説明

支払機器を自動的に選択するための移動無線金融機器

この明細書および図面の図は、POS(point-of-sale)支払いシステムを説明し、図示している。このPOS支払いシステムは、少なくとも1つのデータプロセッサを有する移動無線通信機器を含む。該データプロセッサは、移動無線通信ネットワーク上で、また必要であればクレジットネットワーク上で支払い総額を送信するための支払機器を自動的に選択することができる。該POS支払いシステムは、無線通信ネットワークおよび/またはデータ伝送サブシステム上でのデータの受信、記憶、処理および送信のためのデータ伝送サブシステムも含み得る。

【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本出願は、「A MOBILE WIRELESS FINANCIAL INSTRUMENT(移動無線金融機器)(「親出願」)」と題する2007年7月11日に出願された同時係属中の出願第11/776,016号からの一部継続出願である。親出願の明細書は、参照として本文書に組み込まれている。
【技術分野】
【0002】
本文書において説明され図示され請求されている装置、システムおよび方法は一般的には、ユーザが1つ以上の通信ネットワーク上で金融取引を実行することを可能にすることのできる移動無線通信機器に関する。より具体的には、この移動無線通信機器は、支払いをユーザの1つ以上の支払機器に課金することによって消費者がクレジットネットワーク上で支払いを実行することを可能にできる。この移動無線通信機器はまた、広範囲の顧客金融データ、個人情報、ビジネス情報および他の情報を無線通信システム上で収集、記憶および送信することができる。
【0003】
親出願で開示およびクレームされている装置および方法は、幅広い種々のアプリケーションおよび状況において有用であることが証明されている。本文書において開示および図示およびクレームされている更なる最適化は、支払いを行うユーザの希望の状況に基づいて支払機器を選択する移動無線金融機器のユーザによるプログラム可能な好みの選択に応じた1つ以上の支払い決定アルゴリズムを移動無線通信機器に含ませることによって支払機器を実質的に自動的に選択する移動無線金融機器を提供する。
【背景技術】
【0004】
クレジット(credit)カード、デビット(debit)カードおよび同様な支払機器の使用は、商品およびサービスの大抵の消費者購入のための一般的に好適な手段となっている。金融機関クレジットネットワーク上で消費者購入を実行するための現在の構図は、購入に関連した単一の支払機器の使用に限定されている。現在では消費者は、消費者の所有物内に磁気ストリップを有する、あるいは事実上非接触式であるクレジットカードまたはデビットカードといったプラスチックの支払機器を持たなくてはならない。販売時点(point-of-sale)に、消費者が支払い機器をPOS(point-of-sale)デバイスにうまく通すことを必要とするクレジットカード読取装置または端末または同様のPOS支払いデバイスが用意されている。反復使用のために時間と共に支払機器上の磁気ストリップは劣化し、磁気ストリップに埋め込まれたデータはPOSデバイスによる種々の原因のために読取り不能になる可能性がある。消費者は支払機器の正真正銘の所有者であり得るが、磁気ストリップの劣化は支払い拒否を引き起こす可能性がある。消費者の認証または検証は、支払機器の磁気ストリップに埋め込まれたデータおよび情報に限定され、この支払機器を所有する人は誰でも購入を行うことが可能である。個人識別番号の使用は、顧客識別または顧客検証のいずれの問題も解決しない。顧客認証は、紛失したまたは盗まれた支払機器の問題、劣化した支払機器の問題、または支払機器とPOS支払いデバイスと間の機能の損失の問題を克服できない。
【0005】
したがって、支払機器というプラスチック製作物を所有する必要なしに、消費者または顧客が少なくとも1つの支払機器から、ならびに1つより多い支払機器から選択的に支払いを指示することを可能にするセキュアなPOS支払いシステムが、世界的な必要とされている。また種々の金利、予め支払機器にチャージされた金額、支払いが行われる場所(例えば顧客は米国における取引のために米国の支払機器を持ち得るが、例えばスペインへの頻繁な旅行のためにスペインの支払機器を持つ可能性がある)といった論理基準に基づいて種々の支払機器から顧客が支払いを行うことを可能にしながら、支払機器の紛失、詐欺および支払い拒否から生じる問題を軽減するために、このようなシステムの必要性も存在する。
【0006】
世界中の顧客に共通に所有されている携帯型または移動型無線通信機器の使用によって、1つ以上の支払機器から顧客が選択的に支払いを指示することを可能にするシステムに対し、世界的な要求もある。このような携帯型または移動型無線通信機器の少なくとも1つの例は携帯電話であるが、携帯電話以外の、コンピュータおよび/またはデータ処理システムが動作可能に接続され得る如何なる無線通信機器も使用可能である。
【0007】
更に、世界中の人々の移動性と、ビジネスおよび/または娯楽のための広範囲の国内旅行および国際旅行が増加したことが一部の原因で、無線通信システム上で改定、更新および提供され得る広範囲の顧客金融データ、個人情報およびビジネス情報を収集、記憶、受信および送信できる移動無線金融デバイスへの必要性も存在する。
【0008】
現在、周知のクレジット/デビットカード・ベースのクレジットシステムは、決してペーパーレスではない。顧客不在(「CNP」)電子電話承認の出現にもかかわらず、顧客の圧倒的多数は、単一のクレジットカードまたはデビットカードを使用し、取引の領収書または類似の紙の確認書にサインすることによって、クレジットネットワーク上で金融取引を実行し、あるいは、おそらく単に1つの支払機器に対して課金され得る支払い金額を示すタッチスクリーンを介して取引を実行している。取引の紙の確認書は、収集されて照合されなくてはならない。本文書において開示され図示されクレームされている装置、システムおよび方法は、紙の領収書をなくし、クレジットネットワーク上での即座の支払い取引の可能性を提供する。
【発明の概要】
【0009】
本文書において開示される装置、システムおよび方法は、移動無線通信機器を提供することによって前述の必要性に対処している。コンピュータまたはデータプロセッサが、該移動無線通信機器に動作可能に接続される。一態様では、データ処理システムは、移動無線通信機器を使用して金融取引を選択的に確実に実行するためのデータ処理システムによって実行可能な、ユーザプログラム可能な複数の命令セットを含む。別の態様ではこのデータ処理システムは、クレジットネットワーク上で金融取引を確実に受信、送信および実行することができる。別の態様では、該データ処理システムは、クレジットネットワーク上で、1つの支払機器に関連してだけではなく複数の支払機器に関連して、プログラム可能な支払機器を送信および受信することができる。移動無線金融デバイスはまた、移動無線金融デバイスのユーザが無線通信システム上で幅広い種々の金融データを受信および送信することを可能にできる。
【0010】
本文書において開示され図示されクレームされている更なる最適化は、支払いを実行するユーザの希望の状況に基づいて支払機器を選択するための移動無線金融機器のユーザによるプログラム可能なプリファレンス(嗜好preference)に応じている1つ以上の支払い決定アルゴリズムを移動無線通信機器に含ませることによって支払機器を実質的に自動的に選択するための移動無線金融機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】移動無線通信機器を使用するPOSデバイスを示す概略ブロック図。
【図2】移動無線通信機器に関連するコンピュータのデータ処理システムのある1つのバージョンを示す概略ブロック図。
【図3】移動無線通信機器を使用する金融データ装置を示す概略ブロック図。
【図4】移動無線通信システム上で支払い総額を支払うシステムのブロックおよび概略図。
【図5】支払機器を選択するためのルールエンジンの一般的使用を示すフローチャート。
【図6】支払機器を選択するための位置決定システムの使用の一態様を示すフローチャート。
【図7】支払機器を選択するための位置決定システムの使用の別の態様を示すフローチャート。
【図8】支払機器を選択するための日時の使用の一態様を示すフローチャート。
【図9】支払機器を選択するための金融パラメータの使用の一態様を示すフローチャート。
【図10】支払機器を選択するための生体認証データの使用の一態様を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
定義
