説明

撮像装置

【課題】本発明は、撮影フレーム中に存在する人物の顔領域の検出確率をより向上させた撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために本発明の撮像装置は、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、生成された画像データを記録する記録手段と、撮像指示を受け付けることにより、生成された画像データを記録手段に記録するよう制御する記録制御手段と、画像データに所定の画像処理を施す画像処理手段と、撮像指示を出すタイミングを設定するタイミング設定手段と、設定されたタイミングまでの期間において、所定の画像処理が施された画像から被写体を検出する検出手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被写体の検出機能を有する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セルフタイマが開始されてから撮像動作までの待ち時間中に被写体の顔を検出するデジタルカメラが知られている。例えば特許文献1は、セルフタイマが開始されてからの撮像動作までの待ち時間中に検出された顔領域に対してAF/AEなどの撮影条件の設定を行うデジタルカメラを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-136035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のデジタルカメラは、撮影フレーム中に存在するのにも関わらず検出されなかった人物の顔領域に対してはAF/AEなどの撮影条件の設定を行うことができない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、撮影フレーム中に存在する人物の顔領域の検出確率をより向上させた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の撮像装置は、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、生成された画像データを記録する記録手段と、撮像指示を受け付けることにより、生成された画像データを記録手段に記録するよう制御する記録制御手段と、画像データに所定の画像処理を施す画像処理手段と、撮像指示を出すタイミングを設定するタイミング設定手段と、設定されたタイミングまでの期間において、所定の画像処理が施された画像から被写体を検出する検出手段とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、撮影フレーム中に存在する人物の顔領域の検出確率をより向上させた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係るデジタルカメラ100の電気的構成図
【図2】実施の形態1に係るデジタルカメラ100の本体背面図
【図3】実施の形態1に係るデジタルカメラ100のセルフタイマ動作フローチャート
【図4】実施の形態1に係るデジタルカメラ100の顔選択動作フローチャート
【図5】画像の切り出しおよび拡大処理を説明するための図
【図6】登録顔を優先的に選択する処理を説明するための図
【図7】実施の形態2に係るデジタルカメラ100のセルフタイマ動作フローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔1.実施の形態1〕
実施の形態1のデジタルカメラ100は、セルフタイマが開始されてから撮像処理までの待ち時間中において、フレーム中に存在する人物の顔領域を検出し、その顔領域に対してAF/AEなどの撮影条件を設定する。以下、デジタルカメラ100の構成および動作を説明する。
【0010】
〔1−1.構成〕
以下図を用いてデジタルカメラ100の構成を説明する。
【0011】
〔1−1−1.デジタルカメラの構成〕
図1は、デジタルカメラ100の電気的構成図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は撮像した被写体像に基づく画像データを生成する。撮像により生成された画像データは前処理部(AFE:Analog Front End)121や画像処理部122において各種処理を施される。画像データはフラッシュメモリ142やメモリカード140に記憶される。フラッシュメモリ142やメモリカード140に記憶された画像データは、使用者による操作部150の操作を受け付けて液晶ディスプレイ(LCD)123上に再生表示される。
【0012】
光学系110は、ズームレンズ111やフォーカスレンズ112、絞り113、シャッタ114等により構成される。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOIS(Optical Image Stabilizer)を含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0013】
ズームレンズ111は拡大縮小倍率の調節に用いられる。なお、ズームレンズ111は拡大縮小倍率固定であってもよい。フォーカスレンズ112は焦点の位置の調節に用いられる。絞り113は、CCDイメージセンサ120に入射する光量の調節に用いられる。シャッタ114は、CCDイメージセンサ120に入射する光の露出時間を調節する。ズームレンズ111、フォーカスレンズ112、絞り113、シャッタ114は、それぞれに対応したDCモータやステッピングモータ等の駆動手段(不図示)により、コントローラ130から通知された制御信号に従って駆動される。
【0014】
