説明

改良された匂いセンサ機能を有する空気処理剤分配装置

少なくとも1つの空気処理剤の分配装置のための方法及び分配装置が本明細書において説明され、この分配装置は、空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、ハウジングにおける装置は、空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、この手段には、使用中、装置の外部からの空気が空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、空気処理剤の少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、使用中、ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、装置から空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、発散手段及び空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段とをさらに含み、使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が装置から発散されると、制御手段が、発散後1秒から30分までの間、空中物質検出器手段を動作させないようにし、又は代替的に、使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が発散されると、制御手段が、発散後1秒から30分までの間、空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲環境の特性の判断に基づいて、周囲環境への流体の発散(emanation)に適合するように構成され、特定的には、限定ではないが、芳香剤、脱臭剤、及び/又は害虫駆除剤のような空気処理剤を発散するための発散装置のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
揮発性液体の瓶が、上向きに突出する芯を有し、ヒータが、芯の上端部の近くに配置されて芯からの揮発性液体の蒸発を加速する装置が知られている。瓶、芯及びヒータは、電気プラグを支持するハウジング内に保持される。ヒータを動作させるために、装置のプラグが壁コンセントに差し込まれる。このタイプの装置は、一般に、例えばヒータと芯との間の間隔を変えることによって、揮発性液体の蒸発速度の制御を可能にすること言われる。
【0003】
エアゾール消臭スプレーが自動噴霧装置内に保持される装置もまた知られている。電動機構がエアゾール上のバルブを作動させ、消臭スプレーの噴霧を定期的に放出する。このタイプの装置は、一般に、放出間の時間間隔を変えることができる、消費者による一定の時間間隔にわたる噴霧量の制御が可能になると言われる。こうした自動噴霧装置は、典型的には、外部刺激に応じて調整することができない。
【0004】
周知の従来技術の装置には、効率及び利便性の欠点に悩まされる。典型的には、ユーザは、装置を「通常」モードから「ブースト(boost)」モードに手動で変更し、次に、この効果がもはや不要になったとき(例えば、部屋が空のとき又は夜に)、装置を再び「通常」モードに切り換える必要がある。壁上の電力供給源の典型的な位置(床に近い低レベルの)又は電気装置の配置が与えられた場合、これにより切り換えプロセスが非効率かつ不便になる。
【0005】
ユーザ定義の時間周期で空気処理剤(air treatment agent)を放出するように構成された時限式装置が入手可能であるが、これらの装置は、周囲環境の変化を考慮に入れてその動作を動的に調整することができない。
【0006】
タイマー機能を有する装置に付随する欠点の幾つかを克服するために、時限機能と動きセンサ機能の組合せからなる装置が市販されており、この問題にいくらか対処しているが、装置の回り動きの増加は、空気処理剤の増加の必要性に必ずしも直線的に一致しない。
【0007】
周知の装置を、それらの周囲環境に適切に適応するようにさらに改良するために、匂いセンサをそうした装置に含ませることができ、その結果、装置の「電子鼻」が悪臭などを検出したときに、空気処理剤を発散できることが示唆されているが、こうした装置は、感度及び信頼性の問題をはらんでおり、そのため、それらは大量生産に殆ど適さないものになっている。
【0008】
従って、従来技術の欠陥を克服する装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様によると、少なくとも1つの空気処理剤の分配装置を動作させる方法が提供され、この分配装置は、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、ハウジングにおける装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、この手段には、使用中、装置の外部からの空気が空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、装置から空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
発散手段及び空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、本方法は、
制御手段が、発散手段に、使用中、一定量の空気処理剤の発散をもたらすように作動するように命令するステップを含み、
一定量の空気処理剤の発散後、制御手段は、発散後1秒から30分までの間、空中物質検出器手段を動作させないように動作可能である、
ことを特徴とする。
【0010】
制御手段は、好ましくは発散後5秒から15分までの間、より好ましくは発散後10秒から10分までの間、最も好ましくは発散後20秒から7分までの間、理想的には発散後実質的に6分(+/−1分)の間、空中物質検出器手段が動作するのをディスエーブルにするように動作可能であり、この構成によって、空中物質検知器手段は電力消費量も節約し、これは、装置が電気幹線以外を電力供給源にし得る場合に特に有利である。
【0011】
本発明の第2の態様によると、少なくとも1つの空気処理剤の分配装置を動作させる方法が提供され、この分配装置は、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、ハウジングにおける装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、この手段には、使用中、装置の外部からの空気が空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の前記少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、装置から空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
発散手段及び空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、本方法は、
制御手段が、発散手段に、使用中、一定量の空気処理剤の発散をもたらすように作動するように命令するステップを含み、
一定量の空気処理剤の発散後、制御手段は、発散後1秒から30分までの間、空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けるように動作可能である、
ことを特徴とする。
【0012】
制御手段は、好ましくは発散後1秒から30分までの間、より好ましくは発散後5秒から15分までの間、さらにより好ましくは発散後10秒から10分までの間、最も好ましくは発散後20秒から7分までの間、理想的には発散後実質的に6分(+/−1分)の間、空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けるように動作可能である。
【0013】
空中物質検出器手段の感度をさらに維持及び/又は向上させるために、制御手段には自動測距(auto−ranging)機能を設けることができ、この機能により、検出器手段は、検出器手段が既に以前から存在していた空中物質又は他の環境要因の影響下にある間、さらなる空中物質に対して一貫した応答が保持されることを保証するように、空中物質検出器手段から受け取った信号の正しい範囲を選択するように動作可能である。
【0014】