本文書で使用される用語「移動無線通信機器(wireless communication instrument)」、「携帯型無線通信機器(portable wireless communication instrument)」および「移動無線金融機器(mobile wireless financial instrument)」は、少なくとも1つの無線通信機器を意味し、例えば、これに限定するものではないが、一般に赤外線信号および無線信号を使用してケーブルなしで無線通信システム上で少なくとも電磁信号を受信および送信するように動作可能に接続された通信デバイスのアレイを含み、またある形の有線よりむしろ電磁波が通信パスの全部または一部の上で信号を搬送する電気通信システムを含む無線通信システムにおいて使用される携帯電話などを意味する。この移動無線通信機器はまた、全地球測位システム(GPS)、Galileo(ガリレオ)、GLONASS、NAVSTAR、GNSS、これらのシステムの組合せからの衛星を使用するシステム、または引き続いて開発される任意の衛星測位システム(本文書では一般にまとめて衛星測位システム(SPS)と呼ばれる)のうちの一部である衛星群を含む複数の衛星からの信号を受信および送信することもできる。本文書で使用されるようにSPSはまたスードライト(擬似衛星:pseudo-satellite)システムを含む。
【0013】
用語「移動無線通信」と組み合わされた用語「機器(instrument)」は、少なくとも携帯電話およびページャ、衛星電話、双方向ページャ、無線機能を有するパーソナルディジタルアシスタント(「PDA」)、無線機能を有する携帯型コンピュータ、家庭用エンターテインメントシステム制御ボックス、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)、および特に時分割多元接続(「TCMA」)、符号分割多元接続(「CDMA」)移動体用グローバルシステム(「GSM」)、非音声通信装置、およびテキスト伝送装置を含む個人通信サービスデバイス(「PCS」)の1つ以上のバージョンでもあり得る伝送機能を有する他の任意のタイプの無線デバイスを意味し、これらを含む。
【0014】
用語「POS(point-of-sale)デバイス」は少なくとも、ピアツーピア近距離通信デバイス、および特にISO14443準拠の非接触式カード、およびISO18092準拠のFeliCaカードを含む端末またはその他のデバイスを意味する。したがってPOSデバイスは特に、クレジットカードおよびでビットカードリーダ(タッチスクリーンを含み得る)ばかりでなく、自動的および自動化されたテラーマシーン(「ATM」)も含む。
【0015】
用語「クレジットネットワーク」は、金融機関、商人および公衆ユーザが接続可能である国内および/または全世界システムを意味する。クレジットネットワークは、主として支払機器による使用のために設計された。支払機器は、公衆ユーザまたは顧客が顧客の認証と金融機関による取引の承認とに続いて実質的にリアルタイムに商品またはサービスを購入するために例えばクレジットカードまたはデビットカードを使用することを可能にする。ユーザまたは顧客(本文書における「ユーザ」または「顧客」)には、予め確定された限度までクレジットを受け入れる商人からユーザが購入を行うことができる銀行といった金融機関であることが多いクレジットプロバイダによって預金口座が承認された後にクレジットカードまたはデビットカードといった支払機器が発行される。更にクレジットネットワークにはしばしば「カードアソシエーション」が含まれており、このカードアソシエーションは特に、取引を承認して資金供給するための、金融機関とクレジット/デビットカードをカード保持者に発行した発行者との間のゲートウェイとして機能するVISA(登録商標)およびMasterCard(登録商標)を含む。
【0016】
ほとんど常にカードアソシエーションを通したクレジットネットワーク上の種々のパーティ間の情報と通貨の流れは、「交換」として知られている。交換は、多数のステップを含む。第1のステップはカード保持者が購入のために支払いをする際の承認であり、商人はカード番号と取引金額の両者が有効であることをほとんど即座に検証し、それからカード保持者に関する取引を処理する金融機関に取引を提示する。別のステップは、「バッチング(batching)」を含むが、これは取引が承認され、それから後の支払いのために商人が金融機関に送信するバッチに記憶されるステップである。別のステップは清算および決済を含み、これは、支払いについて発行者から引き落とし金融機関に貸すカードアソシエーションを通して、金融機関がバッチ内の取引を送信するときである。最後に資金供給のステップが存在する。いったん金融機関に支払われると、商人は支払いを受け取る。
【0017】
用語「金融データ」および「金融情報」は、通貨問題とマーケットとに関する少なくとも何らかの、およびすべての経済データを意味する。金融データは個人的および/または商業的であり得る。金融データおよび情報は、通貨の管理、銀行取引、クレジット、投資および資産に関連している。
【0018】
用語「金融取引」は少なくとも、一般に契約、協定、売買契約および支払機器を使用する同様の取引に基づく商品、サービスまたは資金の交換または振替において使用される金融データおよび金融情報の使用を意味する。
【0019】
用語「支払機器」は少なくとも、クレジットカード、デビットカード、非接触式カード、デビットライン、デビットクーポン、および現金同等物を意味する。したがって用語「支払機器」はまた、物理的クレジット機器に加えて、またはこれとは別に移動無線通信機器に記憶され得る物理的クレジット機器に関連する金融データおよび情報も含む。したがって支払機器は、通常のクレジットカードだけでなく、デビットカード、クーポン、ロイヤルティカード、蓄積値、およびユーザにとって利用可能な現金同等物の範囲の任意のものを含む。
【0020】
用語「支払い総額」は、移動無線通信機器のユーザによって本文書に従って選択された、POSデバイス上で実行された取引に関連する1つ以上の支払いに関して引き落としされる1つ以上の支払機器から引き落としされる現金または現金同等物の金額を意味する。
【0021】
用語「状況(context)」は、本文書で定義されたように、支払い総額の支払いを必要とする特定の取引に関連して1つ以上の支払機器から引き落とすためにユーザが選択した1セットの環境および状態を意味する。この1セットの環境および状態、支払機器、および支払い総額の支払いを必要とする取引の性質は、ユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じる1つ以上の支払い決定アルゴリズムに含まれる。
【0022】
用語「金融データを記憶、受信および送信するための1つ以上(1つまたは複数)のデータベース」は、少なくとも、コンピュータに動作可能に接続された移動無線通信機器を意味する。
【0023】
用語「ユーザ」は、移動無線通信機器を使用することと、1つ以上の支払機器に関連して支払いを行い完了するためにクレジットネットワーク、または金融データを記憶、受信および送信するための1つ以上のデータベースのいずれかにアクセスすることと、が許可された1個人または複数の個人を意味する。
【0024】
用語「位置(location)」と「位置(position)」および「位置決定(position determination)」は、例えば、移動無線通信機器およびベンダのPOSデバイスを含むオブジェクトの物理的および地理的位置を意味しまたこれを指し、これは、移動無線通信システムによって受信、記憶、処理および送信され得る位置および位置パラメータを決定するための技法、技術またはシステム、または既知のあるいは未知の任意の技法、技術またはシステムの任意の組合せによって決定されるしたがって本文書の移動無線通信機器に接続して使用される位置決定システムは、以下に論じられるような地上システムまたはSPSシステムのいずれか、あるいは両者の組合せであり得る。
【0025】
本文書で説明される方法および装置は、米国の全地球測位システム(「GPS」)、ロシアのグロナスシステム、ヨーロッパのガリレオシステム、衛星システムの組合せからなる衛星を使用する任意のシステム、あるいは将来開発される任意の衛星システム、といった種々の衛星測位システム(「SPS」)によって使用され得る。更に、開示される方法および装置は、擬似衛星、または衛星と擬似衛星との組合せを利用する位置決定システムによって使用され得る。擬似衛星は、GPS時間と同期されるLバンド(または他の周波数)の搬送信号上に変調されるPNコードまたは他のレンジングコード(ranging code)(GPSまたはCDMAセルラー信号に類似した)をブロードキャストする地上送信機である。このような送信機各々は、遠隔の受信機による識別を可能にするようにユニークなPNコードを割り当てられる。擬似衛星は、トンネル、採掘坑、ビルディング、ビルの谷間または他の閉鎖領域といった、軌道に乗っている衛星からのGPS信号が利用できない状況において有用である。擬似衛星の別の実現形態は、ラジオビーコン(radio-beacon)として知られている。ここで使用される用語「衛星」は、擬似衛星、擬似衛星の同等物および恐らくは他のものを含むように意図されている。ここで使用される用語「SPS信号」は擬似衛星または擬似衛星同等物からのSPSのような信号を含むように意図されている。
【0026】