CCDイメージセンサ120は光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する。CCDイメージセンサ120は、一定時間ごとに新しいフレームの画像データを生成する。また、CCDイメージセンサ120は電子シャッタ動作により露出光量を調節する。なお本発明においては、CCDイメージセンサ120に代えて、例えばCMOSイメージセンサやNMOSイメージセンサなど、他の撮像素子を用いても良い。
【0015】
前処理部121は、CCDイメージセンサ120で生成された画像データに対して、相関二重サンプリング、ゲイン調整等の処理を実行する。また、アナログ形式の画像データからデジタル形式の画像データへの変換を施す。その後、前処理部121は画像データを画像処理部122に出力する。
【0016】
画像処理部122は、画像データに対して各種の処理を施す。各種処理としては、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらの一部を欠く構成としてもよい。画像処理部122は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータなどで構成してもよい。またコントローラ130などとともに1つの半導体チップで構成してもよい。
【0017】
コントローラ130は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ130は、プログラム等の情報を格納するROM(不図示)や、プログラム等の情報を処理するCPU(不図示)などにより構成される。ROMは、フォーカス制御や露出制御に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。
【0018】
コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。また、ROMはコントローラ130の内部構成である必要はなく、コントローラ130の外部に備わったものでもよい。
【0019】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0020】
フラッシュメモリ142は、画像データ等を記憶するための内部メモリとして機能する。コントローラ130は、画像処理部122で処理される画像データをフラッシュメモリ142あるいはメモリカード140に記憶する。
【0021】
カードスロット141は、メモリカード140を着脱可能な接続手段である。カードスロット141は、メモリカード140を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット141は、メモリカード140を制御する機能を備えてもよい。
【0022】
メモリカード140は、内部にフラッシュメモリ等の記憶部を備えた外部メモリである。メモリカード140は、画像処理部122で処理される画像データなどのデータを記憶可能である。本実施例では、外部メモリの一例としてメモリカード140を示すが、本発明はこれには限らない。例えば、光ディスク等の記憶媒体を外部メモリとしてもよい。
【0023】
操作部150は、デジタルカメラ100の外装に備わっている操作釦や操作ダイヤルの総称であり、使用者による操作を受け付ける。例えば図2に示すように、レリーズ釦201や、ズームダイヤル202、選択釦203、メニュー釦204、撮影/再生釦205などがこれにあたる。操作部150は使用者による操作を受け付けると、コントローラ130に種々の動作指示信号を通知する。
【0024】
使用者は、操作釦203を操作することにより、選択した時間経過後にコントローラ130が撮像動作を行うセルフタイマの設定を行うことができる。操作釦203の操作により、例えばセルフタイマOFF、セルフタイマ2秒、セルフタイマ10秒などのセルフタイマ設定ができる。
【0025】
使用者は、メニュー釦204の操作により、人物の顔領域を登録設定できる。例えば、顔登録設定メニューに入ると、液晶ディスプレイ123に人物の顔を撮影するように表示される。その指示に従って人物の顔の撮影が成功すると、コントローラ130は、フラッシュメモリ142に該人物の顔に関する情報を記録し、該人物の顔を登録する。
【0026】
またコントローラ130は、使用者のメニュー釦204の操作により、登録された人物の名前や優先度を該人物の顔に関する情報とともにフラッシュメモリ142に記録し、登録することもできる。名前を登録しておくと、コントローラ130は、スルー画像および記録画像に登録した人物の顔が存在する場合には、その名前を表示させる。優先度を登録しておくと、コントローラ130は、優先度が高い人物の顔にAF/AEなどの撮影条件設定処理を行う。以下の説明において、登録した人物の顔を登録顔と呼ぶことにする。
【0027】
液晶ディスプレイ123は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶ディスプレイ123は、撮像した後に画像処理部122にて処理され、バッファメモリ124に一時記憶された画像データに基づく画像を表示する。または、フラッシュメモリ142やメモリカード140に記録された画像データを画像処理部122にて処理後、バッファメモリ124に一時記憶された画像データに基づく画像を表示する。
【0028】
液晶ディスプレイ123が表示する画像には、スルー画像や記憶画像がある。スルー画像は、CCDイメージセンサ120により一定時間ごとに生成される新しいフレームの画像を連続して表示する画像である。使用者は、液晶ディスプレイ170に表示されるスルー画像を参照することにより、被写体の構図を確認しながら撮影できる。記憶画像は、メモリカード140やフラッシュメモリ142に記憶された画像である。液晶ディスプレイ123は、使用者の操作に応じて、すでに記憶した画像データに基づく画像を表示する。また、液晶ディスプレイ123は、画像の他、デジタルカメラ100の設定条件等を表示可能である。
