説明

撮像装置

【課題】撮像装置の設定に関する情報の表示によってワイドビュー画像の周辺範囲が見えなくなることを回避する。
【解決手段】撮像装置100は、撮像素子14の出力を用いて画像を生成する画像生成手段20と、表示手段28と、該画像のうち第1の画像領域と該第1の画像領域を含み第1の画像領域よりも広い第2の画像領域とを切り替えて表示手段に表示させる表示制御手段50と有する。該撮像装置は、被写体に関する第1の情報を表示手段に表示させる機能と該撮像装置の設定に関する第2の情報を表示手段のうち周辺画面部分に表示させる機能とを有する。表示制御手段は、表示手段に第1の画像領域を表示させるときは、該表示手段への第1の情報及び第2の情報の表示を許容し、表示手段に第2の画像領域を表示させるときは、該表示手段への第1の情報の表示は許容して第2の情報の表示は制限する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等の撮像装置に関し、特にいわゆる拡大画像と広画角画像との表示切り替えが可能な撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等の撮像装置には、撮像素子からの出力を用いて生成された画像のうち一部の領域を電子処理によって拡大する電子ズーム機能を有するものが多い。電子ズーム機能を利用することで、光学ズームだけでは得られない高倍率の画像を取得することができる。
【0003】
電子ズーム機能を用いて撮像を行う際、静止した被写体であれば高倍率でズームインしても容易に該被写体を撮像範囲内に捉えることができる。ただし、運動会やスポーツ観戦等において、移動する被写体に対して高倍率でズームインすると、該被写体を常に撮像範囲内に捉えることが難しい。
【0004】
このような問題を解消できるようにした撮像装置が特許文献1,2にて開示されている。これらの撮像装置は、撮像素子からの出力を用いて生成された画像のうち撮像(記録)には使用されない周辺画像部分を使用して、ビューファインダに、記録される撮像範囲の画像部分とともに該周辺画像部分も同時に表示するワイドビューモードを有する。これにより、表示された周辺画像部分を利用しながら、撮像範囲でのフレーミングを容易に行うことが可能となる。
【特許文献1】特開2006−19882号公報
【特許文献2】特開2006−14221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
撮像装置は、オートフォーカスを行う領域を表示するAF枠や、測光を行う領域を表示する測光枠や、被写体(人物)の顔の検出位置を表示する顔枠といった被写体に関する情報をビューファインダ画像中の被写体に重ねて表示する機能を有する。また、撮像装置は、記録画像サイズ設定、ホワイトバランス設定、フラッシュのオン/オフ設定、単写/連写設定、タイマー設定等、撮像装置の設定に関する情報を、アイコンによってビューファインダ画像の周辺部分に重ねて表示する機能を有する。
【0006】
しかしながら、撮像装置の設定に関する情報を多数表示した状態でワイドビューモードにすると、記録される画像部分とともに表示されている周辺画像部分が表示された情報によって見えなくなる。このため、ワイドビューモードをフレーミングにおいて有効に利用することができなくなる。
【0007】
本発明は、ワイドビューモードにおいて、撮像装置の設定に関する情報の表示によってワイドビュー画像の周辺範囲が見えなくなることを回避しつつ、被写体に関する情報の確認をできるようにした撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像素子の出力を用いて画像を生成する画像生成手段と、表示手段と、該画像のうち第1の画像領域と該第1の画像領域を含み第1の画像領域よりも広い第2の画像領域とを切り替えて表示手段に表示させる表示制御手段と有する。該撮像装置は、被写体に関する第1の情報を表示手段に表示させる機能と該撮像装置の設定に関する第2の情報を表示手段のうち周辺画面領域に表示させる機能とを有する。そして、表示制御手段は、表示手段に第1の画像領域を表示させるときは、該表示手段への第1の情報及び第2の情報の表示を許容し、表示手段に第2の画像領域を表示させるときは、該表示手段への第1の情報の表示は許容して第2の情報の表示は制限することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の一側面としての撮像装置の制御方法は、撮像素子を有し、被写体に関する第1の情報を表示手段に表示させる機能と該撮像装置の設定に関する第2の情報を表示手段のうち周辺画面領域に表示させる機能とを有する撮像装置に適用される。