説明

放射線−硬化性ゴム系接着剤/シーラント

放射線−硬化性ゴム系接着剤/シーラント組成物は、放射線−硬化性ゴムレジン、一種以上の光開始剤または光増感剤と、場合により一種以上の無機または有機充填剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、陸軍研究所より得た契約書番号MDA972−93−2−0014のもと、アメリカ合衆国政府からの援助によってなされたものである。合衆国政府は本発明に特定の権利を有する。
【0002】
関連出願
本出願は、米国特許出願シリアル番号11/098,115、11/098,116及び11/098,117号に関連する。
発明の分野
【0003】
本発明は、放射線−硬化性接着剤/シーラント組成物に関する。好ましい態様では、本発明は、有機発光ダイオードなどの電子及び光電子デバイス用の接着剤及びシーラントに関する。
【0004】
発明の背景
様々な封止電子デバイスは、特定の操作及び保存寿命を獲得するために防湿性(moisture protection)が必要なことは公知である。特に有機発光デバイス(OLED)、ポリマー発光デバイス、電荷結合デバイス(CCD)センサ、マイクロ−エレクトロ−メカニカルセンサ(MEMS)、液晶デバイス(LCD)及び光電子デバイスなどの非常に感湿性の電子/光電子デバイスの封入パッケージ内の相対湿度は、有機発光層、電極や他の感湿性部品を完全に保護するために、特定レベルより下、特に1000ppm未満、場合によっては100ppm未満に制御しなければならない。
【0005】
封入または包装済みデバイスを水から保護するために、従来幾つかのアプローチが使用されている。これらの方法は必ずしも機能するとは限らない:有機シーラントは厳しい透湿性要件を満たさないかもしれない;不透湿性のはんだシーラントは、温度感受性デバイスには高すぎる融点をもつかもしれない;及びデバイスの内壁に付けられた乾燥剤パッケージは、デバイスの発光を邪魔するかもしれず、特に上部が有機発光ダイオードでは問題となるかもしれない。
【0006】
図面の簡単な説明
図1は、周辺を封止したカルシウムボタンデバイスである。図2は、ラミネート接着剤を使用するカルシウムボタンデバイスである。
【0007】
発明の概要
本発明は、シロキサン官能基を含まない放射線−硬化性バリヤゴムレジン、放射線−硬化性レジン希釈剤、及び一種以上の光開始剤と、場合により一種以上の光増感剤とを含む光開始系を含む、放射線−硬化性組成物に関する。これらの材料は、シーラント及び接着剤の両方の特性を有し(以後、シーラント/接着剤という)、且つ高度に感湿性の電子、光電子デバイスまたは同様のデバイスの封止に適している。本材料は、接着剤を放射線硬化させた後、封止エンクロージャ(sealed enclosure)を形成するために二つの基板を一緒に結合することができる。別の態様では、本発明は、基板上に配置され、且つ蓋で封入された電子または光電子デバイスであって、前記蓋及び基板は、前記基板と蓋の周辺に沿って配置されているか、または前記基板と蓋との間の全域に配置されたシーラント/接着剤と共に接着される。
【0008】
発明の詳細な説明
本明細書中で参照した全ての参考文献は、本明細書中、その全体を参照として含む。本明細書において、放射線硬化なる用語は、化学線に暴露することによって樹脂または樹脂/充填剤系を硬化させることを指す。化学線は、材料中で化学変化を誘発させる電磁線であり、本明細書及び請求の範囲の目的に関しては、電子ビーム硬化も含む。殆どの場合、そのような放射線は紫外線(UV)または可視光である。この硬化の開始は、好適な光開始剤を使用することによって実施する。
【0009】
好適な樹脂は、放射線硬化性である官能基を含むポリイソブチレンまたはブチルゴム(以後、バリヤゴムレジン、ゴムレジン(rubber resin)、またはシーラント/接着剤という)である。代表的な物質としては、オレフィン−末端ポリイソブチレン、ポリイソブチレンアクリレート、ポリイソブチレンエポキシ、ポリイソブチレンビニルエーテル、ブチルゴム、及びブチルゴム誘導体(たとえばエポキシ化ブチルゴム、アクリル化ブチルゴム、マレエート化ブチルゴム、メルカプタン官能性ブチルゴム、及び類似の化合物)である。代表的なポリイソブチレンアクリレートは、米国特許第5,171,760号(Edison Polymer Innovation Corp.)、米国特許第5,665,823号(Dow Corning Corp.)及びPolymer Bulletin、第6巻、135〜141頁(1981)、T.P.Liao及びJ.P.Kennedyに記載されている。代表的なポリイソブチレンエポキシ材料は、Polymer Material Science and Engineering、第58巻、869頁(1988)及びJournal of Polymer Science、パートA、Polymer Chemistry、第28巻、89頁(1990)、J.P.Kennedy及びB.Ivanに記載されている。代表的なポイイソブチレンビニルエーテルは、Polymer Bulletin、第25巻、633頁(1991)、J.P.Kennedy及び共同研究者、並びに米国特許第6,054,549号、同第6,706,779B2号(Dow Corning Corp.)に記載されている。代表的な放射線硬化性ブチルゴムは、RadTech North America proceedings、77頁、(1992)、N.A.Merrill、I.J.Gardner及びV.L.Hughesに記載されている。