【0029】
〔1−1−2.本発明との対応関係〕
CCDイメージセンサ120は、本発明の撮像手段の一例である。メモリカード140は、本発明の記録手段の一例である。コントローラ130は、本発明の記録制御手段の一例である。画像処理部122は本発明の画像処理手段の一例である。操作部150とコントローラ130からなる構成は、本発明のタイミング設定手段の一例である。コントローラ130は、本発明の検出手段の一例である。コントローラ130は、本発明の登録手段の一例である。フォーカスレンズ111およびコントローラ130とからなる構成は、本発明のフォーカス調整手段の一例である。デジタルカメラ100は、本発明の撮像装置の一例である。
【0030】
〔1−2.動作〕
以下図を用いてデジタルカメラ100の動作を説明する。
【0031】
図3は実施の形態1に係るデジタルカメラ100のセルフタイマ動作のフローチャートである。実施の形態1に係るデジタルカメラ100は、セルフタイマ動作中において、撮像画像の切り出しおよび拡大を行う。そして切り出しおよび拡大した画像に対し顔検出処理を実行し、検出した顔にAE/AF動作を行う。以下、動作の詳細を説明する。
【0032】
コントローラ130は、使用者による操作釦203の操作を受け付けて、セルフタイマの設定を行う(S300)。
【0033】
またコントローラ130は、使用者によるレリーズ釦201の操作を受け付けて(S301)、操作釦203によって設定されたタイマ時間のカウントを開始する(S302)。
【0034】
続いてコントローラ130は、セルフタイマ動作中に、画像処理部122において、D503のようなスルー画像の一部を切り出す処理と、切り出した画像を適切な大きさに拡大する処理を行う(S303)。画像切り出し処理(S302)は、使用者の操作釦203への操作により設定されたセルフタイマの時間によって、切り出すサイズを変えることも可能である。例えばセルフタイマ2秒が設定されていれば画像を大きく切り出すことで画面全体を処理する時間を短くし、セルフタイマ10秒が設定されていれば画像を小さく切り出すことで、処理時間は長くなるが、より小さい顔まで検出させることも可能である。
【0035】
コントローラ130は、この切り出し拡大された画像に対して顔検出動作を行い(S304)、スルー画全画面に対してこれを繰り返す(S305)。
【0036】
図5(a)および図5(b)は、被写体である人物の位置がデジタルカメラ100から遠くにあるため、画像に占める顔領域の大きさが小さいときのイメージ図である。すなわち、通常では検出できない大きさの人物の顔が存在する場合に撮影した画像のイメージ図である。図5(a)は従来の顔検出を説明するための図である。一方、図5(b)は、本実施の形態1に係るデジタルカメラ100の顔検出を説明するための図である。
【0037】
図5(a)に示すように、従来のデジタルカメラでは、画像に占める顔領域の大きさが小さいときは顔検出されなかった。そのため、被写体である人物D501に対してAF動作はなされず、手前の花D502にピントが合うようにAF動作されていた。
【0038】
本実施の形態1では、図5(b)に示すように、セルフタイマによるレリーズ釦の押下動作から撮像動作までの待ち時間の間に画像の切り出しおよび拡大処理を実行する。そのため、通常では検出できない大きさの人物の顔が画像中に含まれている場合であっても、その人物の顔を検出することができる。これにより画像に占める顔領域の大きさが小さい人物の顔D504に対してもピントを合わせることができる。これは、セルフタイマによるレリーズ釦の押下動作から撮像動作までの待ち時間の間に上記処理を実行することによるものである。撮影環境が暗い場合や、被写体である人物の顔に影がかかっているような場合でも、セルフタイマの待ち時間の間に明暗補正や影の除去などの画像処理を施し、画像処理後の画像において顔検出を実行することもできる。このように実施の形態1のデジタルカメラ100は、セルフタイマの待ち時間を有効活用して人物の顔を検出することができる。
【0039】
セルフタイマ中に検出された顔が複数存在する場合には、コントローラ130はいずれかの顔を選択しなければならない。そのため、コントローラ130は、全画面に対して画像処理部122による画像切り出し拡大処理(S303)および顔検出処理(S304)が完了すると、検出された顔領域の中から撮影条件を設定するための顔領域を選択する(S306)。なお、顔が検出されなかった場合には、通常の撮影条件を設定する(不図示)。
【0040】
図4は、ステップS306において、検出した顔から撮影に使う顔を選択する動作フローチャートである。すなわち、セルフタイマ動作中に顔が検出された場合に、撮影条件を設定するための顔領域を選択する動作のフローチャートである。
【0041】
はじめにコントローラ130は、顔領域が複数検出されたかどうかを判断する(S401)。顔領域がひとつしか検出されていない場合には(S402)、コントローラ130はその顔を、撮影条件を設定する顔として選択する。
【0042】
顔領域が複数検出された場合には、コントローラ130は、検出された顔の中から登録顔の探索を行う(S403)。
【0043】
続けてコントローラ130は、登録顔が存在するかどうか判断する(S404)。登録顔が存在していれば、コントローラ130は、その優先度に応じて撮影条件を設定すべき登録顔を選択する(S405)。登録顔が存在しない場合には、コントローラ130は検出された顔領域の位置やサイズから撮影条件を設定するための顔領域を選択する(S406)。例えば、画像に占める面積の大きい人物の顔を優先させたり、画像の中心付近に位置する人物の顔を優先させたりする。
