説明

改善された高周波アンテナ

本発明は、無線周波数識別(RFID)を実施する拡張された読み取り範囲を有するアンテナであって、動作周波数と読み取り範囲とを設定する同調回路(101)と、形状とサイズとにおいてカスタマイズできるアンテナ(102)と、同調回路(101)に接続されていて、且つ高周波読み取り装置(106)を通じてコンピュータに接続するBNCコネクタ(105)を使用して、コンピュータで終端している同軸ケーブル(103)と、全てのコンポーネントを収容するプラスチックケーシング(104)と、情報を読み取って表示するアプリケーションソフトウェア(107)と、を使用する、アンテナを開示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数に関する。より具体的には、本発明は、無線周波数識別(radio frequency identification, RFID)を実施する拡張された読み取り範囲を有する、改善されたアンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
無線周波数識別RFIDは、理論的には、バーコード識別に類似した技術である。RFIDの場合は、電磁スペクトルの無線周波数部分における電磁結合を使用して、信号を送信する。一般に、RFIDシステムは、アンテナ又はコイルと、デコーダを備えたトランシーバと、内部の固有の情報を使って電子的にプログラムされたRFタグ又はトランスポンダとから構成されている。アンテナは、無線信号を送って、タグをアクティブにして、データを読み取って、そこにデータを書き込む。アンテナは、タグとトランシーバとの間におけるコンジットである。トランシーバは、システムのデータ取得と通信とを制御する。アンテナは、様々な形状とサイズで入手可能である。アンテナは、人からタグのデータを受信するためにドアの枠の中に組み込まれるか、又はショッピングモールの特別に設計された通路に取り付けられ得る。複数のタグが頻繁に期待されるときは、アンテナによって生成される電磁界が絶えず存在し得る。RFIDタグは、多様な形状とサイズで売られている。アニマルトラッキングのタグは、皮膚の下に差し込まれ、直径は鉛筆の芯と同じであり、長さは2分の1インチであり得る。
【0003】
全てのタイプのRFIDシステムの重要な長所は、この技術の非接触で、非見通し線(non-line-of-sight)の性質である。タグは、様々な物質、例えば、雪と、霧と、氷と、塗料とを通り抜けて、並びに視覚的及び環境的に困難な他の状況であって、バーコード又は他の光学読み取り技術が役に立たない場所の中でも読み取ることができる。更に、アクティブなRFIDシステムの読み取り/書き込み能力は、在庫品調べ又はメンテナンスの追跡のようなインタラクティブな応用において重要な長所を有する。RFIDシステムは、(バーコードと比較して)よりコストのかかる技術であるが、別のやり方では不可能であったであろう広範囲の自動的なデータ収集及び識別の応用にとって、RFIDは不可欠なものになった。
【0004】
しかしながら、市販のRFIDシステムは、アンテナのサイズが定められていて、読み取り範囲が制限されているという特性を備えている。このタイプの実施は、RFIDの利用を制限するので、この技術の可能性を最大限に活用していない。これらの欠点に対処するために、カスタマイズ可能なアンテナサイズの構造と、改善された読み取り範囲の特性とを有するRFIDの実施を提供することが、非常に望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の目的は、拡張された読み取り範囲の能力を備えた高周波アンテナを提供することである。
【0006】
本発明の第2の目的は、サイズと形状とにおいてカスタマイズできるアンテナを提供することである。
【0007】
本発明の第1の態様に従って、希望の実施に従って動作周波数を設定できる同調回路を使用することによって、拡張された読み取り範囲の能力を備えた高周波アンテナを提供する。
【0008】
本発明の更に別の態様では、希望の読み取り範囲の能力に従うようにアンテナ回路構成を調整することによって、カスタマイズ可能なサイズと形状とを備えたアンテナを実現している。
【0009】
ここで、添付の図面を参照して、本発明をより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に従って、高周波アンテナの実施を示す概要図である。
【図2】本発明の実施形態に従って、高周波アンテナを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、本発明の高周波アンテナは、主として、同調回路101と、アンテナ102と、可変長の同軸ケーブル103と、プラスチックケーシング104と、雄型BNCコネクタ105とから構成されている。雄型BNCコネクタ105は、高周波読み取り装置106に接続されている。高周波読み取り装置106は、中間デバイスの役割を果たして、アンテナ102から情報を得て、コンピュータ107にインストールされているアプリケーションソフトウェアにその情報を送信する。コンピュータとHF読み取り装置は、RS232を通じて接続される。
【0012】
RFIDの動作にとって望ましい周波数を設定するために、同調回路101を使用する。RFタグが動作周波数と同じ周波数で動作すると、回路基板又はアンテナ102がRFタグから情報を読み取ることができるので、本発明の実施の成功にとって、動作周波数は極めて重要である。本発明は、50オームのインピーダンスで、13.56MHzの周波数で動作しているが、この周波数に制限されていない。異なる実施に対して周波数を合わせることができる。
【0013】
更に図1を参照すると、同調回路101は、回路構成によってアンテナ102のループに接続されている。アンテナ102は、銅テープで作られている。アンテナ102を使用して、RFIDタグをアクティブにして、RFタグから情報を読み取って、同軸ケーブル103を使用して高周波読み取り装置106を介してアプリケーションソフトウェアにその情報を中継する。アプリケーションソフトウェアは、RFタグからの情報を表示し、情報をRFタグに書き込み、セキュリティ手段をイネーブル/ディスエーブルにすることができる。本発明において使用されているアンテナ102は、アンテナループから構成されている。アンテナループは、銅と他の定められた要素とで作られている。他の定められた要素は、例えば、可変コンデンサと、抵抗器と、高速スイッチングダイオードである。
【0014】
100pFに近いマイカコンデンサを使用することによって、13.56MHzの回路基板又はアンテナ102の共振同調が達成される。定められた要素は、10nFから60nFの範囲にわたる値を有する可変コンデンサを含み、全てを並列に接続して、アンテナ102を同調させることができる。コンデンサの足に変更を加えて、それらを半田付けできるようにしている。40キロオメガで、2ワットの厚膜抵抗器が、アンテナ102のQファクタを調節する。
【0015】
一般に、アンテナ102の出力を測定するために、Qファクタを使用する。周波数帯を切り換えるために、スイッチングダイオードを使用する。
【0016】
アンテナ102は、プラスチックケーシング104に従う特有の形状をとり、従って、ベースから30cmまでのより大きな読み取り半径を可能にしている。アンテナ102は、異なるサイズと異なる読み取り半径とにカスタマイズできる。これは本発明の新しい特徴に含まれる。
【0017】
同調回路101に接続されている同軸ケーブル103を使用して、アンテナ102からアプリケーションソフトウェアへの情報の中継を行なう。同軸ケーブル103は、BNCコネクタ105で終端しており、情報は、高周波読み取り装置106を通って、コンピュータ107に渡される。大抵の市販のコンピュータには、回路基板に埋め込まれた雌型BNC受信機が付いているので、本発明を実施するために、追加のハードウェアのコストは必要ない。更に、本発明において使用されているプラスチックケーシング104は、全体的な耐久性を今まで通りに維持して、更にアンテナと同調回路とを保護する一方で、重量と移動性の長所を提供する。
【0018】
図2を参照すると、本発明の好ましい実施形態における高周波アンテナ201は、ハウジング202によって囲まれた立方体の形状である。同軸ケーブル203は、ハウジング202から外に伸びていて、高周波読み取り装置106を介してコンピュータ(示されない)に接続している。ハウジング202は、32cm×39.5cm×3.1cmの寸法を有することが好ましいが、これに制限されていない。
【0019】
ここで、本発明を例示的に説明する。
【0020】

