説明

操作パネル制御装置および画像形成装置

【課題】 液晶画面を有する装置において、液晶画面が故障していても入力処理を可能にする。
【解決手段】 操作パネル部11は当該装置Aの動作形態を表示するとともに、当該表示領域へのタッチ操作による入力指示を受け付ける。操作キー群13は、操作パネル部11とは別に配置されその装置への入力指示を受け付ける。操作表示シート21は、装置に対する操作項目が予め表示され、その操作パネル部領域に重ねられる。操作制御部23は、所定の切換指示があったとき、操作パネル部11に重ねられた操作表示シート21における操作項目へのタッチ操作入力指示に基づき、当該操作項目を実行制御し、その後に続き操作入力された操作キー13aからの操作指示を実行制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は操作パネル制御装置および画像形成装置に係り、例えば電子写真方式の複写機、ファクシミリ機、プリンタ又はこれらの機能を搭載した複合機(MFP:Multi Function Peripheral)等の画像形成装置に用いて好適する操作パネル制御装置および当該画像形成装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の画像形成装置にあっては、一般に、原稿上の画像情報から画像データを光学的に読み取る読取機能、その画像データに基づきトナー像を形成して用紙に転写定着させて印刷する印刷(印字)機能、画像データをファクシミリ送受信するファクシミリ機能、その他種々の画像データ処理機能を有している。
【0003】
そして、画像形成装置では、それら諸機能の選択、設定および実行は、複合機本体ケースに配置された液晶タイプの操作パネル部に対する直接のタッチ操作やテンキー等の操作キー群に対する押圧操作によってなされるのが一般的である。
【0004】
ところが、そのような操作パネル部は、液晶表示部に透明なタッチスイッチシート(タッチセンサ)を重ねて形成されており、動作不良が発生した場合に、正確な操作を確保し難いので、改善が求められている。
【0005】
このような状況に対処するために、例えば特開平8−16296号公報(特許文献1)に示すコントロールパネルが提案されている。
【0006】
この特許文献1は、入力されるキーに対する表示パターンが表示されるタッチパネル内蔵の表示装置とハードキーとを有し、そのタッチパネルの機能をハードキーに割り付ける割付モードに切換える切換手段と、この切換手段により割付モードに切換えられた際、そのタッチパネルに対応するハードキーの対応関係を上記表示装置で表示する表示手段とを具備してなり、タッチパネルが故障しても、そのタッチパネルで設定する内容をテンキーで代替可能とするものである。
【0007】
しかも、取扱い説明書等にてテンキーの割当て内容を予め開示し、これを参照して正常な入力も可能とするものではある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−16296号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した特許文献1は、タッチパネルのタッチセンサが故障した場合には有効であるが、タッチセンサが正常に動作しているものの、液晶漏れ等に起因して液晶画面が故障して正常な表示がなされない場合には、正確な入力や操作を確保し難い。
【0010】
このように、液晶画面が故障した場合、液晶画面を修理又は取替えるまでの間に多少の期間を要することから、液晶画面が故障していても、一時的にでも正常な入力処理を確保し、ユーザに不便を与え難い構成の提供が望まれている。
【0011】
本発明はそのような課題を解決するためになされたもので、液晶画面が故障していても、入力処理が可能な操作パネル制御装置および画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのような課題を解決するために本発明の請求項1に係る操作パネル制御装置は、当該装置の動作形態を表示するとともに、当該表示領域へのタッチ操作による入力指示を受け付ける操作パネル部と、この操作パネル部とは別に配置され前記装置への入力指示を受け付ける複数の操作キーを有する操作キー群と、当該装置に対する操作項目が予め表示され、その操作パネル部領域に重ねられる操作表示シートと、所定の切換指示があったとき、その操作パネル部に重ねられた操作表示シートにおける操作項目へのタッチ操作入力指示に基づき、当該操作項目を実行制御するとともに、そのタッチ操作入力指示に続き操作入力された操作キーからの操作指示を実行制御する操作制御部と、を具備している。
