説明

改質石炭製造装置

【課題】自然発火のおそれを確実に抑制された改質石炭を製造することができる改質石炭製造装置を提供する。
【解決手段】低質炭1を乾燥させる乾燥器本体111等と、乾燥された乾燥炭2を乾留する乾留器本体121等と、乾留された乾留炭3を圧縮成形するブリケッタ131等とを備えている改質石炭製造装置100において、水酸基を有する有機化合物からなるラジカル捕捉剤102を含む雰囲気中で低質炭1を乾燥させるように乾燥用ガス供給源115から送給されて加熱器116で加熱された乾燥用ガス101にラジカル捕捉剤102を供給するラジカル捕捉剤供給器117を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改質石炭製造装置に関し、特に、褐炭や亜瀝青炭等のような多孔質で水分含有量の多い低品位石炭(低質炭)を改質する場合に適用すると有効なものである。
【背景技術】
【0002】
褐炭や亜瀝青炭等のような多孔質で水分含有量の多い低品位石炭(低質炭)は、埋蔵量が多いものの、単位重量当たりの発熱量が低いと共に、輸送効率が悪いため、加熱処理して乾燥させることにより、単位重量当たりの発熱量を高めると共に、圧縮成形することにより、ハンドリング性を高めるようにしている。
【0003】
ところで、加熱処理された上記低質炭は、水と反応して水和物を形成しやすくなると共に、表面のカルボキシル基等が離脱して表面にラジカル等を生じることにより表面の活性が高くなって空気中の酸素と反応しやすくなってしまうことから、上記反応に伴う反応熱によって自然発火してしまうおそれがある。
【0004】
このため、例えば、下記特許文献1等においては、重質油分を溶媒油分に混合した混合油中に低質炭を加えて加熱(100〜250℃)して、細孔内から水分を気化蒸発させると共に、当該細孔内に上記混合油を浸入させた後、固液分離して乾燥させることにより、上記細孔内を含めた表面全体を上記混合油で被覆して外気から遮蔽して自然発火を抑制した改質石炭を製造することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−233383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1等に記載されている従来の方法においては、前記低質炭を被覆している前記混合油が衝撃等によって剥離してしまうと、当該剥離した部分が外気と接触するようになってしまい、自然発火を起こしてしまうおそれがあった。
【0007】
このようなことから、本発明は、自然発火のおそれを確実に抑制された改質石炭を製造することができる改質石炭製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための、第一番目の発明に係る改質石炭製造装置は、石炭を乾燥させる乾燥手段と、乾燥された前記石炭を乾留する乾留手段と、乾留された前記石炭を圧縮成形する圧縮成形手段とを備えている改質石炭製造装置において、水酸基を有する有機化合物からなるラジカル捕捉剤を含む雰囲気中で前記石炭を乾燥させるように当該ラジカル捕捉剤を前記乾燥手段の雰囲気に供給する第一のラジカル捕捉剤供給手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
第二番目の発明に係る改質石炭製造装置は、第一番目の発明において、前記乾燥手段が、内部に前記石炭を供給される本体と、加熱された乾燥用ガスを前記本体の内部に供給する乾燥用ガス供給手段とを備え、前記第一のラジカル捕捉剤供給手段が、前記ラジカル捕捉剤を内蔵すると共に前記乾燥用ガス供給手段からの前記乾燥用ガス中に前記ラジカル捕捉剤をガス状に含有させるように当該ラジカル捕捉剤を当該乾燥用ガスに供給するものであることを特徴とする。
【0010】
第三番目の発明に係る改質石炭製造装置は、第一番目の発明において、前記乾燥手段が、内部に前記石炭を供給される本体と、加熱された乾燥用ガスを前記本体の内部に供給する乾燥用ガス供給手段とを備え、前記第一のラジカル捕捉剤供給手段が、前記乾留手段で生成した乾留ガスの少なくとも一部を前記乾燥用ガス中に加える第一の乾留ガス分取供給手段を備えたものであることを特徴とする。
【0011】
第四番目の発明に係る改質石炭製造装置は、第一番目の発明において、前記ラジカル捕捉剤を含む雰囲気中で前記石炭を圧縮成形するように当該ラジカル捕捉剤を前記圧縮成形手段の雰囲気に供給する第二のラジカル捕捉剤供給手段を備えていることを特徴とする。
