説明

操作表示装置、及び画像送信装置

【課題】予め送信先フォルダを登録することなく、送信先フォルダの指定作業負担を軽減することができる操作表示装置を提供する。
【解決手段】ファイル送信ジョブの設定操作において、送信先の外部端末30が設定された段階で、その外部端末に対して、開いているフォルダに関する情報の取得要求を送信して、フォルダ情報を取得し、その外部端末で開いているフォルダ、もしくはアクティブ状態のフォルダを、ファイル送信の宛先もしくは宛先候補のフォルダ(宛先フォルダ選択釦51、52、53)として、送信先フォルダの設定画面50に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続されている外部端末のフォルダへ画像情報を送信するファイル送信ジョブの設定操作を受け付ける操作表示装置および画像送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナで原稿を読み取って得た画像情報や記憶部に記憶されている画像情報を、指定された外部装置の指定されたフォルダへネットワークを通じて送信する機能を備えた複合機などの画像送信装置がある。送信先のフォルダを指定するためには、操作パネルから送信先の外部装置を設定するだけではなく、さらにその外部装置内でのファイルパスも指定しなければならず、特に、目的のフォルダが深い階層に設けられている場合には、フォルダの指定作業が大変であった。
【0003】
そこで、送信先フォルダの指定作業負担を軽減する技術が各種提案されている。たとえば、送信宛先情報をキーとして特定できるようにフォルダを予め関連付けて登録しておき、送信宛先の指定を受け付けたとき、該送信宛先をキーにして特定したフォルダを、送信先フォルダの候補として提示する通信端末装置がある(特許文献1参照。)。
【0004】
また、PC(パーソナルコンピュータ)にスキャンデータ受信用ソフトウェアをインストールしておき、スキャナ装置からPCにスキャンデータが送られてきた場合には、スキャンデータ受信用ソフトウェアがそれを受信し、予めPCに登録されているスキャンデータ格納フォルダに格納する技術がある(たとえば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−214764号公報
【特許文献2】特開2002−77177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載の技術は、いずれも、送信先の外部端末の識別情報(IPアドレス、ホスト名、等)と送信先フォルダ(ファイルパス情報)とを予め関連付けて記憶管理しておくことで、ファイル送信ジョブの設定投入時における送信先フォルダのファイルパス指定作業を軽減するものである。これらの技術は送信先がいくつかに限定される定型のワークスタイルでは効果を奏する。
【0007】
しかし、毎回送信先が変更される場合や、臨時に特定のフォルダに送信するような場合には対応できなかった。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、予め送信先フォルダを登録することなく、送信先フォルダの指定作業負担を軽減することのできる操作表示装置および画像送信装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0010】
[1]操作部と、
操作内容を表示する表示部と、
ネットワーク通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、所定の場所に記憶されている画像情報を、ネットワークを介して接続されている外部端末のフォルダへ送信するファイル送信ジョブの設定操作を前記操作部で受ける際に、送信先端末に設定された外部端末から該外部端末で開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し、前記開いているフォルダの少なくとも1つを、前記画像情報の宛先または宛先候補のフォルダとして前記表示部へ表示する
ことを特徴とする操作表示装置。
【0011】
上記発明では、送信先に設定された外部端末から、その外部端末で現在開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し、該開いているフォルダを、ファイル送信の宛先もしくは宛先候補のフォルダとして送信先フォルダの設定画面に表示する。送信対象の画像情報を記憶している記憶装置や画像情報を送信する送信装置は、操作表示装置と別体の装置として構成されてもよいし、当該操作表示装置と一体に構成されてもよい。
【0012】
[2]前記制御部は、前記開いているフォルダの中で、アクティブ状態のフォルダだけを前記表示部へ表示する
ことを特徴とする[1]に記載の操作表示装置。
【0013】
上記発明では、外部端末で開いているフォルダに、アクティブ状態のフォルダと非アクティブ状態のフォルダの双方が存在する場合でも、アクティブ状態のフォルダのみが宛先、もしくは宛先候補として表示される。
【0014】
[3]前記制御部は、前記開いているフォルダの中のアクティブ状態のフォルダと非アクティブ状態のフォルダとを異なる表示形態で前記表示部へ表示する
ことを特徴とする[1]に記載の操作表示装置。
【0015】
[4]前記制御部は、前記表示において、アクティブ状態のフォルダは宛先に選択された状態で初期表示する
ことを特徴とする[1]または[3]に記載の操作表示装置。
【0016】
上記発明では、アクティブ状態のフォルダは、デフォルトで選択された状態で表示される。したがって、選択操作を省略して、そのまま確定操作を行うだけで、アクティブ状態のフォルダが送信先フォルダに設定される。
【0017】
[5]操作部と、
操作内容を表示する表示部と、
ネットワーク通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、所定の場所に記憶されている画像情報を、ネットワークを介して接続されている外部端末のフォルダへ送信するファイル送信ジョブの設定を前記操作部で受ける際に、前記外部端末から該外部端末で開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し、前記ファイル送信ジョブの実行指示を受けると、前記画像情報を送信する装置に対して、前記開いているフォルダへ前記画像情報を送信するように指示する
ことを特徴とする操作表示装置。
【0018】
上記発明では、送信先に設定された外部端末から、その外部端末で現在開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し、ファイル送信ジョブの実行指示を受けると、該開いているフォルダへ画像情報が送信される。すなわち、開いているフォルダが自動的に送信先フォルダになり、ジョブの実行開始指示を入力するだけで、画像情報の送信が行われる。画像情報の記憶装置や画像情報を送信する送信装置は別装置として構成されてもよいし、当該操作表示装置と一体に構成されてもよい。送信装置が別装置の場合、当該操作表示装置からその送信装置へファイル送信ジョブの設定内容や実行指示が送信される。
【0019】
[6]前記制御部は、前記開いているフォルダの中で、アクティブ状態のフォルダだけに前記画像情報を送信するように前記指示する
ことを特徴とする[5]に記載の操作表示装置。
【0020】
[7]前記操作部を操作するユーザを認証する認証部を更に有し、
前記送信先端末に設定された外部端末は、前記認証部が認証したユーザの端末装置である
ことを特徴とする[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【0021】
上記発明では、認証部でユーザ認証が行われると、その認証された操作者の外部端末が、送信先の外部端末に自動設定される。
【0022】
[8]前記制御部は、前記認証したユーザの端末装置を複数台検出した場合は、前記表示部へ前記複数台の端末装置を表示し、送信先の端末装置の選択を前記操作部で受け付ける
ことを特徴とする[7]に記載の操作表示装置。
【0023】
上記発明では、認証されたユーザの端末装置が複数台検出された場合、その中の1台また複数台を、送信先の端末装置に選択する操作を受け付ける。
【0024】
[9]前記制御部は、前記認証したユーザの端末装置を複数台検出し、かつ、アクティブ状態のフォルダが複数在る場合は、宛先にするフォルダの選択を前記操作部で受け付ける
ことを特徴とする[7]に記載の操作表示装置。
【0025】
上記発明では、複数台の端末装置のそれぞれでアクティブなフォルダが存在し得るので、アクティブフォルダが複数になることがある。そこで、それらの中から、送信先に設定するフォルダの選択操作を受ける。
【0026】
[10]前記取得するフォルダ情報には、フォルダへの書き込みが不可か否かを示す情報が含まれており、
前記制御部は、書き込み不可のフォルダについては、そのフォルダを前記宛先または宛先候補として前記表示部へ表示する際に、書き込み不可であることを表示する
