説明

放射性感受性遺伝子

【課題】放射線治療の併用剤の標的となる、新たな放射線感受性遺伝子を提供すること。
【解決手段】標的細胞において、CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、 ZNF146 及びZNF354Aから成る群より選択された少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制することから成る、該細胞の放射線感受性を増大させる方法、上記遺伝子から成る群より選択されたいずれかの遺伝子に対する発現抑制剤を活性成分として含有する医薬組成物、及び、本発明遺伝子の発現量に基く、放射線感受性増大活性を有する物質のスクリーニング方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な放射性感受性遺伝子、該遺伝子の発現を抑制することから成る標的細胞の放射線感受性を増大させる方法、該遺伝子を標的とするshRNA 又はsiRNA等を活性成分として含有する医薬組成物、及び、該遺伝子の発現量の変化に基く、標的細胞の放射線感受性を増大させる活性を有する物質のスクリーニング方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
癌の発生は、正常な細胞増殖の制御に必要な複数遺伝子における変異の蓄積を介する、多段階プロセスであると考えられている(1)。ゲノム不安定化は様々な型の腫瘍(癌)細胞に共通して見られ、発癌における早期の細胞レベルの事象であると考えられている。ゲノムの不安定化は、電離放射線又は化合物のようなDNA損傷因子によって誘発されることがあり、生存細胞の子孫細胞において、染色体の再構成、微小核の形成、細胞形質転換、遺伝子変異及び遺伝子増幅等が見られることが特徴であるが、その分子的メカニズムはまだ十分に理解されていない。
【0003】
細胞周期のチェックポイントはDNA損傷を受けた後の細胞生存において重要な役割を担っている。DNA損傷に対するDNAの修復不全及び細胞周期の調節不全はゲノム安定化の早期段階における重要な因子であると考えられている。既にこれまでに、いくつかの遺伝子(例えば、ATM, BRCA1, BRCA2 及びNBS1)はDNA損傷修復及び細胞周期調節に加えて、放射線感受性に関与していることが報告されている(2)。
【0004】
ヒトゲノム解読の完了を受けて、いくつかの研究グループによって、RNA干渉(RNAi)を用いた遺伝子の大規模な機能スクリーニングが行われてきた(3−5)。更に、大規模機能スクリーニングによって、電離放射線に対する様々な感受性を有する15種類のヒト細胞系(6:非特許文献1)、及び、3種類のマウス細胞株(7:非特許文献2)に関する発現プロファイリングが行われ、200個の遺伝子の放射線感受性が検討された。又、本発明者等は、以前に、放射線感受性遺伝子のハイスループットな同定法を確立した(8:非特許文献3)
【0005】
【非特許文献1】Ishikawa K, Koyama-Saegusa K, Otsuka Y, et al. Gene expression profile changes correlating with radioresistance in human cell lines. Int J Radiat Oncol Biol Phys 2006;65:234-45.
【非特許文献2】Iwakawa M, Noda S, Ohta T, et al. Strain Dependent Differences in a Histological Study of CD44 and Collagen Fibers with an Expression Analysis of Inflammatory Response-related Genes in Irradiated Murine Lung. J Radiat Res 2004;45:423-33.
