説明

改善された性能を有する潤滑油組成物

【課題】改善された性能を有する潤滑油組成物の提供。
【解決手段】改善された酸化性能を有する安定化された潤滑油組成物を開示する。これらの潤滑油組成物は、該改善された性能を付与する、特定のフェノール系抗酸化剤と他の抗酸化剤の組み合わせを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善された酸化性能を有する潤滑油組成物を対象とする。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2000/22070号パンフレットは、少量のフェノール系抗酸化剤を含む長期間ガスエンジンオイル及び添加剤系を開示している。
【0003】
米国特許第5,711,767号明細書は、フェノール系抗酸化剤を含むガソリンにおけるガム形成の防止のための安定剤系を開示している。
【0004】
Titova,T.F.et al.in Zhurnal Organicheskoi Khimii 1984,20(9),1899−905は、ジメチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレートの合成を開示している。
【特許文献1】国際公開第2000/22070号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,711,767号明細書
【非特許文献1】Titova,T.F.et al.in Zhurnal Organicheskoi Khimii 1984,20(9),1899−905
【発明の開示】
【0005】
驚くべきことに、特定の抗酸化剤を含む潤滑油組成物が改善された酸化性能を示すことが発見された。
【0006】
本発明は、改善された酸化性能を有する潤滑油組成物に関するものであり、前記組成物は、
a)式(I)
【化1】

[式中、
1は、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基を表わし;
nは、1ないし4の整数を表わし;
2は、Hを表わすか又はR3の意味を有し;
3は、−(CH2x−COOR4(式中、xは1ないし10を表わし;
4は、1ないし24個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基又は部分式Eで表わされる基を表わす。)を表わし;
nが1を表わす場合、Eは1ないし24個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基を表わし;
nが2を表わす場合、Eは2ないし12個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキレン基又は1ないし5個のO原子又はS原子によって中断された前記アルキレン基を表わし;
nが3を表わす場合、Eは3ないし6個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルカントリイル基を表わし;
nが4を表わす場合、Eはペンタエリトリチル基を表わす。]で表わされる少なくとも
1種のヒンダードフェノール系抗酸化剤化合物;
b)少なくとも1種の更なる抗酸化剤化合物;及び、
c)基油
を含む。
【0007】
上記組成物において、成分a)と成分b)の総質量に対する成分a)の質量%は、約0.001%ないし約99.999%である。
【0008】
アルキル基は、直鎖又は枝分かれ鎖であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソ−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、3−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、ウンデシル基、n−ドデシル基、トリデシル基、n−テトラデシル基、ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−イコシル基、ヘプタデシル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、1,3−ジメチルブチル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、1−メチルヘキシル基、イソヘプチル基、1−メチルヘプチル基、1,1,3−トリメチルヘキシル基及び1−メチルウンデシル基である。
【0009】
特定の成分a)の化合物は、
ジメチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート、
ジイソオクチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート、及び
モノメチル−モノイソオクチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート、
からなる群から選択される式(I)で表わされるヒンダードフェノール系抗酸化剤化合物を含む。
【0010】
本発明の組成物における成分b)の抗酸化剤化合物は、フェノール系抗酸化剤である。
本発明の組成物における好ましい成分b)のフェノール系抗酸化剤は、
n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
イソオクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾール、
2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−4−第三ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリス[2−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、
3,5−ジ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
1−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−3,5−ジ(オクチルチオ)−s−トリアジン、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、
カルシウムビス(エチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート)、
エチレンビス[3,3−ジ(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、
オクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、
ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、
N,N’−ビス[2−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)−エチル]オキサミド、
2,6−ジ−第三ブチルフェノール、
2,4−ジ−第三ブチルフェノール、
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ペンタエリトリトールトリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
ペンタエリトリトールジ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、
ジ−n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、
N,N−ジ−(炭素原子数14ないし24のアルキル)−N−メチルアミンオキシド、
N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン及び
N,N−ジ(水素化牛脂)ヒドロキシルアミン、
からなる群から選択される。
【0011】
本発明の組成物における特に好ましい成分b)のフェノール系抗酸化剤は、
n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
イソオクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、
エチレンビス[3,3−ジ(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、
ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、
2,6−ジ−第三ブチルフェノール、
