説明

操作キー表示装置及び電子機器

【課題】 操作キー表示装置及び電子機器において、同一の操作キー部において複数の異なる表示を別々に異なる色で点灯可能にすること。
【解決手段】 光が透過可能な複数の操作キー部2を有する操作キーシート3と、該操作キーシート3の裏面に積層されたシート状導光体4と、該シート状導光体4に互いに異なる色の光を照射して導光させる複数の光源と、を備え、シート状導光体4の表面及び裏面の少なくとも一方に、導光される光のうち対応する色の光だけを回折光として再生して操作キー部2に向けて投射可能な複数のホログラム10が形成され、操作キー部2の直下に、互いに異なる色に対応した複数のホログラム10が形成されていると共に、これらホログラム10が、操作キー部2に表示させる文字又は記号の形状に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などの操作キー部に所定の文字や数字等を表示する操作キー表示装置及びこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PDA、モバイルタイプPC(パーソナルコンピュータ)、携帯型ゲーム機等の電子機器には、複数の操作キーが用いられており、暗所での操作をし易くするために、例えば操作キーを裏面側から光を照射して照明する操作キー用の照明装置が採用されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、電子機器を操作する操作キーと、該操作キーによる操作内容を表示する液晶表示装置とを備えた電子機器において、操作キーの内側に配された導光体にホログラムを形成して、このホログラムの回折現象を利用して操作キーを発光させる電子機器の照明装置が提案されている。この照明装置では、透明又は半透明の材料を用いた操作キーシートに印刷等によって表示された文字や記号等に対し、ホログラムによって回折光として再生した光を照射することで操作キーの文字等を光らせている。なお、この照明装置では、液晶照明装置の液晶パネルを照明する導光板と操作キーを照明する導光体とが一体化されている。また、特許文献2〜4にも、導光板にホログラムを形成して操作キーや液晶表示パネルを照明する技術が提案されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−358816号公報
【特許文献2】特開2001−167655号公報
【特許文献3】特開2001−356703号公報
【特許文献4】特開2000−75292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
携帯電話機等のように少ない操作キーで効率的かつ多様な使用を可能にするため、例えば同一キーに数字キーとアルファベットキーとひらがなキーとの3つを割り当ててキー入力設定の制御によって数字入力とアルファベット入力とひらがな入力とを使い分ける電子機器も多い。そして、このような操作キーでは、同一キー上に数字表示とアルファベット表示とひらがな表示との3種類の表示がなされている。
近年、このような操作キーで、数字表示とアルファベット表示とひらがな表示とをキー入力設定に応じて別々に点灯させたいとの要望があるが、従来、導光体にホログラムを形成して操作キーを照明する技術では、操作キーシート全体又は操作キー毎に対応して導光体のホログラムが形成されているため、上記の各表示を選択的に点灯させることが困難であった。さらに、上記従来技術では、操作キーに予め印刷等で表示された文字等に限定され、異なる別の文字等を異なる色で表示させることができず、視認性やデザイン性を高めることが困難であった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、同一の操作キー部において複数の異なる表示を別々に異なる色で点灯可能な操作キー表示装置及びこれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の操作キー表示装置は、光が透過可能な複数の操作キー部を有する操作キーシートと、該操作キーシートの裏面に積層されたシート状導光体と、該シート状導光体に互いに異なる色の光を照射して導光させる複数の光源と、を備え、前記シート状導光体の表面及び裏面の少なくとも一方に、導光される光のうち対応する色の光だけを回折光として再生して前記操作キー部に向けて投射可能な複数のホログラムが形成され、前記操作キー部の直下に、互いに異なる色に対応した複数の前記ホログラムが形成されていると共に、これらホログラムが、前記操作キー部に表示させる文字又は記号の形状に形成されていることを特徴とする。
【0008】
この操作キー表示装置では、操作キー部の直下に、互いに異なる色に対応した複数のホログラムが形成されていると共に、これらホログラムが操作キー部に表示させる文字又は記号の形状に形成されているので、操作キー部に印刷された文字等によらず、同一操作キー部に異なる色で異なる文字等の表示を選択的に点灯させることができる。