現在、SPSシステムといった種々の無線通信ネットワークのために使用されるこのような技法および装置は、無線ワイドエリアネットワーク(WWAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線パーソナルエリアネットワーク(WPAN)などを含む。用語「ネットワーク」および「システム」は、しばしば互いに交換可能に使用される。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、単一搬送波周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)ネットワークなどであり得る。CDMAネットワークは、cdma2000、広帯域CDMA(W−CDMA)などといった1つ以上の無線アクセス技術(RAT)を実現できる。Cdma2000はIS−95、IS−2000およびIS−856規格を含む。TDMAネットワークは、移動体通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ディジタルアドバンスド移動電話システム(D−AMPS:Digital Advanced Mobile Phone System)または何か他のRATを実現し得る。GSMおよびW−CDMAは、「第3世代パートナーシッププロジェクト」(3GPP)と名付けられたコンソーシアムからの文書に説明されている。Cdma2000は、「第3世代パートナーシッププロジェクト2」(3GPP2)と名付けられたコンソーシアムからの文書に説明されている。3GPPおよび3GPP2文書は、公的に入手可能である。WLANはIEEE802.11xネットワークでもよく、WPANはブルートゥース(Bluetooth(登録商標))ネットワーク、IEEE802.15x、または何か他のタイプのネットワークでもよい。これらの技法は、WWAN、WLANおよび/またはWPANの任意の組合せについても使用され得る。
【0027】
用語「無線通信ネットワーク」は、1つ以上の移動無線通信機器と通信するように適応した無線通信システムを意味し、QUALCOMM(登録商標)QSHOP(商標)システムばかりでなく、移動無線通信機器、商店におけるPOSデバイスに地理的位置データを関連付けることと、SPS位置決定技術を使用して商品および/またはサービスの販売および購入を含む商業取引に関する支払い総額をこのような地理的位置の間で送信することと、ができる任意の通信システムも含む。
【0028】
用語「支払い総額」は、ユーザがベンダの製品またはサービスに対し支払いたいベンダ受け入れ可能な任意の通貨での購入合計量または金額を意味するだけでなく、支払い総額に関連する任意およびすべての支払命令も意味する。
【0029】
用語「データ伝送サブシステム」は、これに限定するものではないが、QFLOW(商標)を含むQUALCOMM移動取引プラットホーム(QUALCOMM Mobile Commerce Platform)を含む無線通信ネットワークのバックオフィスサブシステムを意味する。
【0030】
用語「生体認証データ」は、これに限定するものではないが、虹彩認識データ、指紋および同様の生物学的情報および/または特徴を含む人の生体工学的および/または生体測定的特徴を意味する。
【0031】
単語「例示的(exemplary)」は、「1つの例(example, Instance, illustration)として役立つこと」を意味するために、ここで使用されている。本文書において「例示的」として説明される何らかの態様は必ずしも、他の態様より好適あるいは有利であると解釈されるべきではない。
【0032】
説明
本文書において開示される装置、システムおよび方法は、移動無線通信機器を提供することによって前述の必要性に対処している。この移動無線通信機器にはデータプロセッサまたはデータ処理システムが動作可能に接続される。一態様ではデータ処理システムは、移動無線通信機器を使用して金融取引を選択的に行うためのデータ処理システムによって実行可能なユーザプログラム可能な複数の命令セットを含む。別の態様ではデータ処理システムは、クレジットネットワーク上で幅広い種々の金融取引を確実に受信、記憶、送信および実行することができる。別の態様ではデータ処理システムは、1つの支払機器に関連してばかりでなく、複数の支払機器に関連してプログラム可能な支払命令を受信、記憶および送信することができる。
【0033】
より具体的には、本文書において開示され図示されクレームされている装置、システムおよび方法の少なくとも1つの態様において、概略図的、図式的に図1に示されているように携帯型または移動型の無線通信機器12を含むPOS支払いシステム10が提供される。この移動無線通信機器12は、特に携帯電話と、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)および移動体用グローバルシステム(GSM)を含む個人通信サービス(PCS)を備える通信装置と、非音声通信装置と、テキスト伝送装置と、衛星電話と、双方向ページャと、PDAと、携帯型無線コンピュータと、金融データ取引を実行するように特に設計された無線機器と、を含む移動無線通信機器のグループから選択される。
【0034】
また図1に示されているように、このPOS支払いシステムはコンピュータ14を含む。図示のようにコンピュータ14は、携帯型または移動型の無線通信機器12に動作可能に接続される。一態様ではコンピュータ14はまた、携帯型無線通信機器12内に収容される。コンピュータ14は、1つ以上の支払機器16a〜nに関連したプログラム可能な支払命令を送信および受信するように適応している。動作時に、図1に示されたように1つ以上の支払機器16a〜n内および上に電子的にあるいは埋め込まれた任意およびすべてのデータ、ならびに顧客、金融機関および/またはカードアソシエーションに関連付けられた他の任意のデータは、本文書で更に説明されるような使用のために移動無線通信機器12のコンピュータ14に記憶される。
【0035】
移動無線通信機器12のコンピュータは、図2のブロック図において非排他的例に示されたデータ処理システム100を含む。図示のようにデータ処理システム100は、移動無線通信機器12がPOSデバイス18との間でデータおよび情報を送信および受信することを可能にする種々のコンポーネントを含み、コンピュータプロセッサ102とメモリ104とを含み、コンピュータプロセッサとメモリはバス106によって接続されている。メモリ104は、比較的高速の機械可読媒体であって、DRAMおよびSRAMといった揮発性メモリ、ならびにROM、FLASH、EPROM、EEPROMおよびバブルメモリといった不揮発性メモリを含む。またバス106には、オプションの二次記憶装置108と、外部記憶装置110と、移動無線通信システム12に搭載され得るモニタ112といった外部デバイスと、オプション構成において、マウス116を有するキーボード114といった入力デバイスと、恐らくはプリンタ118とも接続可能である。二次憶装置108は、ハード・ディスク・ドライブ、磁気ドラムおよびバブルメモリといった機械可読媒体を含む。外部記憶装置110は、フロッピー(登録商標)ディスク、着脱可能ハードドライブ、磁気テープ、CS−ROM、およびおそらく通信ライン120を介して接続される他のコンピュータ、といった機械可読媒体を含む。二次記憶装置108と外部記憶装置110との区別は、主として本発明を説明する際の便宜のためである。当業者は、そのようなものとしてこれらのコンポーネントの間に実質的な機能的オーバーラップが存在することを認めるであろう。コンピュータソフトウエアおよびユーザプログラムは、メモリ104、二次記憶装置108および外部記憶装置110といったソフトウエア記憶媒体に記憶される。コンピュータソフトウエアの実行可能バージョンは、不揮発性メモリといった記憶媒体から読み取られ、実行のために直接揮発性メモリにロードされ、不揮発性メモリから直接実行され、あるいは実行のために揮発性メモリにロードするに先立って二次記憶装置108に記憶される。
【0036】
更に当業者には、本文書において開示される本発明の態様に関連して説明される種々の例示的論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップが電子ハードウエア、コンピュータソフトウエアまたは両者の組合せとして実現され得ることはいうまでもない。ハードウエアおよびソフトウエアのこの相互交換可能性を明確に説明するために、種々の例示的非排他的コンポーネント、ブロック、モジュール、回路およびステップは、一般にそれらの機能の観点から本文書において説明されている。このような機能がハードウエアまたはソフトウエアとして実現されるかどうかは、特定のアプリケーションとシステム全体に課せられた設計制約とに依存する。熟練した技能者は各特定のアプリケーションのために種々の仕方で説明された機能を実現し得るが、このような実現の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすものと解釈されるべきではない。
【0037】
本文書において開示される態様に関連して説明される種々の例示的論理ブロック、モジュールおよび回路は、汎用コンピュータ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または他のプログラム可能論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウエアコンポーネント、あるいはここで説明された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組合せによって実現または実行され得る。汎用コンピュータはマイクロプロセッサであり得るが、代替としてプロセッサは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、非排他的例におけるDSPおよびマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連結した1つ以上のマイクロプロセッサ、または他のこのような任意の構成、といったコンピューティングデバイスの組合せとしても実現され得る。