【0010】
これらのゴムレジンは、放射線で硬化性の反応性官能基を含む。そのような反応性官能基としては、グリシジルエポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ;オキセタン;アクリレート、メタクリレート、イタコネート;マレイミド;ビニル、プロペニル、クロチル、アリル及びプロパルギルエーテル、並びにこれらの基のチオエーテル;マレエート、フマレート及びシンナメートエステル;スチレン;アクリルアミド及びメタクリルアミド;カルコン;チオール;アリル、アルケニル及びシクロアルケニル基からなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
放射線−硬化性反応性希釈剤は、UV硬化性材料及び充填ポリマー複合材料の分野の経験者に公知の任意のUV硬化性樹脂であってもよい。樹脂は小さな分子、オリゴマーまたはポリマーであってもよく、最終用途に応じ熟練者によって選択される。充填剤を使用する場合、選択された特定の充填剤は、特定の光電子または電子デバイスに必要なレオロジー条件に依存して変動し得る。硬化メカニズムは、選択した特定の樹脂及び充填系に合わせるために変動し得る(カチオン、ラジカルなど)。
【0012】
放射線硬化性樹脂の主鎖は限定されない。樹脂の反応性官能基は、放射線に暴露することによって形成される開始剤または触媒に反応性のものであり、グリシジルエポキシ、脂肪族エポキシ及び脂環式エポキシから選択されるエポキシ;オキセタン;アクリレート及びメタクリレート;イタコネート;マレイミド;ビニル、プロペニル、クロチル、アリル及びプロパルギルエーテル及びそれらの基のチオエーテル;マレエート、フマレート及びシンナメートエステル;スチレン;アクリルアミド及びメタクリルアミド;カルコン;チオール;アリル、アルケニル及びシクロアルケニル基が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
好適なカチオン性重合可能な放射線硬化性樹脂としては、エポキシ、オキセタン、ビニルエーテル、及びプロペニルエーテルが挙げられる。代表的なエポキシ樹脂としては、当業者に公知の多くの供給業者から市販されているグリシジルエーテル及び脂環式エポキシが挙げられる。
【0014】
代表的な芳香族液体グリシジルエーテルとしては、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(Resolution Performance Productsから商標名Epikote862のもと販売)またはビスフェノールAジグリシジルエーテル(Resolution Performance Productsから商標名Epikote828のもと販売)が挙げられる。代表的な固体グリシジルエーテルとしては、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル(商標名RSS1407のもと販売)及びレゾルシノールジグリシジルエーテル(CVC Specialty Chemicals,Inc.より市販の商標名Erisys RDGF(登録商標)のもと販売)が挙げられる。他の芳香族グリシジルエーテルは、Resolution Performance Productsより販売されている商標名Epon 1031、Epon164及びSU−8のもと利用可能である。
【0015】
代表的な非−芳香族グリシジルエポキシ樹脂としては、水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(Dainippon Ink&Chemicalsより商標名EXA−7015のもと販売)またはAldrich Chemical Co.より市販のシクロヘキサンジメチロールジグリシジルエーテルが挙げられる。
【0016】
代表的な脂環式エポキシ樹脂としては、ERL4221及びERL6128(Dow Chemical Co.製)が挙げられる。代表的なオキセタン樹脂は、OXT−121(Toagosei製)である。代表的なビニルエーテル分子としては、シクロヘキサンジメチロールジグリシジルエーテル(Rapicure−CHVE)、トリプロピレングリコールジビニルエーテル(Rapicure−DPE−3)またはドデシルビニルエーテル(Rapicure−DDVE)(全てInternational Specialty Products製)が挙げられる。類似のビニルエーテルもBASFから利用可能である。
