説明

放出制御を目的とする鉱物由来細管を用いた化粧品スキンケア適用

開示された皮膚の局所治療に関する組成物及び方法。本発明は、皮膚の状態を調節する、特に、皮膚の加齢、環境影響などに伴う目に見える不連続性及び/又は触知できる不連続性を調整する局所用組成物に関する。本発明の一つの実施例は、ハロイサイトナノチューブのような鉱物由来細管に関連する活性薬剤の放出制御を通じて、一つ以上の非揮発性、低速吸収、液体又は半液体有機物(活性薬剤)を含有する組成物で皮膚を改善することに関する。例えば、活性薬剤は、特に、有機物質の形態で総合ビタミン及びグリセリンを含有し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の状態を調節することを目的とした局所用組成、特に、皮膚加齢、環境影響などと関連する皮膚の目視できる不連続性及び/又は触知できる不連続性を調節することに関する。本発明の一実施形態は、ハロイサイトナノチューブのような鉱物を由来とする細管に関連する活性薬剤の放出制御により、非揮発性であり、低速吸収される液体又は半液体の有機物質をひとつ以上含有する組成を利用して皮膚を改善させることに関する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ消費者が利用できる多くのパーソナルケア商品は、主に、皮膚の健康及び/又は皮膚の外観を改善することを目的としている。これらのスキンケア製品の中には、皮膚を保湿し、それにより皮膚に健康的な外観を与えるものもある。さらに、これらのスキンケア製品は、皮膚のシワ及び加齢又は一般的に環境による損傷に関連する皮膚の他の組織学的変化の進行を遅延し、できるだけ最小限に止め、さらに排除することを目的とする。
【0003】
皮膚は、多くの環境条件にさらされており、外在性及び内在性両方の因子により損傷されている。外在性因子は、紫外線(例えば、日光暴露による)、環境汚染、風、熱、低い湿度、過酷な界面活性剤、研磨剤等が含まれる。内因性因子には、経時的変化や皮膚内部の他の生化学的変化が含まれる。外在又は内在因子にかかわらず、これらの因子は、例えば、シワ及び粗いテクスチャーを示す他の形態(皮膚孔サイズの増加、皮膚剥離及び肌線を含有する)、及び組織学的変化などのような皮膚損傷及び明らかな加齢の徴候を生ずる。皮膚のシワは、多くの人々にとって、若さの喪失を思い出させるものである。従って、シワの除去及び同様な加齢特性の進行を食い止めることは、若さを意識する社会において成長著しいビジネス分野になった。処置の範囲は、化粧用クリーム及び保湿剤から様々な形態の美容外科にまで及ぶ。
【0004】
外在性又は内在性因子は、皮膚の薄弱化及び全般的な劣化をもたらす。例えば、皮膚の自然な加齢に伴い、細胞及び皮膚に供給される血管は減少する。さらに又、真皮‐上皮結合の扁平化が生じ、これは、当該結合の物理的作用に対する抵抗力の低下をもたらす。例えば、以下の成書を参照のこと:Oikarinen,“ Aging of skin ::Chronoaging Versus Photoaging,” Photodermatol. Photodermatol.Photomed.,第7巻、pp3-4(1990)
本願開示に従い、皮膚の健康を保つためのより効果的な液体有機物質を与える方法及び組成物を提供することが望ましいと考えられている。例えば、人間の皮膚の維持及び制御効果を具備する活性成分に対してキャリア機能を果たす組成物の成分中に送達組成物を具備するべきである。さらに、液体有機物質の放出制御をもたらす方法及び組成物も具備すべきであろう。本願開示によれば、効果は、カオリナイトタイプのクレイを本質的に構成する組成物の鉱物層及び、さらに詳細には、一般に、本願明細書において鉱物由来細管と呼ばれる細管構造を具備するクレイ組成物が存在することにより得られる。
【0005】
ナノ細管を使用する活性成分の放出制御は、例として、プライス(Price)等の米国特許第 5,651,976で報告されている。
【発明の開示】
【0006】
本発明の目的の一つは、前述の魅力的な特徴を一つ以上具備する方法及び組成物を提供することである。
【0007】
本発明は、鉱物由来細管を利用した新しい化粧品適用を提供する。一形態において、本発明の化粧品適用は、少なくとも1つの液体有機物質の組み合わせにおいて、鉱物由来マイクロチューブ又はナノチューブの使用を含有する。本願開示は、さらに、これら適用の称賛すべき組成物を特性化する。
【0008】
一形態において、空洞の鉱物由来細管は、ハロイサイト、円柱スズ鉱、ブーランジェ鉱、およびイモゴライトを含有する1つ以上のクレイから選択される。一実施形態において、クレイマイクロチューブは、約300nmにまでおよぶ内径を具備している。マイクロチューブは、約0.23ml/gから約0.34ml/gの微細孔体積を具備し得る。
【0009】
本発明のさらなる特徴において、液体有機物質は、グリセリン、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600及びその混合物、及び水を含有する液体有機物質から選択され得る。液体有機物質は、容量で約20%から約55%を占め、液体有機物質は、一定期間を経て皮膚に低速吸収され得る。
【0010】
なおさらなる特徴において、本発明の組成物は、皮膚の状態を調節する安全かつ効果な量の活性成分を包含し、活性成分は、血管非拡張性の総合ビタミンB3のような総合ビタミンを包含し得る。例として、ナイアシンアミド及び活性成分のキャリアがある。総合ビタミンB3は、本質的に錯体を形成しておらず、総合ビタミンB3は、ナイアシンアミドである。
【0011】
本願発明のさらなる特徴において、本発明の組成物は、約1×10-6:1〜約10:1の間の鉱物由来マイクロチューブに対する活性成分の近似比率を包含する。本発明のさらなる特徴において、成分は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1の鉱物由来マイクロチューブ(質量で)に対する活性成分の近似比率を包含する。
【0012】
本発明のさらなる特徴において、本発明の組成物は、持続放出特性において活性成分を与える。例えば、開示された組成物の一つを単独使用することは、約一時間、約二時間、約三時間、約一日、又は約7日間の間、活性成分の効果的な放出を与えることを意味する。
【0013】
本発明の組成物において使用され、ハロイサイトである鉱物由来細管は、未精製または精製されたハロイサイト、又はその混合物を包含し得る。及び細管は、親水性または精製済であり、親油性であり得る。
【0014】
本発明は、本発明の組成の投与の多重法を意図する。例えば、本発明の組成は、クリーム、軟膏、化粧水、ジェルおよび乳液に適用され得る。これらの製品の大部分は、水とはいかなる割合でも混合できないが、多くの原料を包含し得る。例えば、代表的な組成は、約20から40の異なる原料を包含することが可能である。(ただし、必ずしもこれに限定されない)