【0013】
本発明の請求項2に係る操作パネル制御装置は、上記操作キー群がその操作パネル部に併設されたテンキーを含む構成である。
【0014】
本発明の請求項3に係る操作パネル制御装置は、上記操作キー群への操作入力を示すキー入力音を発音する発音体を有し、上記操作制御部が、個々の操作キーへの操作入力に応じた意味のキー入力音を発音するようその発音体を発音制御する構成である。
【0015】
本発明の請求項4に係る操作パネル制御装置は、個々のそれら操作キーへの操作入力を示す発光部を有し、上記操作制御部が、操作入力された個々の操作キーの発光部を発光制御する構成である。
【0016】
本発明の請求項5に係る操作パネル制御装置は、上記操作制御部が、その操作キーからの切換指示に応じ、これに対応する操作表示シートの操作項目への操作入力と判別する構成である。
【0017】
本発明の請求項6に係る操作パネル制御装置は、上記操作表示シートが、当該操作表示シートを特定する特定情報を格納したRFID(radio frequency identification)装置を有し、上記操作制御部が、そのRFID装置から特定情報を切換指示として受信したとき、当該特定情報に対応する操作表示シートの操作項目への操作入力と判別する構成である。
【0018】
本発明の請求項7に係る画像形成装置は、それら請求項1〜7いずれか1項記載の操作パネル制御装置と、画像データを画像形成する画像形成部とを有する構成である。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明の請求項1に係る操作パネル制御装置では、操作項目が表示された操作表示シートが操作パネル部に重ねられた状況で、入力指示を切り換える切換指示があったとき、その操作表示シートへのタッチ操作に応じ、その操作制御部がその操作表示シートにおける対応する操作項目への操作入力と判別してこれを実行制御するから、液晶画面が故障していても、操作パネル部への所望のタッチ操作入力が可能であるし、設定値等を操作キーから入力させ易い。
【0020】
本発明の請求項2に係る操作パネル制御装置では、上記操作キー群が、その操作パネル部に併設されたテンキーからなるので、種々の操作入力の確保が容易である。
【0021】
本発明の請求項3に係る操作パネル制御装置では、上記操作キー群への操作入力を示すキー入力音を発音する発音体を有し、上記操作制御部が、個々の操作キーへの操作入力に応じた意味のキー入力音を発音するようその発音体を発音制御するから、操作表示シートにおける操作項目への操作入力に応じた操作結果、例えば設定値を音響的に確認可能で、使い勝手が向上する。
【0022】
本発明の請求項4に係る操作パネル制御装置では、個々の操作キーへの操作入力を示す発光部を有し、上記操作制御部が、操作入力された個々の操作キーの発光部を発光制御するから、操作表示シートにおける操作項目への操作入力に応じた操作結果、例えば設定値を視覚的に確認可能で、使い勝手が向上する。
【0023】
本発明の請求項5に係る操作パネル制御装置では、上記操作制御部が、その操作キーからの切換指示があったとき、その操作キーの操作に応じ操作表示シートにおける対応する操作項目への操作入力と判別するから、操作項目が単に印刷表示された操作表示シートを用いる場合にも、操作キーによって切り換え可能である。
【0024】
本発明の請求項6に係る操作パネル制御装置は、上記操作表示シートが、当該操作表示シートを特定する切換指示として特定情報を格納したRFID装置を有し、上記操作制御部が、そのRFID装置から特定情報を受信したとき、当該特定情報に対応する操作項目への操作入力と判別するから、操作表示シートを例えば操作パネル部に載置するだけで、切換指示の入力が可能で、使い勝手が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係る操作パネル制御装置を含む画像形成装置の実施の形態を示す概略ブロック図である。
【図2】本発明に係る操作パネル部を説明する図である。
【図3】図1の操作表示シートを説明する図である。
【図4】図1の操作パネル制御装置の動作を説明する図である。
【図5】図1の操作パネル制御装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明に係る操作パネル制御装置および画像形成装置の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、本発明の操作パネル制御装置は画像形成装置を説明する過程で説明する。
