説明

操舵装置

【課題】操舵装置の材料選定を有利にする。
【解決手段】運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作レバー2と、車両の転舵輪を転舵する転舵機構3と、操作レバー2と転舵機構3とを連結し操作レバー2の前後両方向の作動を引っ張り力だけで前記転舵機構に伝達する連結機構4と、を備える。連結機構4は、上下に平行配置された一対のプルロッド7A,7Bと、プルロッド7A,7Bの前端部を連結し操作レバー2に対して平行配置された連結ロッド8とを備え、プルロッド7A,7Bの後端に形成された長孔12,12に操作レバー2のピン13A,13Bが係合し、プルロッド7Aの前端が転舵機構3に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両等の操舵装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両等の操舵装置には、操作子を車体前後方向へ作動することによって転舵輪(例えば前輪)を転舵するように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
従来の前後作動式の操舵装置の一例を図8、図9に示す。運転者Pは操作レバー(操作子)101を左右の手で持ち、操作レバー101を支軸102を中心にして前後方向に傾転させることにより、この操作レバー101にロッド103を介して連結された転舵機構104を作動させて、図示しない前輪を転舵する。
【特許文献1】特開2006−56468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の前後作動式の操舵装置は、構造上、操作性などに、改善の余地があった。
例えば、操作レバー101を前方に傾転したときにはロッド103に圧縮力が作用し、操作レバー101を後方に傾転したときにはロッド103に引っ張り力が作用するので、ロッド103の材質選定には圧縮強度と引っ張り強度の両方を考慮しなければならない。
【0004】
また、運転者Pは操作レバー101の上端のグリップ部105を把持して操作レバー101を支軸102を中心に回転するが、このときのグリップ部105の移動軌跡は、運転者Pが動かし易い手の移動軌跡と必ずしも一致しない。
【0005】
また、図9において実線で示す操作レバー101は、車両を直進させるときの位置(以下、中立位置という)を示しており、従来の操舵装置では、操作レバー101を中立位置から前方あるいは後方に同一量だけ傾転した場合のロッド103の移動量を同じに設定している。したがって、操作レバー101を中立位置から前方あるいは後方に同一量だけ傾転した場合の前輪の転舵角は同じである。
しかしながら、人間工学的には、腕を身体から遠ざける方向に動かす伸身側と、腕を身体に近づける方向に動かす屈身側では、実際の操作量は同じであっても感覚的な操作量が異なるため、従来の前後作動式の操舵装置では操作フィーリングが悪い。
【0006】
そこで、この発明は、材質選定に有利な操舵装置、あるいは、操作性に優れた操舵装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係る操舵装置では、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1に係る発明は、運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子(例えば、後述する実施例における操作レバー2)と、車両の転舵輪を転舵する転舵機構(例えば、後述する実施例における転舵機構3)と、前記操作子と前記転舵機構とを連結し前記操作子の前後両方向の作動を引っ張り力だけで前記転舵機構に伝達する連結機構(例えば、後述する実施例における連結機構4)と、を備えることを特徴とする操舵装置(例えば、後述する実施例における操舵装置1A)である。
このように構成することにより、連結機構において操作子の作動を伝達する部材には、圧縮強度を殆ど考慮する必要がなく、引っ張り強度が特化して高い材料を選定することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子(例えば、後述する実施例における操作レバー20)と、前記操作子に連結され車両の転舵輪(例えば、後述する実施例における前輪50)を転舵する転舵機構(例えば、後述する実施例における転舵機構21)と、を備え、前記操作子は、運転者によって把持されるグリップ部(例えば、後述する実施例におけるグリップ部26)と前記転舵機構に連結された操作桿(例えば、後述する実施例における操作桿24)とが回動可能に連結されてなり、該操作子の車体前後方向の作動に伴い前記操作桿に対する前記グリップ部の角度が変化することを特徴とする操舵装置(例えば、後述する実施例における操舵装置1B)である。