【0015】
本発明のなお、更なる特徴において、組成物は、鉱物由来細管を結びつけるために、内部に装着又は封入されたこれら化粧品組成の少なくとも1つを提供する。組成物は、吸着を有する多数の物質的又は化学的な多くの方法により輸送及び封入され得る。
【0016】
本願明細書の実施形態の開示は、鉱物由来細管、活性成分、前記細管の内部に少なくとも部分的に包含される前記活性成分を有する局所用皮膚組成物である。
【0017】
本願明細書の実施形態のさらなる開示は、鉱物由来細管を用い少なくとも1つの活性成分を合成し、前記活性成分は、処理した細管を形成するために部分的に細管内に含有され、精製した細管を含有するトリートメント組成物を調合し、皮膚に組成物を適用し、活性成分は、活性成分の持続放出を提供するために自然に細管から溶出することを包含する皮膚の局所用トリートメントの方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施形態の多様な側面は、以下の本願明細書及び関連する実施例にさらに詳細に記載されている。
【0019】
現在、化粧品用途、このような組成物の調整方法、及び利用方法に注目が集まっている。このような組成物の利点は、顕著であり得る。例えば、それらは、最終的に消費用である製品の使用において、安全かつ効果的であり得る。それらは、無添加で、環境に優しい素材から製造され得る。それらは、組成物中で、作用物質の放出特性を拡大するための広範な効果を提供し得る。それらは、皮膚及び髪に対する有用なペーハー特性を提供し、分け与えられ得る。
【0020】
本発明の組成物は、少なくとも、一つの鉱物由来細管(例、マイクロ細管及びナノ細管)及び少なくとも一つの活性成分を包含する。天然由来の鉱物細管の一例は、ハロイサイトナノチューブである。ハロイサイトクレイは、水和物の形で、Al2Si25(OH)4・2H2Oの理想的な化学式を持つアルミノシリケイトである。細管は、アルミノシリケイトが、異なる酸化アルミニウム及びシリカ層の二層構造を形成する天然水和クレイの風化の間、形成され得る。クレイは、その結果得られた水層によりインターカレートした二層構造から成る。この二層構造により生じた結果の一つは、酸化アルミニウム層およびシリカ層は、カチオンの領域単位当たり電荷が異なることがあり得るので、この相違は、オープン内部領域、又は内腔を具備する渦巻き状チューブを形成するハロイサイトの他の平面シートにおいて平均曲率を生じさせると考えられている。他の成分は、八面体及び四面体配置のどちらにも代用される。これらの曲がりは、ハロイサイトの物理的及び化学的特性において変化量となる。他の鉱物由来細管は、本発明において有益であり、例えば、円柱スズ鉱、ブーランジェ鉱、イモゴライト、及びその混合物に生じる細管を包含するが、それだけには限らない。
【0021】
ハロイサイト細管は、平均的に、100nmから40nmの長さがあるとはいえ、天然源に依存しており、おおよそ1.2ミクロンである。内径は、約40nmを平均とし200nmにまでおよび、外径は、約200nmを平均とし約10nmから500nmの範囲である。一実施形態において、化粧品組成物は、少なくとも、約100nmから約40,000nm、及び一般的に、約1,200nmの範囲で円筒状の平均長を具備するハロイサイトナノ粒子を包含する。未精製のナノチューブの内径は、約40nmを平均とし約200nmにまで及ぶ。一方、外径は、約200nmを平均とし、約10nmから500nmに及ぶ。一実施形態において、化粧品組成物は、約500nm以下及び好ましくは、おおよそ200nmの幅の平均外径円筒直径を具備するハロイサイトナノ粒子を包含する。特定の次元、例えばアスペクト比(全長/直径)の相関関係を使ってナノチューブを特徴付けることも可能であり得る。一実施形態において、ハロイサイトナノチューブは、約6の平均アスペクト比を有し、約0.2から約40,000の全長/直径比を示すことができると考えられる。
【0022】
天然ハロイサイトは、約10Åの基底間隔を与えるインターカレートした水層を有する水和したクレイである。その結果生じる乾燥したクレイは、脱水状態のクレイをもたらし、インターカレートした水は、追い出され、および基底間隔は、約7Åに減少する。脱水は、自然発生的な不可逆プロセスであるけれども、研究者らは、酢酸カリウム処理を施して人工的に脱水したチューブでいくつかの成功を収めている。水和した構造において、小さいイオンおよび分子種は、二層構造内でインターカレートされ得る。これらの小さい分子種は、例えば、有機分子があり、以下にさらに詳細に説明するが、例えば、グリセロール及び様々な活性成分を包含する。ハロイサイトの輸送は、内部二重層空間だけでなく内腔及び任意の間接二重層空間及び外表面、及び間接的二重層、ルメナウス及び/又は外面ではない細管内に発現した任意の微小孔又はメソ多孔性空間も包含するであろう。
【0023】
本願明細書に開示されている様々な実施例において、ハロイサイトは、自然のまま又は精製された状態で使用され得る。精製ハロイサイトは、加工されたハロイサイトを含有し、ナノ細管容量は、処理及び/又は分離技術を使うことにより人工的に増加し、ナノ小管は、剥離される。当業者は、この開示の利益により、ハロイサイトを精製するために存在する多くの効果的な方法を認識するであろう。
【0024】
高ナノチューブ容量精製ハロイサイトは、高表面領域を考慮した前述の適用において特に有用である、ナノ細管内の高表面領域は、ナノ小管内に取り込まれる物質(例、活性成分)の低速及び一定の溶解又は溶出を可能にする。これは、広範な効能及び放出特性プロファイルを有する成分の投与を可能にする。
【0025】
皮膚を改善させる多くの活性成分は、本発明及び下文で議論し、説明されているように、それに続く溶出又は溶解のために鉱物由来微細細管を有する内包物での使用に適した形で選択されるであろう。例えば、液体有機物質のような活性成分は、グリセリン、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600及び異なる平均分子量を有する他のポリエチレングリコールから選択され得るが、これらに限定されない。液体有機物質は、用法に従い、皮膚を改善するために、約4時間から約18時間、好ましくは、約8時間から約15時間かけて皮膚表面からゆっくりと吸収されるものである。Chiou等の米国特許第6,616,923号(2003年9月9日発行)で示されているように、このような改善は、これらに限定されないが、シワ、小ジワ、及びシミの減少を包含する加齢徴候の減少を含有する。「皮膚の改善」という用語は、皮膚の弾力性、柔軟性、滑らかさ、露深さ、輝かしさ、及び張りの増大を指す。「皮膚の改善」は、さらに、皮膚の保湿、シワ、小ジワ、シミ、及び皮膚の衰えの治療を指すが、皮膚の洗浄は含まない。ハロイサイトのようなクレイの存在は、組成物のさらなる利点として、油の吸収作用を促進する。