【非特許文献3】Tsuji AB, Sudo H, Sugyo A, et al. A fast, simple method for screening radiation susceptibility genes by RNA interference. Biochem Biophys Res Commun 2005;333:1370-7.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
放射線治療の際に、腫瘍細胞の放射線感受性を高められれば、照射線量を少なくできるため、副作用が起こりにくくかつ治療成績の向上も期待できる。これまでに実用的な放射線治療の併用剤はないことから、新たな薬剤の開発が望まれている。
【0007】
そこで、本発明者は上記課題を解決すべく、上記の放射線治療の併用剤の標的となる遺伝子を探索するために、RNA干渉で遺伝子の機能を抑制し放射線感受性試験を行った。その結果、放射線感受性遺伝子を新たに発見し、本発明を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記知見に基づきなされたものである。
即ち、本発明は以下の態様に係る。
[1]標的細胞において、CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、 TRIP11、UCC1、ZDHHC8、 ZNF146 及びZNF354Aから成る群より選択された少なくとも一つの遺伝子(以下、「本発明遺伝子」とも称する)の発現を抑制することから成る、該細胞の放射線感受性を増大させる方法。
[2]本発明遺伝子に対する発現抑制剤を活性成分として含有する医薬組成物。
「3」本発明遺伝子の発現量の変化に基く、標的細胞の放射線感受性を増大させる活性を有する物質のスクリーニング方法。
「4」本発明スクリーニング方法に用いるスクリーニングキット。
「5」標的細胞における、本発明遺伝子の発現量を抑制して該細胞の放射線感受性を増大させる工程、及び、該細胞に対して放射線照射を行う工程を含む、放射線治療方法。
【発明の効果】
【0009】
癌細胞等の各種標的細胞における本発明遺伝子の発現を抑制することによって、該細胞の放射線感受性を特異的且つ積極的に増大させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書の実施例中に示されるように、CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、ZNF146及びZNF354A(「本発明遺伝子」:計9種類)は夫々の引用文献に記載されており、それらの塩基配列等の各種情報は当業者に公知である。しかしながら、その中のUCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354Aの4種類の遺伝子の機能に関する報告はこれまでない。又、それ以外の直接又は間接的に細胞周期に関与していることは知られているものの、細胞の放射線感受性に関係することはこれまで全く知られていない。
【0011】
従って、本発明の好適態様においては、UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354Aから選択された少なくとも一つの遺伝子を本発明遺伝子として選択することが可能である。
【0012】
本発明において、標的細胞の「放射線感受性」とは、該細胞が放射線を受けることにより、そのDNAが損傷を受けてゲノムが不安定化する傾向(程度)を意味する。放射線の発生源、種類、被爆態様・経緯等に特に制限はない。因みに、放射線には、物質に電離作用を及ぼす電離放射線と非電離放射線があり、更に電離放射線は、エックス線及びガンマ線等の電磁放射線とα線及びβ線などの粒子線とに大別される。このうち、エックス線は1pm〜100nm程度の波長を有する電磁波であり、波長範囲はガンマ線と一部重なるが、加速した電子を原子にぶつけることにより人工的に得られる放射線である。エックス線の有する透過、吸収、散乱、電離、及び励起等多様な相互作用を利用して、医療分野における放射線治療、並びに、エックス線撮影及びエックス線CTに代表される各種診断、各種材料の非破壊検査、結晶構造解析等に利用されている。又、放射線は、医療器具・装置、放射光利用施設、又は原子力発電所等の産業施設等における不慮の事故によって発生する恐れがある。
【0013】
本発明方法の目的等を考慮すると、上記のような各種放射線治療などの医療が目的のエックス線のような電磁放射線を放射線の代表的な例として挙げることができる。