【0017】
好適なラジカル重合可能な放射線硬化性樹脂としては、アクリレート、マレイミド、またはチオール−エンベースの樹脂が挙げられる。多くの場合、これらの樹脂の組み合わせを使用して、シーラント/接着剤材料の特性に合わせることができる。
【0018】
代表的なアクリレート樹脂としては、ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、シクロヘキサンジメチロールジアクリレート、ジシクロペンタジエンジメチロールジアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ポリ(ブタジエン)ジメタクリレート及びビスフェノールAベースのアクリル化エポキシが挙げられる。そのような樹脂は、Sartomer及びUCB Chemicalsより市販されている。
【0019】
代表的な液体マレイミド樹脂は、たとえば本明細書中その全体が参照として含まれる、米国特許第6,265,530号、同第6,034,194号及び同第6,034,195号が挙げられる。特に好適なマレイミド樹脂は、以下の構造:
【化1】

{式中、(C36)は36個の炭素を物炭化水素部分を表し、これは任意に環式構造をもつ直鎖または分岐鎖であってもよい;
【化2】

}をもつ。
【0020】
代表的なチオール−エンラジカル光重合可能な系としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)/トリアリル−イソシアヌレート系が挙げられる。他の有用なチオールとしては、米国特許第5,919,602号(MacDermid Acumen,Inc.)に記載されているものが挙げられる。他の有用なポリエンとしては、ジアリルクロレンデート(diallylchlorendate)(商標名BX−DACのもと販売)及びテトラアリルビスフェノールA(いずれもBimax,Inc.製)が挙げられる。
【0021】
追加の好適な放射線硬化性樹脂及び、これらの樹脂用の光開始剤としては、Fouassier,J−P.,Photoinitiation,Photopolymerization and Photocuring Fundamentals and Applications 1995、Hanser/Gardner Publications,Inc.,ニューヨーク、N.Y.などの文献に知見されるものが挙げられる。
【0022】
本発明の放射線硬化性バリヤ材料用の光開始系の選択は、放射線硬化の分野の当業者には公知である。この光開始系は、一種以上の光開始剤と、場合により一種以上の光増感剤を含む。好適な光開始剤の選択は、バリヤシーラントを使用しようとする特定の用途に大きく依存する。好適な光開始剤は、樹脂、充填剤及び放射線硬化系における他の添加剤とは異なる光吸収スペクトルを示すものである。
【0023】
シーラントをカバーまたは基板を通して硬化しなければならない場合、光開始剤は、カバーまたは基板が透明である波長で放射線を吸収可能なものである。たとえば、バリヤシーラントをソーダ石灰ガラスカバープレートを通して硬化しなければならない場合、光開始剤は約320nmを超えて顕著なUV吸収を持たねばならない。320nm未満でのUV照射はソーダ石灰ガラスカバープレートによって吸収されてしまい、光開始剤に到達しないだろう。この例では、光開始剤へのエネルギー転送を増やすために、光開始剤系に光開始剤と一緒に光増感剤を配合すると有益であろう。
【0024】
カチオン光重合性の系に関しては、最も有用な光開始剤は、BF−、PF−、AsF−またはSbF−などのフッ素化アニオンなどのアニオンを含むジアリールヨードニウム塩及びトリアリールスルホニウム塩であるが、これらに限定されない。市販の代表的なヨードニウム塩としては、PC2506(Polyset)、UV9380C(GE silicones)、及びPhodorsil2074(Phodia)が挙げられる。他の好適なカチオン性光開始剤は、スルホニウム塩であるが、代表的なスルホニウム塩はUVI−6974(Dow Chemical)である。用途に応じて、いずれもAldrich及び他の製造供給元より市販されているイソプロピルチオキサントン(ITX)及びクロロプロポキシチオキサントン(CPTX)などの光増感剤は、ヨードニウム塩光開始剤と組み合わせるのに有用である。ラジカル光開始剤は、Ciba Specialty Chemicals及び他の製造供給元より市販されている。Ciba製の代表的な有用なラジカル光開始剤としては、Irgacure651、Irgacure819、及びIrgacure907が挙げられる。他の光開始剤は、Ionic Polymerizations and Repated processes、45〜60,1999年、Kluwer Academic Publishers;オランダ;J.E.Puskasら(編)に開示されている。光開始剤は、0.1重量%〜10重量%の範囲の量で使用する。