【0012】
第五番目の発明に係る改質石炭製造装置は、第四番目の発明において、前記第二のラジカル捕捉剤供給手段が、前記乾留手段で生成した乾留ガスの少なくとも一部を前記圧縮成形手段に供給する第二の乾留ガス分取供給手段を備えたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る改質石炭製造装置によれば、乾燥工程において、石炭の細孔内を含めた表面全体に存在する酸素含有官能基等と水素結合している化学結合水をラジカル捕捉剤と容易に置換することができるので、(1)脱水率を大幅に向上させる、(2)水和物の生成を阻害する、(3)ラジカル捕捉剤を石炭の細孔内を含めた表面全体に存在させることができると共に、乾留工程において、乾留に伴って表面だけでなく内部にまで生成したラジカルを上記ラジカル捕捉剤で捕捉して失活させることができる。したがって、本発明に係る改質石炭製造装置は、(1)石炭中にラジカルをほとんど存在させることなく失活させることができる、(2)石炭に新たなラジカルが発生することを大幅に抑制することができる、(3)万が一、石炭に新たなラジカルが発生したとしても即時に失活させることができるので、自然発火のおそれを確実に抑制した改質石炭を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る改質石炭製造装置の第一番目の実施形態の概略構成図である。
【図2】本発明に係る改質石炭製造装置の第二番目の実施形態の概略構成図である。
【図3】本発明に係る改質石炭製造装置の第三番目の実施形態の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る改質石炭製造装置の実施形態を図面に基づいて以下に説明するが、本発明は、図面に基づいて説明する実施形態のみに限定されるものではない。
【0016】
〈第一番目の実施形態〉
本発明に係る改質石炭製造装置の第一番目の実施形態を図1に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、褐炭や亜瀝青炭等のような多孔質で水分含有量の多い低品位石炭(低質炭)1を低質炭受入口から内部に供給される乾燥器本体111には、窒素ガス等の不活性ガスや空気等からなる乾燥用ガス101を当該乾燥器本体111の内部に送給する乾燥用ガス供給源115が加熱器116を介してガス受入口に連結されている。この加熱器116と上記乾燥器本体111との間には、ラジカルと反応しやすいと共に有機物との親和性が水よりも高いアルコールやフェノール等のような水酸基(−OH)を有する有機化合物からなるラジカル捕捉剤102を前記乾燥用ガス101にガス状に含有させるように供給する第一のラジカル捕捉剤供給手段であるラジカル捕捉剤供給器117が介在している。上記乾燥器本体111のガス送出口は、冷却器112、回収器113、吸着器114を介して外部へ連絡している。
【0018】
前記乾燥器本体111の乾燥炭送出口には、当該乾燥器本体111で乾燥された乾燥炭2を乾留する乾留器本体121の乾燥炭受入口が連絡している。この乾留器本体121のガス送出口は、冷却器122、回収器123、吸着器124を介して外部へ連絡している。
【0019】
前記乾留器本体121の乾留炭送出口には、当該乾留器本体121で乾留された乾留炭3を圧縮して塊状に成形するブリケッタ131の乾留炭受入口が連絡している。このブリケッタ131の成形炭送出口には、当該ブリケッタ131で圧縮成形された成形炭4を回収する回収容器135が連絡している。
【0020】
なお、本実施形態においては、前記乾燥用ガス供給源115、前記加熱器116等により乾燥用ガス供給手段を構成し、当該乾燥用ガス供給手段、前記乾燥器本体111、前記冷却器112、前記回収器113、前記吸着器114等により乾燥手段を構成し、前記乾留器本体121、前記冷却器122、前記回収器123、前記吸着器124等により乾留手段を構成し、前記ブリケッタ131、前記回収容器135等により圧縮成形手段を構成している。
【0021】
このような本実施形態に係る改質石炭製造装置100を使用した改質石炭製造方法を次に説明する。
【0022】
