関連)付ける対応付け手段として機能する。関連付け部111cは、駆動制御信号とコントラスト評価値との対応情報を評価値情報として記憶手段に記憶する。
【0017】
制御部111dは、関連付け部111cが記憶手段に記憶した評価値情報と、評価値算出部111bが算出したコントラスト評価値とに基づいて、当該コントラスト評価値に対応する駆動制御信号を決定する(駆動信号決定手段として機能する)。そして、制御部111dは、決定した駆動制御信号の出力を指示する制御信号を駆動指示部111aに対して通知する。
【0018】
位置算出部111eは、AFレンズ12の位置を算出する。位置算出部111eは、駆動指示部111aが出力する駆動制御信号から算出される駆動電流と、予め記憶手段に記憶された、駆動電流とAFレンズ12の位置との対応情報とに基づいて、当該算出される駆動電流に対応するAFレンズ12の位置を算出する。撮影制御部111fは、位置算出部111eが算出したAFレンズ12の位置に基づいて、被写体の位置を求め、求めた被写体の位置を撮影条件に反映させる。
【0019】
AFレンズ12は、圧縮コイルばね16a、16bの弾性力に逆らって駆動されるので、そのレンズ位置に依存して、コイル19a、19bに印加する駆動電流が変化する。従って、コイル19a、19bに印加する駆動電流に基づいて、AFレンズ12の位置を検出可能になる。
【0020】
位置算出部111eが、姿勢検出部113から撮像装置の姿勢情報を取得し、取得した姿勢情報を用いて、上記駆動電流とAFレンズ12の位置との対応情報を補正するようにしてもよい。そして、位置算出部111eが、駆動電流と補正後の対応情報とに基づいて、AFレンズ12の位置を算出するようにしてもよい。また、位置算出部111eが、コイル19a、19bに流れる電流を読み取り抵抗などを介して直接検出し、上記姿勢情報を用いて補正された対応情報と、当該検出した電流とに基づいて、AFレンズ12の位置を算出するようにしてもよい。
【0021】
図2は、実施例1の撮像装置の全体構成図である。鏡筒21は、撮影光学系を保持する。撮像光学系は、レンズ21a、21bおよびAFレンズ12、光学ローパスフィルタ22を備える。鏡筒21は、カメラ本体24に支持されており、カメラ本体24側のCPU111によりズーム制御、シャッタ制御、沈胴制御が行われる。絞り兼用シャッタ23は、絞り値に応じた可変開口型のシャッタである。カメラ本体24は、撮像素子110、CPU111、駆動制御部112、および背面液晶モニタ25を有する。
【0022】
図1に戻って、AFレンズ12は、圧縮コイルばね16a、16bによって、撮影光軸11の両方向から付勢されている。これにより、AFレンズ12は、光学系の駆動範囲内に弾性的に釣り合い支持される。その釣り合い中心は、カメラ本体24から2mの距離にある被写体にピントが合う位置に調整されている。釣り合い中心がこの位置に調整されているのは、最も被写体がいる頻度の高いピント位置にAFレンズを釣り合わせておくことによって、合焦速度を速めるようにするためである。
【0023】
コイル19a、19bに駆動電流を流すと、当該駆動電流と永久磁石17の磁束との関係から発生する駆動力が発生する。この駆動力によって、AFレンズ12が、撮影光軸11に沿って駆動する。しかし、レンズ保持枠13は、圧縮コイルばね16a、16bに挟まれているので、紙面左右両端方向に駆動されると、圧縮コイルばね16a、16bのバネ力は、その駆動量に比例して大きくなる。
【0024】
そして、このバネ力に見合う駆動力を与えることによって、AFレンズ12が所望の位置に駆動される。この駆動力は、コイル19a、19bに流す駆動電流と比例している。従って、コイル19a、19bに流す電流値に基づいて、AFレンズ12の位置の検出が可能になる。
【0025】
ガイド軸14には粘度の高いオイルが塗布されている。圧縮コイルばね16a、16bによる振動は、このオイルにより安定的に制動されている。シリコン製のダンパーなどをAFレンズ12と固定部間に設けることによって、圧縮コイルばね16a、16bによる振動を制動するようにしてもよい。
【0026】
