説明

攪拌装置およびそれを備えた測定装置

【課題】試料の採取と攪拌の作業を同時に行うことのできる作業効率の高い攪拌装置と、それを用いて試料に含有される物質を測定する測定装置を提供する。
【解決手段】被検物質を含む試料400を保持するための試料保持部302、試料保持部302と連通する試料採取孔301、それらと連通する排気孔303、及び被検物質と反応する試薬を担持する試薬担持部304を有する測定セル300が取付けられる測定セル取付部101と、測定セル取付部101に取付けられた測定セル300を回転させる測定セル回転部と、測定セル300の回転と連動して、試料採取孔301を通して試料保持部302内に試料400を採取するために、排気孔303を通して試料保持部302内の空気を吸引する吸引部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料と試薬等を攪拌する撹拌装置および試料中に含まれる被検物質の分析を行う測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、臨床検査分野で血液や尿のような生体試料を測定する機器として、大規模自動化機器やPOCT(Point of Care Testing)機器などが主に使用されている。
【0003】
大規模自動化機器は、病院の中央臨床検査部門もしくは臨床検査受託業務を中心とする会社に設置されており、多数の患者の検体を多項目にわたり検査することができるものである。例えば、日立製作所製の大型自動化機器(型番7170)は最大36項目について毎時800テストの検査を完了することができる。従ってこれら大規模自動化機器は、多くの被験者を抱える病院等において検査の効率化に大きく貢献している。
【0004】
一方、POCT機器とは、病院の検査室や検査センターを除く医療現場で行われる臨床検査において用いられる機器を示し、在宅医療において用いられる機器として開示されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
POCT機器の例としては、血糖センサ、妊娠診断薬、排卵検査薬、HbA1c−微量アルブミン測定機器(例えば、バイエル製DCA2000)等が挙げられる。これらのPOCT機器は、大規模自動化機器に比較して汎用性には乏しいが、ある病態に特異的なマーカー物質にフォーカスして、当該マーカー物質を簡易、迅速に測定することができるため、被験者のスクリーニングおよびモニタリングに効果的である。また、POCT機器は、小型であるため携帯性に優れて低コストで採取でき、さらに操作性においても特に専門性を必要とせず誰にでも使用することができる。これらの特徴からPOCT機器は病院の検査部門等を除く医療現場において広く用いられるようになってきた。
【0006】
POCT機器で尿や血液のような液体の生体試料を検査する場合には容器内に試料を収納した後に試薬を注入し、試料と試薬が反応するように均一に攪拌する必要がある。試料と試薬を均一に攪拌する装置としては、試料を容器の中に採取し、その後、容器に攪拌棒を挿入して攪拌棒に回転運動や往復運動を与えることにより攪拌する装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平07−248310号公報
【特許文献2】特開平03−046566号公報
【特許文献3】特開平10−062430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような攪拌装置では、試料および試薬を容器に採取する作業の後に容器内の試料と試薬とを攪拌する作業を行っているため、作業工程および装置が複雑になるという課題があった。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決し、試料の採取と攪拌の作業を同時に行うことのできる作業効率の高い攪拌装置と、それを用いて試料に含有される被検物質を測定する測定装置とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明の攪拌装置は、被検物質を含む試料を保持するための試料保持部、前記試料保持部と連通する試料採取孔、前記試料保持部及び前記試料採取孔と連通する排気孔、並びに前記被検物質と反応する試薬を担持する試薬担持部を有する測定セルが取付けられる測定セル取付部と、前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルを回転させる測定セル回転部と、前記測定セル回転部による前記測定セルの回転と連動して、前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルの前記試料採取孔を通して前記試料保持部内に前記試料を採取するために、前記排気孔を通して前記試料保持部内の空気を吸引する吸引部とを備える。
【0010】
