説明

擁壁用ブロックとその積み上げ工法及び成形型枠

【課題】従来、法面勾配により段積みブロックが後方に倒壊する危惧や積み上げ状態の不安定に対して、ブロックの表面を法面勾配に対応して傾斜させ、積み上げ面を基礎地盤に対して水平に構成して対応してきたが、軽量化が困難であり、積み上げ勾配の変化に成形型枠が対応できないという問題があった。
【解決手段】傾斜正方形状の表面盤2と、横が表面盤の対角線の長さ、縦が表面盤の対角線の長さの2分の1の矩形状の控え盤3を直交させ支持胴4によって連結させ、控え盤側厚の積み上げ面31を構築される擁壁の傾斜角度に対応した角度に傾斜させて水平接合面として形成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積上げにより河川の護岸や道路擁壁等の擁壁を構築する擁壁用ブロックと、その積み上げ工法及びそれらのブロックを成形する成形型枠に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、擁壁用ブロックは、例えば特許文献1に記載のように全体として直方体形状に形成され、ブロックの積み上げ面が擁壁の法面勾配に対して直角に形成されるため、ブロックの両側に上面から底面に貫通する中空部を設け、積上げ時に上段ブロックから下段ブロックにその中空部を通じて鉄筋等の支持部材を挿通して積上げたブロックの倒壊を防止しながら積上げが行なわれるように構成されてきている。
【0003】
このような直方体形状のブロックは重量があり作業面でも不利なため、例えば特許文献2や3に記載されるように表面盤と背面盤とを支持胴によって連結して軽量化する手段等が講じられてきた。
【0004】
また、擁壁の法面勾配に対して直角にブロックの積み上げが行われ、後方に倒壊する危惧に対しては、例えば特許文献4に記載のようにブロックの表面を法面勾配に対応して傾斜させ、積み上げ面を基礎地盤に対して水平に構成するブロックが開発されている。
【0005】
更に、ブロック表面盤の模様については特許文献2に記載されるような自然の石垣を模したものや疑石模様等が用いられてきている。
【特許文献1】特開平9ー279544号公報
【特許文献2】特開平9ー302685号公報
【特許文献3】特開平9ー328765号公報
【特許文献4】特開2000ー336676号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の擁壁用ブロックは、表面盤と背面盤ともに略矩形形状に構成されており、布積みにした場合にも基本的に直方体形状のブロックと同一の組み付け構成となり、ブロック相互の組み付け強度が弱く一体性に欠ける問題がある。
【0007】
また、積み上げ接面となる上面と底面が積み上げ基礎部に対して積み上げ傾斜角度に対応する角度に傾斜し、ブロック自体が後方に傾斜して積み上げられることによる不安定性に対して従来のブロックは、前記のようにブロックの表面を法面勾配に対応して傾斜させ、積み上げ面を基礎地盤に対して水平に構成する対応が行われているが、軽量化への対応が困難であり、積み上げ勾配が変化すると、その都度、型枠を全面的に造り直さなければならないという問題があった。
【0008】
更に、ブロック表面部の模様がブロック単位で構成されるため、一般的なデザインを採用して積み上げ時に配置関係を配慮しながら作業することは困難であり、ランダムに積み上げると完了時に模様中の不自然な位置にブロック積みの目地が現れて全体の美観を著しく損なう等の問題もあった。
【0009】
擁壁築造時のブロック積みに関しては、築造場所の多様化に伴い1つの擁壁に単一形状のブロックを単純に積上げるだけでは対応できず、傾斜擁壁などでは積上げに従って控え長さを変化させたり、控えに対してブロック表面に傾斜角をもたせることや表面パネルと控えパネルが平行傾斜して水平積みにより擁壁表面と控え面が平行傾斜して構築されるブロックなどが必要となってきている。
【0010】
従来の築造方式で行けば、ブロックの積み上げ基礎部は現場打ちで行われてきたが、現場打ちの場合は基礎的な設計知識や熟練が要求されることになり、単純な積み上げ作業だけでは済まないため、熟練した技術者の人件費が掛り、工場生産による効率化の障害になるといった問題もある。