本発明の第1又は第2の態様による方法は、使用中、装置による発散直後の装置の周囲の空気処理剤の初期の高濃度が、空気処理剤が周囲環境内にさらに発散されるにつれて低下し、検出器手段による空中物質の誤検出を防止するのを可能にするので、有利である。
【0015】
本発明の第3の態様によると、少なくとも1つの空気処理剤の分配装置が提供され、この分配装置は、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、ハウジングにおける装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、この手段には、使用中、装置の外部からの空気が空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、装置から空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
発散手段及び空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、
使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が装置から発散されると、制御手段は、発散後1秒から30分までの間、空中物質検出器手段を動作させないようにする、
ことを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の態様によると、少なくとも1つの空気処理剤の分配装置が提供され、この分配装置は、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、ハウジングにおいて装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、この手段には、使用中、装置の外部からの空気が空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、装置から空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
発散手段及び空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、
使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が装置から発散されると、制御手段は、発散後1秒から30分までの間、空中物質検出器手段からの信号を無視する又は退けるように動作可能である、
ことを特徴とする。
【0017】
ハウジングは、底壁、そこから遠く離れた上壁と、それらの間の1つ又はそれ以上の側壁とを含むことが好ましい。1つ又はそれ以上の側壁は、前壁と、これに対向する後壁と、前壁と後壁との間の左側壁及び右側壁とから構成されることが好ましい。上壁は、前壁に向かって下向きに傾斜するように角度が付けられることが最も好ましい。出口オリフィスは、上壁内及び/又は側壁内の、実質的に上壁に隣接した位置に設けられることが好ましい。1つの最も好ましい構成において、出口オリフィスは、傾斜した上壁内に設けられるので、使用中、装置から発散される空気処理剤は、ハウジングの上壁に対して概ね垂直である、概ね上向き方向又は概ね上前方方向に向けられる。代替的に好ましい構成において、出口オリフィスは、底壁よりも上壁に近い、前壁の部分内に配置され、その結果、使用中、装置から発散される空気処理剤は、空気処理剤を周囲環境内にうまく分散させるのを可能にするのに適した高さで概ね前方向に向けられる。
【0018】
空中物質検出器手段のため少なくとも1つのアパーチャは、1つ又はそれ以上の出口オリフィスから離間配置されることが好ましい。1つの好ましい編成において、少なくとも1つのアパーチャは、出口オリフィスのハウジング壁と実質的に垂直なハウジング壁内に配置することができる。代替的な好ましい編成において、少なくとも1つのアパーチャは、出口オリフィスのハウジング壁とは実質的に反対側のハウジング壁内に配置することができる。少なくとも1つのアパーチャは、ハウジングの側壁内に配置されることがより好ましく、後壁内に配置されることがさらにより好ましい。
【0019】
空中物質検出器手段は、ハウジングの内部に存在するいずれの流体からも実質的に完全に隔離され、その結果、ハウジングの内部に存在するいずれの流体も、1つ又はそれ以上のハウジング壁を通過して空中物質検出器手段により検出可能となることが実質的に完全に防止されることが好ましい。
【0020】
ハウジングには、その壁内に、ハウジングの内部に延びる窪んだ凹部が設けられることが好ましい。この窪んだ凹部は、空中物質検出器手段を内部に受け入れるような大きさにされることが好ましい。窪んだ凹部には、該凹部を塞ぐような大きさにされ、側壁の形状及び/又は輪郭に実質的に従い、かつ少なくとも1つのアパーチャを含むカバーを設けることができる。好ましい構成において、空中物質検出器手段が、凹部内に配置され、カバーは、隣接した側壁に対して実質的に恒久的に密封され、いずれの不要な物質も、カバー内のアパーチャを通らずに凹部内に侵入することを実質的に完全に防止し、さらにより好ましくは、いずれの不要な物質も、カバー内のアパーチャを通らずに凹部内に侵入するのを完全に防止する。
【0021】
空中物質検出器手段を凹部内に設けて、これをハウジングの内部から実質的に完全に隔離することは、装置による空気処理剤の発散に起因する検出器手段による誤検出から装置をより良好に保護できる限り、特に有利であることが分かった。多くの周知の装置を用いた場合、空気処理剤が発散されるときに、少量の発散済み物質が周囲環境に成功裏に発散されず、代わりに、装置内に閉じ込められ又はハウジング壁上に当たって装置内を循環し、及び/又は装置内に溜まり、その後装置内で蒸発する。検出器手段が隔離されない場合、閉じ込められた発散剤が検出器手段を妨げ、場合によっては、これを完全に飽和させ、その結果、検出器手段は、装置の周囲環境における空中物質の変動を殆ど完全に読みとることができなくなる。そのような高レベルの検出可能な物質への露出及び特に長期の露出は、感度の低下、検出器手段の汚染、検出器手段の寿命の低下、及び最終的に検出器手段の機能の低下と関連した問題につながることもある。
【0022】
空中物質検出器手段は、閉じ込められた発散済み空気処理剤の侵入から凹部の完全性を保護するように、制御手段と無線通信するように構成することができる。代替的に、凹部内に小さな導管を設けて、空中物質検出器手段と制御手段との間の有線通信を可能にすることができ、ここで、導管と配線との間の如何なる隙間も実質的に完全に密封され、好ましくは完全に密封されて、閉じ込められた発散済み空気処理剤の凹部への侵入を防止する。
【0023】
アパーチャにフィルター膜を設けて、そこを通るガス拡散を可能にしながら、空中物質検出器手段の粒子汚染を防止するか又は実質的に防止することができる。フィルター膜は、ポリエチレン膜のような適切な拡散特性を有するプラスチック材料とすることができる。
【0024】
装置には、装置が空気処理剤を発散する直前に、空中物質検出器手段へ通じるアパーチャを外部環境に対して閉鎖するように構成された移動可能な閉鎖手段を設けることができ、この閉鎖手段は、発散が行われた後の一定時間閉鎖されたままであることが好ましい。閉鎖手段が、発散後の一定時間アパーチャを閉鎖した状態に保持し、発散直後の装置の周囲の空気処理剤の初期高濃度を、空気処理剤が周囲環境内にさらに発散するにつれて低下させ、検出器手段による空中物質の誤検出を防止することは、有利であり得る。閉鎖手段は、好ましくは発散前1秒から60秒まで間、より好ましくは発散前1秒から30秒までの間、さらにより好ましくは発散前1秒から10秒までの間アパーチャを閉鎖する。閉鎖手段は、好ましくは発散後1秒から30分までの間、より好ましくは発散後5秒から15分までの間、さらに好ましくは発散後10秒から10分までの間、最も好ましくは発散後20秒から7分までの間、理想的には発散後実質的に6分(+/−1分)間、周囲環境からの空気がアパーチャに入るのを可能にするように、アパーチャから離れるように動く。
【0025】
ハウジング壁には、空中物質検出器手段と連通するアパーチャに隣接した外向きに延びる突起部を設けて、発散した空気処理剤がアパーチャに入って空中物質検出器手段を誤作動すること、及び/又は、これを潜在的に飽和させることを防止することができる。外向きに延びる突起部は、いずれの空気処理剤もアパーチャから遠ざかるように方向転換する、アパーチャの上方に配置されたカウルの形態で設けられることが好ましい。
【0026】