ことを特徴とする[1]乃至[4]、[7]乃至[9]のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【0027】
上記発明では、書き込み不可のフォルダを宛先または宛先候補として表示する場合に、その宛先または宛先候補のフォルダが書き込み不可であることを示す情報がフォルダのアイコンなどに同時に表示される。
【0028】
[11]前記制御部は、書込み可能なフォルダと、書込み不可なフォルダとを異なる表示形態で前記表示部へ表示する
ことを特徴とする[10]に記載の操作表示装置。
【0029】
[12]前記操作部を操作するユーザを認証する認証部を有し、
前記制御部は、前記認証部で認証したユーザが、前記取得したフォルダ情報の示すフォルダに対する書き込み可否属性の変更権を有するユーザである場合に、そのフォルダに対する書き込み可否属性の設定変更操作を前記操作部から行い得るようにする
ことを特徴とする[10]または[11]に記載の操作表示装置。
【0030】
上記発明では、当該操作表示装置の操作者が、外部端末のフォルダに対して書き込み可否属性の変更権を有する場合は、当該操作表示装置の操作部からそのフォルダの書き込み可否属性の設定変更操作を受け付ける。たとえば、フォルダの属性が書き込み不可の場合に、これを操作表示装置から書き込み可能に変更してそのフォルダへファイル送信することが可能になる。
【0031】
[13]前記開いているフォルダには、
該フォルダのある外部端末で起動しているアプリケーションの中で開いているフォルダも含まれる
ことを特徴とする[1]乃至[12]のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【0032】
上記発明では、OSで開いているフォルダのほか、起動しているアプリケーションプログラムの中で開いているファイルもファイル送信の宛先もしくは宛先候補のフォルダにされる。
【0033】
[14]前記開いているフォルダは、
該フォルダのある外部端末で起動しているアプリケーションの中で開いているフォルダである
ことを特徴とする[1]乃至[12]のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【0034】
上記発明では、アプリケーションプログラムで開いているファイルがファイル送信の宛先もしくは宛先候補のフォルダにされる。
【0035】
[15]画像情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている画像情報を、ネットワークを介して接続されている外部端末のフォルダへ送信する送信部と、
前記送信部に行わせるファイル送信ジョブの設定操作を受け付ける[1]乃至[14]のいずれか一項に記載の操作表示装置と、
を有する
ことを特徴とする画像送信装置。
【発明の効果】
【0036】
本発明に係る操作表示装置および画像送信装置によれば、予め送信先フォルダを登録することなく、ファイル送信ジョブを設定する際の送信先フォルダの指定作業に係わる負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の操作表示装置としての機能を有する画像処理装置とこれにネットワークを通じて接続された外部端末を含む全体システム構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】外部端末の概略構成を示すブロック図である。
【図4】外部端末におけるソフトウェアの階層構造を示す説明図である。
【図5】ファイル送信ジョブに関する設定を受けてそのジョブを実行する画像処理装置の動作を示す流れ図である。
【図6】図5の続きを示す流れ図である。
【図7】画像処理装置の表示部に表示される送信種類選択画面を示す説明図である。
【図8】ユーザ端末を登録した管理テーブルの一例を示す説明図である。
【図9】送信先に設定された外部端末に表示された画面と画像処理装置の表示部に表示される送信先フォルダ設定画面(開いているフォルダを宛先・宛先候補とするもの)の一例を示す説明図である
【図10】送信先に設定された外部端末の端末画面にアクティブフォルダのみが表示されている場合における送信先フォルダ設定画面の一例を示す説明図である。
【図11】画像処理装置から画像情報のファイルを受信した外部端末の表示画面の一例を示す説明図である。
【図12】フォルダ情報の取得要求を受信した外部端末の動作シーケンスを示す説明図である。
【図13】フォルダ情報の取得要求を受信した外部端末の動作シーケンス(ファイルブラウザなどのファイル管理プログラムが表示しているフォルダについてもフォルダ情報を取得する場合)を示す説明図である。
【図14】フォルダ情報の取得要求を受信した外部端末の動作シーケンス(ファイルブラウザなどのファイル管理プログラムが表示しているフォルダについてもフォルダ情報を取得する場合)を示す説明図である。
【図15】開いているフォルダの中で、アクティブ状態のフォルダと非アクティブ状態のフォルダとで表示形態を相違させる送信先フォルダ設定画面の一例を示す説明図である。
【図16】アクティブ状態のフォルダが送信先(宛先)に選択された状態で初期表示される送信先フォルダ設定画面の一例を示す説明図である。
【図17】アクティブ状態のフォルダが送信先(宛先)に選択された状態で初期表示される送信先フォルダ設定画面の他の一例を示す説明図である。
【図18】宛先フォルダ選択釦(アイコン)に表示される情報が変化する一例を示す説明図である。
【図19】フォルダが書き込み不可であることを表示する送信先フォルダ設定画面の一例を示す説明図である。
【図20】書き込み可能なフォルダと書き込み不可のフォルダの表示形態を相違させた送信先フォルダ設定画面の一例を示す説明図である。
【図21】ファイル管理プログラムで開いているフォルダを宛先もしくは宛先候補のフォルダとして表示する送信先フォルダ設定画面の一例を示す説明図である。
【図22】ファイル管理プログラムで開いているフォルダを宛先もしくは宛先候補のフォルダとして表示する送信先フォルダ設定画面の他の一例を示す説明図である。
【図23】端末選択画面の一例を示す説明図である。
【図24】複数の外部端末から収集したフォルダ情報に基づいて表示された送信先フォルダ設定画面の一例を示す説明図である。
【図25】第2の実施の形態における送信先フォルダ設定画面(アクティブフォルダのみを表示する)の一例を示す説明図である。
【図26】第2の実施の形態の画像処理装置が行う、ファイル送信ジョブに関する動作を示す流れ図である。
【図27】図26の続きを示す流れ図である。
【図28】第3の実施の形態の画像処理装置が行う、ファイル送信ジョブに関する動作を示す流れ図である。
【図29】第4の実施の形態の画像処理装置が行う、ファイル送信ジョブに関する動作を示す流れ図である。
【図30】独立して設けられた操作表示装置の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0039】
図1は、本発明の操作表示装置としての機能を有する画像処理装置10と、LAN(Local Area Network)などのネットワーク2を介して画像処理装置10と通信可能に接続された外部端末30とを含む全体システム構成を示している。
【0040】
画像処理装置10は、原稿を光学的に読み取って画像データを取得し、この画像データに基づいて原稿の複製画像を記録紙に印刷するコピージョブ、読み取った画像情報や記憶部に既に保存されている画像情報をファイルにして外部端末へ送信するファイル送信ジョブ、パーソナルコンピュータなどの外部端末から受信した印刷データに係る画像を記録紙上に形成して出力するPCプリントジョブなどを実行する機能などを備えた、所謂、複合機として構成されている。本例では、画像処理装置10をMFPとも記す。
【0041】
外部端末30は、ネットワーク2を通じて画像処理装置10から送信されてくるファイルを受信して自装置内のフォルダに保存する機能や印刷データを画像処理装置10へ送信してPCプリントジョブを行わせる機能などを有する情報処理装置である。たとえば、外部端末30は、OSプログラムや画像処理装置10のドライバプログラム、ファイル管理プログラムなど各種アプリケーションプログラムなどがインストールされたコンピュータ装置として構成される。本例では、外部端末30をPCとも記す。また、ネットワーク2に接続されている第1外部端末30をPC1、第2外部端末30をPC2とも記す。
【0042】
図2は、画像処理装置10の概略構成を示している。画像処理装置10は、当該装置の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)11にバス12を介して、ROM(Read Only Memory)13と、RAM(Random Access Memory)14と、不揮発メモリ15と、ハードディスク装置16と、自動原稿搬送部20(ADFとも記す)と、認証部21と、ファクシミリ通信部22と、操作部23と、表示部24と、ネットワーク通信部25と、画像読取部26と、画像処理部27と、プリンタ部28などが接続されて構成される。
【0043】
