説明

支持装置および電子機器システム

【課題】コネクタ接続時にコネクタに無理な力が加わらないようにすることができる支持装置および電子機器システムを提供する。
【解決手段】この電子機器システムは、クレイドル装置(支持装置)20と、クレイドル装置20に対して着脱可能なポータブルコンピュータ(電子機器)とを備え、クレイドル装置20は、装着されるポータブルコンピュータを案内する側壁、前壁および後壁からなるスダンド(電子機器案内部)と、スタンドに装着されたコンピュータのコネクタ18に接続するコネクタ40と、コネクタ40が取り付けられたサブ基板400と、サブ基板400のコネクタ40が取り付けられた面の面内方向に移動可能にサブ基板400を支持する水平方向支持部と、サブ基板400の面内方向の移動量を規制し、コネクタ40より離れたサブ基板400の周縁部に設けられる水平移動量規制部と、面内方向に垂直な方向にサブ基板400を移動可能に支持する垂直方向支持部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器を支持する支持装置、および電子機器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パソコン装置では、パソコン本体と、ディスク駆動装置等を搭載したステーション本体とを別構成とし、パソコン本体をステーション本体に対して着脱可能にドッキングさせるドッキング装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載されたドッキング装置は、ステーション本体内の基板上にドッキングコネクタを設置し、基板をコネクタ設置面内(水平方向)にて移動可能にボールベアリング等の可動支持手段により支持したものである。ドッキングコネクタとパソコン本体に設けられたパソコン側コネクタは、いずれかのコネクタのハウジング等に形成されたガイド部分によって相手方コネクタを適正な結合位置に案内することができる範囲であれば、パソコン側コネクタとドッキングコネクタとの間に位置ずれがあっても、基板およびドッキングコネクタがステーション本体に対して移動し、両コネクタが結合される。
【特許文献1】特開平10−133780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のドッキング装置では、コネクタの接続方向に垂直な方向にのみコネクタを移動させる構造であるため、コネクタ接続時に無理な力が加わり、コネクタが破損するおそれがある。
【0005】
従って、本発明の目的は、コネクタ接続時にコネクタに無理な力が加わらないようにすることができる支持装置および電子機器システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、以下の支持装置および電子機器システムを提供する。
【0007】
[1]装着される電子機器を案内する電子機器案内部と、前記電子機器案内部に装着された前記電子機器に接続するコネクタと、前記コネクタが取り付けられた基板と、前記基板の前記コネクタが取り付けられた面の面内方向に移動可能に前記基板を支持する水平方向支持部と、前記基板の前記面内方向の移動量を規制し、前記コネクタより離れた前記基板の周縁部に設けられる水平移動量規制部と、前記面内方向に垂直な方向に前記基板を移動可能に支持する垂直方向支持部とを備えた支持装置。
【0008】
[2]電子機器と、装着される前記電子機器を案内する電子機器案内部と、前記電子機器案内部に装着された前記電子機器に接続するコネクタと、前記コネクタが取り付けられた基板と、前記基板の前記コネクタが取り付けられた面の面内方向に移動可能に前記基板を支持する水平方向支持部と、前記基板の前記面内方向の移動量を規制し、前記コネクタより離れた前記基板の周縁部に設けられる水平移動量規制部と、前記面内方向に垂直な方向に前記基板を移動可能に支持する垂直方向支持部とを有する支持装置とを備えた電子機器システム。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コネクタ接続時にコネクタに無理な力が加わらないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器システムの斜視図、図2は、電子機器システムを構成するポータブルコンピュータの斜視図、図3は、電子機器システムを構成するクレイドル装置の斜視図である。
【0011】
(電子機器システム)
この電子機器システム1は、図1に示すように、主に机上や天板等に置かれて使用されるクレイドル装置(支持装置)20と、クレイドル装置20に対して着脱可能なタブレット型のポータブルコンピュータ(電子機器)10とを有して構成されている。