【0027】
図1は本発明に係る操作パネル制御装置Bを含む画像形成装置Aの実施の一形態を示す概略ブロック図である。
【0028】
画像形成装置Aは、主制御部1を中心にして画像読取部3、記憶部5、印刷部7、通信部9および操作パネル制御装置Bを有し、例えば複合機を構成している。なお、画像形成装置Aとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0029】
主制御部1は、画像読取部3、記憶部5、印刷部7、通信部9および操作パネル制御装置Bを制御するものであるが、詳細は後述する。
【0030】
画像読取部3は、画像形成装置Aの本体ケース(図示せず。)の上部に配置され、主制御部1の制御の下、原稿用紙から当該紙面の画像状態を光学的に読み込み、フィルタ処理等をして電子的画像データを生成するスキャナであり、生成した画像データが原稿の頁毎に記憶部5に順次記憶されるようになっている。
【0031】
記憶部5は、画像読取部3からの読取画像データや通信部9を介した外部からの画像データ、主制御部1の動作プログラムおよび操作パネル制御装置Bで表示する表示画面、後述する音声情報や操作項目情報等を格納する読み書き可能な例えばハードディスク(HDD)である。
【0032】
印刷部7は、本体ケース内に配置され、用紙のセットされる給紙段から用紙を給紙し、記憶部5の記憶画像データに基づき画像形成して用紙に印刷処理する画像形成部としての機能を有している。
【0033】
通信部9は、ネットワークNTを介して外部の図示しない画像形成装置やサーバー等と画像データや電子メールの送受信をする入出力インターフェースである。
【0034】
主制御部1は、CPU(central processing unit)、このCPUの起動プログラムを格納したメモリ部、入出力インターフェース(いずれも図示せず。)を有し、上述した画像読取部3からの読取画像データを記憶部5に格納し、格納された画像データを印刷部7に出力して印刷制御し、種々の表示画面を操作パネル制御装置Bに出力して表示制御する他、操作パネル制御装置Bからの操作指示を画像読取部3および印刷部7に出力してその動作機能を実行制御する機能を有し、操作パネル制御装置Bを制御するとともにそれらの一部を担っている。
【0035】
操作パネル制御装置Bは、操作パネル部11、操作キー群13、発音部15、発光部17、送受信部19、操作表示シート21および操作制御部23を有して構成されている。なお、操作パネル制御装置Bとしてはこれ以外にも種々の構成を有するが、本発明の要部ではないので説明および図示を省略する。
【0036】
操作パネル部11は、画像形成装置Aの動作形態を表示するとともに、その表示領域へのタッチ操作による入力指示を受け付ける機能を有し、画像形成装置Aの本体ケースの上面に平面的に配置されたコントロールパネルである。
【0037】
すなわち、操作パネル部11は、図2Aに示すように、公知の液晶表示部11aに対し、上下左右に配列された多数のタッチセンサからなる透明なタッチスイッチシート11bを重ねて形成されており、画像形成装置Aの主制御部1から操作制御部23を介した制御の下、例えば画像データの取込や印刷動作を表示するとともに、タッチスイッチシート11bへのタッチ操作による入力指示を受け付け、操作制御部23に出力する機能を有している。
【0038】
一例として、図2Aでは、印刷部数についての部数や拡大率についての拡大%に加えて、印刷ボタン11cおよび取消ボタン11dが表示され、印刷ボタン11cおよび取消ボタン11dへの直接タッチ操作による入力を受付け、印刷部数や拡大%については後述するテンキー13aからの入力状態が表示されている。
【0039】
なお、図2Bは、操作パネル部11において操作パネル部11に液漏れ領域Zが発生し、一部の表示である印刷部数や拡大%の表示部分が隠れ、表示困難な状態を示している。
【0040】
操作キー群13は、図2に示すように、操作パネル部11とは別にこの近傍に配置され、画像形成装置Aへの入力指示を押圧操作によって受け付ける機構的な操作キーとしての複数のテンキー13aを含むものであり、テンキー13aを形成する個々のキーへの押圧操作による入力指示を受け付け、操作制御部23に出力する機能を有している。便宜上、テンキー13a以外の操作キーの図示は省略する。
【0041】
