説明

改良された調整手段

熱液と冷液を混合するためのシングルレバーバルブは、流出する液体の温度上限を内部で課すことができる混合部を有する。使用される手段は、コンポーネントの交換によって上限を変えることを可能にし、場所が異なることによって異なる上限温度が要求されても、装着において混合部はどのような場所でも使用可能である。混合部は、“安全でない”混合部を“安全な”混合部と交換するため、交換可能なカートリッジ形状になっている。調整手段は、混合部の組立前でも、温度の上限カットオフが正確となるのを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2005年3月31日に国際公開第WO2005/028930号公報の下で公開された我々の国際特許出願第PCT/NZ2004/000225号には、熱液と冷液を混合するためのシングルレバーバルブに適用可能な温度制限装置が記載されている。本発明は、その明細書の図5に図示された構成の改良に関する。その明細書における定義は、本明細書にも適用することができ、本発明の内容を実施可能にするために、その明細書全体の内容が本明細書内で繰り返されるように扱われることを意図する。本件改良を行うための1つの理由は、先の発明がカートリッジに適用されたとき、ヨーロッパやその他の場所に渡って一般的である標準40mmまでカートリッジの径を減少させることにあった。
【背景技術】
【0002】
そのコピーが本明細書に組み込まれている上述した従来技術の図5を参照すると、温度検出装置34は、支持部材75の上に搭載され、スプリング77による選択的な偏倚が、高温に熱せられた温度検出装置に対するダメージを防止していた。熱液流入経路の完全な閉鎖が生じる温度を簡単に調整する手段がなかった。温度検出装置の正確さは重大なことであった。
【0003】
本発明は、図5に示した構成の中心部に対し修正した部分の断面図である概略的添付図面、図1を参照しながら、簡略に記載されている。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、国際特許出願第PCT/NZ2004/000225号にクレームされた発明の改良から成り、そこでは、集合空間が軸を有し、温度検出装置を支持する挿入部を軸方向に動かすことによって、温度検出装置の位置が軸方向に調整されることを可能にするとともに、第1の冷液入口を塞ぐシートを軸両方向に運動させる調整手段が設けられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
カートリッジの第1のケース部分120は、挿入される部分109を収容する。壁挿入部118は、ピストン111およびOリング117と密接して係合している。また、組立中、壁挿入部118が第1のケース部分120の位置にあると、カートリッジの第2のケース部分121がすぐに超音波で溶接され、あるいは環状結合部133で第1の部分120に固定される。ピストンの新規な動作は、我々の今現在出願されている特許明細書に記載されており、図1の特徴をよりわかりやすく理解できるように、ここに組み入れられているものとして読まれ、取り扱われることを意図している。しかしながら、本発明は、図1に示した正確な構成に限定されない。本発明は、図1に示すような筒状集合室の上方部の両側面で流入するのではなく、図5に示すような入口42を介して熱液が集合空間に流入する構成に対しても直接適用される。
【0006】
第3のケース部分134は、内部雌ねじ135を備え、螺合する雄ねじを備えた調整挿入部、すなわちシリンダ136にねじ回されている。Oリング137は、雄ねじ135を介して冷液が第1の冷液流入経路113から装置の出口133へ漏れるのを防ぐ。また、Oリング137は摩擦抵抗として働き、初期調整した後の使用中では、定められた位置で保持され続ける。また、Oリング137は、第2、第3のケース部分121、134との間の接合部を渡る漏れを止める。
【0007】
ねじが形成されたシリンダ136は、リブ139を備え、径方向内側に延びるおよそ6つのリブが、温度検出装置116を設置し、支持する。リブ139の上面は、カラー141の環状下面140を支持する。
【0008】
次の組み立て工程はピストン111、温度検出装置116などに対するものであり、第1、第2ケース部分120、121内に装着される。そして、調整シリンダ136を含めたコンポーネントは、所定位置に配置される。カートリッジの外側壁130には、凹状に形成される一時的なクリップ(図示せず)を設けてもよく、クリップは、バルブ本体へカードリッジが最終的に装着されるまでOリング137の過度な圧縮なしでコンポーネント全体を緩やかに保持する。
【0009】