前述したように、本実施形態の撮像装置は、永久磁石17をレンズ保持枠13と共に移動させる可動磁石方式をとる。この可動磁石方式を採用すると、コイルが長くなり駆動に使われないコイル部分の抵抗値が駆動効率を落とす場合がある。そこで、本実施例においては、コイルをコイル19a、19bの二つに分け、適宜使い分けることによって、駆動に使われないコイル部分を少なくする。
【0027】
図3は、コイルへの通電量とAFレンズの位置との関係を説明する図である。図3に示すグラフの横軸は、AFレンズ12の位置である。縦軸は、コイル19a、19bそれぞれへの通電量である。
【0028】
19Cは、圧縮コイルばね16a、16bで挟まれ釣り合っているAFレンズ12の位置である。この位置は、最も被写体がいる頻度の高いピント位置である。駆動制御部112がCPU111の指示に従ってコイルに通電することによって、圧縮コイルばね16a、16bのバネ力に逆らった駆動力が保持枠13に加わる。これにより、AFレンズ12が、図3に示す釣り合い位置19Cを挟んで、至近側(図3紙面左側)と無限側(図3紙面右側)に駆動される。
【0029】
以下に、コイル19a、19bに与える通電電流について説明する。保持枠13に加わる駆動力は、コイルへの通電電流と比例する。また、AFレンズ12の位置と、当該AFレンズ12の位置に応じて増加する圧縮コイルばね16a、16bのバネ力とは比例する。従って、コイルへの通電電流を制御することによって、AFレンズ12の位置を定めることができる。
【0030】
保持枠13が、圧縮コイルばね16a、16bによって釣り合い状態にある時の永久磁石17とコイル19a、19bの位置関係を、図1(B)に示す。図1(B)に示すように、永久磁石17は、コイル19aと19bの境界19cが永久磁石17の中央になるように、保持枠13上に固定されている。従って、永久磁石17の各々の端部と境界19cとの距離は等しい。具体的には、永久磁石17の左端部と境界19cとの間の領域36aの撮影光軸に沿った方向の長さと、永久磁石17の右端部と境界19cとの領域36bの撮影光軸方向の長さが等しい。
【0031】
図3に示す例では、領域36aと領域36bとを合わせた、位置35aから位置35bまでの領域の範囲が、永久磁石17のコイル19a、19bへの投影範囲である。すなわち、永久磁石17は、保持枠13が釣り合い状態にある場合、永久磁石17は、2つのコイルを跨ぐ状態にある。
【0032】
永久磁石が2つのコイルを跨いでいる状態で、例えばコイル19aのみに駆動電流を印加してAFレンズ12を矢印37a方向に駆動する場合を想定する。この場合に駆動力が発生するのは、コイル19aに対向する永久磁石17における領域36aのみである。
【0033】
図3中の直線32aのように、コイル19aの電流を増加させていくと、永久磁石17が矢印37a方向に移動するにつれて、コイル19aに対向する永久磁石17の領域が増加していく。これにより、コイル19aへの通電によるだけでなく、永久磁石17の移動によっても駆動力が増加する。従って、コイル19aの通電量と駆動力とは比例関係にならなくなってしまう。これを防ぐために、CPU111は、図3のように、AFレンズ12を矢印37a方向に駆動する時に、コイル19bにもコイル19aと同じ電流を直線33bのように印加する。これにより、永久磁石17の領域36bにおいても駆動力が発生する。このように、CPU111が、常に永久磁石17の全領域で駆動力が発生するようにコイルへの通電を制御することにより、コイルへの通電とAFレンズ12の位置との比例関係が保たれる。
【0034】
但し、永久磁石17の端が境界19cから抜けた時、すなわち、コイル19a内に永久磁石17の全領域が入った場合には、コイル19bの通電は無駄になる。従って、その場合には、図3の直線34bに示すように、コイル19bへの通電量を徐々に減らす。コイル19bへの通電量を徐々に減らすのは、急激に通電を切ることで連続性の無いAFレンズの挙動や好ましくない電気的ノイズ、音が発生するのを防ぐためである。
【0035】