【0026】
本願明細書においては、「皮膚化粧品」という用語は、一般に、化粧品の専門店で普通に販売されている皮膚改善用製品のことを指す。「治療(treat)」という言葉は、処置、予防、改善、或いは、シミ、小ジワ、シワ、加齢の徴候を含有する皮膚状態の抑制を意味し、皮膚の弾力、柔軟、滑らかさ、露深さ、輝かしさ、張り、保湿含有量及びシワ及びシミの減少を含有する少なくとも一つの皮膚改善を生じる。
【0027】
本願明細書において、「低速吸収される、液体有機物質」という表現は、約150℃又はそれ以上の高い高沸点を具備する液体有機物質を指す。それは、皮膚表面で蒸発せず、水又は適切な溶媒を任意の比率で均一に混合し得る。このような物質は、グリセリン、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600および異なる平均分子量を有する他のポリエチレングリコールを含有するが、それだけに限定されない。液体有機物質は、約4時間から約18時間、好ましくは、約8から約15時間かけて皮膚表面から低速吸収され得る。
【0028】
本願明細書において、「低速吸収」とは、長時間、皮膚表面に物理的に留まることが可能である液体有機物質として定義される性質上の特性である。これは、皮膚上に留まっている水の組成の層の存在により定義される。例えば、グリセリンは、37℃で蒸発しないので、皮膚表面からの消失は、皮膚への浸透を表す。50%プロピレングリコール、水混和性、液体有機物質を含有する含水組成は、2時間以内に皮膚表面から消失する。一方、50%グリセリン又はポリエチレングリコール400又は600を含有する組成は、約4時間および約18時間まで皮膚に留まる。本発明の方法を実施する有用な組成は、例えば、Chiou等の米国特許第6,616,923号(2003年9月9日発行)においてより詳細に記述されているように、一つ以上の水混和性、液体有機物質及び水から成るであろう。
【0029】
さらに、グリセリンは、皮膚表面に塗布された含水グリセリン溶液から効果的に水分を保持し得る。このように、グリセリン及び/又は他の水混和性で皮膚表面にゆっくり液体有機物質および水分を吸収した含水化粧品製品は、効果を発揮し、保湿の媒体としての役目を果たし、実施の効果は、保湿成分及び組成のような持続放出を可能にするキャリアとしての鉱物由来細管の使用によりさらに高められる。
【0030】
グリセリン、及び水のような鉱物由来細管内に蓄えられる水混和性、低速吸収、液体有機物質である二つの活性成分の適切な組合せは、皮膚の保湿用途及び乾燥肌(普通肌と比較して保湿効果の薄い肌)、シワ及びヒダ(太陽を浴び、年齢を重ねることによる皮膚のシワ又は線)の治療用及び大皮膚の色素沈着の増加による扁平な班である暗班又はシミ(加齢又は太陽露出により見られる皮膚疾患)の治療用に使用され得る。
【0031】
本発明に関連して使用される含水組成は、様々な量の水混和性液体有機物質及び水を包含し得る。例えば、グリセリン及び水の混合物は、人体にとって内在性物質であるが、質量で約10%から約95%のグリセリン、および、もしかすると、よりこの好ましくは、質量で、約 45%から約55%グリセリンに及ぶ。
【0032】
局所的に摂取または塗布する時、皮膚を改善又は治療する任意の成分は、前記記載の水性組成及び、化粧品治療として使用する他の関係する鉱物由来細管をさらに容易に及び安価に加えることが可能であり得る。これらの成分は、例えば、ビタミン(例、A、E又はC)、ミネラル、アミノ酸、抗酸化物質、日焼け防止薬、又は、一つ以上の剥離組成(例、α‐ヒドロキシイソ酪酸メチル)を含有するであろう。加えて、一つ以上の保存料組成(例、イソブチルパラベン)、着色料又は香料を水性組成に追加することができる。このような成分は、理想的であり、アレルギーの原因となりにくい。
【0033】
前記記載の水性組成のような活性成分は、任意で適切な方法により皮膚に塗布され得る。この方法は、精製された多数の細管の分散又はそれに関連した水性組成を具備する他の細管の分散を可能にする。
【0034】
本発明の組成物は、一つ以上の添加剤を含有できる。当業者は、本開示の利益によって、本発明において、多くの代替となる添加物が有用であり得ることを認識する。添加剤は、例えば、一つ以上の着色剤、乳化剤、界面活性剤、またはその混合物を含有するが、それに限定されない。添加剤の量は、必然的に添加剤の種類および望まれる効果により変動する。
【0035】
本発明は、さらに、例えば、オブロング(Oblong)等の米国特許第6,238.678 号(2001年6月23日発行)で記述されているように、総合ビタミンB3を包含する活性成分を使用することができる。このような化合物は、血管非拡張性エステルであるニコチン酸、ニコチンアミノ酸、カルボン酸、ニコチン酸酸化物およびナイアシンアミド酸化物のニコチン酸アルコールエステルを含有する。
【0036】
一つ以上の総合ビタミンB(例、B3)は、本願明細書において使用され、及び前記に記述されたように鉱物由来細管の使用により適用される。本発明は、単独の化粧品又はスキンケア組成物においては、不可能であろう複数個の活性成分の混合又は組み合わせを可能にする鉱物由来細管の使用をさらに意図する。
【0037】
本発明は、適切な濃度及びできる限り長時間かけて総合ビタミンB3および任意の他の活性薬剤を皮膚に送達することができるように組込まれている総合ビタミンB3内で、鉱物由来細管のような皮膚科学的に好ましいキャリアを包含する組成物の使用を意図する。キャリアは、このように、希釈剤、分散剤、溶媒または、確実に、適切な濃度で選択された目的物全体に均一に分布及び適用され得る活性薬剤と同種のものとしての機能を果たすことができる。
【0038】
キャリアは、一つ以上の皮膚科学的な基準を満たしている固体、半固体または液体状フィラー、希釈剤、溶媒、増量剤などを含有し得る。キャリアは、例えば、ハロイサイトナノ細管などの鉱物由来細管を、好ましく包含し、キャリア自体が、皮膚科学的利点を提供する。キャリア濃度は、選択したキャリア及び必須で任意の組成物の所望の濃度により変化し得る。適切なキャリアは、皮膚科学的基準を満たしている従来のキャリア又は他の周知のキャリアを含有する。キャリアは、物理的及び化学的に、本願明細書に記載されている必須の組成物と混合可能であるべきであり、及び本発明の組成物に関連する安定性、有効性又はその他の利点を過度に損なうべきではない。
【0039】
本発明において、供給されるキャリアの物質の種類は、組成物の所望の製品形態の種類による。対象発明に有効な局所組成物は、これに限定されないが、溶液、化粧水、クリーム、ジェル、スティック及び他の固体、スプレー(エアロゾルを含む)、乳液、軟膏、ペースト、ムース及び化粧品(例えば、ファンデーションを含有する固体、半固体または液体化粧品、アイメイク、例えば、リップスティックなどの着色性(有色の)または非着色性のリップトリートメント)を多種多様な形態に作られ得る。