ねじの形成された挿入部、すなわちシリンダ136によって提供される調整は、119におけるシールの軸方向高さが変えられるのを可能にする。シリンダ136が部分109に向けてねじ回されると、シリンダ136は熱液を閉鎖するためのピストン11の移動距離範囲を短くする。これにより、閉鎖はより低い温度で生じる。実際には、誤ったもしくは一時的な上部との組み合わせで合わせたとき、シリンダを第3のケース部分134内で調整すればよく、所望する最大温度におけるテスト用閉鎖が存在する。
【0010】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図5に示した構成の中心部に対し修正した部分の断面図である。
【図5】従来技術の図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱液と冷液を混合し、出力温度を調節するための装置であって、
混合室と、
前記混合室への熱液流入口と、
前記混合室への第1の冷液流入口と、
前記混合室からの出口と、
前記混合室の出口と連通する、前記装置からの流出経路と、
前記混合室内に設けられ、前記流入口を通って前記混合室内へ入る熱液と冷液との比を、混合して流出する流れの任意の速度において変更することができる混合比率(流れ制御)手段と、
前記混合室からの混合液の出力温度を検知し、そして、前記混合室から流出する流れのすべての速度において出力温度が(短時間のわずかな許容を除いて)選択された最大温度を超えないように、前記混合比率手段を制御する温度検出装置と、
前記混合室からの流出温度が検知される場所の下流側にある前記装置の出力経路に繋がる第2の冷液流入口とを備え、
前記温度検出装置が調整手段によって支持され、前記調整手段が、前記装置と協同して、前記温度検出装置を前記熱液流入口へ接近するもしくは離間する方向へ相対的に変位可能にすることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記調整手段が、前記第1の冷液流入口の閉塞を可能にするシートを設けたねじ状挿入部を含み、使用時に前記装置内で前記挿入部と螺合するねじに対し前記挿入部を回転させることで、前記温度検出装置および前記シートが前記熱液流入口へ接近もしくは離間する方向へ動くことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記調整手段が、前記温度検出装置のハウジング周りの鍔を上方に支持し、前記装置のねじ部分と螺合する前記挿入部のねじが、前記第1の冷液流入口を含む1つもしくは複数のパーツから容易に取り外し可能であることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
挿入部以外の装置部分に対する前記挿入部の相対的回転が、前記挿入部とそれ以外の装置部分との間で圧縮される弾性シールリングによって抑制もしくは防止されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記シールリングが、前記装置の上方部分と下方部分との間の接合部を密封することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記シールリングが、前記ねじ状部分から前記第1の冷液流入口を密封することを特徴とする請求項4乃至5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記調整手段と前記温度検出装置以外の部分が、前記装置の上部に含まれ、前記調整手段と前記温度検出装置を含む前記装置の下部が、前記挿入部の位置決め後に提供され、固定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記上部および下部を、最終固定の前に一緒に提供され、仮の基板(interim basis)上に固定することが可能な凹状クリップが設けられることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
固定分配部材と可動分配部材とをさらに備え、
前記固定分配部材が、前記熱液および冷液を前記可動分配部材へ供給するための前記可動分配部材に対するポートを有し、
前記可動分配部材が、前記熱液流入口と前記冷液流入口に供給される熱液と冷液の比率および流速を調節し、前記流入口に対するすべての流れを完全に止めることを可能にすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
熱液と冷液を混合し、温度制御するための制御装置であって、
可動分配部材と、
固定分配部材と、
前記可動および固定分配部材を支持する本体と、
前記可動および固定分配部材との部分間を密封する密封手段と、
前記固定分配部材内にある熱液流入口と、
前記固定分配部材内にある冷液流入口と、
前記可動分配部材内にある熱液移動経路とを備え、
前記本体、もしくは前記可動分配部材、あるいは前記固定分配部材内に、全部もしくはその一部が含まれるものであって、
集合空間と、