2,4−ジ−第三ブチルフェノール、
メチル 3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ペンタエリトリトールトリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナ
メート)、
ペンタエリトリトールジ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、及び
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、
からなる群から選択される。
【0012】
本発明の組成物における非常に好ましい成分b)のフェノール系抗酸化剤は、
n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
イソオクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
2,6−ジ−第三ブチルフェノール、
2,4−ジ−第三ブチルフェノール、
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ペンタエリトリトールトリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
ペンタエリトリトールジ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、及び
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、
からなる群から選択される。
【0013】
本発明に従った成分c)の基油としては、鉱油ベースの流体(API I、II及びIII群)、潤滑油ベースの原料油、ポリ−α−オレフィン−PAOs(API IV群)、エステル(API V群)、他の合成流体、動物又は植物由来の天然油及びそれらの混合物が利用される。基油は、エンジンオイル用として利用するのに適当な粘度を有するものである。
【0014】
組成物は、潤滑油として有用である。本発明の潤滑油は、例えば、内燃機関エンジンにおいて使用されるものである。本発明の油は、必要な潤滑粘度を有する。油は、例えば鉱油であるか、又は合成油及びそれらの混合物である。
【0015】
潤滑油ベースの原料油は、天然潤滑油、合成潤滑油又はそれらの混合物から誘導され得る。適当な潤滑油ベースの原料油は、合成ワックス及びスラックワックスの異性化によって得られ、並びに水素化分解に基づく原料油は、原油の(溶媒抽出よりむしろ)芳香族及び極性成分の水素化分解により製造される。
【0016】
天然潤滑油は、動物油、植物油(例えば、菜種油、ヒマシ及びラード油)、石油、鉱油及び石炭又は頁岩から誘導される油を含む。
【0017】
合成油は、炭化水素油及びハロ−置換炭化水素油、例えば、重合及び共重合オレフィン、アルキルベンゼン、ポリフェノール、アルキル化ジフェニルエーテル、アルキル化ジフェニルスルフィド並びにそれらの誘導体、類似体及び同族体等を含む。合成潤滑油は、アルキレンオキシドポリマー、共重合体、コポリマー及びそれらの誘導体(ここで、末端のヒドロキシ基は、エステル化、エーテル化等によって変性されている。)も含む。他の適当な合成潤滑油類は、ジカルボン酸と様々なアルコールのエステルを含む。合成油として有用なエステルは、炭素原子数5ないし12のモノカルボン酸とポリオール及びポリオールエーテルから製造されるものも含む。
【0018】
ポリアルキル−、ポリアリール、ポリアルコキシ又はポリアリールオキシ−シロキサン油及びシリケート油等のシリコンベースの油は、他の有用な合成潤滑油類を含む。他の合成潤滑油は、リン含有酸、ポリマー状テトラヒドロフラン、ポリαオレフィン等の液状エステルを含む。
【0019】
潤滑油は、未精製油、精製油、再精製油又はそれらの混合物から誘導され得る。未精製油は、自然源又は合成源(例えば、石炭、頁岩又はタール及びビチューメン)から更なる精製又は処理なく直接得られる。未精製油の例は、レトルト操作から直接得られるシェール油、蒸留から直接得られる石油又はエステル化工程から直接得られるエステル油を含み、その各々は、その後、更なる処理なく使用される。精製油は、1つ以上の性質を改善するために1つ以上の精製工程で処理されたことを除いて、未精製油と同様である。適当な精製技術は、蒸留、水素処理、脱ろう、溶媒抽出、酸又は塩基抽出、濾過及びパーコレーションを含み、その全ては当業者に既知である。再精製油は、精製油を得るために使用したのと同様の方法により精製油を処理することによって得られる。これらの再精製油はまた、再生油又は再加工油として既知であり、しばしば、使用済み添加剤及び油分解生成物を除去するための技術により更に加工される。
【0020】
ワックスの水素異性化から誘導される潤滑油ベースの原料油も単独で又は上記の天然及び/又は合成原料油と組み合わせて使用され得る。該ワックス異性化油は、水素異性化触媒の存在下において天然又は合成ワックス又はそれらの混合物を水素異性化することによって製造される。
【0021】
天然ワックスの例は、鉱油の溶媒脱ろうによって回収されるスラックワックスである;合成ワックスは、フィッシャー−トロプシュ法によって製造されるワックスである。結果として得られる異性化生成物は、溶媒脱ろう及び分別に付され、特定の粘度指数、一般に少なくとも130、好ましくは少なくとも135以上のVIを有し、かつ脱ろう後、約−20℃以下の流動点を有する様々な画分として回収される。
【0022】
本発明の要件を満たすワックス異性化油の製造は、米国特許第4,049,299号明細書及び米国特許第4,158,671号明細書に開示されている。
【0023】
グリース又は他の固体潤滑剤もまた、本発明に従った潤滑油である。
【0024】
合成炭化水素油は、長鎖アルカン、例えば、セタン及びオレフィンポリマー、例えば、オクタン及びデカンの三量体及び四量体を含む。これらの合成油は、1)約2ないし20個の炭素原子を有するモノカルボン酸のペンタエリトリトールエステル等のエステル油、2)ポリグリコールエーテル、3)ポリアセタール、及び4)シロキサン流体と混合され得る。合成エステルとして有用なものは、ポリカルボン酸と一価アルコールから製造されるものである。例えば、エステル流体は、ペンタエリトリトール又はジ−及びトリペンタエリトリトールとのその混合物と1ないし20個の炭素原子を含む脂肪族モノカルボン酸又はこのような酸の混合物から製造される。他の例は、トリメチロールプロパンと1ないし20個の炭素原子を含む脂肪族モノカルボン酸又はこのような酸の混合物から製造されるエステル流体である。
【0025】
本発明の潤滑油はまた、例えば原油、工業用潤滑油、切削油、金属工作流体及びグリースである。
【0026】
潤滑性が要求されるところの燃料、例えば特定の航空燃料等もまた、本発明に従った基油である。燃料は、例えば自動車用ガソリン、ディーゼル燃料又は燃料油等の炭化水素系の石油留出物である。アルコール、エーテル、有機ニトロ化合物(例えば、メタノール、
エタノール、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、ニトロメタン)等の非炭化水素系材料からなる液状燃料組成物も、トウモロコシ、アルファルファ、頁岩及び石炭等の植物又は鉱物源から誘導される液状燃料であるので、本発明の範囲内である。1種以上の炭化水素系燃料と1種以上の非炭化水素系材料の混合物である燃料も考慮される。このような混合物の例は、ガソリンとエタノールの組み合わせ及びディーゼル燃料とエーテルの組み合わせである。
【0027】
本発明の添加剤は、油に極圧性、耐磨耗性及び摩擦低減性を付与し、かつ、燃焼時に、自動車において慣用の触媒コンバーターに無害である。
【0028】
成分a)と成分b)の総質量に対する成分a)の質量%は、例えば約0.001ないし約99.999%である。例えば、成分a)と成分b)の総質量に対する成分a)の質量%は、約0.05%ないし約90.0%、約0.1%ないし約50.0%、又は約1.0%ないし約10.0%である。
【0029】
本発明の添加剤混合物である成分a)と成分b)の組み合わせは、例えば、全組成の約0.01質量%ないし約20.0質量%の総量で油組成物中に存在する。例えば、抗酸化剤組成物は、全組成の質量に基づき、約0.05質量%ないし約15.0質量%、約0.1質量%ないし約10.0質量%、約0.2質量%ないし約5.0質量%存在する。例えば、抗酸化剤組成物は、全組成の質量に基づき、約0.1質量%ないし約20.0質量%、約0.1質量%ないし約15.0質量%、又は約0.1質量%ないし約5.0質量%存在する。
【0030】