【0038】
無線通信機器12のコンピュータ14はある程度、近距離通信システムまたは同様の技術の使用によってPOSデバイス18と通信できる。動作時にユーザは無線通信機器12をPOSデバイス18に隣接させ、信号と情報とを送信するためにキーまたはその他の手段を使用して、支払機器16a〜nに関連した命令をPOSデバイス18に1つ以上の近距離通信システムを使用して送信する。
【0039】
いわゆる「近距離通信“near-field communication”」(NFC)システムは知られるようになってきており、NFCシステムのための規格が承認されている。これらの規格によればNFCシステムは、ほんの約10cmの距離に限定されており、13.56MHzの搬送周波数を使用して毎秒424キロビットのビット転送速度を可能にしている。これらの新しいNFC規格をベースとしているRFID(radio frequency identification)システムと同様に、NFCデバイスのために考えられた主要機能は、これらのデバイスがパワーを消費しない受動モードで問合せを行う能力と、予め記憶された一意のコードであって、他の無線通信と干渉せず、そしてこのような問合せが何時行われてもこのような他の無線通信からの干渉を最小にするかまたは回避する仕方で迅速に確実に返される一意のコードを有する能力である。したがってNFCシステムは、スペクトルの無線周波数部分における誘導電磁結合によって情報を送信する。NFC規格はまた、ほとんど瞬時のピアツーピア・ネットワーク・セットアップを可能にするソフトウエアも備える。したがって複数のNFCデバイスは、互いに効果的に探索して、それらの間の通信リンクを確立し、これは、例えばいわゆるブルートゥース可能デバイスとは際立って対照的であり、ブルートゥース可能デバイスは、短距離のピアツーピア通信のためにも意図されているが、主としてNFCシステムでは不必要であるデバイス構成を確立するために、セットアップ手順が複雑で拡張されている。このネットワーキング機能は、RFIDシステムとは際立って対照的であり、RFIDシステムでは、通常、受動チップまたはトランスポンダが約2〜5メートルの距離を有する比較的高価な電力供給されるリーダデバイスによって読み取られるマスター/スレーブ関係にセットアップされる。NFCシステムはまた、一般にアクセスハブを必要とするいわゆるWi―Fiシステムといった他のタイプの周知の無線通信システムとも異なっている。更にNFCデバイスは、デバイスがオフになっていて電力を消費していないときでも識別データが送信され得るように能動モードまたは受動モードのいずれかにセットされ得る。能動モードのときでもNFCデバイスの距離はほとんど電力が消費されないほど小さい。したがってNFCデバイスは、幅広い種々のアプリケーションのために単一チップおよびチップセットに実現されており、本文書で説明されたPOS支払いシステム10に関連した使用のために適している。
【0040】
また図1に示されているようにPOS支払いシステムは、POSデバイス18を含む。POSデバイス18は、要求に応じて携帯型無線通信機器12に動作可能に接続可能である。POSデバイス18は支払いデータを受信して処理するように適応している。より具体的にはPOSデバイス18は、POSデバイス18が動作可能に接続可能であるクレジットネットワーク20上で支払いデータを受信して処理するように適応している。POSデバイス18は特に、ピアツーピア近距離通信デバイス、ISO14443準拠の非接触式カードおよびISO18092準拠のFeliCaカードであり得る。
【0041】
図1に示されたPOS支払いシステム10はまた、図1に図式的に示された少なくとも1つのアルゴリズム22を含む。アルゴリズム22はコンピュータ14に含まれ得る。一態様ではこの少なくとも1つのアルゴリズム22は、1つ以上の支払機器16a〜nからの支払いのためにユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じるように形成される。支払いのためのプログラム可能なプリファレンスは、ある範囲の選択可能なオプションおよび/またはセッティングとして移動無線通信機器12上でユーザに提示されてユーザによって見られ得る。1つの非排他的例として図1に示されているように移動無線通信機器にはモニタ24が搭載されることが可能であり、ユーザは1つ以上のオプションを選択してこの範囲の選択可能なオプションおよび/またはセッティングをスクロールできる。支払いアルゴリズム22はユーザによってプログラム可能であるか、あるいはユーザによってある範囲の選択可能なオプションおよび/またはセッティングから選択され得るので、POS支払いシステム10は1つ以上の支払機器16a〜nから支払いを行うために個人的戦略についてユーザが決定することを可能にする。これら1つ以上の支払機器16a〜nは特に、クレジットカード、デビットカード、非接触式カード、コンピュータにまたはオンラインで記憶された現金同等物、およびクーポンを含み得る1つより多い支払機器16a〜nを用いた任意の組合せまたは順列を含み得る。
【0042】
図1に示されたPOS支払いシステム10はまた、移動無線通信機器12のユーザによって選択されたある範囲の金融データ報告を用意するためにユーザ金融情報およびデータをロード、表示および送信することができる。例えばユーザは、コンピュータ14内に、例えば貸借対照表、損益計算書および同様の報告書といった種々の個人的または業務上の金融報告を記憶できる。このような報告は、ユーザの裁量によってクレジットネットワーク上で、他のデータベースおよび端末に送信され得る。
【0043】
本文書において開示され図示されクレームされている装置、システムおよび方法の別の態様では、図3に示されているように、金融データ装置200が用意される。図示のように金融データ装置200は、移動無線通信機器202を含む。移動無線通信機器202は、本文書で既に説明されたオプションの移動無線通信機器の如何なるものでもあり得る。
【0044】
図2および3の間の相互参照によって示されているように、移動無線通信システム202に動作可能に接続されたコンピュータ204内にはデータ処理システム206がある。データ処理システム206は、図2に示されたデータ処理システム100の機能およびコンポーネントの1つ以上を含む。図2および3の間の相互参照によって示されているようにメモリ104、108および/または110には幅広いアレイの金融データが記憶され得る。
【0045】
移動無線通信機器202を使用して金融データ装置200が金融取引を選択的に行えるようにするために、金融取引を選択的に行うデータ処理システム206によって実行可能なユーザプログラム可能な複数の命令セット208が用意される。このユーザプログラム可能な複数の命令セット208は、任意の数のデータベース212にもリンクされ得る。
【0046】
更に、金融データ装置200は、クレジットネットワーク210上ばかりでなく、相互接続された、また相互接続可能なコンピュータおよびデータベース212の任意のネットワーク上でも、金融取引を確実に受信、送信および実行するために移動無線通信機器202に動作可能に接続可能なハードウエアおよびソフトウエア両者の手段を含む。
【0047】
示されたように、親出願において開示及びクレームされている装置および方法は、幅広い種々のアプリケーションおよび状況において有用であることが分かっている。本文書において開示、図示、及びクレームされている更なる最適化は、移動無線通信機器に、支払いを行うユーザの希望の状況に基づいて支払機器を選択するための移動無線金融機器のユーザによるプログラム可能なプリファレンスに応じている1つ以上の支払い決定アルゴリズムを含ませることによって、支払機器を実質的に自動的に選択するための移動無線金融機器を提供する。
【0048】
支払機器のユーザまたは所有者の1つ以上の支払機器に支払いを課すことによって消費者がクレジットネットワーク上で支払いを実行することを可能にすることに関連する少なくとも1つの問題は、ユーザが金融取引を実行するために移動無線金融機器を使用しようとする一が異なることである。特にこの問題は、ユーザの位置に依存して1つ以上の支払機器に関するユーザのプリファレンスを確定するために支払い決定アルゴリズムと連動して移動無線金融機器の位置決定機能を使用することによって解決される。支払い総額を引き落とすために支払機器を選択することに関連する多数の更なる問題は、POS支払いシステム上で支払い総額を支払うべき1つ以上の支払機器を実質的に自動的に選択するためのデータ処理システム内の1つ以上の決定アルゴリズムに含まれ得るプリファレンスの範囲のなかの1つとして、金融パラメータの使用と日時の使用と生体認証データの使用とを含む。
【0049】