空中物質検出器手段は、少なくとも1つの匂いセンサ手段を含むことが好ましい。匂いセンサは、1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ及び/又は1つ又はそれ以上の金属酸化物センサを含むことができる。少なくとも1つの匂いセンサ手段は、動きセンサ、人センサ、光センサ、音センサ、湿度センサ、煙センサ、温度センサのリストからの1つ又はそれ以上の付加的なセンサと組み合せることができる。
【0027】
いずれかの金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサを動作可能にするために、センサを動作温度まで加熱し、センサ上の活性表面化学を適切に助長する必要があり、この温度は、典型的には300℃から380℃までのオーダーである。そのような高い動作温度に到達する必要性により、そのようなセンサを含む装置が大量のエネルギーを消費するようになる。本発明の更に別の目的は、金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサを含む装置のエネルギー消費を改善することであり、この目的を達成するために、本発明者等は、センサに加えられるエネルギーのパルス化により、この目的の達成が可能であることに気付いた。
【0028】
1つの好ましい構成において、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にし、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にし、その後、電力をセンサに断続的に加えて、センサを動作温度又はその付近に保持し、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にする。
【0029】
別の好ましい実施形態において、電力をセンサに実質的に連続的に加えて、センサを動作温度にし、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にした後、その後に電力をセンサに断続的に加えて、センサを動作温度に保持し、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にし、匂いセンサが、実質的に連続的に又は定期的に、アパーチャに入る空中物質の量を測定することができるようになる。
【0030】
代替的な好ましい実施形態において、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にし、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にした後、その後に電力をセンサに概ね断続的に加えて、センサを動作温度付近に保持し、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にする。断続的な電力印加期間内において、センサを一時的に動作温度におくように、及び/又は、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されることを確実にするように、連続的な電力印加及び/又は増大した電力印加の期間があってもよく、ここで、匂いセンサは、この電力印加と協働して、センサが動作温度にあるときにアパーチャに入る空中物質の量だけを測定するように、及び/又は、センサの表面化学が電力印加サイクルにおいてセンサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されるのを確実にするように構成される。
【0031】
更に別の代替的な好ましい実施形態において、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にして、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化された後、その後に電力非印加期間が続き、ここで電力非印加に続いて、電力を実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にして、センサの表面化学が空中物質を検出するように適切に活性化されるのを確実にし、サイクルは、装置の動作の全体を通して同じパターンに従って継続する。
【0032】
ひとたび金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは、0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから1000msまでの間続くことが好ましく、より好ましくは、電力パルスは0.5秒から7.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから250msまでの間続き、さらにより好ましくは、電力パルスは0.5秒から5.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから100msまでの間続き、最も好ましくは、電力パルスは0.5秒から3.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから60msまでの間続き、理想的には、電力パルスは、実質的に2.2秒間続くオフ期間を有した状態で実質的に35msの間続く。
【0033】
本発明の文脈において、誤解を避けるために、「動作温度」は、本発明との関連において、センサ上の活性表面化学を適切に助長するためにセンサが到達しなければならない温度に関連して用いられる。さらに誤解を避けるために、本発明の文脈において「動作温度付近」は、センサへの電力印加下で装置を動作温度まで加熱するのに要する時間(上で定められたような)によって定められる動作温度を下回ることのみが許容されることを意味するように理解される。当業者であれば、「付近(close)」の限界は、0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから1000msまでの間装置のセンサに電力供給できるときに、システムがどのように調整されたかに基づいており、センサが、装置が調整された動作境界内の動作温度に達することができなかった場合、温度を「動作温度付近」と定めることはできないことを理解するであろう。
【0034】
少なくとも1つの空中物質検出器は、使用中、現在の空中物質レベルが、所定量より多く、検出されたバックグラウンドの空中物質レベルから逸脱しているかどうかを検出することが好ましい。ここで、バックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物質レベルは、装置によって、好ましくは制御手段によって計算される。
【0035】
制御手段は、空中物質検出器手段の所定数の最新の測定値の平均を計算することにより、現在の空中物質レベルを計算するように動作可能であることが好ましく、2個から5個までの最新測定値がさらにより好ましく、3個の最新測定値が最も好ましい。
【0036】
制御手段は、一方を他方から減算することによって、及び/又は一方の他方に対する比率によって現在の空中物質レベルのバックグラウンド・レベルからの偏差を計算するように動作可能とすることができる。
【0037】
現在の空中物質レベルからバックグラウンド・レベルを減算し、その量をバックグラウンド・レベル値で除算することによって、偏差を計算することが好ましい。表示及び/又は使用を容易にするために、結果に定数を乗算することができる。
【0038】
幾つかの周知の従来技術の装置とは異なり、本発明の装置は、バックグラウンドの空中物質レベルについての所定値を用いて動作するのではなく、むしろ本発明の装置はこのレベルを計算し、この計算したレベルを用いて少なくとも1つの空気処理剤の放出を制御する。装置は、これが用いられる周囲環境の特性に応じて、1つ又はそれ以上の空気処理剤を放出する方法を適合させるように動作可能であるため、この構成は有利であり得る。
【0039】
制御手段は、現在の空中物質レベルを計算する時間よりも長い時間の平均を計算することによって、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能であることが好ましい。
【0040】
バックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物質レベルは、好ましくは少なくとも5秒、より好ましくは少なくとも10秒、より好ましくは少なくとも20秒だけ時間的にオフセットされる。
【0041】