AFレンズ12を矢印37b方向に移動させる場合のコイルへの通電は、AFレンズ12を矢印37a方向に移動させる場合のコイルへの通電と同様である。すなわち、CPU111は、直線32bで示すようにコイル19bに電流を印加して、圧縮バネ16a、16bのバネ力に対抗する駆動力を与える。そして、永久磁石17が境界19cにかかっている状態の時には,CPU111は、直線33aで示すようにコイル19aにも電流を印加して駆動力不足を補う。永久磁石17の全領域がコイル19bの領域に入った場合には、CPU111は、直線34aのように、コイル19aへの通電量を徐々に減らす。
【0036】
永久磁石17が境界19cを跨いでいる状態の時には、CPU111は、コイル19a、19bの双方に通電しなくてはならない。しかし、この状態においては、圧縮コイルばね16a、16bのバネ力は小さく、各々のコイル19a、19bへの通電量は少なくて済むので大きな電力消費にはならない。そして、永久磁石17の全領域がコイル19a、19bいずれかの領域に入った場合には、その領域における圧縮コイルばねの大きなバネ力と対抗する電流を与える必要がある。しかし、通電するコイルは19a、19bのいずれか一方のみであるので、電力増加を防ぐことができる。
【0037】
上述した通電制御を行って、コイルへの通電とAFレンズ12の位置との比例関係が保たれるようにした状態における、撮像装置の合焦動作について以下に説明する。
【0038】
図4は、撮像装置の合焦動作の例を説明する図である。図4に示すグラフの横軸は、AFレンズ12を光軸11に沿って駆動している時間である。縦軸は、AFレンズの位置である。直線42は、AFレンズ初期位置であって、圧縮コイルばね16a、16bでAFレンズ12が釣り合っている位置を示す。例えば、直線42は、被写体がカメラから2mの距離にある時に合焦させるAFレンズ位置である。直線43は、例えば被写体がカメラから5mの距離にある時に合焦させるAFレンズ位置である。
【0039】
コイル19a、19bには、高周波の交番信号も重畳させており、これによりAFレンズは、図4に示すように、例えば30Hzで振動駆動させられる。これは、ウォブリングと呼ばれる公知の技術であり、制御部111dは、この時の評価値算出部111bのコントラスト評価値の変化に基づいて、現在の被写体に対しAFレンズを合焦させるための駆動方向を判別する(波形41a)。制御部111dは、駆動方向を判別すると、判別された方向にAFレンズを駆動させるようにコイル19a、19bに駆動電流を印加してAFレンズを駆動する(波形41b)。
【0040】
評価値算出部111bのコントラスト評価値が増加している間は、制御部111dは、この動作を継続するように駆動指示部111aに駆動指示を行う。AFレンズ12が被写体に対して合焦位置を通過すると、制御部111dは、ウォブリング動作によって、合焦のための駆動方向が変化したと判断する。制御部111dが合焦のための駆動方向が変化したと判断した場合、駆動指示部111aが、コイル19a、19bに逆方向に通電を行い、AFレンズの位置を戻す(波形41c)。その後は、制御部111dは、ウォブリング動作に応じた、評価値算出部111bが出力するコントラスト評価値の変化に基づいて、AFレンズ12の駆動方向を切り替えるように駆動指示部111aに駆動指示を行う。これにより、被写体に常に合焦するように駆動制御がおこなわれる。
【0041】
CPU111が備える関連付け部111cは、位置算出部111eが算出するAFレンズ12の現在位置と評価値算出部111bが算出するコントラスト評価値とを常に関連付けており、その結果を次の駆動に反映する。具体的には、CPU111は、コントラスト評価値に対するAFレンズの位置が一旦定まると、短い期間において次回に同じコントラスト評価値が得られた場合には、一旦関連づけられたAFレンズ位置にAFレンズ12を駆動する。これにより、CPU111は、合焦の修正を早期に行う。
【0042】
図5は、撮像装置の合焦動作の例を説明するフローチャートである。撮像装置は、例えば、録画が開始されたこと等をトリガとして、合焦動作を開始する。まず、CPU111が、コイル19a、19bに交番電流を印加して、AFレンズ12のウォブリング動作を開始する(ステップS501)。次に、評価値算出部111bが、ウォブリング動作中のAFレンズ位置(AFレンズ12の光軸方向の異なる2か所の位置)において、撮像素子110が出力する像信号に基づいて、コントラスト評価値を算出する(ステップS502)。
