説明

操作装置、画像形成装置、及び操作画面の表示方法

【課題】操作パネルに複数のタブが表示されてユーザの操作を受けるときに、ユーザの操作性を向上させる。
【解決手段】 中央の行のタブ・グループである第2のタブ・グループL2の「BB」タブ52bが選択されたとき、第1のタブ・グループL1のタブは、タブ表示画面62の下側に移動し、第1のタブ・グループL1が移動して空いたスペースを埋めるように、タブ表示画面62が第2のタブ・グループL2の直ぐ下に配置される。第1〜第3のタブ・グループL1〜L3の相対的な位置関係は保たれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作装置、画像形成装置及び操作画面の表示方法に係り、電気機器に用いられる操作装置及び、そのような操作装置を備える、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等の画像形成装置、及び操作画面の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の複写機などの画像形成装置では、その操作手段は、液晶の表示パネルなどの操作パネル(「タッチパネル」ともいう)により構成されている。この種の操作パネルでは、操作のためのボタン等が表示され、ユーザは、そのボタンの領域を押下する等して、画像形成装置を操作する。
【0003】
ところで、操作パネルにおいては、選択項目や登録内容などがグループに分類されており、それら分類毎にインデックスとなるタブを選択することによってグループ化された項目などが操作パネルに表示される構成が採用されるケースがある。
【0004】
そのようなタブによってグループ化されて表示される場合であっても、近年のように機能の数が多くなってくると、タブの数も多くなり操作性の向上が求められている。タブで選択されたグループが、さらに複数のグループに細分化され階層化されている例もある。製品の差別化にとって、当然に製品の性能や機能の多さ等が重要であるが、同時に、操作のしやすさや操作パネルの見やすさといったグラフィカル・ユーザ・インタフェイス(以下、単に「GUI」という)も大きなウェイトを占めている。
【0005】
GUIにおけるタブの表示の一例として、操作パネルにおける上側の領域と横側の領域とに、タブを並べた構成がある(特許文献1参照)。この構成では、上側に並べられたタブが大項目、横側に並べられたタブが小項目を選択するようになっており、ユーザは階層を辿らずに所望の項目にアクセスできる。
【特許文献1】特開1997−325878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に開示の技術にあっては、例えば、上側に並べられたタブと、横側に並べられたタブでは、タブに表記される文字の方向が異なることがあった。大項目における表記が横書きで、小項目の表記が縦書きとなってしまい、このようなタブ構成は見づらく改善を望む声もあった。また、表記される言語によっては、縦書きによる表記がなく、そのようなタブ構成を採用できない場合もあった。また、処理が複雑になり、できる限りシンプルな構成にしたいという要望もあった。
【0007】
さらに、項目が階層化してしまうことを避けたいという要望もあった。図5は、タブが複数行に配置され、多数のタブが一つの画面に表示される構成の画面例を示した図である。この画面では、タブで選択された項目の表示内容は、画面下側の略半分の領域に表示された。そのときに選択されたタブと同一行におけるタブがそれらの配列を維持したまま、項目の表示領域のすぐ上側に表示されるようになっている。しかし、行を入れ替えて表示される場合、アルファベット順や数字の昇順などで配置されていた配列が崩れてしまい、直前のタブの配列と異なって表示されるため、ユーザは直前の直感的に所望のタブが配置された場所を認識し難く、タブの並びを再度確認する必要があり大変煩わしいという課題がある。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みなされたものであって、その目的は、操作パネルに複数のタブが表示されてユーザの操作を受けるときに、ユーザの操作性を向上させた操作パネルおよびその操作パネルを備えた機器、例えば、画像形成装置などを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る操作装置は、操作画面に複数のタブを表示し、そのタブが表示された領域に対するユーザの操作を受け付ける操作装置であって、選択されたタブに関連づけられた内容を表示する内容表示領域を、当該選択されたタブと連続して表示する選択内容表示部と、前記複数のタブをグループに分類し、グループ毎に表示するタブ分類部と、前記グループに分類されたタブのグループ間の相対的な位置関係を決定する位置関係制御部と、前記選択されたタブに関連づけられた内容表示領域を選択されたタブと連続して表示するときに、前記グループに分類されたタブの前記グループ間の相対的な位置関係を保持した状態で、前記タブの配置を変更する配置変更部と、を有する。