ひとたび装置が動作モードにおかれると、バックグラウンドの空中物質レベルは、この動作モードの継続時間全体を通じて装置により検出された空中物質レベルの平均とすることができる。この構成において、装置は、その局所環境の特性をより良く「学ぶ」ことができ、使用中、現在の空中物質レベルが、所定量より多くバックグラウンド・レベルから逸脱している場合、空気処理剤の放出をより良好に行うことができる。ユーザが装置を別の場所に動かしたいと望む場合、ユーザは、装置を動作モードから自由にリセットすることができ、このリセットにより、バックグラウンドの物質の平均レベルがゼロになるという効果が得られ、その結果、装置は、再び動作モードにおかれたときに、存在しない開始点からバックグラウンドの平均物質レベルを計算することによりその新しい環境の特性を「学ぶ」ように動作可能となる。
【0042】
制御手段は、検出器の所定の数の最新測定値の幾つか又は全ての平均を計算することにより、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能であることが好ましい。10個から10,000個までの最新測定値が好ましく、20個から5000個までの最新測定値がより好ましく、50個から1000個までの最新測定値が最も好ましい。
【0043】
装置に初期設定モードを与えることができ、この場合、最初に装置の電源を入れたたとき、制御手段は、装置のスイッチが最初にオンになったときに存在するバックグラウンドの匂いに基づいて自動的に校正を行う。
【0044】
代替的又は付加的な構成において、好ましくは、制御手段は、空中物質検出器手段からの測定値のローリング・ウィンドウから一連の平均を計算することに基づいて、バックグラウンド・レベルを計算するように動作可能である。各々のローリング・ウィンドウは、2個から10個までの測定値、好ましくは6個の測定値の平均とすることができる。ウィンドウは重なり合わないことが好ましい。ウィンドウは、5分から30分までの間、10分から25分までの間、15分から20分までの間の時間間隔に及ぶことが好ましい。約30個から50個までのウィンドウが存在してもよい。
【0045】
制御手段は、新しいウィンドウが利用可能になった場合、最も古いウィンドウを廃棄するように動作可能であることが好ましく、現在のレベルとバックグラウンド・レベルとの間のオフセットを考慮に入れることが好ましい。
【0046】
制御手段は、空気処理剤の放出をもたらす、バックグラウンド・レベルからの所定の偏差レベルを調整するように動作可能であることが好ましい。この所定のレベルは、手動で調整することができる。偏差は、正の偏差であっても、又は負の偏差でもあってもよい。
【0047】
空中物質検出器手段が1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサの形態で与えられる場合、センサには、1つ又はそれ以上の抵抗器がこれと直列に備えられ、センサの動作中に空中物質の検出に応じてそれらの抵抗が変化するとき、センサからの一貫した信号出力を保証することができる。装置には、1KΩから300KΩまでの範囲を有する3個から5個までのダイナミックレンジ抵抗器が設けられることが好ましい。
【0048】
発散手段は、空気処理剤のための1つ又はそれ以上の周知の発散機構により設けることができる。例えば、空気処理剤が適切な推進剤(例えば、炭化水素推進剤、圧縮ガス、圧縮窒素等)と共に加圧容器内に入っている場合、発散機構は、バルブとの直接接触又はバルブ・アクチュエータの移動による、容器のバルブの機械的移動とすることができ、この構成において、容器は、噴霧性能及びその再現性を高めるために、計量式エアゾールとすることができる。代替的に、加圧容器は、そのバルブが開いた状態に保持された装置内に係合することができ、電磁ソレノイドを用いて、空気処理剤の放出を制御する。他の適切な発散手段は、必ずしもこれらに限定されるものではないが、1つ又はそれ以上のヒータ、1つ又はそれ以上のネブライザ(噴霧器)、1つ又はそれ以上の圧電発散手段を含むことができる。
【0049】
装置には、装置内に固定された空気処理剤の交換可能リフィルごとに1つの出口オリフィスが設けられることが好ましく、この構成は、空気処理剤の二次汚染を防止するために好ましい。
【0050】
空気処理剤の容器は、装置のハウジング内に完全に受け入れられることが好ましい。
【0051】
装置には、ユーザ制御式ブースト機構を設けることができる。装置の使用中、ブースト機構の作動により、少なくとも1つの空気処理剤の分配を実質的に即座にもたらすことができる。
【0052】
空中物質検出器手段によって検出される空中物質は、通常の家庭の匂い(及びこれらの悪臭を構成する化学物質)とすることができる。例えば、台所の悪臭、風呂の悪臭、タバコの煙、ペットの臭い、カビ及び/又は白カビ、体臭、魚、玉ネギ、生ごみ、他の製品(例えば、洗剤、磨き粉、掃除用品など)からの香りである。こうした検出を容易にするために、匂いセンサ手段は、次の化学成分:すなわち、アミン及び窒素化合物;メルカプタン、チオ酸、チオエステル、スルフィド、フェノール及びスカトールの匂いのような、酸及び/又は硫黄化合物の少なくとも幾つかを検出するように動作可能であり得る。
【0053】
上述の態様のいずれかの装置に表示器を設けることもでき、この表示器は、装置が現在どの機能を実行しているかをユーザに示すように動作可能である。表示器は、視覚的表示及び/又は可聴式表示をもたらすように動作可能であり得る。
【0054】
表示器は、1つ又はそれ以上の光源から、好ましくは1つ又はそれ以上のLEDから光を発することによる視覚的表示をもたらすように構成されることが好ましい。
【0055】
1つ又はそれ以上の光源は、様々な色の光を発し、装置が実行している現在の機能を示すように適合させることができる。付加的に又は代替的に、1つ又はそれ以上の光源は、明滅又は点滅して装置が実行している現在の機能を示すことができる。
【0056】
代替的に又は付加的に、装置は、スクリーンを介して、現在装置が実行している機能を視覚的に示すように動作可能であり得る。スクリーンは、ユーザにメッセージを与えることができるように適合されたLCDスクリーンとすることができ、例えば、こうしたメッセージは、「ON(オン状態)」、「SENSING(検出中)」、「MOTION DETECTEDD(検出された動き)」、「RESTING(休止している)」、[NORMAL MODE(通常モード)]、「DETECTION MODE(検出モード)」、「OFF(オフ状態)」を含むことができる。
【0057】
装置は、電気幹線により電力供給することができ、及び/又はバッテリ駆動式とすることができ、及び/又は装置上に配置された太陽電池により電力供給することができる。装置は、バッテリ電源式であることが最も好ましい。
【0058】
本明細書で説明される特徴のいずれも、上記の態様のいずれかと任意の組み合わせで組み合せることができる。
【0059】
ここで、次の図面を参照して本発明の実施形態を単なる一例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明による自動噴霧装置の断面図を示す。
【図2】本発明による自動噴霧装置の背面図を示す。
【図3】本発明によるプラグイン電気装置の正面図を示す。
【図4】本発明によるプラグイン電気装置の上面図を示す。
【図5】本発明によるプラグイン電気装置の断面図を示す。
【図6】本発明によるプラグイン電気装置の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、本発明による、空気処理剤の発散のための自動噴霧装置1の断面図を示す。装置1はハウジング2を含み、図1は、本質的にハウジング2の前壁がないハウジングを示す。ハウジングの前壁には、1つ又はそれ以上の出口オリフィス(図示せず)が設けられる。ハウジングは、空気処理剤の取り外し可能容器3を内部に受け入れるような大きさにされている。図1において、空気処理剤の容器2は、加圧下の空気処理剤を含むエアゾール缶の形態で与えられ、この缶は、本実施形態においては、エアゾールの基部を支持する台の形態で与えられる受け入れ手段4の上に着座している。図1にはまた、発散手段5と、制御手段6と、空中物質検出器手段7と、図1には一対のバッテリとして示される電源8とが示されており、これらは全て以下で詳細に説明される。
【0062】