【0043】
次に、CPU111(の制御部111d)が、ステップS502で求めた2か所の位置のコントラスト評価値の大小に基づいて、順方向にAFレンズを駆動すると合焦に近くなるかを判断する(ステップS503)。順方向とは、被写体側の方向である。CPU111が、順方向にAFレンズ12を駆動すると合焦に近くなると判断した場合は、ステップS504に進む。そして、CPU111は、順方向にAFレンズ12を駆動する(ステップS504)。CPU111が、逆方向にAFレンズ12を駆動すると合焦に近くなると判断した場合は、ステップS505に進む。そして、CPU111は、逆方向にAFレンズ12を駆動する(ステップS505)。逆方向とは、撮像素子側の方向である。
【0044】
次に、CPU111が、録画停止など合焦動作の停止指示がされたかを判断する(ステップS506)。合焦動作の停止指示がされてない場合は、ステップS502に戻る。合焦動作の停止指示がされた場合は、処理を終了する。
【0045】
図7は、実施例1におけるコイルへの通電制御処理を説明するフローチャートである。図7を参照して説明する通電制御処理は、例えば、録画開始等をトリガとして開始される。
【0046】
まず、位置算出部111eが、駆動指示部111aが出力した駆動制御信号を読み込む(ステップS701)。この例では、駆動制御信号は、電圧であるものとする。続いて、位置算出部111eが、ステップS701において読みこんだ駆動制御信号を、コイル19a、19bのうち、稼働しているコイルの抵抗で割って、コイル19a、19bに流す駆動電流の総量を算出する(ステップS702)。具体的には、CPU111がコイル19aのみしか稼働させていない場合には、位置算出部111eは、コイル19aの抵抗値を用いて駆動電流を算出する。また、CPU111が、コイル19a、19bを共に稼働させている場合には、位置算出部111eは、コイル19aとコイル19bの抵抗値の総和を用いて駆動電流を算出する。
【0047】
次に、位置算出部111eが、姿勢検出部113から撮像装置の姿勢情報を読みこむ(ステップS703)。続いて、位置算出部111eが、ステップS703において読み込んだ姿勢情報を用いて、記憶手段内の駆動電流とAFレンズ12の位置との対応情報を補正する(ステップS704)。すなわち、位置算出部111eが、駆動電流とAFレンズ12の位置との関係を補正する。
【0048】
図6は、駆動電流とAFレンズの位置との対応情報を示す図である。図6に示すグラフの縦軸はコイルへの通電量である。横軸はAFレンズ12の位置である。図6中の直線61が示す一次関数が、駆動電流とAFレンズ12の位置との対応情報である。位置算出部111eは、姿勢情報を用いて、直線61を直線65に補正する。具体的には、直線61が示す一次関数のY切片を姿勢情報で補正する。
【0049】
図7に戻って、位置算出部111eが、ステップS704において補正した対応情報(関数)を用いて、AFレンズ12の位置を算出する(ステップS705)。具体的には、位置算出部111eは、ステップS702において算出した駆動電流と、ステップS704において補正した対応情報とに基づいて、AFレンズ12の位置を算出する。算出されたAFレンズ12の位置は、撮影条件の制御に用いられる。本実施例においては、AFレンズ12の位置は、以下のようにコイル19a、19bの切り替えにも用いられる。
【0050】
ステップS706において、制御部111dが、ステップS705において算出したAFレンズ12の位置に基づいて、コイル19a、19bと永久磁石17の位置関係を計算する。そして、制御部111dが、計算した位置関係に基づいて、以下の判断処理を実行する。
【0051】
まず、制御部111dが、永久磁石17の、境界19cを基準とした順方向の領域の大きさが所定値(予め決められた値)以上であるかを判断する(ステップS706)。永久磁石17の当該順方向の領域の大きさが所定値以上である場合、制御部111dは、永久磁石17がコイル19aにのみ対向していると判断する。そして、処理がステップS709に進む。ステップS709において、制御部111dは、駆動指示部111aに対して制御信号を通知して、コイル19aにのみ通電するように指示し(ステップS709)、ステップS701に戻る。