【0014】
細胞の放射線感受性は、適当な線量の放射線を培養細胞に照射した後、適当な期間培養し、当業者に公知の任意の方法、例えば、SRBアッセイ、BrdUアッセイ及びalamarBlueアッセイ等によって、該細胞の生存率を測定することにより評価することが出来る。この中で、SRBアッセイ及びalamarBlueアッセイは操作性及びコストの点から優れているが、alamarBlueアッセイでは生細胞でアッセイする必要がある為に工程を一時的に止めることができないというデメリットがある。従って、これらの点を総合的に考慮すると、SRBアッセイが好ましい。
【0015】
尚、放射線の吸収線量とは、実際に人体等の被ばく対象物質に吸収された放射線のエネルギーを示す物理量であり、電離放射線の照射による物質1kg当り1ジュールの吸収エネルギーを単位にとり、これを1グレイ(Gy)と呼ぶ。尚、かかる放射線の吸収線量は当業者に公知の任意の方法、例えば、放射線の測定にはGM管(ガイガーミューラー計数管)を被ばく対象物質の横に置くことにより測定することができる。因みに、GM管には円筒形の内部にヘリウム、アルゴン等の不活性ガスが詰められており、高電圧をかけておくと、放射線が入射するとGM管内部のある原子が励起され、壁材と反応して内部に電子を放出させ、電子は内部のガスに電離を引き起こす。電離によって生じたイオンがきっかけとなって管内に放電が起き、放電によるパルスを計測することにより測定が行われる。
【0016】
本発明において、標的細胞における本発明遺伝子の発現の抑制は、当業者に公知の任意の段階、即ち、例えば、遺伝子の転写若しくは翻訳の段階、又は、遺伝子がコードする蛋白質の産生、又は害蛋白質の活性発現段階において、下記に示す様々な発現抑制剤を使用して行うことが可能である。尚、対象となる標的細胞の種類に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが可能である。例えば、癌治療の目的のためには癌細胞(腫瘍細胞)が標的細胞となる。
【0017】
本発明遺伝子の発現の抑制は必ずしも100%である必要はない。本明細書の実施例から明らかなように、例えば、本発明遺伝子のmRNA発現量が数%〜50%に低下させることによって、標的細胞の放射線感受性を有意なレベルに増大させることが可能となる。
【0018】
転写又は翻訳段階での抑制には、本発明遺伝子に対する発現抑制剤として、本発明遺伝子(DNA又はmRNA)を標的とするsiRNA(small interfering RNA:通常、21〜23個の塩基から成る二本鎖RNA)及びshRNA(short hairpin-type small interfering RNA)又はそれから生成されるmiRNA(micro RNA)等の、本発明遺伝子に対するRNA干渉(RNAi)を誘導するオリゴヌクレオチド(本発明遺伝子の部分塩基配列に特異的な配列を有する一本鎖RNA又は二本鎖RNA)を用いての遺伝子ノックダウンを利用する方法、更に、発現抑制剤として、アンチセンスRNA、又は各種のリボザイム等を用いる方法を挙げることが出来る。又、蛋白質の活性発現段階では、例えば、発現抑制剤として、該蛋白質に対する抗体や阻害剤を用いる方法を挙げることが出来る。尚、かかるsiRNAには、細胞内で上記核酸配列がDicer により消化されて生成されるものも含まれる。
【0019】
RNA干渉(RNAi)を誘導するオリゴヌクレオチドは、各種のデータベース(DDBJ)、又は上記の引用文献に記載された本発明遺伝子の塩基配列に基き、当業者であれば、適当なアルゴリズムを使用して適宜設計して調製することが出来る。又は、RNAi用のshRNAを含む市販のベクターを使用することもできる。その代表的な例としては、本明細書の表1に記載されるようなshRNAベクターを挙げることが出来る。このような
【0020】
従って、上記発現抑制剤は細胞の放射線感受性を増大させる効能を有する医薬組成物の活性成分として有用であり、かかる医薬組成物は、例えば、放射線治療の併用剤として使用することができる。
【0021】
更に、上記の活性成分中で、siRNA及びshRNAのようなオリゴヌクレオチドは適当な発現ベクター等の当業者に公知の任意の各種の運搬ビークル内に組み込まれた状態で使用することも可能である。これらの発現ベクター内で、該オリゴヌクレオチドは適当な転写プロモーターの調節下で標的細胞内で転写されるように挿入されている。
【0022】
