放射線ガイドを有するガスセンサ
光吸収ガスセンサは放射線源、検出器および放射線ガイドを含む。放射線源と検出器は近接して熱的に連通する。放射線ガイドは矩形断面を有し、矩形断面の大きい寸法に平行な軸の周囲の第1の向きに、次に第2の逆向きに、そして再び第1の向きに湾曲する。放射線ガイドが矩形断面を持たず矩形断面の大きい寸法に平行な軸の周囲においてだけ湾曲する場合に発生するであろう放射線の減衰無しに、放射線の比較的長い経路を小型装置内に設ける。基準測定は、半透明の測定放射線源の背後に基準放射線源を搭載しそして放射線を基準放射線源から測定放射線源まで送ることにより得られる。基準放射線源からの放射線は測定基準線源の周囲に送られてもよい。測定信号と基準信号は、第1の動作モードではフォトダイオードにより検出される放射線を生成するために発光ダイオードを使用することにより、第2の動作モードでは得られた放射線を発光ダイオードを使用して検出する一方で異なる発光スペクトルを有する放射線を生成するためにフォトダイオードを駆動することにより、得られる。光吸収ガスセンサは、2つ以上のL字形放射線ガイド部分を当接して放射線ガイドを形成することにより製造されてもよい。放射線ガイドは光吸収ガスセンサの放射線源により発射される放射線を反射するように動作可能な内面を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、これに限定されないが赤外線吸収ガスセンサを含む光吸収ガスセンサの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスセンサは通常、ガス状態の検体を測定する工業用途と民生用途で採用される。多くのガスセンサは放射線により照射されたときのターゲット検体の吸収特性に依存し、放射線源と、放射線源により発射される放射線を検出することができる検出器と、ターゲットガス検体を収容するチャンバと、を含む。チャンバ内の検体ガスは特定の波長または波長帯域の放射線を吸収し、検出器により検出される放射線の減衰がチャンバ内のターゲット検体の濃度の指標を与える。チャンバ内にガスを積極的に輸送するセンサは知られているが、ターゲット検体は通常はチャンバ内に拡散する。いくつかの光吸収ガスセンサでは、放射線源は広い波長帯域において放射線を発射し、波長選択フィルタが検出器に設けられる。この場合のガスセンサは非分散型センサ(non−dispersive sensor)と呼ばれる。他の光吸収ガスセンサでは、放射線源は定義された波長または波長帯域の放射線を発射するか、あるいは特定の波長帯域を選択するフィルタを含む。
【0003】
高感度を実現するために、放射線は、検体が放射線のかなりの部分を吸収し放射線がセンサ内においていかなる他の工程によっても吸収されないように、放射線源から検出器までの検体を通るできるだけ長い平均経路長を有することが望ましい。例えば、放射線源と検出器との間の経路が線形でない場合、放射線は検出器へ送られるように反射されなければならない。しかしながら反射面は吸収および/または散乱により光損失を生じ、この光損失は通常は低コストセンサにおいて著しくなる。したがって経路長を増加するために反射の回数を増加することと過剰反射による発射放射線の過度減衰を回避することとのバランスを取らなければならない。
【0004】
しかしながら多くの実際の用途では、ガスセンサは小さいかあるいは標準化寸法に準拠することが望ましく、通常は短い経路長とそれに応じた低感度をもたらす。したがって本発明の1つの目的は、小型かつ費用効率が高い製造に好適である一方で高感度を有するガスセンサを提供することである。
【0005】
放射線源と検出器との間に延在し矩形または他の断面を有する直線状中空管放射線ガイド(straight hollow tubular radiation guide)を有するガスセンサを設けることが知られている。このタイプの放射線ガイドは、放射線が放射線ガイドに入射する方位に依存してある範囲の経路長により放射線を誘導する。放射線ガイドの壁に対し高い入射角で放射線ガイドに入射する放射線は何度も反射するので、放射線ガイドの軸に近い方位で直線矩形放射線ガイドに入射する放射線より大きく減衰される。
【0006】
線形放射線ガイドについては、断面の大きさを増加させると反射の回数したがって吸収損が減少するが集光効率が悪くなることが知られている。より良好な配置は、例えば複合放物状集光器(CPC:compound parabolic collector)として成形された導波管の先端と末端を有することである。このことによる効果は、放射線が導波管に沿って進むにつれて放射線場を変形することである。放射線場は、放射線源においては大きな角拡散と比較的小さな空間拡散を有し、途中では小さな角拡散だが大きな空間拡散を有し、検出器においては再び大きな角拡散だが小さな空間拡散を有する。正しく選択されると、この配置は多重反射による吸収を著しく低減することができる。