舶用ディーゼルエンジンのための潤滑組成物等の非常に不都合な条件下で使用される潤滑組成物において、本発明の添加剤は、潤滑組成物の総質量の約30.0質量%までの量又はそれ以上の量で存在し得る。
【0031】
本発明の添加剤は、燃料に基づき、約1ppmないし約50000ppmの量で燃料組成物中に存在する。例えば、添加剤は、燃料の質量に基づき、約4ppmないし約5000ppmの量で存在する。
【0032】
本発明の他の目的は、成分a)及び成分b)の組み合わせに基づく抗酸化剤混合物である。
【0033】
従って、
a)式中、R1、R2、R3、R4及びEが上記で定義した通りである式(I)で表わされる少なくとも1種のヒンダードフェノール系抗酸化剤化合物;及び、
b)少なくとも1種の更なる抗酸化剤化合物
の混合物を含む抗酸化剤組成物も開示する。
【0034】
本発明はまた、更に、e)少なくとも1種の酸化、熱又は光誘発分解の悪影響を受けやすい有機材料を含む上記で定義した組成物に関する。
【0035】
本発明は、更に、成分e)の酸化、熱又は光誘発分解に敏感な有機材料及び成分a)の式(I)で表わされる少なくとも1種の化合物及び成分b)の少なくとも1種の抗酸化剤化合物を含む組成物に関する。
【0036】
本発明はまた、成分e)の酸化、熱又は光誘発分解に敏感な有機材料を安定化するための方法であって、該方法は、該材料に成分a)の式(I)で表わされる少なくとも1種の化合物及び成分b)の少なくとも1種の抗酸化剤化合物を添加することからなる方法に関
する。
【0037】
抗酸化剤の配合により効果を得る成分e)の有機材料は、ポリマー、例えば合成ポリマー、特に熱可塑性ポリマーである。特に好ましい成分e)の有機材料は、ポリオレフィン及びスチレンコポリマー、例えば米国特許第5,478,875号明細書の1ないし3項及び6及び7項で言及されるものである。特に好ましい成分e)の有機材料は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ABS及びスチレン/ブタジエンコポリマーである。それ故、本発明は、好ましくは、成分e)の有機材料が合成有機ポリマー又は該ポリマーの混合物、特にポリオレフィン又はスチレンコポリマーであるところの組成物に関する。
【0038】
本発明はまた、
b)上記で定義した成分b)に従った少なくとも1種の抗酸化剤化合物;及び、
c)基油
を含む潤滑油組成物における酸化性能を改善するための方法であって、該方法は、前記潤滑油組成物中に上記で定義した式(I)で表わされる成分a)の化合物を少なくとも1種配合することからなる方法に関する。
【0039】
本発明に従って安定化された潤滑油は、更に又は所望により、これらの配合物の基本特性を更に改善するために添加される他の添加剤である成分d)を含み得る。該添加剤は、他の抗酸化剤、金属不動態化剤、さび止め剤、腐食抑制剤、粘度指数向上剤、極圧添加剤、流動点降下剤、固体潤滑剤、分散剤、洗浄剤、消泡剤、色安定剤、更なる極圧添加剤、乳化破壊剤、摩擦調整剤及び磨耗防止剤を含む。該添加剤は、潤滑油に基づき、約0.01質量%ないし10.0質量%の範囲で、各場合において慣用の量で添加される。
【0040】
このような更なる添加剤の例を以下に示す:
抗酸化剤の例は、以下に示すものである:
1)アルキル化モノフェノール、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノール、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、線状又は側鎖において枝分かれしたしたノニルフェノール、例えば、2,6−ジ−ノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノール又はそれらの混合物。
【0041】
2)アルキルチオメチルフェノール、例えば、2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール又は2,6−ジ−ドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0042】
3)ヒドロキノン及びアルキル化ヒドロキノン、例えば、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ−第三ブチルヒドロキノン、
2,5−ジ−第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ−第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート又はビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0043】
4)トコフェロール、例えば、α−、β−、γ−又はδ−トコフェロール又はそれらの混合物(ビタミンE)。
【0044】
5)ヒドロキシル化チオジフェニルエーテル、例えば、2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ−第二アミルフェノール)又は4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0045】
6)アルキリデンビスフェノール、例えば、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス[6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール]、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル]テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン又は1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0046】
7)O−、N−及びS−ベンジル化合物、例えば、3,5,3’,5’−テトラ−第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ−第三ブチル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジル)スルフィド又はイソオクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルメルカプトアセテート。
【0047】
8)ヒドロキシベンジル化マロネート、例えば、ジオクタデシル2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート又はジ[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0048】
9)芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン又は2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0049】
10)トリアジン化合物、例えば、2,4−ビスオクチルメルカプト−6−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン又は1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0050】
11)ベンジルホスホネート、例えば、ジメチル2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルベンジルホスホネート又は3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0051】
12)アシルアミノフェノール、例えば、4−ヒドロキシラウルアニリド、4−ヒドロキシステアルアニリド又はオクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)カルバメート。
【0052】
13)β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸、β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸、3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸又はβ−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−チア酪酸の以下の一価又は多価アルコールとのエステル、アルコール例、メタノール、エタノール、n−オクタノール、i−オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチル−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン、グリセロール又は例えば、ココナッツ油、ナタネ油、ヒマワリ油又は菜種油の天然トリグリセリドに基づくエステル交換生成物。