また、本発明の測定装置は、上記攪拌装置と、前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルの前記試料保持部に保持された前記被検試料に光を照射する光源と、前記被検試料を透過または前記被検試料内において散乱した光を受光する光検知部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明の撹拌装置および測定装置によれば、測定セルを回転しつつ試料を測定セルに採取するので試料の採取と同時に試料と試薬が攪拌されることになり、構造が簡単で作業効率の高い攪拌装置および測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の攪拌装置は、被検物質を含む試料を保持するための試料保持部、前記試料保持部と連通する試料採取孔、前記試料保持部及び前記試料採取孔と連通する排気孔、並びに前記被検物質と反応する試薬を担持する試薬担持部を有する測定セルが取付けられる測定セル取付部と、前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルを回転させる測定セル回転部と、前記測定セル回転部による前記測定セルの回転と連動して、前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルの前記試料採取孔を通して前記試料保持部内に前記試料を採取するために、前記排気孔を通して前記試料保持部内の空気を吸引する吸引部とを備える。
【0013】
このような構成によれば、測定セルを回転しつつ試料が測定セルに採取されるので、試料を採取すると同時に試料と試薬とを攪拌することができるため、構造が簡単で作業効率の高い攪拌装置を提供することができる。
【0014】
さらに、前記測定セル回転部が、前記測定セル取付部を含み回転自在に軸支されたシリンダ、及び前記シリンダと係合して前記シリンダを回転させるモータを有し、前記吸引部が、前記シリンダの回転中心に配置して前記シリンダと同期して回転をするとともに前記回転により軸方向に直線移動するシャフト、及び前記シャフトに連結し前記シリンダ内を摺動して前記排気孔から前記試料保持部内の前記空気を吸引するプランジャを有しても良い。
【0015】
このような構成によれば、簡単な構成で、試料の採取を確実に行うと同時に試料と試薬との攪拌を確実に行うことができる。
【0016】
さらに、測定セルの試料保持部が角柱状の容器であっても良い。このような構成によれば、測定セルが回転する際に試料の攪拌が促進されて試料と試薬との混合が促進される。
【0017】
また、本発明の測定装置は、上記攪拌装置と、前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルの前記試料保持部に保持された前記被検試料に光を照射する光源と、前記被検試料を透過または前記被検試料内において散乱した光を受光する光検知部とを備える。
【0018】
このような構成によれば、試料の採取と同時に試料と試薬が攪拌されるので、これを光源及び光検知部により測定することにより、構造が簡単で作業効率の高い測定装置を提供することができる。
【0019】
本発明の測定装置は、光検知部により検知された光の強度に基づき、試料中に含まれる被検物質の濃度を得る演算部をさらに備えていても良い。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における攪拌装置100の断面図、図2は図1におけるA−A線断面図である。図1、図2において、測定セル300は、コップ401などに採取された尿や血液などの液体の試料400を採取するための試料採取孔301と、採取された試料400を保持する試料保持部302と、試料保持部302内の空気を排出するための排気孔303と、試料中に含まれる被検物質と反応する試薬を担持する試薬担持部304とを備えている。試料保持部302は角柱状の容器をなすように形成されている。
【0022】
試薬担持部304に担持する試薬としては、試料400中の被検物質と特異的に反応する物質で、例えば、酵素、抗体、ホルモンレセプター、化学発光試薬、DNA等を用いる。特に抗体は、公知の方法により産生することができるので、試薬を作製しやすいという点で有利である。例えば、アルブミンなどの尿中に含まれる蛋白やhCG、LHなどの尿中に含まれるホルモンを抗原として、マウス・ウサギ等に免疫することにより、抗原に対する抗体を容易に得ることができる。試薬担持部304はガラス繊維や濾紙等からなる多孔性の担体で、試薬の溶液を含浸させた後、乾燥させることにより試薬を担持させることができる。試薬を保持する方法としては、他に、試料保持部302の壁面に、試薬の溶液を直接塗布した後乾燥することになどにより試薬を配置してもよい。この場合は試料保持部302が試薬担持部を兼用することになる。
【0023】