【0040】
局所適用組成物は、さらに、水中油型乳剤、油中水乳剤、及びシリコン中水乳剤を包含し得る。本発明によると、乳液は、一般的に、前記記載の溶液及び脂質又は油を含有する。脂質及び油は、動物、植物、又は石油により得られ、天然又は合成(すなわち、人工)でも得られる。好ましい乳液は、さらに、グリセリンなどのような保湿剤も含有する。特に、グリセリンは、保湿剤であり、油っぽく感じられるが、浸透性物質に含有されると油っぽさはそう感じない。従って、グリセリンは、鉱物由来細管内で優れた保湿剤として輸送されるが、粘性のような特性はほとんど具備していない。これは、グリセリンが、直接、皮膚に塗布される不利益である。
【0041】
乳液はまた、消泡剤を含み、皮膚への塗布に際して泡沫形成を最小限に止めることができる。消泡剤には、高分子量のシリコン及び等技術分野でそのような用途のためによく知られている他の物質が含まれる。
【0042】
他の局所用組成物は、連続的な水相及び疎水性相、分散した不水溶性相(油相)を具備する水中油型乳剤を含有する。水中油型乳剤は、さらに、液体結晶性ゲル網目構造の形成を助力する構造化剤を含有し得る。
【0043】
水中油型乳剤は、水相において疎水性物質を分散し得る少なくとも一つの親水性界面活性剤を包含する。(局所キャリアの重量による割合)界面活性剤は、最少限で、水中で分散するのに十分な親水性でなければならない。幅広い種類のアニオンの界面活性剤は、さらに、例えば、ラフリン(Laughlin )等の米国特許第 3,929,678号(1975年12月30日発行)の開示を含有する本願明細書において有用であり得る。
【0044】
有用であり得る他のアニオン物質は、脂肪酸の石鹸である。(すなわち、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩)脂肪酸の石鹸は、一般的に、約8個から約24個の炭素原子、好ましくは、約10個から約20個の炭素原子を具備する。石鹸製造において使用される脂肪酸は、例えば、植物又は動物由来グリセリド(例えば、ヤシ油、ココナッツ油、大豆油、ヒマシ油、獣油、ラードなど)などの天然源から得ることができる。脂肪酸は、さらに、合成的に製造され得る。石鹸は、米国特許第4,557,853号により詳細に記述されている。一つの実施例において、水中油型乳化剤は、局所用キャリアの重量に対して約25%から約98%の水を含む。
【0045】
疎水性相は、連続水相に分散される。疎水性相は、水に不水溶性の又は部分的に可溶性の物質を含有し得る。このような物質は、当業者に周知であり、乳液に関しては、前記記載のような、他の油及び脂質を含有するが、それだけに限らない。
【0046】
本発明の局所用組成物には、化粧水及びクリームを含むがこれらに限定されるものではなく、これは皮膚科学的に許容できる皮膚軟化剤を含むことができる。そのような組成物は、好ましくは約2%から約50%の皮膚軟化剤を含む。本明細書で用いられるように、“皮膚軟化剤”とは、乾燥の予防又は緩和とともに皮膚の保護に有用な物質を指す。適切で様々な皮膚軟化剤が知られており、ここで使用することができる。
【0047】
化粧水およびクリームは、一般に、前記記載のような溶液キャリア系及び一つ以上の皮膚軟化剤を包含する。化粧水は、典型的に、約1%から約20%の皮膚軟化剤、約50%から約90%の水及び総合ビタミンB3を包含する。クリームは、一般的に、約5%から約50%の皮膚軟化剤、約45%から約85%の水及び総合ビタミンB3を包含する。
【0048】
本発明の軟膏は、動物もしくは植物油又は半固体炭化水素(油性)、水を吸収して乳液を形成する吸収軟膏基剤、又は、例えば、分散した精製鉱物由来小管を有する水溶性溶液キャリアなどのような水溶性キャリアをベースとしたシンプルキャリアを包含し得る。
【0049】
クレンジングに有用である組成物(“クレンザー”)は、例えば、上記で記載のように適切なキャリアで構成され、総合ビタミンB3に加えて、前述の量において、約1%から約90%の皮膚科学的に許容可能な界面活性剤を好ましく含有する。界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、双性イオン、両性及び双極性界面活性剤、これらの界面活性剤の混合物から適切に選択され得る。Kowcz 等の米国特許第4,800,197号(1989年1月24日発行)を参照すると、典型的な界面活性剤が、有用であり得る。クレンジング組成物は、クレンジング組成物に慣用的に用いられる他の物質を、該当分野で認知されたレベルで含むことができる。
【0050】
本願明細書で用いられている“ファンデーション”という用語は、液体、半液体、半固体又は固体の皮膚化粧品を指し、これには、ローション、クリーム、ジェル、ペースト、固形物などが含まれるが、これらに限定されるものではない。典型的には、ファンデーションは皮膚の広い面積、例えば顔全体に用いられ固有の外観を提供する。ファンデーションは、典型的には着色性化粧品、例えば、口紅、頬紅、パウダーなどのための固着性基材を提供するために用いられ、皮膚の欠陥を隠して、滑らかで平滑な外観を皮膚に付与する傾向を有する。ファンデーションは、皮膚科学的に許容できる精製鉱物由来細管用キャリアを含み、さらに通常の配合剤、例えば、油、顔料、色素、皮膚軟化剤、香料、ワックス、安定剤などを含有することができる。
【0051】
様々な組成物に従い説明すると、このような組成物を利用するための様々な手段及び方法は、本発明の範囲内で含有され得ることを理解されたい。例えば、さらなる実施例は、活性薬剤で輸送され、織りこまれていない繊維又は、それと同様のものにより、塗布され得る。その結果、繊維による皮膚への迅早な塗布は、本願明細書の様々な実施例において記述されているように、肌に有効成分を送達する。
【0052】
本発明の局所用組成物は、幅広い種類の任意の成分、このような任意の成分は、物理的及び化学的に、本願明細書に記載の必須成分と混合可能であり、これを包含し、本発明の組成物に関係する安定性、有効性又は他の利用利益を過度に損なわない。
【0053】
