説明

操作感触付与型入力装置

【課題】より少ない電力で大きな回転抵抗を発生させることができ、合わせて自立的な回転力を発生させることができる操作感触付与型入力装置を提供する。
【解決手段】操作感触付与型入力装置10は、回転式の操作部12と、操作部12の回転状態を検出するエンコーダ18と、操作部12とともに回転するアーマチュアロータ22と、アーマチュアロータ22を介して操作部12に回転抵抗を付与する電磁ブレーキ24と、回転軸14を通じて操作部12に自立回転力を付与する電動モータ30とを備える。制御部28は、回転抵抗を付与する場合は電磁ブレーキ24を駆動して電力の消費を抑えるとともに、電動モータ30を駆動して操作部12を自立回転させることもできる。また、巻線24bを電動モータ30の外側に配置したので、全体を短胴化することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の電子機器や車載電装品等の入力デバイスとして利用することができ、その際、操作者に力学的な操作感触を付与することができる操作感触付与型入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の操作感触付与型入力装置に関して、操作部に操作感触を付与するアクチュエータとして回転モータを用いるものや(例えば、特許文献1参照。)、電磁ブレーキを用いるもの(例えば、特許文献2参照。)等が先行技術として知られている。
【0003】
前者の先行技術は、回転モータの出力によって操作部を自立的に回転させることができるため、その回転力の方向を適宜切り替えることで、例えば操作者の回転操作と反対方向に回転抵抗を発生させることもできるし、回転操作と同じ方向に自立回転力を発生させることもできる。また、操作者が操作を止めた(操作部から手を離した)状態でも、自立回転力によって操作部を所望の回転位置(原点位置等)まで復帰させることもできる。
【0004】
一方で後者の先行技術は、電磁ブレーキによる摩擦で回転抵抗を発生させることはできるものの、その動作はあくまで受動的であり、操作部を自立的に回転させることはできない。ただし電磁ブレーキは、摩擦を利用して大きな回転抵抗を発生させることができるため、回転モータに比べて電力の変換効率に優れるという利点がある。例えば、操作部の回転をある特定の位置で規制しようとする場合(いわゆる壁感触を付与する場合)、電磁ブレーキは回転モータに比較して電力の消費が少ないという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−251845号公報
【特許文献2】特開2005−28510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、操作部を自立的に回転させるためには、アクチュエータに回転モータを使用する必要がある。この場合、操作部に回転抵抗を発生させることもできるし、自立的に回転させることもできるが、より少ない電力で大きな回転抵抗を発生させる用途には向いていない。これに対し、電磁ブレーキを用いた場合はより少ない電力で大きな回転抵抗を発生することができるものの、操作部を自立的に回転させることはできなくなる。
【0007】
そこで本発明は、より少ない電力で大きな回転抵抗を発生させることができ、合わせて自立的な回転力を発生させることができる操作感触付与型入力装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
解決手段1:本発明は、操作者により回転操作される操作部と、操作部の回転状態を検出して出力する回転状態検出手段と、操作部への回転操作に対する回転抵抗又は操作部を自立的に回転させる自立回転力の少なくとも一方を操作部に与えるアクチュエータと、回転状態検出手段からの出力に基づき算出した操作部の回転位置とその回転方向に基づきアクチュエータの作動状態を制御する制御手段とを備えた操作感触付与型入力装置である。
【0009】
その上で本発明におけるアクチュエータは、操作部とともに回転するロータ部材を操作部とともに回転しない状態に固定されたステータ部材に圧着させて回転抵抗を発生させるブレーキ手段と、操作部を回転させて自立回転力を発生させるモータ手段とから構成されている。
【0010】
上記のように本発明では、アクチュエータをブレーキ手段とモータ手段の2つの駆動源から構成することができる。このため、アクチュエータは操作部に回転抵抗を発生させる場合、ブレーキ手段又はモータ手段のいずれを用いてもよい(両方を用いてもよい)が、特に大きな回転抵抗を発生させる場合は主にブレーキ手段を活用することで、全体として消費電力を少なく抑えることができる。またモータ手段を活用すれば、所望の回転位置まで操作部を自立的に回転させることができる。
【0011】
またアクチュエータは、ブレーキ手段だけで回転抵抗を発生させることもできるし、あるいは、モータ手段だけで回転抵抗を発生させることもできる。さらに、モータ手段とブレーキ手段とを協働させて(パラレルに)回転抵抗を発生させることもできるので、必要に応じてより強力な回転抵抗を発生することができる。
【0012】
さらにアクチュエータは、ブレーキ手段により回転抵抗を発生させながら、同時にモータ手段によって自立回転力を発生させることもできる。この場合、操作者には自分の操作に対する適度な抵抗感触を付与しつつ、その間に操作部があたかも自立的に回転していくことがあるかのような感触を与えることができる。これにより、回転抵抗の発生を主にブレーキ手段で賄うことで消費電力を少なく抑えながら、自立回転力を発生可能なモータ手段を合わせて使用することで、より多様な操作感触の付与を実現することができる。
【0013】
解決手段2:解決手段1の操作感触付与型入力装置において、モータ手段は、操作部の回転軸線上に出力軸を有した電動モータである。またブレーキ手段は、磁性材料から構成されて操作部の回転軸線の方向に移動可能に設置されたロータ部材と、通電時にロータ部材をステータ部材に吸着させる電磁コイルとを有した電磁ブレーキである。このとき電磁コイルが電動モータの外周で回転軸線の周りに形成されている態様が好ましい。
【0014】
上記の態様であれば、モータ手段及びブレーキ手段をそれぞれ電動モータ及び電磁ブレーキとしたとき、電動モータの外側に電磁ブレーキの電磁コイルを形成することで、回転軸方向への小型化を図ることができる。
【0015】
また、電磁コイルを電動モータの外側に形成している分、電磁コイルの巻径を大きくできるため、巻径が小さい構造(例えば回転軸の外側近傍で電磁コイルを形成した場合)に比較して大きな磁力を発生することができる。また巻径を大きくした場合、より少ない電力で充分な磁力を発生することができるので、省電力化を図りつつ、効率的に回転抵抗を発生することができる。さらに、巻径の拡大に合わせてステータ部材とロータ部材の外径を大きくすれば、それだけ大きな摩擦力を得ることができるため、より効率的に回転抵抗を発生することができる。また、巻径を大きくした分、かわりに巻数を減らしたとしても充分な磁力を発生することができるため、回転抵抗を犠牲にすることなく、電磁コイルの巻数減少による装置の小型化にも寄与することもできる。
【0016】
解決手段3:解決手段2において、電磁ブレーキは、回転軸線の周りに複重をなして配置された内側筒状部と外側筒状部との間に形成される環状の空間内に電磁コイルを収容したコイルケースをさらに有していてもよい。また電動モータは、操作部の回転軸に取り付けられた電機子コイル及び電機子コイルの外周側にクリアランスをおいて配置された磁石を有していてもよい。この場合、磁石がコイルケースの内側筒状部の内周面に取り付けられている態様が好ましい。
【0017】
上記の態様であれば、電磁ブレーキのコイルケース(特に内側筒状部)を電動モータの外側ケース(ケーシング)としても利用できるので、それだけ部品点数を削減し、また構造の簡素化を図ることができる。