【0011】
従来のブロック積み上げ基礎部については、第1段目の積み上げブロックが基礎部上に載置されて積み上げられて行くため、基礎部の幅が積み上げブロックの幅と同じだけ必要となり、その分だけコンクリートが多く必要であるうえ、構造的にも不安定であるといった問題がある。
【0012】
また、擁壁面には控え地盤に含浸される雨水等を排出する水抜き孔が必要であるが、これに対する具体的な対応はなされておらず、目地やブロックの隅を打ち欠いて表面部に水抜きパイプを挿入する程度のことしか行われていない。
【0013】
ブロックの成形型枠は従来の成形方式で行けば、基本的な形状は同一でも控え長さや傾斜勾配が異なれば、それぞれの長さや傾斜勾配に対応した別の型枠が必要となり、型枠製作費だけで多額の経費が掛り、その分だけコスト高を招くといった問題もある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、対角線を垂直にした傾斜正方形状の表面盤と、横が表面盤の対角線の長さ、縦が表面盤の対角線の長さの2分の1の矩形状の控え盤を、表面盤の垂直対角線に直交させて所定長さの支持胴によって連結させ、表面盤が傾斜した市松模様状に組み合わされることにより控え盤が布積み状態に積み上げられるように単位ブロックを構成してブロック相互の組み付け強度を高め、擁壁における一体性を保持させるようにした。
【0015】
また、控え盤側厚の積み上げ面を、表面盤側厚の積み上げ面接合構造部に対して、構築される擁壁の傾斜角度に対応した角度に傾斜させて水平接合面として形成することにより、ブロック自体が後方に傾斜して積み上げられることのない水平積みを可能にし、ブロック積み上げの不安定性に対処し軽量化にも対応したものである。
【0016】
この構成は、正方形の対角線を垂直にして並列され、斜め上下に位置する隣接ブロック表面盤との重合面が全て斜辺となって横方向にフレクシブルな構造となるので、表面盤側厚の積み上げ面に傾斜角を持たせることにより擁壁面にゆるやかなカーブを持たせることも可能にした。
【0017】
ブロック表面部の模様については、表面盤を目地で十文字に区切り、各区画をその中心を頂点とする四角錐状に盛り上げた割肌疑石模様に構成することにより、斜め上下に位置する隣接ブロック表面盤とは常に模様区画目地同志が接合して連続するので模様としての一体性が保持される。
【0018】
築造場所の多様化に対応して、表面盤と控え盤を連結する支持胴の長さを所定段数ごとに短縮し、短縮部に用いられるブロックの控え盤は下端部を下部左右に位置する隣接ブロックの支持胴上面に架橋支持させるようにして、擁壁基礎部の安定を図るとともに頂部に無駄なスペースを取らないように構成した。
【0019】
更に、上記単位ブロックの形状に対応して積み上げ基礎を現場打ちによらないプレキャストブロックに構成し、両端を継接構造として現場に並列設置することにより簡単に積み上げ基礎を設定できるようにすると共に、基礎ブロック上に第1段目として積み上げられる積み上げブロック控え盤の下端内側面を、基礎ブロックの背面部に覆着させ、基礎ブロックの前面部に覆着する表面盤下端内側面と共に、基礎ブロックを前後から挟着させるようにした。
【0020】
また、所要の位置に積み上げ配置される単位ブロックについて、予め、表面盤の所定位置に水抜きパイプの挿入孔を開設すると共に、挿入される水抜きパイプの伸長部位に対応する控え盤の部位に水抜きパイプの支持構造を設けて控え地層の含有水分の調整を含めた擁壁の総合設計を行えるようにした。
【0021】
単位ブロックの成形型枠については、底部に表面盤の表面模様等を成型する型盤を置き、その対角頂部を基点としてに開閉する、上部に控え盤、中央部に支持胴、下部に表面盤の肉厚型を左右対称に2分して一対に形成した型枠盤によって上記型盤を囲い込むように構成し、擁壁の傾斜勾配の変化に対応して成形型盤の所要部に着脱可能な勾配パネルを付設或いは付け替え可能にして傾斜勾配等が変化しても型枠を作り替える必要がないようにした。
【0022】