【0053】
14)β−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミド、例えば、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン又はN,N’−ビス(3,5−ジ−
第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン。
【0054】
1)ないし14)項の上記列挙は、従来技術においてよく知られたフェノール系抗酸化剤の例を含む。
【0055】
15)アスコルビン酸(ビタミンC)。
【0056】
16)アミン系抗酸化剤、例えば、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチル−ペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチル−ヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジシクロヘキシル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−(ナフト−2−イル)−p−フェニレンジアミン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、4−(p−トルエンスルホンアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−第二ブチル−p−フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N−アリルジフェニルアミン、4−イソプロポキシ−ジフェニルアミン、N−フェニル−1−ナフチルアミン、N−(4−第三オクチルフェニル)−1−ナフチルアミン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、例えば、p,p’−ジ−第三オクチルジフェニル−アミン、4−n−ブチルアミノフェノール、4−ブチリルアミノ−フェノール、4−ノナノイルアミノ−フェノール、4−ドデカノイルアミノフェノール、4−オクタデカノイルアミノ−フェノール、ジ−(4−メトキシフェニル)−アミン、2,6−ジ−第三ブチル−4−ジメチルアミノ−メチル−フェノール、2,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタン、1,2−ジ−[(2−メチル−フェニル)−アミノ]−エタン、1,2−ジ−(フェニルアミノ)プロパン、(o−トリル)ビグアニド、ジ[4−(1’,3’−ジメチル−ブチル)−フェニル]アミン、第三オクチル化N−フェニル−1−ナフチルアミン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ノニルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化ドデシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化イソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−4H−1,4−ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノ−及びジアルキル化第三ブチル/第三オクチル−フェノチアジンの混合物、モノ−及びジアルキル化第三オクチル−フェノチアジンの混合物、N−アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’−テトラフェニル−1,4−ジアミノブテ−2−エン、N,N−ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニ−4−イル)セバケート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オン又は2,2,6,6−テトラメチルピペリジノ−4−オール。
【0057】
17)脂肪族又は芳香族ホスフィット、チオジプロピオン酸又はチオジ酢酸のエステル、又は、ジチオカルバミン酸又はジチオリン酸の塩、2,2,12,12−テトラメチル−5,9−ジヒドロキシ−3,7,1−トリチアトリデカン又は2,2,15,15−テトラメチル−5,12−ジヒドロキシ−3,7,10,14−テトラチアヘキサデカン。
【0058】
例えば、銅のための金属不動態化剤の例は、以下のものである:
1)ベンゾトリアゾール及びそれらの誘導体、例えば4−又は5−アルキルベンゾトリアゾール(例えば、トルトリアゾール)及びその誘導体、4,5,6,7−テトラヒドロ
ベンゾトリアゾール、5,5’−メチレンビスベンゾトリアゾール;ベンゾトリアゾール又はトルトリアゾールの、例えば1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]トルトリアゾール及び 1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−ベンゾトリアゾールのマンニッヒ塩基;アルコキシアルキルベンゾトリアゾール、例えば1−(ノニルオキシメチル)−ベンゾトリアゾール、1−(1−ブトキシエチル)−ベンゾトリアゾール及び1−(1−シクロヘキシルオキシブチル)−トルトリアゾール。
【0059】
2)1,2,4−トリアゾール及びその誘導体、例えば3−アルキル(又はアリール)−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、例えば1−[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,2,4−トリアゾールのマンニッヒ塩基;アルコキシアルキル−1,2,4−トリアゾール、例えば1−(1−ブトキシエチル)−1,2,4−トリアゾール;アシル化3−アミノ−1,2,4−トリアゾール。
【0060】
3)イミダゾール誘導体、例えば4,4’−メチレンビス(2−ウンデシル−5−メチル−イミダゾール)、ビス((N−メチル)イミダゾリ−2−イル)カルビノールオクチルエーテル。
【0061】
4)硫黄含有複素環式化合物、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ル、2,5−ジメルカプトベンゾチアジアゾール及びそれらの誘導体;3,5−ビス[ジ(2−エチルヘキシル)アミノメチル]−1,3,4−チアジアゾリノ−2−オン。
【0062】
5)アミノ化合物、例えばサリチリデンプロピレンジアミン、サリチルアミノグアニジン及びそれらの塩。
【0063】
さび止め剤の例は、以下のものである:
1)有機酸、それらのエステル、金属塩、アミン塩及び無水物、例えば、アルキル−及びアルケニル琥珀酸及びアルコール、ジオール又はヒドロキシカルボン酸とのその部分エステル、アルキル−及びアルケニル琥珀酸の部分アミド、4−ノニルフェノキシ酢酸、アルコキシ−及びアルコキシエトキシカルボン酸、例えばドデシルオキシ酢酸、ドデシルオキシ(エトキシ)酢酸及びそれらのアミン塩、及びまた、N−オレオイルサルコシン、ソルビタンモノオレエート、ナフテン酸鉛、アルケニル無水琥珀酸、例えば、ドデセニル無水琥珀酸、2−(2−カルボキシエチル)−1−ドデシル−3−メチルグリセロール及びその塩、特にナトリウム及びトリエタノールアミン塩。
【0064】
2)窒素含有化合物、例えば、
i)第一級、第二級又は第三級脂肪族又は脂環式アミン及び有機酸及び無機酸のアミン塩、例えば油溶性アルキルアンモニウムカルボキシレート、及びまた、1−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−3−(4−ノニルフェノキシ)プロパノ−2−オール。
ii)複素環式化合物、例えば置換イミダゾリン及びオキサゾリン、2−ヘプタデセニル−1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾリン。
【0065】
3)リン含有化合物、例えばリン酸部分エステル又はホスホン酸部分エステルのアミン塩、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート。
【0066】
4)硫黄含有化合物、例えば、バリウムジノニルナフタレン−スルホネート、カルシウム石油スルホネート、アルキルチオ置換脂肪族カルボン酸、脂肪族2−スルホカルボン酸のエステル及びそれらの塩。