すなわち、例えば、同一操作キー部に数字キーとアルファベットキーとひらがなキーとの3つの役割を割り当てるために、数字表示とアルファベット表示とひらがな表示とを選択的に点灯させる場合、同一操作キー部直下に、これら3つの表示に対応した数字形状のホログラムとアルファベット形状のホログラムとひらがな形状のホログラムとをそれぞれ異なる色の光を回折可能に形成しておく。そして、これら表示のうち選択した表示に対応した色の光源を発光させると、この色に対応したホログラムで回折光として再生され操作キー部へ投射される。この際、ホログラムが、表示させる文字又は記号の形状とされているので、この文字又は記号の形状とされた回折光が操作キー部を透過して操作キー部に浮かび上がるように点灯表示される。また、この同一操作キー部に別の表示を点灯させたい場合は、別の色の光に対応した光源を発光させることで、別の色に対応した異なる表示形状のホログラムで回折光が再生され、操作キー部に別の表示が点灯される。
【0009】
また、本発明の操作キー表示装置は、複数の前記光源が、赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類で構成されていることを特徴とする。すなわち、この操作キー表示装置では、複数の光源が、赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類で構成されているので、光の3原色(RGB)による混色効果によって白色光を得ることができると共に、操作キー部の発光色の色純度を高めることができる。
【0010】
また、本発明の操作キー表示装置は、複数の前記ホログラムが、互いに重なって形成されていることを特徴とする。すなわち、この操作キー表示装置では、同一の操作キー部において複数のホログラムが互いに重なって形成されているので、表示させる文字や記号を他の文字や記号の表示位置に影響されずに、点灯させることができ、同一操作キー部内における表示文字等の大きさ、形状及び配置等の高い自由度を得ることができる。
【0011】
本発明の電子機器は、前記シート状導光体の下方に配されるスイッチ部と、を備えていることを特徴とする。すなわち、この電子機器では、上記本発明の操作キー表示装置を備えているので、同一操作キー部において異なる文字等を異なる発光色で選択的に点灯表示することができ、暗所においても操作キー部に表示された数字、文字又は記号等の認識を容易にすることができる。また、キー表示の高い視認性を得ることができると共に、電子機器としてのデザイン性が向上する。
【0012】
また、本発明の電子機器は、画像表示パネルと、導光した光を光路変換して主面から面状に出射し、前記画像表示パネルを照明するパネル用導光部と、を備え、該パネル用導光部が、前記シート状導光体と一体に形成されていることを特徴とする。すなわち、この電子機器では、パネル用導光部が操作キー表示装置のシート状導光体と一体に形成されているので、操作キー表示装置の光源による光をパネル用導光部まで導光させて画像表示パネルを照明することができ、光源を操作キー用と画像表示パネル用とに兼用して部材コストを低減することができる。また、異なる色の光を発光可能な複数の光源を有しているので、種々の色で画像表示パネルを照明可能であり、高い演色性を得ることができる。さらに、光源として赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類を採用した場合は、これらを同時発光させることで白色照明光を得ることができる。
【0013】
さらに、本発明の電子機器は、複数の前記光源が、赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類で構成され、前記シート状導光体における前記パネル用導光部とは反対側の端部に設置されていることを特徴とする。すなわち、この電子機器では、光の3原色を発光可能な光源が、シート状導光体におけるパネル用導光部とは反対側の端部に設置されているので、光源から離れたパネル用導光部において3原色の光の混色性が増し、良好な白色照明光を得ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る操作キー表示装置によれば、操作キー部の直下に、互いに異なる色に対応した複数のホログラムが形成されていると共に、これらホログラムが操作キー部に表示させる文字又は記号の形状に形成されているので、操作キー部に印刷された文字等によらず、同一操作キー部に異なる色で異なる文字等の表示を選択的に点灯させることができる。したがって、この操作キー表示装置を備えた電子機器によれば、暗所においても操作キー部において色分け点灯表示された数字、文字又は記号等によって、キー操作時の高い視認性を得ることができる。特に、操作キー部の高い文字認識やデザイン性が要望されている携帯電話機などに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る操作キー表示装置及び電子機器の第1実施形態を、図1から図3に基づいて説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
【0016】
本実施形態の操作キー表示装置1は、図1及び図2に示すように、光が透過可能な複数の操作キー部2を有する操作キーシート3と、該操作キーシート3の裏面に積層されたシート状導光体4と、該シート状導光体4に互いに異なる色の光を照射して導光させる複数の光源5と、を備えている。
【0017】
