説明

操作ユニット

【課題】一本の指による操作で電子機器に実行させる制御の種類をさらに多様化させることで電子機器の操作性を向上させることができる操作ユニットを提供すること。
【解決手段】手指による操作によって電子機器に対し、複数種類の制御を実行させる操作ユニットに、手指による押圧操作の押圧力を一端で受付ける軸体と、手指による当該手指の可動範囲内の操作により、前記軸体を中心に前記軸体の周囲を回転する回転体と、前記軸体に対する当該軸体の軸方向への押圧力を検知する第1センサと、前記軸体に対する当該軸体の軸方向以外の方向への押圧力を検知する第2センサと、前記回転体の回転状態を検知する第3センサとを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ユニットに関するものであり、特に、一本の指による操作で電子機器に実行させる制御の種類を多様化させることで電子機器の操作性を向上させることができる操作ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器には、複数種類の操作を受付け、受付けた操作の種類に対応した制御を電子機器に実行させる操作ユニットが知られている。たとえば、特許文献1には、一本の指による操作によって撮像装置のズーム機構に対し複数種類の制御を実行させることができる操作ユニットが記載されている。
【0003】
具体的には、特許文献1に記載のものは、軸体の一端に設けられた操作部を軸体の軸方向へ押下することでズーム機構への通電を行わせ、操作部を押下した状態で軸体を傾動させるように操作部を操作することでズーム機構を駆動させる。
【0004】
このように、引用文献1に記載のものは、一本の指の操作によりズーム機構への通電およびズーム機構の駆動という2種類の制御を行うことができるため、撮像装置の操作性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−36131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、電子機器の多機能化に伴い、操作ユニットには、さらに多様な機能が要求されている。このため、特許文献1に記載のもののように一本の指による操作で2種類の制御を行うだけでは電子機器の操作性を十分に向上させることができないという問題があった。
【0007】
たとえば、カーナビゲーション装置の動作を制御する操作ユニットの場合、地図のスクロール、地図の拡大縮小、メニュー選択等、多様な制御が要求される。しかも、カーナビゲーション装置等の車載装置は、運転者が運転中に操作する場合があるため、操作のために手指を動かす操作範囲を極力狭くすることが望まれている。
【0008】
このことから、一本の指による操作で電子機器に実行させる制御の種類をさらに多様化させることで電子機器の操作性を向上させることができる操作ユニットをいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0009】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、一本の指による操作で電子機器に実行させる制御の種類をさらに多様化させることで電子機器の操作性を向上させることができる操作ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、手指による操作によって電子機器に対し、複数種類の制御を実行させる操作ユニットであって、手指による押圧操作の押圧力を一端で受付ける軸体と、手指による当該手指の可動範囲内の操作により、前記軸体を中心にして前記軸体の周囲を回転する回転体と、前記軸体に対する当該軸体の軸方向への押圧力を検知する第1センサと、前記軸体に対する当該軸体の軸方向以外の方向への押圧力を検知する第2センサと、前記回転体の回転状態を検知する第3センサとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操作ユニットは、手指の可動範囲で手指を動かすことで軸体を軸方向へ押圧する操作と、軸体を軸方向以外の方向へ押圧する操作と、軸体を中心に回転体を回転させる操作という3種類の操作を受付けることができるため、一本の指による操作で電子機器に実行させる制御の種類をさらに多様化させることで電子機器の操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に係る操作ユニットの概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係る操作ユニットの適用例および操作部を示す図である。
【図3】図3は、本実施例に係る操作ユニットの操作による各車載装置の動作例を示す図である。
【図4】図4は、本実施例に係る操作ユニットの機械的構成を示す図である。
【図5】図5は、本実施例に係る操作ユニットの機能的構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、本実施例に係る操作ユニットの動作の一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施例に係る操作ユニットの押圧操作部および回転操作部の変形例を示す図である。
【図8】図8は、他のセンサと接続した操作ユニットを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る操作ユニットの実施例を詳細に説明する。まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る操作ユニットの概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る操作ユニット1の概要を示す図である。