より具体的には図1〜10の間の相互参照によって示されているように、位置決定機能を有する移動無線金融機器として本文書でも説明されている移動無線通信機器が示されている。更に位置決定機能402を有する移動無線金融機器が示されている。位置決定システム402は、SPSシステム404または地上システム406を含み得る。当業者によって認められるように、SPSシステム404および地上システム406は、移動無線通信機器400とPOSデバイス408との間、ならびにクレジットネットワーク410上で位置情報を与えるために、単独で、あるいは互いに組み合わされて機能し得る。
【0050】
図示のようにデータおよび情報の流れは、また、移動無線通信機器400に含まれたある範囲の支払機器416の中から、移動無線通信機器400に配置された1つ以上の支払い決定アルゴリズム418が選択する支払機器416に課金することによって支払い総額を与えるために、無線通信ネットワーク412とデータ伝送サブシステム414との使用によって改善され得る。代替として、または更に、データ伝送サブシステム414には1つ以上の支払い決定アルゴリズム418が配置され得る。図4に示されているように1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nは、単に説明上の助けとして破線で示されている。同様に支払機器416a〜nも単に説明目的でクレジットおよび/またはデビットカードの形で図式的に示されている。本文書に示されているように、また当業者によって認められるように、支払機器416a〜n、用語「支払機器」は、物理的なクレジットカード、デビットカード、非接触式カード、デビットライン、デビットクーポンおよび現金同等物を意味するだけでなく、単に、移動無線通信機器に記憶されて、少なくとも1つのクレジットネットワーク上で支払い総額を送信するために、1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nに関連して使用され得る、物理的機器に関連した金融データおよび情報も含む。
【0051】
動作において、図4〜10間の相互参照によって示されているように、本文書において開示され図示されクレームされている本発明の一態様は、POS支払いシステムを示している。POS支払いシステム10は、移動無線通信システム412および/またはクレジットネットワーク410上で支払い総額を送信するために、支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400を使用する。支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400は、少なくとも1つの移動無線通信機器400を含む。一態様では移動無線通信機器400は携帯電話である。しかしながら当業者が認めるように、携帯電話の使用は、支払機器を自動的に選択するための移動無線金融機器の限界ではない。少なくとも1つの移動無線通信機器400は少なくとも、幅広い種々のデータおよび情報を受信、記憶、処理および送信するための機能を有する。これらのデータおよび情報は、同様に幅広い種々の金融データを含み得る。
【0052】
移動無線通信機器400は、本文書で説明されている多数の他の無線装置、システムおよびネットワークと動作可能に接続可能である。例えば無線通信ネットワークは、データ伝送サブシステム414に動作可能に接続可能であり得る。データ伝送サブシステム414もまた、無線通信ネットワーク412上でデータを受信、記憶、処理および送信することができる。
【0053】
恐らく図2〜4の間の相互参照によって最もよく図解されているように、支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400はまた、データ処理システム206を含む。支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400の一態様では、データ処理システム206は、移動無線通信機器400内に収容される。支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400の別の態様では、データ処理システム206はデータ伝送サブシステム414内に配置され得る。支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400の更にもう1つの態様では、データ処理システム206は、移動無線金融機器400および/またはデータ伝送サブシステム414のいずれかまたは両者に配置され得る。データ処理システムは、1つ以上の支払機器416a〜nと連動してプログラム可能な支払い命令を受信、記憶、処理および送信することができる。
【0054】
また図4に示されているようにPOSデバイス408は、移動無線通信機器400に動作可能に接続可能である。POSデバイス408は、支払いデータを受信して処理することができる。図4に示されているようにPOSデバイス408はまた、クレジットネットワーク410上で支払い総額の支払いを実行するためにクレジットネットワーク410に動作可能に接続され得る。
【0055】
図4に示されているようにデータ処理システム206は、1つ以上の支払い決定アルゴリズム418を含む。1つ以上の支払い決定アルゴリズム418の各々は、移動無線通信機器400のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じている。用語「プログラム可能なプリファレンス」は、ユーザにとって利用可能な幅広い種々の選択肢を含む。これら種々の選択肢の中には、少なくともPOS支払いデバイス408上で支払い総額を送信するための支払機器416a〜nの自動的選択がある。
【0056】
このようにして、移動無線通信システム412上で支払い総額を送信するために支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400の1つの非排他的態様では、1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nは位置情報に関連したユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じている。図4〜7に示されているように、位置情報は位置決定システム402によって供給される。位置決定システム402から与えられた位置情報は、複数の支払機器416a〜nのうちのどれがPOSデバイス408に向けの支払い総額のためにユーザによって好まれるかを識別するために使用される。位置決定システム402は、無線通信機器400のデータ処理システム206と、無線通信ネットワーク412と、使用されている場合にはデータ伝送サブシステム414とに、動作可能に接続可能である。
【0057】
図8に示されているように、支払機器を自動的に選択するための移動無線金融機器の別の態様では、移動無線通信機器400のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nは、支払い総額がPOS支払いシステム10を通じて転送されるべき日付に基づく1つ以上のプリファレンスを含む。
【0058】
図9に示されているように、支払機器を自動的に選択するための移動無線金融機器の更にもう1つの態様では、移動無線通信機器400のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nは、支払い総額がPOS支払いシステム10を通じて転送されるべき時刻に基づく1つ以上のプリファレンスを含む。
【0059】
図9に示されているように、支払機器416a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器の更にもう1つの態様では、移動無線通信機器400のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nは、移動無線通信機器のユーザに関連する生体認証データに基づく1つ以上のプリファレンスを含む。
【0060】
図10に示されているように、支払機器を自動的に選択するための移動無線金融機器の更にもう1つの態様では、移動無線通信機器400のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nは、1つ以上の支払機器の使用に関連した前の履歴データに基づく1つ以上のプリファレンスを含む。
【0061】
同様に、支払機器418a〜nを自動的に選択するための移動無線金融機器400および1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nもまた、POSデバイス408の識別情報に応じている。
【0062】
移動無線通信機器400のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nはまた、POSデバイス408から移動無線通信機器に送信された情報に基づいて1つ以上の支払機器418a〜nのうちの少なくとも1つを除去する機能を含む。
【0063】