図2Aに示す操作パネル部11の印刷部数の「11」部数や拡大率の「131」%は、例えば印刷ボタン11cへのタッチ操作入力指示に続くテンキー13aへの押圧操作による入力指示に基づき、操作制御部23が表示制御したものである。
【0042】
テンキー13aは、後述するように、操作パネル部11における入力指示について、操作指示シート21を介した入力指示に切り換える切換指示(例えば「CCC119」、「エンター」)を入力する機能にも使用される。
【0043】
発音部15は、操作キー群13への操作入力を示すキー入力音を発音する例えば圧電又は電磁スピーカからなる発音体であり、操作制御部23の制御の下、個々のテンキー13aへの操作入力に応じた意味内容のキー入力音を発音するものであり、操作キー群13の外周近傍に配置されている。
【0044】
発光部17は、個々の操作キー13aその他、操作キー群13を形成する各キーにおいて、下部から外部に向けて発光する例えば発光ダイオード等であり、操作制御部23の制御の下、個々のテンキー13aへの操作入力があったとき発光し、当該キーが操作されたことを示すものである。
【0045】
なお、この観点から、操作キー群13のキー頭部は透過性の良好な材料で形成することが好ましく、図2においては便宜上テンキー13a「3」のみの発光部17を図示し、他のテンキー13aにおける発光部17の図示を省略した。
【0046】
送受信部19は、操作制御部23の制御の下、後述する操作表示シート21に添付されたRFID装置21aに対して電源電力を電磁的に非接触送信するとともに、当該RFID装置21aから電磁的に非接触送信された特定情報であって、入力指示に切り換える切換指示を含む特定情報を受信して操作制御部23に出力する機能を有し、本体ケースの例えば操作パネル部11の下部に配置されている。
【0047】
操作表示シート21は、操作パネル部11の液晶表示部11aに揃えて重ねられたとき、操作パネル部11を覆うとともに、テンキー13aを覆わないよう操作パネル部11の外形とほぼ同じ外形寸法を有する薄い紙又はプラスチックシートであり、図3に示すように、複数の操作項目を縦横に配列させて印刷表示されたものである。
【0048】
すなわち、図3に示す操作表示シート21は、操作項目としての「印刷部数」、「変倍率」、「カラー/モノクロ」、「用紙サイズ」、「FAX番号」および「FAX送信」が印刷等によって表示された例であり、例えば「印刷部数」部分を介してタッチスイッチシート11bが押下されると、操作制御部23によって「印刷部数」の例えば設定制御入力と認識される。
【0049】
操作表示シート21は、これが操作パネル部11に重ねられたとき、送受信部19に重なる位置にRFID装置21aを添付している。なお、RFID装置21aは必須ではない。
【0050】
RFID装置21aは、送受信部19から送信された電源電力によって動作するIC回路であり、当該RFID装置21aが添付された操作表示シート21に特有の複数の操作項目の縦横の座標位置を特定する情報を含む特定情報を、入力指示に切り換える切換指示として送受信部19に送信する機能を有している。なお、特定情報は予め個々のRFID装置21a内の図示しないメモリに格納されている。
【0051】
操作制御部23は、画像形成装置Aの主制御部1から制御の下、操作パネル部11に例えば画像データの取込や印刷動作形態を表示制御するとともに、タッチスイッチシート11bへのタッチ操作による入力指示を受け付け、主制御部1等に出力してこれを実行制御する機能を有する機能を有している。
【0052】
また、操作制御部23は、操作パネル部11における入力指示を操作表示シート21を介した入力指示に切り換える切換指示((例えば「CCC119」、「エンター」)があったとき、操作表示シート21における対応する操作項目へのタッチ操作入力を判別し、主制御部1等に出力して操作項目に対応する動作を実行制御する機能を有する他、以下の機能を有している。
【0053】
すなわち、操作制御部23は、入力指示に切り換える切換指示があり、操作表示シート21への操作入力があったとき、発音部15を発音制御して操作入力の有無を聴覚的に示す機能を有するとともに、操作入力があった個々のテンキー13aに配置された発光部17を個別に発光制御する機能を有している。
【0054】
さらに、操作制御部23は、RFID装置21aが添付された操作表示シート21が操作パネル部11に重ねられたとき、操作表示シート21に電源電力を送信制御するとともに、受信部19にて受信された当該RFID装置21aからの切換指示としての特定情報に基づき、重ねられた操作表示シート21に配置された操作項目に対応する操作入力部として機能するよう、タッチスイッチシート11bの動作を変更する機能を有している。