任意の成分は、審美剤及び他の活性薬剤を含有する。例えば、当該組成物は、吸収材、研磨剤、抗硬化剤、消泡剤、抗菌剤、結合剤、生物学的活性剤、緩衝剤、充填剤、化学添加剤、化粧品殺生物剤、変性剤、化粧品収斂剤、薬用収斂剤、外用鎮痛剤、薄膜形成剤、保湿剤、乳白化剤、香料、顔料、着色剤、精油、皮膚センセート、皮膚軟化剤、皮膚緩和剤、皮膚治療薬、ph調整剤、可塑剤、防腐剤、防腐促進剤、噴射剤、還元剤、付加的皮膚調整剤、皮膚浸透増進剤、皮膚保護材、溶剤、懸濁化剤、乳化剤、増粘剤、可溶化剤、サンスクリーニング剤、サンブロック剤、紫外線吸収剤又は分散剤、サンレスタンニング剤、金属イオン封鎖剤、ニキビ抑制薬剤、抗炎症薬、抗アンドロゲン、脱毛剤、落屑剤/表層剥離剤、有機ヒドロキシ酸、ビタミン及びその誘導体、並びに天然抽出物を含むことができる。このような物質は、周知であり、このような物質の非独占的な例は、「ハリー化粧品学(Harry‘s Cosmeticology)」第7版、ハリー&ウィルキンス(Harry & Wilkinson)(ヒル出版(Hill Publishers)、ロンドン、1982年);「製薬剤型‐分散系(Pharmaceutical Dosage Forms−Disperse System)」;リーベルマン、リーガー&バンカー(Liberman, Rieger & Branker)第1巻(1988年)及び第2巻(1989年);マーセル デッカー社(Marcel Decker,Inc.)「化粧品の化学と製造(The Chemistry and Manufacture of Cosmetics)第2版、デナバーレ(deNavarre)(バンノストランド(Van Nostrand),1962年〜1965年);および「化粧品科学と技術ハンドブック(The Handbook of Cosmetic Science and Technology)」第1版、クノウルトン&パース(knowlton & Pearce)(エルセビア(Elsevier)、1993年);「化粧品原料の消費者辞典(A Consumers' Dictionary of Cosmetic Ingredients)、ラス ウィンター(RuthWinter)(スリーリバー出版(Three Rivers Press)ニューヨーク,2005年);および「化粧品処方の調合」(Formulatory of Cosmetic Preparation)、ミカエル&イルネ アシュ(Michael and Irene Ash)(スリーリバー出版(Three Rivers Press)ニューヨーク,1977年)に記載されている。
【0054】
安全かつ有効な量の抗炎症性薬は、さらに、対象発明の組成物に加えられ得る。
【0055】
本発明の組成物は、レチノイドを含有し得る。本願明細書で使用されるように、“レチノイド”は、全ての天然及び/又は合成の類似体ビタミンA、又は、皮膚内にビタミンAの生物学的活性を有するレチノイドのような化合物、同様に、これらの化合物の幾何異性体及び立体異性体を含有する。レチノイドは、レチノール、レチノールエステル(例えば C2-C22レチノールのアルキルエステル、パルミチン酸レチノール、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル)、レチナル、及びレチノイン酸(全‐トランスレチノイン酸及び13‐シス‐レチノイン酸)、さらに好ましくは、酸性レチノイン酸以外のレチノイドを使用する。このような化合物は、周知のものであり、多くの製造業者、例えばシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company,ミズリー州セントルイス)及びベーリンガー・マンハイム(Boerhinger Mannheim,インディアナ州インディアナポリス)から市販されている。本願明細書で有用なその他のレチノイドは、パリッシュ(Purcell)等の米国特許第4,677,120号(1987年6月30日発行)、パーセル(Purcell)等の米国特許第5,049,584(1991年9月17日発行)、パーセル(Purcell)等の米国特許第5,124,356号(1992年6月23日発行)及びパーセル(Purcell)等の第34,075号(1992年9月22日再発行)に記載されている。
【0056】
本願明細書で使われるように、“抗菌薬剤”は、微生物を死滅し、微生物の増殖を防ぎ、また、微生物の病原性作用を阻止することができる化合物を指す。抗菌薬剤は、例えば、アクネ菌の制御において有用である。安全かつ有効な量の抗菌薬剤は、本発明の組成物に追加することができる。
【0057】
同様に“抗‐アンドロゲン(アンドロゲンの標的器官においてアンドロゲン作用に干渉することによって、アンドロゲン関連疾患を治療することができる化合物)が、用いられる。紫外線の暴露は、過度の落屑性及び角質層の外観の変化をもたらし得る。従って、対象発明の組成物は、好ましく、日焼け防止剤又は日焼け止めクリームを含有する。適切な、サンスクリーン剤又はサンブロック剤は、有機物又は無機物であり得る。幅広い種類の従来のサンスクリーン剤は、本願明細書における使用に適している。また、特に、例えば、米国特許第. 4,937,370号(1990年6月26日発行)Sabatelli,及び 米国特許第4,999,186号(1991年5月12日発行)Sabatelli & Spirnakで開示されているサンスクリーン剤のような組成物において有用である。
【0058】
対象発明の組成物は、又、主要な活性薬剤に加え、活性成分として、抗酸化物質/遊離基補足剤を含有し得る。抗酸化物質/遊離基補足剤は、特に、紫外光に対する保護作用をもたらすのに有用であり、紫外光は、角質層において、落屑性又は外観の変化が増す原因となり得、皮膚損傷をもたらす他の環境因子に抵抗し得る。
【0059】
“キレート剤”(金属イオンが化学反応に容易に関係できないように、又は触媒できないように複合体を形成することによって、金属イオンをシステム内から除去することができる活性薬剤を指す))は、また、本発明の実施例において用いられ得る。キレート剤の含有は、特に、過剰な剥離又は皮膚テクスチャーの変化を助長し、皮膚損傷を生じる他の環境因子に抵抗し、紫外線光に逆らい保護するのに有用である。
【0060】
本発明の組成物は、さらに、一つの実施例において、有機ヒドロキシ酸及び/又は組成物に加えられる落屑剤を包含する。もう一つの可能な実施例において、本発明の組成物は、安全かつ有効な量の脱毛剤を含有し得る。本発明の組成物もまた、さらに、皮膚美白剤を包含し得る。
【0061】
本発明の組成物は、さらに、湿気を与えるもの、保湿剤、皮膚調整剤を包含し得る。様々なこれらの物質は、グアニジン、グリコール酸及びグリコール酸塩(例、アンモニウムおよび第4級のアルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例、アンモニウムおよび第4級のアルキルアンモニウム)、多様な形態の任意のアロエベラ(例、アロエベラゲル);例えば、ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール及びその同類のもの;ポリエチレングリコール、糖類及びでんぷん、糖及びスターチ誘導体(例、アルコキシルグルコース);ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン及びその混合物などのようなポリプロピレングリコールを含有し使用され得る。
【0062】