ROM13には各種プログラムや固定データが格納され、CPU11はこれらのプログラムに従って各種の処理を実行することによって画像処理装置10として各機能が実現される。RAM14はCPU11がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリや画像データを一時記憶する画像メモリとして使用される。
【0044】
不揮発メモリ15は、電源をオフしてもその記憶内容が保持される書き換え可能なメモリであり、画像処理装置10に対して設定された各種の設定値やユーザの認証情報などが記憶される。
【0045】
ハードディスク装置16は、大容量不揮発の記憶装置であり、たとえば、ジョブのデータ、画像情報、ジョブの実行履歴などの保存に使用される。ハードディスク装置16には、ユーザ別やグループ別に画像情報を記憶するための保存領域となるボックス17が作成される。ボックス17はユーザ別、あるいはグループ別に作成され、ボックス17内の画像情報を読み出すには認証を要する。さらにハードディスク装置16には、後述する管理テーブル18が保存される。
【0046】
操作部23は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける機能を果たす。表示部24は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部23は、表示部24の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0047】
ネットワーク通信部25は、ネットワーク2を通じて外部端末30や他の画像処理装置10、各種サーバなどの外部装置と通信して各種のデータを送受信する機能を果たす。
【0048】
認証部21は、画像処理装置10を使用するユーザ(操作者)の認証を行う。ここでは、画像処理装置10の近くに居るユーザが所持する個人認証用無線カードと交信して該カードからユーザ情報を読み出すことによってユーザを特定して認証する。認証方法はこれに限定されるものではなく、たとえば、操作部23からユーザIDとパスワードの入力を求め、これらを認証情報と照合して認証を行うといった方式でもよい。
【0049】
ファクシミリ通信部22は、ファクシミリ送信やファクシミリ受信のための通信制御、発呼(ダイアル)、着呼、電話回線との接続などを行う。
【0050】
画像読取部26は、原稿を光学的に読み取って画像データ(画像情報)を取得する機能を果たす。画像読取部26は、たとえば、原稿に光を照射する光源と、その反射光を受けて原稿を幅方向に1ライン分読み取るラインイメージセンサ、ラインイメージセンサの出力するアナログ画像信号をデジタルの画像データに変換する変換部などを備えて構成される。自動原稿搬送部20は、原稿台にセットされている原稿を1枚ずつ分離して繰り出し、画像読取部26が原稿をライン単位に読み取る読み取り位置を通過するように搬送して所定の原稿排紙トレイへ排紙する機能を果たす。
【0051】
画像処理部27は画像データに対して、画像補正、回転、拡大/縮小、圧縮/伸張など各種の画像処理を施す。
【0052】
プリンタ部28は、入力される画像データに応じた画像を記録紙に印刷して出力する印刷部としての機能を果たす。プリンタ部28は、記録紙の搬送装置と、感光体ドラムと、帯電装置と、レーザーユニットと、現像装置と、転写分離装置と、クリーニング装置と、定着装置とを有し、電子写真プロセスによって画像形成を行う、所謂、レーザープリンタとして構成されている。他の画像形成方式のプリンタであっても構わない。
【0053】
図3は、外部端末30の概略構成を示している。外部端末30は、OSプログラム、画像処理装置10のドライバプログラム、ファイル管理プログラム、文書や画像を作成・編集するアプリケーションプログラムなどがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)などで構成される。図4は、外部端末30におけるソフトウェアの階層構造を示している。ベースにOSがあり、その上でドライバプログラム、ファイル管理プログラムやアプリケーションプログラムが動作する。
【0054】
図3に戻って説明を続ける。外部端末30は、CPU31にバス32を介して、ROM33と、RAM34と、不揮発メモリ35と、ハードディスク装置36と、表示部37と、操作部38と、ネットワーク通信部39などを接続して構成される。
【0055】
CPU31は、ROM33に格納されているプログラムやハードディスク装置36に格納されているプログラムに従って各種の処理を実行する。ROM33には起動用のプログラムや固定データが記憶される。RAM34には、ハードディスク装置36から読み出したプログラムが記憶される。またRAM34は、CPU31がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリなどとして使用される。
【0056】
不揮発メモリ35は、電源がオフにされても記憶が保持される書き換え可能なメモリであり、端末ID、IP(Internet Protocol)アドレス、ユーザ情報(ユーザID)、各種の設定情報などが記憶される。ハードディスク装置36は、大容量不揮発の記憶装置であり、OSプログラム、画像処理装置10のドライバプログラム、各種アプリケーションプログラム、ファイル、データなどが保存される。
【0057】
表示部37は、液晶ディスプレイなどの表示装置で構成される。操作部38は、キーボードやマウスなどの操作入力装置で構成される。
【0058】
ネットワーク通信部39は、ネットワーク2を通じて画像処理装置10と通信して各種のデータを送受信する機能を果たす。
【0059】
次に、ファイル送信ジョブに関する動作について説明する。
【0060】
画像処理装置10は、画像読取部26で原稿を読み取って得た画像情報やハードディスク装置16のボックス17に保存されている画像情報のファイルを、ネットワーク2を通じて外部端末30のフォルダに送信するファイル送信ジョブの設定・実行機能を備えている。画像処理装置10は、ファイル送信ジョブにおける送信先外部端末の設定や送信先のフォルダの設定操作を操作部23を通じてユーザから受ける際に、送信先に設定された外部端末30と通信して、該外部端末30で開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し、開いているフォルダの少なくとも1つを、画像情報の宛先(送信先)フォルダまたは宛先候補のフォルダとし表示部24へ表示する等の機能を備えている。
【0061】
図5、図6は、ファイル送信ジョブに関する設定を受けてそのジョブを実行する画像処理装置10の動作の流れを示している。ここでは、原稿を画像読取部26で読み取り、該読み取りで得た画像情報を指定された外部端末の指定されたフォルダに送信する場合を例に説明する。
【0062】
画像処理装置10は、図7に示すような送信種類選択画面60を表示部24に表示して送信種類の選択操作を受ける。CIFSプロトコル(Common Internet File System Protocol)を利用するScan To CIFS機能もしくはSMBプロトコル(Server Message Block Protocol)を利用するScan To SMB機能によるファイル送信の選択操作(図7のファイル送信1釦61またはファイル送信2釦62の選択操作)を受けると(ステップS001;Yes)、続いて、送信先の外部端末30の設定を受ける(ステップS002)。
【0063】
ここで、CPU11は、認証部21によって既に操作者が認証されている場合は、そのユーザ(操作者)の外部端末30を送信先の外部端末に自動的に設定する。
【0064】
図8は、該自動設定の際に参照される管理テーブル18の一例を示している。管理テーブル18には、登録ユーザ毎に、そのユーザのユーザ名と、そのユーザが使用する外部端末30の名称(ホスト名)と、その外部端末30のIPアドレスなどが対応付けて予め登録されている。CPU11は、認証ユーザのユーザ名で管理テーブル18を参照することで、認証ユーザの使用する外部端末30を特定する。なお、認証されていない場合、たとえば、ゲストユーザのような場合には、所定の画面から送信先の外部端末30を指定することが出来るようになっている。
【0065】
送信先の外部端末30が設定されると(ステップS002;Yes)、その外部端末30と通信可能か否かを、たとえば、所定の確認コマンド(SNMP(Simple Network Management Protocol)によるCommand通信)を送信し、その応答に基づいて、確認する(ステップS003)。
【0066】
送信先の外部端末30と通信可能でなければ(ステップS004;No)、その外部端末と通信不可である旨を表示部24に表示し(ステップS006)、再通信を試みるか否かの選択をユーザから受け付ける(ステップS007)。再通信を試みる選択を受けたときは(ステップS007;Yes)、ステップS003に戻って処理を続け、再通信しない選択を受けた場合は(ステップS007;No)、本処理を終了する。
【0067】