このように構成することにより、操作子がその作動域のいずれに位置しているときにも、運転者が把持し易く且つ操作し易いグリップ部の姿勢にすることができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子(例えば、後述する実施例における操作レバー40)と、車両の転舵輪を転舵する転舵機構(例えば、後述する実施例における転舵機構41)と、前記操作子と前記転舵機構とを連結し前記操作子の前後両方向の作動を前記転舵機構に伝達する連結部材(例えば、後述する実施例における連結ロッド42)と、を備え、前記操作子の移動量が同一であっても該操作子の移動方向によって前記連結部材の移動量が異なることを特徴とする操舵装置(例えば、後述する実施例における操舵装置1C)である。
このように構成することにより、操舵フィーリングが向上する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によれば、連結機構において操作子の作動を伝達する部材には、引っ張り強度が特化して高い材料を選定することができる。
請求項2に係る発明によれば、操作子がその作動域のいずれに位置しているときにも、運転者が把持し易く且つ操作し易いグリップ部の姿勢にすることができるので、操作性が向上し、操作速度が向上する。また、運転者の疲労を軽減することもできる。
請求項3に係る発明によれば、操舵フィーリングが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明に係る操舵装置の実施例を図1から図7の図面を参照して説明する。なお、以下の各実施例は、この発明を、前輪を転舵輪、後輪を駆動輪とする四輪車両の操舵装置に実施した態様である。
【0012】
〔実施例1〕
初めに、この発明に係る操舵装置の実施例1を図1および図2の図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後方向は車体の前後方向を言うものとする。
この操舵装置1Aは、運転席の前方に配置された操作レバー(操作子)2と、車両の前輪(図示略)を転舵する転舵機構3と、操作レバー2と転舵機構3とを連結する連結機構4、とを備えている。
操作レバー2は、支軸5を介して車体に回動可能に設置されており、上部が運転者の手Hによって把持されるグリップ部6となっている。運転者はグリップ部6を把持して操作レバー2を前後方向へ傾転して作動することが可能である。なお、車両を直進させているときには(すなわち中立位置では)、操作レバー2は図1において実線で示すように軸心を鉛直方向に向けて位置する。
転舵機構3は周知技術であるので詳細説明を省略するが、例えば、ナックル、ステアリングシャフト、タイロッド、ラックアンドピニオン等(いずれも図示略)から構成されている。なお、図1において符号3aは、ステアリングシャフトに連係されたシャフトである。
【0013】
連結機構4は、前後方向に延び上下に平行配置された一対のプルロッド7A,7Bと、プルロッド7A,7Bの前端部を連結し操作レバー2に対して平行配置された連結ロッド8を主要構成としている。
連結ロッド8は、その中央を支軸9を介して車体に回動可能に設置されており、連結ロッド8の上端部と上側のプルロッド7Aの前方側がピン10Aによって回動可能に連結され、連結ロッド8の下端部と下側のプルロッド7Bの前端部がピン10Bによって回動可能に連結されている。
上側のプルロッド7Aの前端部は、前述した転舵機構3におけるシャフト3aの後端部にピン11を介して回動可能に連結されている。
プルロッド7A,7Bの後端部にはそれぞれ長孔12が形成されている。
【0014】
操作レバー2において支軸5よりも上側および下側にはピン13A,13Bが設けられており、上側のピン13Aは上側のプルロッド7Aの長孔12に摺動可能且つ離脱不能に係合しており、下側のピン13Bは下側のプルロッド7Bの長孔12に摺動可能且つ離脱不能に係合しており、ピン13A,13Bは長孔12内を前後方向へ所定寸法だけ移動可能にされている。
このように連結された上下のプルロッド7A,7Bと連結ロッド8と操作レバー2は平行四節機構を構成している。
