説明

改良されたバッテリアセンブリを有する工業的プロセスフィールドデバイス

工業的プロセスフィールドデバイス(200)が提供される。デバイス(200)は、工業的プロセスフィールドデバイス(200)内部に配置される無線プロセスフィールドデバイス電子機器(412;512;612;712;812)及び工業的プロセスフィールドデバイス(200)の内部に配置され、無線プロセスフィールドデバイス電子機器(412;512;612;712;812)に動作的に接続される少なくとも一つのバッテリ電池(326;442;522;652;742;842)を含む。少なくとも一つのバッテリ電池(326;442;522;652;742;842)に関連した電気特性を検知し、ある条件に反応して無線プロセスフィールドデバイス電子機器(412;512;612;712;812)から少なくとも一つのバッテリ電池(326;442;522;652;742;842)を切り離す出力をスイッチ(418;518;610;718;818)に与える回路(400;500;600;700;800;900)が提供される。そのような条件は、少なくとも一つのバッテリ電池(326;442;522;652;742;842)から流れ出る多すぎる電流、低すぎる少なくとも一つのバッテリ電池(326;442;522;652;742;842)の電圧、又は生成される若しくは観測される短絡回路を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多くの工業的プロセス環境では、工業的プロセスフィールドデバイス(本明細書ではまたトランスミッタとして参照される)を取り囲む環境空間に可燃性空気が存在する。バッテリの結合または非結合による高電圧スパークは、可燃性空気を引火する可能性を有している。
【0002】
多くの工業的プロセス環境では、腐食性塵、液体、又はミストが存在し、電気回路を損傷し得る。電気回路は典型的には、シールされた電気コンパートメント中に密封される。しかしながら、そのようなコンパートメントを、バッテリを交換しそして再びシールするために開けるときに、バッテリ接点を汚す、又は電気コンパートメントの内部の腐食性化学物質を閉じ込め、電子機器の長期的劣化を引き起こす可能性を有している。一方、トランスミッタハウジングの外部に設置されたバッテリはまた、腐食を受ける。
【0003】
トランスミッタ内部の回路は典型的には、偶発的な短絡回路又は故障条件下で可燃性空気をスパーク及び引火する十分な電気的エネルギーを流す。よってトランスミッタ電気コンパートメントを開ける前に特別な予防策が取られる。可燃性蒸気の周囲の環境を取り除く、トランスミッタに電力を供給するケーブルの電源を切る、又はその両方がなされる。安全性を向上させるために、組織は可燃性空気がときとして存在する領域でトランスミッタを開ける前に、「高熱作業許可」及び特に訓練された作業員を要求する。
【0004】
通常の動作条件の下では電池及びバッテリは低電流レベルを供給し得るが、典型的には、故障条件の下では大変高い短絡回路電流を生成する。典型的な故障条件は、電池又はバッテリに外付けの回路内での短絡回路である。加えて、電池及びバッテリは、大きなエネルギー貯蔵容量又は等価な電気容量Cを有する。故障条件下での高い短絡回路電流及び大きなエネルギー貯蔵容量は典型的には、本質的に安全な回路規格とは両立しない。よって、トランスミッタハウジングの外部に電池又はバッテリを装着し、可燃性空気を通ってトランスミッタとバッテリの間にバッテリケーブルを走らせることは困難である。そのようなバッテリケーブルは、典型的には本質的に安全な回路要件に違反するだろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
類似の困難は他のタイプのバッテリ駆動工業プロセスフィールドデバイスでも遭遇する。工業的プロセス環境で広い領域の適用性を持つ改善されたバッテリ駆動工業プロセスフィールドデバイスを提供する方法及び装置が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