このような活性成分は当業者に公知の任意の方法、例えば、活性成分がsiRNAのような核酸分子である場合には、形質得転換法に使用される方法、例えば、リン酸カルシウム法又はカチオン性脂質(リポフェクタミン)等により構成される人工リポソームでDNAを包み込むリポフェクション法等に基き標的細胞に取り込まれるようにすることが出来る。或いは、発現ベクター系としてウィルスベクターを使用した場合には、ウイルス粒子が標的細胞に感染することにより該細胞に活性成分を導入することができる。
【0023】
又、上記の医薬組成物には、各種の有効成分と組合せて、薬学上許容できる、当業者に公知の任意の医薬キャリア−又は希釈剤等のその他の成分を含むことが出来る。
【0024】
本発明の有効成分の薬学的な有効量及び投与方法又は投与手段は、有効成分の種類、病状の重さ、治療方針、患者の年齢、体重、性別、全般的な健康状態、及び患者の(遺伝的)人種的背景に応じて、当業者が適宜選択することができる。例えば、該有効成分の投与量は0.1〜100mg/日/成人、より一般的には1〜10mg/日/成人である。
【0025】
本発明の医薬組成物は投与方法・投与経路等に応じて当業者に公知の任意の形状とすることが出来る。それらは適当な方法で投与することが出来る。例えば、形状としては、液体状、粉末状、及びコロイド状等があり、上記のキャリア−又は希釈剤を伴った形で、静脈内、腹腔内、皮下に注射するか、又は、経口投与等が挙げられる。更に、当業者に公知の薬物運搬システムを利用することによって、例えば、特定組織の癌(腫瘍細胞)細胞のような標的細胞に特異的に活性成分を取り込ませ、そこで作用させることも可能である。
【0026】
本発明遺伝子の発現量の変化(抑制・減少)を測定することによって、標的細胞の放射線感受性を増大させる活性を有する物質をスクリーニングすることができる。本発明のスクリーニング方法は、例えば、以下の工程で実施することが出来る。
(a)被検物質の存在下に細胞を培養する工程、
(b)該細胞における本発明遺伝子の発現量の変化を測定する工程、及び
(c)発現量を抑制する物質を選択する工程、を含む方法。
【0027】
ここで、工程(b)における本発明遺伝子の発現量は、当業者に公知の任意の段階、即ち、例えば、遺伝子の転写段階、又は該遺伝子がコードする蛋白質の産生段階で測定することが可能である。
【0028】
本発明遺伝子の発現量の測定は、測定方法・原理に応じて、定量的、半定量的、又は定性的であり得る。尚、発現量を抑制させる物質の選択は、例えば、被検物質の非存在下での本発明遺伝子の発現量との比較をすることにより実施することが出来る。
【0029】
本発明遺伝子のmRNA(又は、cDNA)は、例えば、本発明遺伝子の塩基配列に基づき適宜設計したプライマー又はプローブを使用したRT−PCR法、リアルタイム逆転写PCR(リアルタイムRT−PCR)等の各種定量的PCR法、並びに各種のマイクロアレイ(DNAチップ)法等の当業者に公知の方法で増幅・検出することが出来る。PCR法で増幅された核酸分子の検出・同定は、その塩基配列を直接決定する方法(シークエンス法)、又は電気泳動との組み合わせ等、適当な方法で行うことが出来る。
【0030】
上記のプライマー又はプローブの塩基配列は、鋳型との特異的な結合が可能となるような塩基数、例えば、15−40塩基、より具体的には、15−25塩基程度を有することが好ましく、更には、プライマー内でヘアピン構造をとったり、センス鎖とアンチセンス鎖とが互いにアニーリングしないような塩基配列とすることも重要である。例えば、OligoTM(National Bioscience Inc.製)のような市販のプライマー設計用のソフトウェアを使用することも可能である。
【0031】
本発明遺伝子がコードする蛋白質の産生量は、当業者に公知の任意の方法で測定することが可能である。例えば、適当な抗体を用いたウェスタンブロット等の免疫染色及びEIA等の各種の免疫学的特異反応を利用する方法、エドマン法を用いた気相シークエンサー等ペプチドのアミノ酸配列分析法、更には、MALDI−TOF/MS及びESI Q−TOF/MS法等に代表される質量分析によって検出することが出来る。
【0032】
上記の方法の中でも、ウェスタンブロット法及びEIA等の酵素免疫測定法等の、該蛋白質に特異的な抗体との抗原抗体反応によって該白質の発現量を測定する検査方法が好適である。このような抗体には、酵素、放射性同位体蛍光色素、及び金属原子等の当業者に公知の各種の標識物質で標識されているものも含まれる。
【0033】