【0010】
また、前記位置関係制御部は、前記タブの前記グループ内の相対的な位置関係を保持してもよい。
【0011】
また、前記位置関係制御部は、各グループ内の前記タブを直線上に配置してもよい。
【0012】
本発明に係る画像形成装置は、上記の操作装置と、印刷部とを有する。
【0013】
本発明に係る操作画面の表示方法は、複数のタブをM行×N列のマトリックス状に配置する工程と、前記複数のタブを、行又は列ごとにグループ化する工程と、前記複数のタブのうち、操作対象となったタブに関連づけられた項目を表示する表示領域を前記操作対象となったタブと連続した配置で表示する工程と、前記表示領域の配置にともなって、前記グループ間の相対位置を維持したまま前記複数のタブの配列をグループ単位で変更する工程と、を有する。
【0014】
本発明に係る別の操作画面の表示方法は、複数段のタブと、該タブにインデックスされた表示内容とを表示する操作画面の表示方法であって、前記複数段のタブを行単位でグループ化し、押された前記タブの前記表示内容を、押された前記タブを含む行の下又は上に表示する。
【0015】
本発明に係る別の操作画面の表示方法は、複数列のタブと、該タブにインデックスされた表示内容とを表示する操作画面の表示方法であって、前記複数列のタブを列単位でグループ化し、押された前記タブの前記表示内容を、押された前記タブを含む列の左又は右に表示する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、操作パネルに複数のタブが表示されてユーザの操作を受けるときに、タブをグループ化し、タブが選択されて選択されたタブと連続した領域にタブの内容を表示するときに、グループ間の相対的な位置関係を保持するようタブを配列するため、所望のタブの位置を把握しやすくなりユーザの操作性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)を、図面を参照して具体的に説明する。本実施形態は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等の画像形成装置において、操作パネルのタブの表示ときにユーザが直感的に把握しやすい配列を実現し、操作性の向上を実現する。以下、操作パネルにおけるタブ表示及びその操作の概要を説明し、つづいて、その表示及び操作を実現する構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の操作パネルの表示画面の一例を示した図である。図示のように、操作画面50の略上半分の領域に、インデックスとして機能するタブが3行×4列で表示され、その下の略半分の領域にはタブ表示画面61が表示されている。より具体的には、タブ表示画面61の直ぐ上に、第1のタブ・グループL1が配置されており、その上側には第2のタブ・グループL2が、さらにその上側には第3のタブ・グループL3が配置されて、表示されている。
【0019】
第1のタブ・グループL1として、「A」〜「D」の4つのタブが左側から順に一行で並んで配置されている。同様に、第2のタブ・グループL2として「AA」〜「DD」の4つのタブが、第3のタブ・グループL3として「AAA」〜「DDD」の4つのタブが、それぞれのグループにおいて左側から順に一行で並んで配置されている。
【0020】
ここでは、一番下側の行のタブ・グループである第1のタブ・グループL1の「C」タブ51cが選択された状態が示されている。そして、「C」タブ51cに関連づけられた表示内容がタブ表示画面61に表示される。
【0021】
図2は、中央の行のタブ・グループである第2のタブ・グループL2の「BB」タブ52bが選択された状態の操作画面50を示している。このとき、第1のタブ・グループL1のタブは、タブ表示画面62の下側に移動し、第1のタブ・グループL1が移動して空いたスペースを埋めるように、タブ表示画面62が第2のタブ・グループL2の直ぐ下に配置される。したがって、第1〜第3のタブ・グループL1〜L3の相対的な位置関係は保たれている。つまり、第1のタブ・グループL1が一番下に、第2のタブ・グループL2が真ん中に、第3のタブ・グループL3が一番上に配置されている。
【0022】
図3は、一番上の行のタブ・グループである第3のタブ・グループL3の「DDD」タブ53dが選択された状態の操作画面50を示している。このとき、第1のタブ・グループL1及び第2のタブ・グループL2のタブは、タブ表示画面63の下側に移動し、タブ表示画面63が第3のタブ・グループL3の直ぐ下に配置される。このときも、第1〜第3のタブ・グループL1〜L3の相対的な位置関係は保たれている。つまり、第1のタブ・グループL1が一番下に、第2のタブ・グループL2が中央に、第3のタブ・グループL3が一番上に配置されている。