【0018】
解決手段4:解決手段1から3において、制御手段は、ブレーキ手段又はモータ手段のいずれか一方だけを作動させることとする。
【0019】
上記のように、電磁ブレーキ及び電動モータを用いて回転抵抗又は自立回転力を発生させる場合、両方を同時に作動させることもできる(解決手段1)。その上で、ブレーキ手段(電磁ブレーキ)又はモータ手段(電動モータ)のいずれか一方だけを作動させることで、互いの磁界が干渉したり、一方で発生させた磁界が他方の動作に影響を及ぼしたりするのを防止することができる。
【0020】
特に解決手段2,3のように電磁ブレーキの電磁コイルを電動モータの外側に形成している場合、構造的な近接によって相互の干渉や影響が生じやすくなるため、制御上で電磁ブレーキと電動モータとを使い分けておくことにより、予期しない相互の干渉や影響の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態の操作感触付与型入力装置の全体的な構成を示す概略図である。
【図2】回転部材と摩擦板との連結関係を示す平面図(図1中のII−II断面を含む)である。
【図3】操作感触付与型入力装置の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】制御部(演算部)が実行する制御処理の手順例を示すフローチャートである。
【図5】演算処理において演算に用いることができるフォースカーブの第1例及び第2例を示した図である。
【図6】演算処理において演算に用いることができるフォースカーブの第3例及び第4例を示した図である。
【図7】第2実施形態の操作感触付与型入力装置の全体的な構成を示す概略図である。
【図8】第3実施形態の操作感触付与型入力装置の全体的な構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明の操作感触付与型入力装置は、例えば、各種の電子機器(コンピュータ機器、オーディオ機器、ビデオ機器)をはじめ、カーナビゲーション装置等の車載電装品用の入力デバイス(ユーザインタフェース)として利用することができる。
【0023】
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の操作感触付与型入力装置10の全体的な構成を示す概略図である。図1中、操作感触付与型入力装置10の機械的な構成は、その大部分が縦断面により示されている。また図1中、操作感触付与型入力装置10の電気的な構成はブロック要素として示されている。
【0024】
〔操作部〕
操作感触付与型入力装置10は操作部12を備えており、この操作部12は、例えば回転式のつまみ形状(ダイヤル形状)をなしている。操作者は操作部12をつまんだ状態で回転操作することができ、このとき操作部12は図中に一点鎖線で示される回転軸線CLの回りに回転する。
【0025】
操作部12は、例えば回転軸14の一端に連結されている。この回転軸14は上記の回転軸線CLに沿って操作部12から一方向(図1中の下方向)に延びており、回転軸14は操作部12とともに回転軸線CLの回りに回転する。
【0026】
なお回転軸14には、その軸方向の途中に弾性部材15が介挿して設けられている。このため回転軸14は、弾性部材15を挟んで軸方向に第1パーツ14aと第2パーツ14bとに分割された構造を有している。なお、弾性部材15と第1パーツ14a、第2パーツ14bとは、それぞれの接合部で強固に接合されている。また弾性部材15には、例えば材料としてゴムを使用することができる。
【0027】
〔回転状態の検出〕
回転軸14(第1パーツ14a)の外周には、被検出体であるコード板16が取り付けられている。このコード板16は回転軸14を中心とした薄板の円盤形状をなしており、その周方向には一定ピッチで図示しないスリットが形成されている。またコード板16の外周部には、回転方向の原点位置を基点として周方向に図示しないインデックス(遮光部)が形成されている。
【0028】
回転軸14の近傍位置には、検出部として例えば光学式のエンコーダ18が設置されている。このエンコーダ18は、例えば2条の検出光を用いて互いに異なる位置でコード板16のスリットを透過させることができる。操作部12が回転操作されると、これに伴って回転軸14とともにコード板16が回転し、エンコーダ18から互いに位相差を持った回転角信号(A相及びB相のエンコーダパルス)が出力される。なおエンコーダ18は、アナログ式のエンコーダ(例えば磁気センサ型)でもよい。
【0029】
また回転軸14には、例えば第2パーツ14bの軸方向でみた中央付近に回転部材20が取り付けられている。回転部材20は、例えば円盤形状の本体部20aを有しており、この本体部20aは回転軸14(第2パーツ14b)を中心としてラジアル方向に拡がっている。本体部20aの中央位置には貫通孔20bが形成されており、この貫通孔20bは本体部20aを厚み方向に貫通して形成されている。そして回転部材20は、貫通孔20bの内部に回転軸14(第2パーツ14b)を挿通させた状態で回転軸14に固定されている。このため回転部材20は、操作部12が操作されると回転軸14とともに回転軸線CLの回りに回転する。
【0030】
〔アーマチュアロータ(ロータ部材)〕
また回転軸14には、回転軸線CLに沿う方向でみて回転部材20に隣接する位置にアーマチュアロータ22が取り付けられている。このアーマチュアロータ22もまた、例えば円盤形状の本体部22aを有するとともに、その中央位置には挿通孔22bが形成されている。アーマチュアロータ22の挿通孔22bもまた本体部22aを厚み方向に貫通しているが、その内径は回転軸14の外径よりもわずかに大きい。このためアーマチュアロータ22は回転軸14(第2パーツ14b)に対して固定されておらず、回転軸14や回転部材20に対しては回転軸線CLの回りに相対回転が可能な状態で支持されている。
【0031】
またアーマチュアロータ22は、挿通孔22b内に回転軸14(第2パーツ14b)を挿通させた状態で、中心軸線CLに沿う方向へ僅かに変位可能である。なお回転軸14の外周面と挿通孔22bの内周面との間には、例えば回転軸14に沿ってスライド自在な軸受(図示していない)が設けられていてもよい。またアーマチュアロータ22は、その全体が磁性材料(例えば鉄)で構成されている。
【0032】
〔電磁ブレーキ(ブレーキ手段)〕
第1実施形態の操作感触付与型入力装置10は、アクチュエータの構成要素として電磁ブレーキ24を備えている。この電磁ブレーキ24は、例えば中空の円柱形状をなすケース型コア24a(ステータ部材)を有しており、このケース型コア24aの内部にフープ状の巻線24b(電磁コイル)を配置した構造である。ケース型コア24aの中央には例えば樹脂製の軸受24cが設けられており、回転軸14の他端部(図1でみて下端部)はこの軸受24cを介してケース型コア24aに回転自在に支持されている。電磁ブレーキ24は、巻線24bに通電された状態でケース型コア24aに電磁力を発生させ、上記のアーマチュアロータ22をスラスト方向に吸着することができる。
【0033】
なお、回転軸14の他端(第2パーツ14b)はケース型コア24aを貫通して回転部材20やアーマチュアロータ22と反対方向(図1でみて下方向)へ突出しており、この突出位置で回転軸14(第2パーツ14b)にはフランジ形状のストッパ26が取り付けられている。このストッパ26は、ケース型コア24aに対して回転軸14がその軸方向(図1で上方向)へずれるのを防止している。
【0034】
〔電動モータ(モータ手段)〕
また第1実施形態の操作感触付与型入力装置10は、アクチュエータの構成要素として上記の電磁ブレーキ24とは別に電動モータ30を備えている。第1実施形態において、電動モータ30は例えばDCモータである。電動モータ30は、その出力軸が回転軸14(第2パーツ14b)と一体化されているか、もしくは回転軸14と同軸に連結されている。