従って、上記抗体は、該蛋白質又はその適当な部分ポリペプチド(ペプチド断片)又はそれらの各種誘導体又は複合体等を抗原物質又は免疫原として用いて、当業者に公知の適当な方法で調製することが可能である。例えば、ポリクローナル抗体の場合には、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ニワトリ等の適当な動物に投与し、その抗血清から調製することが可能である。或いは、モノクローナル抗体作成法(「単クローン抗体」、長宗香明、寺田弘共著、廣川書店、1990年; "Monoclonal Antibody" James W. Goding, third edition, Academic Press, 1996)等に記載の公知の細胞融合を用いる方法でモノクローナル抗体として調製することも可能である。
【0034】
スクリーニングに使用する細胞は、その目的等に応じて当業者に公知の任意のものを使用することができるが、ヒト治療用に使用する薬剤をスクリーニングする場合には、治療対象となる臓器又は組織由来のヒト由来の細胞を標的細胞として使用することが好ましい。
【0035】
本発明のスクリーニング方法に使用されるキットは、測定対象又は測定原理等に応じて、適当な構成をとることが出来る。該キットは、その構成要素として、例えば、上記蛋白質に特異的な抗体、各種の二次抗体(標識抗体)、上記のmRNA(cDNA)の増幅用プライマー及びDNAチップ等で使用するハイブリダイゼーション用のプローブ(例えば、10〜100個程度の連続した塩基配列から成る)を含むことが出来る。更に、上記キットには、その構成・使用目的などに応じて、当業者に公知の他の要素又は成分、例えば、各種試薬、酵素、緩衝液、反応プレート(容器)等が含まれる。尚、PCR反応後の検出を容易にするために、これらプライマーの少なくともいずれかの末端に、当業者に公知の任意の蛍光物質等の標識物質が結合していることが好ましい。例えば、適当な蛍光物質として、6−カルボキシフルオレッセイン(FAM)、4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロー6−カルボキシフルオレッセイン(HEX)、NED(アプライドシステムズジャパン社)及び6−カルボキシ−X−ローダミン(Rox)等を挙げることが出来る。
【0036】
更に、本発明は、標的細胞における、本発明遺伝子の発現量を抑制して該細胞の放射線感受性を増大させる工程、及び、該細胞に対して放射線照射を行う工程を含む、放射線治療方法にも係る。本発明遺伝子の発現量を抑制して該細胞の放射線感受性を増大させるには、既に記載した本発明の方法を使用することが出来る。例えば、上記の医薬組成物、又は、上記のスクリーニング方法で選択された放射線感受性を増大させる活性を有する物質を対象に作用させて該細胞の放射線感受性を増大させることが出来る。このように、放射線治療の前処理として、標的細胞の放射線感受性を増大させることによって、放射線治療における照射線量を少なくでき、副作用が起こりにくくかつ治療成績の向上が期待できる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の技術的範囲を何等限定するものではない。当業者であれば、本明細書の記載に基づき、本発明の技術的範囲を逸脱せずに、多くの変形及び修飾を実施することが可能である。
【0038】
[細胞とその培養法]
ヒト胎児腎細胞HEK293株(CRL-1573:ATCC, Manassas, VA)の培養は、10%牛胎児血清(SAFC Biosciences, Kansas City, MO)、2mM L-glutamine, 50 U/ml ペニシリン及び50 μg/ml ストレプトマイシン添加のα−MEM培地(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)を用いて、37℃で実施した。
【0039】
[RNAiライブラリー]
ベクターpcPURhU6 はsiRNA及びヒトU6プロモーター(5)をコードする。尚、表1〜5には、アルゴリズムによって選択された、本発明遺伝子を含む200個の遺伝子(9)に対する独立した一つ又は二つの標的が示されている。これに基づきオリゴヌクレオチドを合成し、アニールし、ベクターに連結した。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
【表3】

【0043】
【表4】

【0044】
【表5】

【0045】