工業的プロセスフィールドデバイスが提供される。デバイスは、工業的プロセスフィールドデバイス内部に配置される無線プロセスフィールドデバイス電子機器及びデバイス電子機器内部に配置され無線プロセスフィールドデバイス電子機器に動作的に結合される少なくとも一つのバッテリを含んでいる。少なくとも一つの電池に関連した電気特性を検知し、ある条件に反応して無線プロセスフィールドデバイス電子機器を少なくとも一つの電池から切り離すためにスイッチに出力を与える回路が提供される。そのような条件には、少なくとも一つの電池から流れ出る多すぎる電流、少なくとも一つの電池の低すぎる電圧、又は生成された若しくはさもなければ観測された短絡回路が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】圧力が掛けられたプロセス管に設置された圧力トランスミッタを示す図である。
【図2】圧力トランスミッタの断面を示す図である。
【図3】バッテリコンパートメントの断面を示す図である。
【図4】本発明のある実施形態に従うある電流制限回路の図である。
【図5】本発明の別の実施形態に従う別の電流制限回路の図である。
【図6】本発明の別の実施形態に従う短絡回路保護回路の図である。
【図7】本発明のある実施形態に従うある低電圧カットオフ回路の図である。
【図8】本発明の別の実施形態に従う別の低電圧カットオフ回路の図である。
【図9】本発明のある実施形態に従う別の回路の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
工業的プロセスで用いられるトランスミッタのようなフィールドデバイスは、フィールド中のパイプライン、タンク及び他の工業的プロセス装置に設置され得る。トランスミッタは、プロセス圧力、プロセス流、プロセス流体温度、プロセス流体伝導度、プロセス流体pH、及び他のプロセス変量などのプロセス辺量を検知する。他のタイプの工業的プロセスフィールドデバイスは、バルブ、アクチュエータ、フィールド制御器、データディスプレイ、及び工業的フィールドネットワークブリッジのような通信装置を含む。
【0009】
ある工業的プロセスフィールドデバイスは、電力及び電力のための内部バッテリ上のリレーへのケーブルでの接続を有していない。無線トランスミッタは、無線トランスミッタから離れている装置の制御又は監視のため無線通信チャンネルにプロセス変量を示す出力を送出する。制御又は監視装置は、典型的には制御室に配置される。無線トランスミッタは典型的には、制御室アンテナ又はゲートウェイのような他の無線ネットワークデバイスに無線送信するために用いられるアンテナを含んでいる。無線通信の使用は、トランスミッタと制御室の間に通信又は電力ケーブルの接続を回避させる。
【0010】
無線トランスミッタは典型的には、動作のための小さな量の電力のみを必要とする電気回路を含む。必要とされる電力量は小さな交換可能な一次電池が電力を提供するために選考されるほどに小さい。しかしながら、その環境で内部バッテリの一般的な、広い使用を制限する、工業的プロセス環境に付随する難問が存在する。
【0011】
図1は、圧力が掛かったプロセスパイプ16に接続された圧力トランスミッタ12を含むプロセス制御システム10の図である。圧力トランスミッタ12は、HART(登録商標)基準、4−20ミリアンペアアナログ基準、又は他の既知のプロセス制御通信基準などの所望のプロトコルに従って動作する二線プロセス制御ループ18に接続されている。二線プロセス制御ループ18は圧力トランスミッタ12と隔てて配置される制御室20の間を走る。ロープ18がHART(登録商標)プロトコルに従って操作する実施形態では、ループ18は検知されたプロセス圧力を表し、また圧力トランスミッタ12に対する全ての通電を与える電流Iを運び得る。応用によっては、トランスミッタ12に通電するために二線プロセス制御ループ18を用いる不利点が存在する。そのような応用では、配線プロセス制御ループ18は用いられず、トランスミッタ12はその代わりに電池又はバッテリによって通電され、以下で記述されるような無線通信を用いる。
【0012】
図2は、圧力を検知する工業的プロセスフィールドデバイス200の実施形態を示している。工業的プロセスフィールドデバイス200は、ハウジング202を含んでいる。ハウジング202は、電子機器コンパートメント206とバッテリコンパートメント208の間に壁204を含んでいる。壁204は、貫通開口207を含んでいる。この実施形態では、第一ハウジングカバー210は全般的に円形で、工業的プロセス装置又はフィールドデバイス電子機器212を電子機器コンパートメント206に密封するためにハウジング202のネジ山にはめ込まれるネジ山を有している。第二ハウジングカバー214は全般的に円形で、バッテリアセンブリ216をバッテリコンパートメント208に密封するためにハウジング202のネジ山にはめ込まれるネジ山を有している。工業的プロセスフィールドデバイス電子機器212は一般に、電力に限界があり、それらを化学プラント、石油精製などのようなプロセスプラント中で工業プロセスの監視及び制御での使用に適するようにする温度、信頼性、及び振動耐性特性を有する。フィールドデバイス電子機器は、プロセス制御ループと無線で通信するための通信回路を含み得る。