送信先の外部端末30と通信可能な場合は(ステップS004;Yes)、その外部端末30において所定のアプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)が起動済みか否かを確認する。具体的には、所定の確認コマンドを該当の外部端末30へ送信し(ステップS005)、一定時間が経過する前に、応答(Result信号2)を受信した場合は(ステップS008;No、S010;Yes)、起動していると判断して、ステップS011へ移行する。起動していないと判断した場合は(ステップS008;Yes)、その外部端末30に対して所定のアプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)の起動を要求する起動コマンドを送信し、そのプログラムを起動させて(ステップS009)、ステップS011へ移行する。
【0068】
ステップS011では、送信先に設定された外部端末30に、該外部端末30で開いているフォルダに関する情報の取得要求を送信する。そして、送信先の外部端末30から回答を受信することで、その外部端末30で開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得する(ステップS012;Yes)。
【0069】
なお、フォルダ情報の取得要求には、画像処理装置10の操作者の識別情報が含まれる。また、外部端末30から回答されるフォルダ情報には、開いている各フォルダについて、フォルダ名、そのフォルダへのファイルパス、そのフォルダに保存されているファイル情報、そのフォルダに対するユーザ毎の書き込み可否情報(SMBプロトコルまたはCIFSプロトコルで外部装置から書き込み可能か否かを示す情報)、そのフォルダがアクティブ状態か否かを示す情報などが含まれる。
【0070】
画像処理装置10は、送信先に設定された外部端末30から取得したフォルダ情報に基づいて、その外部端末30で開いているフォルダを、宛先(送信先)のフォルダもしくは宛先候補のフォルダとして表示した送信先フォルダ設定画面50を表示する(ステップS013)。
【0071】
図9は、送信先に設定された外部端末30の表示部37に表示されている画面(端末画面と呼ぶものとする)40aと画像処理装置10の表示部24に表示される送信先フォルダ設定画面50aの一例を示している。端末画面40aには、第1フォルダ41、第2フォルダ42、第3フォルダ43が開いており、そのうち第1フォルダ41はアクティブ状態に、第2、第3フォルダ42、43が非アクティブ状態になっている。図中、アクティブ状態のフォルダ等のタイトルバーには斜線を施してある。
【0072】
画像処理装置10の表示部24に表示される送信先フォルダ設定画面50aには、送信先に設定された外部端末30で開いている第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51と、第2フォルダ42に対応する宛先フォルダ選択釦52と、第3フォルダ43に対応する宛先フォルダ選択釦53とが表示される。アイコンである各宛先フォルダ選択釦51、52、53にはそれぞれ、対応するフォルダのファイルパスが表示されている。ユーザは、いずれかの宛先フォルダ選択釦51、52、53を選択操作することで、外部端末30で開いているフォルダを画像情報の送信先フォルダに設定することができる。これにより、ファイルパスを入力する必要がなく、送信先フォルダの設定に関するユーザの作業負担が軽減される。
【0073】
なお、送信先フォルダ設定画面50aに表示されている既登録フォルダ釦54を選択すると、既存の登録フォルダ(たとえば、アドレス帳に登録されているフォルダなど)から送信先のフォルダを選択するための画面に遷移する。また、画面左下部の登録釦55を選択すると、送信先の外部端末30で開いているアクティブ状態のフォルダ(宛先フォルダ選択釦51に対応するフォルダ)が既存の登録フォルダとして新たに登録される。たとえば、アドレス帳に登録される。宛先フォルダ選択釦51、52、53の少なくとも一つを選択した状態で画面右下部のOK釦56を押下するとそのとき選択されている宛先フォルダ選択釦に対応するフォルダが今回のファイル送信ジョブにおける送信先フォルダ(宛先フォルダ)に設定される。
【0074】
図10は、送信先に設定された外部端末30の端末画面40bにアクティブ状態のフォルダのみが表示されている場合における送信先フォルダ設定画面50bの一例を示している。図10の端末画面40bでは、開いているフォルダはアクティブ状態の第1フォルダ41のみである。このとき、画像処理装置10の表示部24に表示される送信先フォルダ設定画面50bには、宛先フォルダ選択釦として、第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51が表示される。
【0075】
なお、送信先フォルダ設定画面には図9、図10に示すもののほか各種の表示態様が存在する。それらを総称して示す場合は、符号の末尾にa,bなどをつけずに「送信先フォルダ設定画面50」と示す。端末画面40についても同様である。また、図9、図10に示すもの以外の各種の送信先フォルダ設定画面50については後述する。
【0076】
図6に戻って説明を続ける。画像処理装置10は、送信先フォルダ設定画面50にてユーザから送信先のフォルダの設定を受けると(ステップS014;Yes)、その設定された送信先のフォルダが、外部装置(当該画像処理装置10)から書き込み可能か否かを、送信先の外部端末30から受信したフォルダ情報に基づいて判断する(ステップS015)。
【0077】
書き込み可能であれば(ステップS015;Yes)、ステップS019へ移行する。書き込み不可の場合は(ステップS015;No)、送信先に設定されたフォルダの所有者と当該画像処理装置10の操作者とが同一か否かを調べ(ステップS016)、同一でない場合は(ステップS016;No)、送信先に設定されたフォルダへは送信不可能であることを表示部24に表示して(ステップS018)本処理を終了する。
【0078】
同一の場合は(ステップS016;Yes)、送信先に設定されたフォルダの属性を外部装置から書き込み可能に設定変更する(ステップS017)。具体的には、送信先に設定されたフォルダの属性を書き込み可能に変更するコマンドを、画像処理装置10から外部端末30に対し送信してステップS019へ移行する。
【0079】
ステップS019では、送信先のフォルダの設定の受け付けが完了したか否かを判断し、未完了ならば(ステップS019;No)、ステップS015へ戻る。完了なら(ステップS019;Yes)、画像読取部26で原稿を読み取り、該読み取りで得た画像情報を、送信先に設定された外部端末30の送信先に設定されたフォルダへ送信する(ステップS020)。
【0080】
図11は、画像処理装置10から画像情報のファイルを受信した外部端末30の表示画面の一例を示している。この例は、図10の送信先フォルダ設定画面50bで宛先フォルダ選択釦51を選択し、第1フォルダ41を送信先フォルダに設定した場合に対応している。端末画面40bに表示されている第1フォルダ41内に、今回受信したファイル45が表示される。
【0081】
送信が完了すると(図6:ステップS021;Yes)、送信先の外部端末30において所定のアプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)が起動しているか否かを調べ(ステップS022)、起動していなければ(ステップS022;No)、本処理を終了する。起動している場合は(ステップS022;Yes)、送信先の外部端末30にそのアプリケーションの終了指示を送信して(ステップS023)本処理を終了する。
【0082】
なお上記の説明では、原稿を画像読取部26で読み取る場合を例示したが、ハードディスク装置16のボックス17や外部メモリ(USBメモリ等)に保存されているファイル(画像情報)を送信する場合も同様の制御が行われる。この場合は、ジョブの設定操作において、送信対象のファイルの指定を受け付ける。また、ステップS020では、そのファイルを該当するボックス17から読み出して送信する。
【0083】
このように、送信先の外部端末30で開いているフォルダが、自動的に宛先(送信先)もしくは宛先候補のフォルダとして送信先フォルダ設定画面50に表示されるので、外部端末30側で目的のフォルダを開いておけば、ファイルパスの指定操作を行うことなく、送信先のフォルダを簡単に設定することができる。また、予め送信先のフォルダを登録する必要がないので、あるフォルダを一時的あるいは臨時に送信先フォルダに設定したい場合にも対応することができる。
【0084】
図12は、画像処理装置10からフォルダ情報の取得要求を受信した外部端末30の動作シーケンスを示している。フォルダ情報の取得要求を受信すると(P1)、外部端末30の所定のアプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)は、現在、当該外部端末30にログインしているユーザをOSから取得し、ログインユーザが画像処理装置10の操作者と一致するか否かを確認する(P2)。