[実施例1:遺伝子の放射線感受性アッセイ]
表1に示した200個の遺伝子に対するshRNAベクターを用いて、非特許文献3に記載された96ウェルフォーマット操作により遺伝子の放射線感受性をアッセイした。具合的には、HEK293細胞を96ウェルプレートに各ウェル当り1x10個撒き、24時間の培養後、FuGENE6 トランスフェクション試薬(Roche Diagnostics, Indianapolis, IN)を使用し、製造業者に指示に従い該細胞を上記shRNAベクター(100ng)でトランスフェクションした。トランスフェクシィオンの3日後に、EDS-384S マルチチャンネルディスペンサー(BioTec, Tokyo, Japan)を用いて、ウェル当り10個となるように96ウェルプレートに撒き、その一つにプレートにX線発生装置(200 kV, 20mA, Pantak HF-320;Shimazu, Kyoto, Japan)を使用して4Gyの放射線を照射した。尚、線量はX線量計model C-110, AE-1321M, OYOGIKEN Co., Japan) を使用して測定した。更に5日追加培養し、非特許文献3に記載のスルフォローダミンBベース毒物アッセイ(SRB)キット(Sigma-Aldrich)を用いて、製造業者に指示に従い該細胞の生存率を測定した。尚、細胞の生存率は、放射線非照射細胞の光学的密度(Ultramark microplate reader (Bio-Rad, Hercules, CA)を使用し、波長570 nm 及び655 nmで測定)を100%として、それに対する放射線照射細胞の光学的密度の割合として計算した。その結果、15個の遺伝子の発現がshRNAベクターにより抑制された結果、細胞の生存率が有意(p<0.01)に低下した(図1)。生存率はスチューデントt−テスト(Student’s t-test)又はデュネット複数比較テスト(Dunnett multiple comparison test)によるANOVAによって分析した。陽性コントロールとして、放射性感受性遺伝子として公知のPRKDC(12,13) を標的とするshRNA発現ベクターを使用した。
【0046】
モック(擬)ベクター(陰性コントロール)及びPRKDC-shRNAベクターでトランスフェクションした細胞の生存率は、夫々、0.416+0.026及び 0.259+0.071 であった。試験した200個(種類)の遺伝子の内、15個(種類)の遺伝子を標的とするshRNAのトランスフェクションによって、それらの細胞生存率が、PRKDC-shRNAベクターに関する平均生存率(0.259)から標準偏差(0.071)を引いた値である0.188より小さい値を示した(図1)。
【0047】
そこで次に、上記の15個の遺伝子に関する結果を確認する為に、更に、各遺伝子に対して特異的な2種類のshRNAを使用して、4回の独立試験を実施した。図2に示された結果から明らかなように、ATR、CDKN1A、CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354Aの11個の遺伝子をshRNAによってノックダウンすることによって、陰性コントロールに比べて細胞生存率が有意に減少することが判明し、これら遺伝子が細胞の放射線感受性に関与していることが示された。ATM及びMAP4K2については使用したshRNAによって異なる結果が得られた。又、ARL4及び SERP1遺伝子は細胞生存率に影響を及ぼさなかった。
【0048】
細胞生存率を低下させた12個の遺伝子の中で、ATM(13,14)、ATR(13,14)及びCDKN1A(16)は、細胞の放射性感受性に関与する遺伝子として既に同定されているものである。これに対して、CCNG1(17,18)、CENPE(19) 、H3F3A(20)、IL13RA1(21)、TRIP11(22)、UCC1(23)、ZDHHC8(24)、ZNF146(25)及びZNF354A(26)の9つの遺伝子については、これまでに、これらの遺伝子が細胞の放射線感受性に関与しているということは知られていない。特に、UCC1、ZDHHC8、 ZNF146 及びZNF354Aの4つの遺伝子の機能に関してはこれまでに何ら報告されていない。
【0049】
[実施例2:リアルタイムRT−PCRアッセイ]