【0025】
無機充填剤を使用して組成物のレオロジーまたは材料特性を改善することができる。本発明のUV硬化性シーラント/接着剤に有用なそのような多くの充填剤がある。代表的な充填剤としては、粉末石英、溶融シリカ、アモルファスシリカ、タルク、ガラスビーズ、グラファイト、カーボンブラック、アルミナ、クレー、マイカ、窒化アルミニウム及び窒化ホウ素が挙げられるが、これらに限定されない。銀、銅、金、スズ、スズ/鉛合金及び他の合金などからなる金属粉末及びフレークも導電性用途に有用な充填剤である。ポリ−(テトラクロロエチレン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(塩化ビニリデン)などの有機充填剤粉末も使用することができる。放射線硬化性組成物で使用するのに適したそのような充填剤の種類及び量は、当業者の専門的知識の範囲内である。しかしながら通常、そのような充填剤は、全配合物の1重量%〜90重量%の範囲の量で存在する。
【0026】
さらなる態様では、本発明は、基板上に配置され、且つ蓋で封入された電子または光電子デバイスであって、前記蓋と基板は、本明細書の上記のごとく、シーラント/接着剤と一緒に接着されている、前記電子または光電子デバイスである。一態様において、乾燥剤を充填したシーラント/接着剤を基板と蓋の周辺接合部分に沿って配置する。別の態様では、乾燥剤を充填したシーラント/接着剤を、保護すべき基板と蓋の領域を覆って配置する。
【0027】
実施例
シーラントの防湿性能(moisure barrier performance)はCa−ボタン試験として公知の試験法によって評価することができる。この試験法では、デバイスに封入された金属カルシウムの薄いフィルムが水との反応によってカルシウム塩に崩壊していくのに要する時間を測定する。崩壊前の金属カルシウムフィルムの寿命が長ければ長いほど、デバイス内への透湿性は低く、デバイスを保護しているシーラント/接着剤は優れている。
【0028】
これらの実施例で使用されるようなCa−ボタンデバイスを図1に示す。ここでBHは周辺シーラント/接着剤の接着層(bondline)高さ(厚さ)であり;BWは周辺シーラント/接着剤の接着層の幅であり;ガラスはその上に金属カルシウムが配置されている基板であり;蓋は得られたデバイスを封入するために使用するガラスまたは金属蓋である。
【0029】
デバイスはN−充填グローブボックス内で組み立てた。薄いCaフィルムを最初に、真空蒸着によってガラス基板(26mm×15.5mm×1.1mm)(L×W×H)上に蒸着して厚さ100nm形状23mm×12.5mm(L×W)にした。シーラント/接着剤のBWは1.5mmであった。このCaフィルムを、蓋の全面に分配したシーラント/接着剤を使用して、蓋で封入した。シーラント接合部は、UV−照射スポット硬化(spot cure)装置で硬化して、3.0J/cmのUV−A照射量によって基板と蓋を一緒に接合した。
【0030】
封止Ca−ボタンデバイスを、65℃/80%RH(相対湿度)に調節した環境中に置いた。最初は、金属カルシウムフィルムは光を反射し得る金属様鏡である。水分に暴露すると、金属フィルムはカルシウム塩に変化し、透明になり、もはや反射しなくなった。金属カルシウムフィルムが完全に崩壊した時間を特定するために、ボタンデバイス中のカルシウムフィルムをプロプライエタリ(proprietary)反射率装置によって連続モニターした。水分は暴露されたシーラント層を通してしか封入されたデバイスに透過できないので、Ca−ボタンの寿命を用いて防湿性能を評価できる。
【0031】
封止Ca−ボタンデバイスは、65℃/80%RH(相対湿度)に調節した環境中においた。最初は、金属カルシウムフィルムは金属様フィルムである。シールの端部を介して透過した水分に暴露されると、金属様フィルムはカルシウム塩に変化し、透明になった。かくして、金属様フィルムの面積は、経時で小さくなった。ボタンデバイス中のカルシウムフィルムの面積は、定期的にモニターし、測定して、金属カルシウムフィルムの面積が元の面積の70%に到達する時間を特定して、これをCa−ボタンデバイス寿命として定義する。水分は暴露したシーラント層を介して封入デバイス内に透過することができるので、Ca−ボタンの寿命を使用して、防湿性能を評価することができる。
【0032】
実施例のシーラント/接着剤組成物は、FlackTek Speedmixer(商標)中で組成物の成分を混合することによって、Ca−ボタン試験を使用する透湿性試験用に製造し、脱気してからCa−ボタンデバイスに適用した。この組成物をN充填グローブボックス中でCa−ボタンデバイスに適用して、Ca−ボタン及び乾燥剤により水分を吸収しないようにした。
【0033】