【0055】
なお、個々の操作表示シート21毎の特定情報が、どの表示位置のどのような操作項目に対応し当該するかの操作項目情報は、例えば画像形成装置Aの記憶部5に予め記憶されており、操作制御部23はそれを参照する。
【0056】
次に、本発明に係る画像形成装置Aにおける操作パネル制御装置Bの動作を簡単に説明する。
【0057】
操作パネル部11に図3のような操作表示シート21を重ね、テンキー13aによって切換指示として例えば「CCC119」および「エンター」と入力すると、操作制御部23が、重ねられた操作表示シート21に配置された操作項目の表示位置に対応するタッチスイッチシート11bの領域について、当該操作項目への操作入力部として機能するよう変更制御する。
【0058】
すなわち、タッチスイッチシート11bの領域に割り当てられている座標情報と、操作表示シート21に記載されている操作項目の座標情報が一致するように制御される。
【0059】
なお、操作表示シート21が操作パネル部11に重ねられたとき、操作表示シート21のRFID装置21aからの特定情報により、当該操作項目への操作入力部として機能するよう変更制御させることも可能である。
【0060】
その後、テンキー13aの押圧操作により、例えば印刷部数の「11」部数や拡大率の「131」%の入力設定が可能になるとともに、画像形成装置Aとしての動作機能の入力実行が可能になるうえ、操作制御部23の制御の下、発音部15が操作入力を示すキー入力音を発音する。
【0061】
例えば、図3に示すように、テンキー13aの「1」が押圧操作されると、「印刷部数設定です。現在1部となっています。部数を入力し、エンターキーを押してください。」と音声が流れ、聴覚的に確認可能となる。その際、テンキー13aの「1」が発光表示される。
【0062】
そして、テンキー13aの「1」、「4」、「9」が押圧操作されると、「印刷部数は百、四十、九に設定されました。」といった音声が流れるとともに、テンキー13aの「1」、「4」、「9」が発光表示される。
【0063】
このような本発明の操作パネル制御装置は、当該装置Aの動作形態を表示するとともに、当該表示領域へのタッチ操作による入力指示を受け付ける操作パネル部11と、この操作パネル部11とは別に配置されその装置への入力指示を受け付ける複数の操作キー13aを有する操作キー群13と、その装置に対する操作項目が予め表示され、その操作パネル部領域に重ねられる操作表示シート21と、所定の切換指示があったとき、その操作パネル部11に重ねられた操作表示シート21における操作項目へのタッチ操作入力指示に基づき、当該操作項目を実行制御するとともに、そのタッチ操作入力指示に続き操作入力された操作キー(テンキー)13aからの操作指示を実行制御する操作制御部23と、を具備している。
【0064】
そのため、液晶画面が故障していても動作表示の確保が可能である一方、入力の必要な例えば設定値等を操作キー群13からタッチスイッチシート11bと同様に入力可能となるから、タッチスイッチシート11bが正常に動作していてかつ液晶表示部11aが故障した場合、その修理又は取替えるまでの間に多少の期間を要しても、一時的に正常な入力処理が確保され、ユーザに不便を与え難い。
【0065】
また、その操作パネル部領域に重ねられる操作表示シート21を用いるから、操作表示シート21における操作項目に対して種々の設定値等を入力し易く、正確な操作が可能である。なお、操作表示シート21は表示の異なる任意の枚数で実施可能である。
【0066】
さらに、操作キー群13が、その操作パネル部11に併設されたテンキー13aを含むものであるから、従来から一般に設けられた個々のテンキー13aを用いてその操作が可能となり、大幅な設計変更が不要で、コスト高を招き難い。
【0067】
そして、上記操作キー群13への操作入力を示すキー入力音を発音する発音体15を設け、操作入力を説明する意味内容のメッセージを操作制御部23で発音制御するから、操作表示シート21における操作項目と個々のテンキー13aの操作結果を音響的に確認可能で、使い勝手が向上する。
【0068】
さらに、個々のテンキー13aへの操作入力を示す発光部17を設けて操作制御部23で発光制御するから、操作表示シート21における操作項目と個々のテンキー13aの操作結果を視覚的に確認可能で、使い勝手が向上するうえ、発音体15による発音情報の聞き間違いも防止可能である。