そこで次に、これら遺伝子の全mRNA発現量を、Rneasy Mini kit (Qiagen, Tokyo, Japan) を用い製造者の指示に従い、リアルタイムRT−PCRによって測定した。具体的には、オリゴd(T)18 プライマー及びSuperScriptIII First Strand Synthesis System (Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いてを用いて全RNA(1μg)からcDNAを調製し、得られたcDNA(1:5 希釈:2.5μl)、以下に示す各遺伝子及びβアクチンに特異的なプライマー、並びに、iCycler real-time PCR therml cycler (Bio0Rad) におけるiQ SYBER Green supermix を使用して、製造者の指示に従いリアルタイムRT−PCR増幅を実施した。遺伝子の発現はコントロールプラスミドの連続希釈(10〜10モル、二重)により作製した検量曲線に基づき定量した。発現量はβアクチンの発現量に対して標準化した。その結果、上記の9つの遺伝子のmRNAの発現量は放射線照射によって4−45%に減少していることが確認された。
【0050】
ATM: 5'-AGAGGCCGGAAGATGAAACT-3'( 配列番号1)
5'-AAGACACGTTCAGCTACTTTGTTG-3'(配列2)
ATR: 5'-CTGATGCGTGATCAGCGAGA-3' (配列番号3)
5'-TTCATTCAGTGGCGCTTTGG-3'(配列番号4)
CCNG1: 5'-AGGGTGGTTACCGCTGAGGA-3' (配列番号5)
5'-CCACAGACCTTTGGCTGACATC-3'(配列番号6)
CDKN1A:5'-ACCTTCCTCATCCACCCCA-3' (配列番号7)
5'-TGACTCCTTGTTCCGCTGC-3'(配列番号8)
CENPE: 5'-CATCACCTCATCCAGTTCGCTAT-3' (配列番号9)
5'-AGGACCTGGCTGAGAATCCAC-3'(配列番号10)
H3F3A: 5'-CTGTTATTGGTAGTTCTGAACG-3' (配列番号11)
5'-CCACTCGCAATCATATACTTAG-3'(配列番号12)
IL13RA1:5'-CCCTAGGTCTTGGGAGCTCTTG-3' (配列番号13)
5'-TTACCATCCTGACACTGGGTTTG-3'(配列番号14)
MAP4K2:5'-CAGCGGAGGCTACAGCAACA-3' (配列番号15)
5'-TGTCAGGAATCTTGGTGGACAGAG-3'(配列番号16)
UCC1:5'-CAGGAGCAGATCACCGTCCA-3' (配列番号17)
5'-TGTATAGATGCCAATCCAGGTTTCA-3'(配列番号18)
TRIP11:5'-ATTCTTGCCCAGAGTGCATCA-3' (配列番号19)
5'-ATTGTCTTCAGCAAGACTGTTATCC-3' (配列番号20)
ZDHHC8:5'-CCCAAAGCTGTCGCCTTCA-3' (配列番号21)
5'-TTAACCAGCGTGTGCCGTGTA-3' (配列番号22)
ZNF146:5'-TGGAGATCTTCGCCAGTAACAA-3' (配列番号23)
5'-TCTGCTCTGCTCAATCAATACCAC-3'(配列番号24)
ZNF354A:5'-GAGAGCCTTCAGCCAGAGTG-3' (配列番号25)
5'-CTCCAGTATGAATGATTCGGTGTC-3'(配列番号26)
b-actin:5'-GTGCTCGCGCTACTCTCTCT-3'(配列番号27)
5'-TCAATGTCGGATGGATGAAA-3'(配列番号28)
【0051】
尚、本明細書中で括弧内の数字で引用した公知文献は以下の通りである。
1. Hanahan D, Weinberg RA. The hallmarks of cancer. Cell 2000;100:57-70.
2. Huang L, Snyder AR, Morgan WF. Radiation-induced genomic instability and its implications for radiation carcinogenesis. Oncogene 2003;22:5848-54.
3. Berns K, Hijmans EM, Mullenders J, et al. A large-scale RNAi screen in human cells identifies new components of the p53 pathway. Nature 2004;428:431-7.