前記乾燥器本体111の内部に低質炭1を送給すると共に、前記乾燥用ガス供給源115から乾燥用ガス101を送給して前記加熱器116を流通させると、当該乾燥用ガス101は、加熱(約100〜250℃程度)された後、ラジカル捕捉剤供給器117でラジカル捕捉剤102を供給(例えば、乾燥用ガスとの合計量に対する割合で約5〜25wt.%程度(好ましくは約10〜20wt.%程度))させながら上記乾燥器本体111の内部に送給されることにより、当該乾燥器本体111内をラジカル捕捉剤含有雰囲気にしつつ当該乾燥器本体111内の低質炭1を加熱する。
【0023】
これにより、上記低質炭1は、細孔内を含めた表面全体に物理的に存在している水分が、熱エネルギで気化蒸発して離脱すると共に、細孔内を含めた表面全体に存在する酸素含有官能基(例えば、カルボキシル基やカルボニル基やヒドロキシル基やアルコキシル基等)等と水素結合している化学結合水が、ガス化で細部にまで侵入しやすいだけでなく水よりも親和性の高い前記ラジカル捕捉剤102と容易に置換されて離脱するようになる。
【0024】
このため、上記低質炭1は、物理的に存在している水分だけでなく化学的に存在している水分も離脱して、含有する水分が著しく低減されると共に、上記ラジカル捕捉剤102が、細孔内を含めた表面全体に存在して、水和物の生成を阻害するようになる。
【0025】
なお、前記乾燥器本体111内で上記低質炭1の乾燥に供された上記乾燥用ガス101は、前記冷却器112で冷却(例えば、約60〜80℃程度)され、余剰となった上記ラジカル捕捉剤102が水分と共に前記回収器113に回収され、前記吸着器114で浄化処理された後、外部へ排出される。
【0026】
このように乾燥されて上記ラジカル捕捉剤102を細部にまで導入された乾燥炭2は、前記乾燥器本体111から前記乾留器本体121へ送給され、さらに加熱(例えば、300〜400℃)されて乾留されることにより、乾留ガス5が発生する。この乾留ガス5は、前記冷却器122で冷却(例えば、約60〜80℃程度)されて、液分5aが前記回収器123に回収された後、液化しなかったガス分5bが前記吸着器114で浄化処理されてから外部へ排出される。
【0027】
このとき、上記乾燥炭2は、上記乾留に伴って物理的な形態を変化させながら熱分解することにより、前記酸素含有官能基等の開裂や縮合等を生じ、表面だけでなく内部にまでラジカルを生じるものの、前記乾燥処理の際に、細部にまで侵入させた前記ラジカル捕捉剤102が、表面だけでなく内部に存在する上記ラジカルまでも捕捉して失活させるようになる。
【0028】
なお、上記乾留に伴って発生した乾留油6は、前記乾留器本体121から外部へ送出されて回収される。
【0029】
このように乾留されて表面だけでなく内部に存在するラジカルまでも失活された乾留炭3は、前記ブリケッタ131に送給されて、塊状に圧縮成形された後、成形炭4となって改質石炭として前記回収容器135に回収される。
【0030】
つまり、本実施形態においては、ラジカルと反応しやすいと共に有機物との親和性が水よりも高い水酸基(−OH)を有する有機化合物からなる前記ラジカル捕捉剤102を乾燥用ガス101中にガス状に供給することにより、当該ラジカル捕捉剤102を含む雰囲気中で低質炭1を乾燥させるようにしたのである。
【0031】
このため、本実施形態では、乾燥工程において、低質炭1の細孔内を含めた表面全体に存在する酸素含有官能基等と水素結合している化学結合水を上記ラジカル捕捉剤102と容易に置換することができるので、(1)脱水率を大幅に向上させる、(2)水和物の生成を阻害する、(3)ラジカル捕捉剤102を低質炭1の細孔内を含めた表面全体に存在させることができると共に、乾留工程において、乾留に伴って表面だけでなく内部にまで生成したラジカルを上記ラジカル捕捉剤102で捕捉して失活させることができる。
【0032】
したがって、本実施形態によれば、(1)成形炭4中にラジカルをほとんど存在させることなく失活させることができる、(2)成形炭4に新たなラジカルが発生することを大幅に抑制することができる、(3)万が一、成形炭4に新たなラジカルが発生したとしても即時に失活させることができるので、自然発火のおそれを確実に抑制した成形炭4を容易に製造することができる。
【0033】
なお、ラジカルと反応しやすいと共に有機物との親和性が水よりも高い水酸基(−OH)を有する有機化合物からなるラジカル捕捉剤102としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フェノール、クレゾール、エチルヒドロキシベンゼン、メチルクレゾール、メチルエチルフェノール、ジメチルクレゾール、ナフトール、ジヒドロキシベンゼン等を挙げることができる。