前記熱液移動経路と前記集合空間とを連通する熱液流入経路と、
前記冷液移動経路および前記集合空間と連通する第1の冷液流入経路と、
前記集合空間からの出口と、
前記集合空間内に設けられるとともに、前記熱液流入経路を漸進的に開ける一方で前記第1の冷液流入経路を漸進的に閉じることにより、もしくはその逆によって、前記集合空間に入る熱液および冷液の流れを調節することが可能であり、前記熱液流入経路を完全に閉鎖することが可能な流れ調節手段と、
前記流れ調節手段の動作を制御する温度検出装置と、
前記出口内にある前記温度検出装置の温度検出部と、
前記冷液移動経路、および前記温度検出部の実質的下流側にある前記出口と連通する第2の冷液流入経路とを備え、
前記可動分配部材が、
前記熱液流入口が、前記熱液流入経路と連通する前記熱液移動経路と連通すると同時に、前記冷液流入口が、前記第1の冷液流入経路と連通する前記冷液移動経路と連通する位置、
もしくは、
前記熱液流入口が、前記熱液流入経路と連通する前記熱液移動経路と連通すると同時に、前記冷液流入口が、前記第1の冷液流入経路と連通する前記冷液移動経路と連通し、また、前記冷液移動経路が前記第2の冷液流入経路と連通する位置、
もしくは、
前記熱液流入口と前記冷液流入口が互いに連通せず、どの経路においても前記熱液流入口と前記冷液流入口両方からの空間的繋がりを遮断する位置
それぞれに移動可能であり、そして、
前記温度検出装置が調整手段によって支持され、前記調整手段が、前記装置と協同して、前記温度検出装置を前記熱液流入口へ接近するもしくは離間する方向へ相対的に変位可能にし、それと同時に、前記第1の冷液流入経路を閉じる前記流れ調節手段の性能、調整に影響を及ぼさないことを特徴とする制御装置。
【請求項11】
前記調整手段が、前記本体にねじ状挿入部を含み、前記挿入部が、前記第1の冷液流入経路の閉塞を可能にする前記調整手段の一部であるシートを含み、使用時には、前記本体内の螺合するねじ内部での前記ねじを切った挿入部が回転することによって、前記温度検出装置および前記シートが前記熱液流入経路へ接近もしくは離間する方向に動くことを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記温度検出装置がハウジングを有し、前記ハウジングと前記挿入部を囲う鍔が設けられ、前記シートが前記鍔の上方に位置する間、前記挿入部の一部が前記鍔を上方に向けて支持することを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記本体に対する前記挿入部の相対的回転が、前記挿入部と前記本体との間で圧縮された弾性シールリングの手段によって抑制もしくは防止されることを特徴とする請求項12に記載の制御装置。
【請求項14】
前記シールリングが、前記第1の冷液流入経路からねじ部分を密封することを特徴とする請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
熱液と冷液を混合し、温度制御するための制御装置であって、
可動分配部材と、
固定分配部材と、
前記可動および固定分配部材を支持する本体と、
前記可動および固定分配部材との部分間を密封する密封手段と、
前記固定分配部材内にある熱液流入口と、
前記固定分配部材内にある冷液流入口と、
前記固定分配部材内にある熱液流出口と、
前記固定分配部材内にある第1の冷液流出口と、
前記固定分配部材内にある第2の冷液流出口と、
前記可動分配部材内にある熱液移動穴と、
前記可動分配部材内にある冷液移動穴とを備え、
前記本体には、
集合空間と、
前記熱液移動経路と前記集合空間とを連通する熱液流入経路と、
前記冷液移動経路および前記集合空間と連通する第1の冷液流入経路と、
前記集合空間からの出口と、
前記集合空間内に設けられるとともに、前記熱液流入経路を漸進的に開ける一方で前記第1の冷液流入経路を漸進的に閉じる、もしくはその逆によって、前記集合空間に入る熱液および冷液の流れを調節することが可能であり、前記熱液流入経路を完全に閉鎖することが可能な流れ調節手段と、
前記流れ調節手段の動作を制御する温度検出装置と、
前記出口内にある前記温度検出装置の温度検出部と、
前記冷液流出口および前記温度検出部の実質的下流側にある前記出口と連通する第2の冷液流入経路とを備え、
前記可動分配部材が、
前記熱液流入口が、前記熱液流出口と連通する前記熱液移動穴と連通すると同時に、前記冷液流入口が、前記第1の冷液流出口と連通する前記冷液移動穴と連通する位置、
もしくは、
前記熱液流入口が、前記熱液流出口と連通する前記熱液移動穴と連通すると同時に、前記冷液流入口が、前記第1の冷液流出口と連通する前記冷液移動穴と連通し、また、前記冷液移動穴が前記第2の冷液流出口と連通する位置、
もしくは、
前記熱液流入口と前記冷液流入口がどの流出口とも連通しない位置
それぞれに移動可能であり、そして、