今度は図5を参照すると、支払い総額を支払う際の使用のために支払機器418a〜nを実質的に自動的に選択する方法は、この方法のステップを説明する際の助けとして含まれた流れ図に要約されている。これらのステップは次の通りである。図示のようにこの方法は、移動無線通信機器400を選択するステップS502を含む。ステップS504は、移動無線通信機器400にデータプロセッサをインストールすることを説明する。データプロセッサの特徴および機能は本文書に説明されており、図2〜4の参照によって説明されている。また図5に示されているように、ステップS506は、データプロセッサにプログラム可能なルールエンジンをインストールすることに向けられている。プログラム可能なルールエンジンは、他の機能の中でも特に、単一の支払機器416を選択するための、あるいは複数の支払機器416a〜nの中から1つの支払機器を選択するための移動無線通信機器400のユーザによって適用可能なあり得るプリファレンスの範囲を含む。例えば購入を行うことを計画する際に、移動無線通信機器のユーザはステップS508で、該あり得るプリファレンスの範囲の中から選択されるプリファレンスの範囲を識別する。プリファレンスの範囲は、これに限定するものではないが、他のあり得るものの(本文書では「支払機器」)の中でも特に、1つ以上のクレジットカード、デビットカード、ロイヤルティカード、クーポン、蓄積値を含む。このデータは、プログラム可能なルールエンジンに含まれる。優先度の順序は、特定の状況においてユーザによって所望される支払機器に関連したプリファレンスの中からユーザによって確定され得る。
【0064】
ステップS510で、データプロセッサおよびルールエンジンは動作可能に接続されたように示され、ステップS512で移動無線通信機器400のユーザはプリファレンスのメニューから1つ以上のプリファレンスを選択している。図5の例ではユーザは、ステップS512で複数の支払機器416a〜nに関してプリファレンスの範囲を指定しており、移動無線通信機器400の地理的位置といったルールに基づいて複数の支払機器416a〜nの選択を指示している。したがってステップS514からS518で示された非排他的例では、移動無線通信機器400および/またはPOSデバイス408のいずれかの位置に基づいて1つ以上の支払機器416a〜nからの支払いを可能にするために、1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nが用意される。ステップS520で1つ以上の支払い決定アルゴリズム418a〜nは、ユーザがステップS522で移動無線通信機器400および/またはPOSデバイス408を動作可能に接続したときに支払いを可能にする。ステップS524でユーザは、POSデバイス408にとって受け入れ可能であり且つ当業者に良く知られた多数の支払命令のどれかを使用して支払い総額を承認できる。ステップS502からS524は、それに続く状況において繰り返され得る。
【0065】
図6に示されているように、支払いを行う際の使用のために1つの支払機器を実質的に自動的に選択する方法がどのように実現され得るかの多数の例の中の一例が示されている。ステップS602で移動無線通信機器400の座標を決定するために図4に示されている位置決定システムが使用される。ユーザのプリファレンスに基づいて、ユーザは、ステップS604でユーザの自宅から20マイル以内にある位置に応じるように支払機器を実質的に自動的に選択する方法を望んでいると決定できる。このステップが満足する場合は、ステップS606でプログラム可能なルールエンジンは、例えばユーザのデビットカードを選択するであろう。代替としてステップS608で、もしユーザの移動無線通信機器400がユーザの自宅から100マイル以内にあれば、プログラム可能なルールエンジンは、例えばユーザのクレジットカードを選択するであろう。ステップS610で、もしユーザが自宅から100マイルより遠くにいるとプログラム可能なルールエンジンが決定すれば、ユーザはビジネスのために出張していると想定され、プログラム可能なルールエンジンは例えばビジネス・クレジットカードを選択するであろう。当業者にはいうまでもないが、ある特定の状況における使用のためにユーザによって所望される1つ以上のプリファレンスを、あり得るプリファレンスの範囲の中から識別して選択するために、およびステップS612で支払機器を選択するために、位置および距離の任意数の組合せおよび順列が使用され得る。
【0066】
例えば図7に示されるように、支払いを行う際の使用のために支払機器416a〜nを実質的に自動的に選択する方法が示されている。ステップS702でプログラム可能なルールエンジンによって与えられたプリファレンスの範囲は、ユーザの移動無線通信機器の地理的座標を含むであろう。ステップS704でプログラム可能なルールエンジン内のこのプリファレンスの範囲のうちの1つは、これらの座標を既知の位置と比較することであり、あるいは代替としてステップS706でその位置が未知の位置であるかどうかを決定することである。もし既知の位置であればステップS708でプログラム可能なルールエンジンは、前に同じ位置で使用された同じ支払機器を選択するであろう。代替として、もしその位置が未知であればステップS710でプログラム可能なルールエンジンは、使用すべき支払機器のための選択についての命令をユーザから要求するであろう。ステップS712に示されているように既知または未知いずれであっても位置データは、将来の使用のために履歴データとしてプログラム可能なルールエンジン内に自動的に保存され得る。
【0067】
同様に、当業者には言うまでもないが、プログラム可能なルールエンジンは、ある特定の状況への適用のためにプリファレンスを降順に順位付けし、プリファレンスの順位付けをこの特定の状況に合致させ、そしてこの特定の状況における使用のために1つ以上の支払機器を選択する機能を含む。
【0068】
図8に示されているように支払を行う際の使用のために支払機器416a〜nを実質的に自動的に選択する方法の別の態様では、複数の支払機器416a〜nの中からの1つの支払機器416のユーザの選択の日時に基づくプリファレンスの範囲をルールエンジンに含ませることによって、更なる改善が達成される。ステップ802で現在の日時が決定される。ステップ804でプログラム可能ルールエンジンは、ユーザによって所望される支払機器416に関するプリファレンスを位置データと組み合わせて、あるいは位置データなしで実質的に自動的に決定する。例えばユーザは、勤務時間か非勤務時間かに依存して異なる支払機器416a〜nを使用するために、ステップS806に示されたように1週間の日付に依存して変化し得るプリファレンスを選択し得る。
【0069】
図9に示されているように支払を行う際の使用のために支払機器を実質的に自動的に選択する方法の更にもう1つの態様では、複数の支払機器416a〜nの中から1つの支払機器416を選択するためにユーザによって選択された1つ以上の金融パラメータに基づくプリファレンスの範囲をプログラム可能なルールエンジンに含ませることによって更なる改善が達成される。例えばプログラム可能なルールエンジンは、支払機器に関連する残りのクレジット残高に基づくプリファレンスの範囲を含む。したがってステップS902でユーザの移動無線通信機器400は、ステップS904で例えばカード残高を含む現在の口座情報で自動的に更新される。ステップS906でカードがそのカードの残高に達している場合、ステップS906で異なる支払機器が選択される。代替としてステップS906をステップS910に組み合わせることによって、2つの異なる支払機器から1つの支払い総額が引き落とされる。
【0070】
図10に示されているように支払を行う際の使用のために支払機器を実質的に自動的に選択する方法の更にもう1つの態様では、複数の支払機器の中から1つの支払機器を選択するために移動無線通信機器の1人以上のユーザを識別するための生体認証データに基づくプリファレンスの範囲をプログラム可能なルールエンジン内に含ませることによって更なる改善が達成される。この特徴は例えば、移動無線通信機器のユーザが、別の人が1つ以上の支払機器からの引き落としのために移動無線通信機器を使用することを可能にすることを望んでいる場合に有用であろう。プリファレンスは、ステップS1002およびステップS1004に示されているように、第2のユーザをある特定の支払機器に限定するか、あるいは複数の支払機器の使用を可能にするか、のいずれかに変えられる。
【0071】
当業者には言うまでもないが、本文書で論じられた特徴のすべては、単独で、あるいはプログラム可能なルールエンジンのより多くのプリファレンスの1つと組み合わせて使用され得る。
【0072】
動作時に、本文書において開示され図示されクレームされている独自の利点および特徴は、移動無線通信機器を選択することによって取得される。データ処理システムは移動無線通信機器にインストールされる。このデータ処理システムは支払い決定アルゴリズムを含む。支払い決定アルゴリズムは、これに限定するものではないが、支払い総額を支払うために使用されるべき支払機器を自動的に識別して選択することを含む移動無線通信機器のユーザのプリファレンスに応じるようにプログラム可能である。したがって支払い決定アルゴリズムは、プログラム可能なプリファレンスの範囲の中からどの1つの支払機器または複数の支払機器を使用すべきかに関するユーザのユニークなプリファレンスを選択することができる。
【0073】
当業者は、本文書において請求されている方法ステップが本発明の範囲から逸脱せずに相互交換され得る、また相互交換可能であることを認めるであろう。
【0074】