積み上げ基礎ブロックについては、底部に、積み上げブロック支持胴の下端部の嵌合凹陥溝を並列して成型する成形型盤を置き、その長手方向一側に積み上げブロック表面盤下端形状を嵌入接合する嵌合凹部を並列する積み上げ基礎ブロック前面部成形型盤、これに対向して同ブロックの背面部成形型盤、両側端に隣接基礎ブロックとの継接構造を成形する型盤を、それぞれ、その底側一側を前記底部に置かれた成形型盤の対応辺に開閉可能に係着し、単位ブロックの型枠と同様所要部に着脱可能な勾配パネルを付設或いは付け替え可能にした。
【0023】
更に、これらの型枠について従来のボルト締めによる成形型盤の閉鎖締着に替えて、開閉する成形型盤の各対応開閉端にクランプ機構を取付け、型枠閉鎖時に着合される成形型盤側端部の閉鎖締着をクランプ機構によって行うようにして、作業の効率化を図るようにした。
【実施例】
【0024】
以下図面に従って本発明の実施例を説明する。1は本発明による擁壁用ブロックの本体であり、対角線を垂直にした傾斜正方形状の表面盤2と、横3aが表面盤の対角線の長さ、縦3bが表面盤の対角線の長さの2分の1の矩形状の控え盤3を、表面盤の垂直対角線2aに直交させて所定長さの支持胴4によって連結して構成されている。
【0025】
表面盤2の表面部は、盤を目地11で十文字に区切り、各区画をその中心を頂点とする四角錐状に盛り上げた割肌疑石模様12に構成されている。また、支持胴4は断面正方形状の四角柱で、一端を断面正方形4aの対角線を垂直にして表面盤の垂直対角線2aに重ねて表面盤2の中心部に着合し、他端は控え盤3の中心部に着合して表面盤2と控え盤3を連結している。
【0026】
控え盤3の上部側厚はブロック積み上げ時における積み上げ面31を構成し、図5に示すように表面盤2の側厚による積み上げ面21の接合構造部に対して、積み上げ面31を構築される擁壁X法面の傾斜角度rに対応した角度に傾斜させて基礎地盤Gに対して水平な水平接合面として形成されている。
【0027】
また、擁壁の設定環境に応じて降雨時の含水状况を考慮に入れた総合設計により所定位置に積載配置されるブロックには、表面盤2の所定位置に水抜きパイプPが挿入される挿入孔51が開設され、挿入される水抜きパイプの伸長部位に対応する控え盤3の部位に水抜きパイプの支持構造52が設けられる。
【0028】
ブロックの積み上げは、先ず、整地された基礎地盤G上に、積み上げられるブロック支持胴4の下端部を嵌合載置する複数の凹陥溝61を並列して形成し、両端を継接構造62とした適宜長さの本体の前面部に、積み上げられるブロックの表面盤2の下端形状を嵌入接合する嵌合凹部63を並列した嵌合面を形成した擁壁用ブロック積み上げ基礎ブロック6を連接設置し、嵌合凹部63に積み上げられるブロックの表面盤2の下端部22を、凹陥溝61に支持胴4の下端部を嵌合載置して第1段目のブロック積みを行う。
【0029】
この場合、基礎ブロック6の幅は、積み上げブロック1の表面盤2の内側面2bと控え盤3の内側面3cの内間距離と合致するようになっており、控え盤3の下端内側面3cを、基礎ブロックの背面部64に覆着させ、基礎ブロックの前面部嵌合凹部63に覆着する表面盤下端内側面2bと共に、基礎ブロック6を前後から挟着して積み上げ構造を安定させる。
【0030】
ブロック1は図4に示すように表面盤2の垂直対角線2aに直交させて連結した矩形状の控え盤3を布積みにすることにより、対角線を垂直にした正方形表面盤の左上部傾斜辺21aが上部に位置する左隣接ブロック1Aの右下部傾斜辺21cと、右上部傾斜辺21bが上部に位置する右隣接ブロック1Bの左下部傾斜辺21dと、それぞれ接合して積み上げられる。
【0031】
積み上げは擁壁の構築環境に応じて、表面盤2と控え盤3を連結する支持胴4の長さを所定段数ごとに短縮して行うことにより構造的に安定したものとすることができる。
【0032】
この場合には、短縮部に用いられるブロック1Dの控え盤3は、図6に示すように下端部を他の単位ブロックより控え盤の上面から支持胴の上端までの分長くして、ブロック1Dの下部左右に位置する隣接ブロック1E、1Fの控え盤3が支持胴4E、4Fの上面に架橋支持させるものである。
【0033】
図9は、表面盤2と控え盤3を連結する支持胴4の長さを所定段数ごとに短縮して行った場合における基礎ブロック6と第1段目として積み上げられる積み上げブロックの状况と支持胴4の長さが短縮された部位の積み上げ状况を示したものであり、第1段目では控え盤3の下端内側面3cが基礎ブロック6の背面部64に覆着されている。