【0012】
(ポータブルコンピュータ)
ポータブルコンピュータ(以下、単に「コンピュータ」ともいう。)10は、クレイドル装置20から取り外された状態でバッテリ駆動が可能となっている。また、ポータブルコンピュータ10は、図1、図2に示すように、前面11a、側面11b,11b、底面11c、上面11dおよび背面11eを有する略矩形状の本体11を備える。
【0013】
本体11の前面11aには、そのほぼ中央に重合配置された後述するLCD(Liquid Crystal Display)およびタブレットからなる表示部12が配置され、表示部12の下側には、カーソルキー13、左クリックスイッチ14Aおよび右クリックスイッチ14Bが配置され、表示部12の上側には、マイク15が配置されている。
【0014】
本体11の右側の側面11bには、電源スイッチ16およびUSB(Universal Serial Bus)端子17が配置され、本体11の底面11cには、コネクタ(第1の外部接続端子)18と係合穴19が配置されている。また、底面11cの内側に、コンピュータ10のクレイドル装置20からの離脱を磁気的に検出するための磁性体(図示せず)が配置されている。
【0015】
コネクタ18は、クレイドル装置20に設けられた図3に示すコネクタ(第2の外部接続端子)40に接続するものであり、底面11cから突出しないように、図2において底面11cの中心から右方向にずれた位置に設けられている。
【0016】
係合穴19は、クレイドル装置20に設けられた図3に示すフック(係止片)50が係止するものであり、図2において底面11cの中心から左方向にずれた位置に設けられている。
【0017】
(クレイドル装置)
クレイドル装置20は、コンピュータ10に電源を供給する機能と、ノート型パソコン、外部記憶装置等の外部装置との通信によりコンピュータ10に拡張性を持たせる機能とを有する。なお、クレイドル装置20は、上記の機能に限定されず、例えば、クレイドル装置自体がパソコンや外部記憶装置等の電子機器であってもよい。また、クレイドル装置20は、図1、図3に示すように、各種の基板を内蔵する筐体21と、筐体21に固定され、ポータブルコンピュータ10を支持するスタンド(電子機器案内部)22とを備える。
【0018】
筐体21は、側壁21a、前壁21b、後壁21c、上壁21d、および後述する底壁を有する。底壁には、コネクタ40が取り付けられている。
【0019】
スタンド22は、コンピュータ10をクレイドル装置20に装着する際のガイドとなる側壁22a、前壁22bおよび後壁22cと、コンピュータ10の底面11cが当接する底壁22dとを有する。スタンド22は、筐体21にネジによって固定されているが、筐体21と一体的に形成されていてもよい。また、スタンド22を設けずに、筐体21にコンピュータ10をガイドする窪みを設けてもよい。
【0020】
側壁22aおよび前壁22bは、後壁22cよりも高さを低くしているが、コンピュータ10に設けられたコネクタ18がクレイドル装置20に設けられたコネクタ40に接触するよりも先にコンピュータ10の下部外周部の位置を規制し得る高さを有する。
【0021】
底壁22dには、図3に示すコネクタ40を挿通させるための開口22eと、図3に示すフック50を挿通させるための開口22fとが形成されている。
【0022】
図4は、クレイドル装置20を底面側から見た斜視図、図5は、クレイドル装置20を底面側から見た分解斜視図である。図4、図5は、筐体21の底面を閉塞する底板の図示を省略している。筐体21は、側壁21a、前壁21b、後壁21cを補強するため、上壁21dから補強片21fが形成されている。上壁21dには、ネジ穴211aが形成されたスタッド211が突設しており、底板がビスによってネジ穴211aに固定される。
【0023】
筐体21の上壁21dには、メイン基板300が取り付けられ、底壁21eには、サブ基板400が取り付けられている。
【0024】
底壁21eは、山形状に湾曲した形状を有し、フック50を収納するフック収納部214と、スタンド22に設けられた位置決め突起22gが嵌合する四角穴21gと、ボス部21hと、サブ基板400およびスタンド22を取り付けるためにボス部21hに設けられた取付け穴21iと、後述する台座を逃げるための開口21jと、底板を固定するためのスタッド211とが設けられている。
【0025】