【0035】
ここでは特に図示していないが、電磁ブレーキ24及び電動モータ30は、それぞれ別の装置本体や、操作感触付与型入力装置10を収容する筐体に固定されている。このため操作部12が回転操作されても、それによって電磁ブレーキ24や電動モータ30が連れ回りすることはない。
【0036】
また操作感触付与型入力装置10は制御部28を備えており、この制御部28にはエンコーダ18や電磁ブレーキ24、電動モータ30が接続されている。なお、制御部28を中心とした制御系の構成についてはさらに後述する。
【0037】
〔自立回転力の付与〕
操作感触付与型入力装置10は、アクチュエータを構成する電動モータ30に通電することで、その駆動力により回転軸14を回転させ、操作部12に自立的な回転力(自立回転力)を付与することができる。
【0038】
〔回転抵抗の付与〕
また操作感触付与型入力装置10は、上記の電磁ブレーキ24に通電することでアーマチュアロータ22を引き付け、アーマチュアロータ22を介して回転部材20に摩擦抵抗を付与し、それによって操作部12に回転抵抗を付与することができる。このため第1実施形態では、アーマチュアロータ22と回転部材20との間で相互に回転が伝達される構造を採用している。
【0039】
すなわちアーマチュアロータ22には、その表面(図1では上面)から突出する2つの連結突起22cが設けられている。これら連結突起22cは、いずれもアーマチュアロータ22(本体部22a)の表面から回転部材20に向けて延びている。一方、回転部材20には、2つの連結突起22cにそれぞれ対応する位置に連結孔20cが形成されている。これら連結孔20cは本体部20aをその厚み方向に貫通して延びており、それぞれ内部に連結突起22cが挿通されている。また各連結突起22cは連結孔20c内に挿通された状態で、回転部材20(本体部20a)の表面(図1では上面)からある程度突出するだけの全長を有している。
【0040】
図2は、回転部材20とアーマチュアロータ22との連結関係を示す平面図(図1中のII−II断面を含む)である。図2に示されているように、2本の連結突起22cは回転部材20の各連結孔20c内に挿通された状態にあり、この状態で回転部材20とアーマチュアロータ22との相対回転は規制されている。このため、電磁ブレーキ24によってアーマチュアロータ22を引き付けると、アーマチュアロータ22を介して回転部材20に回転方向への摩擦抵抗が付与された状態となる。ただし、上記のように連結突起22cは連結孔20c内で軸方向への移動は規制されていないため、回転軸14全体に軸方向への力が及ぶことはない。
【0041】
〔電動モータによる回転抵抗の付与〕
また第1実施形態では、電動モータ30によって回転抵抗を付与することもできる。すなわち、操作者による操作部12の回転操作の方向と反対方向に電動モータ30を駆動することで、操作部12に回転抵抗を付与することが可能である。ただしこの場合、電磁ブレーキ24に比較して消費電力は多くなる。
【0042】
上記の弾性部材15は、操作部12に回転抵抗が付与された状態で操作部12が操作されると、その回転方向にねじり変形(弾性変形)を生じる。ただし弾性部材15には、付与される回転抵抗が最大の状態で操作部12が操作されたとしても、そのときのトルクに対して充分な剛性を有する材料を用いるため、そこで弾性部材15が降伏したり、破断したりすることはない。したがって弾性部材15は、通常の弾性範囲内で変形しつつ、操作部12が受ける操作力を第1パーツ14aから第2パーツ14b及び回転部材20に伝達することができる。
【0043】
これにより、操作者がある程度の操作力を操作部12に加えると、電磁ブレーキ24に対してアーマチュアロータ22をスリップさせながら操作部12を引き続き回転させることができる。あるいは、電動モータ30により回転抵抗を付与している状態であっても、操作者がある程度の操作力を操作部12に加えると、その回転抵抗(操作方向と反対方向への自立回転力)に抗して電動モータ30を逆回転させながら、引き続き操作部12を回転させることができる。
【0044】
一方で弾性部材15は、上記のように弾性変形を生じた状態で操作者が操作部12から手を離したり、操作力を緩めたりすると、それまでの変形状態から復帰することができる。この復帰に伴い、弾性部材15は第1パーツ14aとともに操作部12及びコード板16をそれまでと逆方向へ僅かに回転させる。したがって、回転抵抗が付与された状態で操作部12が操作力を受けなくなると、操作部12の回転角度はそれまでの回転方向と逆方向へ僅かに変化する。
【0045】
〔制御系の構成〕
図3は、操作感触付与型入力装置10の制御系の構成を概略的に示すブロック図である。制御部28は、例えばプロセッサ(CPU)を用いた演算部28aを有する他、RAM、ROM等のメモリデバイスを用いた記憶部28b、そして入力部28c及び出力部28dを有したマイクロコンピュータとして構成されている。
【0046】
上記のエンコーダ18から出力される回転角信号は、それぞれ入力部28cでA/D変換されて演算部28aに入力される。演算部28aは、この入力信号に基づいて回転軸14(操作部12)の回転角度及び回転方向を演算する。また演算部28aは、回転角度及び回転方向の演算結果に基づいて制御信号を出力し、電磁ブレーキ24や電動モータ30の作動状態を制御する。このとき電磁ブレーキ24に対する制御信号は、出力部28dを通じて電磁ブレーキ24に供給される駆動電流又は駆動電圧に変換される。また電動モータ30に対する制御信号は、そのときの回転方向(CCW/CW)別に出力部28dを通じて駆動電流又は駆動電圧に変換される。
【0047】
〔外部システムとの接続〕
なお第1実施形態の操作感触付与型入力装置10は、例えば外部システムとしての表示装置32に接続して利用することができる。この場合、操作感触付与型入力装置10は、その制御部28から表示装置32に対して、表示制御に関する外部出力信号を出力することができる。
【0048】
例えば、表示装置32が有する表示画面(図示していない)上に操作部12の回転位置(座標上でみた回転角度)と連動させてポインタ等を表示させる場合、制御部28はポインタの表示位置を指示するための回転角座標を外部出力信号として出力する。表示装置32は、制御部28から受け取った回転角座標に基づいて表示画面上にポインタを表示する。これにより表示装置32は、操作部12の回転角度の変化に連動してリアルタイムに表示画面上でポインタを移動させることができる。ただし、このような構成は特に必須ではなく、特に操作感触付与型入力装置10が表示装置32に接続されていなくてもよい。
【0049】
〔制御処理〕
次に図4は、制御部28(主に演算部28a)が実行する制御処理の手順例を示すフローチャートである。なお制御処理の手順は、例えば記憶部28bに制御プログラムとして記憶されている。以下、各手順に沿って説明する。
【0050】
ステップS10:先ず演算部28aは、初期設定処理を実行する。この処理では、例えばエンコーダ18から入力された現時点での検出信号を記憶し、この状態を操作部12の初期位置に設定する。また演算部28aは、記憶部28bに予め記憶されている座標軸のデータを読み込み、この座標軸上で操作部12の初期位置を初期の回転角座標に設定する。なお座標軸は、操作部12の回転位置を回転角度(θ)で表したものである。
【0051】
ステップS20:次に演算部28aは、角度検出処理を実行する。この処理は、現在の操作部12の回転角度(回転位置)を検出するためのものである。例えば、演算部28aはエンコーダ18からの検出信号に基づき、先の初期設定処理で設定した初期位置から操作部12がいずれの方向へどれだけの角度だけ回転したかを検出する。そして演算部28aは、検出した回転方向及び回転角度に基づき、上記の座標軸上でみた操作部12の回転角度に対応する現在の回転角座標(θ)を演算する。