【0014】
なお、同図は、本発明に係る操作ユニット1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを模式的に示したものであり、同図における操作ユニット1の各構成要素の形状や各構成要素の配置は、本発明を限定するものではない。
【0015】
また、以下では、本発明に係る操作ユニット1を車載装置の操作ユニットに適用した場合について説明するが、本発明に係る操作ユニット1は、任意の電子機器の操作ユニットに適用することができる。
【0016】
同図に示す操作ユニット1は、車載装置の操作ユニットとして好適に機能するものである。特に、操作ユニット1は、車両のハンドルの所定位置に設けた場合に、運転者による誤操作を抑制しつつ、運転者がハンドルを握ったままの状態で親指S一本の操作により車載装置に対して多様な制御を実行させることが可能なものである。
【0017】
すなわち、操作ユニット1は、同図に示すように、親指S一本で3種類の操作を可能とすることにより、運転者がハンドルから手を離さずに親指S一本の操作で車載装置に対し少なくとも3種類の制御を実行させることを可能としている。
【0018】
さらに、操作ユニット1は、3種類の各操作の干渉を抑制することにより、細かな操作に向かない親指Sで運転者が操作を行った場合であっても、所望する制御以外の制御が車載装置で実行されることを抑制している。また、操作ユニット1は、運転者に対して明確な操作感を与えることにより、操作ユニット1が確実に操作されていることを運転者へ認識させ、運転者による誤操作を抑制している。
【0019】
具体的には、同図(A)に示すように、操作ユニット1は、親指Sによる押圧力を一端で受付ける軸体11と、親指Sによる親指Sの可動範囲内の操作により、軸体11を中心に軸体11の周囲を回転する回転体12とを備えている。なお、軸体11は、軸方向へのみ変位可能に構成している。また、回転体12と軸体11とは、各動作が連動しないように別部材で構成されている。
【0020】
また、操作ユニット1は、軸体11に対する軸体11の軸方向への押圧力F1を検知することで軸体11への軸方向への操作を検知するスイッチ13と、軸体11に対する軸体11の軸方向以外の方向への押圧力F2を検知することで軸体11への軸方向以外の方向への操作を検知するベクトルセンサ14とを備えている。また、操作ユニット1は、回転体12の回転状態を検知する回転センサ15を備えている。
【0021】
このため、操作ユニット1は、スイッチ13、ベクトルセンサ14、回転センサ15で検知した各操作に対応する制御信号を所定の車載装置へ出力することで、車載装置に対し3種類の制御を実行させることができる。
【0022】
しかも、操作ユニット1における回転体12は、運転者がハンドルを握っている際の親指Sの可動範囲内で軸体11を中心に回転するため、運転者は、親指S一本による操作で軸体11および回転体12の双方を個別に操作することができる。
【0023】
また、同図(B―1)、(B―2)に示すように、操作ユニット1における軸体11は、親指Sにより軸体11の軸方向への押圧力F1が加えられた場合に、押圧力の方向へ所定長だけ摺動するように構成している。
【0024】
これにより、操作ユニット1は、軸体11が軸方向へ押圧操作された場合に、軸体の摺動によって運転者へ明確な操作感(クリック感)を与えることができる。このため、操作ユニット1は、軸体11の軸方向への押圧操作を正常に受付けたにもかかわらず、運転者が誤って何度も軸体11を軸方向へ押圧操作することを抑制することができる。
【0025】
また、操作ユニット1における回転体12は、同図(C)に示すように、運転者がハンドルを握ったまま親指を回転体12へ接触させた状態で親指Sを親指Sの可動範囲内で軸体11の軸方向とは異なる方向へスライドさせることで軸体11を回転軸として回転するように構成している。
【0026】
このため、操作ユニット1では、運転者が回転体12を親指Sで操作している間、親指Sは、回転体12の回転軌道に沿って弧を描くように移動することになるので、運転者が親指Sで回転体12を操作中に誤って軸体11を操作することを抑制することができる。
【0027】
さらに、回転体12は、操作面における回転の中心を中心点とする所定領域に凹部を設けることができる。たとえば、同図(D)に示すように、操作ユニット1では、運転者がハンドルを握ったまま軸体11を軸方向以外の方向へ押圧操作する際の親指Sの可動範囲に凹部12aを設けることができる。
【0028】
かかる凹部12aを回転体12の操作面に設けることで、操作ユニット1では、運転者が親指Sで軸体11を軸方向以外の方向へ押圧操作した場合に、親指Sを誤って回転体12に接触させて回転体12を誤操作してしまうことを抑制することができる。
【0029】
なお、本発明に係る操作ユニット1では、軸体11における一端側の構成を変更することで、軸体11が軸方向以外の方向へ押圧操作された場合の操作感を、運転者へより明確に与えるように構成することもできる。かかる軸体11の構成については、後述の実施例において説明する。
【0030】
このように、操作ユニット1では、親指S一本の動きで3種類の操作を個別に受付けることができる。しかも、操作ユニット1は、掌を固定した状態で親指Sを動かすことができる操作範囲内の操作で3種類の操作を全てを行うことができる。
【0031】
このため、かかる操作ユニット1は、ハンドル上で運転者が握る位置に設けることにより、運転者が運転中であってもハンドルから手を離すことなく、安全に親指S一本の操作だけで車載装置に対し多様な制御を実行させることができる。
【0032】