本発明の組成物は、さらに局所用パーソナルケア技術において周知であるものを含有する天然資源(例、植物、菌類、微生物の産物)から、適切な物理的及び/又は化学的に単離により得られる抽出物を含有し得る。抽出物は、本発明の皮膚外観に及ぼす効果を高めるのに適しており、安全かつ有効な量で使用され、このような抽出物は、例えば、酵母抽出物、米ぬか、およびアンテラ・アシティカ(ツボクサ)などのような植物及び菌類の抽出物を含有する。
【0063】
コラーゲン生成を促進することで知られている成分は、さらに、本発明において使用され得る。
【0064】
追加成分の他の実施例は、次の水溶性ビタミン及びその誘導体(例、前記記載であり、以下の実施例においてより詳細に述べられているビタミンC)を含有する。
【0065】
本願明細書において、例えば、香料、顔料、着色料、精油、皮膚センセート、収斂剤、皮膚平滑化剤、皮膚治療薬などの審美成分の実施例は、さらに有効であり、クローブ油、メントール、ショウノウ、ユーカリ油、ユージノール、乳酸メチル、マンサク(アメリカンマンサク)から抽出したエキス、ビザボロール、グリチルリチン酸2カリウムなどを含有するが、それらに限定されない。
【0066】
組成物の調整
本発明の組成物は、一般的には、局所用組成物を製造する技術分野で知られているような慣用の方法で製造され、活性薬剤が、鉱物由来小管キャリアに使われる因子として組成物に導入されるという例外がある。このような方法は典型的には、加熱、冷却、真空適用等の有り無しで、1工程又はそれより多くの工程で成分を比較的均一な状態にまで混合することに係わっている。
【0067】
皮膚状態の調節
本発明の組成物は、哺乳動物の皮膚の目に見える不連続性及び/又は触知できる不連続性、皮膚加齢の徴候、皮膚加齢(小ジワ、シワ、拡大した皮膚孔、表面の粗さおよび加齢肌に関連する質感の悪化を含有する皮膚状態(特に、人間の皮膚、とりわけ、人間の顔の皮膚)を調節するのに有用であり得る。そのような調節は、予防的及び治療的な調整を含有する。
【0068】
皮膚状態を調節することは、皮膚に、局所的に、本発明に記載されている活性薬剤の制御又は持続放出及び組成物の安全かつ効果的な量の組織物を塗布することを含有し、塗布される組成物の量、適用頻度及び使用期間は、活性薬剤及び与えられた組成物の他の成分および所望の調節レベル、例えば、対象者に存在する皮膚の加齢レベル及び皮膚加齢の進行速度、示される皮膚加齢の明るさのレベルに依存して幅広く変化する。
【0069】
皮膚状態の調節は、好ましくは、組成物がある種の美容的、予防的、治療的又は他の利益を得るために長時間皮膚に残留させること(即ち、「つけたままにしておく(leave−on)」組成物)が意図される皮膚にローション、クリーム、化粧品等の形態で組成物を適用することによって実施される。皮膚に組成物を塗布した後、組成物は、このましくは、少なくとも約15分、さらに好ましくは、少なくとも約30分、さらに好ましくは、すくなくとも約1時間、最も好ましくは、少なくとも数時間、例えば、約12時間までの期間、皮膚に、残留させる。
【0070】
組成物内の鉱物由来微細管(質量で)に対する活性薬剤の比率は、効能、放出特性、及び分布の変化レベルを提供するために変化し得る。本発明の組成物は、鉱物由来微細管に対して、約1×10-6:1から約10:1の間の活性薬剤のおおよその比率を含有し得る。例えば、組成物は、鉱物由来微細管に対して(質量で)、1:1、2:1、3:1,4:1または5:1のおおよその活性薬剤比率を含有し得る。
【0071】
本発明の組成物は、持続放出特性において活性薬剤を与えることができる。組成物は、放出制御特性において、活性薬剤を与えることができる。例えば、本発明の組成物の単独適用は、約一日、約二日間、約三日間、約四日間、又は約5日間の間、効果的な活性を与えることができる。
【0072】
さらなる特徴において、本発明は、領域、アイテム、又は、表面に活性薬剤特性を与えるための方法を提供する。例えば、本発明の組成物は、人間の皮膚又は髪に塗布され得る。例えば、さらなる実施例は、ハロイサイトナノチューブから毛髪染め成分が輸送され得る。さらに、一つの実施例は、髪の周囲にそれらの放出を局部にとどめることを目的とし、皮膚上にある毛髪に確実に付着するように塗布されている輸送された細管を含有し得る。作用物質は、次に、より広い皮膚領域を覆いまたは毛髪に近接して局部にとどめられるために広がる。
【0073】
スキンケア業界において、小分子は、天然保湿因子と称されており、天然保湿成分は、又、急性及び慢性両方において皮膚の健康効果を与えるのに適している。天然保湿成分は、たんぱく質の角質細胞または死んだ皮膚細胞内で天然保湿及び/又は平滑剤として機能を果たす。さらなる択一的な実施例は、ハロイサイト及び特にハロイサイトナノチューブを使って皮膚に天然保湿成分を与えることである。
【0074】
さらなる択一的な実施例は、酵素物質により死んだ不要な皮膚細胞の除去を促す剥離剤の輸送を含有し、再び、ハロイサイトナノチューブから輸送される。多くの皮膚に効果のある物質は、角質層の機能を高める、又は、業界で正式ではないが周知である皮膚バリアとしての働きを輸送し得る。それに応じて、さらなる実施例は、薬用化粧品センスにおいて皮膚有用因子の浸透をさらに高める活性薬剤の輸送を含有する。その結果、活性薬剤は、より迅速に、角質層または皮膚バリアを通過する。着色剤が、上記で推奨されているけれども、さらに、例えば、染料、顔料、及び散乱体などを含み、皮膚にハロイサイトの外観をもたらす微細管の表面に適用される作用物質が使用され得ることを意図する。
【0075】
上記の内容から分かるように、本発明は、さらに、細管にコロイド安定化剤を含有する活性薬剤およびマトリックス製剤とより混合し易くするための微細管の内部及び/又は外部表面の表面処理を意図する。さらなる実施例は、基質の接着を促進するハロイサイトナノチューブの表面修正であり得る。例えば、キトサン中で、細管に陽イオン又は皮膚、毛髪又は爪に共有結合している官能基を所有させるために塗布する。
【0076】
さらなる実施例は、例えば、保湿剤のような活性薬剤を輸送するだけでなく、毛髪の長繊維軸に対して平行に付着することにより、毛髪にストレート効果を与え、また、鉱物由来細管上又は中に塗布された塗膜を通じて、毛髪に、例えば、明るさ/光沢、色及び他の特別な効果などのような視覚上の効果を選択的に与える毛髪有用因子として、ハロイサイトとのペアでの使用を含有し得る。
【0077】
本発明の一つ以上の実施例は、次の非限定の実施例により詳細に示されており、その中で、ハロイサイトナノチューブからの及びハロイサイトナノチューブ上へのスキンケア剤の輸送が評価された。二つの実施例の評価において、ビタミンC及びEは、小、低分子量モデル化合物として選択された。一つは親水性であり、もう1つは。疎水性である。このように、一つは、親水性であり、未精製ハロイサイトナノチューブ上に輸送され、もう1つは、疎水性に改良されたハロイサイトナノチューブ上に輸送された。結果、多くの小親水性又は疎水性皮膚有用因子は、ハロイサイト又は他の鉱物由来細管に輸送され得ることを次の実証する実施例に従い、当業者に対して説明している。