好ましい実施形態では、本発明は、図書館において、タグを付けられた本を追跡するために使用され得る。本を借りるために、本の貸し出し手続きがされ、本を返却するときに、返却手続きがされ得る。アンテナは、ベースから約30cmを読み取ることができ、より多くの本を一度に読み取ることができる。これは、各々の本の厚さによって決まる。アンテナからスキャンされた全ての本は、標準のコンピュータで実行されるアプリケーションソフトウェアにおいて、その本の情報と借用者の詳細とを表示する。
【0021】
更に、アンテナは、RFIDタグの中で利用可能な盗難防止の特徴である電子商品監視(Electronic Article Surveillance, EAS)又は監視システムをアクティブ又はデアクティブにするために使用され得る。一般に、EASシステムは、タグを備えた品物を、許可を受けることなく、小売り業者から移動させたときに、その品物を電子的に検出するために使用されている。この応用の場合に、このシステムは、最初に貸し出し手続きをすることなく、図書館の構内から本が出て行っているのかどうかを検出することができる(さもなければ、本を借りたときに、EASがディスエーブルにされている)。イネーブルにされたEASを備えた本がゲートのアンテナを通り抜けて図書館から持ち出された場合は、アラームが鳴って、許可を受けていない人によって図書館から本が持ち出されたか、又は許可を受けて借りることなく本が持ち出されたことを、図書館の職員に知らせる。
【符号の説明】
【0022】
101・・・同調回路、102・・・アンテナ、103、203・・・同軸ケーブル、104・・・ケーシング、105・・・雄型BNCコネクタ、106・・・高周波読み取り装置、107・・・コンピュータ、201・・・高周波アンテナ、202・・・ハウジング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数識別(RFID)を実施する拡張された読み取り範囲を有するアンテナであって、
動作周波数と読み取り範囲とを設定する同調回路(101)と、
サイズをカスタマイズでき、且つ希望の読み取り範囲の能力に従うように回路構成によって調整できるアンテナ(102)と、
前記同調回路(101)に接続されている第1の端部と、高周波読み取り装置(106)に接続されているコネクタ(105)を介して、コンピュータ(107)に接続されている第2の端部と、を有する同軸ケーブル(103)と、
ハウジング(104)と、
情報を読み取って表示するアプリケーションソフトウェアと、
を具備する、アンテナ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−503551(P2013−503551A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526676(P2012−526676)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/MY2009/000127
【国際公開番号】WO2011/025353
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(511135846)
【氏名又は名称原語表記】TELEKOM MALAYSIA BERHAD
【住所又は居所原語表記】Level 51, North Wing, Menara TM, Jalan Pantai Baharu, 50672 Kuala Lumpur, Malaysia
【Fターム(参考)】