説明

改質装置

【課題】装置の大型化を図ることなく、水素製造用原料を効率よく改質することのできる改質装置を提供する。
【解決手段】バーナ9と該バーナ9からの火炎F及び排ガスEをガイドする筒体11aとを有する熱源としての燃焼筒11と、燃焼筒11を囲むように配置され、水素製造用原料を水蒸気改質して水素を含有する改質ガスを生成する改質器8と、燃焼筒11と改質器8との間に形成された、燃焼筒11からの排ガスが通過する排ガス流路12と、を備え、排ガス流路12に、伝熱性が少なくとも空気より高いアルミナビーズ17を配置することによって、排ガス流路12を通過する排ガスEからの熱を改質器8に十分に伝える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯油等の水素製造用原料を水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを製造する改質装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の改質装置として、上方に炎を噴出させるバーナと、バーナから発生した排ガスを上方に案内する内側輻射筒と、自由端とされている内側輻射筒の上端開口部から吹き出る排ガスを下方へ案内する排ガス流路と、排ガス流路を通過する排ガスの熱を用いて改質ガス燃料を水素リッチな改質ガスに改質する改質容器と、を中心部から径方向外側に向かって備えた円筒形の改質装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2007−31249号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、上記の改質装置にあっては、バーナから発生する排ガスを排ガス流路に通過させ、当該排ガスによって改質容器を熱しているが、単に排ガスを通過させただけの構成では、排ガスの熱を改質容器に十分に伝えることができない可能性があり、改質効率が悪くなるおそれがあった。また、改質容器に供給する熱量を増加させるためにバーナ及び内側輻射筒を大きくして、発生する排ガスを増加させた場合にあっては、装置が大型化してしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、装置の大型化を図ることなく、水素製造用原料を効率よく改質することのできる改質装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る改質装置によれば、燃焼部と該燃焼部からの火炎及び排ガスをガイドする筒体とを有する熱源としての燃焼筒と、燃焼筒を囲むように配置され、水素製造用原料を水蒸気改質して水素を含有する改質ガスを生成する改質器と、燃焼筒と改質器との間に形成された、燃焼筒からの排ガスが通過する排ガス流路と、を備え、排ガス流路に、伝熱性が少なくとも空気より高く、排ガスからの熱を改質器に伝えるのを補助する伝熱媒体を配置したことを特徴とする。
【0006】
この改質装置によれば、排ガス流路に伝熱性の高い伝熱媒体が配置されているため、排ガス流路を通過する排ガスからの熱を改質器に十分に伝えることができる。これによって、装置の大型化を図ることなく、水素製造用原料を効率よく改質することができる。また、燃焼筒に直接改質器が接するのではなく、その間に排ガス流路が設けられているため、改質器が燃焼筒の熱により直接炙られることがなく、改質器の触媒へのダメージを低減することができる。
【0007】
本発明に係る改質装置において、伝熱媒体は、粒状あるいはフィン状であることが好ましい。この改質装置によれば、粒状やフィン状とすることによって、伝熱媒体の表面積を広くすることができるため、排ガス流路を通過する排ガスから十分に熱を受け取ることができるようになり、改質器へ効率よく熱を伝達することができる。また、適度の隙間を設けることができるため、排ガス流路内の不要な圧力損失の上昇を抑止することができる。
【0008】
粒状の伝熱媒体を充填する場合、その伝熱媒体は略球状であることが好ましい。真球に近い略球状の伝熱媒体を用いることによって均一に充填することを可能とし、これによって、熱伝達効率を高くすることができる。
【0009】