当業者は、種々の異なる技術および技法の如何なるものでも使用して情報および信号が表され得ることを理解するであろう。例えば前述の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボルおよびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁気粒子、光場または光粒子、あるいはこれらの任意の組合せによって表され得る。
【0075】
開示された態様の前述の説明は、いかなる当業者も本発明を実施または使用することを可能にするために提供されている。これらの実施形態に対する種々の修正は当業者には直ちに明らかであろうし、また本文書において定義された一般原理は本発明の精神または範囲から逸脱せずに他の実施形態に適用され得る。したがって本発明は、本文書に示された態様に限定されるようには意図されておらず、本発明は本文書において開示された原理および新規な特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
POS(point-of-sale)支払いシステムであって、
データを受信、記憶、処理および送信するように適応した移動無線通信機器と、
前記データは1つまたは複数の支払機器に関連する少なくとも金融データを含む、
前記移動無線通信機器に動作可能に接続可能な無線通信ネットワークと、
前記無線通信ネットワークは、前記無線通信ネットワーク上でデータを受信、記憶、処理および送信するように適応したデータ伝送サブシステムを含む、
1つまたは複数の支払機器に接続してプログラム可能な支払命令を受信、記憶および送信するように適応した、前記携帯型無線通信機器に収容されたデータ処理システムと、
支払いデータを受信して処理するように適応した、前記移動無線通信機器に動作可能に接続可能なPOSデバイスと、
前記POS支払いシステムデバイスはクレジットネットワークにも動作可能に接続される、
前記無線通信機器と、前記無線通信ネットワークと、少なくとも前記移動無線通信機器の位置を与えるように適応した前記データ伝送サブシステムとに動作可能に接続可能な位置決定システムと、
を備えるPOS支払いシステム。
【請求項2】
前記データ処理システムは、前記データ伝送サブシステム内に配置される、請求項1記載のPOS支払いシステム。
【請求項3】
前記データ処理システムは、前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムを含む、請求項1記載のPOS支払いシステム。
【請求項4】
ユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた前記1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムは、前記位置決定システム上で与えられた位置情報に応じている、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項5】
前記位置決定システム上で与えられた前記位置情報は、複数の支払機器のうちのどれが支払い総額を引き落とすために前記ユーザによって好まれるかを識別するために使用される、請求項4記載のPOS支払いシステム。
【請求項6】
前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた前記1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムは、支払い総額が前記POS支払いシステム上で転送される日付に基づく1つまたは複数のプリファレンスを含む、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項7】
前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた前記1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムは、支払い総額が前記POS支払いシステム上で転送される時刻に基づく1つまたは複数のプリファレンスを含む、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項8】
前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた前記1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムは、前記移動無線通信機器の前記ユーザに関連する生体認証データに基づく1つまたは複数のプリファレンスを含む、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項9】
前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた前記1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムは、前記1つまたは複数の支払機器の使用に関連する前の履歴データに基づく1つまたは複数のプリファレンスを含む、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項10】
前記1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムは、さらに、前記POSデバイスと前記移動無線通信機器との識別情報に応じている、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項11】
前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた前記1つまたは複数の支払い決定アルゴリズムは、前記POSデバイスから前記移動無線通信機器に送信された情報に基づいて前記1つまたは複数の支払機器のうちの少なくとも1つを除外できる、請求項3記載のPOS支払いシステム。
【請求項12】
POS(point-of-sale)支払いシステム上で支払い総額を送信および受け取るための支払機器を選択する方法であって、
移動無線通信機器を選択することと、
前記移動無線通信機器にデータ処理システムをインストールすることと、
支払い総額を支払うために使用される1つまたは複数の支払機器についての前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた支払い決定アルゴリズムを前記データ処理システムに含めることと、
プログラム可能なプリファレンスの範囲の中から、前記1つまたは複数の支払機器に関連するユーザの1つまたは複数のプリファレンスを選択することと、
前記移動無線通信機器を無線通信ネットワーク上で動作可能に接続することと、
前記移動無線通信機器をPOSデバイスに動作可能に接続することと、
前記支払機器支払い総額データを前記POSデバイスに送信することと、
を備える方法。
【請求項13】
前記移動無線通信機器を選択するステップは、携帯電話を選択するサブステップを含む、請求項12記載のPOS支払いシステム上で支払い総額を送信および受け取るための支払機器を選択する方法。
【請求項14】
前記移動無線通信機器を無線通信ネットワーク上で動作可能に接続するステップは、前記移動無線通信機器をクレジットネットワークに動作可能に接続するサブステップを含む、請求項12記載のPOS支払いシステム上で支払い総額を送信および受け取るための支払機器を選択する方法。
【請求項15】
前記移動無線通信機器を無線通信ネットワーク上で動作可能に接続するステップは、前記移動無線通信機器をデータ伝送サブシステムに動作可能に接続するサブステップを含む、請求項12記載のPOS支払いシステム上で支払い総額を送信および受け取るための支払機器を選択する方法。
【請求項16】
前記移動無線通信機器を無線通信ネットワーク上で動作可能に接続するステップは、前記移動無線通信機器を位置決定システムに動作可能に接続するサブステップを含む、請求項12記載のPOS支払いシステム上で支払い総額を送信し、また受け取るための支払機器を選択する方法。
【請求項17】
前記支払い総額を支払うために使用される1つまたは複数の支払機器についての前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた支払い決定アルゴリズムを前記データ処理システムに含ませるステップは、
a)前記位置決定システム上で与えられた位置情報に基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するサブステップと、
b)支払い総額が前記POS支払いシステム上で転送される日付に基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するサブステップと、
c)支払い総額が前記POS支払いシステム上で転送される時刻に基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するサブステップと、
d)前記移動無線通信機器の前記ユーザに関連する生体認証データに基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するサブステップと、および/または