また、操作ユニット1では、3種類の各操作の干渉を抑制するとともに、運転者に対して明確な操作感を与えるように構成している。特に、操作ユニット1では、軸体11が軸方向へ押圧操作された場合、軸体11が押圧力の方向へ摺動するように構成しているため、運転者に対して明確にプッシュ感覚(クリック感)を実感させることができる。
【0033】
このため、操作ユニット1によれば、運転者は、車両が振動しているような場合に、細かな操作に向かない親指で操作しても操作の完了を明確に実感することができる。
【0034】
以下では、図1を用いて説明した操作ユニット1の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例に係る操作ユニット100を車載装置の操作ユニットに適用した場合について説明するが、本発明に係る操作ユニット100は、任意の電子機器の操作ユニットに適用することができる。
【実施例】
【0035】
図2は、本実施例に係る操作ユニット100の適用例および操作部を示す図である。なお、同図(A)には、操作ユニット100の適用例を示し、同図(B)には、操作ユニット100における操作部の運転者からみた平面図を示し、同図(C)には、同図(B)におけるX−Xによる操作部の断面図を示している。
【0036】
同図(A)に示すように、操作ユニット100は、車両のハンドル200の所定位置に配設されるものである。具体的には、操作ユニット100は、ハンドル200におけるスポーク201の端部で、運転者がハンドル200を握ったときに親指が添えられる位置に配設されて使用される。
【0037】
そして、操作ユニット100は、運転者がハンドル200を握った状態、すなわち、掌を固定した状態で親指を動かすことができる操作範囲(親指の可動範囲)内で全ての操作ができるように各操作部を配置している。
【0038】
また、操作ユニット100は、運転者の親指による複数種類の操作を受付け、受付けた操作に対応した制御信号を車載装置300へ送信する。そして、車載装置300は、操作ユニットから入力される制御信号に対応した制御を実行する。
【0039】
ここで、操作ユニット100の操作により動作する車載装置としては、同図(A)に示すように、ナビゲーション装置301、エアコン装置302、AV(Audio Video)装置303等がある。なお、操作ユニット100は、同図に示す車載装置300以外にも、パワーウィンドウ装置、車両の照明装置、オートクルーズ装置等、車両に搭載されている任意の電子機器と接続することで、任意の車載装置を動作させることができる。
【0040】
かかる操作ユニット100は、同図(B)、(C)に示すように、軸体110の一端に設けられ運転者の親指による押圧操作を受付ける押圧操作部111と、運転者の親指による回転操作を受付ける回転操作部120とを備えている。かかる軸体110、押圧操作部111、回転操作部120は、図1における軸体11、軸体11の一端に設ける操作部、回転体12にそれぞれ相当するものである。
【0041】
すなわち、押圧操作部111は、親指による軸体110の軸方向(以下、単に、「軸方向」という)への押圧操作と、親指による軸方向以外の方向への押圧操作とを受付ける操作部である。以下、軸方向への押圧操作を押込操作、軸方向以外への押圧操作を傾倒操作という。なお、ここでの傾倒操作とは、軸体110を傾倒させる操作ではなく、軸体110を傾倒させる方向へ押圧する操作である。
【0042】
そして、操作ユニット100は、押圧操作部111が押込操作された場合に、押込操作がなされたことを示す制御信号を車載装置300へ出力する。また、操作ユニット100は、押圧操作部111が傾倒操作された場合に、傾倒操作時の押圧力に応じた制御信号を車載装置300へ出力する。
【0043】
また、回転操作部120は、親指による回転操作を受付けた場合に、軸体110を回転軸として軸体110の周囲を回転する操作部である。なお、同図(B)、(C)における符号121は、回転操作部120の操作面に設けた滑り止めである。
【0044】
ここで、回転操作部120は、同図(B)、(C)に示すように円盤状の部材により構成している。そして、回転操作部120の操作範囲となる円盤状の部材の直径は、成人が掌を固定した状態で親指を動かすことができる操作範囲(親指の可動範囲)となるように構成している。これにより、運転者は、ハンドル200から手を離すことなく、安全に親指一本の操作により操作ユニット100に対し、傾倒操作、押込操作、回転操作という3種類の操作を行うことができる。
【0045】
また、操作ユニット100は、操作対象となる車載装置300を切り替えることにより、各車載装置300に対し、少なくとも3種類以上の制御を実行させることができる。ここで、図3を用いて、操作ユニット100の操作による各車載装置300の動作例について説明する。
【0046】
図3は、本実施例に係る操作ユニット100の操作による各車載装置300の動作例を示す図である。同図に示すように、たとえば、操作ユニット100は、操作対象をナビゲーション装置301へ切り替えた場合、傾倒操作により表示中の地図のスクロール、回転操作により表示中の地図の拡大縮小、押込操作により、メニュー呼出等を行うことができる。
【0047】
また、操作ユニット100は、操作対象をエアコン装置302へ切り替えた場合、傾倒操作、回転操作、押込操作により、それぞれ運転切換、温度調整、運転種別や温度の決定等を行うことができる。また、操作ユニット100は、操作対象をAV装置303へ切り替えた場合、傾倒操作、回転操作、押込操作により、それぞれコンテンツの再生・早送り・巻戻し、ボリューム調整、コンテンツの決定等を行うことができる。
【0048】