4. Paddison PJ, Silva JM, Conklin DS, et al. A resource for large-scale RNA-interference-based screens in mammals. Nature 2004;428:427-31.
5. Futami T, Miyagishi M, Taira K. Identification of a Network Involved in Thapsigargin-induced Apoptosis Using a Library of Small Interfering RNA Expression Vectors. J Biol Chem 2005;280:826-31.
6. Ishikawa K, Koyama-Saegusa K, Otsuka Y, et al. Gene expression profile changes correlating with radioresistance in human cell lines. Int J Radiat Oncol Biol Phys 2006;65:234-45.
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【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明により提供される該細胞の放射線感受性を増大させる方法、又は、医薬組成物を使用することによって、放射線治療における照射線量を少なくでき、副作用が起こりにくくかつ治療成績の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】200種類の遺伝子に対するshRNAベクターを用いた、放射線性感受性に関する機能性スクリーニングの結果を示す。
【図2】15種類の遺伝子に対するshRNAベクターを用いた、放射線性感受性に関する機能性スクリーニングの結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的細胞において、CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、 ZNF146 及びZNF354Aから成る群より選択された少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制することから成る、該細胞の放射線感受性を増大させる方法。
【請求項2】
標的細胞において、UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354Aから成る群より選択された少なくとも一つの遺伝子の発現を抑制することから成る、該細胞の放射線感受性を増大させる方法。
【請求項3】
発現の抑制が転写又は翻訳の段階で行われる、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
RNA干渉により遺伝子のノックダウンを用いる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
標的細胞が癌細胞である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354A遺伝子から成る群より選択されたいずれかの遺伝子に対する発現抑制剤を活性成分として含有する医薬組成物。
【請求項7】
発現抑制剤が、CCNG1、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354A遺伝子から成る群より選択されたいずれかの遺伝子に対するRNA干渉(RNAi)を誘導するオリゴヌクレオチドである、請求項7記載の医薬組成物。
【請求項8】
放射線治療の併用剤である、請求項6又は7記載の医薬組成物。
【請求項9】
CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354A遺伝子から成る群より選択された少なくとも一つの遺伝子の発現量の変化に基く、標的細胞の放射線感受性を増大させる活性を有する物質のスクリーニング方法。
【請求項10】
UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354Aから成る群より選択された少なくとも一つの遺伝子の発現量の変化に基く、標的細胞の放射線感受性を増大させる活性を有する物質のスクリーニング方法。
【請求項11】
請求9又は10に記載のスクリーニング方法であって、
(a) 被検物質の存在下に細胞を培養する工程、
(b)該細胞における該遺伝子の発現量を測定する工程、及び
(c)発現量を抑制する物質を選択する工程、を含む方法。
【請求項12】
工程(b)において遺伝子から転写されたmRNAの発現量を測定する、請求項11記載のスクリーニング方法。
【請求項13】
請求項8〜12のいずれか一項に記載のスクリーニング方法に用いるスクリーニングキット。
【請求項14】
標的細胞における、CCNG1 、CENPE 、H3F3A、IL13RA1、TRIP11、UCC1、ZDHHC8、ZNF146 及びZNF354A遺伝子から成る群より選択された少なくとも一つの遺伝子の発現量を抑制して該細胞の放射線感受性を増大させる工程、及び、該細胞に対して放射線照射を行う工程を含む、放射線治療方法。
【請求項15】
請求項6若しくは7記載の医薬組成物、又は、請求項8〜12のいずれか一項に記載のスクリーニング方法で選択された放射線感受性増大活性を有する物質を標的細胞に作用させて該細胞の放射線感受性を増大させる工程、及び、該細胞に対して放射線照射を行う工程を含む、放射線治療方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−220315(P2008−220315A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−65961(P2007−65961)
【出願日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2006年11月20日 日本分子生物学会2006フォーラム「分子生物学の未来」〜コンファレンス&サイエンティフィック・エキシビジョン〜プログラム・要旨集の第292ページに発表
【出願人】(301032942)独立行政法人放射線医学総合研究所 (149)
【Fターム(参考)】