発散手段5には、少なくとも2つの位置の間で移動可能なアーム9が備えられ、これらの位置のうちの第1の位置が図1に示され、そこでアームはエアゾール缶の上方の高い位置にある。エアゾール缶は、間にバルブ軸11を介してアクチュエータ10に結合されたバルブを有する。第1の位置において、アーム9は、アクチュエータ10の上方に少なくとも部分的に保持され、エアゾール缶のバルブは閉鎖位置にとどまる。アーム9の第2の位置において、発散手段5は、アームを実質的に下方に移動させて、アクチュエータ10をバルブに向かって押し下げ、バルブ・ステム11が押し下げられてバルブが開き、空気処理剤がエアゾール缶から出ていくことが可能になる。容器3は、計量式エアゾール缶であることが好ましく、これは、噴霧ヘッドの一回の押下げにより、アクチュエータを押し下げる時間に関わらず、エアゾール缶から所定量の流体を放出するので、有利であり得る。しかしながら、非加圧容器が空気処理剤を噴霧するためのポンプ機構を有することができるので、非計量式エアゾール缶を装置1内に用いることもできる。
【0063】
代替的に、発散手段5は、ソレノイド・バルブ・システム(図示せず)のようなバルブ・システムの形態を取ることができる。そのようなソレノイド・バルブ・システムが、これと係合した加圧エアゾールと協働することができる。移動によって作動を開始するのではなく、ソレノイド・バルブに通電して、エアゾールからの一定量の流体の放出を開始する。
【0064】
図示しないが、装置1には、空気処理剤の少なくとも2つの別個の容器を受け入れるための手段を設けることができる。この構成において、装置1には、物質の発散を引き起こす付加的な発散手段又は単一の組の発散手段5を設けて、制御手段6によって指示されるように両方の容器から物質を発散させることができる。
【0065】
制御手段6は、空中物質検出器手段7及び発散手段5に動作可能に接続され、これらの間で通信できるようにする。
【0066】
空中物質検出器手段7は、点線内に配置されるように示されているが、それは、図1において、検出器手段7はハウジングの内部から実質的に完全に隔離されており、その結果、ハウジングの内部に存在するいずれの流体もハウジング壁2を通過して検出器手段7により検出可能となることが実質的に完全に防止されるためである。
【0067】
ハウジング2は、底壁2’、上壁2’’、前壁(図示せず)及び後壁2’’’を含む。後壁2’’’には、ハウジング2の内部に延びる凹部12が設けられ、この凹部12の形状は、図2に示される角度から装置を見ると凹形になる。凹部12は、空中物質検出器手段7を内部に受け入れるような大きさにされる。凹部には、凹部を塞ぐような大きさにされ、外側に面する後壁2’’’の形状及び/又は輪郭に実質的に従うカバー13が設けられる。カバー13には、装置1の外部の空気が入り、その内容物が検出器手段7によって分析されることを可能にするための、少なくとも1つのアパーチャ14が設けられる。図1及び図2に示すように、空中物質検出器手段7は凹部12内に配置され、カバー13は隣接した後壁2’’’に実質的に恒久的に密封され、如何なる不要な物質も、カバー13内のアパーチャ14を通らずに凹部に侵入することを実質的に完全に防止される。
【0068】
図1及び図2に示す構成は、空中物質検出器手段7がどのように実質的に完全にハウジングの内部から隔離されるかを示し、これは、空気処理剤がハウジング2の内部で装置により誤って及び/又は定期的に発散されることに起因する、検出器手段7による誤検出から装置をより良く保護することができる限り、有利であると考えられる。凹部内に通じる小さな導管15を設けて、空中物質検出器手段7と制御手段6との間の有線通信を可能にし、導管15と配線との間の隙間は、樹脂又は接着剤などを用いて、閉じ込められた発散済み空気処理剤が凹部内に侵入するのを防止するように密封される。図示しないが、空中物質検出器手段7は、制御手段6と無線通信して、ハウジング2の内部に存在する空気処理剤の侵入に対して凹部の完全性を維持することができる。
【0069】
図示しないが、アパーチャ14をフィルター膜で塞いで、そこを通るガス拡散を可能にしながら、空中物質検出器手段の粒子汚染を防止する又は実質的に防止することができる。フィルター膜は、ポリエチレン膜のような適切な拡散特性を有するプラスチック材料とすることができる。
【0070】
エアゾール缶のアクチュエータ10は、ハウジングの底壁2’に対してほぼ並行な角度で、又は、ハウジングの底壁2’に対して僅かに上向きの角度で、空気処理剤をハウジングの前壁(図示せず)を通って前方に噴霧するように構成されており、典型的には、装置1は、その底壁2’が表面と接触した状態で表面上にあることが、図1から分かる。この構成は、アパーチャ14が、出口オリフィスから離間配置されることを確実にし、図示した構成において、アパーチャ14は、出口オリフィスのハウジング壁とは実質的に反対側のハウジング壁内に配置されるので、容器2から噴霧された空気処理剤が直ちにアパーチャ14と接触することはなくなる。
【0071】
ここで図3−図6を参照すると、装置20は、電気幹線ソケットに接続されることを意図したプラグイン装置であり、この装置は、装置20の後側から外に延びる電気プラグ構成物21上に取り付けられるか又はこれによって支持される。図3及び図4において、装置20は、これと係合し、受け入れ手段34によって所定の位置に保持された、揮発性液体空気処理剤の容器22と共に示されている。容器22は、空気処理剤24を含むガラス瓶の形態のリザーバ部分23と、リザーバ23からシール(図示せず)を通って瓶の上方に延び、装置20の煙突手段26に入る芯25とを有する。芯25は実質的に円筒形とすることができ、容器22が装置20と係合したとき、装置20がひっくり返された、及び/又は、逆さにされたとしても空気処理剤24を瓶の内部に保持するために、シールが存在する。
【0072】
装置20は、容器22の上部の上に部分的に延びるハウジング27を有する。ハウジング27の上部は、煙突手段26からの意図した空気流と位置合わせされた、ほぼ円形の中央出口オリフィス28を有する。
【0073】
発散手段は、少なくとも1つの加熱手段29及び/又は少なくとも1つの扇風機(図示せず)の形態で設けることができる。加熱手段29は、例えば、正温度係数(PTC)のサーミスタのような抵抗器として示されるが、この手段は、リングヒータ等、又はそれらの組み合わせとして設けることもできる。
【0074】
図示しないが、装置20には、少なくとも2つの別個の液体容器22を受け入れるための手段を設けることができる。この構成において、装置20には、空気処理剤24の発散を引き起こすための付加的な発散手段を設けることができる。
【0075】
最も好ましくは、ハウジング27の上壁27’は、前壁27’’に向かって下向きに傾斜するように角度が付けられ、出口オリフィス28は、上壁27’内に設けられる。使用中、以下でより詳しく説明するように、装置20から発散される空気処理剤24は、概ね上向き方向に、又は上壁27’の傾斜に対して垂直な概ね上前方方向に向けられる。
【0076】
空中物質検出器手段30は、該検出器手段30がハウジングの内部から実質的に完全に隔離されるように、点線内に配置されたハウジング27の底壁27’’’’に概ね隣接した側壁27’’’内に設けられるので、ハウジング内部に存在するいずれの流体も、ハウジング壁を通過して検出器手段30により検出可能となることが実質的に完全に防止される。
【0077】
ハウジング27は、該ハウジング27の内部に延びる凹部31を含み、この凹部31の形状は、図6に示される角度から見るとき凹形である。この凹部31は、空中物質検出器手段30を内部に受け入れるような大きさにされる。凹部には、凹部を塞ぐような大きさにされ、かつ、外側に面する側壁27’’’の形状及び/又は輪郭に実質的に従うカバー32が設けられる。カバー32には、装置20の外部の空気が入り、その内容物が検出器手段30により分析されるのを可能にするための少なくとも1つのアパーチャ33が設けられ。空中物質検出器手段30は凹部31内に配置され、カバー32は隣接した側壁27’’’に対して実質的に恒久的に密封され、如何なる不要な物質も、カバー32内のアパーチャ33を通らずに凹部に侵入することが実質的に完全に防止される。
【0078】
図1及び図2に示す構成と同様に、装置20は、空中物質検出器手段30がハウジングの内部から実質的に完全に隔離されるように構成され、このことは、空気処理剤がハウジングの内部で装置20により誤って及び/又は定期的に発散されることに起因する検出器手段30による誤検出から装置をより良く保護することができる限り、有利であると考えられる。凹部内に通じる小さな導管(図示せず)を設けて、空中物質検出器手段30と制御手段(図示せず)との間の有線通信を可能にし、導管と配線との間の隙間は、樹脂又は接着剤などを用いて、閉じ込められた発散済み空気処理剤が凹部内に侵入するのを防止するように密封される。図示しないが、空中物質検出器手段30は、制御手段と無線通信して、ハウジングの内部に存在する空気処理剤24の侵入に対して凹部31の完全性を維持することができる。