該制御方法は、撮像素子の出力を用いて画像を生成するステップと、該画像のうち第1の画像領域と該第1の画像領域を含み第1の画像領域よりも広い第2の画像領域とを切り替えて表示手段に表示させる表示制御ステップとを有する。そして、表示制御ステップにおいて、表示手段に第1の画像領域を表示させるときは、該表示手段への第1の情報及び第2の情報の表示を許容し、表示手段に第2の画像領域を表示させるときは、該表示手段への第1の情報の表示は許容して第2の情報の表示は制限することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第2の画像領域を表示させるときには被写体に関する情報の表示は許容し、撮像装置の設定に関する情報の表示は制限するので、第2の画像領域の周辺範囲が見えなくなることを回避できる。したがって、第2の画像領域を表示させた状態で、被写体に関する情報を確認しながら容易にフレーミングを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図1には、それぞれ本発明の実施例である撮像装置としてのデジタルカメラの構成を示す。
【0013】
図1において、100はデジタルカメラ(以下、カメラという)である。カメラ100において、10は撮像光学系としての撮像レンズ、12は絞り機能を備えたシャッタである。14は光学像(被写体像)を光電変換して電気信号を出力するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子である。16は撮像素子14からのアナログ信号出力をデジタル信号に変換するA/D変換器である。
【0014】
18はタイミング発生部であり、撮像素子14、 A/D変換器16及びD/A変換器26にクロック信号を供給する。該タイミング発生部18は、メモリ制御部22及び後述するシステム制御部50により制御される。
【0015】
20は画像処理部(画像生成手段)であり、A/D変換器16又はメモリ制御部22からのデジタル撮像信号に対して、画素補間処理、色変換処理、AWB(オートホワイトバランス)処理等の各種画像処理を行う。これにより、撮像素子14の出力を用いた画像データ(画像)が生成される。
【0016】
また、画像処理部20は、生成した画像データを用いて所定の演算処理を行う。システム制御部50は、その演算結果に基づいて、露光制御部40、フォーカス制御部42及びフラッシュ48を制御する。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAE(自動露出)処理、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。また、画像処理部20は、生成した画像データを用いて所定の演算処理を行い、その演算結果に基づいて、TTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0017】
メモリ制御部22は、A/D変換器16、タイミング発生部18、画像処理部20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30及び圧縮・伸長部32を制御する。
【0018】
画像処理部20からの画像データ又はA/D変換器16からのデジタル撮像信号は、メモリ制御部22を介して画像表示メモリ24又はメモリ30に書き込まれる。
【0019】
28はLCD等により構成される画像表示部(表示手段)である。画像表示メモリ24に書き込まれた表示用画像データ(以下、EVF画像という)は、後述する電子ズームOFF画像、ノーマルビュー画像又はワイドビュー画像として、D/A変換器26を介して画像表示部28に送られる。EVF画像が画像表示部28で表示されることにより、電子ファインダ(EVF)機能が実現される。
【0020】
メモリ30は、生成された静止画像や動画像を格納する。また、メモリ30は、システム制御部50の作業領域としても使用される。
【0021】
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮伸長する圧縮・伸長部であり、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを再びメモリ30に書き込む。
【0022】
40はシャッタ12を制御する露光制御部であり、フラッシュ48と連携したフラッシュ調光機能も有する。
【0023】