本発明に係る改質装置において、燃焼筒は、燃焼部から下方へ向けて排ガスを発生させると共に、筒体の下方の先端部側から排ガス流路に排ガスを供給し、筒体の先端部における外周面側に、粒状の伝熱媒体を下方から支持する環状の伝熱媒体支持リングを配置し、筒体の先端部には、内外を連通する連通孔が設けられていることが好ましい。この改質装置によれば、燃焼部に対する液だれなどを防止すべく、燃焼部から下方へ向けて排ガスを発生させ、筒体の下方の先端部側から排ガス流路に排ガスを供給する構成としたときに、筒体の外面側に配置された伝熱媒体支持リングを粒状の伝熱媒体を支持する支持部材として使用することができる。このとき、筒体の先端部に連通孔を設けることによって、排ガスを供給するための流路も十分確保することができる。
【0010】
本発明に係る改質装置において、改質器の下部に改質ガスの出口を有し、燃焼筒からの排ガスは当該改質器下部の内側面に供給されてから、排ガス流路を通って上方に抜けることを特徴としてもよい。このようにすれば、改質ガスの出口付近に熱を集中させて改質を促進させることができるため、未改質ガスの流出を抑えることができる。
【0011】
本発明に係る改質装置において、伝熱媒体の材料としては、例えば、アルミナ、好ましくはステンレス鋼、より好ましくはインコネル(等商標)が挙げられる。このような材料を用いることにより、コストを低減できると共に、伝熱媒体としての伝熱性及び蓄熱性の両方をバランスよく確保できる。耐久性を考慮すると、ステンレス鋼を使用することが好ましく、インコネル(登録商標)を使用することがより好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る改質装置によれば、装置の大型化を図ることなく、水素製造用原料を効率よく改質することのできる改質装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0014】
図1は本発明の実施形態に係る改質装置を適用した燃料電池システムを示す概略構成図、図2は本発明の一実施形態に係る改質装置の概略構成図である。燃料電池システムは、水素製造用原料を用いて発電を行なうものであり、例えば家庭用の電力供給源として採用される。ここでは、水素製造用原料としては、水蒸気改質反応により水素を含む改質ガスを得ることのできる物質であれば使用できる。例えば、炭化水素類、アルコール類、エーテル類など分子中に炭素と水素を有する化合物を用いることができる。工業用あるいは民生用に入手できる水素製造用原料の好ましい例として、メタノール、エタノール、ジメチルエーテル、メタン、都市ガス、LPG(液化石油ガス)を挙げることができ、また石油から得られるガソリン、ナフサ、灯油、軽油などの炭化水素油を挙げることができる。なかでも液体燃料であると好ましく、特に灯油は工業用としても民生用としても入手容易であり、その取り扱いも容易なため、好ましい。
【0015】
図1に示すように、燃料電池システム1は、脱硫器2、燃料処理システム(FPS)3、固体高分子形燃料電池(PEFC)スタック4、インバータ5、及びこれらを収容する筐体6を備えている。
【0016】
脱硫器2は、外部から導入された水素製造用原料を脱硫するものである。この脱硫器2には、ヒータ(図示せず)が設けられており、これにより、脱硫器2は、例えば水素製造用原料を130℃〜140℃まで加熱するようになっている。
【0017】
FPS3は、水素製造用原料を改質して改質ガスを生成するためのものであり、改質装置30、CO変成器10及び選択酸化器15を有している。改質装置30は、水素製造用原料を水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを製造するものであり、改質器8及びバーナ9を有している。
【0018】
改質装置30の改質器8は、脱硫器2から脱硫された水素製造用原料を供給されると共に、外部から水蒸気(水)を供給される。そして、脱硫された水素製造用原料と水蒸気(水)とを改質触媒で水蒸気改質反応させて、水素を含有する改質ガスを生成する。また、改質装置30のバーナ9は、改質器8の改質触媒を加熱することで、水蒸気改質反応に必要な熱量を供給する。なお、バーナ9の燃料として、装置の起動時には脱硫器2からの水素製造用原料を用い、運転中は、PEFCスタック4からのオフガスを用いることが好ましい。
【0019】
CO変成器10は、改質器8で生成された改質ガスに含まれる一酸化炭素濃度(CO)を低減するため、一酸化炭素を水と反応させ、水素シフト反応により水素と二酸化炭素に転換するためのものである。また、選択酸化器15は、CO変成器10で処理された改質ガスの一酸化炭素濃度を更に低減させるため、改質ガス中の一酸化炭素を選択的に酸化することにより二酸化炭素にするものである。
【0020】