【0044】
図6は、画像中に複数の人物が含まれる場合において、ピントを合わせたい人物の顔が通常検出するには小さいときの例を説明するための図である。
【0045】
従来のデジタルカメラでは、図6におけるようにピントを合わせたい人物の顔、すなわち登録顔が小さすぎて検出できない場合には、通常検出できる顔例えばD602を、撮影条件を設定する顔として選択していた。
【0046】
本実施の形態1では、セルフタイマによるレリーズ釦の押下動作から撮像動作までの待ち時間の間に、画像の切り出しおよび拡大処理を実行し、顔検出動作を行う。そのため、コントローラ130は、通常では検出するには大きさの小さい登録顔D601の検出も可能になり、登録顔D601を、撮影条件を設定する顔として選択することができる。この場合、通常検出できる顔が画像中に含まれていても、コントローラ130は登録顔を優先的に合焦対象とする。
【0047】
コントローラ130はセルフタイマ設定時間経過後、このように選択された顔領域に対してAF/AEなどの撮影条件を設定し、撮像動作を行う(S307)。
【0048】
以上のように、本実施の形態1に係るデジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像データを生成するCCDイメージセンサ120と、生成された画像データを記録するメモリカード140と、撮像指示を受け付けることにより、生成された画像データをメモリカード140に記録するよう制御するコントローラ130と、画像データに所定の画像処理を施す画像処理部122と、撮像指示を出すタイミングを設定する操作部150とコントローラ130とからなる構成と、設定されたタイミングまでの期間において、所定の画像処理が施された画像から被写体を検出するコントローラ130とを備える。これにより、デジタルカメラ100は、撮像指示が出されるタイミングまでの待ち期間において、所定の画像処理を施した画像データに基づいて被写体を検出するので、時間を有効活用することができる。
【0049】
また、本実施の形態1において、所定の画像処理は、生成された画像データに基づく画像を分割し、分割された各領域画像を拡大する処理である。これにより、デジタルカメラ100は、通常では検出できない大きさの被写体であっても、検出することができる。
【0050】
なお、本実施の形態1のデジタルカメラ100は、検出された被写体に対して合焦するよう被写体のフォーカス状態を調節するフォーカスレンズ111およびコントローラ130とからなる構成を更に備える。これにより、デジタルカメラ100は、検出された被写体に合焦するようにフォーカス状態を調節することができる。
【0051】
また、本実施の形態1のデジタルカメラ100は、被写体に関する情報を、優先度とともに少なくとも一つ以上登録するコントローラ130を更に備える。そして、フォーカスレンズ111およびコントローラ130とからなる構成は、検出された被写体のうち最も優先度の高い被写体のフォーカス状態を調節する。これにより、デジタルカメラ100は、画像中に複数の被写体が含まれる場合であっても、登録されている被写体を優先的にフォーカス状態の調節対象とすることができる。
〔2.実施の形態2〕
実施の形態2に係るデジタルカメラ100は、セルフタイマの待ち時間中に、画像の暗部補正や、被写体の影除去などの画像処理および顔検出を実行する。実施の形態2に係るデジタルカメラ100の構成は実施の形態1の場合と同様であるため、説明は省略し、同様の構成には同符号を付す。
【0052】
図7は、実施の形態2の動作を説明するフローチャートである。ステップS700からステップS702の動作は、図3におけるステップS300からステップS302の動作と同様であるため説明は省略する。
【0053】
コントローラ130は、セルフタイマによるレリーズ釦の押下動作から撮像動作までの待ち時間の間に、撮像された画像データについて暗部補正や、画像中に含まれる人物の顔の影の除去などの画像処理を実行する(S703)。このように処理時間の長いような画像処理であっても、セルフタイマによる待ち時間中において実行するため、使用者はこの処理時間が気にならない。
【0054】
その後、コントローラ130は、上記画像処理後の画像から顔を検出する(S704)。ステップS706からステップS707の動作は、図3におけるステップS306からステップS307の動作と同様であるため、説明は省略する。また、ステップS706における検出した顔から撮影に使う顔を選択する動作は、図4を用いて説明した実施の形態1における場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0055】
以上のように、本実施の形態2に係るデジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像データを生成するCCDイメージセンサ120と、生成された画像データを記録するメモリカード140と、撮像指示を受け付けることにより、生成された画像データをメモリカード140に記録するよう制御するコントローラ130と、画像データに所定の画像処理を施す画像処理部122と、撮像指示を出すタイミングを設定する操作部150とコントローラ130とからなる構成と、設定されたタイミングまでの期間において、所定の画像処理が施された画像から被写体を検出するコントローラ130とを備える。これにより、デジタルカメラ100は、撮像指示が出されるタイミングまでの待ち期間において、所定の画像処理を施した画像データに基づいて被写体を検出するので、時間を有効活用することができる。