【0015】
また、この操舵装置1Aにおいては、操作レバー2を中立位置から前方に傾転させたときの回転初期において下側のピン13Bが下側のプルロッド7Bの長孔12の後端部に突き当たるが、上側のピン13Aは上側のプルロッド7Aの長孔12の前端部には突き当たらないように、同様に、操作レバー2を中立位置から後方に傾転させたときの回転初期において上側のピン13Aが上側のプルロッド7Aの長孔12の後端部に突き当たるが、下側のピン13Bは下側のプルロッド7Bの長孔12の前端部には突き当たらないように、長孔12の前後方向の長さ、および中立位置においての長孔12とピン13A,13Bとの相対位置が設定されている。
【0016】
このように構成された操舵装置1Aにおいては、操作レバー2を中立位置から前方に傾転したときには、回転初期において下側のピン13Bが下側のプルロッド7Bの長孔12の後端部に突き当たるが、上側のピン13Aは上側のプルロッド7Aの長孔12の前端部には突き当たらず、下側のピン13Bが下側のプルロッド7Bの長孔12の後端部に突き当たった後は、操作レバー2の前方回転に伴って下側のプルロッド7Bが後方へ引っ張られ、プルロッド7Bに連結された連結ロッド8が支軸9を中心に回転し、その結果、連結ロッド8に連結された上側のプルロッド7Aが前方に引っ張られ、プルロッド7Aに連結されたシャフト3aを前方に押動し、転舵機構3を作動する。したがって、上下のプルロッド7A,7Bにはいずれも引っ張り力が作用することとなり、圧縮力は作用しない。
【0017】
一方、操作レバー2を中立位置から後方に傾転したときには、回転初期において上側のピン13Aが上側のプルロッド7Aの長孔12の後端部に突き当たるが、下側のピン13Bは下側のプルロッド7Bの長孔12の前端部には突き当たらず、上側のピン13Aが上側のプルロッド7Aの長孔12の後端部に突き当たった後は、操作レバー2の後方回転に伴って上側のプルロッド7Aが後方へ引っ張られ、プルロッド7Aに連結されたシャフト3aを後方に引っ張って転舵機構3を作動するとともに、プルロッド7Aに連結された連結ロッド8が支軸9を中心に回転し、連結ロッド8に連結された下側のプルロッド7Bを前方に引っ張る。したがって、上下のプルロッド7A,7Bにはいずれも引っ張り力が作用することとなり、圧縮力は作用しない。
【0018】
したがって、プルロッド7A,7Bの材質を選定する際には、圧縮強度を殆ど考慮する必要がなく、引っ張り強度が特化して高い材料、例えば炭素繊維強化樹脂(CFRP)を選定することができる。これにより、プルロッド7A,7Bの断面縮小が可能で、操舵装置1Aの小型軽量化が可能になる。
なお、図2に示すように、プルロッド7A,7Bの長孔12の前後端部とピン13A,13Bとの間に圧縮バネ14などの付勢部材を装着することにより、操作レバー2の前後切り返し時に操作力伝達方向が逆転することに起因するガタを抑制するようにしてもよい。
【0019】
〔実施例2〕
次に、この発明に係る操舵装置の実施例2を図3から図6の図面を参照して説
て説明する。なお、以下の説明において、前後方向は車体の前後方向を言うものとする。
この操舵装置1Bは、図3および図4に示すように運転席Sの側方に配置された操作レバー(操作子)20と、車両Vの前輪50を転舵する転舵機構21と、操作レバー20と転舵機構21とを連結する連結ロッド22、とを備えている。
【0020】
操作レバー20は、支軸23を介して車体に前後回動可能に設置された操作桿24と、下端がピン25を介して操作桿24の上端に前後回動可能に連結され運転者の手Hによって把持されるグリップ部26、とを備えて構成されている。運転者はグリップ部26を把持して操作レバー20を前後方向へ傾転して作動することが可能である。なお、車両Vを直進させているときには(すなわち中立位置では)、操作レバー20は図3および図4において実線で示すように、操作桿24とグリップ部26が一直線に配置され、その軸心を鉛直方向に向けている。
転舵機構21は周知技術であるので詳細説明を省略するが、例えば、ナックル、ステアリングシャフト、タイロッド、ラックアンドピニオン等(いずれも図示略)から構成されている。
【0021】
そして、操作桿24において支軸23よりも上方の所定部位に連結ロッド22の後端がピン27を介して回動可能に連結され、連結ロッド22の前端が転舵機構21の前記ステアリングシャフトに連結されている。
さらに、操作レバー20のグリップ部26の上端からはステー28が上方に延び、ステー28の上端は車幅方向に屈曲されていて、ステー28の先端には球状のスライド部28aが設けられている。