また、この操作キー表示装置1を備えた本実施形態の電子機器は、図1及び図2に示すように、携帯電話機等であって、上記操作キー表示装置1と、シート状導光体4の下方に配され基板6に設けられたスイッチ部7と、操作キーシート3と並んで配された液晶表示パネル(画像表示パネル)8と、導光した光を光路変換して主面から面状に出射し、液晶表示パネル8を照明するパネル用導光部9と、を備えている。なお、これら構成部材のうち操作キーシート3及び液晶表示パネル8は、上面に露出した状態で設置され、その他の構成部材は、図示しない筐体に収納されている。
【0018】
上記操作キーシート3は、下方からの光が透過可能な透明又は半透明の可撓性平板状シートであって、その表面に文字等の表示領域である複数の操作キー部2が並べられている。なお、表示領域である操作キー部2以外の部分は、印刷等により遮光部としても構わない。また、操作キー部2における文字等の表示を妨げることがなければ、表面に印刷や凹凸等の形状を施しても構わない。
【0019】
各操作キー部2は、図3の(a)に示すように、電話番号等を入力するための数字表示2aとアルファベットを入力するためのアルファベット表示2bとひらがなを入力するためのひらがな表示2cとの3つの表示が可能な領域に分けられている。すなわち、同一操作キー部2に数字キーとアルファベットキーとひらがなキーとの3つの役割を割り当てている。
【0020】
上記シート状導光体4は、導光した光を光路変換して主面から面状に出射し、操作キー3を下方から照明するものであり、例えば透光性の樹脂材料で形成され、全体が高い可撓性を有して柔軟な導光フィルムである。
上記シート状導光体4は、一端側が液晶表示パネル8直下まで延在され液晶用バックライト用として機能するパネル用導光部9とされている。すなわち、パネル用導光部9は、シート状導光体4と一体に形成されている。
【0021】
また、シート状導光体4の表面及び裏面の少なくとも一方には、図1から図4に示すように、導光される光のうち対応する色の光だけを回折光として再生して操作キー部2に向けて投射可能な複数組のホログラム10が形成されている。なお、本実施形態では、シート状導光体4の裏面にホログラム10が形成されている。
【0022】
さらに、操作キー部2の直下には、図3の(b)に示すように、互いに異なる色に対応した複数のホログラム10が形成されていると共に、これらホログラム10が、操作キー部2に表示させる文字又は記号の形状に形成されている。例えば、本実施形態では、数字表示を行う数字形状の数字用ホログラム10aとアルファベット表示を行うアルファベット形状のアルファベット用ホログラム10bとひらがな表示を行うひらがな形状のひらがな用ホログラム10cとの3つのホログラム10が、一つの操作キー部2の直下にそれぞれ並んで形成されている。
【0023】
そして、例えば、数字用ホログラム10aは、赤色の波長の光に対応して赤色光だけを回折光として再生するようにレーザー加工等で形成され、またアルファベット用ホログラム10bは、緑色の波長の光に対応して緑色光だけを回折光として再生するようにレーザー加工等で形成され、さらにひらがな用ホログラム10cは、青色の波長の光に対応して青色光だけを回折光として再生するようにレーザー加工等で形成されている。
【0024】
上記光源5は、シート状導光体4におけるパネル用導光部9とは反対側の端部に複数設置され、それぞれ光源用の実装基板(図示略)に実装されている。これら複数の光源5は、赤色LED(赤色光源)、緑色LED(緑色光源)及び青色LED(青色光源)の3種類で構成されたRGB−LEDである。例えば、RGB−LEDとして、一つのパッケージに赤色LED素子(R)、緑色LED素子(G)及び青色LED素子(B)を実装したLEDを光源5とする場合や、一つのシート状導光体4に互いに発光色の異なるLEDを光源5として別々に配置しても構わない。
【0025】
また、光源5は、操作キー部2に表示する表示種類(数字、アルファベット及びひらがな)毎に発光色を点灯制御され、本実施形態では、数字表示に対応して赤色光が出射される場合と、アルファベット表示に対応して緑色光が出射される場合と、青色表示に対応して青色光が出射される場合と、がキー入力設定に応じて制御される。また、液晶表示パネル8を白色光で照明する場合には、光の3原色である赤色光、緑色光及び青色光をそれぞれ同時に出射するように設定されている。
【0026】
上記液晶表示パネル8には、透過型又は半透過型の液晶表示パネルが採用される。例えば、半透過型の液晶表示パネル8の場合、透明電極、配向膜及び偏光板をそれぞれ有する上基板と下基板との間隙にTN液晶やSTN液晶等の液晶をシール材で封止したパネル本体と、その下面側に光透過性と光反射性の両機能を持った半透過反射板と、を備えたものである。また、パネル用導光部9の裏面側には、反射板11が設置されている。この反射板11は、光反射機能を有する金属板、フィルム、箔等であって、本実施形態では、例えば銀蒸着膜を設けたフィルムが採用されている。なお、上記銀蒸着膜の代わりに、アルミ金属蒸着膜などを採用しても構わない。また、パネル用導光部9の表面側(光出射面側)には、拡散シート(図示略)及び1枚又は2枚のプリズムシート(図示略)が積層状態に配置されている。
【0027】
上記スイッチ部7は、例えば基板6上に設置されたドームスイッチやタクトスイッチ等の押圧でスイッチング可能な複数のスイッチング素子7aからなり、操作キー部2が押圧された際に、操作キー表示装置1における柔軟性の高いフィルム状のシート状導光体4を介して対応するスイッチング素子7aが押されてスイッチ操作可能とされている。