このように、操作ユニット100は、複数種類の車載装置300と接続し、操作対象とする車載装置300を切り替えることで、各車載装置300に対して多様な制御を実行させることができる。
【0049】
次に、図4を用いて、本実施例に係る操作ユニット100の機械的構成について説明する。図4は、本実施例に係る操作ユニット100の機械的構成を示す図である。なお、図4には、図2(B)に示す操作ユニット100のX−X線による断面図を示している。
【0050】
また、図4(A)は、操作ユニット100全体の断面を示しており、図4(B)には、操作ユニット100における後述のベクトルセンサ140部分を拡大した断面を示している。
【0051】
図4(A)に示すように、操作ユニット100は、ハンドル200のスポーク201内部に設けられた平板状のステー101に対しボルト(図示略)等によって取付けられる。なお、以下の説明では、ステー101の平板面と直交する方向で操作ユニット100が設けられている側を上として説明する。
【0052】
かかる操作ユニット100は、取り付け時にステー101と当接するベース基板102と、ベース基板102上に立設される上下が開口された円筒形状の枠体103とを備えている。また、枠体103内部におけるベース基板102上の中央位置には、押圧操作部111が押込操作された場合にON状態となるスイッチ130が設けられている。
【0053】
かかるスイッチ130の動作については、後述する。なお、ここでのスイッチ130は、図1におけるスイッチ13に相当する。ここで、図4(A)に示す符号131は、スイッチ130の位置を固定するスペーサ、符号132は、軸体110とともに上下へ摺動するスライド体である。
【0054】
また、図4(A)に示す符号133は、スライド体132を上側へ付勢するバネ、符号134は、スライド体132が下側へ摺動した場合にスライド体132の下端に押圧されて凹状に変形する可動接点、符号135は、可動接点134が凹状に変形した場合に可動接点134と接触する固定接点である。
【0055】
また、スイッチ130上には、押圧操作部111が傾倒操作された場合に、押圧操作111へ加えられた押圧力および押圧力の向きを検知するベクトルセンサ140が設けられている。
【0056】
かかるベクトルセンサ140は、図4(B)に示すように、頂面に形成された薄肉状のダイアフラム143と、ダイアフラム143の下面に貼付されたひずみゲージ141と、ひずみゲージ141を保護する保護樹脂145とを備えている。
【0057】
そして、ベクトルセンサ140は、押圧操作部111が傾倒操作された場合に、押圧操作111へ加えられた押圧力によってダイアフラム143が変形し、その歪をひずみゲージ141が検出する。
【0058】
なお、ベクトルセンサ140の動作については、後述する。なお、ここでのベクトルセンサ140は、図1におけるベクトルセンサ14に相当する。ここで、図4に示す符号142は、ベクトルセンサ140の位置を固定するスペーサである。
【0059】
また、ベクトルセンサ140の中央には、ベクトルセンサ140を上下に貫く管状の挿通孔144が形成されている。そして、挿通孔144内には、挿通孔144を貫くように軸体110が設けられている。
【0060】
このため、ひずみゲージ141を保護する保護樹脂145は、挿通孔144内を摺動する軸体110の動作を妨げぬよう挿通孔144の外周よりも外側に設けられている。なお、ここでの軸体110は、図1における軸体11に相当する。
【0061】
かかる軸体110は、下端がスイッチ130のスライド体132上端と当接し、上端がベクトルセンサ140の挿通孔144の上端から突出した状態で挿通孔144へ挿入されている。なお、軸体110は、中段部の外周面が挿通孔144の内周面と当接しているが、上下方向へ摺動する場合には、ベクトルセンサ140に影響しないように構成されている。
【0062】
また、軸体110は、挿通孔内を上下方向にのみ摺動可能に構成されている。すなわち、軸体110は、軸方向にのみ変位可能に構成されている。このように、軸体110を軸方向にのみ変位可能に構成しているのは、操作ユニット100の小型化と、車両の振動等による誤制御の防止との両立を図るためである。
【0063】
すなわち、軸体110が傾倒することを許容した場合、軸体の傾倒範囲の分だけ操作ユニット100のサイズを拡大する必要がある。また、軸体110が傾倒することを許容した場合、操作ユニット100を搭載している車両が大きく振動した場合、それに伴って軸体110が操作されていないにもかかわらず傾倒して車載装置300が運転者の意図に反して動作する恐れがある。
【0064】
このため、操作ユニット100では、軸体110を軸方向にのみ変位可能に構成することで、操作ユニット100の小型化と、車両の振動等による誤制御の防止との両立を図っている。
【0065】
また、枠体103の上面には、エンコーダ基板153および固定接点152が固定設置されており、固定接点152の上には、可動接点151が軸体110を回転軸として回転自在に設けられている。ここで、固定接点152および可動接点151は、中央に軸体110が貫通する貫通孔を備えた円盤状の部材である。
【0066】
そして、操作ユニット100では、これらエンコーダ基板153、固定接点152、可動接点151により、回転操作部120の回転状態を検知する回転センサ150を構成している。かかる回転センサ150の動作については、後述する。なお、ここでの回転センサ150は、図1における回転センサ15に相当する。
【0067】
また、可動接点151上には、可動接点151と連動して回転する回転操作部120を設けてもよい。なお、同図では、回転操作部120の操作面に設けた滑り止め121は、図示を省略していが、例えば、ゴム等の滑りにくい材質の部材や操作面に溝を設けたりすることが考えられる。