【0052】
ステップS30:次に演算部28aは、演算処理を実行する。この処理は、先の角度検出処理で演算した現在の回転角座標(θ)と予め用意されたフォースカーブとに基づき、アクチュエータ(電磁ブレーキ24、電動モータ30)により発生させる回転抵抗又は自立回転力の大きさ(自立回転力については方向も)を演算するためのものである。なおフォースカーブのプロファイルデータは、例えば予め記憶部28bに記憶させておくことができる。なおフォースカーブについては、具体例を挙げてさらに後述する。
【0053】
ステップS40:続いて演算部28aは、アクチュエータ駆動処理を実行する。この処理は、先の演算処理での演算結果に基づいてアクチュエータ(電磁ブレーキ24、電動モータ30)を作動させることにより、操作部12に回転抵抗を付与したり、自立回転力を付与したりするものである。これにより、実際に操作者が行う操作部12の操作に対して操作感触を付与することができる。
【0054】
ステップS50:そして演算部28aは、信号出力処理を実行する。この処理は、上述した外部の表示装置32に対して外部出力信号を出力するためのものである。具体的には、演算部28aは、現在の操作部12の回転角度に対応する回転角座標(θ)を外部出力信号として表示装置32に出力する。表示装置32は、この外部出力信号に基づいて表示画面32上におけるポインタ等の表示位置を制御することができる。なお、操作感触付与形入力装置10を表示装置32に接続していない場合、この信号出力処理(ステップS50)を実行する必要はない。
【0055】
電源投入後、演算部28aが上記の各処理(ステップS20〜ステップS50)を定常的に実行することにより、現在の操作部12の回転角度に対応する回転角座標(θ)がリアルタイムで演算される。また演算部28aがそのときの回転角座標(θ)に基づいてアクチュエータ(電磁ブレーキ24、電動モータ30)を駆動することにより、回転角度の変化に応じて操作部12に付与される回転抵抗や自立回転力(大きさと方向)も変化する。
【0056】
〔フォースカーブの例〕
図5は、上記の演算処理(ステップS30)において演算に用いることができるフォースカーブの第1例(図5中(A))及び第2例(図5中(B))を示した図である。以下、それぞれについて説明する。
【0057】
〔第1例:右回転時〕
図5中(A):第1例のフォースカーブは、例えば操作部12が右方向(回転軸14の上方からみて右方向)に回転する場合の制御に適用可能なプロファイルデータとして記憶部28bに記憶されている。フォースカーブが破線で示されている部分は、そこでの回転抵抗を電磁ブレーキ24により発生させることを表しており、フォースカーブが実線で示されている部分は、そこでの自立回転力を電動モータ30により発生させることを表している。また縦軸の上側は左方向への回転抵抗(FL)の大きさを表し、縦軸の下側は右方向への自立回転力(FR)の大きさを表している。
【0058】
〔区間A:θ0≦θ≦θ2〕
先ず、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ0〜θ1までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブに基づき、右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30を駆動する。これにより、操作者が特に操作しなくても、操作部12が自立的に右方向へ回転する。
【0059】
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ1の右側へ移動すると、操作部12に与えられる右方向への自立回転力は次第に減少していく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ2に達すると、操作部12に与えられる自立回転力は0になる。このため特に操作者が操作部12を操作しなければ、そこで操作部12は回転を停止する。なお、この区間Aにおいて操作者が操作部12を操作した場合でも同様の動作となる。
【0060】
〔区間B:θ2≦θ≦θn〕
次に、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θn(ただしθn>θ2)までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブの破線部分と実線部分のそれぞれに基づき、左方向への回転抵抗(極大値Fa)と右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電磁ブレーキ24と電動モータ30とを交互に駆動する。
【0061】
具体的には、先ず回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θ3までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき、電磁ブレーキ24により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。これにより、操作者が操作部12を回転させていくにつれて、次第に抵抗力が高まっていくような操作感触が付与されることになる。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ3に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除する。これにより、操作者に対してクリック感触を付与することができる。
【0062】
さらに演算部28aはフォースカーブ(実線部分)に基づき、その瞬間から右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動を開始する。これにより、クリック感触を付与した直後にあたかも操作部12の回転が急に加速された(軽くなった)かのような操作感触が付与されることになる。なお、このとき付与される自立回転力は、検出される操作部12の回転角度(θ)が座標軸上で右方向に移動するにつれて次第に減少していく。
【0063】
この後も同様に、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ4〜θ5までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき電磁ブレーキ24により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ5に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除し、回転角度(θ)が座標軸上でθ6に達するまでの間、フォースカーブ(実線部分)に基づいて右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動を開始する(座標軸上でθ6〜θ7,θ7〜θnまでの間も同様。)。
【0064】
〔区間C:θn≦θ≦θw〕
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθnの右側へ移動すると、演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき、そこから最大値Fmaxに向けて回転抵抗を増大させるべく電磁ブレーキ24を駆動する。これにより、操作者に対して次第に操作部12の回転操作が重くなっていくかのような操作感触を付与することができる。
【0065】
そして、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθwに達すると、そこで演算部28aは最大値Fmaxの回転抵抗を付与するべく電磁ブレーキ24を最大電圧(電流)で駆動する。これにより操作者に対して、あたかも操作部12の回転操作が規制されたかのような操作感触(壁に突き当たった感触)を付与することができる。