メイン基板300には、筐体21の後壁21cに露出するように電源端子部301、USB端子302およびミニUSB端子303が実装され、図示しない底板とのスペースを確保するためのスペーサ304と、サブ基板400と接続するコネクタ305が取り付けられている。
【0026】
サブ基板400の裏面には、フィルム44と、フィルム44上に設けられ、図示しない底体に対して弾性的に押圧するスポンジ,ゴム等からなる弾性体(垂直方向支持部、弾性力付与部材)45と、メイン基板300を接続するコネクタ43が取り付けられている。メイン基板300上のコネクタ305とは、フレキシブル配線基板306によって接続される。
【0027】
図6は、サブ基板400の斜視図である。サブ基板400には、コネクタ40と、コネクタ40が取り付けられる台座41と、磁気センサ42とが実装され、取付け穴400aと、位置決め穴400bが形成されている。コネクタ40は、相手のコネクタ18の接続位置にコネクタ40を案内する一対の角錘状の案内部40aが設けられている。コネクタ40と相手のコネクタ18との接続位置のずれ量が案内部40aによって案内することができる範囲内であれば、サブ基板400が水平移動してコネクタ40を相手のコネクタ18に接続させることができる。なお、案内部はコネクタ18,40の両方に設けられていてもよく、相手のコネクタ18にのみ設けられていてもよい。
【0028】
磁気センサ42は、コンピュータ10に設けられた磁性体との距離に応じて、コンピュータ10のクレイドル装置20からの離脱を磁気的に検出する。なお、磁気センサ42をコンピュータ10に設け、磁性体をクレイドル装置20に設けてもよい。
【0029】
(サブ基板の取付け構造)
図7は、サブ基板400の取付け構造を示し、(a)は、サブ基板400の裏面側から見た平面図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、(a)のB−B断面図である。なお、図7(a)では、底板を省略して示す。
【0030】
2つの位置決め穴400bは、図7(a)に示すように、サブ基板400の周縁部近傍に位置するように形成されており、基板サブ基板400に対してできるだけ長いピッチが得られるように形成されている。2つの取付け穴400aは、2つの位置決め穴400bのピッチよりも短いピッチで形成されており、位置決め穴400bよりもコネクタ40に隣接した位置に形成されている。なお、取付け穴400aのピッチは、位置決め穴400bのピッチとほぼ同等であってもよく、位置決め穴400bについても上記した2つに限定されず、3つあるいはそれ以上であってもよい。
【0031】
位置決め突起22gは、図7(b)に示すように、スタンド22の底壁22dに四角座22hを介して設けられており、筐体21の底壁21eに設けられた四角穴21gに四角座22hが嵌合されて底壁21eの裏面に突出している。これにより、スタンド22に対してサブ基板400を移動可能に位置決めすることができる。
【0032】
サブ基板400の取付け構造は、コンピュータ10のクレイドル装置20への装着動作に追従してクレイドル装置20側のコネクタ40がコンピュータ10側のコネクタ18に一致するように、コネクタ40が搭載されたサブ基板400を前後、左右に移動可能に取り付けている。すなわち、コンピュータ10の外周面とスタンド22のガイド部を構成する側壁22a、前壁22b、後壁22cの内面との間のガタ量(例えば、左右、前後それぞれ0.3mm)よりもサブ基板400の移動可能量(例えば、前後、左右それぞれ0.6mm)を大きくしている。
【0033】
サブ基板400を前後、左右に移動可能とするため、例えば、位置決め穴400bの内径を3mm、位置決め突起22gの外径を1.8mmとする。取付け穴400aの内径とボス部21hの外径とのガタ量は、前後、左右それぞれ0.6mm以上とする。
【0034】
サブ基板400に設けた取付け穴400a、および筐体21に設けたボス部21hは、サブ基板400をコネクタ40を取り付けた面の面内方向(水平方向)に移動可能に支持する水平方向支持部を構成する。取付け穴400aがコネクタ40に近接して設けられることで、コネクタ40を介して付与される外力に対するサブ基板400のたわみが抑制される。また、位置決め穴400b、および位置決め突起22gは、コネクタ40より離れたサブ基板400の周縁部に設けられて、サブ基板400の面内方向の移動量を規制する水平移動量規制部を構成する。
【0035】
また、ボス部21h、弾性体45、ネジ212およびワッシャ213は、サブ基板400を上記面内方向に垂直な方向に移動可能に支持する垂直方向支持部を構成する。図7(a)においては、2つの水平移動量規制部が設けられているが、その距離はコネクタ40の両側に設けられる2つの水平方向支持部間の距離よりも大になるようにサブ基板400の長辺方向に離れており、かつコネクタ40から離れて設けられている。このことにより、コネクタ40の面内方向の移動を許容しながらもコネクタ40を中心とする回転方向の動きを規制する。