測定セル300は着脱自在に測定セル取付部101に保持される。測定セル取付部101はシリンダ102の端部に設けられ、測定セル300はその外周部がシリンダ102と嵌合して保持されている。測定セル取付部101からシリンダ102の内部へは連通孔103が形成されている。測定セル300の排気孔303と連通孔103とが連通している。測定セル300と測定セル取付部101の接続部は気密を保つようにパッキン104が設けられている。シリンダ102は軸受105、106により筐体109に固定された軸受保持板107、108に回転自在に軸支されている。シリンダ102の他端には歯車110が固着されている。歯車110は、モータ111に固着された駆動歯車112と噛み合いモータ111の駆動により回転し、これによりシリンダ102が回転する。
【0024】
シリンダ102の回転中心には角柱状のシャフト113が嵌通されている。シャフト113は図2に示すように角柱状なので軸方向には摺動自在であるが軸まわりの回転はシリンダ102により規制されている。すなわちシリンダ102の回転と同期してシャフト113も回転する。なお、本発明の実施の形態ではシャフト113は角柱状の形状のものを用いたが、キーとキー溝を組み合わせた構造やスプラインシャフトなど、回転を規制するとともに軸方向に自由にスライドする構造が用いられていればどのような形状のシャフトでもよい。
【0025】
シャフト113の端部には雄ネジ114が形成され、筐体109に固定された雌ネジ115と噛み合っている。シャフト113の他端にはプランジャ116が連結され、シャフト113に連結されたプランジャ116がシリンダ102内を摺動することによって、プランジャ116内を負圧として連通孔103から空気を吸引する。測定制御部500はモータ111の回転を制御するものである。
【0026】
次に動作について説明する。電源スイッチ(図示せず)を入れると図1に示すようにプランジャ116が最下端まで下降して準備態勢に入る。次に、コップ401に入った試料400を測定セル300の試料採取孔301に浸した状態で開始スイッチ117を押す。これによりモータ111およびそれに係合するシリンダ102が回転し、さらにシリンダ102と同期してシャフト113も回転する。このときシャフト113に形成された雄ネジ114は雌ネジ115内を回転するので、シャフト113は矢印B方向の軸方向に直線移動する。これによりシャフト113に連結されたプランジャ116も矢印B方向に移動するので、シリンダ102内は負圧となる。連通孔103を介して連通孔103に接続された測定セル300の排気孔303から、測定セル300内の空気を矢印C方向にシリンダ102内に吸引する。これにより測定セル300の内部は負圧になり、試料採取孔301から試料保持部302に試料400が採取される。
【0027】
ここで注目すべきことは、測定セル300内の試料保持部302に試料採取孔301から試料400を採取している間、測定セル300はシリンダ102とともに回転運動をしていることである。このように、本発明の実施の形態では、試料400の採取と同時に測定セル300を回転させ、試料と試薬担持部304の試薬とが測定セル300内で十分に攪拌されるようにしている。特に試料保持部302が角柱状の容器をなすように形成されている場合には、容器内の角部で流れが乱されて試料の攪拌が促進され、試料と試薬との混合が促進される。すなわちこのようなきわめて簡単な構造で作業効率の高い攪拌装置を実現することができる。
【0028】
試料400の所定の量が測定セル300内に採取された時点で測定制御部500からの指令によりモータ111の動作を停止する。終了スイッチ118は装置を初期の状態に復帰させて装置を停止させるものである。
【0029】
このように、本発明の第1の実施の形態における攪拌装置によれば、測定セルを回転しつつ試料を測定セルに採取するので試料を採取すると同時に試料と試薬を攪拌することができ、構造が簡単で作業効率の高い攪拌装置を提供することができる。
【0030】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における測定装置200の断面図である。図3に示す測定装置200は図1に示す攪拌装置100において、測定セル300として少なくとも一部に透明部材を設けている。さらに、測定セル300内に供給された試料400に照射する光を出射する光源201aと、試料400を透過または試料400中で散乱した光を受光する光検知器201bとからなる光学測定部201を、測定セル300の透明部を挟むように筐体109に設け、光検知器201bにより検出された光の強度を、メモリ内に蓄えられている、被検物質の濃度と光強度との関係を示す検量線データと比較して、試料中に含まれる被検物質の濃度に換算する測定制御部500を設けたものである。図3において図1と同じ構成要素については同じ符号を用い説明を省略する。また図3は、第1の実施の形態で示した撹拌装置により測定セル300内に試料を採取し、試薬との攪拌が終了した状態を示している。
【0031】