【0034】
図9では省略して第2段目から支持胴の長さが短縮される部位を示しているが、数段積み上げてから支持胴の長さを短縮する。短縮部に用いられるブロック1E、1Fの控え盤3は下端部が他の単位ブロックより控え盤の上面から支持胴の上端までの分長くされ、控え盤3下端がブロック1Fの下部左右に位置する隣接ブロックの支持胴4E、4Fの上面に架橋支持されている。
【0035】
次に本発明による単位ブロック1を成形する成形型枠の実施例について説明する。7は表面盤2の表面模様12を陰刻した型盤で、型枠本体の底部に設定され、その対角頂部を中心にして、上部に控え盤3、中央部に支持胴4、下部に表面盤2を左右対称に2分して陰刻し一対に形成して一側を蝶番71によって開閉可能に軸着されて型枠閉鎖時に型枠盤7a、7bによって上記型盤7が囲い込まれるように構成されている。
【0036】
また、型枠盤7aの開閉端側の上端側部には、型枠盤7a、7bを閉じたときに両分割片の閉止面を横木状に閉鎖する側枠板72が枢着され、その先端に設けられたクランプ受け72bが型枠盤7bの側端部に設定されたクランプ機構72aに掛合して型枠本体を閉止締着するようになっている。
【0037】
また、表面盤2の肉厚成形部の開閉端とその上部にもクランプ機構73が設定され、従来のように開閉端をボルト締めすることなくクランプバーを引くだけで型枠本体の閉止締着を行えるようになっている。また、型枠の開扉の時には、横押しクランプ74、74が装着されている。
【0038】
型枠盤7a、7bの上端部に形成された控え盤3の肉厚成形部には、擁壁の傾斜勾配の変化に対応して成形型盤の所要部に着脱可能な勾配アタッチメント75が予め用意され、必要に応じて付設或いは付け替え可能に構成されている。
【0039】
積み上げ基礎ブロック6を成形する成形型枠の実施例について説明する。8は積み上げブロック表面盤2の下端22を嵌入接合する嵌合凹部63と、表面盤の下端22の疑石模様12と接合して擁壁下端の模様と形状を整える基礎ブロック6の前面模様を並列して成型する成形型盤で、型枠本体の底部に設定される。
【0040】
その長手方向一側に積み上げブロック支持胴4の下端部が嵌合する凹陥溝61を並列して成型する上面部成形型盤81、これに対向して同ブロックの底面部成形型盤82、両側端に隣接基礎ブロックとの継接構造62を成形する型盤83a、83bを、それぞれ、その底側一側を前記底部に置かれた成形型盤8の対応辺に開閉可能に係着して構成され、型枠本体の閉鎖時に接合する各型盤の端面所要部にクランプ機構(図示しない)が設定される。
【0041】
また、基礎ブロック底面部成形型盤82は、構築される擁壁の傾斜勾配の変化に対応して着脱可能な勾配アタッチメント84が予め用意され、必要に応じて付設或いは付け替え可能に構成されている。
【0042】
本発明は以上のように構成したので、傾斜正方形状の表面盤と矩形状の控え盤が直交形態でそれぞれ積み上げられるので、ブロック相互の組み付け強度が高められて擁壁における一体性が保持されるとともに、積み上げ面を基礎地盤に対して水平に構成する対応やブロック軽量化への対応も可能となった。
【0043】
また、積み上げ基礎を現場打ちによらないプレキャストブロックに構成し、両端を継接構造として現場に並列設置による積み上げ基礎の施工を可能とし、施工効率を高めるとともに擁壁の表面に合理的な目地を配して疑石模様の独自の風合いを保ち、降雨時の水抜きにも配慮できる等、多様な利点を有している。
【0044】
また、ブロックの成形型枠について、基本的な形状は同一でも控え長さや傾斜勾配が異なれば、それぞれの長さや傾斜勾配に対応した別の型枠が必要となる不合理をアタッチメントによって解決し、成形型枠の幅広い活用を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明による単位ブロックの実施例を示すもので、要部を透視図とした正面図である。
【図2】同じく、単位ブロックの実施例を示す側面図である。
【図3】同じく、水抜きパイプの挿入構造を付加した場合の単位ブロックの実施例を示す斜視図である。