【0067】
5)グリセロール誘導体、例えばグリセロールモノオレエート、1−(アルキルフェノキシ)−3−(2−ヒドロキシエチル)グリセロール、1−(アルキルフェノキシ)−3−(2,3−ジヒドロキシプロピル)グリセロール、2−カルボキシアルキル−1,3−ジアルキルグリセロール。
【0068】
有用な粘度指数向上剤は、完成したオイルの粘性の増加に影響を与えるあらゆるポリマーを含む。それらは、一般に、約2000ないし1000000、好ましくは約50000ないし200000の範囲の分子量(Mw)を有する炭化水素ベースのポリマーである。粘度指数向上剤ポリマーは、オレフィンコポリマー、例えばエチレン−プロピレンコポリマー、エチレン−(イソ)−ブチレンコポリマー、プロピレン−(イソ)−ブチレンコポリマー、エチレン−ポリαオレフィンコポリマー、ポリメタクリレート;スチレン−ジエンブロックコポリマー、例えばスチレン−イソプレンコポリマー及び星型コポリマー;ポリアクリレート、ビニルピロリドン/メタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリブテン、スチレン/アクリレートコポリマー及びポリエーテルを含む。粘度指数向上剤は、例えば分散性、流動点降下等の第二の潤滑性能特性を付与する置換基を有する単官能価又は多官能価のものであり得る。
【0069】
流動点降下剤の例は、ポリメタクリレート又はアルキル化ナフタレン誘導体である。
【0070】
分散剤/界面活性剤の例は、ポリブテニルスクシンアミド又は−イミド、ポリブテニルホスホン酸誘導体、及び塩基性マグネシウム、カルシウム及びバリウムスルホネート、フェノレート及びサリチレートである。
【0071】
消泡剤の例は、シリコーンオイル及びポリメタクリレンである。
【0072】
乳化破壊剤は、例えばポリエーテルポリオール及びジノニルナフタレンスルホネートから選択される。
【0073】
摩擦調整剤は、例えば脂肪酸及びそれらの誘導体(即ち、グリセロールモノオレエート等の脂肪酸の天然エステル。)、アミド、イミド及びアミン(即ち、オレイルアミン。)、硫黄含有有機モリブデンジチオカルバメート、硫黄−リン含有有機モリブデンジチオホスフェート、硫黄−窒素含有有機モリブデン化合物ベースの分散剤、モリブデンカルボン酸塩、モリブデン−アミン錯体、モリブデンアミン/アルコール/アミド錯体及びモリブデンクラスター化合物、テフロン(登録商標)及びモリブデンジスルフィドから選択される。
【0074】
磨耗防止剤の例は、硫黄−及び/又はリン−及び/又はハロゲン−含有化合物、例えば硫化オレフィン及び植物油、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート、トリトリルホスフェート、トリクレシルホスフェート、塩素化パラフィン、アルキル及びアリールジ−及びトリスルフィド、モノ−及びジアルキルホスフェートのアミン塩、メチルホスホン酸のアミン塩、ジエタノールアミノメチルトリルトリアゾール、ジ−(2−エチルヘキシル)−アミノメチルトリルトリアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾ−ルの誘導体、エチル(ビスイソプロピルオキシホスフィノチオイル)チオプロピオネート、トリフェニルチオホスフェート、(トリフェニルホスホロチオエート)、トリス(アルキルフェニル)ホスホロチオエート及びそれらの混合物、例えば、トリス(イソノニルフェニル)ホスホロチオエート、ジフェニルモノノニルフェニルホスホロチオエート、イソブチルフェニルジフェニルホスホロチオエート、3−ヒドロキシ−1,3−チアホスフェタン3−オキシドのドデシルアミン塩、トリチオリン酸5,5,5−トリス−イソオクチル2−アセテート、2−メルカプトベンゾチアゾールの誘導体、例えば1−N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル−2−メルカプト−1H−1,3−ベンゾチアゾール及び
エトキシカルボニル5−オクチルジチオカルバメートである。
【0075】
ジヒドロカルビルジチオホスフェート金属塩において、金属はアルミニウム、鉛、錫、マンガン、コバルト、ニッケル、亜鉛又は銅であるが、大抵の場合は亜鉛である。亜鉛塩(亜鉛ジアルキルジチオホスフェート)は、
【化2】

(式中、R及びR’は、互いに独立して、炭素原子数1ないし20のアルキル基、炭素原子数3ないし20のアルケニル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数7ないし13のアラルキル基又は炭素原子数6ないし10のアリール基を表わし、例えばR及びR’は、独立して炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わす。)で表わされる。
【0076】
適当な磨耗防止剤は、米国特許第4,584,021号明細書;米国特許第5,798,321号明細書;米国特許第5,750,478号明細書;米国特許第5,801,130号明細書;米国特許第4,191,666号明細書;米国特許第4,720,288号明細書;米国特許第4,025,288号明細書;米国特許第4,025,583号明細書及び国際出願公開第095/20592号パンフレットに記載されており、アミン、例えば米国特許第4,267,063号明細書に記載されるポリアルキレンアミン、例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデシルアミン及びアリールアミン、特定のアミンからなるアミンホスフェートの塩及び、モノ−及びジ−酸ホスフェートの混合物;構造式
【化3】

(式中、
27は、水素原子、未置換の又は少なくとも1個の炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換された炭素原子数1ないし25の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、飽和した非環式又は脂環式基、又はアリール基を表わし;
28は、未置換の又は少なくとも1個の炭素原子数1ないし6のアルコキシ基によって置換された炭素原子数1ないし25の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、飽和非環式基又は脂環式基、又はアリール基を表わし;
29は、水素原子、炭素原子数1ないし25の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、飽和又は不飽和非環式基又は脂環式基又はアリール基を表わし;水素原子又は炭素原子数1ないし12の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基を表わし;
30及びR31は、各々互いに独立して、炭素原子数1ないし25の直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基、飽和又は不飽和非環式基又は脂環式基又はアリール基を表わし、
好ましくは、R27及びR28は、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし12のアルキル基を表わし、R29、R30及びR31は、直鎖の又は枝分かれした炭素原子数1ないし18のアルキル基を表わす。)を有するモノ−及びジ−酸ホスフェートアミンである。
【0077】
イルガルベ 349(登録商標:Irgalube)(チバ スペシャルティ ケミカ
ルズ)は、特に、厳しい米軍性能規格を満たすように基油の磨耗性能を強化するため、非常に有用であることが発見された。イルガルベ 349は、式
【化4】

(式中、R33は、n−ヘキシル基を表わし、R34は、炭素原子数11ないし14の枝分かれしたアルキル基を表わし、x=1の場合、y=2であり、x=2の場合、y=1である。)に相当する。
【0078】
他の慣用の磨耗防止剤は、式
【化5】

(式中、R1及びR2は、互いに独立して、炭素原子数3ないし18のアルキル基、炭素原子数5ないし12のシクロアルキル基、炭素原子数5ないし6のシクロアルキルメチル基、炭素原子数9ないし10のビシクロアルキルメチル基、炭素原子数9ないし10のトリシクロアルキルメチル基、フェニル基又は炭素原子数7ないし24のアルキルフェニル基を表わすか、又は一緒になって(CH32C(CH22を表わし、R3は、水素原子又はメチル基を表わす。)で表わされる化合物である。
【0079】
典型的な化合物は、イルガルベ 353(登録商標:Irgalube)(チバ スペシャルティ ケミカルズ)、ジアルキルジチオホスフェートエステル、CAS登録番号268567−32−4である。