【0013】
ハウジング202は、圧力センサハウジング222のネジ山220にはめ込まれるねじ山218を有している。圧力センサハウジング222は、圧力センサ224及びセンサ回路226を密封する。センサ回路226からの電気線228は、工業的プロセスフィールドデバイス電子機器212に繋がる。ある実施形態では、ハウジング202及びハウジングカバー210、214は、金属ダイカストを含んでいる。
【0014】
この実施形態では、貫通コネクタ230は貫通壁204に配設されている。貫通コネクタ230は、好ましくは貫通壁204を介して広がるシールされた電気接続232を含む。貫通コネクタ230は、電力を工業的プロセスフィールドデバイス電子機器212に接続する電力コネクタ234及び236を含む。壁204及び貫通コネクタ230は、バッテリコンパートメント208と電子機器コンパートメント206の間の貫通開口206をシールする。バッテリコンパートメント208は、腐食性プロセス環境で開けられることが可能であり、腐食性プロセス環境は、貫通壁204及び貫通コネクタ230によって電子機器コンパートメントに漏れるのを妨げられる。ある実施形態では、貫通コネクタ230はプラスチックに鋳込まれた金属電気接続を含む噴出成型プラスチック部分を含む。
【0015】
バッテリアセンブリ216は、電力コネクタ234及び236に電気的に接続されている。バッテリアセンブリ216は、エネルギー制限器240及び少なくとも一つの電池242を含んでいる。電力制限器は、電力を制限するピコフューズ、フューズ又は電気回路を含み得る。ある実施形態では、直列電流制限器240が、バッテリアセンブリ216と電力コネクタ234及び236の間の電気接続244において電力を本質的に安全なレベルに制限する。接続244は、本質的な安全回路を含む。本質的な安全回路は、(通常の動作及び特定の故障条件を含む)試験条件下で生成される火花又は熱的効果が接続244を取り囲む与えられた爆発性空気の点火を引き起こす可能性がない。直列電流制限器240の電流限界は、既知の方法を用いて(メタンのような)特定の可燃性気体及び(回路容量及びインダクタンスのような)特定の回路特性に対して計算可能である。ある実施形態では、余剰な本質的安全保護が、単一の電力制限器240の代わりに二つの電力制限器を用いることによって与えられる。
【0016】
シール250は、バッテリアセンブリ216と電力コネクタ234及び236の間の電気接続244を取り囲む。シール250は、好ましくはバッテリ亜鉛ぶり216に配設され、バッテリアセンブリ216が取り外される又は設置されるときに貫通コネクタ230にしライド可能に噛み合うOリングを含む。カバー214は、好ましくは回路接続リング252に沿ってバッテリアセンブリ216に噛み合い、高い振動環境では非常に便利である機械的支持を与える。
【0017】
図3は、本発明のある実施形態に従う工業的プロセスフィールドデバイスのバッテリコンパートメント302の断面を示している。フィールドデバイスハウジング304の貫通壁部はバッテリコンパートメント302を電子機器コンパートメントから分離する。貫通コネクタ306は、装置ハウジング304の貫通壁部にシールされている。別の選択肢として、貫通コネクタはハウジングの部分と一体に形成される。貫通コネクタ306は、好ましくはプラスチック樹脂ガードを含み、シールされた電力コネクタ308を含む。電力コネクタの接触はガード307中の窪みに配置され、IEC529基準に準拠するIP20に合致する。電力コネクタ308は電子機器コンパートメント中の回路カードアセンブリ310に配設される。回路カードアセンブリ310は、電力コネクタ308の周りの貫通コネクタ306にシールされる。ある実施形態では、貫通コネクタは、適当な物質に埋め込まれる。
【0018】
この実施形態では、バッテリアセンブリ320はバッテリコンパートメント中に配置される。バッテリアセンブリ320は、ハウジングベース322及び電池326(又は複数の電池326)及び直列電流制限器328(又は複数の直列電流制限器328)を取り囲むハウジングキャップ324を含む。ハウジングベースは成型されたコネクタボディ323を含む。