【0066】
〔第2例:左回転時〕
次に、左回転時に適用できる第2例のフォースカーブについて説明する。
図5中(B):第2例のフォースカーブは、例えば操作部12が左方向(回転軸14の上方からみて左方向)に回転する場合の制御に適用可能なプロファイルデータとして記憶部28bに記憶されている。第2例においても同様に、フォースカーブが破線で示されている部分は、そこでの回転抵抗を電磁ブレーキ24により発生させることを表しており、フォースカーブが実線で示されている部分は、そこでの自立回転力を電動モータ30により発生させることを表している。
【0067】
この場合、縦軸の上側は左方向への自立回転力(FL)の大きさを表し、縦軸の下側は右方向への回転抵抗(FR)の大きさを表している。また操作部12の回転操作に伴い、回転角度(θ)は座標軸上で左方向へ移動するものとする。
【0068】
〔区間A:θ2≦θ≦θ0〕
先ず、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ0〜θ1(右から左への移動)までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブに基づき、左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30を駆動する。これにより、操作者が特に操作しなくても、操作部12が自立的に左方向へ回転する。
【0069】
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ1の左側へ移動すると、操作部12に与えられる左方向への自立回転力は次第に減少していく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ2に達すると、操作部12に与えられる自立回転力は0になる。このため特に操作者が操作部12を操作しなければ、そこで操作部12は回転を停止する。なお、この区間Aにおいて操作者が操作部12を操作した場合でも同様の動作となる。
【0070】
〔区間B:θn≦θ≦θ2〕
次に、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θn(ただしθ2>θn)までの間にある場合は以下となる。すなわち、演算部28aはフォースカーブの破線部分と実線部分のそれぞれに基づき、右方向への回転抵抗(極大値Fa)と左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電磁ブレーキ24と電動モータ30とを交互に駆動する。
【0071】
具体的には、先ず回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θ3までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき、電磁ブレーキ24により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。これにより、操作者が操作部12を回転させていくにつれて、次第に抵抗力が高まっていくような操作感触が付与されることになる。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ3に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除する。これにより、操作者に対してクリック感触を付与することができる。
【0072】
さらに演算部28aはフォースカーブ(実線部分)に基づき、その瞬間から左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動を開始する。これにより、クリック感触を付与した直後にあたかも操作部12の回転が急に加速された(軽くなった)かのような操作感触が付与されることになる。ここでも同様に、付与される自立回転力は、検出される操作部12の回転角度(θ)が座標軸上で左方向に移動するにつれて次第に減少していく。
【0073】
この後も同様に、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ4〜θ5までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき電磁ブレーキ24により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ5に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除し、回転角度(θ)が座標軸上でθ6に達するまでの間、フォースカーブ(実線部分)に基づいて左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動を開始する(座標軸上でθ6〜θ7,θ7〜θnまでの間も同様。)。
【0074】
〔区間C:θw≦θ≦θn〕
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθnの左側へ移動すると、演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき、そこから最大値Fmaxに向けて回転抵抗を増大させるべく電磁ブレーキ24を駆動する。これにより、操作者に対して次第に操作部12の回転操作が重くなっていくかのような操作感触を付与することができる。
【0075】
そして、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθwに達すると、そこで演算部28aは最大値Fmaxの回転抵抗を付与するべく電磁ブレーキ24を最大電圧(電流)で駆動する。これにより操作者に対して、あたかも操作部12の回転操作が規制された(壁に突き当たった)かのような操作感触(壁感触)を付与することができる。
【0076】
〔第1例及び第2例のまとめ〕
上述した第1例及び第2例のフォースカーブを用いてアクチュエータ(電磁ブレーキ24、電動モータ30)の作動状態を制御した場合、右回転又は左回転のいずれについても、操作部12に回転抵抗を付与する場合は電磁ブレーキ24だけが駆動されることになる。このため、電動モータ30の動力で回転抵抗を発生させる場合に比較して、より少ない電力で大きな回転抵抗を発生させることができる。特に操作部12の回転を規制する場合(壁パターン)は大きな回転抵抗を必要とするが、電磁ブレーキ24は電動モータ30に比べて変換効率がよいため、それだけ消費電力を少なくすることができる。
【0077】
一方で、アクチュエータとして電磁ブレーキ24だけでなく、電動モータ30も使用することにより、操作部12を所望の回転位置(座標軸上のθ2)まで自立的に回転させることができるし、回転操作の途中で操作部12の回転を加速するような自立回転力を付与することもできる。
【0078】
〔フォースカーブの第3例〕
次に図6は、上記の演算処理(ステップS30)において演算に用いることができるフォースカーブの第3例(図6中(A))及び第4例(図6中(B))を示した図である。これら第3,第4例は、操作部12の回転を大きく規制する場合(壁パターン時)にのみ電磁ブレーキ24を駆動し、それ以外の場合は電磁ブレーキ24を駆動せず、電動モータ30だけを駆動するものである。以下、それぞれについて説明する。
【0079】
〔第3例:右回転時〕
図6中(A):第3例のフォースカーブは、操作部12が右方向に回転する場合の制御に適用可能なプロファイルデータである。
【0080】
〔区間A:θ0≦θ≦θ2〕