【0078】
次の手順は、評価で使用されるハロイサイトナノチューブ(HNT)を用意するのに使用された。ルメリー(lmerys)から得られた20gのハロイサイトナノチューブは、水溶性鉄容量を減らすために、約2分間、100ml、0.2Mのシュウ酸中で洗浄および弱超音波で分解された。鉄の削減は、チューブに取り込まれるために、スキンケア活性の推定される低下を減らす予防手段である。ハロイサイトナノチューブは、次に、ペーハーが中性付近に戻るまで洗浄処理された。そして、次に、濃縮され、ビタミンC‐洗浄されたハロイサイトナノチューブの伝送の前に乾燥された。
【0079】
実施例1A‐ビタミンC
最初の実施例において、ビタミンCは、輸送される活性薬剤として選択された。次のプロセスは、ビタミンCの輸送のために用いられた。
1.1gから5gの洗浄処理されたハロイサイトナノチューブの重量を計測した。
2.真空ポンプに接続した三角フラスコ内に清浄処理したハロイサイトナノチューブを投入した。
3.100mlのビタミンC−ミリQ水溶液および磁気的に溶液を攪拌した。
4.手順において、ポンプを真空装置に接続した。(封入空気は、ナノチューブ内に放出され、溶液を通り抜けて泡が観察された)
5.溶液は、20分間、真空下で攪拌された。
6.ハロイサイトナノチューブは、濃縮された。
7.空気中で、40℃から50℃のもと一晩乾燥された。
【0080】
実施例1B‐ビタミンC輸送
乾燥した、ビタミンCが輸送されたハロイサイトナノチューブは、小さいガラス容器の中に投入され、溶媒(水)は、ハロイサイトが、磁気的な攪拌により分散できるように、加えられた。一定分量の溶液は、次に、溶媒に5分から4時間浸水され、一定分量の吸収領域は、輸送された後すぐに計測された。ビタミンCの放出は、250nm付近の紫外線吸収ピーク、およびビタミンC−水溶液参考サンプルの領域との比較により測定された。
【0081】
実施例2A‐ビタミンE
二番目の実施例において、ビタミンEは、輸送される活性薬剤として選択された。次のプロセスは、ナノチューブ内にビタミンEを輸送するために用いられた。
1.エタノール中でビタミンEを溶解した(50ppm);
2.1gから5gの塩化ベンザルコニウム処理されたハロイサイトナノチューブの重量を計測した。
3.小さい三角フラスコ内に計測したサンプルを投入した。
4.エタノールを蒸発させながら、粉末を湿らせるのに最低限の量のエタノールをビタミンEに加えた。
5.この操作を何回か繰り返した(輸送が比較的高くなるまで);
6.サンプルを室温で乾燥させた。
【0082】
実施例2B‐ビタミンE
乾燥した、ビタミンE輸送ハロイサイトナノチューブは、ガラス容器内に投入され、溶媒(エタノール)は、ハロイサイトが、磁気的な攪拌により分散できるように加えられた。一定分量の溶液は、再び、溶媒に5分から4時間浸水され、一定分量の吸収領域は、輸送された後すぐに計測された。ビタミンEの放出は、290nm付近の紫外線吸収ピーク、およびビタミンE−エタノール溶液参考サンプルの領域との比較により測定された。
【0083】
実施例3‐グリセリン
三番目の実施例において、グリセリンは、ハロイサイトの中へ輸送される活性薬剤として選択された。
1.約4.0gのハロイサイトの重量を計測した;
2.粘稠液、厚膜ペースト、生地のような塊又はわずかに湿り気のあるパウダーを形成するのに十分な約0.7gから0.2gのグリセリンを加えた。
3.混合物を均一化するために、強制的に機械的な攪拌を行いながらエタノールを加えた。その結果、最低限のエタノールは、十分に均一化するためおよびハロイサイトナノチューブ内に目視可能なほど封入空気を放出するために加えられた。そして、自由流動及びハイロイサイトナノチューブ内腔内部にグリセリンを有する塊のない液体を生じた。
4.ハロイサイトナノチューブの内腔においてグリシンを生成しながら、エタノールを蒸発させた。
【0084】
上記の実施例の調整において、グリシンは、エタノールを添加しないで、ハロイサイトナノチューブを若干、湿られるために加えられた。グリシンは、ハロイサイトナノチューブ内で機械的に均一化され、結果、生成した厚いペーストは、皮膚に直接、添加されるグリシンと同様の量より粘性が低いと観察され、これほどにまで粘着の感触なく湿潤させるという利点を与えた。
【0085】
他の調整において、水は、三角フラスコ内で、過剰量の2gのハロイサイトナノチューブに加えられ、真空が適用された。微小な気泡は、封入空気が除去されたことを示す形態で見受けられ、水が、内腔に浸透された。さらに、水は、真空でなければ、親水性あるいは疎水性のハロイサイトナノチューブの内腔に浸透しなかった。
【0086】
同様に、過剰のエタノール中で2gのハロイサイトナノチューブに真空条件が適用されると、エタノールは、明らかに、迅速に空気を除去して内腔に入るので、真空下では、形成された泡は、見られなかった。これは、前記に示されたように観察された。もし、エタノール(および類似の低表面張力液体及びその混合液)が溶媒として使われるなら、真空にすることなく、様々なエタノール水溶性、皮膚‐有用性因子を輸送することが可能である。さらに、有効性は、真空条件を適用することにより水中(または、水と混和性の溶媒)で水溶性である多くのスキンケア剤を輸送できることである。
【0087】
実施例4‐核磁気共鳴分析 凍結極微孔測定法(cryoporometry)
核磁気共鳴分析凍結極微孔測定法(cryoporometry) は、微細孔内で凍結液の溶融を測定する比較的新しい技術であり、さらに、細管の輸送を確認するために用いられた。液体の融点は、小さい微細孔のようなハロイサイトナノチューブを有する物質にとって、細孔径の代わりとなる。得られた結果は、ハロイサイトナノチューブの内腔の微細孔において、いくつかの冷凍液を示している。それにより、液体は、内部および丁度、ぴったりではなく小管周囲に存在する。これは、チューブの輸送及び結果として生じる放出特性を考えるとき、重要である。なぜなら、輸送は、溶媒が微細孔に入ることにより可能であり、外部というより内部からの放出は、より望ましく及び/又は制御可能であると考えられている。
【0088】
次に示す表に記載されているサンプルは、5mmNMRチューブに直接、投入されたハロイサイトナノチューブ粉末に液体を加えることにより調整された。チューブは、4から12時間遠心分離された。測定の間、サンプルは、凝固点以下まで迅速に冷却され、融点の推移を記録するために再び加熱された。サンプル5は、この方法に従い二回行われた。(表1において、溶融1/2として表わされている)
【0089】
サンプルは、検出可能な微細孔液体転移を示したシクロヘキサン及びシクロオクタンで満たされた。親水性および疎水性サンプルにおいて、水融解転移は見られなかった。それ故、水は、真空なしの条件では、チューブ上に輸送しないように思われる。同様の結果は、真空適用後、充填した同じ内部微細孔を示すことが、水に対しても予測された。ベンゼンは、疎水性の処理したサンプルの微細孔を制御するようには見えなかった。