PEFCスタック4は、複数の電池セル(図示せず)が積み重ねられて構成されており、FPS3で得られた改質ガスを用いて発電して直流(DC)電流を出力する。電池セルは、アノードと、カソードと、アノード及びカソード間に配置された固体高分子である電解質とを有しており、アノードに改質ガスを導入させると共に、カソードに空気を導入させることで、各電池セルにおいて電気化学的な発電反応が行われることになる。
【0021】
インバータ5は、出力されたDC電流を交流(AC)電流に変換する。筐体6は、その内部に脱硫器2、FPS3、PEFCスタック4及びインバータ5をモジュール化して収容する。
【0022】
図2は、改質装置30の具体的な構成を示す概略構成図である。図2に示すように、改質装置30は、改質器8と、燃焼筒11と、排ガス流路12と、水蒸気流路13と、改質ガス流路14と、凸部19とを備えている。この改質装置30では、燃焼筒11を同軸的に取り囲むように、内周側から排ガス流路12、改質器8、水蒸気流路13の順番で外形が略円柱状に配置され、排ガス流路12には伝熱媒体としてのアルミナビーズ17(詳細は後述)が充填されている(図3参照)。
【0023】
燃焼筒11は、筒状の筒体11aの上端部にバーナ(燃焼部)9を取り付けることによって構成される。この燃焼筒11は、バーナ9から下方へ火炎Fを噴射することによって排ガスEを発生させ、筒体11aによって、バーナ9からの火炎F及び排ガスEを下方向へガイドする。また、筒体11aの下方側の先端部11bは先端開口11cを有するとともに自由端部とされている。筒体11aの先端部11bにおける外周面側には外リング(伝熱媒体支持リング)16が取り付けられる(詳細は後述)。なお、バーナ9が筒体11aの上端部に取り付けられ下向きに配置されているため、液だれなどの入り込みを防止することができる。
【0024】
改質器8は、その内部に改質反応を行うための改質触媒8aを有し、燃焼筒11との間に隙間が設けられるように、燃焼筒11を取り囲んで配置される。改質器8は、上端側から水素製造用原料である灯油と水蒸気を取り込み、下端側の出口から改質ガスを出す。改質器8と燃焼筒11との間には、排ガスEを通過させるための排ガス流路12が設けられ、改質器8の下端側には改質ガスをCO変成器(図1の10)などへガイドするための改質ガス流路14が設けられ、改質器8の外周側には改質器8へ供給するための水蒸気をガイドするための水蒸気流路13が設けられる。
【0025】
凸部19は、筒体11aの先端開口11cと対向するように離間して、改質装置30の底壁30a上に設けられている。凸部19はドーム状の殻体であり、内部は空隙とされている。これにより、改質装置30の下部に配置される機器への伝熱を抑えている。また、ドーム状の殻体の外面に沿って排ガスを側方にガイドしている。
【0026】
このように構成された改質装置30においては、外部からの灯油と水蒸気流路13を通過する水蒸気とが、改質器8へ供給され、改質触媒8aで水蒸気改質反応された後、改質ガスとして改質器8の下端側から改質ガス流路14へ供給される。このとき、バーナ9の燃焼によって発生した排ガスEが、筒体11aの先端部11b側(下端側)から改質器8の下部内側面に供給され、改質器8を加熱しながら排ガス流路12内を上方に向かって通過し、外部へ排気される。なお、このとき、改質器8の上端部側は400℃程度まで加熱され、下端部側は700℃程度まで加熱される。
【0027】
図4は、図2に示すAの拡大断面図である。図4に示すように、排ガス流路12には、伝熱性及び蓄熱性が少なくとも空気より高く、粒径が0.5〜3mm程度のアルミナビーズ(粒状の伝熱媒体)17が充填されている。この粒状の伝熱媒体は、例えばSUS304,310s等のステンレス鋼や、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)、ニクロム、カンタル(登録商標)などであってもよい。これら粒状の伝熱媒体は、耐久性を考慮すると、SUS310Sであることが好ましく、インコネル(登録商標)であることがより好ましい。また、これら粒状の電熱媒体は、それぞれ大きさが一定であり、且つ真球に近い略球状であることが望ましい。大きさが一定の真球とすることによって、均一に伝熱媒体を充填することを可能とし、これによって、伝熱効率を高くすることができる。なお、排ガス流路12の上端側には、排ガスEが流れ込むことによるアルミナビーズの噴出しを防止するための網状の噴出し防止蓋(図示せず)が設けられている。
【0028】