【0069】
さらにまた、上記操作制御部23が、テンキー13aからの切換指示があったとき、そのテンキー13aの操作に応じ操作表示シート21における対応する操作項目への操作入力と判別するから、操作項目が単に印刷表示された操作表示シートを用いる場合にも、操作キーからの入力指示に切り換え可能である。
【0070】
そして、RFID装置13aを添付した操作表示シート21を用い、その特定情報を受信したとき、当該特定情報に対応する操作項目への操作入力と判別する構成では、操作表示シート21を例えば操作パネル部11に載置するだけで、切換指示の自動入力が可能で、使い勝手が向上する。
【0071】
ところで、本発明の操作パネル制御装置Bにおいて、操作表示シート21に対するタッチ操作入力指示に続き操作入力されるテンキー13aへの操作指示は、操作表示シート21に対するタッチ操作入力指示に連続する操作指示のみならず、タッチ操作入力指示後の操作指示を含むものである。
【0072】
さらに、本発明の操作パネル制御装置Bにおいて、発音体15によって発音させるメッセージは、テンキー13aへの操作指示に基づき、本来は液晶表示部11aに表示させる値等を意味する内容であればよい。
【0073】
なお、本発明の操作パネル制御装置Bを搭載した画像形成装置Aにおいても、上述した操作パネル制御装置Bと同様の効果を有する。
【符号の説明】
【0074】
1 主制御部
3 画像読取部
5 記憶部
7 印刷部(画像形成部)
9 通信部
11 操作パネル部
11a 液晶表示部
11b タッチスイッチシート
13 操作キー群
13a テンキー(操作キー)
15 発音部
17 発光部
19 送受信部
21 操作表示シート
21a RFID装置
23 操作制御部
A 画像形成装置
B 操作パネル制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該装置の動作形態を表示するとともに、当該表示領域へのタッチ操作による入力指示を受け付ける操作パネル部と、
この操作パネル部とは別に配置され前記装置への入力指示を受け付ける複数の操作キーを有する操作キー群と、
前記装置に対する操作項目が予め表示され、前記操作パネル部領域に重ねられる操作表示シートと、
所定の切換指示があったとき、前記操作パネル部に重ねられた前記操作表示シートにおける前記操作項目へのタッチ操作入力指示に基づき、当該操作項目を実行制御するとともに、前記タッチ操作入力指示に続き操作入力された前記操作キーからの操作指示を実行制御する操作制御部と、
を具備することを特徴とする操作パネル制御装置。
【請求項2】
前記操作キー群は、前記操作パネル部に併設されたテンキーを含む請求項1記載の操作パネル制御装置。
【請求項3】
前記操作キー群への操作入力を示すキー入力音を発音する発音体を有し、前記操作制御部は、個々の前記操作キーへの操作入力に応じた意味のキー入力音を発音するよう前記発音体を発音制御する請求項1又は2項記載の操作パネル制御装置。
【請求項4】
個々の前記操作キーへの操作入力を示す発光部を有し、前記操作制御部は、操作入力された個々の前記操作キーの前記発光部を発光制御する請求項1〜3いずれか1項記載の操作パネル制御装置。
【請求項5】
前記操作制御部は、前記操作キーからの前記切換指示に応じ、これに対応する前記操作表示シートの前記操作項目への操作入力と判別する請求項1〜4いずれか1項記載の操作パネル制御装置。
【請求項6】
前記操作表示シートは、当該操作表示シートを特定する特定情報を格納したRFID装置を有し、前記操作制御部は、前記RFID装置から前記特定情報を前記切換指示として受信したとき、当該特定情報に対応する前記操作表示シートの前記操作項目への操作入力と判別する請求項1〜4いずれか1項記載の操作パネル制御装置。
【請求項7】
前記請求項1〜6いずれか1項記載の操作パネル制御装置と、画像データを画像形成する画像形成部とを有する画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−39346(P2012−39346A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−177055(P2010−177055)
【出願日】平成22年8月6日(2010.8.6)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】