42はフォーカス制御部であり、システム制御部50とともに撮像レンズ10のオートフォーカス制御(AF処理)を行う。AF処理により、合焦目標となる被写体に対する撮像レンズ10の合焦状態が得られる。
【0024】
44は撮像レンズ10の光学ズーム動作を制御するズーム制御部である。
【0025】
46はレンズバリア102の動作を制御するバリア制御部である。フラッシュ48は、被写体に対して照明光を照射し、AF補助光の投光機能や前述したフラッシュ調光機能も有している。
【0026】
露光制御部40及びフォーカス制御部42はTTL方式を用いて制御されている。すなわち、システム制御部50は、画像処理部20において生成された画像データを用いた演算結果に基づいて、露光制御部40及びフォーカス制御部42を制御する。また、システム制御部50は、露光制御部40及びフォーカス制御部42のほか、カメラ100全体の動作を制御する。
【0027】
さらに、システム制御部50は、表示制御手段としても機能し、画像表示部28でのEVF画像としての電子ズームOFF画像、ノーマルビュー画像及びワイドビュー画像の表示切り替えを制御する。また、システム制御部50は、後述するカメラ100の設定に関する情報及び被写体に関する各種情報表示要素の表示を制御する。
【0028】
52はシステム制御部50の動作用の定数、変数、コンピュータプログラム等のデータを記憶するメモリである。
【0029】
54は情報表示部であり、文字、画像、音声等を用いてカメラ100の動作状態やメッセージ等を示す情報を出力する。情報表示部54は、液晶表示素子やスピーカ等により構成されている。情報表示部54は、一部の情報を光学ファインダ104を介してファインダ画面内に表示する。
【0030】
56は電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、EEPROM等が用いられる。
【0031】
60はモードダイアルであり、撮像モード(静止画撮像モードや動画撮像モード)、再生モード等の各機能を切り替え設定するために操作される。
【0032】
62は撮像準備スイッチ(SW1)であり、不図示のシャッタボタンの第1ストローク操作(半押し操作)によりONとなり、測光結果に基づくAE処理やAF処理等の撮像準備動作を開始させる。
【0033】
64は撮像記録スイッチ(SW2)であり、シャッタボタンの第2ストローク操作(全押し操作)によりONとなり、撮像記録動作を開始させる。ここにいう撮像記録動作は、シャッタ12の開閉動作、撮像素子14からの撮像信号に基づいて画像処理部20にて画像データを生成する動作、画像データをメモリ制御部22を介してメモリ30に書き込む動作を含む。また、メモリ30から画像データを読み出して、圧縮・伸長部32で圧縮し、記録媒体200又は210に記録する動作も含む。これら一連の撮像記録動作は、記録用画像の取得動作ということもできる。
【0034】
66は表示切替スイッチであり、ユーザが画像表示部28での表示のノーマルビュー画像とワイドビュー画像の切り替え指示を入力するための操作部材である。
【0035】
70は各種ボタンやタッチパネル等を含む操作部であり、カメラ100の機能選択や各種設定を行うためのメニュー画面を表示させたり、メニュー項目を決定したりするために操作される。また、操作部70には、カメラ100の設定に関する情報及び被写体に関する情報の画像表示部28への表示をON/OFFする情報表示スイッチ(図示せず)が含まれる。
【0036】
72はユーザにより操作されるズームスイッチであり、望遠側へのズームを指示するテレスイッチと広角側へのズームを指示するワイドスイッチとにより構成されている。ズームスイッチ72が操作されることにより、ズーム制御部44は、撮像レンズ10に、画角(倍率)を変更させる光学ズームを行わせる。また、ズームスイッチ72が操作されることにより、システム制御部50は、画像処理部20に、生成した画像データのうち一部の画像領域の切り出しとその拡大処理を行わせる。これにより、電子ズームが行われる。
【0037】
74は被写体検出部(被写体検出手段)であり、画像処理部20で生成された画像データから、パターンマッチング等の画像処理技術を用いて人物の顔等の被写体を検出する。
【0038】
80は電源制御部であり、電池残量の検出を行う電池検出部、電池からの電源電圧を所定の動作電圧に変換するDC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ部等を含む。
【0039】