前記温度検出装置が調整手段によって支持され、前記調整手段が、前記装置と協同して、前記温度検出装置を前記熱液流入口へ接近するもしくは離間する方向へ相対的に変位可能にし、それと同時に、前記第1の冷液流入経路を閉じる前記流れ調節手段の性能、調整に影響を及ぼさないことを特徴とする制御装置。
【請求項16】
前記調整手段が、前記本体にねじ状挿入部を含み、前記挿入部が、前記第1の冷液流入経路の閉塞を可能にする前記調整手段の一部であるシートを含み、使用時には、前記本体内の螺合するねじ内部での前記ねじを切った挿入部が回転することによって、前記温度検出装置および前記シートが前記熱液流入経路へ接近もしくは離間する方向に動くことを特徴とする請求項15に記載の制御装置。
【請求項17】
前記温度検出装置がハウジングを有し、前記ハウジングと前記挿入部を囲う鍔が設けられ、前記シートが前記鍔の上方に位置する間、前記挿入部の一部が前記鍔を上方に向けて支持することを特徴とする請求項16に記載の制御装置。
【請求項18】
前記本体に対する前記挿入部の相対的回転が、前記挿入部と前記本体との間で圧縮された弾性シールリングの手段によって抑制もしくは防止されることを特徴とする請求項17に記載の制御装置。
【請求項19】
前記シールリングが、前記第1の冷液流入口からねじ部分を密封することを特徴とする請求項13に記載の制御装置。
【請求項20】
前記集合空間が、軸と、前記軸と同軸な筒状壁とを有し、前記流れ調節手段が、前記筒状壁によって規定される筒状室内で移動可能な可動部材を含むことを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載の制御装置。
【請求項21】
前記可動部材が、軸両方向に沿って密封しながら摺動可能な、前記筒状壁を渡るパーティションを備え、前記熱液流入経路と前記冷液流入経路との間に空間的繋がりを提供可能な前記パーティションを通るオリフィスが設けられることを特徴とする請求項20に記載の制御装置。
【請求項22】
前記第1の冷液流入経路が前記筒状壁を介して前記集合空間と連通し、前記パーティションが、前記第1の冷液流入経路を越えて位置決め可能な筒状スカートを含むことを特徴とする請求項21に記載の制御装置。
【請求項23】
前記スカートが前記第1の冷液流入経路を越えて、前記調整手段の一部を形成するシートによって前記経路が完全に塞がれる位置に位置決め可能であり、使用中、冷液が前記集合空間に流入できないことを特徴とする請求項22に記載の制御装置。
【請求項24】
前記熱液流入経路が、筒状室流入口を介して、前記筒状室の端部もしくはその付近で前記集合空間と連通することを特徴とする請求項20乃至23のいずれかに記載の制御装置。
【請求項25】
前記第1の冷液流入経路が、前記筒状壁の周囲にあって、前記筒状壁の軸に垂直な平面の間に実質的に位置する凹部を含むことを特徴とする請求項24に記載の制御装置。
【請求項26】
前記筒状壁の軸が、前記可動分配部材および前記挿入部の回転させられる軸に平行であることを特徴とする請求項20乃至25のいずれかに記載の制御装置。
【請求項27】
前記温度検出装置が、前記本体内に配置され、使用中、検知される液体温度の増加で軸方向に膨張し、検知される液体温度の減少で軸方向に収縮することを特徴とする請求項20乃至26のいずれかに記載の制御装置。
【請求項28】
前記温度検出装置は、ハウジングと、前記ハウジングに関して軸両方向に移動可能であって、前記筒状壁の軸と同軸であるピストンとを含むことを特徴とする請求項27に記載の制御装置。
【請求項29】
前記可動分配部材および前記固定分配部材が、セラミックディスクであることを特徴とする請求項15乃至28のいずれかに記載の制御装置。
【請求項30】
バルブ用カートリッジとして構成されることを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
前記装置が、バルブであってシングル操作レバーを含むことを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−526950(P2009−526950A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550257(P2008−550257)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/NZ2007/000002
【国際公開番号】WO2007/081224
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508210848)グリーンズ インダストリーズ リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】GREENS INDUSTRIES LIMITED
【Fターム(参考)】