【0007】
放射線ガイド内に曲線部を取り込むと、曲線部を欠く放射線ガイドより所与の体積において放射線のより長い経路の設置を容易にすることができる。しかしながら、放射線ガイドが湾曲する場所では、ガイドの湾曲壁に当たる放射線は、空間拡散の低下が無くしたがって多重反射における吸収による損失の増加の無いより大きな角拡散を生じる。特に、放射線が湾曲壁上に当たる場所では、湾曲壁に入射する平行放射線は反射後は平行にならないので分散される。一部放射線は、壁が平面である場合より大きな入射角で湾曲壁に入射することになる。したがって放射線ガイドが湾曲する場所では、一部放射線は対向壁に向けて比較的大きな角度で反射する経路中に反射され、湾曲放射線ガイドに入射する放射線のうちのかなりの部分が何度も反射されるので強く吸収されるという効果がある。
【0008】
さらに、検出器において湾曲放射線ガイドと集光器を含むいくつかの実施形態では、コリメータは角拡散の増加のために放射線を検出器上に送ることができない。したがって検出器に入射する放射線の強度は低減され、それに応じてガスセンサの感度が低減される。
【0009】
本発明のいくつかの態様は、放射線源からガス試料を通して検出器に放射線をより良好に送る改善された湾曲放射線ガイドを有する光吸収ガスセンサを提供することを目的とする。
【0010】
吸収ガスセンサの分野において発生する別の問題は、動作中、放射線源(しばしば赤外線発光体である)と検出器とが温度に敏感であるということである。放射線源の発光スペクトルは温度に応じて変化することがあり、検出器の感度もまた温度に応じて変化することがある。室温により影響を与えられるだけでなく、放射線源は特に、使用時に発熱する。出力される放射線が大量でありかつパルス的であれば、温度は劇的に変動し得る。小さな減衰を測定する場合、放射線源と検出器のいずれかまたは両方の温度変動による小さな測定誤差が、測定ガス濃度の大きな誤差を生じる可能性がある。
【0011】
国際公開第2007/091043号パンフレット(Gas Sensing Solutions Limited)は、赤外線発光ダイオード(放射線源として機能する)とフォトダイオード(検出器として機能する)とが互いに隣接しかつ互いに熱的に連通するように配置されたセンサを開示している。放射線源と検出器とを互いに隣接しかつ熱伝達するように配置することにより、放射線源と検出器はほぼ同じ温度のままとなり温度変動の補正手順を簡単にする。したがって本発明のいくつかの実施形態は、放射線源と検出器が互いに隣接した状態と熱伝達状態のいずれかまたは両方でなければばらないという制約下で高感度を有する小型ガスセンサを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
光吸収ガスセンサは通常、より正確な測定を可能にするために測定信号に加えて基準信号を供給するメカニズムを含む。非分散型光吸収センサにおいて基準信号を得る1つのメカニズムは、様々な量で存在すると予想されるいかなるガスによっても吸収されない波長で光を測定するために異なるフィルタを有する第2の検知器を設けることである。しかしながら、これはガスセンサの複雑性としたがってそのコストを増大させる。別々の測定放射線源と基準放射線源を設けることが知られているが、通常はこれらの放射線源と検出器との間に様々な経路が存在することになるか、あるいは基準放射線源の存在は、第2の放射線源が存在しないケースより低い割合の発射放射線を検出器に送る光学的配置を必要とすることになる。したがって本発明のいくつかの態様は、光吸収ガスセンサにおいて基準信号を得るための改善されたまたは代替の別のメカニズムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によると、放射線源と、放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、放射線源と検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、放射線ガイドはほぼ矩形断面を有する曲線部を含み、放射線ガイドの曲線部は矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲する、ガスセンサが提供される。
【0014】
ほぼ矩形な断面はほぼ正方形の断面(例えば、正方形断面)であってもよいが、矩形断面は大きい寸法と小さい寸法を有するほぼ長方形の断面(例えば長方形の断面)であることが好ましい。
【0015】