【0085】
一致している場合は、アプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)は、外部端末30上で起動しているタスクの一覧をOSから取得する(P3)。そして、フォルダを表示しているFolder Viewerタスクを特定し(P4)、該Folder Viewerタスクから、現在開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し(P5)、これを画像処理装置10に対して送信する(P6)。取得する情報には、前述したように、開いている各フォルダについてのフォルダ名、そのフォルダへのファイルパス、そのフォルダに保存されているファイル情報、そのフォルダに対するユーザ毎の書き込み可否情報(SMBプロトコルまたはCIFSプロトコルで外部装置から書き込み可能か否かを示す情報)、そのフォルダがアクティブ状態か否かを示す情報などが含まれる。
【0086】
なお、開いているフォルダは、Folder Viewerタスクが開いているフォルダに限定されるものではなく、たとえば、ファイルブラウザなどのファイル管理プログラムが表示しているフォルダについてもフォルダ情報を取得するように構成されてもよい。
【0087】
図13、図14は、ファイルブラウザなどのファイル管理プログラムが表示しているフォルダについてもフォルダ情報を取得する場合における外部端末30の動作シーケンスを示している。
【0088】
図13の動作シーケンスは、Folder Viewerタスクとファイル管理プログラムのタスクが共にフォルダを開いており、Folder Viewerタスクがアクティブ状態の場合の動作を示している。P1〜P3までは図12と同様である。外部端末30のアプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)は、当該外部端末30上で起動しているタスクの一覧から、アクティブ状態のFolder Viewerタスク(フォルダ表示タスク)を特定し(P4)、該Folder Viewerタスクから、現在開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得する(P5)。次に、起動されているがアクティブ状態ではない特定のアプリケーションプログラム(ファイル管理プログラム)のタスクを特定し(P6)、このタスクで開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得する(P7)。そして、P5およびP7で取得したフォルダ情報を画像処理装置10に送信する(P8)。
【0089】
図14は、Folder Viewerタスクがアクティブ状態でなく、特定のアプリケーションプログラム(ファイル管理プログラム)からのみフォルダ情報が取得される場合の動作シーケンスを示している。P1〜P4は図13と同一である。図14では、アクティブ状態のFolder Viewerタスクは特定できないが(P5)、ファイル管理プログラムのタスクを特定して(P6)フォルダ情報を取得し(P7)、ファイル管理プログラムが開いているフォルダのフォルダ情報を画像処理装置10に送信している(P8)。
【0090】
次に、送信先フォルダ設定画面50の各種表示形態について説明する。
【0091】
図15は、開いているフォルダの中の、アクティブ状態のフォルダと非アクティブ状態のフォルダとで、送信先フォルダ設定画面50c上の表示形態を相違させた例を示している。外部端末30側の画面は、図9と同一の端末画面40aであり、第1フォルダ41はアクティブ状態、第2フォルダ42および第3フォルダ43は非アクティブ状態になっている。送信先フォルダ設定画面50cでは、アクティブ状態の第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51は、第2フォルダ42に対応する宛先フォルダ選択釦52および第3フォルダ43に対応する宛先フォルダ選択釦53より大きく表示されている。
【0092】
図16は、アクティブ状態のフォルダが送信先(宛先)に選択された状態で初期表示される場合の送信先フォルダ設定画面50dの一例を示している。外部端末30側の画面は図9と同一の端末画面40aとする。送信先フォルダ設定画面50dでは、アクティブ状態の第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51は、最初から選択された状態で表示される。この状態でOK釦56を押下すると、第1フォルダ41が送信先のフォルダに設定(確定)される。
【0093】
なお、送信先フォルダ設定画面50dには、第2フォルダ42に対応する宛先フォルダ選択釦52は表示されているが、表示領域の制限から、第3フォルダ43に対応する宛先フォルダ選択釦53は表示されていない。送信先フォルダ設定画面50dの矢印釦57を操作すると、同図下部に示す送信先フォルダ設定画面50eに遷移し、宛先フォルダ選択釦52に代えて、第3フォルダ43に対応する宛先フォルダ選択釦53が表示される。
【0094】
図17は、アクティブ状態のフォルダが送信先(宛先)に選択された状態で初期表示される送信先フォルダ設定画面の他の一例を示している。外部端末30側の画面は図9と同一の端末画面40aである。送信先フォルダ設定画面50fには、第2フォルダ42に対応する宛先フォルダ選択釦52と第3フォルダ43に対応する宛先フォルダ選択釦53は表示されるが、第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51は表示されない。しかし、第1フォルダ41はデフォルトで選択されており、その旨がコメント欄58に表示されている。この状態でOK釦56を押下すると、第1フォルダ41が送信先のフォルダに設定(確定)される。
【0095】
図18は、宛先フォルダ選択釦(アイコン)に表示される情報が変化する一例を示している。同図上側の送信先フォルダ設定画面50gでは、宛先フォルダ選択釦51にファイルパスが表示されており、同図下側の送信先フォルダ設定画面50hでは、宛先フォルダ選択釦51に該宛先フォルダ選択釦51に対応するフォルダの書き込み可否情報が表示されている。本例では、操作中のユーザ(認証ユーザ)に対する書き込み可否情報が表示される。送信先フォルダ設定画面50gと送信先フォルダ設定画面50hとの表示形態の切り替えは、図示しないハードキーが押下された場合や、該当する宛先フォルダ選択釦51が長押しされた場合に行われる。
【0096】
図19は、書き込み不可のフォルダが存在する場合、そのフォルダが書き込み不可であることを表示する送信先フォルダ設定画面50iの一例を示している。外部端末30側の画面は図9と同一の端末画面40aとする。ここで、第1フォルダ41はSMB送信により書き込み可能なフォルダであり、第2フォルダ42、第3フォルダ43はSMB送信による書き込み不可のフォルダとする。この場合、送信先フォルダ設定画面50iにおいて、第2フォルダ42に対応する宛先フォルダ選択釦52Cおよび第3フォルダ43に対応する宛先フォルダ選択釦53Cには「SMB送信で書き込み不可」を示すコメントが表示される。書き込み可能な第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51Cには「SMB送信で書き込み不可」を示すコメントは表示されない。
【0097】
図20は、書き込み可能なフォルダと書き込み不可のフォルダの表示形態を相違させた送信先フォルダ設定画面50jの一例を示している。外部端末30側の画面は図9と同一の端末画面40aであり、第1フォルダ41はSMB送信により書き込み可能なフォルダであり、第2フォルダ42、第3フォルダ43はSMB送信による書き込み不可のフォルダとする。
【0098】
送信先フォルダ設定画面50jでは、SMB送信で書き込み可能な第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51Cは表示され、書き込み不可の第2フォルダ42および第3フォルダ43に対応する宛先フォルダ選択釦52C、53Cは非表示になっている。非表示に代えて、操作選択できない態様、たとえば、グレーアウトによる表示としてもよい。
【0099】
次に、ファイル管理プログラムが開いているフォルダも宛先または宛先候補のフォルダとして表示される場合について説明する。
【0100】
図21では、外部端末30の端末画面40cにおいて、第1フォルダ41がアクティブ状態で開いており、ファイル管理プログラム44はアクティブ状態ではないが開いている状態であり、該ファイル管理プログラムの中で第4フォルダ46がアクティブ状態ではないが開いている。このとき、画像処理装置10の表示部24に表示される送信先フォルダ設定画面50kには、送信先に設定された外部端末30にてアクティブ状態で開いている第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51と、第4フォルダ46に対応する宛先フォルダ選択釦59とが表示される。そして、宛先フォルダ選択釦51はデフォルトで選択されている。