【0036】
弾性体45は、弾性力付与部材としてサブ基板400に上方への弾性力を付与し、コネクタ18,40の位置ずれによりコネクタ40が押し込まれたときは、弾性体45は圧縮し、図7(c)に示す矢印方向にサブ基板400が移動する。なお、弾性体45は、摩擦力を付与せず、サブ基板400の水平方向および垂直方向の弾性力を付与してもよい。
【0037】
(サブ基板の取付け作業)
サブ基板400を筐体21の底壁21eに取り付けるときは、サブ基板400の位置決め穴400b内に位置決め突起22gに入れ、ネジ212をワッシャ213を介してスタンド22の底壁22dに形成されたボス部220のネジ穴221に締め付ける。次に、底板24を図示しないネジによってスタッド211のネジ穴211aに固定する。
【0038】
底板24を取り付けると、サブ基板400は、弾性体45により底壁21e側に押圧された状態となる。
【0039】
(フック)
図8は、フックの構造例を示し、(a)は分解斜視図、(b)は組立状態を示す断面図である。フック50は、ベース部50aと、ベース部50aの上方に設けられた爪部50bと、ベース部50aの下方に設けられた軸部50cとから構成され、樹脂等の材料により一体成型により形成されている。爪部50bは、傾斜面50dと水平面50eを有する。
【0040】
軸部50cをスタンド22の底壁22dの下面側に設けられた図示しない軸受け部に軸支させ、巻きバネ51をフック50の軸部50cに装着し、巻きバネ51の一方のL字状の端部51aをフック50のベース部50aに係止し、他方の直線状の端部51bをスタンド22の底壁22dの下面に当接するように組み立てる。
【0041】
これにより、巻きバネ51は、図8(b)に示す矢印方向と反対の方向へ弾性的な回転力をフック50に与えている。なお、巻きバネ51は、引っ張りバネ、または圧縮バネによってフック50に巻きバネ51と同様の回転力を与えてもよい。
【0042】
(ポータブルコンピュータのシステム構成)
図9は、ポータブルコンピュータ10のシステム構成を示すブロック図である。本コンピュータ10は、CPU111、ノースブリッジ112、主メモリ113、グラフィックスコントローラ114、LCD12a、タブレット12b、サウスブリッジ116、BIOS−ROM120、ネットワークコントローラ125、ハードディスクドライブ(HDD)130、コネクタ18、エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)170および電源回路180等から構成されている。
【0043】
CPU111は、本コンピュータ10の動作を制御するプロセッサである。CPU111は、HDD130から主メモリ113にロードされるオペレーティングシステムおよび各種アプリケーションプログラムを実行する。また、CPU111は、BIOS−ROM120に格納されたシステムBIOS(Basic Input Output System)も実行する。システムBIOSは、ハードウェア制御ためのプログラムである。
【0044】
ノースブリッジ112は、CPU111のローカルバスとサウスブリッジ116との間を接続するブリッジデバイスである。また、ノースブリッジ112は、AGP(Acceler ated Graphics Port)バスなどを介してグラフィックスコントローラ114との通信を実行する機能も有している。さらに、ノースブリッジ112には、主メモリ113を制御するメモリコントローラも内蔵されている。
【0045】
グラフィックスコントローラ114は、本コンピュータ10のディスプレイモニタとして使用されるLCD12aを制御する表示コントローラである。また、グラフィックスコントローラ114は、オペレーティングシステムまたはアプリケーションプログラムによってビデオメモリ(VRAM)114Aに書き込まれたデータをLCD12aに表示する。
【0046】
サウスブリッジ116は、HDD130を制御するためのIDE(Integrated Drive Ele ctronics)コントローラ、およびUSB端子17を制御するUSBコントローラ117を内蔵している。また、サウスブリッジ116は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス2およびLPC(Low Pin Count)バス3にそれぞれ接続されている。