実施例:配合物は上記のように製造して、放射線−硬化性ゴムレジンを配合した。表1に示されているように、配合物1(a)は、Kennedyのグループで開発された方法(T.P.Liao及びJ.P.Kennedy,Polymer Bulletin,Vol.6、135−141(1981))により製造したポリイソブチレンジアクリレート樹脂(Mn=5300,70重量部)、ジアクリレート樹脂(Sartomer SR833S,30重量部)及びラジカル光開始剤(Irgacure 651,0.3重量部)を含んでいた。透湿性は、50℃/100%RHでMocon Permeatran 3/33により測定して、4.5g・ミル/100平方インチ・日である。配合物1(b)は、液体ゴムレジン、殆どアクリル側鎖添加をもつスチレン−ブタジエン−スチレンコポリマーを含んでいた。配合物1(b)の透過率は18g・ミル/100平方インチ・日である。表1に示されているように、配合物1(a)は、配合物1(b)よりもCa−ボタン寿命が優れていたが、これはポリイソブチレンジアクリレート樹脂を含む樹脂の優れた樹脂防湿性能によってデバイス寿命が改善されたことを意味している。
【0034】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、周辺を封止したカルシウムボタンデバイスである。
【図2】図2は、ラミネート接着剤を使用するカルシウムボタンデバイスである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)シロキサン官能基を含まない放射線−硬化性バリヤゴムレジン;
(b)放射線−硬化性レジン希釈剤;
(c)一種以上の光開始剤と、場合により一種以上の光増感剤とを含む光開始系
を含む、放射線−硬化性接着剤/シーラント組成物。
【請求項2】
前記放射線−硬化性バリヤゴムレジンが、オレフィン−末端ポリイソブチレン、ポリイソブチレンアクリレート、ポリイソブチレンエポキシ、ポリイソブチレンビニルエーテル、ブチルゴム及びブチルゴム誘導体である、請求項1に記載の放射線−硬化性接着剤/シーラント。
【請求項3】
前記放射線−硬化性バリヤゴムレジンが、グリシジルエポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ;オキセタン;アクリレート、メタクリレート、イタコネート;マレイミド;ビニル、プロペニル、クロチル、アリル及びプロパルギルエーテル及びそれらの基のチオ−エーテル;マレエート、フマレート及びシンナメートエステル;スチレン;アクリルアミド及びメタクリルアミド;カルコン;チオール;アリル、アルケニル及びシクロアルケニル基からなる群から選択される反応性官能基を含む、請求項1に記載の放射線−硬化性接着剤/シーラント。
【請求項4】
前記放射線−硬化性希釈剤が、グリシジルエポキシ、脂肪族エポキシ、脂環式エポキシ;オキセタン;アクリレート、メタクリレート、イタコネート;マレイミド;ビニル、プロペニル、クロチル、アリル及びプロパルギルエーテル及びそれらの基のチオ−エーテル;マレエート、フマレート、及びシンナメートエステル;スチレン;アクリルアミド及びメタクリルアミド;カルコン;チオール;アリル、アルケニル及びシクロアルケニル基からなる群から選択される反応性官能基を含む、請求項1に記載の放射線−硬化性接着剤/シーラント。
【請求項5】
基板上に配置され、且つ蓋で封入された電子または光電子デバイスであって、前記蓋及び基板は、前記基板と蓋との間の全域に配置されたシーラント/接着剤と共に接着され、前記シーラント/接着剤は、請求項1に記載の組成物を含む、前記電子または光電子デバイス。
【請求項6】
前記デバイスがOLEDデバイスである、請求項5に記載の電子または光電子デバイス。
【請求項7】
前記デバイスが電気泳動デバイスである、請求項5に記載の電子または光電子デバイス。
【請求項8】
基板上に配置され、且つ蓋で封入された電子または光電子デバイスであって、前記蓋及び基板は、前記基板と蓋との周辺に沿って配置されたシーラント/接着剤と共に接着され、前記シーラント/接着剤は、請求項1に記載の組成物を含む、前記電子または光電子デバイス。
【請求項9】
前記デバイスがOLEDデバイスである、請求項8に記載の電子または光電子デバイス。
【請求項10】
前記デバイスが電気泳動デバイスである、請求項8に記載の電子または光電子デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2009−531516(P2009−531516A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502736(P2009−502736)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/011442
【国際公開番号】WO2007/111607
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(590000824)ナショナル スターチ アンド ケミカル インベストメント ホールディング コーポレイション (112)
【Fターム(参考)】