外リング16は、筒体11aよりも大きな径を有し、その内周面が筒体11aの先端部11bの外周面に溶接等されることによって、筒体11aと一体化されている。この外リング16によって、排ガス流路12の下端の流路幅が狭小化されるとともに、排ガス流路12内に充填されたアルミナビーズ17が支持される。外リング16の外周面と排ガス流路12の外周側の壁面12aとの間には、アルミナビーズ17の径よりも小さい隙間20が設けられる。また、筒体11aの先端部11bにおける外リング16が取り付けられた位置よりも上方には、内外を連通する連通孔11dが設けられている。なお、外リング16の材質としては、SUS310Sが好ましい。
【0029】
以上によって、排ガス流路12に伝熱性の高いアルミナビーズ17が配置されているため、排ガス流路12を通過する排ガスEからの熱を改質器8に十分に伝えることができる。これによって、装置の大型化を図ることなく、水素製造用原料を効率よく改質することができる。
【0030】
また、例えば、燃焼筒11内の燃焼状態や改質ガスの流量などが急に変動した場合などであっても、アルミナビーズ17に蓄えられた熱を改質器8へ供給することによって、改質器8内の急激な温度変化を防止することができ、これによって、水素製造用原料の安定した改質が可能となる。
【0031】
また、伝熱媒体を粒状であるアルミナビーズ17とすることによって、伝熱媒体の表面積を広くすることができるため、排ガス流路12を通過する排ガスEから十分に熱を受け取ることができるようになり、改質器8へ効率よく熱を伝達することができる。また、適度の隙間を設けることができるため、排ガス流路12内の不要な圧力損失の上昇を抑止することができる。
【0032】
また、伝熱媒体としてアルミナを用いているため、コストを低減できると共に、伝熱媒体としての伝熱性及び蓄熱性の両方をバランスよく確保できる。
【0033】
また、燃焼筒11に直接改質器8が接するのではなく、その間に排ガス流路12が設けられているため、改質器8が燃焼筒11の熱により直接炙られることがなく、改質器8の触媒へのダメージを低減することができる。
【0034】
また、改質器8は、その下部に改質ガスの出口を有し、燃焼筒11からの排ガスは改質器8下部の内側面に供給されてから、排ガス流路12を通って上方に抜けるため、改質ガスの出口付近に熱を集中させ改質を促進させて、未改質ガスの流出を抑えることができる。
【0035】
また、筒体11aの先端部11bの加熱による変形を抑制するための外リング16が、燃焼筒11の中でも特に変形が生じ易い部分である筒体11aの先端部11bに、配置されているため、温度変化による燃焼筒11の変形を抑制し、改質装置30の耐久性を向上させることができる。
【0036】
また、外リング16が筒体11aの外周面に配置されているため、筒体11aの先端部11bが補強され、これによって筒体11aの先端部11bの内側及び外側への変形を抑制することができる。また、仮に外リング16と排ガス流路12の外周面の壁面12aを隙間なく固定した場合は、筒体11aの先端部11bの代わりに燃焼筒11のその他の部分で予期せぬ変形が生じてしまい、かえって耐久性を損なう可能性もある。しかし、この改質装置30によれば、外リング16と排ガス流路12の外周面の壁面12の間に隙間20を設けているため、予期せぬ変形を防止することができる。
【0037】
また、バーナ9に対する液だれなどを防止すべく、本実施形態のようにバーナ9から下方へ向けて排ガスEを発生させ、筒体11aの先端部11b側から排ガス流路12に排ガスEを供給する構成としたときに、筒体11aの外面側に配置された変形抑制用の外リング16を粒状のアルミナビーズ17を支持する支持部材として兼用することができ、部品点数の減少を図ることができる。このとき、筒体11aの先端部11bに連通孔11dを設けることによって、排ガスEを供給するための流路も十分確保することができる。
【0038】
また、外リング16を配置することによって、燃料筒11から排ガス流路12へ排ガスEを供給するための流路が塞がれてしまった場合にあっては、排ガスEの流路を十分に確保することができなくなると共に、圧力損失が上昇してしまう可能性がある。しかし、この改質装置30によれば、燃焼筒11からの排ガスEは、筒体11aの先端部11bに設けられた連通孔11dを通過することによって、排ガス流路12に供給されることができる。これによって、外リング16を配置した場合であっても、排ガス流路12を十分に確保することができると共に、圧力損失が上昇してしまうことを防止することができる。
【0039】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。