曲線部はほぼ矩形な断面を有し、矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲するので、放射線の角拡散は増加され、一部放射線は何度も反射される経路内に反射される(これにより、入射放射線を著しく吸収する放射線ガイド内で大きく減衰される)。但し、この効果は1つの面においてだけ生じることになる。その周囲で放射線ガイドが湾曲する軸に垂直な壁で反射する放射線はこのようにして分散されない。したがって検出器に到達する放射線の量は、放射線ガイドが矩形断面を有しなくかつ矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲する場合より大きい。
【0016】
放射線ガイドは放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にするように動作可能なコリメータを含むことが好ましい。通常、コリメータは、放射線ガイドの小さい寸法に平行な軸より大きい寸法に平行な軸において放射線の角拡散をより低減する。
【0017】
放射線ガイドは検出器上に放射線を集光するように動作可能な集光装置を含むことが好ましい。
【0018】
放射線ガイドの曲線部は湾曲面内の放射線の角拡散だけを増加させる。したがって、集光装置に入射する、矩形断面の小さい寸法に平行な壁により主に反射される放射線と、矩形断面の大きい寸法に平行な壁により主に反射される放射線とには角拡散の不均衡がある。集光装置に入射する放射線が集光される方向はその放射線の角拡散により決定される。通常、集光装置は、より低い角拡散を有する放射線を検出器上に送るように最適化される。したがって矩形断面の大きい寸法に平行な壁により主に反射される高角拡散を有する放射線は検出器に到達しないことがある。
【0019】
湾曲放射線ガイド内で反射される前に高角拡散を有する放射線は、低角拡散を有する平行放射線より、集光装置によりより効率的に収集されることができる。
【0020】
したがって本発明の本態様では、コリメータは通常、放射線源により発射される放射線を矩形断面の大きい寸法に平行な軸に高程度に平行にし、この軸に垂直な壁からの反射は概して角拡散を生じないようにし、および、放射線源により発射される放射線を矩形断面の小さい寸法に平行な軸に低程度に平行にし、この軸に垂直な壁からの反射は概して角拡散を生じるようにする。
【0021】
したがって本発明のこの態様は、放射線ガイドの曲線部により設けられる長い経路長と、検出器に到達する放射線源により発射される放射線のうちの高割合の放射線と、を組み合わせて高感度にする。
【0022】
放射線ガイドの曲線部はほぼ矩形な断面の小さい寸法に平行な軸の周囲で湾曲してもよいが、放射線ガイドの曲線部はほぼ矩形な断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で湾曲することが好ましい。したがって所与の断面積(したがって放射線が通過するガスの体積)に対し、分散と減衰は、湾曲が小さい寸法に平行な軸の周囲に存在する場合または放射線ガイドがほぼ正方形の断面を有する場合より少なくなる。
【0023】
放射線ガイドと放射線ガイドの曲線部とは中空管を含むことが好ましい。放射線ガイドの内部はガスセンサ近傍の空気とガスで連通している。検体ガスは、放射線ガイドの1つまたは複数の開口またはガス透過性領域を介し、使用時は中空管内に受け入れられる。放射線ガイドは、放射線源により発射される放射線を反射するように動作可能な材料で形成された内面を有してもよい。材料は金またはアルミニウム等の金属被膜であってよい。材料は誘電体被覆であってもよい。一部入射放射線を吸収する材料の使用を可能にすることにより、本発明は費用効率が高いセンサを提供できるようにする。通常、材料の反射率は少なくとも0.99または一般的には少なくとも0.97である。
【0024】
放射線源と検出器は互いに隣接してもよい。放射線源と検出器との間の間隔は、放射線源と検出器を貫通する面(放射線ガイドの対称面であってもよい)内の放射線ガイドの平均幅の3倍未満、好ましくは2倍未満であってよい。放射線ガイドに沿った放射線源と検出器との間の放射線の最短経路長は、放射線源と検出器との間の間隔の好ましくは10倍(例示的な実施形態では18倍)である。したがって放射線源と検出器が近接した状態でかなりの経路長が得られる。
【0025】
放射線源と検出器は、例えば直接にまたは熱転写手段を介し、互いに熱的に連通してよい。放射線源と検出器は、使用時に放射線源と検出器がほぼ熱平衡状態のままであるように熱的に連通してよい。
【0026】