【0079】
図示しないが、アパーチャ33はフィルター膜で塞いで、そこを通るガス拡散を可能にしながら、空中物質検出器手段の粒子汚染を防止する又は実質的に防止することができる。フィルター膜は、ポリエチレン膜のような適切な拡散特性を有するプラスチック材料とすることができる。
【0080】
示された装置1、20の両方に関して、空中物質検出器手段7、30は、一般に、少なくとも1つの匂いセンサ手段を含み、好ましくは1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ及び/又は1つ又はそれ以上の金属酸化物センサを含む。
【0081】
ここで、装置1、20の動作モード及び構成要素の相互関係について説明する。
【0082】
いずれの金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサも動作可能にするために、センサを動作温度まで加熱する必要があり、典型的には、この温度は300℃から350℃までのオーダーである。装置1、20は、その制御手段により、電力をセンサに実質的に連続的に加えてセンサを動作温度にし、その後、電力をセンサに断続的に加えてセンサを動作温度又はその付近に保持し、匂いセンサが、アパーチャ14、33に入る空中物質の量を実質的に連続的に又は定期的に測定するのを可能にするように構成することができる。
【0083】
ひとたび金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから1000msまでの間続くことができ、電力パルスが0.5秒から7.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから250msまでの間続くことがより好ましく、電力パルスが0.5秒から5.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから100msまでの間続くことがさらにより好ましく、電力パルスが0.5秒から7.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で5msから60msまでの間続くことが最も好ましく、電力パルスが、実質的に2.2秒間続くオフ期間を有した状態で実質的に35ms間続くことが理想的である。
【0084】
空中物質検出器手段7、30の感度を向上させ及び/又は維持し、その誤作動を防止するために、ひとたび一定量の空気処理剤が発散されると、制御手段は、空中物質検出器手段7、30が一定期間動作しないようにして、空気処理剤が周囲環境にさらに発散するに従って、発散直後の装置の周囲の空気処理剤の初期の高濃度が弱まるのを可能にし、検出器手段7、30による空中物質の誤検出を防止する。制御手段は、好ましくは発散後1秒から30分までの間、より好ましくは発散後5秒から15分までの間、さらにより好ましくは発散後10秒から10分までの間、最も好ましくは発散後15秒から5分までの間、理想的には発散後実質的に100秒間、空中物質検出器手段7、30が動作するのをディスエーブルにすることができ、この構成によって、空中物質検出器7、30は、電力消費量も節約し、このことは、図1及び図2に示した装置が電気幹線以外を電力供給源にし得る場合に特に有利である。
【0085】
使用中、制御手段は、空中物質検出器手段7、30から受け取った信号を分析して、現在の空中物質濃度が、所定量より多く、検出されたバックグラウンドの空中物質レベルから逸脱しているかどうかを検出するように構成され、ここでバックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物資レベルが、制御手段によって計算される。
【0086】
制御手段は、空中物質検出器手段7、30の所定数の最新測定値の平均を計算することにより、現在の空中物質レベルを計算するように動作可能である。2個から5個までの最新測定値が好ましく、3個の最新測定値がより好ましい。
【0087】
制御手段は、一方を他方から減算することによって、及び/又は一方の他方に対する比率によって現在の空中物質レベルのバックグラウンド・レベルからの偏差を計算するように動作可能とすることができる。
【0088】
しかしながら、現在の空中物質レベルからバックグラウンド・レベルを減算し、その量をバックグラウンド・レベル値で除算することにより、偏差を計算することが好ましい。表示及び/又は使用を容易にするために、結果に定数を乗算することができる。
【0089】
制御手段は、現在の空中物質レベルを計算する時間間隔よりも長い時間間隔の平均を計算することにより、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能である。感度を向上させるために、バックグラウンドの空中物質レベル及び現在の空中物質レベルは、好ましくは少なくとも5秒だけ、より好ましくは少なくとも10秒だけ、より好ましくは少なくとも20秒だけ、時間的にオフセットされる。
【0090】
ひとたび装置1、20が動作モードにおかれると、バックグラウンドの空中物質レベルは、この動作モードの継続時間全体を通じて装置により検出された空中物質レベルの平均とすることができる。この構成において、装置1、20は、その局所環境の特性をより良く「学ぶ」ことができ、使用中、現在の空中物質レベルが、所定量より多くバックグラウンド・レベルから逸脱している場合、空気処理剤をより良好に放出することができる。
【0091】
ユーザが装置1、20を別の場所に動かしたいと望む場合、ユーザは、装置を動作モードから自由にリセットすることができ、この装置のリセットにより、バックグラウンドの物質の平均レベルがゼロになるという効果が得られ、その結果、装置は、再び動作モードに置かれたときに、存在しない開始点からバックグラウンドの平均物質レベルを計算することによりその新しい環境の特性を「学ぶ」ように動作可能である。
【0092】
制御手段は、検出器の所定の数の最新測定値の幾つか又は全てを、好ましくは10個から10,000個までの最新測定値の平均を計算することにより、バックグラウンドの空中物質レベルを計算するように動作可能である。
【0093】
装置1、20に初期設定モードを設けることができ、ここで、最初に装置の電源を入れたときに、制御手段が、装置のスイッチが最初にオンになったときに存在する既存のバックグラウンドの匂いに基づいて自動的に較正を行うことになる。その後、制御手段は、空中物質検出器手段からの計測値のローリング・ウィンドウから一連の平均を計算することに基づいて、バックグラウンド・レベルを計算するように動作可能である。各々のローリング・ウィンドウは、2個から10個までの測定値、好ましくは6個の測定値の平均とすることができる。ウィンドウは重なり合わないことが好ましい。ウィンドウは、5分から30分までの間、好ましくは10分から25分までの間、好ましくは15分から20分までの間の時間間隔に及ぶことが好ましい。約30から50までのウィンドウがあってよい。制御手段は、新しいウィンドウが利用可能になった場合、最も古いウィンドウを廃棄するように動作可能であり、現在のレベルとバックグラウンド・レベルとの間のオフセットを考慮に入れることが好ましい。
【0094】
制御手段は、空気処理剤の放出をもたらす、バックグラウンド・レベルからの所定の偏差レベルを調整するように動作可能であることが好ましい。この所定のレベルは、手動で調整することができる。偏差は、正の偏差であっても、又は負の偏差であってもよい。
【0095】
空中物質検出器手段が1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサの形態で与えられる場合、センサには、1つ又はそれ以上の抵抗器がこれと直列に備えられ、センサの動作中に空中物質の検出に応じてそれらの抵抗が変化するとき、センサからの一貫した信号出力を保証することができる。装置には、1KΩから300KΩまでの範囲を有する3個から5個までのダイナミックレンジ抵抗器が設けられることが好ましい。
【0096】
装置1、20には、ユーザ制御式ブースト機構(図示せず)を設けることができる。装置の使用中、ブースト機構の作動により、実質的に、少なくとも1つの空気処理剤の分配をもたらすことができる。