【0056】
また、本実施の形態2において、所定の画像処理は、画像データの明暗補正処理である。これにより、デジタルカメラ100は、撮像指示が出されるタイミングまでの待ち期間を有効活用して、生成された画像データを被写体検出が可能である適正な明暗に補正することができる。
【0057】
また、本実施の形態2において、所定の画像処理は、被写体の影を除去する処理である。これにより、デジタルカメラ100は、撮像指示が出されるタイミングまでの待ち期間を有効活用して、生成された画像データに基づく画像において、被写体に影がある場合においても、被写体検出が可能なように影を除去することができる。
〔他の実施形態〕
本発明は上記の実施形態に限定されず、様々な実施形態が考えられる。以下に他の実施形態をまとめて記載する。
【0058】
上記では、セルフタイマ設定時間の経過までに、画像の切り出しおよび拡大による顔検出を一回行う場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、セルフタイマ設定時間の経過までに画像の切り出しおよび拡大による顔検出を設定時間内で許す限り複数回繰り返して実行してもよい。この場合、検出を一回のみ行うときに比べ切り出す範囲を大きく設定しておくと良い。これにより、すでに切り出された画像領域に人物の顔が新たに出現した場合において、該人物の顔がすでにAF対象と選択された人物の顔よりも優先度が高いとき、該人物の顔をAF対象として選択を修正することができる。
【0059】
上記では、被写体が人物の顔である場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、犬や猫などの動物であったり、物であってもよい。要するに、画像処理部122が画像を用いて検出できる被写体であれば本発明は適用可能である。
【0060】
上記では、セルフタイマが開始されてから撮像動作までの待ち時間中に、全画面に対して画像の切り抜き/拡大、および顔検出処理が実行される場合を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば画面の中央領域だけなど、画面の一部に対して、画像の切り抜き/拡大および顔検出処理を実行するのでもよい。これにより、コントローラ130は、より処理時間を短縮できる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明はデジタルカメラへの適用に限定されない。すなわち、ムービーカメラ、カメラ付き携帯電話などのセルフタイマ機能付きの撮像装置に本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0062】
100 デジタルカメラ
111 フォーカスレンズ
112 ズームレンズ
113 絞り
114 シャッタ
120 CCDイメージセンサ
121 AFE(Analog Front End)
122 画像処理部
123 液晶ディスプレイ
124 バッファメモリ
130 コントローラ
140 メモリカード
141 カードスロット
142 フラッシュメモリ
150 操作部
201 レリーズ釦
202 ズームダイヤル
203 選択釦
204 メニュー釦
205 撮影/再生釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して画像データを生成する撮像手段と、
前記生成された画像データを記録する記録手段と、
撮像指示を受け付けることにより、前記生成された画像データを前記記録手段に記録するよう制御する記録制御手段と、
前記画像データに所定の画像処理を施す画像処理手段と、
前記撮像指示を出すタイミングを設定するタイミング設定手段と、
前記設定されたタイミングまでの期間において、前記所定の画像処理が施された画像から被写体を検出する検出手段と、
を備えた撮像装置。
【請求項2】
前記所定の画像処理は、前記生成された画像データに基づく画像を分割し、前記分割された各領域画像を拡大する処理である、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記所定の画像処理は、前記画像データの明暗補正処理である、
請求項1または2のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項4】
前記所定の画像処理は、前記被写体の影を除去する処理である、
請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記検出された被写体に対して合焦するよう前記被写体のフォーカス状態を調節するフォーカス調節手段を更に備えた、
請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
被写体に関する情報を、優先度とともに少なくとも一つ以上登録する登録手段を更に備え、
前記フォーカス調整手段は、前記検出された被写体のうち最も優先度の高い被写体のフォーカス状態を調節する、
請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記被写体は人物の顔である、
請求項1から6のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−103618(P2011−103618A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−258590(P2009−258590)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】