【0052】
永久磁石17の当該順方向の領域の大きさが所定値以上でない場合、制御部111dは、永久磁石17の、境界19cを基準とした逆方向の領域が、予め決められた範囲以上であるかを判断する(ステップS707)。
【0053】
永久磁石17の当該逆方向の領域が所定値以上である場合、制御部111dは、永久磁石17がコイル19bにのみ対向していると判断する。そして、処理がステップS710に進む。ステップS710において、制御部111dは、駆動指示部111aに対して制御信号を通知して、コイル19bにのみ通電するように指示し(ステップS710)、ステップS701に戻る。
【0054】
永久磁石17の当該逆方向の領域の大きさが所定値以上でない場合、制御部111は、永久磁石17がコイル19aとコイル19bの双方に対向している、すなわち、双方を跨ぐ位置であると判断する。そして、処理がステップS708に進む。ステップS708において、制御部111dは、駆動指示部111aに対して制御信号を通知して、コイル19aとコイル19bの双方に通電するように指示し(ステップS708)、ステップS701に戻る。
【0055】
実施例1の撮像装置は、AFレンズ12の位置を検出する専用の位置検出手段を備えない。従って、実施例1の撮像装置によれば、光学系の駆動機構の小型化を図ることができる。また、実施例1の撮像装置によれば、駆動モータを駆動させる駆動制御信号に基づいて検出したAFレンズ12の位置に基づいて、被写体の位置を求め、求めた被写体の位置を撮影条件に反映させることができる。
【0056】
また、実施例1の撮像装置は、検出したAFレンズ12の位置に基づいて、コイルと永久磁石との位置関係を決定し、決定したコイルと永久磁石との位置関係に基づいて、通電するモータを切り替える。具体的には、永久磁石が、2つのコイルのうち、一方のコイルとのみ対向している場合には、撮像装置は、当該対向しているコイルにのみ通電する。また、永久磁石が、2つのコイルの双方と対向している場合には、撮像装置は、当該対向している双方のコイルに通電する。これにより、省電力化を図ることができる。
【0057】
図8は、実施例2の撮像装置の構成例を示す図である。図8(A)は、撮像装置が備えるAFレンズの駆動機構の断面を示す。図8(B)は、図8(A)のA−A断面矢視図である。図8(A)、(B)中に示す構成部のうち、図1(A)、(B)中に示す構成部と同一符号のものは、図1(A)、(B)中に示す構成部と同様である。
【0058】
実施例2の撮像装置と実施例1の撮像装置とは、以下の点で異なり、その他の点で同じである。すなわち、実施例2の撮像装置では、駆動制御部112の出力が直接位置算出部111eに入力する。また、実施例2の撮像装置では、圧縮コイルばね16a、16bは、AFレンズ12を、光学系の予め決められたズーム位置であって、コイル19aとコイル19bの境界近傍に釣り合い支持する。具体的には、圧縮コイルばね16a、16bは、AFレンズ12を、光学系のワイド位置におけるピント至近端に釣り合い支持する。
【0059】
また、実施例2の撮像装置は、駆動制御部112が出力する駆動電圧を位置算出部111eが読みこみ、読み込んだ駆動電圧をコイルの抵抗値で割って、駆動電流を求める。すなわち、本実施例では、駆動制御部112が出力する駆動電圧をコイルに通電する駆動電流に換算した場合の当該駆動電流をAFレンズ12の駆動に用いる駆動信号として扱う。実施例2における駆動電流を用いたAFレンズ12の位置の算出方法は、実施例1と同様である。
【0060】
図9は、実施例2における駆動制御部の回路構成例である。位置算出部111eが、共通の固定抵抗91両端に発生する電圧96よりコイル19a、19bに流れる電流総和を求め、当該電流総和に基づいて、AFレンズ12の位置を算出するようにしてもよい。図9において、各トランジスタのゲート92a、92b、93a、93b、94a、94b、95a、95bには、駆動指示部111aが出力する駆動制御信号が入力される。
【0061】