なお、上記基板6には、携帯電話機を制御するIC等の電子部品(図示略)やアンテナ部材等の通信用部品(図示略)等が実装されている。
【0028】
この電子機器では、例えば、操作キー部2において数字「1」を入力したい場合、キー入力設定を数字に変更制御すると共に、数字表示のみを光らせるため、光源5から赤色光をシート状導光体4に入射させる。シート状導光体4内を導光する赤色光は、図3の(b)に示すように、赤色光に対応して形成された数字用ホログラム10aによって回折光に再生され、上方の操作キー部2へ投射される。この際、数字用ホログラム10aが数字「1」の形状で形成されているので、図3の(a)に示すように、赤色光も数字「1」の形状として操作キー部2に投射され操作キー部2に浮き出るように「1」が赤色表示される。
【0029】
一方、アルファベット表示「A」を別の色である緑色で操作キー部2に表示したい場合は、光源5より緑色光のみを出射させることで、アルファベット「A」のアルファベット用ホログラム10bでアルファベット「A」の形状に回折光として再生された緑色光により操作キー部2にアルファベット「A」が緑色表示される。また、ひらがな表示「あ」を青色で操作キー部2に表示したい場合は、光源5より青色光のみを出射させることで、ひらがな「あ」のひらがな用ホログラム10cでひらがな「あ」の形状に回折光として再生された青色光により操作キー部2にひらがな「あ」が青色表示される。
【0030】
このように本実施形態では、操作キー部2の直下に、互いに異なる色に対応した複数のホログラム10が形成されていると共に、これらホログラム10が操作キー部2に表示させる文字又は記号の形状に形成されているので、操作キー部2に印刷された文字等によらず、同一操作キー部2に異なる色で異なる文字等の表示を選択的に点灯させることができる。
また、複数の光源5が、赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類で構成されているので、光の3原色(RGB)による混色効果によって白色光を得ることができると共に、操作キー部2の発光色の色純度を高めることができる。
【0031】
また、パネル用導光部9が操作キー表示装置1のシート状導光体4と一体に形成されているので、操作キー表示装置1の光源5による光をパネル用導光部9まで導光させて液晶表示パネル8を照明することができ、光源5を操作キー用と液晶表示パネル用とに兼用して部材コストを低減することができる。さらに、異なる色の光を発光可能な複数の光源5を有しているので、種々の色で液晶表示パネル8を照明可能であり、高い演色性を得ることができる。
【0032】
さらに、光源5として赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類を採用することで、これらを同時発光させることで白色照明光を得ることができ、液晶表示パネル8を白色光で光らせることができる。特に、光源5が、シート状導光体4におけるパネル用導光部9とは反対側の端部に設置されているので、光源5から離れたパネル用導光部9において3原色の光の混色性が増し、良好な白色照明光を得ることができる。
【0033】
次に、本発明に係る操作キー表示装置及び電子機器の第2実施形態について、図4及び図5を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0034】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、一つの操作キー部2の直下に複数のホログラム10(数字用ホログラム10a、アルファベット用ホログラム10b及びひらがな用ホログラム10c)が並べて形成されているのに対し、第2実施形態の操作キー表示装置1及び電子機器では、図4に示すように、操作キー部2の直下に複数のホログラム10が、互いに重なって形成されている点である。
【0035】
すなわち、第2実施形態では、一つの操作キー部2の直下に、同じ位置に数字用ホログラム10a、アルファベット用ホログラム10b及びひらがな用ホログラム10cの3種類の色別に回折光を再生するホログラム10が重ねて形成されている。なお、各ホログラム10は、互いに重なって形成され、第1実施形態よりもそれぞれ大きく形成されている。
【0036】
この第2実施形態では、例えば数字「1」のみを操作キー部2に表示させたい場合は、入射した赤色光を数字用ホログラム10aで回折光として再生することで、図5の(a)に示すように、操作キー部2に数字表示2a「1」のみが操作キー部2に第1実施形態よりも大きく赤色光で表示される。また、アルファベット「A」のみを操作キー部2に表示させたい場合は、入射した緑色光をアルファベット用ホログラム10bで回折光として再生することで、図5の(b)に示すように、操作キー部2にアルファベット表示2b「A」のみが緑色光で大きく表示される。さらに、ひらがな「あ」のみを操作キー部2に表示させたい場合は、入射した青色光をひらがな用ホログラム10cで回折光として再生することで、図5の(c)に示すように、操作キー部2にひらがな表示2c「あ」のみが青色光で大きく表示される。
【0037】