86は電池であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池が使用される。82,84は電池86とカメラ100との電気的接続を行うためのコネクタである。
【0040】
90,94はそれぞれ、記録媒体200,210との通信を行うためのインタフェースであり、92,96はそれぞれ、記録媒体200,210に接続されるコネクタである。
【0041】
110は通信部であり、RS232C、USB、IEEE1394、無線通信等の通信機能を有する。
【0042】
112は通信部110を介してカメラ100に他の機器を接続するコネクタであり、無線通信を行う場合はアンテナが接続される。
【0043】
記録媒体200,210にはそれぞれ、カメラ100との通信を行うためのインタフェース204,214、及びカメラ100とインタフェース204,214との電気的接続を行うコネクタ206,216を有する。記録部202,212には、カメラ100から出力される圧縮画像データや音声データが書き込まれる。記録部202,212は、半導体メモリや光ディスク等により構成される。
【0044】
ここで、EVF画像として画像処理部20で生成された画像データのうち一部の画像領域としての第1の画像領域が電子ズームによって拡大された画像をノーマルビュー画像という。該ノーマルビュー画像を画像表示部28の画面全体に表示させる表示モードをノーマルビューモードという。ノーマルビュー画像は、撮像によって記録される画像に相当する。
【0045】
また、画像処理部20で生成された画像データのうち、第1の画像領域を含み、該第1の画像領域よりも広い第2の画像領域に相当する画像をワイドビュー画像という。ワイドビュー画像を画像表示部28の画面全体に表示させる表示モードをワイドビューモードという。第2の画像領域は、電子ズームが使用されていないときに画像表示部28に表示される画像領域よりも狭いが、第1の画像領域よりは広い画像領域に相当する。なお、電子ズームが使用されていないときに画像表示部28に表示される画像を、電子ズームOFF画像という。
【0046】
カメラ100(システム制御部50)は、画像表示部28に、オートフォーカスのための焦点検出領域を表示するAF枠、測光領域を表示するAE枠、人物の顔の検出位置(被写体検出領域)を表示する顔枠等の被写体に関する情報を表示する機能を有する。また、被写体に関する情報には、オートホワイトバランス(AWB)における白色を取り出す領域(白色抽出領域)も含まれ、該白色抽出領域は、WB枠として表示される。これら被写体に関する情報は、画像表示部28に表示されたEVF画像における被写体又はその近傍に重畳されて表示される。
【0047】
なお、被写体に関する情報としては、AF枠,AE枠、顔枠及びWB枠のすべてを含む必要はなく、これらのうち少なくとも1つを含めばよい。また、AF枠,AE枠、顔枠及びWB枠以外の被写体に関する情報を含んでいてもよい。
【0048】
また、カメラ100(システム制御部50)は、記録画像サイズ設定、ホワイトバランス設定、フラッシュのオン/オフ設定、単写/連写設定、タイマー設定等、カメラ100の設定に関する情報を、アイコンによって表示する機能を有する。その他、撮像モード、露出補正値、圧縮率、記録画素数、ISO感度、残動画撮影時間、残静止画撮像枚数等も、カメラ100の設定に関する情報に含まれる。これらカメラ100の設定に関する情報(アイコン)は、画像表示部28における周辺画面領域にて、EVF画像に重畳されて表示される。
【0049】
図2のフローチャートには、システム制御部50にて行われる表示制御処理の流れを示している。この処理(制御方法)は、コンピュータプログラムに従って実行される。
【0050】
カメラ100の電源が投入(ON)されると、システム制御部50が起動する。システム制御部50は、画像表示部28にEVF画像(電子ズームOFF画像)を表示する。その後、システム制御部50は、ズームスイッチ72が操作されて電子ズーム状態になったか否かを判定する。電子ズーム状態になった場合はノーマルビューモードに入り、画像表示部28に、電子ズーム倍率に応じたノーマルビュー画像を表示させる。
【0051】
ステップS1101では、表示切替スイッチ66がノーマルビュー側とワイドビュー側のいずれかに操作されたか否かを判定する。ノーマルビュー側に操作された場合はステップS1104に、ワイドビュー側に操作された場合はステップS1102に進む。ノーマルビュー側にもワイドビュー側にも操作されていない場合は、このステップでの判定をする前の表示モードを維持する。
【0052】