【0019】
ある実施形態では、成型されたコネクタボディ323は、バッテリハウジングベースから突出する突出プラグを含む。電気的バッテリ接続332は成型されたコネクタボディ323中の窪みに配置され、扱い中に機械的損傷から保護される。ガード307は、貫通コネクタ306から突出する突出ソケットを含む。電力コネクタ308はガード307中の窪みに配置され、機械的損傷から保護される2つのピンを含む。接続の噛み合わせは、カバー340を取り外した後フィールドで容易に一体化され又は分離されるスライド接続である。
【0020】
電圧制限ダイオードのような別の本質的安全保護デバイスはまた、バッテリアセンブリ320にふくまれ得る。電池326及び直列電流制限器328は好ましくは、プリント配線ボード339に配設される。バッテリアセンブリは、電気的接続334において電力コネクタ308に電気的に接続する電気接続332を含む。直列電流制限器328は、電気接続334において電力を本質的安全レベルに制限する。シール336は、電気接続334を取り巻く。
【0021】
ある実施形態では、成型されたコネクタボディ323は外部先細り部を有し、ガード307上のコネクタは内部先細り部を有し、成型されたコネクタボディ323とガード307上のコネクタの間で先細り嵌合が存在する。先細り嵌合は、振動はガード307とコネクタボディ323の間の相対運動を引き起こさないほどに強い嵌合である。先細り嵌合は、成型されたコネクタボディ323をガード307にスライドする間、バッテリ接続332が電力コネクタ308と前位置合わせされることを許容する。この前位置合わせは、電力コネクタ308の湾曲又は他の損傷を防ぐ。
【0022】
カバー340は、好ましくはカバー340を装置ハウジング304にネジ止めするためのネジ山344を含んでいる。シール342は、カバー340をハウジング340にシールする。カバー340の内部では、スラスト軸受アセンブリは好ましくはスラスト軸受プレート346及びレサイレント圧縮リング348を含む。スラスト軸受プレート346はバッテリアセンブリハウジング320の頂上表面350を押圧する。スラスト軸受プレート346は、カバー340がねじ込まれるときに、頂上表面350に対して回転する。圧縮リング348は、カバー340がねじ込まれるときに、圧縮される。カバー340は、取り外し可能にハウジング340に装着可能で、バッテリアセンブリ320を電力コネクタ308の方向に押圧する。締め付けカバー340はバッテリアセンブリ320を押し下げ、激しい振動の間バッテリアセンブリ接続を保持する。ある実施形態では、スラスト軸受プレート346はハウジングキャップ324上のリング325に対して先細り嵌合を有する突出リング347を含む。先細り嵌合は、振動中にスラスト軸受プレート346とハウジングキャップ324の間の相対運動を消去する。
【0023】
本発明の実施形態は全般的に、フィールドデバイスのバッテリパックに関連する一つ以上の電気的条件を検知し、それらが故障及び/又は危険を生成する前に迅速にそのような条件を改善する回路を含んでいる。
【0024】
図4は、本発明のある実施形態に従う電流制限回路の図である。回路400は、フューズに接続された一つ以上のバッテリ電池442を含んでいる。バッテリ電池442は、接続402を介して電圧基準404と共通の接地を共有する。加えて、バッテリ電池442及び電圧接地404は、工業的プロセスフィールドデバイス電子機器212と共通の接地を共有する。上述のように、一つ以上のバッテリ電池442は、領域を非分割にする又は高熱作業許可を得る必要なしに、危険な場所にフィールドに交換可能なバッテリパックを含み得る。電池442はフィールドデバイスの末端ブロック側に配置され、よって電池442の交換は電子機器412を取り囲んでいる環境に晒さない。フューズ440は、電池442からの電力放電を制限する。しかしながら、電子機器412への潜在的に高い突入電流によって、本当の故障がないとき、フューズ440は時として飛び得る。本当の故障がないとき、このタイプの故障は、一般に、全製品の貧弱な顧客満足度を引き起こすだろう。従って、図4に示された実施形態は、危険が存在しない遷移電流スパイクによる飛びからフューズ440を保護する追加回路を含む。回路400は、検出抵抗410に結合されたその反転入力408を有するオペアンプ406を含む。