このスライド部28aは、ダッシュボードあるいはアームレスト(いずれも図示略)に設けられたガイド溝29に摺動可能且つ離脱不能に係合している。図3に示すように、ガイド溝29は上側に凸な曲線状をなしている。
【0022】
このように構成された操舵装置1Bにおいては、運転者がグリップ部26を持ち前方に押動すると、操作桿24は支軸23を介して前方に回動し、操作桿24に連結された連結ロッド22を前方に押動し、転舵機構21を作動する。一方、グリップ部26は、下部が操作桿24に回動可能に連結されており、ステー28のスライド部28aがガイド溝29に係合しているので、グリップ部26を前方に押動すると、スライド部28がガイド溝29内を後方に移動し、グリップ部26の上端は前後方向へ殆ど変位することがなく、グリップ部26の下端だけが前方に突き出るように変位する。その結果、操作レバー20は、操作桿24とグリップ部26とが前方にくの字形に屈曲した形態になる。
【0023】
一方、運転者がグリップ部26を持ち後方に押動すると、操作桿24は支軸23を介して後方に回動し、操作桿24に連結された連結ロッド22を後方に引っ張り、転舵機構21を作動する。また、グリップ部26を後方に押動すると、スライド部28aがガイド溝29内を前方に移動して、グリップ部26の上端は前後方向へ殆ど変位することがなく、グリップ部26の下端だけが後方に突き出るように変位する。その結果、操作レバー20は、操作桿24とグリップ部26とが後方にくの字形に屈曲した形態になる。
【0024】
このように、この操舵装置1Bにおいては、操作レバー20の車体前後方向の作動に伴って操作桿24に対するグリップ部26の角度を変化させることができるので、操作レバー20がその作動域のいずれに位置しているときにも、運転者はグリップ部26を把持し易く且つ操作レバー20を操作し易くなる。その結果、操舵装置1Bの操作性が向上し、操作速度も向上する。また、運転者の操舵に起因する疲労が軽減される。なお、操作桿24に対するグリップ部26の角度変化の程度は、ステー27の長さやガイド溝29の案内軌道の設定次第で、自由に変えることができる。
【0025】
図5は、操舵装置1Bの変形例であり、操作桿24に対するグリップ部26の角度を変化させる機構に、リンク機構を採用したものである。
この操舵装置1Bでは、操作桿24は、下端を車体に前後回動可能に支持された1対のリンク24a,24bからなり、グリップ部26は、L字形をなすグリップベース26aと、グリップベース26aの上端に固定されたグリップ26bとからなり、リンク24a,24bの上端がそれぞれグリップベース26aの前部あるいは後部に回動可能に連結されている。リンク24aの中間部位に連結ロッド22が回動可能に連結されている。
このようにリンク機構で構成した場合も、操作レバー20の車体前後方向の作動に伴ってリンク24a(24b)に対するグリップ26bの角度を変化させることができるので、操作レバー20がその作動域のいずれに位置しているときにも、運転者はグリップ26aを把持し易く且つ操作レバー20を操作し易くなる。
【0026】
なお、電動機で操舵力をアシストする所謂電動パワーステアリングの転舵機構とこの操舵装置1Bとを組み合わせることにより、鉛直方向に対するグリップ部26(グリップ26b)の角度と操舵角との関係を、図6に示すように任意に設定することが可能である。
【0027】
〔実施例3〕
次に、この発明に係る操舵装置の実施例3を図7の図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後方向は車体の前後方向を言うものとする。
この操舵装置1Cは、運転席の前方に配置された操作レバー(操作子)40と、車両の前輪(図示略)を転舵する転舵機構41と、操作レバー40と転舵機構41とを連結する連結ロッド(連結部材)42、とを備えている。
【0028】
操作レバー40は、支軸43を介して車体に回動可能に設置されており、上部が運転者の手Hによって把持されるグリップ部44となっている。運転者はグリップ部44を把持して操作レバー40を前後方向へ傾転して作動することが可能である。なお、車両を直進させているときには(すなわち中立位置では)、操作レバー40は図7において実線で示すように軸心を鉛直方向に向けている。
中立位置における操作レバー40において、支軸43よりも所定寸法だけ上方で且つ支軸43よりも所定寸法だけ前方には、ピン45を介して連結ロッド42が回動可能に連結されている。