ステップS1102では、システム制御部50は、ワイドビューモードに入り、画像表示部28へのワイドビュー画像の表示を開始する。ワイドビューモードでは、撮像素子14の出力を用いて生成された画像データのうち一部の領域を切り出して、撮像(記録)用の画像範囲(第1の範囲:以下、撮像範囲という)の画像として画像表示部28に表示する。さらに、ワイドビューモードでは、該撮像範囲の画像だけではなく、撮像範囲外の周辺範囲(第2の範囲:以下、非撮像範囲ともいう)の画像も同時に表示する。
【0053】
ワイドビューモードでは、ズームスイッチ72のテレスイッチの操作により画角を望遠側に変更することができるとともに、ワイドスイッチの操作により画角を広角側に変更することができる。
【0054】
また、ワイドビューモードでは、ワイドビュー画像のうち撮像範囲をユーザが明確に認識できるように、画像表示部28上において、ワイドビュー画像のうち撮像範囲を枠で囲んで表示する。
【0055】
ただし、図3に示すように、ワイドビュー画像のうちノーマルビュー画像に相当する撮像範囲1201と非撮像範囲1202との表示状態を異ならせてもよい。図3では、撮像範囲1201を通常の非透過表示状態とし、非撮像範囲1202を半透過表示状態としている。これ以外に、撮像範囲1201を通常のフルカラー表示状態とし、非撮像範囲1202をモノクロ表示状態としてもよい。
【0056】
ワイドビューモードにおいて、ステップS1103では、システム制御部50は、前述した被写体に関する情報(第1の情報:図には「被写体情報」と記す)の画像表示部28への表示は許容する。しかし、カメラ100の設定に関する情報(第2の情報:図には「設定情報」と記す)の画像表示部28への表示は制限(禁止)する。
【0057】
一方、ステップS1104では、システム制御部50は、ノーマルビューモードによる画像表示部28へのワイドビュー画像の表示を開始する。
【0058】
そして、ステップS1105では、システム制御部50は、被写体に関する情報とカメラ100の設定に関する情報の双方についての画像表示部28への表示を許容する。これにより、被写体に関する情報とカメラ100の設定に関する情報のいずれか一方のみの表示と双方の同時表示が許容される。
【0059】
その後、ステップS1106において、システム制御部50は、被写体に関する情報(例えばAF枠、AE枠、WB枠又は顔枠)を取得したか否かを判定する。被写体に関する情報を取得していない場合は、そのまま本処理を終了する。一方、被写体に関する情報を取得した場合は、ステップS1107に進む。
【0060】
ステップS1107では、システム制御部50は、現在の表示モードがワイドビューモードか否かを判定する。ワイドビューモードでなければ(ノーマルビューモードであれば)ステップS1109に進み、ワイドビューモードであればステップS1108に進む。
【0061】
ステップS1108では、システム制御部50は、被写体に関する情報を示す枠の大きさを算出する。具体的には、ノーマルビュー画像にて表示する枠の大きさをαとし、ワイドビュー画像全体のサイズに対する撮像範囲のサイズの割合をβ(例えば、0.5)とするとき、α×βを計算する。なお、αは、電子ズーム倍率に応じて求められる。これにより、ワイドビュー画像における撮像範囲に重畳表示される枠の大きさを、該撮像範囲の大きさに合わせることができる。その後、ステップS1109に進む。
【0062】
ステップS1109では、システム制御部50は、前述した情報表示スイッチにより被写体に関する情報を表示するモードが設定されているか否かを判定する。該モードが設定されているときは、表示モードにかかわらず、ステップS1106にて取得した被写体に関する情報を、画像表示部28に表示されているノーマルビュー画像上又はワイドビュー画像における撮像範囲上に重畳表示させる。
【0063】
また、本ステップにおいて、システム制御部50は、情報表示スイッチによりカメラ100の設定に関する情報を表示するモードが設定されているか否かも判定する。該モードが設定されているときは、現在の表示モードがノーマルビューモードである場合に限り、カメラ100の設定に関する情報を画像表示部28に表示されているノーマルビュー画像上に重畳表示させる。すなわち、現在の表示モードがワイドビューモードである場合には、カメラ100の設定に関する情報の表示を行わない。
【0064】