【0101】
図22では、外部端末30の端末画面40dにおいて、第1フォルダ41は非アクティブの状態で開いており、ファイル管理プログラム44はアクティブ状態であり、該ファイル管理プログラムの中で第4フォルダ46がアクティブ状態で開いている。このとき、画像処理装置10の表示部24に表示される送信先フォルダ設定画面50lには、送信先に設定された外部端末30に非アクティブ状態で開いている第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51と、第4フォルダ46に対応する宛先フォルダ選択釦59とが表示される。そして、宛先フォルダ選択釦59はデフォルトで選択されている。
【0102】
次に、操作者の外部端末30が複数台検出された場合について説明する。認証されたユーザの外部端末30がネットワーク2上に複数台存在する場合がある。たとえば、図8の管理テーブル18には、ユーザ名が「Koyama」の外部端末30が2台登録されている。
【0103】
操作者の外部端末30が複数台検出された場合、画像処理装置10は送信先の外部端末30を1または複数台選択するための端末選択画面80(図23参照)を表示部24に表示し、ユーザから、送信先に設定する外部端末の選択操作を受ける。該表示および選択に係る処理は図5の流れ図のステップS002で行われる。
【0104】
図23に示す端末選択画面80は、管理テーブル18が図8の登録内容であり、認証ユーザが「Koyama」であった場合の表示例を示している。端末選択画面80には、認証ユーザの各外部端末に対応する端末選択釦81が表示される。ユーザは、端末選択釦81を1つあるいは複数選択して1または複数の外部端末を送信先の外部端末に設定することができる。
【0105】
複数台の外部端末30が送信先に設定された場合、画像処理装置10はその設定された全ての外部端末から、開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得する。
【0106】
図24は、複数の外部端末30から収集したフォルダ情報に基づいて表示された送信先フォルダ設定画面50mの一例を示している。送信先フォルダ設定画面50mには、ホスト「tea」で開いているフォルダに対応する宛先フォルダ選択釦51dと、ホスト「greentea」で開いているフォルダに対応する宛先フォルダ選択釦52eが表示されている。ユーザは複数の宛先フォルダ選択釦を選択でき、その場合、それぞれのフォルダに画像情報のファイルが送信される。
【0107】
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0108】
第1の実施の形態では、開いているアクティブ状態のフォルダと非アクティブ状態のフォルダの双方を送信先フォルダ設定画面50に宛先もしくは宛先候補のフォルダとして表示したが、第2の実施の形態では、アクティブ状態のフォルダのみを、宛先または宛先候補のフォルダとして表示するようになっている。画像処理装置10や外部端末30の構成は第1の実施の形態と同一である。
【0109】
図25は、第2の実施の形態における送信先フォルダ設定画面50nの一例を示している。外部端末30の画面は図9と同一の端末画面40aである。端末画面40aで開いている非アクティブ状態の第2フォルダ42および第3フォルダ43は、送信先フォルダ設定画面50nには表示されない。送信先フォルダ設定画面50nには、宛先フォルダ選択釦としてアクティブ状態の第1フォルダ41に対応する宛先フォルダ選択釦51のみが表示される。
【0110】
図26、図27は、開いているフォルダの中でアクティブ状態のフォルダだけを宛先もしくは宛先候補として送信先フォルダ設定画面に表示する場合における画像処理装置10の動作の流れを示している。基本的動作は図5、図6に示す流れと同一であり、同一のステップには同一のステップ番号を付してそれらの説明を省略する。相違は、ステップS011がステップS031に、ステップS013がステップS033に置き換わっている点である。
【0111】
ステップS031では、送信先に設定された外部端末30に、該外部端末30で開いている、アクティブ状態のフォルダに関する情報の取得要求を送信する。該取得要求を受けた外部端末30は、開いているフォルダの中のアクティブ状態のフォルダについてのみフォルダ情報を返送する。
【0112】
ステップS033では、送信先に設定された外部端末30から取得したアクティブ状態のフォルダに関するフォルダ情報に基づいて、その外部端末30で開いているアクティブ状態のフォルダを、宛先(送信先)のフォルダもしくは宛先候補のフォルダとした送信先フォルダ設定画面50を表示する。
【0113】
なお、画像処理装置10は、開いているフォルダ(アクティブ状態と非アクティブ状態の双方)に関するフォルダ情報の取得要求を外部端末30へ送信し、該外部端末30から受信したフォルダ情報に含まれる「各フォルダがアクティブ状態か否かを示す情報」に基づいて、アクティブ状態のフォルダのみを選別しそれらを宛先もしくは宛先候補のフォルダとして送信先フォルダ設定画面に表示する構成としてもよい。
【0114】
送信先に設定された外部端末30が複数台存在する場合は、それぞれの外部端末30で開いているアクティブ状態のフォルダに対応する宛先フォルダ選択釦が送信先フォルダ設定画面50nに表示される。すなわち、送信先に設定された外部端末30が複数台あり、アクティブ状態のフォルダが複数検出された場合に、それら複数のアクティブ状態のフォルダを宛先もしくは宛先候補のフォルダとして送信先フォルダ設定画面50nに表示して、ユーザから送信先フォルダの設定操作を受けるようにしてもよい。
【0115】
次に、第3の実施の形態について説明する。
【0116】
第1、第2の実施の形態では、送信先に設定された外部端末30で開いているフォルダやアクティブ状態のフォルダを、送信先フォルダ設定画面50に宛先もしくは宛先候補(宛先フォルダ選択釦)として表示し、ユーザから送信先フォルダの選択操作を受けるようにしたが、第3の実施の形態では、取得したフォルダ情報に基づいて送信先フォルダを自動設定するようになっている。すなわち、送信先に設定された外部端末30から開いているフォルダに関する情報を取得し、ファイル送信ジョブの実行指示を受けると、その開いているフォルダを送信先フォルダとして画像情報を送信するようになっている。
【0117】
図28は、第3の実施の形態に係る画像処理装置10が行うファイル送信ジョブに関する動作の流れを示している。なお、ステップS001からステップS012までの動作は図5に示す第1の実施の形態と同一でありその説明は省略する。第3の実施の形態では、ステップS012に続く処理として、図28に示すステップS073以降の処理が実行される。
【0118】
ステップS073では、フォルダ情報の取得要求に対する外部端末30からの回答に基づいて、その外部端末30で開いているフォルダが存在するか否かを判断する。開いているフォルダが存在する場合は(ステップS073;Yes)、そのフォルダが外部装置(当該画像処理装置10)から書き込み可能か否かを、受信したフォルダ情報に基づいて判断する(ステップS074)。
【0119】
書き込み可能であれば(ステップS074;Yes)、ステップS078へ移行する。書き込み不可の場合は(ステップS074;No)、開いているフォルダの所有者と当該画像処理装置10の操作者とが同一か否かを調べ(ステップS075)、同一でない場合は(ステップS075;No)、開いているフォルダへは送信不可能であることを表示部24に表示して(ステップS077)、本処理を終了する。
【0120】
同一の場合は(ステップS075;Yes)、そのフォルダの属性を「外部装置から書き込み可能」に設定変更して(ステップS076)、ステップS078へ移行する。具体的には画像処理装置10から外部端末30に対して、そのフォルダの属性を書き込み可能に変更するコマンドを送信して、属性を変更させる。
【0121】
ステップS078では、ファイル送信ジョブの実行開始釦の押下を受けたか否かを判断し、未押下ならば(ステップS078;No)、ステップS074へ戻る。押下されたら(ステップS078;Yes)、画像読取部26で原稿を読み取り、該読み取りで得た画像情報を、送信先に設定された外部端末30の開いているフォルダへ送信する(ステップS079)。すなわち、開いているフォルダを自動的に送信先フォルダに設定して画像情報の送信が行われる。
【0122】
送信が完了すると(ステップS083;Yes)、送信先の外部端末30において所定のアプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)が起動しているか否かを調べ(ステップS084)、起動していなければ(ステップS084;No)、本処理を終了する。起動している場合は(ステップS084;Yes)、送信先の外部端末30にそのアプリケーションの終了指示を送信して(ステップS085)本処理を終了する。
【0123】