【0080】
潤滑油組成物は、抗酸化剤添加剤に加えて、他の既知の添加剤も含み得る。これらは、アンチノック剤、例えばテトラアルキル鉛化合物、鉛掃去剤、例えばハロアルカン(例えば、二塩化エチレン及び二臭化エチレン)、デポジット防止剤又は変性剤、例えばトリアリールホスフェート、染料、セタン価向上剤、抗酸化剤、例えば2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、さび止め剤、例えばアルキル化琥珀酸及び無水物、制菌剤、ガム抑制剤、金属奪活剤、乳化破壊剤、上部シリンダー潤滑剤及び防氷剤を含む。
【0081】
本発明の抗酸化剤組成物は、本質的に既知の方法で潤滑油中に導入され得る。化合物は、油に容易に溶解する。それらは、潤滑油に直接添加され得るか、又は本質的に不活性の通常は液体の有機希釈剤、例えばナフサ、ベンゼン、トルエン、キシレン又は通常の液体油又は燃料で希釈され、添加剤濃縮物又はマスターバッチを形成し得る。これらの濃縮物は、一般に約10質量%ないし約90質量%の添加剤を含み、かつ少なくとも1種の他の更なる添加剤を含み得る。本発明の抗酸化剤組成物は、添加剤パッケージの一部として導入され得る。
【0082】
本発明を以下の実施例で更に説明する。
実施例1:オクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート。
実施例2−13:抗酸化剤組成物。
実施例14−18:適用例。
【実施例】
【0083】
実施例1:オクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(256.0g、0.88mol)及びイソオクタノール(133.0g、0.91mol)を必要な補助装置を備えた研究室用反応器に添加した。混合物を0.04バールの減圧下で85℃まで加熱した。15分後、減圧を解除し、アルミニウムイソプロポキシド(1.77g、0.0087mol、ローヌ−プーラン(Rhone−Poulenc)、マナロックス 130(登録商標:Manalox))を添加した。反応塊を、0.1バールの減圧下で130℃まで加熱した。2時間後、反応塊を、0.04バールの減圧下で165℃まで1時間加熱した。過剰なイソオクタノールを、165℃において減圧蒸留により除去した。校正ガスクロマトグラフィーにより測定された純度が97%であるところの表題の化合物(331.0g、収率97%)を、淡黄色オイルとして得た。
【0084】
実施例2:抗酸化剤組成物
フェノール系抗酸化剤及びホスフィットを有機溶媒、例えばメタノール及びイソプロパノールから結晶化した。これらの溶媒流を一緒にブレンドし、該溶媒を蒸留により回収した。溶媒蒸留後に残る残渣は、2,6−ジ−第三ブチルフェノール:5.4質量%;2,4−ジ−第三ブチルフェノール:0.35質量%;メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート:21.2質量%;化合物A:29.0質量%;チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート):3.7質量%;ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート):2.2質量%;ペンタエリトリトールトリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート):5.9質量%;ペンタエリトリトールジ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート):4.3質量%;n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート:4.2質量%;及びトリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット:0.3質量%を含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)。
化合物Aは、
【化6】

:ジメチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレートである。
【0085】
実施例3:抗酸化剤組成物
フェノール系抗酸化剤を、それらの製造中、蒸留によって精製した。残った蒸留残渣は、2,6−ジ−第三ブチルフェノール:42.3質量%;2,4−ジ−第三ブチルフェノール:0.85質量%;メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート:29.0質量%;及び、化合物A(実施例2の構造式で表わされる。):27.9質量%を含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)。
【0086】
実施例4:抗酸化剤組成物
実施例1に従って得られた組成物(80.0g、0.21mol)、実施例2に従って得られた組成物(20.0g)及びメタノール(2.8g、0.088mol)をフラスコに入れ、均一になるまで攪拌した。その後、溶液を減圧下で加熱し、水分及びメタノールを除去した。恒量となるまで蒸留を続けた。抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとし
て得た(99.0g)。
【0087】
実施例5:抗酸化剤組成物
実施例1に従った組成物(90.0g、0.23mol)、実施例2に従った組成物(10.0g)及びメタノール(1.4g、0.044mol)をフラスコに入れ、均一になるまで攪拌した。その後、溶液を減圧下で加熱し、水分及びメタノールを除去した。恒量となるまで蒸留を続けた。表題の抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(98.0g)。
【0088】
実施例6:抗酸化剤組成物
実施例1に従った組成物(95.0g、0.24mol)、実施例2に従った組成物(5.0g)及びメタノール(0.7g、0.022mol)をフラスコに入れ、均一になるまで攪拌した。溶液を減圧下で加熱し、水分及びメタノールを除去した。恒量となるまで蒸留を続けた。抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(99.0g)。
【0089】
実施例7:抗酸化剤組成物
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(254.0g、0.87mol)、イソオクタノール(142.5g、1.09mol、エクソン社製エクザル 8(Exxal 8))及び実施例2に従った組成物(51.0g)を反応フラスコに入れ、減圧下で85℃まで加熱した。減圧を解除し、アルミニウムイソプロポキシド(5.0g、0.025mol、ローヌ−プーラン、マナロックス 130)を少しずつ添加した。減圧下で130℃まで加熱した。7時間後、温度を165℃まで3時間で上げた。過剰なイソオクタノールを減圧下で蒸留により除去した。(混合物として)イソオクチルエステルを87.6質量%含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(380.2g)。
【0090】
実施例8:抗酸化剤組成物
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(125.0g、0.43mol)、イソオクタノール(75.0g、0.58mol、エクソン社製エクザル 8(Exxal 8))及び実施例3に従った組成物(30.3g)を反応フラスコに入れ、減圧下で87℃まで加熱した。減圧を解除し、アルミニウムイソプロポキシド(0.78g、0.004mol、ローヌ−プーラン、マナロックス 130)を添加した。0.13バールの減圧下で150℃まで加熱した。2時間半後、過剰なイソオクタノールを減圧下で蒸留により除去した。(混合物として)イソオクチルエステルを88.2質量%含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(187.3g)。
【0091】
実施例9:抗酸化剤組成物
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(10.224g、34.97mol)、イソオクタノール(6002.0g、46.1mol、エクソン社製エクザル 8(Exxal 8))及び実施例3に従った組成物(1139.0g)を反応フラスコに入れ、減圧下で100℃まで加熱した。減圧を解除し、アルミニウムイソプロポキシド(244.2g、1.25mol、ローヌ−プーラン、マナロックス 130)を添加した。減圧下で150℃まで加熱した。1時間後、温度を165℃まで3時間で上げた。過剰なイソオクタノールを減圧下で蒸留により除去した。(混合物として)イソオクチルエステルを90.8質量%含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(15.164g)。