【0047】
PCIバス2には、ネットワークコントローラ125が接続されている。ネットワークコントローラ125は、LANポート126に接続されるLANケーブルを介して、外部のネットワーク機器との通信を実行する。
【0048】
EC/KBC170は、電源管理のためのエンベデッドコントローラ(EC)と、タブレット12b、カーソルキー13、左クリックスイッチ14Aおよび右クリックスイッチ14B等を制御するキーボードコントローラ(KB)とが集積されたワンチップマイクロコンピュータである。このEC/KBC170は、電源回路180と協調して動作することにより、ユーザによる電源スイッチ16の操作に応じて本コンピュータ10を電源オン/電源オフする機能を有している。
【0049】
電源回路180は、ACアダプタ182を介して供給される外部電源、または充電可能なバッテリ181を用いて、本コンピュータ10の各コンポーネントに供給すべきシステム電源を生成する。
【0050】
本コンピュータ10は、上述したようにコネクタ18を介してクレイドル装置20に接続される。コネクタ18,40には、例えば、50個程度のピンが設けられている。これらのピンには、クレイドル装置20から本コンピュータ10に動作電源を供給するための幾つかの電源ピン、USB信号線群に接続される幾つかの信号ピンが定義されている。
【0051】
(装着動作)
図10(a)〜(c)は、本コンピュータ10のクレイドル装置20への装着動作を示す。本コンピュータ10をスタンド22の後壁22dに沿って矢印C方向に押し下げる。装着前の段階では、図10(a)に示すように、フック50は、巻きバネ51によって付勢されて起立状態にある。本コンピュータ10を下方Cへ押し下げると、係合穴19の縁がフック50の傾斜面50dに当接し、フック50に同図矢印方向Dへ回転しようとする反力を発生させる。この反力によってフック50が巻きバネ51のバネ力に抗して同図矢印方向Dへ回転する。
【0052】
このとき、クレイドル装置20側のコネクタ40とコンピュータ10側のコネクタ18とは、接続位置がずれていても、コネクタ40の案内部40aが案内できる範囲内であれば、サブ基板400が弾性体45の弾性力に抗して下方向へ沈みながら基板面内方向(水平方向)に移動し、接続位置が一致する。
【0053】
さらに本コンピュータ10を押し下げると、コネクタ40は、本コンピュータ10側のコネクタ18に装着し、フック50は、巻きバネ51のバネ力によって元の状態に復帰して係合穴19に係合する。
【0054】
(離脱動作)
図11(a)〜(c)は、本コンピュータ10のクレイドル装置20からの離脱動作を示す。本コンピュータ10をクレイドル装置20から取り外すためには、コンピュータ10を水平にそのまま持ち上げたり、フック50側を持ち上げたのでは、係合穴19の縁がフック50の爪部50bの水平面50eに当接し、フック50を回転させることができないため、コンピュータ10を取り外すことが難しくなる。そこで本コンピュータ10を図11(a)に示すように、上方向Eへ持ち上げながら、図11(b)に示すように、コネクタ18側をF方向へ持ち上げるようにすると、フック50が同図矢印方向Dに回転し、フック50が係合穴19から外れ、コンピュータ10をクレイドル装置20から取り外すことができる。
【0055】
(実施の形態の効果)
本実施の形態によれば、コネクタ40を水平方向のみならず、垂直方向にも移動できるようにしたため、コネクタ接続時にコネクタ18,40に無理な力が加わらず、コネクタ18,40の破損を防ぐことができる。また、コネクタ40とは反対側にフック50を設けたので、コンピュータ10をクレイドル装置20から取り外す際のコンピュータ10の姿勢が制限され、コネクタ18,40への負荷を軽減することができる。
【0056】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る電子機器システムの斜視図である。
【図2】図2は、電子機器システムを構成するポータブルコンピュータの斜視図である。
【図3】図3は、電子機器システムを構成するクレイドル装置の斜視図である。
【図4】図4は、クレイドル装置を底面側から見た斜視図である。
【図5】図5は、クレイドル装置を底面側から見た分解斜視図である。
【図6】図6は、サブ基板の斜視図である。
【図7】図7は、サブ基板400の取付け構造を示し、(a)は、平面図、(b)は、(a)のA−A断面図、(c)は、(a)のB−B断面図である。
【図8】図8は、フックの構造例を示し、(a)は分解斜視図、(b)は組立状態を示す断面図である。