送信先に設定された外部端末30に開いているフォルダが存在しない場合は(ステップS073;No)、通常の宛先設定画面を表示部24に表示し、ユーザから送信先フォルダの設定を受ける。たとえば、既存の登録フォルダから送信先フォルダを選択する、あるいはディレクトリの木構造を辿って目的のフォルダを指定させる、ファイルパスを直接入力させる、などの方法で送信先フォルダの設定を受ける。
【0124】
送信先フォルダの設定が完了すると(ステップS081;Yes)、画像読取部26で原稿を読み取り、該読み取りで得た画像情報を、送信先に設定された外部端末30の、ステップS080の宛先設定画面で送信先に設定されたフォルダへ送信し(ステップS082)、ステップS083へ移行してその後の処理を行う。
【0125】
なお、開いているフォルダが複数ある場合は、それら全てのフォルダに対して画像情報が送信される。
【0126】
次に、第4の実施の形態について説明する。
【0127】
第3の実施の形態では、送信先に設定された外部端末30で開いているフォルダを自動的に宛先に設定して送信したが、第4の実施の形態では、送信先に設定された外部端末30で開いているアクティブ状態のフォルダのみに画像情報を送信する。
【0128】
図29は、第4の実施の形態の画像処理装置10が行うファイル送信ジョブに関する動作の流れを示している。なお、ステップS001からステップS012までの動作は図26に示す第2の実施の形態と同一でありその説明は省略する。また、第4の実施の形態では、図26のステップS012に続く処理として、図29に示す処理が実行される。ステップS103では、アクティブ状態のフォルダに関する情報の取得要求に対する外部端末30からの回答に基づき、その外部端末30でアクティブ状態のフォルダが存在するか否かを判断する。アクティブ状態のフォルダが存在する場合は(ステップS103;Yes)、そのフォルダが外部装置(当該画像処理装置10)から書き込み可能か否かを、受信したフォルダ情報に基づいて判断する(ステップS104)。
【0129】
書き込み可能であれば(ステップS104;Yes)、ステップS108へ移行する。書き込み不可の場合は(ステップS104;No)、アクティブ状態のフォルダの所有者と当該画像処理装置10の操作者とが同一か否かを調べ(ステップS105)、同一でない場合は(ステップS105;No)、アクティブ状態のフォルダへは送信不可能であることを表示部24に表示して(ステップS107)、本処理を終了する。
【0130】
同一の場合は(ステップS105;Yes)、そのフォルダの属性を「外部装置から書き込み可能」に設定変更して(ステップS106)、ステップS108へ移行する。
【0131】
ステップS108では、ファイル送信ジョブの実行開始釦の押下を受けたか否かを判断し、未押下ならば(ステップS108;No)、ステップS104へ戻る。押下されたら(ステップS108;Yes)、画像読取部26で原稿を読み取り、該読み取りで得た画像情報を、送信先に設定された外部端末30のアクティブ状態のフォルダへ送信する(ステップS109)。すなわち、アクティブ状態のフォルダを自動的に送信先フォルダに設定して画像情報の送信が行われる。
【0132】
送信が完了すると(ステップS113;Yes)、送信先の外部端末30において所定のアプリケーション(画像処理装置10のドライバプログラム)が起動しているか否かを調べ(ステップS114)、起動していなければ(ステップS114;No)、本処理を終了する。起動している場合は(ステップS114;Yes)、送信先の外部端末30にそのアプリケーションの終了指示を送信して(ステップS115)本処理を終了する。
【0133】
送信先に設定された外部端末30にアクティブ状態のフォルダが存在しない場合は(ステップS103;No)、通常の宛先設定画面を表示部24に表示し、ユーザから送信先フォルダの設定を受ける。たとえば、既存の登録フォルダから送信先フォルダを選択する、あるいはディレクトリの木構造を辿って目的のフォルダを指定させる、ファイルパスを直接入力させる、などの方法で送信先フォルダの設定を受ける。
【0134】
送信先フォルダの設定が完了すると(ステップS111;Yes)、画像読取部26で原稿を読み取り、該読み取りで得た画像情報を、送信先に設定された外部端末30の、ステップS110の宛先設定画面で送信先に設定されたフォルダへ送信し(ステップS112)、ステップS113へ移行してその後の処理を行う。
【0135】
次に、第5の実施の形態について説明する。
【0136】
第1〜第4の実施の形態では、ファイル送信ジョブを実行する画像処理装置10を例に説明したが、第5の実施の形態では、送信対象の画像情報ファイルを保存している記憶部や画像情報ファイルを外部端末30へ送信する送信装置などと、操作表示装置とを、独立の別体に設けている。たとえば、送信対象の画像情報ファイルを保存している記憶部や画像情報を外部端末30へ送信する送信装置をネットワークに接続されたファイルサーバとし、このファイルサーバに保存されているファイルを送信するためのファイル送信ジョブの設定受け付けを、別体に設けられた操作表示装置で受け付ける、といったシステム構成に適用される。また、画像処理装置10のボックス17に保存されているファイルを送信対象としたファイル送信ジョブの受け付けを、画像処理装置10とネットワークを通じて接続された操作表示装置で行う、といった形態にも適用される。
【0137】
図30は、独立して設けられた操作表示装置100の構成例を示している。操作表示装置100は、当該装置の動作を制御するCPU101にバス102を介して、ROM103と、RAM104と、不揮発メモリ105と、操作部106と、表示部107と、ネットワーク通信部108と、認証部109とが接続されて構成される。
【0138】
ROM103には各種プログラムや固定データが格納され、CPU101はこれらのプログラムに従って各種の処理を実行することによって操作表示装置100として各機能が実現される。RAM104はCPU101がプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。
【0139】
不揮発メモリ105は、電源をオフしてもその記憶内容が保持される書き換え可能なメモリであり、操作表示装置100に対して設定された各種の設定値やユーザの認証情報などが記憶される。また、第1の実施の形態と同様の管理テーブル18が保存される。
【0140】
操作部106は、ユーザからジョブの投入や設定など各種の操作を受け付ける機能を果たす。表示部107は、液晶ディスプレイ(LCD…Liquid Crystal Display)などで構成され、各種の操作画面、設定画面などを表示する機能を果たす。操作部106は、表示部107の画面上に設けられて押下された座標位置を検出するタッチパネルのほかテンキーや文字入力キー、スタートキーなどを備えて構成される。
【0141】
ネットワーク通信部108は、ネットワーク2を通じて外部端末30や画像処理装置10、各種ファイルサーバなどの外部装置と通信して各種のデータを送受信する機能を果たす。
【0142】
認証部109は、操作表示装置100を使用するユーザの認証を行う。ここでは、操作表示装置100の近くに居るユーザが所持する個人認証用無線カードと交信して該カードからユーザ情報を読み出すことによってユーザを特定して認証する。認証方法はこれに限定されるものではなく、たとえば、操作部106からユーザIDとパスワードの入力を求め、これらを不揮発性メモリ105に保存されている認証情報と照合して認証を行うといった方式でもよい。
【0143】
操作表示装置100は、ファイル送信ジョブの受け付けに関しては、第1から第4の実施の形態で示した画像処理装置10と同様の機能を果たす。画像処理装置10との相違は、送信対象のファイルが外部に保存されており、その外部に保存されているファイルを対象にファイル送信ジョブを設定できる点である。
【0144】
操作表示装置100は、図5、図6に示す流れ図とほぼ同等の動作を行う。ただし、送信対象のファイルの設定を受け付ける場合に、記憶場所(記憶している装置)の設定を受ける。また、S020、S021の画像情報を送信する動作に代えて、送信対象のファイルや送信先の外部端末30および送信先フォルダを指定したファイル送信指示を、送信装置(ファイルサーバや画像処理装置10)に対して送信する動作を行う。
【0145】
本発明の画像処理装置10あるいは操作表示装置100によれば、現在、外部端末30上で作業状態にあるフォルダ、言い換えると、ディスプレイ上で開いているフォルダ、を送信先のフォルダに設定してファイルを保存することができるので、定形のワークフローから外れた臨時のフォルダに保存する際のフォルダ指定に係るユーザ負担を大幅に軽減することができる。
【0146】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0147】
実施の形態では、画像処理装置10を例に説明したが、ファイルを外部端末30へ送信するジョブの設定操作を受け付ける機能を備えた装置であれば他の装置であってもかまわない。
【0148】