【0092】
実施例10:抗酸化剤組成物
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(8640g、2
9.5mol)、イソオクタノール(5339.0g、41mol、エクソン社製エクザル 8(Exxal 8))及び実施例2に従った組成物(2229.0g)を反応フラスコに入れ、減圧下で100℃まで加熱した。減圧を解除し、アルミニウムイソプロポキシド(120.0g、0.62mol、ローヌ−プーラン、マナロックス 130)を添加した。減圧下で150℃まで加熱した。2時間半後、過剰なイソオクタノールを減圧下で蒸留により除去した。(混合物として)イソオクチルエステルを88.1質量%含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(13,497g)。
【0093】
実施例11:抗酸化剤組成物
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(8909.0g、30.5mol)、イソオクタノール(4999.0g、38.4mol、エクソン社製エクザル 8(Exxal 8))及び実施例2に従った組成物(1815.0g)を反応フラスコに入れ、減圧下で100℃まで加熱した。減圧を解除し、アルミニウムイソプロポキシド(174.0g、0.89mol、ローヌ−プーラン、マナロックス 130)を少しずつ添加した。減圧下で130℃まで加熱した。7時間後、温度を165℃まで3時間で上げた。過剰なイソオクタノールを減圧下で蒸留により除去した。(混合物として)イソオクチルエステルを89.0質量%含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(13,834g)。
【0094】
実施例12:抗酸化剤組成物
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート(100kg)、イソオクタノール(62.9kg、エクソン社製エクザル 8(Exxal 8))及び実施例3に従った組成物(30.7kg)を反応器に入れ、減圧下で100℃まで加熱した。減圧を解除し、アルミニウムイソプロポキシド(650.0g、3.3mol、ローヌ−プーラン、マナロックス 130)を添加した。0.2バールの減圧下で150℃まで加熱した。2時間半後、過剰なイソオクタノールを減圧下で蒸留により除去した。(混合物として)イソオクチルエステルを85.9質量%含む(校正ガスクロマトグラフィーにより分析。)抗酸化剤組成物を淡い琥珀色のオイルとして得た(356.9ポンド)。
【0095】
実施例13:抗酸化剤組成物
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、イソオクタノール及び実施例3に従った組成物を反応器に入れ、減圧下で100℃まで加熱した。減圧を解除し、マナロックス 130を添加した。0.2バールの減圧下で150℃まで加熱した。2時間半後、過剰なイソオクタノールを減圧下で蒸留により除去した。これらの反応条件下で、ジメチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート、ジイソオクチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート及びモノメチル−モノイソオクチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレートが生成した。
【0096】
実施例14:引火点試験
揮発性の可燃性成分が存在しないことを確認するため、実施例に基づき引火点試験を行った。試料を、22.2℃、60.6℃及び92.8℃においてエールドコ ラピッド テスター モデルRT−1(Erdco Rapid Tester Model RT−1)を使用して試験した。結果を以下にまとめた。
【表1】

該結果は、組成物が揮発性の可燃性成分を含まないことを示した。
【0097】
実施例15:TGA分析
高温における揮発性を評価するために、いくつかの典型的な実施例に従った組成物を用いて熱重量分析(TGA)を行った。温度の増加に対する試料の質量損失を測定し、10%及び50%の質量損失が生じるところの温度を示した。結果を以下にまとめた。
【表2】

データは、組成物が、従来技術で既知の化合物である実施例1に従った化合物よりも揮発性ではないことを示した。
【0098】
実施例16:高温デポジット試験
組成物の乗用車用モーターオイル及びディーゼルエンジンオイル配合物等の潤滑剤におけるデポジット形成の抑制能力を評価した。スチールカップ上のオイルの薄膜をアルコル
マイクロ カーボン レジデュー テスター(Alcor Micro Carbon
Residue Tester)中で230℃において長時間加熱した。各時間間隔後、カップをヘキサンで洗浄し、残った残渣の量を決定した。設定時間間隔間に基本配合物によって形成されるデポジットと基本配合物と安定剤によって形成されるデポジットの差(%)を比較した。デポジット形成における有意な減少度は、性能指数(PI)を示す比で評価した。試料は、PIが高いほど、デポジット形成の制御においてより良好である。各配合物は、リンを0.05質量%含有するGF−4型配合物である完全配合SAE 5W−30乗用車用モーターオイル中に安定剤を1.5質量%含む。
【表3】

【0099】
実施例17:ホットチューブ試験
組成物を、オイル試料のデポジット形成性を測定する試験で評価した。試験において、油滴を248℃に加熱したガラス毛管チューブ内部の圧縮空気によって上方に押した。試験オイルは、16時間、チューブを通して上昇浸透し、チューブ内壁上にラッカーを形成した。試験の終わりにおいて、チューブを洗浄し、乾燥させ、0−10の尺度で清浄度を評価した(0:汚い、10:清浄)。
各配合物は、リンを0.05質量%含有するGF−4型配合物である完全配合SAE 5W−30乗用車用モーターオイル中に安定剤を1.5質量%含む。2つの試験の平均を示すデータを以下にまとめた。
【表4】

【0100】
実施例18:HPDSC試験
高圧示差走査熱量計(HPDSC)は、様々な基材における添加剤の酸化性能を評価する分析技術である。TAインストゥルメント モデル 2920(TA Instruments Model 2920)を評価のために使用した。評価する材料の揮発を防止するために、試験は加圧下で行った。この評価において、アルミニウム皿中の試料を、空気で0.519バールまで加圧したセル中で210℃において等温的に加熱した。発熱反応が発生するまでの時間(酸化誘発時間)を測定した。酸化誘発時間が長いほど、試料はより安定である。各配合物は、リンを0.05質量%含有するGF−4型配合物である完全配合SAE 5W−30乗用車用モーターオイル中に安定剤を1.5質量%含む。2つの試験の平均を示すデータを以下にまとめた。
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)式(I)
【化1】

[式中、
1は、1ないし4個の炭素原子を有するアルキル基を表わし;
nは、1ないし4の整数を表わし;
2は、Hを表わすか又はR3の意味を有し;
3は、−(CH2x−COOR4(式中、xは1ないし10を表わし;
4は、1ないし24個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基又は部分式Eで表わされる基を表わす。)を表わし;
nが1を表わす場合、Eは1ないし24個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキル基を表わし;
nが2を表わす場合、Eは2ないし12個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルキレン基又は1ないし5個のO原子又はS原子によって中断された前記アルキレン基を表わし;
nが3を表わす場合、Eは3ないし6個の炭素原子を有する直鎖又は枝分かれ鎖のアルカントリイル基を表わし;
nが4を表わす場合、Eはペンタエリトリチル基を表わす。]で表わされる少なくとも1種のヒンダードフェノール系抗酸化剤化合物;
b)少なくとも1種の更なる抗酸化剤化合物;及び、
c)基油
を含む潤滑油組成物。
【請求項2】
前記成分a)が、
ジメチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート、
ジイソオクチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート、及び
モノメチル−モノイソオクチルα−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)グルタレート、
からなる群から選択される式(I)で表わされるヒンダードフェノール系抗酸化剤化合物を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分b)のフェノール系抗酸化剤化合物が、
n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
イソオクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
3,6−ジオキサオクタメチレンビス(3−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
2,6−ジ−第三ブチル−p−クレゾール、
2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−4−第三ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、
1,3,5−トリス[2−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、
3,5−ジ−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)メシトール、
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
1−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−3,5−ジ(オクチルチオ)−s−トリアジン、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、
カルシウムビス(エチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ホスホネート)、
エチレンビス[3,3−ジ(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、
オクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、
ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、
N,N’−ビス[2−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイルオキシ)−エチル]オキサミド、
2,6−ジ−第三ブチルフェノール、
2,4−ジ−第三ブチルフェノール、
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ペンタエリトリトールトリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
ペンタエリトリトールジ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、
ジ−n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、
N,N−ジ−(炭素原子数14ないし24のアルキル)−N−メチルアミンオキシド、
N,N−ジアルキルヒドロキシルアミン及び
N,N−ジ(水素化牛脂)ヒドロキシルアミン、
からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
成分b)のフェノール系抗酸化剤化合物が、
n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
イソオクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、
ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
N,N’−ヘキサメチレン−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナムアミド)、
エチレンビス[3,3−ジ(3−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブチレート]、
ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナモイル)ヒドラジド、
2,6−ジ−第三ブチルフェノール、
2,4−ジ−第三ブチルフェノール、
メチル 3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ペンタエリトリトールトリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
ペンタエリトリトールジ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、及び
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、
からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
成分b)のフェノール系抗酸化剤化合物が、
n−オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
イソオクチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ネオペンタンテトライルテトラキス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
チオジエチレンビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
2,6−ジ−第三ブチルフェノール、
2,4−ジ−第三ブチルフェノール、
メチル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、
ペンタエリトリトールトリス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、
ペンタエリトリトールジ(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)、及び
トリス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスフィット、
からなる群から選択される請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
更に、d)他の抗酸化剤、金属不動態化剤、さび止め剤、腐食抑制剤、粘度指数向上剤、極圧添加剤、流動点降下剤、固体潤滑剤、分散剤、洗浄剤、消泡剤、色安定剤、更なる極圧添加剤、乳化破壊剤、摩擦調整剤及び磨耗防止剤からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
b)上記で定義した成分b)に従った少なくとも1種の抗酸化剤化合物;及び
c)基油
を含む潤滑油組成物における酸化性能を改善するための方法であって、該方法は、前記潤滑油組成物中に請求項1で定義した式(I)で表わされる成分a)の化合物を少なくとも1種配合することからなる方法。
【請求項8】
a)式中、R1、R2、R3、R4及びEが請求項1で定義した通りである式(I)で表わされる少なくとも1種のヒンダードフェノール系抗酸化剤化合物;及び、
b)少なくとも1種の更なる抗酸化剤化合物
の混合物を含む抗酸化剤組成物。
【請求項9】
更に、e)少なくとも1種の酸化、熱又は光誘発分解の悪影響を受けやすい有機材料を含む請求項8に記載の抗酸化剤組成物。



【公表番号】特表2008−510053(P2008−510053A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526448(P2007−526448)
【出願日】平成17年8月8日(2005.8.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053883
【国際公開番号】WO2006/018403
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】