オペアンプ408の非反転入力412は、電圧基準404の出力414に結合されている。検出抵抗410の両端の電圧降下は、電池442から無線電子機器412への電流放電に比例する。この検出抵抗410の両端の電圧降下は、次に電圧基準404の出力414によって与えられる固定電圧と比較される。オペアンプ406は、無線電子機器412が消費し得る電流をフューズ440の定格フューズ電流より小さい値に制限するために金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)418に接続された出力416を与える。図4に示された実施形態は、特有の電圧基準404を含んでいるが、当業者は、電圧基準404をフューズの出力440と共通接地の間に直列に接続された抵抗のペアを含む簡単な電圧分配器で置き換えることが可能であることを認識するだろう。抵抗の間の接続は、次にまたオペアンプ406の非反転入力412に結合される。
【0025】
図5は、本発明の別の実施形態に従う別の電流制限回路の図である。回路500は、(図4に関して記述された)回路400と多くの類似性を示し、類似の要素は同様の番号付けがされている。回路500は回路400と、検出抵抗410がなくなっている点で異なっている。本質的には、回路500は低抵抗検出抵抗としてフューズ540を用いる。フューズ540は検出抵抗410に関して上で記述されたことと同様の方法で比較回路中の検出抵抗として特徴付けられることが出来るし、用いることが出来る。検出抵抗をなくす一つの恩恵は、電流制限回路保護フューズ540だけになることのみならず、電池552及び無線電子機器512の間の抵抗の大きさを、ただフューズ540だけの抵抗に減らすことが出来ることである。無線デバイスに依存して、電池552から出るピーク電流は、短い時間に対して数百ミリアンペアになり得る。追加の電圧降下(及びそれゆえのシステム非能率)を避けるために、(フューズ又は検出抵抗の)抵抗の最小値が最適である。
【0026】
図4及び5に関して上で記述された電流制限実施形態は、追加の短絡回路保護を補うことが出来る。図6は、そのような短絡回路保護を与える回路600の図である。回路600は、フューズ640の第一サイドに結合された第一足604、フューズ640の反対サイドに結合された第二足606、及びMOSFET610の入力に結合された第三足608を含んでいる。回路600では、顧客が偶発的にバッテリパックの出力を短絡する出来事において、トランジスタ602及び検出抵抗またはフューズ640のような高速動作アナログ回路はフューズ及びバッテリを保護する動作をする。
【0027】
これまでに記載された本願発明の実施形態は、実際の故障が存在しないときに、フューズを飛ばす、及びフューズを飛ばすという望ましくない経験を生成する過剰電流の可能性の問題を取り扱う。加えて、短絡回路保護もまた記述されてきた。工業的プロセスフィールドデバイスを作動するバッテリに対する一つの追加的な関心は、バッテリ電圧レベルが低過ぎになるとき、バッテリ自体がオーバーヒートし得る、及び/又はさもなくば故障になり得る又はそれ自体を故障させ得ることである。
【0028】
無線プロセスフィールドトランスミッタに対してバッテリパック中で利用され得る一つのバッテリ技術は、塩化チオニルリチウム(Li−SO−Cl)一次電池である。この一次電池の特別な化学は、広い動作温度領域及び非常に低い自己放電に渡って非常に高い電力密度を提供する。これらの特性は、無線デバイスを標準―40℃から85℃動作領域で数年にわたって動作させることが可能である。
【0029】
無線工業プロセストランスミッタのバッテリ寿命をさらに広げるために、複数の一次電池が、直列、並列または組み合わせ直列/並列構成で用いられる。そうするとき、電池が不安定状態では決して動作しないことを保障するために追加の予防策をとる必要がある。完全充電一次電池電圧は通常は3.6ボルト近くである。ほとんど放電された一次電池は、製造者推奨によれば2ボルトより低くは放電されないであろう。2つの直列一次電池の場合、電池の一つは別のものより早く空になり、このことは高い電圧電池が空になった電池中に電流を流し、空になった電池電圧を電池最低限界による製造者推奨(2ボルト)より低くまで落とすという不安定条件に繋がる可能性がある。これは電池破裂に繋がる可能性がある。
【0030】