e)前記1つまたは複数の支払機器の使用に関連した前の履歴データに基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するサブステップと、
を含む、請求項12記載のPOS支払いシステム上で支払い総額を送信および受け取るための支払機器を選択する方法。
【請求項18】
前記移動無線通信機器をPOSデバイスに動作可能に接続するステップは、前記POSデバイスによって識別された支払機器から支払い総額を支払うサブステップを含む、請求項12記載のPOS支払いシステム上で支払い総額を送信および受け取るための支払機器を選択する方法。
【請求項19】
前記移動無線通信機器をPOSデバイスに動作可能に接続するステップは、前記POSデバイスから前記移動無線通信機器に送信された情報に基づいて1つまたは複数の支払機器を除外するサブステップを含む、請求項12記載のPOS支払いシステム上で支払い総額を送信および受け取るための支払機器を選択する方法。
【請求項20】
支払機器を選択するための装置であって、
データ処理システムを有する移動無線通信機器と、
前記移動無線通信機器に動作可能に接続可能なデータ処理システムと、
前記データ処理システムは、支払い総額を引き落とす支払機器を選択するための前記無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた少なくとも1つの支払い決定アルゴリズムを含むデータ処理システム、を含み、
クレジットネットワーク上で前記支払い総額を受信、処理および送信するための前記データ処理システムに動作可能に接続可能なPOS(point-of-sale)デバイスと、
を備える装置。
【請求項21】
送信および受信のために、前記移動無線通信機器と、前記データ処理システムと、前記POSデバイスとに動作可能に接続可能な無線通信ネットワークを更に備える、請求項20記載の支払機器を選択するための装置。
【請求項22】
前記無線通信ネットワーク上でデータを受信、記憶、処理および送信するためのデータ伝送サブシステムを更に備える、請求項20記載の支払機器を選択するための装置。
【請求項23】
前記データ処理システムは、前記無線通信ネットワーク上でデータを受信、記憶、処理および送信することができる、請求項20記載の支払機器を選択するための装置。
【請求項24】
支払機器を識別し、実質的に自動的に選択するための機械可読フォーマットで符号化されたコンピュータソフトウエアを含む記憶媒体であって、前記コンピュータソフトウエアは、
a)前記コンピュータソフトウエアの位置によって支払機器を実質的に自動的に選択するための1セットのコンピュータ命令と、
b)支払い総額がPOS(point-of-sale)支払いデバイスに送信される日付に基づいて支払機器を実質的に自動的に選択する1セットのコンピュータ命令と、
c)支払い総額がPOSデバイスに送信される時刻に基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するための1セットのコンピュータ命令と、
d)生体認証データに基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するための1セットのコンピュータ命令と、
e)前記支払機器の使用に関連した前の履歴データに基づいて支払機器を実質的に自動的に選択するための1セットのコンピュータ命令と、
を備える、記憶媒体。
【請求項25】
移動無線通信機器内に配置された1セットのコンピュータ命令を更に備える、請求項24記載の支払機器を識別し、実質的に自動的に選択するための機械可読フォーマットで符号化されたコンピュータソフトウエアを含む記憶媒体。
【請求項26】
移動無線通信機器内に配置された1セットのコンピュータ命令を更に備える、請求項24記載の支払機器を識別し、実質的に自動的に選択するための機械可読フォーマットで符号化されたコンピュータソフトウエアを含む記憶媒体。
【請求項27】
移動無線通信システム上で通信する手段と、
前記移動無線通信システム上で支払い総額を収集、記憶、処理および送信するために、前記移動無線通信システム上で通信する手段に動作可能に接続可能な手段と、
支払機器から前記支払い総額を実質的に自動的に引き落とすための、前記通信する手段に動作可能に接続可能な手段と、
を備える支払いシステム。
【請求項28】
前記移動無線通信システム上で通信する手段は、移動無線通信機器である、請求項27記載の支払いシステム。
【請求項29】
前記移動無線通信機器は携帯電話である、請求項28記載の支払いシステム。
【請求項30】
前記通信する手段に動作可能に接続可能な手段は、データ処理システムを含む、請求項27記載の支払いシステム。
【請求項31】
前記通信する手段はPOSデバイスを含む、請求項30記載の支払いシステム。
【請求項32】
前記データ処理システムは、前記支払い総額支払う1つまたは複数の支払機器を選択するために前記移動無線通信機器のユーザのプログラム可能なプリファレンスに応じた支払い決定アルゴリズムを含む、請求項31記載の支払いシステム。
【請求項33】
支払いを行う際の使用のための支払機器を実質的に自動的に選択する方法であって、
A)データプロセッサを有する移動無線通信機器を選択することと、
B)複数の支払機器の中から1つの支払機器を選択するために前記移動無線通信機器のユーザによって適用可能なあり得るプリファレンスの範囲を少なくとも含むプログラム可能なルールエンジンを前記データプロセッサ内にインストールすることと、
C)特定の状況における使用のためにユーザによって所望されるプリファレンスを、前記あり得るプリファレンスの範囲の中から識別することと、
D)前記移動無線通信機器をPOS(point-of-sale)デバイスに動作可能に接続することと、
E)支払い総額を前記POSデバイスに送信するように前記移動無線通信機器に指示することと、
F)前記移動無線通信機器が、前記支払い総額が引き落とされる前記1つまたは複数の支払機器を実質的に自動的に選択することを可能にすることと、
G)次の状況においてステップA)からF)までを繰り返すことと、
を備える方法。
【請求項34】
ステップC)すなわち特定の状況における使用のためにユーザによって所望される1つまたは複数のプリファレンスを前記あり得るプリファレンスの範囲の中から識別することは、
i)特定の状況への適用のために前記プリファレンスを降順に順位付けすることと、
ii)前記プリファレンスの順位付けを前記特定の状況に合致させることと、
iii)前記特定の状況における使用のために1つまたは複数の支払機器を選択することと、
を含む、請求項33記載の支払いを行う際の使用のための支払機器を実質的に自動的に選択する方法。
【請求項35】
H)前記移動無線通信機器を、
i)位置決定システム、
ii)無線通信ネットワーク、および/または
iii)データ伝送サブシステム、
に動作可能に接続することと、
I)前記移動無線通信機器の位置を決定することと、
J)前記移動無線通信機器の位置と、前記移動無線通信機器の前記ユーザによって選択された対応するプリファレンスとに依存する1つまたは複数の支払機器を選択するためのプリファレンスの1サブセットを前記1連のプリファレンスに含ませることと、
K)ステップI)、すなわち前記移動無線通信機器の位置を決定すること、から得られたデータを、支払機器を選択する際の将来の使用のための履歴データとして記録することと、
をさらに備える、請求項34記載の支払いを行う際の使用のための支払機器を実質的に自動的に選択する方法。
【請求項36】
L)前記複数の支払機器の中からの1つの支払機器のユーザ選択の日時に基づくプリファレンスの範囲を、前記ルールエンジンに含ませるサブステップを更に備える、請求項35記載の支払いを行う際の使用のための支払機器を実質的に自動的に選択する方法。
【請求項37】
M)前記複数の支払機器の中から1つの支払機器を選択するためにユーザによって選択された1つまたは複数の金融パラメータに基づくプリファレンスの範囲を前記ルールエンジンに含ませるサブステップを更に備える、請求項36記載の支払いを行う際の使用のための支払機器を実質的に自動的に選択する方法。
【請求項38】
O)複数の支払機器の中から1つの支払機器を選択するために前記移動無線通信機器の1人または複数のユーザを識別するための生体認証データに基づくプリファレンスの範囲を前記ルールエンジンに含ませるサブステップを更に備える、請求項36記載の支払いを行う際の使用のための支払機器を実質的に自動的に選択する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−519439(P2011−519439A)
【公表日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549728(P2010−549728)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/035055
【国際公開番号】WO2009/111231
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
2.FLASH
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】