【0029】
転舵機構41は周知技術であるので詳細説明を省略するが、例えば、ナックル、ステアリングシャフト、タイロッド、ラックアンドピニオン等(いずれも図示略)から構成されている。そして、連結ロッド42の前端が転舵機構41の前記ステアリングシャフトに連結されている。
【0030】
このように構成された転舵装置1Cにおいては、操作レバー40を前後回動させることにより連結ロッド42を前後動させて、転舵機構41を作動することができる。
しかも、中立位置において、操作レバー40と連結ロッド42の連結部であるピン45が、操作レバー40の回転中心となる支軸43よりも前方に偏位して配置されているので、操作レバー40を前後に同一角度回動させたときで比較すると、前方に回動させたときよりも後方に回動させたときの方が、連結ロッド42の移動量が大きくなる。つまり、実際には中立位置から操作レバー40を後方に回動するときの方が前方に回動するときよりも素早く操舵することができるようになるが、運転者の感覚ではこの状態の方が前後の動作が同じフィーリングに感じられるようになり、人間工学的にバランスが良くなる。したがって、操舵フィーリングが向上する。
なお、この実施例3では、操作レバー40の回動方向によって連結ロッド42の移動量を異ならせる手段として、ピン45を支軸43に対して偏位させるという手段を用いたが、これに代えて楕円歯車やスクロール歯車などを用いて構成することも可能である。
【0031】
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、操作子は単一であってもよいし、左右一対設けてもよく、左右一対設ける場合には、左右の操作子が逆方向に作動するように連係するのが好ましい。
また、前述した実施例はいずれもこの発明を四輪車両の操舵装置に適用した態様であったが、三輪車両や二輪車両の操舵装置に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明に係る操舵装置の実施例1における概略構成図である。
【図2】前記実施例1の変形例における要部拡大図である。
【図3】この発明に係る操舵装置の実施例2における概略構成図である。
【図4】前記実施例2の操舵装置の車内配置図である。
【図5】前記実施例2の変形例の概略構成図である。
【図6】前記実施例2におけるグリップ角度と操舵角の関係を示す図である。
【図7】この発明に係る操舵装置の実施例3における概略構成図である。
【図8】従来の前後作動式操舵装置の使用状態を示す側面図である。
【図9】従来の前後作動式操舵装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0033】
1A〜1C 操舵装置
2,20,40 操作レバー(操作子)
3,21,41 転舵機構
4 連結機構
24 操作桿
26 グリップ部
42 連結ロッド(連結部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子と、
車両の転舵輪を転舵する転舵機構と、
前記操作子と前記転舵機構とを連結し前記操作子の前後両方向の作動を引っ張り力だけで前記転舵機構に伝達する連結機構と、
を備えることを特徴とする操舵装置。
【請求項2】
運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子と、前記操作子に連結され車両の転舵輪を転舵する転舵機構と、を備え、
前記操作子は、運転者によって把持されるグリップ部と前記転舵機構に連結された操作桿とが回動可能に連結されてなり、該操作子の車体前後方向の作動に伴い前記操作桿に対する前記グリップ部の角度が変化することを特徴とする操舵装置。
【請求項3】
運転者によって車体前後方向に作動せしめられる操作子と、
車両の転舵輪を転舵する転舵機構と、
前記操作子と前記転舵機構とを連結し前記操作子の前後両方向の作動を前記転舵機構に伝達する連結部材と、
を備え、前記操作子の移動量が同一であっても該操作子の移動方向によって前記連結部材の移動量が異なることを特徴とする操舵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−283792(P2007−283792A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109711(P2006−109711)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】