図8に戻って、実施例2においては、釣り合い位置は位置19cである。従って、撮像装置のズームワイド位置におけるピント調整範囲は、図8(B)中の矢印81の長さで示される。その結果、ズームワイド状態においては、コイル19bのみ駆動させれば、ピント調整が可能になる。ズームテレ状態においては、AFレンズ12を全域駆動させるためには、コイル19a、19b双方を駆動させなくてはならないが、実施例2の撮像装置は、コイルに与える負荷に応じて、通電するコイルの切り替えを行う。
【0062】
図10は、実施例2におけるコイルへの通電制御処理の例を説明するフローチャートである。図10を参照して説明する通電制御処理は、例えば、録画開始等をトリガとして開始される。
【0063】
まず、CPU111の駆動指示部111aが、撮像装置のズームがワイドであるかを判断する(ステップS1001)。撮像装置のズームがワイドである場合は、ステップS1006に進む。撮像装置のズームがワイドでない場合は、ステップS1002に進む。
【0064】
次に、ステップS1002において、駆動指示部111aが、コイル19a、19bへの印加電圧の状態を検出する。駆動指示部111aが、印加電圧が予め決められた値(例えば、2.5V)以上の正電圧であるかを判断する(ステップS1002)。印加電圧が予め決められた値以上の正電圧である場合は、ステップS1005に進む。そして、駆動指示部111aが、コイル19aにのみ通電するように制御して(ステップS1005)、ステップS1001に戻る。
【0065】
印加電圧が予め決められた値以上の正電圧でない場合は、ステップS1003に進む。そして、駆動指示部111aが、印加電圧が予め決められた値(例えば、2.5V)以上の負電圧であるかを判断する(ステップS1003)。印加電圧が予め決められた値以上の負電圧である場合は、ステップS1006に進む。そして、駆動指示部111aが、コイル19bにのみ通電するように制御して(ステップS1006)、ステップS1001に戻る。
【0066】
印加電圧が予め決められた値以上の負電圧でない場合は、ステップS1003に進む。そして、駆動指示部111aが、コイル19aとコイル19bの双方に通電するように制御して(ステップS1004)、ステップS1001に戻る。
【0067】
実施例2の撮像装置によれば、コイル19a、19bに与える電圧に基づいて、稼働させるコイルを容易に決定することができる。また、実施例2の撮像装置は、使用頻度の高いズームワイド状態の時には、コイル19bのみを使用するので、コイル19aの抵抗により無駄に電力を消費することを避けることができる。
【0068】
図11は、実施例2におけるコイルへの通電制御処理の他の例を説明するフローチャートである。まず、駆動指示部111aが、撮像装置のズームがワイドであるかを判断する(ステップS1001)。撮像装置のズームがワイドである場合は、駆動指示部111aが、コイル19bにのみ通電するように制御して(ステップS1006)、ステップS1001に戻る。撮像装置のズームがワイドでない場合は、駆動指示部111aが、コイル19aとコイル19bの双方に通電するように制御して(ステップS1004)、ステップS1001に戻る。
【0069】
図8乃至11を参照して説明したことから、実施例2の撮像装置(の駆動制御手段)は、光学系のズーム状態に基づいて、コイル19aまたはコイル19bのうち少なくとも一方を、駆動電圧を印加するコイルとして決定し、該決定したコイルに駆動電圧を印加する。これにより、簡単な構成でコイル19a、19bの切り替えが可能となり、使用頻度の高いワイド状態では、電力消費を抑えることができる。
【0070】
図12は、実施例3の撮像装置の構成例を示す図である。図12(A)は、撮像装置が備えるAFレンズの駆動機構の断面を示す。図12(B)は、図12(A)のA−A断面矢視図である。図12(A)、(B)中に示す構成部のうち、図8(A)、(B)中に示す構成部と同一符号のものは、図8(A)、(B)中に示す構成部と同様である。
【0071】