【0023】
このように、各タブの相対的な位置関係を保ったまま、タブを移動させることで、ユーザは、所望のタブが操作画面50のどの領域に配置されているか、十分に確認しなくとも把握できる。このため、別のタブを選択する場合であっても、目的のタブを探さず手間なしに、そのタブを選択できる。そのため、ユーザは、本を扱うように直感的に、操作画面50を操作でき、所望のタブを見失ってしまうことが回避される。
【0024】
つづいて、以上の操作を実現するための構成について説明する。
【0025】
図4は、本実施形態に係る画像形成装置10の機能ブロック図である。画像形成装置10は、画像形成装置10の各構成要素を統括的に制御する主制御部12と、画像の取得及び印刷を実行する画像印刷処理部14と、ユーザからの画像形成装置10に対する指示を受け付ける操作処理部20とを備える。
【0026】
操作処理部20は、CPU22と、メモリ24と、液晶表示制御部26と、液晶パネル部28と、タッチ操作部30と、タッチパネル部32とを備える。
【0027】
CPU22は、操作処理部20の処理を統括的に制御する。また、メモリ24は、操作処理部20における処理のためのプログラムがロードされたり、ユーザからの指示を記憶する。液晶表示制御部26は、液晶パネル部28に表示する画面を制御する。液晶パネル部28には、例えば図1〜図3に示したような操作画面50が表示される。
【0028】
タッチパネル部32は、透明な基板上にマトリックス状に透明電極が配されて構成されたり、ガラス板に透明な圧電素子をマトリックス状に配されて構成されたスイッチである。このタッチパネル部32は、液晶パネル部28の表面に取り付けられる。
【0029】
タッチ制御部30は、タッチ位置検出部34と、タッチ動作実行部38と、表示配列制御39とを備える。タッチ位置検出部34は、タッチパネル部32の電極に対する入力をもとに、液晶パネル部28のどの位置がタッチされたかを検出する。
【0030】
タッチ動作実行部38は、液晶パネル部28に表示されている画面の内容及びタッチ位置検出部34で検出されたユーザの指示にもとづき、液晶パネル部28に表示する画面の内容を決定し、液晶表示制御部26に通知する。液晶表示制御部26は、その通知を受けて、液晶パネル部28における表示を制御する。また、ユーザの指示が、画像印刷処理部14における印刷等の実行処理であれば、CPU22を介して主制御部12に通知する。主制御部12はその通知を受けて、ユーザの指示を画像印刷処理部14に実行させる。
【0031】
表示配列制御39は、図1〜3に示したような操作画面50(液晶パネル部28)に表示するボタンや、各種情報を表示する領域の配置を決定する。より具体的には、第1〜第3のタブ・グループL1〜L3の配置、及び、選択されたタブの内容を示すタブ表示画面61,62,63の配置を決定し、さらに、タブ表示画面61,62,63に表示すべき内容を決定する。そのため、各タブ自身にもインデックスを付与する。
【0032】
タブがM行×N列で配置される画面構成の場合、対応するインデックスとして(1,1)から(M,N)が用いられる。例えば、ここでは、3行×4列にタブが配置されるため、「A」タブには、第1のタブ・グループL1の一番左側に配置されている旨を示す、インデックス(1,1)が関連づけられ、表示配列制御39を構成するメモリに記憶される。また、「DDD」タブ53dには、第3のタブ・グループの左から4番目に配置されている旨を示す、インデックス(3,4)が関連づけられ、表示配列制御39を構成するメモリに記憶される。
【0033】
そして、例えば図2に示したように「BB」タブ52bが選択された場合、表示配列制御39は、「BB」タブ52bのインデックス(2,2)の前側の数字を参照して、第2のタブ・グループL2に含まれるタブであることを判断し、さらに、後側の数字を参照して、左から2番目のタブであると判断する。
【0034】
そして、表示配列制御39は、選択されたタブの内容を表示するために、タブ表示画面62を、「BB」タブ52bの下側に繋がっているように配置を決定する。さらに、表示配列制御39は、選択されたタブが属する第2のタブ・グループL2より小さい数字のグループである、第1のタブ・グループL1に属するタブ、つまり、インデックス(3,1)〜(3,4)がそれぞれに付与されている4つのタブをタブ表示画面62の下側に配置を決定する。
【0035】
つづいて、表示配列制御39が決定した配置をもとに、液晶表示制御部26は液晶パネル部28に、タブやタブ表示画面を表示する。このような画面表示とすることで、タブに付与されたインデックスの行に対応する要素が、本の「ページ」のように機能し、ユーザは、本をめくるようにタブを操作することができる。