【0068】
かかる回転操作部120も中央に軸体110が貫通する貫通孔を備えた円盤状の部材である。特に、回転操作部120は、円盤状の部材の直径が成人の掌を固定した状態における親指の可動範囲となるように形成されている。これにより、運転者は、ハンドル200を握ったまま親指を動かすだけで回転操作部120を操作することができる。そして、回転操作部120の貫通孔から上方に突出した軸体110の上端には、押圧操作部111が設けられている。
【0069】
ここで、上記のように構成した操作ユニット100におけるスイッチ130、ベクトルセンサ140、回転センサ150の動作および操作ユニット100の機械的動作について説明する。
【0070】
スイッチ130は、軸体110の摺動に連動し、所定の昇降範囲で昇降するスライド体132と、スライド体132を軸方向上側へ付勢するバネ133とを備えている。また、スイッチ130は、スライド体132が最下部まで降下した場合に、スライド体132内部の棒体により押圧されて凹状に変形するアーチ状の可動接点134と、可動接点134が凹状に変形した場合に可動接点134と接触する固定接点135とを備えている。
【0071】
そして、スイッチ130は、スライド体132が降下して可動接点134と固定接点135とが接触した場合に、押圧操作部111が押込操作されたことを示す信号を後述の制御部160(図5参照)へ出力する。
【0072】
また、ベクトルセンサ140は、前述のようにひずみゲージ141を備えている。かかるひずみゲージ141は、外部から加えられる押圧力によって歪みを生じ、生じた歪量に応じて電気抵抗値が変化する抵抗素子である。
【0073】
すなわち、ひずみゲージ141は、所定の電圧を印加した状態で押圧力により歪みが生じた場合、押圧力に応じた電圧を出力する。なお、ベクトルセンサ140では、ひずみゲージ141をダイアフラム143の下面に設けている。
【0074】
かかるベクトルセンサ140では、押圧操作部111が傾倒操作された場合に、押圧力により薄肉状のダイアフラム143が変形し、その歪をひずみゲージ141が検出する。そして、ひずみゲージ141は、押圧操作部111へ加えられた押圧力および押圧力の向きに応じた電圧を信号として後述の制御部160へ出力する。
【0075】
また、回転センサ150は、回転操作部120が回転操作された場合に、回転操作部120の回転角度に応じた数のパルスを回転操作部120の回転角度を示す信号として後述の制御部160へ出力する。
【0076】
すなわち、回転センサ150では、固定接点152の上面に軸体110を囲むように等間隔で複数の電極が設けられ、可動接点151の下面に可動接点151が回動することで固定接点152上面の電極と接触する電極が設けられている。
【0077】
そして、固定接点152は、回転操作部120が回転操作された場合に、固定接点152および可動接点151の電極同士が接触したタイミングでパルスを出力する。かかるパルスは、エンコーダ基板153を介して後述の制御部160へ出力される。制御部160は、エンコーダ基板153から入力されるパルスに基づき回転操作部120の回転角度を判定する。
【0078】
また、エンコーダ基板153は、固定接点152上面に設けられた電極のうち可動接点151下面に設けられた電極と接触した電極の位置から回転操作部120の回転方向を判定し、かかる判定結果を後述の制御部160へ出力する。制御部160は、エンコーダ基板153から入力される回転方向の判定結果に基づき、回転操作部120の回転方向を判定する。
【0079】
このように、操作ユニット100では、スイッチ130に押込操作を検知させる場合、押圧操作部111を軸方向へ所定長だけ押し込み、スイッチ130のスライド体132を最下部に達するまでバネ133による反発力に逆らって降下させる操作が必要となる。すなわち、操作ユニット100は、押込操作時に、かかる操作を運転者に強いることによって、運転者へ明確な操作感(クリック感)を与えることができる。
【0080】
これにより、操作ユニット100では、操作ユニット100が押圧操作部111の軸方向への押込操作を正常に受付けたにもかかわらず、運転者が誤って何度も押圧操作部111を軸方向へ押圧操作することを抑制することができる。
【0081】
また、操作ユニット100における回転体操作部120は、運転者がハンドル200を握った状態で親指を回転操作部120へ接触させ、親指を親指の可動範囲内で軸体110の軸方向とは異なる方向へスライドさせることにより、軸体110を中心軸として回転するように構成している。
【0082】
このため、操作ユニット100では、運転者が回転操作部120を親指で操作している間、親指は、回転操作部120の回転軌道に沿って移動することになる。これにより、操作ユニット100によれば、運転者が細かな操作に向かない親指で回転操作部120を操作中に押圧操作部111を誤操作することを抑制することができる。
【0083】
また、操作ユニット100では、スイッチ130を軸体110の下端に当接させて設けるとともに、スイッチ130の上部にベクトルセンサ140を設け、ベクトルセンサ140の上部に回転センサ150を設けている。
【0084】
このため、操作ユニット100では、ベクトルセンサ140へ軸体110の中段側面を当接させて設けることができる。これにより、操作ユニット100では、傾倒操作時に力点となる押圧操作部111と、作用点となるベクトルセンサ140のダイアフラム143との距離を可及的に長くとることができるため、ベクトルセンサ140によって効率的に押圧力を検知することができる。
【0085】