実施例3の撮像装置は、実施例2の撮像装置と以下の点で異なり、その他の点で同じである。実施例3の撮像装置では、圧縮コイルばね16a、16bは、AFレンズ12を、至近撮影時におけるAFレンズ12の駆動範囲と通常撮影時のAFレンズ12の駆動範囲との境界であって、コイル19aとコイル19bとの境界近傍に釣り合い支持する。従って、撮像装置の撮影モードがマクロモード(接写モード)である場合のピント調整範囲は、図12(B)中の矢印1201の長さで示される。その結果、撮影モードがマクロモードである場合、コイル19aのみ駆動させれば、ピント調整が可能になる。
【0072】
図13は、実施例3におけるコイルへの通電制御処理の例を説明するフローチャートである。まず、駆動指示部111aが、撮像装置の撮影モードがマクロモードであるかを判断する(ステップS1301)。撮像装置の撮影モードがマクロモードでない場合、すなわち、通常被写体撮影モードである場合には、駆動指示部111aが、コイル19bにのみ通電するように制御して(ステップS1006)、ステップS1301に戻る。撮像装置の撮影モードがマクロモードである場合は、駆動指示部111aが、コイル19aとコイル19bの双方に通電するように制御して(ステップS1004)、ステップS1301に戻る。
【0073】
図12および図13を参照した説明から、実施例3の撮像装置(の駆動制御手段)は、撮像装置の撮影モードに基づいて、コイル19aまたはコイル19bのうち少なくとも一方を、駆動電圧を印加するコイルとして決定し、該決定したコイルに駆動電圧を印加する。これにより、簡単な構成でコイル19a、19bの切り替えが可能となり、撮像装置の撮影モードが使用頻度の高い通常被写体撮影モードである場合に、電力消費を抑えることができる。
【0074】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0075】
12 AFレンズ
16a,16b 圧縮コイルばね
19a,19b コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性手段と、
前記弾性手段によって、光学系の駆動範囲内に弾性的に釣り合い支持された光学系と、
駆動手段を制御して、前記光学系を光軸に沿って駆動する駆動制御手段と、
前記光学系を通過した光を光電変換して被写体の像信号を出力する撮像手段と、
前記撮像手段が出力した像信号に基づいて、被写体像のコントラスト評価値を算出する評価値算出手段と、
前記駆動制御手段が出力する前記光学系の駆動に用いる駆動信号と前記コントラスト評価値とを対応付け、該駆動信号と該コントラスト評価値との対応情報を評価値情報として記憶手段に記憶する対応付け手段と、
前記駆動制御手段が出力する前記駆動信号と、予め記憶手段に記憶された前記駆動信号と前記光学系の位置との対応情報とに基づいて、前記光学系の位置を算出する位置算出手段と、
前記算出されたコントラスト評価値と、前記記憶手段に記憶された前記評価値情報とに基づいて、該算出されたコントラスト評価値に対応する前記駆動信号を決定する駆動信号決定手段とを備える
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記光学系の姿勢情報を検出する姿勢検出手段を備え、
前記位置算出手段は、さらに、前記検出された姿勢情報を用いて、前記記憶手段に記憶された前記駆動信号と前記光学系の位置との対応情報を補正し、補正した前記対応情報に基づいて、前記光学系の位置を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記駆動手段は、前記光学系を保持する保持部材に固定され、駆動される光学系と一体的に移動する磁性体と、第1および第2のコイルとを有する駆動モータを備え、
前記弾性手段は、前記光学系を、前記光学系の駆動範囲の中心であって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの境界近傍に釣り合い支持し、
前記駆動制御手段は、前記位置算出手段が算出した前記光学系の位置に基づいて、前記磁性体と前記第1および第2のコイルとの位置関係を判断し、前記磁性体が前記第1および第2のコイルを跨ぐ位置である場合に、前記第1および第2のコイルに対して駆動電圧を印加し、前記光学系の位置が、前記磁性体が前記第1、第2のコイルのうち、該第1のコイルにのみ対向することになる位置である場合に、該第1のコイルにのみ駆動電圧を印加し、前記光学系の位置が、前記磁性体が前記第1、第2のコイルのうち、該第2のコイルにのみ対向することになる位置である場合に、該第2のコイルにのみ駆動電圧を印加する