先ず、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ0〜θ1までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブに基づき、右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30を駆動する。これにより、操作者が特に操作しなくても、操作部12が自立的に右方向へ回転する。
【0081】
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ1の右側へ移動すると、操作部12に与えられる右方向への自立回転力は次第に減少していく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ2に達すると、操作部12に与えられる自立回転力は0になる。このため特に操作者が操作部12を操作しなければ、そこで操作部12は回転を停止する。なお、この区間Aにおいて操作者が操作部12を操作した場合でも同様の動作となる。
【0082】
〔区間B:θ2≦θ≦θn〕
次に、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θn(ただしθn>θ2)までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブに基づき、左方向への回転抵抗(極大値Fa)と右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の作動状態だけを制御する。
【0083】
具体的には、先ず回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θ3までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(上側の登り区間)に基づき、電動モータ30により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。これにより、操作者が操作部12を回転させていくにつれて、次第に抵抗力が高まっていくような操作感触が付与されることになる。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ3に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除する。これにより、操作者に対してクリック感触を付与することができる。
【0084】
さらに演算部28aはフォースカーブに基づき、その瞬間から右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動力を制御する。このとき電動モータ30の回転方向は、それまでの左方向(CCW)から右方向(CW)に反転することになる。これにより、クリック感触を付与した直後にあたかも操作部12の回転が急に加速された(軽くなった)かのような操作感触が付与されることになる。また、このとき付与される自立回転力は、検出される操作部12の回転角度(θ)が座標軸上で右方向に移動するにつれて次第に減少していく。
【0085】
この後も同様に、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ4〜θ5までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(次の登り区間)に基づき電動モータ30により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ5に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除し、回転角度(θ)が座標軸上でθ6に達するまでの間、フォースカーブに基づいて右方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動力を制御する(座標軸上でθ6〜θ7,θ7〜θnまでの間も同様。)。
【0086】
〔区間C:θn≦θ≦θw〕
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθnの右側へ移動すると、演算部28aは電動モータ30の駆動を停止する。そして演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき、そこから最大値Fmaxに向けて回転抵抗を増大させるべく、今度は電磁ブレーキ24を駆動する。これにより、操作者に対して次第に操作部12の回転操作が重くなっていくかのような操作感触を付与することができる。
【0087】
そして、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθwに達すると、そこで演算部28aは最大値Fmaxの回転抵抗を付与するべく電磁ブレーキ24を最大電圧(電流)で駆動する。これにより操作者に対して、あたかも操作部12の回転操作が規制された(壁に突き当たった)かのような操作感触(壁感触)を付与することができる。
【0088】
〔第4例:左回転時〕
図6中(B):第4例のフォースカーブは、操作部12が左方向(回転軸14の上方からみて左方向)に回転する場合の制御に適用可能なプロファイルデータである。ここでも同様に、縦軸の上側は左方向への自立回転力(FL)の大きさを表し、縦軸の下側は右方向への回転抵抗(FR)の大きさを表している。また操作部12の回転操作に伴い、回転角度(θ)は座標軸上で左方向へ移動するものとする。
【0089】
〔区間A:θ2≦θ≦θ0〕
先ず、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ0〜θ1(右から左への移動)までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブに基づき、左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30を駆動する。これにより、操作者が特に操作しなくても、操作部12が自立的に左方向へ回転する。
【0090】
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ1の左側へ移動すると、操作部12に与えられる左方向への自立回転力は次第に減少していく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ2に達すると、操作部12に与えられる自立回転力は0になる。このため特に操作者が操作部12を操作しなければ、そこで操作部12は回転を停止する。なお、この区間Aにおいて操作者が操作部12を操作した場合でも同様の動作となる。
【0091】
〔区間B:θn≦θ≦θ2〕
次に、検出された操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θn(ただしθ2>θn)までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブに基づき、右方向への回転抵抗(極大値Fa)と左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の作動状態だけを制御する。
【0092】
具体的には、先ず回転角度(θ)が座標軸上でθ2〜θ3までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(下側の下り区間)に基づき、電動モータ30により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。これにより、操作者が操作部12を回転させていくにつれて、次第に抵抗力が高まっていくような操作感触が付与されることになる。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ3に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除する。これにより、操作者に対してクリック感触を付与することができる。