【0034】
〈第二番目の実施形態〉
本発明に係る改質石炭製造装置の第二番目の実施形態を図2に基づいて説明する。ただし、前述した第一番目の実施形態と同様な部分については、前述した第一番目の実施形態の場合と同様な符号を用いることにより、前述した第一番目の実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0035】
図2に示すように、前記乾留器本体121のガス送出口と前記冷却器122との間は、前記乾燥器本体111のガス受入口と前記加熱器116との間に第一の乾留ガス分取供給手段である第一の送給ブロア217を介して連結されており、前述した第一番目の実施形態におけるラジカル捕捉剤供給器117は省略されている。
【0036】
このような本実施形態においては、前記第一の送給ブロア217等により第一のラジカル捕捉剤供給手段を構成している。
【0037】
つまり、前述した第一番目の実施形態に係る改質石炭製造装置100においては、ラジカルと反応しやすいと共に有機物との親和性が水よりも高い水酸基(−OH)を有する有機化合物からなるラジカル捕捉剤102をラジカル捕捉剤供給器117によって乾燥用ガス101中にガス状に供給することにより、当該ラジカル捕捉剤102を含む雰囲気中で低質炭1を乾燥させるようにしたが、本実施形態に係る改質石炭製造装置200においては、前記乾留ガス5が、ラジカルと反応しやすいと共に有機物との親和性が水よりも高いアルコールやフェノール等のような水酸基(−OH)を有する有機化合物を含有することから、当該乾留ガス5の一部を前記第一の送給ブロア217によって分取して乾燥用ガス101中に加えるようにしたのである。
【0038】
したがって、本実施形態によれば、前述した第一番目の実施形態の場合と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、乾留ガス5をラジカル捕捉剤102として利用することができるので、ラジカル捕捉剤102をわざわざ別途用意する必要がなく、前述した第一番目の実施形態の場合よりも、低コスト化を図ることができる。
【0039】
〈第三番目の実施形態〉
本発明に係る改質石炭製造装置の第三番目の実施形態を図3に基づいて説明する。ただし、前述した第一,二番目の実施形態と同様な部分については、前述した第一,二番目の実施形態の場合と同様な符号を用いることにより、前述した第一,二番目の実施形態での説明と重複する説明を省略する。
【0040】
図3に示すように、前記乾留器本体121のガス送出口と前記冷却器122との間は、さらに、前記ブリケッタ131の乾留炭受入口に第二の乾留ガス分取供給手段である第二の送給ブロア337を介して連結されている。上記ブリケッタ131の成形炭送出口は、気固分離器338の受入口に接続している。この気固分離器338は、ガス送出口が、冷却器332、回収器333、吸着器334を介して外部へ連絡し、固体送出口が、前記回収容器135に連絡している。
【0041】
このような本実施形態においては、前記ブリケッタ131、前記冷却器332、前記回収器333、前記吸着器334、前記回収容器135、前記気固分離器338等により圧縮成形手段を構成し、前記第二の送給ブロア337等により第二のラジカル捕捉剤供給手段を構成している。
【0042】
つまり、本実施形態に係る改質石炭製造装置300は、前述した第二番目の発明に係る改質石炭製造装置200において、さらに、上記乾留ガス5の一部を前記第二の送給ブロア337によって分取して前記ブリケッタ131の内部の雰囲気に供給するようにしたのである。
【0043】
このため、本実施形態に係る改質石炭製造装置300においては、さらに、乾留炭3を圧縮成形するときの雰囲気中に、水酸基(−OH)を有する有機化合物を含有する前記乾留ガス5を存在させることができるので、水酸基(−OH)を有する有機化合物をさらに侵入させながら乾留炭3を圧縮成形して成形炭4を製造することができる。
【0044】
したがって、本実施形態によれば、前述した第一,二番目の実施形態の場合と同様な効果を得ることができるのはもちろんのこと、水酸基(−OH)を有する有機化合物を成形炭4中にさらに侵入させることができるので、自然発火のおそれをさらに確実に抑制した成形炭4を容易に製造することができる。