【図4】同じく、単位ブロックの段積み積み上げ構造を示す、要部を透視図とした単位ブロックを段積みした状況の正面図である。
【図5】同じく、上段ブロックの支持胴の長さを短縮した場合の単位ブロックの段積み積み上げ構造の形態例と、擁壁傾斜勾配とブロック積み上げ面の基礎地盤に対する水平を説明する単位ブロックの段積み積み上げ状況の側面図である。
【図6】同じく、上段ブロックの支持胴の長さを短縮した場合の単位ブロックの段積み積み上げ構造の形態例と、変形控え盤による上段ブロックの支持状況を示す単位ブロックの段積み積み上げ状況の斜視図である。
【図7】同じく、本発明による積み上げ基礎ブロックの前面側からの斜視図である。
【図8】同じく、本発明による積み上げ基礎ブロックに1段目の単位ブロックを載置した状態を要部を透視図として示した積み上げ基礎ブロックの背面側からの斜視図である。
【図9】同じく、上段ブロックの支持胴の長さを所定段数ごとに短縮して行った場合における基礎ブロックと第1段目として積み上げられる積み上げブロックの状况と、支持胴の長さが短縮された部位の変形控え盤による上段ブロックの支持状況を示す単位ブロックの段積み積み上げ状況の斜視図である。
【図10】同じく、本発明による単位ブロック成形型枠の、型枠を閉じた状態における斜視図である。
【図11】同じく、図9の単位ブロック成形型枠の、型枠を開いた状態における斜視図である。
【図12】同じく、図9の単位ブロック成形型枠の控え盤成形部に、勾配アタッチメントを付設した状況と型枠閉鎖時に型盤を閉止締着する横木状側枠板の取付け状態を示す型枠を開いた状態における型枠上端部の斜視図である。
【図13】同じく、本発明による積み上げ基礎ブロック成形型枠の、型枠を開いた状態における斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 擁壁用ブロック
1A 単位ブロックの上部に位置する左隣接ブロック
1B 単位ブロックの上部に位置する右隣接ブロック
1D 支持胴短縮部に用いられるブロック
1E 支持胴短縮部ブロックの下部左右に位置する隣接ブロック
1F 支持胴短縮部ブロックの下部左右に位置する隣接ブロック
1G 支持胴短縮部ブロックの下部左右に位置する隣接ブロック
11 表面盤表面疑石模様の目地
12 表面盤表面の割肌疑石模様
2 擁壁用ブロックの表面盤
2a 擁壁用ブロックの表面盤垂直対角線
2b 擁壁用ブロックの表面盤内側面
21 表面盤の側厚積み上げ面
21a 表面盤の左上部傾斜辺
21b 表面盤の右上部傾斜辺
21c 表面盤の右下部傾斜辺
21d 表面盤の左下部傾斜辺
22 表面盤下端の突出三角部
3 擁壁用ブロックの控え盤
3a 擁壁用ブロックの控え盤の横辺
3b 擁壁用ブロックの控え盤の縦辺
3c 擁壁用ブロックの控え盤の内側面
31 控え盤の上部側厚積み上げ面
4 擁壁用ブロックの支持胴
4a 支持胴の断面正方形状
4E 支持胴短縮部ブロックの下部隣接ブロックの支持胴
4F 支持胴短縮部ブロックの下部隣接ブロックの支持胴
4G 支持胴短縮部ブロックの下部隣接ブロックの支持胴
51 表面盤の水抜きパイプ挿入孔
52 控え盤の水抜きパイプ支持構造
6 積み上げ基礎ブロック
61 支持胴下端部嵌合凹陥溝
62 基礎ブロック両端の継接構造
63 表面盤下端部を嵌入する嵌合凹部
64 基礎ブロックの後端部背面
65 基礎ブロックの後端部
7 単位ブロック成形型枠の表面盤の表面模様型盤
7a 単位ブロック本体形状の型枠盤
7b 単位ブロック本体形状の型枠盤
71 型枠盤を開閉可能に軸着する蝶番
72 型枠盤を横木状に閉鎖する側枠板
72a 型枠盤側端部のクランプ機構
72b 側枠板先端のクランプ受け
73a 型枠盤側端部のクランプ機構
73b 型枠盤側端部のクランプ受け
74 横押しクランプ
75 勾配アタッチメント
8 積み上げ基礎ブロック成形型枠の表面形状型盤
81 積み上げ基礎ブロックの上面部成形型盤
82 積み上げ基礎ブロックの底面部成形型盤
83a 隣接基礎ブロックとの継接構造を成形する型盤
83b 隣接基礎ブロックとの継接構造を成形する型盤
84 勾配アタッチメント
G 擁壁の基礎地盤