次に、図5および図6を用いて、操作ユニット100の機能的構成および操作ユニット100の動作の一例について説明する。図5は、本実施例に係る操作ユニット100の機能的構成を示すブロック図であり、図6は、本実施例に係る操作ユニット100の動作の一例を示す図である。
【0086】
図5に示すように、操作ユニット100は、スイッチ130と、ベクトルセンサ140と、回転センサ150と、制御部160とを備えている。そして、操作ユニット100は、車載装置300と接続されている。
【0087】
なお、同図に示すスイッチ130、ベクトルセンサ140、回転センサ150は、図4に示したものと同一であるため、ここでは、説明を省略する。同図に示すように、制御部160は、スイッチ130、ベクトルセンサ140、回転センサ150から入力される信号に基づき、押圧操作部111および回転操作部120の操作状態を判定し、判定結果に応じた制御信号を車載装置300へ出力する処理部である。
【0088】
そして、制御部160は、歪判定部161と、パルスカウント部162と、ON/OFF判定部163とを備えている。歪判定部161は、押圧操作部111が傾倒操作を受付けた場合に、ベクトルセンサ140から入力される信号に基づき、押圧操作部111へ加えられた押圧力および押圧力の向きを判定する処理部である。
【0089】
具体的には、ベクトルセンサ140では、押圧操作部111が傾倒操作された場合に、軸体110の外周面が挿通孔144の内周面を押圧することでダイアフラム143が変形する。
【0090】
そして、ベクトルセンサ140では、ひずみゲージ141が変形したダイアフラム143の歪を検出し、検出した歪に応じた電圧、すなわち押圧力に応じた電圧を信号として歪判定部161へ出力する。
【0091】
続いて、歪判定部161は、ベクトルセンサ140から取得した信号を2次元のベクトルに換算し、各ベクトルの合成ベクトルを算出することにより、押圧操作部111へ加えられた押圧力および押圧力の向きを判定する。
【0092】
そして、歪判定部161は、判定結果に応じた制御信号を車載装置300へ出力することにより、車載装置300に傾倒操作に応じた処理を実行させる。たとえば、操作ユニット100の操作対象としてナビゲーション装置301が選択されている場合に、図6(A−1)に示すように、押圧操作部111が所定の押圧力で右側へ傾倒操作されたとする。
【0093】
すると、歪判定部161は、図6(A−2)に示すように、ナビゲーション装置301に表示中の地図画像を右側へスクロールさせる制御を実行させる。このとき、歪判定部161は、判定した押圧力の大きさに応じた速度で表示中の地図画像をスクロールさせる。
【0094】
また、パルスカウント部162は、回転操作部120が回転操作を受付けた場合に、回転センサ150から入力される信号に基づき、回転操作部120の回転状態を判定する処理部である。
【0095】
具体的には、回転センサ150は、回転操作部120が回転操作された場合に、回転操作部120の回転角度に相当する数のパルスをパルスカウント部162へ出力する。このとき、回転センサ150は、固定接点152上面に設けられた電極のうち可動接点151下面に設けられた電極と接触した電極の位置から回転操作部120の回転方向を判定し、かかる判定結果をパルスカウント部162へ出力する。
【0096】
そして、パルスカウント部162は、回転センサ150から入力される回転操作部120の回転方向に関する判定結果およびパルス数に基づき、回転操作部120の回転方向および回転角度を判定する。
【0097】
続いて、パルスカウント部162は、判定結果に応じた制御信号を車載装置300へ出力することにより、車載装置300に回転操作に応じた処理を実行させる。たとえば、操作ユニット100の操作対象としてナビゲーション装置301が選択されている場合に、図6(B−1)に示すように、回転操作部120が時計回りに所定角度回転操作されたとする。
【0098】
すると、パルスカウント部162は、図6(B−2)に示すように、ナビゲーション装置301に表示中の地図画像を回転操作部120の回転角度に応じた倍率で拡大させる制御を実行させる。なお、パルスカウント部162は、回転操作部120が反時計回りに回転操作されたと判定した場合、ナビゲーション装置301に表示中の画像を縮小させる制御を実行させる。
【0099】
また、ON/OFF判定部163は、スイッチ130から入力される信号に基づき、押圧操作部111が押込操作されたか否かを判定する処理部である。
【0100】
具体的には、スイッチ130では、押圧操作部111が押込操作された場合、軸体110の軸方向下側への摺動にともないスライド体132が下方へ摺動し、スライド体132の下端が可動接点134を押圧して可動接点134を凹状に変形させる。
【0101】
これにより、スイッチ130の可動接点134と固定接点135とが接触し、スイッチ130がON状態となる。なお、スイッチ130では、押圧操作部111に対する軸方向への押圧力が解除された場合、バネ133の付勢力によってスライド132が上方へ摺動する。これにより、スイッチ130は、可動接点134が元の形状に戻り、可動接点134と固定接点135とが離隔してOFF状態となる。
【0102】
そして、スイッチ130は、可動接点134と固定接点135とが接触した場合に、ON状態になったことを示す信号をON/OFF判定部163へ出力する。ON/OFF判定部163は、スイッチ130からON状態になったことを示す信号が入力された場合に、押込操作がなされたと判定する。
【0103】
そして、ON/OFF判定部163は、押込操作がなされたと判定した場合に、押込操作がなされたことを示す制御信号を車載装置300へ出力し、車載装置300に押込操作に対応した制御を実行させる。たとえば、操作ユニット100の操作対象としてナビゲーション装置301が選択されている場合に、図6(C−1)に示すように、押圧操作部111が押込操作されたとする。