【図9】図9は、ポータブルコンピュータのシステム構成を示すブロック図である。す図である。
【図10】図10(a)〜(c)は、ポータブルコンピュータのクレイドル装置への装着動作を示す
【図11】図11(a)〜(c)は、ポータブルコンピュータのクレイドル装置からの離脱動作を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 電子機器システム、2 PCIバス、3 LPCバス、
10 ポータブルコンピュータ、11 本体、11a 前面、11b 側面、
11c 底面、11d 上面、11e 背面、12 表示部、12a LCD、
12b タブレット、13 カーソルキー、14A 左クリックスイッチ、
14B 右クリックスイッチ、15 マイク、16 電源スイッチ、17 USB端子、18 コネクタ、19 係合穴、20 クレイドル装置、21 筐体、21a 側壁、
21b 前壁、21c 後壁、21d 上壁、21e 底壁、21f 補強片、
21g 四角穴、21h ボス部、21i 取付け穴、21j 開口、22 スタンド、22a 側壁、22b 前壁、22c 後壁、22d 底壁、22e 開口、
22f 開口、22g 位置決め突起、22h 四角座、23 磁気センサ、24 底板、40 コネクタ、40a 案内部、41 台座、42 磁気センサ、43 コネクタ、
44 フィルム、45 弾性体、50 フック、50a ベース部、50b 爪部、
50c 軸部、50d 傾斜面、50e 水平面、51 巻きバネ、
51a,51b 端部、111 CPU、112 ノースブリッジ、113 主メモリ、
114 グラフィックスコントローラ、116 サウスブリッジ、
117 USBコントローラ、125 ネットワークコントローラ、
126 LANポート、
170 エンベデッドコントローラ/キーボードコントローラIC(EC/KBC)、
172 レジスタ、173 磁性体、180 電源回路、181 バッテリ、
182 ACアダプタ、211 スタッド、211a ネジ穴、212 ネジ、
213 ワッシャ、214 フック収納部、220 ボス部、221 ネジ穴、
300 メイン基板、301 電源端子部、302 USB端子、
303 ミニUSB端子、304 スペーサ、305 コネクタ、
306 フレキシブル配線基板、400 サブ基板、400a 取付け穴、
400b 位置決め穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着される電子機器を案内する電子機器案内部と、
前記電子機器案内部に装着された前記電子機器に接続するコネクタと、
前記コネクタが取り付けられた基板と、
前記基板の前記コネクタが取り付けられた面の面内方向に移動可能に前記基板を支持する水平方向支持部と、
前記基板の前記面内方向の移動量を規制し、前記コネクタより離れた前記基板の周縁部に設けられる水平移動量規制部と、
前記面内方向に垂直な方向に前記基板を移動可能に支持する垂直方向支持部とを備えた支持装置。
【請求項2】
前記水平移動量規制部は、前記基板に設けられる穴と、前記孔に収容されて前記基板の面内方向の移動量を規制する突起とを有する少なくとも2つの水平移動量規制部を備え、前記少なくとも2つの水平移動量規制部は、前記垂直方向支持部による前記基板の支持間隔より大なる距離を有して設けられている請求項1に記載の支持装置。
【請求項3】
前記垂直方向支持部は、前記基板に弾性力を付与する弾性力付与部材を備えた請求項1又は2に記載の支持装置。
【請求項4】
前記コネクタは、接続位置に案内する案内部を備えた請求項1に記載の支持装置。
【請求項5】
電子機器と、
装着される前記電子機器を案内する電子機器案内部と、前記電子機器案内部に装着された前記電子機器に接続するコネクタと、前記コネクタが取り付けられた基板と、前記基板の前記コネクタが取り付けられた面の面内方向に移動可能に前記基板を支持する水平方向支持部と、前記基板の前記面内方向の移動量を規制し、前記コネクタより離れた前記基板の周縁部に設けられる水平移動量規制部と、前記面内方向に垂直な方向に前記基板を移動可能に支持する垂直方向支持部とを有する支持装置とを備えた電子機器システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−157570(P2009−157570A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333968(P2007−333968)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】