本発明の実施形態に従うと、工業プロセストランスミッタは、領域を非分割にする又は高熱作業許可を得る必要なしに、危険な場所にフィールドに交換可能なバッテリパックを含み、バッテリパックは低電圧カットオフ容量を含んでいる。好ましくは、ある状況では、バッテリパックと工業的プロセストランスミッタ電子機器の間の電圧をカットオフするために低電圧電子機器が用いられる。
【0031】
図7は、ある状況で、一つ以上のバッテリ電池を工業プロセスフィールドデバイス電子機器からカットオフする、又はさもなければ切り離す回路の図である。回路700は回路400及び500と多くの類似性を示し、類似の要素は同様の番号付けがされている。図7に示されているように、一つ以上のバッテリ電池742がMOSFET718を介して無線電子機器712に動作的に結合されている。オペアンプ706は、抵抗732及び734を含む分配ネットワークのノード730に結合される反転入力を含んでいる。抵抗732及び734で形成される抵抗分配ネットワークはバッテリ電池742からの電圧をスケールダウンし、このスケールされた電圧は、次に低電力オペアンプ706、又は適切な適当な比較器を用いて固定電圧(参照電圧704)と比較される。オペアンプ706の出力は、電圧が低すぎになると、電子機器712からバッテリ電池742を切り離す、MOSFET718のようなスイッチに接続されている。
【0032】
図8は、バッテリ電圧レベルが低すぎになると工業的プロセスフィールド電子機器から低電圧バッテリ電池をカットオフする回路の図である。回路800は、バッテリ電池842の正及び負分極線に接続されている電圧検出器802を含む。電圧検出器802の出力804は、無線電子機器812をバッテリ電池842に選択的に結合する、MOSFET818のようなスイッチに接続され制御をする。検出器802のような電圧検出器は、典型的にはマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラアプリケーションで用いられる集積回路である。それらは電圧レールが推奨動作条件を下回る(又は“電圧低下“として知られる)状況で用いられる。次に再起動がマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラに適用され、次に再起動線が、バッテリ電圧が上昇するまで保持される。この「電圧低下」概念の本発明の実施形態への応用は、バッテリ電圧が低すぎるとき電池842を切り離すような方法で用いられる。電圧検出器は、所定の(固定された)検出電圧、又は調節可能な検出電圧を実装し得る。図8は、どのように電圧検出器がバッテリパックと一緒に用いられるのかを示している。バッテリ電圧は電圧検出器ICに印加される。バッテリ電圧がIC検出電圧より小さくなると、出力はスイッチ818を介してバッテリパックから無線電子機器回路を切り離す。
【0033】
図9は、本発明の実施形態に従う一例の回路の図である。回路900は、上述の本発明の類似の実施形態に従う電流制限回路に加えて、低電圧及び短絡回路保護を含んでいる。従って、当業者は本発明の様々な側面及び実施形態は希望によって様々な組み合わせに組み合わせ得ることを理解するであろう。回路900は、前実施形態に関して上述した一つ以上の電池のようなバッテリに結合可能な末端のペア902、904を含んでいる。回路900の出力は、工業的プロセスフィールドデバイスの終端ブロックに結合された末端のペア906、908である。図9に示したように、回路900の全て又は部分は本質的安全要請に従って設計され得る。例えば、破線910の領域912内のコンポーネントは、例えば、0.020インチの回路線の間の最小安全間隔を有する、及び適当なコーティング又はポッティングの下で配置されるという本質的安全要請に準拠し得る。
【0034】
図9は、抵抗R4を介して末端902に動作的に結合される入力を有する電圧検出器U2を示している。電圧検出器U2の接地末端は接地末端904に接続されている。検出器U2の出力ピン(1)は、抵抗R9を介してスイッチQ3に接続される。抵抗R9は、好ましくは0オームの抵抗又は極端に小さい抵抗を有し、電圧検出器U2からの出力は基本的に直接Q3に結合される。R5は好ましくは10メガオームの値を有する。検出器U2は、末端902及び904の間のバッテリ電圧を検出する機能を果たす。もしバッテリ電圧が電圧検出器によって画定される閾値以下であれば、電圧検出器U2はQ3を開くことによって全回路の電源を遮断する。
【0035】