【0045】
〈他の実施形態〉
なお、前述した第一,二番目の実施形態においては、ラジカルと反応しやすいと共に有機物との親和性が水よりも高い水酸基(−OH)を有する有機化合物を含有する乾留ガス5を前記乾留器本体121から前記乾燥用ガス101中や前記ブリケッタ131内にそのまま供給するようにしたが、他の実施形態として、例えば、前記回収器123で回収した前記乾留ガス5の前記液分5aから、蒸留等によって、ラジカルと反応しやすいと共に有機物との親和性が水よりも高い水酸基(−OH)を有する有機化合物を単離して前記乾燥用ガス101中や前記ブリケッタ131の内部の雰囲気にガス状に供給するようにすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明に係る改質石炭製造装置は、自然発火のおそれを確実に抑制した改質石炭を容易に製造することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 低質炭(低品位石炭)
2 乾燥炭
3 乾留炭
4 成形炭(改質石炭)
5 乾留ガス
5a 液分
5b ガス分
6 乾留油
100 改質石炭製造装置
101 乾燥用ガス
102 ラジカル捕捉剤
111 乾燥器本体
112 冷却器
113 回収器
114 吸着器
115 乾燥用ガス供給源
116 加熱器
117 ラジカル捕捉剤供給器
121 乾燥器本体
122 冷却器
123 回収器
124 吸着器
131 ブリケッタ
135 回収容器
200 改質石炭製造装置
217 第一の送給ブロア
300 改質石炭製造装置
332 冷却器
333 回収器
334 吸着器
337 第二の送給ブロア
338 気固分離器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭を乾燥させる乾燥手段と、
乾燥された前記石炭を乾留する乾留手段と、
乾留された前記石炭を圧縮成形する圧縮成形手段と
を備えている改質石炭製造装置において、
水酸基を有する有機化合物からなるラジカル捕捉剤を含む雰囲気中で前記石炭を乾燥させるように当該ラジカル捕捉剤を前記乾燥手段の雰囲気に供給する第一のラジカル捕捉剤供給手段を備えている
ことを特徴とする改質石炭製造装置。
【請求項2】
請求項1に記載の改質石炭製造装置において、
前記乾燥手段が、
内部に前記石炭を供給される本体と、
加熱された乾燥用ガスを前記本体の内部に供給する乾燥用ガス供給手段と
を備え、
前記第一のラジカル捕捉剤供給手段が、
前記ラジカル捕捉剤を内蔵すると共に前記乾燥用ガス供給手段からの前記乾燥用ガス中に前記ラジカル捕捉剤をガス状に含有させるように当該ラジカル捕捉剤を当該乾燥用ガスに供給するものである
ことを特徴とする改質石炭製造装置。
【請求項3】
請求項1に記載の改質石炭製造装置において、
前記乾燥手段が、
内部に前記石炭を供給される本体と、
加熱された乾燥用ガスを前記本体の内部に供給する乾燥用ガス供給手段と
を備え、
前記第一のラジカル捕捉剤供給手段が、
前記乾留手段で生成した乾留ガスの少なくとも一部を前記乾燥用ガス中に加える第一の乾留ガス分取供給手段を備えたものである
ことを特徴とする改質石炭製造装置。
【請求項4】
請求項1に記載の改質石炭製造装置において、
前記ラジカル捕捉剤を含む雰囲気中で前記石炭を圧縮成形するように当該ラジカル捕捉剤を前記圧縮成形手段の雰囲気に供給する第二のラジカル捕捉剤供給手段を備えている
ことを特徴とする改質石炭製造装置。
【請求項5】
請求項4に記載の改質石炭製造装置において、
前記第二のラジカル捕捉剤供給手段が、
前記乾留手段で生成した乾留ガスの少なくとも一部を前記圧縮成形手段に供給する第二の乾留ガス分取供給手段を備えたものである
ことを特徴とする改質石炭製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−201947(P2011−201947A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68065(P2010−68065)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【特許番号】特許第4719298号(P4719298)
【特許公報発行日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】