P 擁壁の水抜きパイプ
X 擁壁面
r 擁壁法面の傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対角線を垂直にした傾斜正方形状の表面盤と、横が表面盤の対角線の長さ、縦が表面盤の対角線の長さの2分の1の矩形状の控え盤を、表面盤の垂直対角線に直交させて所定長さの支持胴によって連結させたことを特徴とする擁壁用ブロック
【請求項2】
控え盤側厚の積み上げ面を、表面盤側厚の積み上げ面接合構造部に対して、構築される擁壁の傾斜角度に対応した角度に傾斜させて水平接合面として形成するようにした請求項1記載の擁壁用ブロック
【請求項3】
表面盤の所定位置に水抜きパイプの挿入孔を開設すると共に、挿入される水抜きパイプの伸長部位に対応する控え盤の部位に水抜きパイプの支持構造を設けた請求項1又は請求項2記載の擁壁用ブロック
【請求項4】
表面盤を目地で十文字に区切り、各区画をその中心を頂点とする四角錐状に盛り上げた割肌疑石模様に構成した請求項1又は請求項2又は請求項3記載の擁壁用ブロック
【請求項5】
表面盤の垂直対角線に直交させて連結した矩形状の控え盤を布積みにすることにより、対角線を垂直にした正方形表面盤の左上部傾斜辺が上部に位置する左隣接ブロックの右下部傾斜辺と、右上部傾斜辺が上部に位置する右隣接ブロックの左下部傾斜辺と、それぞれ接合させることを特徴とする擁壁用ブロックの積み上げ工法
【請求項6】
表面盤と控え盤を連結する支持胴の長さを所定段数ごとに短縮し、短縮部に用いられるブロックの控え盤は下端部を下部左右に位置する隣接ブロックの支持胴上面に架橋支持させるようにしたことを特徴とする請求項5記載の擁壁用ブロックの積み上げ工法
【請求項7】
基礎ブロック上に第1段目として積み上げられる積み上げブロック控え盤の下端内側面を、基礎ブロックの背面部に覆着させ、基礎ブロックの前面部に覆着する表面盤下端内側面と共に、基礎ブロックを前後から挟着させるようにしたことを特徴とする擁壁用ブロックの積み上げ工法
【請求項8】
並列される複数の積み上げブロック支持胴の下端部を嵌合載置する凹陥溝を形成し、両端を継接構造とした適宜長さの本体の前面部に表面盤下端形状を嵌入接合する嵌合凹部を並列した嵌合面を形成したことを特徴とする擁壁用ブロック積み上げ基礎ブロック
【請求項9】
底部に表面盤の表面模様等を成型する型盤を置き、その対角頂部を基点としてに開閉する、上部に控え盤、中央部に支持胴、下部に表面盤の肉厚型を左右対称に2分して一対に形成した型枠盤によって上記型盤を囲い込むように構成したことを特徴とする擁壁用ブロックの成形型枠
【請求項10】
底部に、積み上げブロック表面盤下端形状を嵌入接合する嵌合凹部を並列する積み上げ基礎ブロック前面部成形型盤を置き、その長手方向一側に、積み上げブロック支持胴の下端部の嵌合凹陥溝を並列して成型する成形型盤これに対向して同ブロックの背面部成形型盤、両側端に隣接基礎ブロックとの継接構造を成形する型盤を、それぞれ、その底側一側を前記底部に置かれた成形型盤の対応辺に開閉可能に係着したことを特徴とする擁壁用ブロック積み上げ基礎ブロックの成形型枠
【請求項11】
擁壁の傾斜勾配の変化に対応して成形型盤の所要部に着脱可能な勾配パネルを付設或いは付け替え可能に構成したことを特徴とする請求項8又は請求項9記載のブロックの成形型枠
【請求項12】
開閉する成形型盤の各対応開閉端にクランプ機構を取付け、型枠閉鎖時に着合される成形型盤側端部の閉鎖締着をクランプ機構によって行うように構成したことを特徴とする請求項8又は請求項9又は請求項10記載のブロックの成形型枠

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2007−56566(P2007−56566A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244155(P2005−244155)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000157315)丸高コンクリート工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】