回路900はまた、オペアンプU1及びスイッチQ2の利用に基づく電流制限回路を含んでいる。図9に示されているように、U1の非反転入力はR7及びR6を含む抵抗/分配器ネットワークに結合される。U1の出力はR3を介して、スイッチQ2に動作的に結合される。この点に関しては、U1の反転入力は、R8を介して末端902に結合される。U1は、反転及び非反転入力に存在する入力を比較し、Q2に出力を生成し、軽微な非故障遷移からフューズF1を保護するようにQ2の電源を遮断することができるようにする。
【0036】
図9はまた、フューズF1の反対サイドに結合され、及びまたスイッチQ2に結合されたトランジスタQ1を用いる短絡回路保護を有する回路900を示している。この方法では、もしバッテリ末端902及び904が短絡すると、トランジスタQ1のような高速動作アナログ回路が、MOSFETQ2を開き、それによって損傷または他の望まない条件を防止する。
【0037】
図9に示した特定の回路は、本発明の実施形態の単なる一例として提供される。本発明の実施形態は、図9で説明されている特徴の特定の組み合わせ、またはその厳密な構成に限定されない。例えば、回路900の様々な素子で用いられる実際のコンポーネント値は次のようである:
R1−10k
R2−10k
R3−100k
R5−10メガオーム
R6−10メガオーム
R7−604k
R9−0
R10−10メガオーム
C1−100pF
C2−1000pF
C3−0.010μファラッド
C4−4.7μファラッド
C5−0.010μファラッド
C6−1.0μファラッド
F1−1/16アンペアフューズ
Q1−ナンバーMMBT3906LT1準拠
Q2−SI9407AEY
Q3−SI4850EY
U1−TLV2401I
U2−NCM302LSN40
【0038】
上述の実施形態において、バッテリアセンブリ構成は、プロセス制御ネットワークブリッジ、データディスプレイ、フィールド制御バルブ、機械的アクチュエータ、フィールド制御器及びトランスミッタを含む多様な工業的プロセスフィールドデバイスで有用である。ある実施形態では、電気的電池は一次電池を含む。実施形態によっては、バッテリアセンブリは、フューズに直列に接続された2つの電池を含む。ある実施形態では、バッテリアセンブリは、少なくとも3ボルトの開回路電圧を有するように設計される。別の実施形態、特に単一電池実施形態では、3ボルトより低い開回路電圧が用いられる。
【0039】
ある実施形態では、バッテリの取り外しは、バッテリアセンブリを取り外すとき、電力接続が通電されないように電池を切り離すバッテリアセンブリ中の直列スイッチの動作と連動する。スイッチが“オン”のとき、バッテリアセンブリは非接続にすることは出来ない。スイッチはまた出荷の間バッテリアセンブリをスイッチオフするためにも用いられる。
【0040】
本発明を好適な実施形態を参照しつつ記述してきたが、当業者は本発明の意図及び目的を逸脱することなく形態及び詳細を変更され得ることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工業的プロセスフィールドデバイス内部に配置された無線プロセスフィールドデバイス電子機器、
工業的プロセスフィールドデバイス内に配置され、無線プロセスフィールドデバイス電子機器に動作的に接続された少なくとも一つのバッテリ電池、
無線プロセスフィールドデバイス電子機器と少なくとも一つのバッテリ電池の間に電気的に挿入されたフューズ、
フューズを介して電流を測定し、もし電流が閾値を超えていたら出力を与えるように構成された回路、及び
電流が閾値を超えたとき、無線プロセスフィールドデバイスから少なくとも一つのバッテリ電池を切り離す、回路の出力に接続されたスイッチ、
を含む、工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項2】
回路の少なくとも部分が本質的安全要請に合致するように設計された、請求項1の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項3】
回路がフューズの両端の電圧降下を測定する、請求項2の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項4】
さらにフューズと回路の間に直列に配置された検出抵抗を含み、回路は電流に比例する検出抵抗の電圧を測定する、請求項2の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項5】