【0097】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)で開示した特徴の全て、及び/又はそこで開示した任意の方法又はプロセスのステップの全てを、このような特徴及び/又はステップの少なくとも幾つかが互いに相容れない組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0098】
本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)で開示した各々の特徴を、特に明記しない限り、同じ目的、同等の目的、又は類似の目的を果たす代替的な特徴と置き換えることができる。従って、特に明記しない限り、開示した各々の特徴は、一般的な一連の同等の又は類似の特徴の一例にすぎない。
【0099】
本発明は、上述の実施形態の詳細に制限されるものではない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)で開示した特徴の任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせにまで及ぶものであり、或いは、本明細書で開示した任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの、又は任意の新規な組み合わせにまで及ぶものである。
【符号の説明】
【0100】
1、20:自動噴霧装置
2、27:ハウジング
2’27’:ハウジング2の底壁
2’’、27’’:ハウジング2の上壁
2’’’、27’’’:ハウジング2の後壁
3、22:容器
4、34:受け入れ手段
5:発散手段
6:制御手段
7、30:空中物質検出器手段
9:アーム
10:アクチュエータ
11:バルブ・ステム
12、31:凹部
13、32:カバー
14、33:アパーチャ
15:導管
21:電気プラグ構成物
23:リザーバ部分
24:空気処理剤
25:芯
26:煙突手段
28:出口オリフィス
29:加熱手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの空気処理剤の分配装置を動作させる方法であって、前記分配装置は、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、前記ハウジングにおける前記装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、前記手段には、使用中、前記装置の外部からの空気が前記空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、前記装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の前記少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、前記ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、前記装置から前記空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
前記発散手段及び前記空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、前記方法は、
制御手段が、前記発散手段に、使用中、一定量の空気処理剤の発散をもたらすように作動するように命令するステップを含み、
前記一定量の空気処理剤の発散後、前記制御手段は、発散後1秒から30分までの間、前記空中物質検出器手段を動作させないように動作可能である、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つの空気処理剤の分配装置を動作させる方法であって、前記分配装置は、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、前記ハウジングにおける前記装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、前記手段には、使用中、前記装置の外部からの空気が前記空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、前記装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の前記少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、前記ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、前記装置から前記空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
前記発散手段及び前記空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、前記方法は、
制御手段が、前記発散手段に、使用中、一定量の空気処理剤の発散をもたらすように作動するように命令するステップを含み、
前記一定量の空気処理剤の発散後、前記制御手段は、発散後1秒から30分までの間、前記空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けるように動作可能である、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
前記制御手段は、発散後1秒から30分までの間、前記空中物質検出器手段が動作するのをディスエーブルにするように動作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記制御手段は、発散後実質的に6分(+/−1分)間、前記空中物質検出器手段が動作するのをディスエーブルにするように動作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記制御手段は、発散後1秒から30分までの間の時間、前記空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けるように動作可能であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記制御手段は、発散後実質的に6分(+/−1分)間、前記空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けるように動作可能であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの空気処理剤の分配装置であって、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、前記ハウジングにおける前記装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、前記手段には、使用中、前記装置の外部からの空気が前記空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、前記装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の前記少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、前記ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、前記装置から前記空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
前記発散手段及び前記空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、
使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が前記装置から発散されると、前記制御手段は、発散後1秒から30分までの間、前記空中物質検出器手段を動作させないようにする、
ことを特徴とする装置。
【請求項8】
少なくとも1つの空気処理剤の分配装置であって、
空気処理剤の少なくとも1つの取り外し可能容器を少なくとも部分的に内部に受け入れるように適合された内部を定める1つ又はそれ以上の壁を有するハウジングを含み、前記ハウジングにおける前記装置は、
空気中の空中物質を検出するように動作可能な空中物質検出器手段を含み、前記手段には、使用中、前記装置の外部からの空気が前記空中物質検出器手段に入るのを可能にするための、前記装置の外部へ通じる少なくとも1つのアパーチャが設けられ、