このように第2実施形態では、同一の操作キー部2において複数のホログラム10が互いに重なって形成されているので、表示させる文字や記号を他の文字や記号の表示位置に影響されずに、点灯させることができ、同一操作キー部2内における表示文字等の大きさ、形状及び配置等の高い自由度を得ることができる。
【0038】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができる。
【0039】
例えば、上記各実施形態では、上述したように液晶表示パネル8のバックライト用であるパネル用導光部9を操作キー表示装置1のシート状導光体4と一体にすることが好ましいが、別々の部材として設置しても構わない。
また、上述したように、光源5をシート状導光体4におけるパネル用導光部9とは反対側の端部に設置することが混色性の点で好ましいが、パネル用導光部9側の端部に設置しても構わないと共に、両端部に設置しても構わない。
【0040】
また、上記各実施形態では、本発明を携帯電話機に適用したが、他の電子機器に採用しても構わない。例えば、PDA、モバイルタイプPC(パーソナルコンピュータ)、携帯型ゲーム機等の各種電子機器に適用可能である。
さらに、上記各実施形態では、画像表示パネルとして液晶表示パネルを採用しているが、他の画像表示パネルを用いても構わない。例えば、電子ペーパーなどの画像表示パネルを採用しても良い。この場合、電子ペーパー本体の表面側にフロントライトユニットとして本発明のパネル用導光部が設置される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る操作キー表示装置及び電子機器の第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】第1実施形態において、操作キー表示装置及び電子機器を示す断面図である。
【図3】第1実施形態において、表示状態の操作キー部(a)及びシート状導光体に形成されたホログラム(b)を示す要部の拡大斜視図である。
【図4】本発明に係る操作キー表示装置及び電子機器の第2実施形態において、シート状導光体に形成されたホログラムを示す要部の拡大説明図である。
【図5】第2実施形態において、数字表示状態(a)、アルファベット表示状態(b)及びひらがな表示状態(c)の操作キー部を示す要部の拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0042】
1…操作キー表示装置、2…操作キー部、3…操作キーシート、4…シート状導光体、5…光源、10…ホログラム、10a…数字用ホログラム、10b…アルファベット用ホログラム、10c…ひらがな用ホログラム、7…スイッチ部、8…液晶表示パネル(画像表示パネル)、9…パネル用導光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が透過可能な複数の操作キー部を有する操作キーシートと、
該操作キーシートの裏面に積層されたシート状導光体と、
該シート状導光体に互いに異なる色の光を照射して導光させる複数の光源と、を備え、
前記シート状導光体の表面及び裏面の少なくとも一方に、導光される光のうち対応する色の光だけを回折光として再生して前記操作キー部に向けて投射可能な複数のホログラムが形成され、
前記操作キー部の直下に、互いに異なる色に対応した複数の前記ホログラムが形成されていると共に、これらホログラムが、前記操作キー部に表示させる文字又は記号の形状に形成されていることを特徴とする操作キー表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作キー表示装置において、
複数の前記光源が、赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類で構成されていることを特徴とする操作キー表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の操作キー表示装置において、
複数の前記ホログラムが、互いに重なって形成されていることを特徴とする操作キー表示装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の操作キー表示装置と、
前記シート状導光体の下方に配されるスイッチ部と、を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
画像表示パネルと、
導光した光を光路変換して主面から面状に出射し、前記画像表示パネルを照明するパネル用導光部と、を備え、
該パネル用導光部が、前記シート状導光体と一体に形成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項5に記載の電子機器において、
複数の前記光源が、赤色光源、緑色光源及び青色光源の3種類で構成され、前記シート状導光体における前記パネル用導光部とは反対側の端部に設置されていることを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−180832(P2009−180832A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18178(P2008−18178)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】