回路はさらにフューズに動作的に接続されたオペアンプ、オペアンプに接続された電圧参照、及びオペアンプの出力に接続されたスイッチを含む、請求項1の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項6】
電圧参照は、参照電圧をオペアンプに与える出力を有する、請求項5の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項7】
電圧参照は抵抗分配器ネットワークを含む、請求項5の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項8】
さらにバッテリ電圧は閾値より小さいときに少なくとも一つのバッテリ電池を無線プロセスフィールドデバイス電子機器から切り離す低電圧カットオフ回路を含む、請求項1の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項9】
さらにフューズの第一サイドに接続された第一足、フューズの反対サイドに接続された第二足、及び少なくとも一つのバッテリ電池と無線プロセスフィールドデバイス電子機器の間に挿入されたスイッチに接続される第三足を有するトランジスタを含む、請求項8の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項10】
さらにフューズの第一サイドに接続された第一足、フューズの反対サイドに接続された第二足、及び少なくとも一つのバッテリ電池と無線プロセスフィールドデバイス電子機器の間に挿入されたスイッチに接続される第三足を有するトランジスタを含む、請求項1の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項11】
工業的プロセスフィールドデバイス内部に配置された無線プロセスフィールドデバイス電子機器、
工業的プロセスフィールドデバイス内に配置され、無線プロセスフィールドデバイス電子機器に動作的に接続された少なくとも一つのバッテリ電池、
少なくとも一つの電池の電圧を測定し、もし電圧が閾値より低くまで落ち込んだら出力を与えるように構成された回路、及び
電圧が閾値より低くまで落ち込んだとき、無線プロセスフィールドデバイスから少なくとも一つのバッテリ電池を切り離す、回路の出力に接続されたスイッチ、
を含む、工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項12】
回路の少なくとも部分が本質的安全要請に合致するように設計された、請求項11の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項13】
回路が複数の入力を比較し、比較に基づいて出力を生成し、第一入力は少なくとも一つのバッテリ電池の電圧に接続され、第二入力が参照電圧に接続され、及び出力がスイッチに接続されるオペアンプを含む、請求項11の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項14】
回路が少なくとも一つのバッテリ電池の電圧を測定するために接続された入力、及び電圧が閾値を下回ったときスイッチを無線プロセスフィールドデバイス電子機器から少なくとも一つの電池を切り離すスイッチに接続された出力を有する電圧検出器を含む、請求項11の工業的プロセスフィールドデバイス。
【請求項15】
さらに少なくとも一つのバッテリ電池と無線プロセスフィールドデバイス電子機器の間に電気的に挿入されたフューズ、並びにフューズの第一サイドに接続された第一足、フューズの反対側に接続された第二足、及びスイッチに接続された第三足を有するトランジスタを含む、請求項11の工業的プロセスフィールドデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−530558(P2010−530558A)
【公表日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506331(P2010−506331)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/005682
【国際公開番号】WO2008/137071
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(597115727)ローズマウント インコーポレイテッド (240)
【Fターム(参考)】