図3には、ワイドビュー画像の撮像範囲において、被写体に関する情報(AF枠,AE枠又はWB枠)1203が被写体に重畳されて表示されている例を示している。ワイドビューモードにおいて、カメラ100の設定に関する情報の表示が制限されることで、ワイドビュー画像における周辺範囲(非撮像範囲)がカメラ100の設定に関する情報の表示によって見えなくなることを回避できる。したがって、この周辺範囲の画像も利用しながら撮像範囲でのフレーミングを行うことができる。
【0065】
また、図4には、ノーマルビュー画像1301上に、被写体に関する情報(AF枠,AE枠又はWB枠)1302が被写体に重畳されて表示され、カメラ100の設定に関する様々な情報1303が画像表示部28の周辺画面領域に表示されている例を示している。
【0066】
以上説明したように、本実施例によれば、ワイドビューモードにおいて被写体に関する情報の表示は許容するが、カメラ100の設定に関する情報の表示は制限することで、ワイドビュー画像の周辺範囲も有効に利用して撮像範囲でのフレーミングを行うことができる。したがって、高い電子ズーム倍率が設定されている場合においても、動く被写体を追い易く、該被写体を撮像範囲内に捉えた撮像を容易に行うことができる。
【0067】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例であるデジタルカメラの構成を示すブロック図。
【図2】実施例における表示制御処理の流れを示すフローチャート。
【図3】実施例におけるワイドビューモードでの表示例を示す図。
【図4】実施例におけるノーマルビューモードでの表示例を示す図。
【符号の説明】
【0069】
10 撮像レンズ
12 シャッタ
14 撮像素子
20 画像処理部
28 画像表示部
50 システム制御部
74 被写体検出部
100 デジタルカメラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子を有する撮像装置であって、
前記撮像素子の出力を用いて画像を生成する画像生成手段と、
表示手段と、
前記画像のうち第1の画像領域と該第1の画像領域を含み前記第1の画像領域よりも広い第2の画像領域とを切り替えて前記表示手段に表示させる表示制御手段と有し、
該撮像装置は、被写体に関する第1の情報を前記表示手段に表示させる機能と該撮像装置の設定に関する第2の情報を前記表示手段のうち周辺画面領域に表示させる機能とを有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段に前記第1の画像領域を表示させるときは、該表示手段への前記第1の情報及び前記第2の情報の表示を許容し、前記表示手段に前記第2の画像領域を表示させるときは、該表示手段への前記第1の情報の表示は許容して前記第2の情報の表示は制限することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記表示手段に前記第2の画像領域と前記第1の情報を表示するときは、前記第2の画像領域のうち前記第1の画像領域に相当する第1の範囲と該第1の範囲外の第2の範囲とで表示状態を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の情報は、焦点検出領域、測光領域、白色抽出領域、及び被写体検出領域のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮像素子を有し、被写体に関する第1の情報を表示手段に表示させる機能と該撮像装置の設定に関する第2の情報を前記表示手段のうち周辺画面領域に表示させる機能とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像素子の出力を用いて画像を生成するステップと、
前記画像のうち第1の画像領域と該第1の画像領域を含み前記第1の画像領域よりも広い第2の画像領域とを切り替えて表示手段に表示させる表示制御ステップとを有し、
前記表示制御ステップにおいて、前記表示手段に前記第1の画像領域を表示させるときは、該表示手段への前記第1の情報及び前記第2の情報の表示を許容し、前記表示手段に前記第2の画像領域を表示させるときは、該表示手段への前記第1の情報の表示は許容して前記第2の情報の表示は制限することを特徴とする撮像装置の制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−35110(P2010−35110A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−197758(P2008−197758)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】