【0104】
すると、ON/OFF判定部163は、図6(C−2)に示すように、ナビゲーション装置301にメニュー画像を表示させる制御を実行させる。このように、操作ユニット100では、操作対象として選択されている車載装置300に対応した多様な操作を親指一本の操作により行うことができるため、車載装置300の操作性を向上させることができる。
【0105】
ところで、前述のように、操作ユニット100では、車両の振動等による誤制御の防止と、操作ユニット100の小型化との両立を図るために、軸体110を軸方向にのみ変位するように構成している。
【0106】
かかる構成とした場合、押圧操作部111の構造を変更することで、押圧操作部111による傾倒操作の操作感をより明確に運転者へ伝えることができる。また、回転操作部120の形状を変更することで、運転者による操作ユニット100の誤操作をより一層抑制することができる。
【0107】
ここで、図7を用いて、押圧操作部111および回転操作部120の変形例について説明する。図7は、本実施例に係る操作ユニット100の押圧操作部111および回転操作部120の変形例を示す図である。
【0108】
なお、同図(A―1)、(A−2)には、本変形例に係る押圧操作部112の中心を通る垂直断面を示しており、同図(B)には、本変形例に係る回転操作部121の中心を通る垂直断面を示している。
【0109】
同図(A―1)に示すように、本変形例に係る押圧操作部112は、軸体110へ取付ける側の面に凹部を形成している。そして、かかる押圧操作部112を軸体110へ取付ける場合、軸体110の上端と押圧操作部112との間に、押圧操作部112に形成された凹部へ嵌合可能な所定の弾性を有する弾性体113を介在させて取付ける。
【0110】
かかる構成とすることにより、同図(A−2)に示すように、押圧操作部112が傾倒操作された場合、軸体110は変位しないが、弾性体113が傾倒操作による押圧力によって変形するため押圧操作部112は、押圧力の方向へ傾動する。
【0111】
これにより、操作ユニット100は、軸体110が軸方向へのみ変位可能に構成されていても、押圧操作部112が傾倒操作された場合の操作感を運転者に対して明確に伝えることができる。
【0112】
したがって、操作ユニット100は、押圧操作部112が傾倒操作を正常に受付けたにもかかわらず、運転者が誤って何度も押圧操作部112を傾倒操作することを抑制することができる。
【0113】
また、同図(B)に示すように、本変形例に係る回転操作部121は、操作面における回転の中心を中心点とする所定領域に凹部122を備えている。かかる凹部122を設ける場合、運転者が押圧操作部112を傾倒操作する際の親指の可動範囲に凹部122を設けることが望ましい。
【0114】
かかる凹部122を回転操作部121の操作面に設けることで、操作ユニット100では、運転者が親指で押圧操作部112を傾倒操作した場合に、親指を誤って回転操作部121に接触させて回転操作部121を誤操作してしまうことを抑制することができる。
【0115】
また、凹部122は、運転者が押圧操作部112を操作する際に、親指が入る空間となり、押圧操作部112の操作時に操作を補助する補助溝としても機能する。さらに、かかる凹部122に押圧操作部112を内包させることで、押圧操作部112が回転操作部121から突出することを防止することができる。これにより、運転者が事故等の際に突出した押圧操作部112でケガすることを防止することができる。
【0116】
また、かかる凹部122を回転操作部121に設ける場合、回転操作部121の上面で凹部122以外の領域にのみ滑り止め123を設けることが望ましい。かかる構成とすることで、押圧操作部112の傾倒操作時に、仮に親指が回転操作部121の凹部122に触れたとしても、滑り止め123が形成されていないため、親指が凹部122上を滑りやすい。したがって、誤操作による回転操作部121の回転角度を最小限に抑えることができる。
【0117】
また、同図(B)に示すように、回転操作部121の操作面を、操作面の頂部(凹部122の外縁)から回転操作部121の外縁にかけて垂直断面視下り勾配となるように構成することで、回転操作時の誤操作を抑制することもできる。
【0118】
すなわち、かかる構成とした場合、たとえば、回転操作部121の回転操作中に運転者が親指を軸体110の軸方向へ押し付けるように押圧力をかけると、親指は、回転操作部121の操作面に設けた下り勾配にしたがって回転操作部121の外周側へ滑る。
【0119】
このため、たとえば、運転者が回転操作部121の操作中に、回転操作部121を軸方向へ強く押圧したとしても、親指が押圧操作部112側へ移動しにくいため、運転者が押圧操作部112を誤って操作することを抑制することができる。
【0120】
また、操作ユニット100は、車両に搭載されている他のセンサと接続し、他のセンサによる車両各部の動作に関する検知結果に応じて、押圧操作部111および回転操作部120の操作状態を判定するように構成することもできる。
【0121】
ここで、図8を用いて、車両に搭載されている他のセンサと接続した操作ユニット100aについて説明する。図8は、他のセンサと接続した操作ユニット100aを示すブロック図である。
【0122】
同図に示すように、操作ユニット100aは、ハンドル200の回転角度を検知するステアリングセンサ401、車両の加速度や振動を検知する加速度センサ402、車両の走行速度を検知する速度センサ403等のセンサと接続している。
【0123】