【0093】
さらに演算部28aはフォースカーブに基づき、その瞬間から左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動力を制御する。このとき電動モータ30の回転方向は、それまでの右方向(CW)から左方向(CCW)に反転することになる。これにより、クリック感触を付与した直後にあたかも操作部12の回転が急に加速された(軽くなった)かのような操作感触が付与されることになる。また、このとき付与される自立回転力は、検出される操作部12の回転角度(θ)が座標軸上で左方向に移動するにつれて次第に減少していく。
【0094】
この後も同様に、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθ4〜θ5までの間にある場合、演算部28aはフォースカーブ(次の下り区間)に基づき電動モータ30により付与するべき回転抵抗の大きさを極大値Faに向けて次第に増加させていく。そして回転角度(θ)が座標軸上でθ5に達すると、演算部28aはそこで一気に回転抵抗の付与を解除し、回転角度(θ)が座標軸上でθ6に達するまでの間、フォースカーブに基づいて左方向への自立回転力(極大値Fa)を操作部12に与えるべく電動モータ30の駆動力を制御する(座標軸上でθ6〜θ7,θ7〜θnまでの間も同様。)。
【0095】
〔区間C:θw≦θ≦θn〕
操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθnの左側へ移動すると、演算部28aは電動モータ30の駆動を停止する。そして演算部28aはフォースカーブ(破線部分)に基づき、そこから最大値Fmaxに向けて回転抵抗を増大させるべく、今度は電磁ブレーキ24を駆動する。これにより、操作者に対して次第に操作部12の回転操作が重くなっていくかのような操作感触を付与することができる。
【0096】
そして、操作部12の回転角度(θ)が座標軸上でθwに達すると、そこで演算部28aは最大値Fmaxの回転抵抗を付与するべく電磁ブレーキ24を最大電圧(電流)で駆動する。これにより操作者に対して、あたかも操作部12の回転操作が規制された(壁に突き当たった)かのような操作感触(壁感触)を付与することができる。
【0097】
〔第4例及び第5例のまとめ〕
上述した第4例及び第5例のフォースカーブを用いてアクチュエータ(電磁ブレーキ24、電動モータ30)の作動状態を制御した場合、右回転又は左回転のいずれについても、操作部12の回転を大きく規制する場合(壁パターン)は電磁ブレーキ24だけが駆動されることになる。このため、電動モータ30の動力で回転抵抗を発生させる場合に比較して、より少ない電力で大きな回転抵抗を発生させることができる。
【0098】
なお、上記の第1〜第4例では、最大値Fmaxの回転抵抗を電磁ブレーキ24のみで発生させているが、電磁ブレーキ24と合わせて電動モータ30を駆動することにより、さらに強力な回転抵抗を付与することもできる。これにより、操作部12の回転操作をより強固に規制することで、極めて明快な壁感触を付与することができる。
【0099】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の操作感触付与形入力装置10について説明する。図7は、第2実施形態の操作感触付与型入力装置10の全体的な構成を示す概略図である。第2実施形態では、上記の電磁ブレーキ24を電動モータ30の外側に配置することで、電磁ブレーキ24と電動モータ30とを回転軸14の長手方向でみた同じ位置に配置した点が第1実施形態と大きく異なっている。その他の構成については第1実施形態と共通であり、ここでは共通の構成には図示とともに同じ符号を付し、重複した説明を省略するものとする。
【0100】
〔電磁ブレーキの構成〕
第2実施形態では、電動モータ30を回転軸14の長手方向でみてアーマチュアロータ22に近接した位置に配置するとともに、その外周位置に電磁ブレーキ24の巻線24b(電磁コイル)を形成している。このため電磁ブレーキ24は、電動モータ30の外側を二重に取り囲む外側筒状部24d及び内側筒状部24eを有しており、これら二重の筒状部24d,24eをケーシングとして、その間に形成された環状の空間内に巻線24bを収容した構造を有する。なお巻線24bは、例えばボビン24fに巻かれた状態で収容されている。
【0101】
また上記の内側筒状部24eは、回転軸14の長手方向でみた一端(図7では上端)に内フランジ部24gを有しており、この内フランジ部24gは、内側筒状部24eの一端から回転軸14の中心方向に向かって環状に拡がっている。内フランジ部24gの表面(図7では上面)は電磁ブレーキ24の作動時(巻線24bへの通電時)にアーマチュアロータ22に接触し、摩擦力を発生させる摩擦面となる。なお摩擦面は、外側筒状部24dの端縁(図7では上端縁)やボビン24fの外面(図7では上面)にも形成される(ステータ部材)。
【0102】
〔電動モータの配置〕
電動モータ30は、内側筒状部24eの内側に嵌め合わせるようにして配置されており、これにより電磁ブレーキ24と電動モータ30とが相互に連結された状態となっている。また上記の内フランジ部24gは、その裏面(図7で下面)にて電動モータ30に接することにより、電動モータ30と電磁ブレーキ24とを回転軸14の方向に関して相互に位置決めしている。なお、特に図示していないが、内フランジ部24gを貫通するねじ等によって電磁ブレーキ24と電動モータ30とを相互に固定してもよい。
【0103】
第2実施形態の構造によれば、第1実施形態のように電磁ブレーキ24と電動モータ30とを回転軸線CL上で別々の位置に配置した構造と比較して、全体的に短縮化(短胴化)を図ることができる。このため、例えば図示しない装置本体への取り付けに際し、回転軸14の長手方向(軸方向)にスペース的な余裕がない場合であっても対応することができる。また、全体として軸方向への小型化を図ることにより、装置本体の小型化にも寄与することができる。
【0104】
また第2実施形態の場合、電動モータ30の外側で巻線24bを形成しているため、それだけ巻線24bの巻径を大きくすることができる。これにより、第1実施形態の構造と比較して大きな磁力を発生することができる。また、巻線24bの巻径を大きくした場合、より少ない電力(駆動電流、駆動電圧)でも充分な磁力を発生させることができるので、省電力化を図りつつ、効率的に回転抵抗を発生することができる。さらに、巻径の拡大に合わせてアーマチュアロータ22や筒状部24d,24e(ステータ部材)の外径を大きくすることにより、それだけ大きな摩擦力を得ることができる。
【0105】
また、巻線24bの巻径を大きくした分、かわりに巻数を減らしたとしても充分な磁力を発生することができるため、電磁ブレーキ24による回転抵抗を犠牲にすることなく、巻数の減少による全体の小型化にも寄与することもできる。
【0106】
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の操作感触付与形入力装置10について説明する。図8は、第3実施形態の操作感触付与型入力装置10の全体的な構成を示す概略図である。第3実施形態もまた、第2実施形態と同様に電磁ブレーキ24を電動モータ30の外側に配置することで、電磁ブレーキ24と電動モータ30とを回転軸14の長手方向でみた同じ位置に配置した点が第1実施形態と大きく異なっている。その他の構成については第1実施形態と共通であり、ここでは共通の構成には図示とともに同じ符号を付し、重複した説明を省略するものとする。
【0107】
〔電動モータの構成〕