また、開いているフォルダやアクティブ状態のフォルダを宛先もしくは宛先候補のフォルダとして表示する表示形態は実施の形態に例示したものに限定されない。たとえば、開いているフォルダのリストを表示し、その中から送信先フォルダを選択可能に構成してもよい。また、外部端末30でアクティブなアプリケーションプログラムが開いているファイルが属しているフォルダを、開いているフォルダと同様に扱い、宛先もしくは宛先候補のフォルダとしてもよい。
【0149】
アクティブ状態のフォルダと非アクティブ状態のフォルダの表示形態や、書き込み可能なフォルダと書き込み不可のフォルダの表示形態を相違させる方法は実施の形態で例示したものに限定されない。たとえば、宛先フォルダ選択釦の色、点滅の有無などにより相違させてもよく、任意でよい。
【0150】
実施の形態では、操作者の外部端末30を送信先の外部端末30に設定するようにしたが、たとえば、送信先の外部端末を任意に選択可能にしてもよい。また、予め登録した1または複数台の外部端末30を対象に、それらの外部端末30で開いているフォルダ、あるいはアクティブ状態にあるフォルダを、ファイル送信ジョブの宛先もしくは宛先候補のフォルダとしてもよい。もちろん、LANに接続されているすべての外部端末30を対象にしてもよい。
【0151】
操作者の外部端末30が複数台検出された場合に、それらの中から外部端末30をユーザに選択させることなく、それらすべての外部端末30を対象にフォルダ情報を取得するようにしてもよい。また、それらすべての外部端末30で開いているフォルダ、あるいはアクティブ状態のフォルダをすべて宛先もしくは宛先候補として表示し、その中から送信先フォルダを選択させてもよい。このようにすれば、フォルダの選択操作により、同時に送信先の外部端末30も選択されるので、外部端末30の選択操作を省略することができ、操作量を少なくすることができる。
【0152】
実施の形態では、SMBプロトコルやCIFSプロトコルによる送信を例示したが、他方式のファイル共有のプロトコルを利用したファイル送信であってもかまわない。
【符号の説明】
【0153】
2…ネットワーク(LAN)
10…画像処理装置(MPF)
11…CPU(制御部)
12…バス
13…ROM
14…RAM
15…不揮発メモリ
16…ハードディスク装置(HDD)
17…ボックス
18…管理テーブル
20…自動原稿搬送部(ADF)
21…認証部
22…ファクシミリ通信部
23…操作部
24…表示部
25…ネットワーク通信部
26…画像読取部
27…画像処理部
28…プリンタ部
30…外部端末(PC)
31…CPU(制御部)
32…バス
33…ROM
34…RAM
35…不揮発メモリ
36…ハードディスク装置
37…表示部
38…操作部
39…ネットワーク通信部
40、40a、40b、40c、40d…端末画面
41…第1フォルダ
42…第2フォルダ
43…第3フォルダ
44…ファイル管理プログラム
45…受信したファイル
46…第4フォルダ
50、50a〜50n…送信先フォルダ設定画面
51、52、53…宛先フォルダ選択釦
54…既登録フォルダ釦
55…登録釦
56…OK釦
57…矢印釦
58…コメント欄
59…宛先フォルダ選択釦
60…送信種類選択画面
61…ファイル送信1釦
62…ファイル送信2釦
80…端末選択画面
81…端末選択釦
100…操作表示装置
101…CPU(制御部)
102…バス
103…ROM
104…RAM
105…不揮発メモリ
106…操作部
107…表示部
108…ネットワーク通信部
109…認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
操作内容を表示する表示部と、
ネットワーク通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、所定の場所に記憶されている画像情報を、ネットワークを介して接続されている外部端末のフォルダへ送信するファイル送信ジョブの設定操作を前記操作部で受ける際に、送信先端末に設定された外部端末から該外部端末で開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し、前記開いているフォルダの少なくとも1つを、前記画像情報の宛先または宛先候補のフォルダとして前記表示部へ表示する
ことを特徴とする操作表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記開いているフォルダの中で、アクティブ状態のフォルダだけを前記表示部へ表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記開いているフォルダの中のアクティブ状態のフォルダと非アクティブ状態のフォルダとを異なる表示形態で前記表示部へ表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記表示において、アクティブ状態のフォルダは宛先に選択された状態で初期表示する
ことを特徴とする請求項1または3に記載の操作表示装置。
【請求項5】
操作部と、
操作内容を表示する表示部と、
ネットワーク通信部と、
制御部と、
を備え、
前記制御部は、所定の場所に記憶されている画像情報を、ネットワークを介して接続されている外部端末のフォルダへ送信するファイル送信ジョブの設定を前記操作部で受ける際に、前記外部端末から該外部端末で開いているフォルダに関するフォルダ情報を取得し、前記ファイル送信ジョブの実行指示を受けると、前記画像情報を送信する装置に対して、前記開いているフォルダへ前記画像情報を送信するように指示する
ことを特徴とする操作表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記開いているフォルダの中で、アクティブ状態のフォルダだけに前記画像情報を送信するように前記指示する
ことを特徴とする請求項5に記載の操作表示装置。
【請求項7】
前記操作部を操作するユーザを認証する認証部を更に有し、
前記送信先端末に設定された外部端末は、前記認証部が認証したユーザの端末装置である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記認証したユーザの端末装置を複数台検出した場合は、前記表示部へ前記複数台の端末装置を表示し、送信先の端末装置の選択を前記操作部で受け付ける
ことを特徴とする請求項7に記載の操作表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記認証したユーザの端末装置を複数台検出し、かつ、アクティブ状態のフォルダが複数在る場合は、宛先にするフォルダの選択を前記操作部で受け付ける
ことを特徴とする請求項7に記載の操作表示装置。
【請求項10】
前記取得するフォルダ情報には、フォルダへの書き込みが不可か否かを示す情報が含まれており、
前記制御部は、書き込み不可のフォルダについては、そのフォルダを前記宛先または宛先候補として前記表示部へ表示する際に、書き込み不可であることを表示する
ことを特徴とする請求項1乃至4、7乃至9のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、書込み可能なフォルダと、書込み不可なフォルダとを異なる表示形態で前記表示部へ表示する
ことを特徴とする請求項10に記載の操作表示装置。
【請求項12】
前記操作部を操作するユーザを認証する認証部を有し、
前記制御部は、前記認証部で認証したユーザが、前記取得したフォルダ情報の示すフォルダに対する書き込み可否属性の変更権を有するユーザである場合に、そのフォルダに対する書き込み可否属性の設定変更操作を前記操作部から行い得るようにする
ことを特徴とする請求項10または11に記載の操作表示装置。
【請求項13】
前記開いているフォルダには、
該フォルダのある外部端末で起動しているアプリケーションの中で開いているフォルダも含まれる
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【請求項14】
前記開いているフォルダは、
該フォルダのある外部端末で起動しているアプリケーションの中で開いているフォルダである
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の操作表示装置。
【請求項15】
画像情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている画像情報を、ネットワークを介して接続されている外部端末のフォルダへ送信する送信部と、
前記送信部に行わせるファイル送信ジョブの設定操作を受け付ける請求項1乃至14のいずれか一項に記載の操作表示装置と、
を有する
ことを特徴とする画像送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2012−175161(P2012−175161A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32126(P2011−32126)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】