空気処理剤の前記少なくとも1つの容器を受け入れるための受け入れ手段と、
使用中、前記ハウジング内の1つ又はそれ以上の出口オリフィスを通って、前記装置から前記空気処理剤を発散させるように適合された発散手段と、
前記発散手段及び前記空中物質検出器手段と通信状態にある制御手段と、
をさらに含み、
使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が前記装置から発散されると、前記制御手段は、発散後1秒から30分までの間、前記空中物質検出器手段からの信号を無視する及び/又は退けるように動作可能である、
ことを特徴とする分配装置。
【請求項9】
前記空中物質検出器手段のための前記少なくとも1つのアパーチャは、前記1つ又はそれ以上の出口オリフィスから離間配置されることを特徴とする、請求項7〜請求項8のいずれかに記載の分配装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアパーチャは、前記出口オリフィスのハウジング壁と実質的に垂直なハウジング壁内に配置されることを特徴とする、請求項7〜請求項9のいずれかに記載の分配装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのアパーチャは、前記出口オリフィスのハウジング壁とは実質的に反対側のハウジング壁内に配置されることを特徴とする、請求項7〜請求項9のいずれかに記載の分配装置。
【請求項12】
前記空中物質検出器手段は、前記ハウジングの前記内部に存在するいずれの流体からも実質的に完全に隔離され、前記ハウジングの前記内部に存在するいずれの流体も、前記1つ又は複数のハウジング壁を通過して前記空中物質検出器手段により検出可能となることが実質的に完全に防止されることを特徴とする、請求項7〜請求項9のいずれかに記載の分配装置。
【請求項13】
前記ハウジングには、前記ハウジングの前記内部内に延びる、その壁内の窪んだ凹部が設けられ、前記凹部は、前記空中物質検出器手段を内部に受け入れるような大きさにされることを特徴とする、請求項12に記載の分配装置。
【請求項14】
前記窪んだ凹部には、前記凹部を塞ぐような大きさにされ、かつ、前記ハウジング壁の形状又は輪郭に実質的に従うカバーが設けられ、前記カバーは少なくとも1つのアパーチャを含むことを特徴とする、請求項13に記載の分配装置。
【請求項15】
前記アパーチャには、そこを通るガスの拡散を可能にしながら、前記空中物質検出器手段の粒子汚染を防止する又は実質的に防止するためのフィルター膜が設けられることを特徴とする、請求項7〜請求項14のいずれかに記載の分配装置。
【請求項16】
前記装置には、前記装置が空気処理剤を発散する直前に、前記空中物質検出器手段へ通じるアパーチャを外部環境に対して閉鎖し、かつ、発散が行われた後の一定時間閉鎖されたままであるように構成された、移動可能な閉鎖手段が設けられることを特徴とする、請求項7〜請求項15のいずれかに記載の分配装置。
【請求項17】
前記ハウジングには、発散された空気処理剤が前記アパーチャに入るのを防止するために、前記空中物質検出器手段と連通する前記アパーチャに隣接した外向きに延びる突起部が設けられることを特徴とする、請求項7〜請求項16のいずれかに記載の分配装置。
【請求項18】
前記空中物質検出器手段は、少なくとも1つの匂いセンサ手段を含むことを特徴とする、請求項7〜請求項17のいずれかに記載の分配装置。
【請求項19】
前記匂いセンサ手段は、1つ又はそれ以上の金属酸化膜半導体センサ及び/又は1つ又はそれ以上の金属酸化物センサを含むことを特徴とする、請求項18に記載の分配装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの匂いセンサ手段は、動きセンサ、人センサ、光センサ、音センサ、湿度センサ、煙センサ、温度センサのリストからの1つ又はそれ以上の付加的なセンサと組み合わせられることを特徴とする、請求項18に記載の分配装置。
【請求項21】
使用中、前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサに加えられるエネルギーはパルス状であることを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項22】
使用中、電力を前記センサに実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、その後、電力を前記センサに断続的に加えて前記センサを動作温度に保持することを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項23】
使用中、電力を前記センサに実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、その後、前記電力を前記センサに断続的に加えて前記センサを動作温度付近に保持することを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項24】
使用中、電力を前記センサに実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、その後、電力非印加期間が続き、前記電力非印加期間の後、電力を実質的に連続的に加えて前記センサを動作温度にし、結果として生じるサイクルが、その後、前記装置の前記動作全体を通して継続することを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項25】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは、0.5秒から10秒までの間続くオフ期間を有した状態で、5msから1000msまでの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項26】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは、0.5秒から7.5秒まで間続くオフ期間を有した状態で5msからから250msまでの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項27】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力のパルスは、0.5秒から5.5秒までの間続くオフ期間を有した状態で、5msから100msまでの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項28】
使用中、ひとたび前記金属酸化膜半導体センサ/金属酸化物匂いセンサが動作温度まで加熱されると、電力パルスは、実質的に2.2秒間続くオフ期間を有した状態で、実質的に35msの間続くことができることを特徴とする、請求項19に記載の分配装置。
【請求項29】
使用中、ひとたび一定量の空気処理剤が発散されると、前記制御手段は、前記空中物質検出器手段を一定時間動作させないようにすることを特徴とする、請求項7〜請求項28のいずれかに記載の分配装置。
【請求項30】
使用中、前記少なくとも1つの前記空中物質検出器は、前記現在の空中物質レベルが、所定量より多く、検出されたバックグラウンドの空中物質レベルから逸脱しているかどうかを検出するように動作可能であり、前記バックグラウンドの空中物質レベル及び前記現在の空中物質レベルは、前記装置によって計算されることを特徴とする、請求項7〜請求項29のいずれかに記載の分配装置。
【請求項31】
使用中、前記制御手段は、前記空中物質検出器手段の所定数の最新測定値の平均を計算することにより、前記現在の空中物質レベルを計算するように動作可能であることを特徴とする、請求項30に記載の分配装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−508001(P2013−508001A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533701(P2012−533701)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【国際出願番号】PCT/GB2010/051753
【国際公開番号】WO2011/045620
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(509134020)レキット アンド コールマン (オーヴァーシーズ) リミテッド (14)
【Fターム(参考)】