【0090】
微細孔の半径分布は、円柱状の微細孔のギブス‐トムソン(Gibbs−Thomson)方程式を使うことにより計測された。
【0091】
結果の公表:サンプル1から5は、疎水性表面処理サンプルであり、示している表面処理は、内側に接している。なぜなら、微細孔は、未処理の親水性サンプルより小さいからである。サンプル6から8は、未処理の親水性ハロイサイトナノチューブである。
【0092】
【表1】

【0093】
本発明は、開示された様々な実施例に従い、組成物の多様な投与方法を提供する。理想的に、組成物は、クリーム、軟膏、化粧水、ゲル、乳液などの形態において組成物を塗布する人により既に使われている手段および装置を使用することにより分配され得る。
【0094】
前述の実施例は、単に典型的なものであり、本願明細書に開示された独創的概念を組み入れる多数の代替となる実施例は、本開示の利益を提供される当業者の技術の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱物由来細管及び活性薬剤、前記細管内部に少なくとも部分的に含有されている前記活性薬剤を包含する局所用皮膚組成物。
【請求項2】
前記活性薬剤は、有機物質、無機物質、水‐混和性物質、液体、コロイド状物質、液晶、ビタミン、総合ビタミン、アミノ酸、ポリペプチド、酵素、タンパク質からなる群から選択された物質を包含することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
鉱物由来細管は、ハロイサイト、円柱スズ鉱、ブーランジェ鉱、およびイモゴライトからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物
【請求項4】
前記組成物は、さらに、キャリア及び前記活性薬剤が、皮膚に塗布されるために前記キャリアを組み込んでいることを具備する前記鉱物由来細管を包含することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記キャリアは、溶液、ローション、ゲル、固体、リポソーム、スプレー、乳液、軟膏、ペースト、ムース、化粧品及びリップトリートメントからなる群から選択されることを特徴とする請求項4記載の組成物。
【請求項6】
前記活性薬剤はグリセリンを包含することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記活性薬剤は総合ビタミンBを包含することを特徴とする請求項1記載の組成物
【請求項8】
前記活性薬剤は総合ビタミンB3を包含することを特徴とする請求項7記載の組成物
【請求項9】
前記活性薬剤は総合ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸、抗‐酸化剤、サンスクリーン剤、表皮剥脱化合物、着色剤、顔料、乳化剤、保湿剤、ファンデーション、皮膚湿潤剤、香料、ワックス、安定剤、希釈剤、溶媒、増量剤、サンブロック剤及びその化合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項10】
前記活性薬剤はグリセリンおよびポリエチレングリコールからなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項11】
活性薬剤は、吸収材、研磨剤、抗硬化剤、消泡剤、抗菌剤、結合剤、生物学的活性剤、緩衝剤、充填剤、化学添加剤、化粧品殺生物剤、変性剤、化粧品収斂剤、薬用収斂剤、外用鎮痛剤、薄膜形成剤、保湿剤、乳白化剤、香料、顔料、着色剤、精油、皮膚センセート、皮膚軟化剤、皮膚緩和剤、皮膚治療薬、ph調整剤、可塑剤、防腐剤、防腐促進剤、噴射剤、還元剤、付加的皮膚調整剤、皮膚浸透増進剤、皮膚保護材、溶剤、懸濁化剤、乳化剤、増粘剤、可溶化剤、サンスクリーニング剤、サンブロック剤、紫外線吸収剤又は分散剤、サンレスタンニング剤、金属イオン封鎖剤、ニキビ抑制薬剤、抗炎症薬、抗アンドロゲン、脱毛剤、落屑剤/表層剥離剤、有機ヒドロキシ酸、ビタミン及びその誘導体からなる群から選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項12】
前記鉱物由来細管は表面処理が施されていることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも一つの活性薬剤と鉱物由来細管を合成し、前記活性薬剤は、少なくとも部分的に、処理された細管を生成するために小管内に含有され、処理された細管を含有する治療組成物を調整及び皮膚へ組成物を塗布し、活性薬剤は、活性薬剤の持続放出を提供するために時間をかけて細管から溶出することを包含する皮膚の局所用治療の方法。
【請求項14】
鉱物由来細管は、ハロイサイト、円柱スズ鉱、ブーランジェ鉱物、及びイモゴライトからなる群から選択されることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
活性薬剤の持続放出は、約4時間から約18時間をかけて皮膚表面を経路とすることにより低速吸収を提供することを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項16】
少なくとも一つの活性薬剤と鉱物由来細管を合成することは、さらに、溶液を製造するために低表面張力液体と活性薬剤を混合し、溶液が小管を塗らすことを可能にするために、細管を溶液にさらし、それにより、活性薬剤を輸送することを包含する請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記低表面張力液体は、溶媒であることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
少なくとも、一つの活性薬剤と鉱物由来細管を合成することは、さらに、溶液を製造するために活性薬剤と水を混合し、混合物を製造するために細管を溶液にさらし、溶液で細管の内表面を湿らせるために混合物に真空を適用することを特徴とする請求項13記載の方法。

【公表番号】特表2009−513709(P2009−513709A)
【公表日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538975(P2008−538975)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/042554
【国際公開番号】WO2007/053647
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(508062029)ナチュラルナノ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】