【0036】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。以下、その様な変形例について説明する。
【0037】
例えば、実施形態では、タブを行毎に移動させたが、例えば、タブを列ごとに移動させるように配置しても良い。そのときは、タブの内容を表示するタブ表示画面は、タブが配置された列の間に表示する。
【0038】
また、上述の実施形態では、画像形成装置の操作パネルを例示したが、これに限らず、操作装置を備える機器に広く適用でき、例えば、パーソナル・コンピュータや、PDA、携帯電話等が例示できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の操作パネルの表示画面の一例を示した図である。
【図2】本実施形態に係る画像形成装置の操作パネルの表示画面の一例を示した図である。
【図3】本実施形態に係る画像形成装置の操作パネルの表示画面の一例を示した図である。
【図4】本実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【図5】従来技術における画像形成装置の操作パネルの表示画面の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0040】
10 画像形成装置
12 主制御部
14 画像印刷処理部
20 操作処理部
22 CPU
24 メモリ
26 液晶表示制御部
28 液晶パネル部
30 タッチ制御部
32 タッチパネル部
34 タッチ位置検出部
38 タッチ動作実行部
39 表示配列制御





【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面に複数のタブを表示し、そのタブが表示された領域に対するユーザの操作を受け付ける操作装置であって、
選択されたタブに関連づけられた内容を表示する内容表示領域を、当該選択されたタブと連続して表示する選択内容表示部と、
前記複数のタブをグループに分類し、グループ毎に表示するタブ分類部と、
前記グループに分類されたタブのグループ間の相対的な位置関係を決定する位置関係制御部と、
前記選択されたタブに関連づけられた内容表示領域を選択されたタブと連続して表示するときに、前記グループに分類されたタブの前記グループ間の相対的な位置関係を保持した状態で、前記タブの配置を変更する配置変更部と、
を有することを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記位置関係制御部は、前記タブの前記グループ内の相対的な位置関係を保持することを特徴とする請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記位置関係制御部は、各グループ内の前記タブを直線上に配置することを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載の操作装置と、印刷部を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
複数のタブをM行×N列のマトリックス状に配置する工程と、
前記複数のタブを、行又は列ごとにグループ化する工程と、
前記複数のタブのうち、操作対象となったタブに関連づけられた項目を表示する表示領域を前記操作対象となったタブと連続した配置で表示する工程と、
前記表示領域の配置にともなって、前記グループ間の相対位置を維持したまま前記複数のタブの配列をグループ単位で変更する工程と、
を有することを特徴とする操作画面の表示方法。
【請求項6】
複数段のタブと、該タブにインデックスされた表示内容とを表示する操作画面の表示方法であって、
前記複数段のタブを行単位でグループ化し、押された前記タブの前記表示内容を、押された前記タブを含む行の下又は上に表示することを特徴とした操作画面の表示方法。
【請求項7】
複数列のタブと、該タブにインデックスされた表示内容とを表示する操作画面の表示方法であって、
前記複数列のタブを列単位でグループ化し、押された前記タブの前記表示内容を、押された前記タブを含む列の左又は右に表示することを特徴とした操作画面の表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−305115(P2008−305115A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151115(P2007−151115)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】