第3実施形態では、電動モータ30の構造が第2実施形態と少し異なっている。すなわち電動モータ30は、その内部構造体として永久磁石30a及び電機子コイル30bを有している。このうち電機子コイル30bについては、第1,第2実施形態と同様に回転軸14(電動モータ30の出力軸)に取り付けられているが、永久磁石30aが電磁ブレーキ24の内側筒状部24eの内周面に取り付けられている。
【0108】
第3実施形態の構造によれば、電磁ブレーキ24のコイルケースとなる内側筒状部24eを電動モータ30の外側ケース(ケーシング)としても利用することができる。このため、電動モータ30を1つの駆動部品として用意する必要がなく、それだけ部品点数を削減し、さらに小型化を図ることができる。
【0109】
第3実施形態の場合、内側筒状部24eの他端(図8では下端)開口に円盤部材30cが取り付けられており、これにより内側筒状部24eの内部(電動モータ30の外側ケース内部)が閉塞されている。また、内フランジ部24gの内側には円盤状の軸受24cが配置されており、これと対向する円盤部材30cにも同様に円盤状の軸受24cが配置されている。そして、これら2つの軸受24cにより回転軸14(電動モータ30の出力軸)が回転自在に支持されており、円盤部材30cの外面(図8では下面)には第1実施形態と同様のストッパ26が取り付けられている。
【0110】
また第3実施形態では、円盤部材30cから突出(図8では下方に突出)した回転軸14の部分にコード板16が取り付けられており、これに合わせてエンコーダ18が円盤部材30cの外面(図8では下面)に取り付けられている。これにより、さらに装置全体の短縮化(短胴化)を図ることができる。
【0111】
なお第3実施形態では、回転軸線CLの方向でみたコード板16と回転部材20との位置関係から、操作部12と回転部材20との間に弾性部材15が設けられていない。この場合でも、例えば回転部材20の本体部20aとアーマチュアロータ22とを僅かに相対的に回転可能な構造とし、これらの間に弾性部材(例えば板ばね、樹脂ばね等)を介挿した状態で本体部20aとアーマチュアロータ22とを相互に連結することで、弾性部材15を用いることなく操作部12の逆回転を検出することができる。
【0112】
〔第2,第3実施形態の制御例〕
第2,第3実施形態の操作感触付与型入力装置10についても、第1実施形態と同様の制御例(図3〜図6)を適用することができる。特に上述したフォースカーブ(図5,図6)のように、回転抵抗の付与に関して一時に電磁ブレーキ24又は電動モータ30のいずれか一方だけを作動させ、両方を同時に作動させない制御手法であれば、電磁ブレーキ24の発生させた磁界が電動モータ30の発生させる磁界と干渉したり、逆に電動モータ30の発生させた磁界が電磁ブレーキ24の発生させる磁界と干渉したりすることがないし、一方から他方への磁界の影響が予期せず発生するのを確実に防止することができる。
【0113】
上述した各実施形態の操作感触付与型入力装置10によれば、電磁ブレーキ24と電動モータ30とを合わせて備えることにより、より大きな回転抵抗を少ない電力で得ることができる上、自立的に操作部12を回転させることができる。また、回転抵抗の付与と合わせて自立回転力を付与することができるため、単純にいずれか一方だけを付与する場合と比較して、より多様性に富んだ操作感触の付与パターンを実現することができる。
【0114】
なお、上記の制御例で挙げたフォースカーブは図示のものに限らず、その他のパターンを採用してもよい。
【0115】
また、回転状態の検出はコード板16とエンコーダ18との組み合わせだけでなく、例えば反射板とフォトスイッチとの組み合わせで実現してもよいし、上述したようにアナログ式の検出手段を用いてもよい。
【0116】
なお、上述した実施形態では、操作部が回転操作されるものを例示したが、例えば操作部としてスライド操作等の他の移動形態を有するものにも本発明を適用することが可能である。この場合、例えば往復移動式のアクチュエータ(リニアアクチュエータ等)を用いて操作部を自立的にスライド移動させるとともに、操作部の移動状態(座標)をエンコーダ等で検出し、その検出結果に基づきアクチュエータの作動状態を制御すればよい。
【0117】
また、上述した実施形態では、アクチュエータとして電気を動力源とした電動モータおよび電磁ブレーキを例示したが、例えば油圧や空圧等の他のエネルギーを動力源としたモータやブレーキを用いてもよい。
【0118】
その他、図示とともに示した各種部材の形状や配置はいずれも好ましい例であり、本発明の実施に際してこれらを適宜変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0119】
10 操作感触付与型入力装置
12 操作部
14 回転軸
16 コード板
18 エンコーダ
20 回転部材
22 アーマチュアロータ
24 電磁ブレーキ
24b 巻線(電磁コイル)
28 制御部
28a 演算部
28d 出力部
30 電動モータ
30a 永久磁石
30b 電機子コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作者により回転操作される操作部と、
前記操作部の回転状態を検出して出力する回転状態検出手段と、
前記操作部への回転操作に対する回転抵抗又は前記操作部を自立的に回転させる自立回転力の少なくとも一方を前記操作部に与えるアクチュエータと、
前記回転状態検出手段からの出力に基づき算出した前記操作部の回転位置とその回転方向に基づき前記アクチュエータの作動状態を制御する制御手段とを備えた操作感触付与型入力装置であって、
前記アクチュエータは、
前記操作部とともに回転するロータ部材を前記操作部とともに回転しない状態に固定されたステータ部材に圧着させて前記回転抵抗を発生させるブレーキ手段と、前記操作部を回転させて前記自立回転力を発生させるモータ手段とから構成されることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作感触付与型入力装置において、
前記モータ手段は、
前記操作部の回転軸線上に出力軸を有した電動モータであり、
前記ブレーキ手段は、
磁性材料から構成されて前記操作部の回転軸線の方向に移動可能に設置された前記ロータ部材及び通電時に前記ロータ部材を前記ステータ部材に吸着させる電磁コイルを有した電磁ブレーキであり、
前記電磁コイルが前記電動モータの外周で前記回転軸線の周りに形成されていることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
【請求項3】
請求項2に記載の操作感触付与型入力装置において、
前記電磁ブレーキは、
前記回転軸線の周りに複重をなして配置された内側筒状部と外側筒状部との間に形成される環状の空間内に前記電磁コイルを収容したコイルケースをさらに有し、
前記電動モータは、
前記操作部の回転軸に取り付けられた電機子コイル及び前記電機子コイルの外周側にクリアランスをおいて配置された磁石を有しており、
前記磁石が前記コイルケースの前記内側筒状部の内周面に取り付けられていることを特徴とする操作感触付与型入力装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の操作感触付与型入力装置において、
前記制御手段は、
前記ブレーキ手段又は前記モータ手段のいずれか一方だけを作動させることを特徴とする操作感触付与型入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−211270(P2010−211270A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53508(P2009−53508)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】