なお、同図に示す操作ユニット100aは、制御部160aにおける歪判定部161aおよびパルスカウント部162aの動作のみが図5に示した操作ユニット100と異なる。
【0124】
具体的には、同図に示す歪判定部161aは、操作ユニット100aの外部に設けられている各センサから入力される信号に基づき、ベクトルセンサ140から入力される信号を補正することで、仮想的にベクトルセンサ140の感度を調整する感度調整部161bを備えている。
【0125】
そして、感度調整部161bは、たとえば、加速度センサ402から所定値を超える車両の振動を示す信号が入力された場合に、ベクトルセンサ140の感度を仮想的に低減する。これにより、操作ユニット100aは、車両の振動により運転者が押圧操作部111を必要以上の押圧力で傾倒操作したとしても、かかる傾倒操作を車載装置300の制御に対し、過度に反映することがない。
【0126】
また、パルスカウント部162aは、たとえば、ステアリングセンサ401からハンドル200が所定角度以上回転したことを示す信号が入力された場合に、回転センサ150から入力されるパルスのカウントを停止する。
【0127】
これにより、操作ユニット100aは、たとえば、運転者がハンドル200を1周以上回転させるためにハンドル200を持ち替える場合に、意図せずに回転操作部120を操作したとしても、かかる操作を無効とすることができる。
【0128】
また、操作ユニット110aでは、速度センサ403から車両の速度が所定速度を超えたことを示す信号が入力された場合に、制御部160aが制御を停止することもできる。このように、操作ユニット100aによれば、高速走行中における操作ユニット110aの操作を禁止することで、安全性を向上させることもできる。
【符号の説明】
【0129】
1 操作ユニット
11 軸体
12 回転体
13 スイッチ
14 ベクトルセンサ
15 回転センサ
100 操作ユニット
111 押圧操作部
110 軸体
120 回転操作部
130 スイッチ
140 ベクトルセンサ
150 回転センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手指による操作によって電子機器に対し、複数種類の制御を実行させる操作ユニットであって、
手指による押圧操作の押圧力を一端で受付ける軸体と、
手指による当該手指の可動範囲内の操作により、前記軸体を中心にして前記軸体の周囲を回転する回転体と、
前記軸体に対する当該軸体の軸方向への押圧力を検知する第1センサと、
前記軸体に対する当該軸体の軸方向以外の方向への押圧力を検知する第2センサと、
前記回転体の回転状態を検知する第3センサと
を備えたことを特徴とする操作ユニット。
【請求項2】
前記第1センサは、
前記軸体の前記一端に対する他端に設けられ、
前記第3センサは、
前記第1センサよりも前記軸体の前記一端側の位置で前記軸体を包囲するように設けられ、
前記第2センサは、
前記第3センサよりも前記軸体の前記他端側の位置で前記軸体に当接して設けられ、前記軸体に対する前記軸方向以外の方向への押圧力によって当該第2センサが歪む歪量に応じた押圧力を検知するベクトルセンサである
ことを特徴とする請求項1に記載の操作ユニット。
【請求項3】
前記軸体を当該軸体の軸方向へ摺動自在に構成し、
前記軸体に対する当該軸体の軸方向への押圧力に抗する方向へ所定の付勢力で前記軸体を付勢する付勢部材
をさらに備え、
前記軸体は、
当該軸体の軸方向への押圧力を受付けた場合に、当該押圧力の方向へ摺動し、当該押圧力が解除された場合に、前記付勢部材の付勢力によって当該押圧力の方向とは逆方向へ摺動する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の操作ユニット。
【請求項4】
前記軸体の前記一端に設けられ、所定の弾性を有する弾性体と、
前記弾性体を介して前記軸体の前記一端に設けられ、手指によって操作される操作部と をさらに備え、
前記操作部は、
前記軸方向以外の方向への押圧力を受けた場合に、前記弾性体が変形することで傾動する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の操作ユニット。
【請求項5】
前記回転体における操作面は、
当該回転体が回転する中心を中心点とする所定領域に凹部
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の操作ユニット。
【請求項6】
前記回転体は、
前記凹部を除く前記操作面に操作時の手指の滑りを防止する滑り止めを有する
ことを特徴とする請求項5に記載の操作ユニット。
【請求項7】
前記回転体は、
当該回転体における操作面の頂部から外縁へかけて下り勾配となるように構成した
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の操作ユニット。
【請求項8】
前記軸体および前記回転体は、
車両の運転中に運転者の手指が届く所定位置に設けられている
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の操作ユニット。
【請求項9】
前記所定位置は、
車両のハンドルである
ことを特徴とする請求項8に記載の操作ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−215926(P2011−215926A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−83923(P2010−83923)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【出願人】(000114215)ミネベア株式会社 (846)
【Fターム(参考)】