ことを特徴する請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記弾性手段は、前記光学系を、前記光学系の予め決められたズーム位置であって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの境界近傍に釣り合い支持し、
前記駆動制御手段は、前記光学系のズーム状態または前記撮像装置の撮影モードに基づいて、前記第1または第2のコイルのうち少なくとも一方を、駆動電圧を印加するコイルとして決定し、該決定したコイルに駆動電圧を印加する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第2のコイルが、前記第1のコイルよりも撮像素子側に配置されており、
前記弾性手段は、前記光学系を、前記光学系のワイド位置におけるピント至近端であって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの境界近傍に釣り合い支持し、
前記駆動制御手段は、
前記光学系のズーム状態がズームワイド状態である場合は、前記第2のコイルを前記駆動電圧を印加するコイルとして決定し、
前記光学系のズーム状態がズームワイド状態でない場合は、前記第1および第2のコイルを前記駆動電圧を印加するコイルとして決定する
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第2のコイルが、前記第1のコイルよりも撮像素子側に配置されており、
前記弾性手段は、前記光学系を、至近撮影時における前記光学系の駆動範囲と通常撮影時の前記光学系の駆動範囲との境界であって、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの境界近傍に釣り合い支持し、
前記駆動制御手段は、前記撮像装置の撮影モードが接写モードであるかを判断し、前記撮像装置の撮影モードが接写モードである場合は、前記第1および第2のコイルに駆動電圧を印加し、前記撮像装置の撮影モードが接写モードでない場合は、前記第2のコイルのみに駆動電圧を印加する
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
弾性手段と、前記弾性手段によって、光学系の駆動範囲内に弾性的に釣り合い支持された光学系と、駆動手段を制御して、前記光学系を光軸に沿って駆動する駆動制御手段とを備える撮像装置の制御方法であって、
前記撮像装置が備える撮像手段が、前記光学系を通過した光を光電変換して被写体の像信号を出力する工程と、
前記撮像装置が備える駆動制御手段が、前記撮像手段が出力した像信号に基づいて、被写体像のコントラスト評価値を算出する工程と、
前記撮像装置が備える対応付け手段が、前記駆動制御手段が出力する前記光学系の駆動に用いる駆動信号と前記コントラスト評価値とを対応付け、該駆動信号と該コントラスト評価値との対応情報を評価値情報として記憶手段に記憶する工程と、
前記撮像装置が備える位置算出手段が、前記駆動制御手段が出力する前記駆動信号と、予め記憶手段に記憶された前記駆動信号と前記光学系の位置との対応情報とに基づいて、前記光学系の位置を算出する工程と、
前記撮像装置が備える駆動信号決定手段が、前記算出されたコントラスト評価値と、前記記憶手段に記憶された前記評価値情報とに基づいて、該算出されたコントラスト評価値に対応する前記駆動信号を決定する工程とを有する
ことを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−73030(P2013−73030A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212162(P2011−212162)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】