【0040】
例えば、排ガス流路12に配置する伝熱媒体として粒状のアルミナビーズ17を用いているが、図5に示すように、排ガス流路12内で上下方向に延在する複数のフィン(フィン状の伝熱媒体)25を設けてもよい。このフィン25は、例えばアルミナ、SUS304,310S等のステンレス鋼や、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)、ニクロム、カンタル(登録商標)などからなる。これらフィン25は、耐久性を考慮すると、SUS310Sであることが好ましく、インコネル(登録商標)であることがより好ましい。このようなフィン25によっても、アルミナビーズ17と同様の作用・効果を奏する。
【0041】
更に、スタックは、PEFCスタックに限らず、アルカリ電解質形、リン酸形、溶融炭酸塩形あるいは固体酸化物形などの他の形式のスタックであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施形態に係る改質装置を適用した燃料電池システムを示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る改質装置を示した構成概略図である。
【図3】図2に示す改質装置の横断面図である。
【図4】図2中のAの部分拡大断面図である。
【図5】他の実施形態に係る改質装置の横断面図である。
【符号の説明】
【0043】
8…改質器、9…バーナ(燃焼部)、11…燃焼筒、11a…筒体、11b…先端部、11d…連通孔、12…排ガス流路、16…外リング(伝熱媒体支持リング)、17…アルミナビーズ(粒状の伝熱媒体)、25…フィン(フィン状の伝熱媒体)、30…改質装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼部と該燃焼部からの火炎及び排ガスをガイドする筒体とを有する熱源としての燃焼筒と、
前記燃焼筒を囲むように配置され、水素製造用原料を水蒸気改質して水素を含有する改質ガスを生成する改質器と、
前記燃焼筒と前記改質器との間に形成された、前記燃焼筒からの排ガスが通過する排ガス流路と、を備え、
前記排ガス流路に、伝熱性が少なくとも空気より高く、前記排ガスからの熱を前記改質器に伝えるのを補助する伝熱媒体を配置したことを特徴とする改質装置。
【請求項2】
前記伝熱媒体は、粒状であることを特徴とする請求項1記載の改質装置。
【請求項3】
粒状の前記伝熱媒体は、略球状であることを特徴とする請求項2記載の改質装置。
【請求項4】
前記伝熱媒体は、フィン状であることを特徴とする請求項1記載の改質装置。
【請求項5】
前記燃焼筒は、前記燃焼部から下方へ向けて前記排ガスを発生させると共に、前記筒体の下方の先端部側から前記排ガス流路に前記排ガスを供給し、
前記筒体の先端部における外周面側に、粒状の前記伝熱媒体を下方から支持する伝熱媒体支持リングを配置し、
前記筒体の先端部には、内外を連通する連通孔が設けられていることを特徴とする請求項2又は3記載の改質装置。
【請求項6】
前記改質器の下部に改質ガスの出口を有し、前記燃焼筒からの排ガスは当該改質器下部の内側面に供給されてから、前記排ガス流路を通って上方に抜けることを特徴とする請求項5記載の改質装置。
【請求項7】
前記燃焼筒は、前記燃焼部から下方へ向けて前記排ガスを発生させると共に、前記筒体の下方の先端部側から前記排ガス流路に前記排ガスを供給し、
前記改質器の下部に改質ガスの出口が設けられ、前記燃焼筒からの排ガスは当該改質器下部の内側面に供給されてから、前記排ガス流路を通って上方に抜けることを特徴とする請求項4記載の改質装置。
【請求項8】
前記伝熱媒体はアルミナ、好ましくはステンレス鋼、より好ましくはインコネル(登録商標)からなることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項記載の改質装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−84141(P2009−84141A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84393(P2008−84393)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000004444)新日本石油株式会社 (1,898)
【出願人】(500561595)荏原バラード株式会社 (68)
【Fターム(参考)】