図3において、測定セル300は、光学的に透明な材料であるポリスチレンで形成されている。ポリスチレンの他に石英、ガラス、ポリエチレン、ポリメタクリル酸メチル等の透明な材料を用いてもよいが、測定セル300を使い捨てにする場合には、コストの観点からポリスチレンが好ましい。測定セル300の試料保持部302を挟むように、光源201aとこれから出射された光を受光する光検知器201bとからなる光学測定部201が筐体109に配置されている。
【0032】
なお、本発明の第2の実施の形態においては、測定セル300全体を透明な材料であるポリスチレンで形成したが、試料保持部302のうち、光源201aに対向する部分及び光検知器201bに対向する部分のみに透明部材を用いてもよい。光源201aとしては、650nmの波長の光を出射する半導体レーザを用いている。これに代えて同様の波長を有するLEDを用いてもよい。なお、本発明の実施の形態においては免疫比濁法による測定を適用して650nmの照射および受光波長を選択したが、測定法や測定対象に応じて適宜適切な波長を選択してもよい。
【0033】
光源201aから出射された光は透明な試料保持部302を透過して、試薬と攪拌された試料に照射される。試料を透過または試料中で散乱した光は光検知器201bで受光される。開始スイッチ117はモータ111と光源201a、光検知器201b、これらを制御してデータを測定する測定制御部500を作動させるものである。表示器503は得られた測定データを表示するものである。終了スイッチ118は装置を初期の状態に復帰させて装置を停止させるものである。
【0034】
図4は、測定装置200の内部に設けられた測定制御部500のブロック図である。装置の入出力信号はCPU501によって制御される。コップ401に入った試料400を測定セル300の試料採取孔301に浸した状態で開始スイッチ117を押すと、CPU501の命令によりモータ111が所定回数だけ回転し所定量の試料400が測定セル300内に取り込まれる。その後、試料400と試薬の反応時間を待って、光源201a、光検知器201bが作動し、光検知器201bで受光された光の強度による信号はCPU501に取込まれ、メモリ502に蓄えられている、被検物質の濃度と光強度との関係を示す検量線データを参照することにより試料中に含まれる被検物質の濃度に換算され、表示器503に表示される。また測定結果は必要に応じて半導体メモリなどの外部記憶媒体504に保存される。ここで、CPU501は本発明における演算部に相当する。
【0035】
次に、試料として尿を用い尿中に含まれるヒトアルブミンの量を測定する方法について、本発明の実施の形態における測定装置200を用いて説明する。図3に示すように、乾燥された抗ヒトアルブミン抗体が担持された試薬担持部304を測定セル300内に保持する。この測定セル300を、測定セル300の排気孔303とシリンダ102の連通孔103とが連通するように測定セル取付部101に取り付ける。測定セル300と測定セル取付部101の接合部にはパッキン104が設けられているので気密が保たれる。測定セル300の下部はコップ401に入れた試料400である尿が浸されている。またプランジャ116は電源を入れた時にシリンダ102内の最下位に位置するように設定されている。
【0036】
この状態で、開始スイッチ117を押すとモータ111が作動し、それに係合する駆動歯車112、歯車111が回転する。これによりシリンダ102が回転し、その端部の測定セル取付部101に保持された測定セル300も回転する。同時にシリンダ102の回転により雄ネジ114が雌ネジ115内を回転することにより雄ネジ114が上昇し、それに連結したシャフト113、プランジャ116も上昇する。プランジャ116の上昇によりシリンダ102内は負圧となり、連通孔103を介して連通孔103に接続された測定セル300の排気孔303から、測定セル300内の空気をシリンダ102内に吸引する。このことにより測定セル300の内部は負圧になり、試料採取孔301から試料400が試料保持部302に採取される。測定セル300内に試料採取孔301から試料を採取している間、測定セル300はシリンダ102とともに回転運動をしているので試料と試薬担持部304の試薬とが測定セル300内で十分に攪拌される。
【0037】
図3に示すように、測定制御部500により試料400の所定の量が測定セル300内に採取された時点でモータ111の動作を停止する。試料保持部302内に保持された試料400である尿は、試薬担持部304に担持された乾燥状態の試薬である抗ヒトアルブミン抗体を溶解し、尿中の抗原であるヒトアルブミンと抗ヒトアルブミン抗体との免疫反応が進行する。次に、試料保持部302内への試料の供給完了から所定時間(例えば、2分)経過したことをCPU501が判断すると、CPU501は光源201aによる光照射を実行する。光源201aから出射したレーザ光は、透明材料であるポリスチレンから形成された測定セル300の壁を通過して試料保持部302内の尿に照射され、尿中で散乱された光は光検知器201bにより受光される。
【0038】
CPU501はメモリ502に格納されている出射光強度とヒトアルブミン濃度との関係を表す検量線を読み出し、それを比較することによりCPU501が光検知器201bで受光した出射光強度をヒトアルブミン濃度に換算する。得られたヒトアルブミン濃度は表示器503に表示される。表示器503にヒトアルブミン濃度が表示されることにより、ユーザはヒトアルブミン濃度測定が完了したことがわかる。この時点で終了スイッチ118を押すと、モータ111は逆回転してプランジャ116を押し下げ、測定セル300の試料採取孔301から試料400を外部のコップ401などに排出した後、モータ111が停止して測定作業を終了する。最後に、測定セル300、試料400、コップ401を廃棄することができる。
【0039】
なお、測定データは必要に応じて外部記憶媒体504に保存される。外部記憶媒体504に取り込まれたデータは病院内の分析関連部門または分析関連業者等によってさらに詳しく分析することができる。試料としては、尿の他に血清、血漿、血液等の体液および培地の上清液等の液体試料が挙げられるが、特に試料が尿の場合は非侵襲的に在宅での日常の健康管理を行うことができる。尿中の被検物質としては、アルブミン、hCG、LH、CRP、IgG等が挙げられる。
【0040】
以上述べたように、本発明の撹拌装置および測定装置によれば、測定セルを回転しつつ試料を測定セルに採取するので試料の採取と同時に試料と試薬が攪拌されることになり、構造が簡単で作業効率の高い攪拌装置および測定装置を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明の撹拌装置および測定装置によれば、試料の採取と同時に試料と試薬を攪拌することができ、構造が簡単で作業効率の高い攪拌装置および測定装置を実現できるので、試料と試薬を攪拌した後、試料の測定を行う装置等に広く有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施の形態における攪拌装置の構成を示す断面図
【図2】図1におけるA−A線断面図
【図3】本発明の第2の実施の形態における測定装置の構成を示す断面図
【図4】同測定装置における測定制御部のブロック図
【符号の説明】
【0043】
100 攪拌装置
101 測定セル取付部
102 シリンダ
103 連通孔
104 パッキン
105,106 軸受
107,108 軸受保持板
109 筐体
110 歯車
111 モータ
112 駆動歯車
113 シャフト
114 雄ネジ
115 雌ネジ
116 プランジャ
117 開始スイッチ
118 終了スイッチ
200 測定装置
201 光学測定部
201a 光源
201b 光検知器
300 測定セル
301 試料採取孔
302 試料保持部
303 排気孔
304 試薬担持部
400 試料
401 コップ
500 測定制御部
501 CPU
502 メモリ
503 表示器
504 外部記憶媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検物質を含む試料を保持するための試料保持部、前記試料保持部と連通する試料採取孔、前記試料保持部及び前記試料採取孔と連通する排気孔、並びに前記被検物質と反応する試薬を担持する試薬担持部を有する測定セルが取付けられる測定セル取付部と、
前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルを回転させる測定セル回転部と、
前記測定セル回転部による前記測定セルの回転と連動して、前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルの前記試料採取孔を通して前記試料保持部内に前記試料を採取するために、前記排気孔を通して前記試料保持部内の空気を吸引する吸引部とを備える撹拌装置。
【請求項2】
前記測定セル回転部が、
前記測定セル取付部を含み回転自在に軸支されたシリンダ、及び
前記シリンダと係合して前記シリンダを回転させるモータを有し、
前記吸引部が、
前記シリンダの回転中心に配置して前記シリンダと同期して回転をするとともに前記回転により軸方向に直線移動するシャフト、及び
前記シャフトに連結し前記シリンダ内を摺動して前記排気孔から前記試料保持部内の前記空気を吸引するプランジャを有する、請求項1に記載の撹拌装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の攪拌装置と、
前記測定セル取付部に取付けられた前記測定セルの前記試料保持部に保持された前記被検試料に光を照射する光源と、
前記被検試料を透過または前記被検試料内において散乱した光を受光する光検知部とを備える測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−39546(P2008−39546A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213163(P2006−213163)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】