ガスセンサは、平面支持体であってよい支持要素を含んでもよく、放射線源と検出器は支持要素上に搭載される。支持要素は、電子回路を含んでよく、通常はプリント回路板(PCB)である。支持要素はさらに、放射線源と検出器との間で熱を伝導するように動作可能な熱伝達手段を含んでもよい。熱伝達手段は電気回路であってよい。
【0027】
放射線ガイドは複数の前記曲線部を含んでもよい。放射線ガイドは、互いに逆向きに湾曲する第1と第2の曲線部を含んでもよい。放射線ガイドは、第1の向きに湾曲する第1の曲線部と、第1の曲線部よりさらに放射線ガイドに沿って(放射線源から検出器まで測定された)第2の逆向きに湾曲する第2の曲線部と、を含むことが好ましい。放射線ガイドはさらに、第2の曲線部よりさらに放射線ガイドに沿って(放射線源から検出器まで測定された)第1の向きに湾曲された第3の曲線部を含んでもよい。これにより、放射線源から放射線ガイドに入射する方向とほぼ反対方向に光が検出器に入射する特にいくつかの実施形態では、所与の体積内により長い放射経路を設けることができるようになる。
【0028】
放射線ガイドは、第1の向きに少なくとも10°通常は少なくとも25°だけ湾曲する第1の曲線部と、第1の曲線部よりさらに放射線ガイドに沿って(放射線源から検出器までの測定された)反対の向きに少なくとも180°の間ほぼ一定のカーブで湾曲する第2の曲線部と、を含んでもよい。第1と第2の曲線部は互いに直接接触してもよい。
【0029】
放射線ガイドは実質的に面内で延在してもよい。放射線ガイドは対称面を有してもよい。放射線ガイドの曲線部は面内で湾曲してもよい。
【0030】
放射線ガイドは、放射線源と検出器との間で少なくとも90°だけ平均照射方向を変えてもよい。放射線ガイドは、放射線源と検出器との間で少なくとも135°だけ平均照射方向を変えてもよい。放射線源からの放射線が放射線ガイドに入射する平均方向のほぼ反対の平均方向の放射線を検出器が受けるいくつかの実施形態では、放射線ガイドは、放射線源と検出器との平均照射方向を、160〜200°、好ましくは170〜190°、より好適には175〜185°だけ変えてもよい。
【0031】
放射線ガイドの湾曲全体の大きさは、少なくとも90°、好ましくは少なくとも180°、より好適には少なくとも260°であってよい。放射線ガイドの湾曲全体の大きさは、放射線源と検出器との間の放射線ガイドの正味湾曲より少なくとも90°だけ大きいことが好ましい。したがって放射線ガイドが放射線源と検出器との間で単純に連続的に湾曲した場合より大きな平均経路長を設けることが可能であろう。それにもかかわらず、放射線ガイドの湾曲全体の大きさは放射線の過度減衰を回避するために720°未満、より好適には540°未満であってよい。
【0032】
放射線ガイドは放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にするように動作可能なコリメータを含んでもよい。放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にすることにより、放射線ガイドの曲線部における多重反射による減衰により失われる光量が低減される。コリメータは放射線の角拡散を部分的に低減する部分的コリメータであることが好ましい。放射線は、検体ガスによる吸収を最大限にするために放射線ガイドのできるだけ大きな体積を通って送られることが好ましい。さらに、曲線部の平面壁に対し大きな角度で入射する放射線はかなりの回数反射されるが曲線部の平面壁に対し平行な放射線より長い経路長を有することになる。したがってコリメータは放射線を部分的に平行にすることが好ましい。
【0033】
コリメータは反射器例えば放物面反射器であってよく、通常は放射線ガイドの反射内面の一部である。放射線ガイドの曲線部の少なくとも一部はコリメータの少なくとも一部であってよい。コリメータはレンズまたはレンズアレイであってよい。通常、コリメータは小さい寸法と大きい寸法を有するほぼ長方形の断面を有し、コリメータは、小さい寸法に平行な軸より大きい寸法に平行な軸上で放射線の角拡散をより低減する。コリメータの大きい寸法と放射線ガイドの曲線部または各曲線部の大きい寸法は平行である。
【0034】
コリメータは放射線ガイドの長さの5%を越えてまたは好ましくは10%を越えて延在してもよい。この長さのコリメータが本発明の本態様に対し適度なコリメーションを与えることが発見された。
【0035】
放射線ガイドは検出器上に放射線を集光するように動作可能な集光装置を含んでもよい。集光装置は反射器例えば放物面反射器または楕円反射器であってよい。しかし、集光装置はレンズまたはレンズアレイを含んでもよい。
【0036】
集光装置は放射線ガイドの長さの5%を越えてまたは好ましくは10%を越えて延在してもよい。
【0037】
放射線ガイドの曲線部または各曲線部は通常、内壁が曲線部の内側の弧線を描き対向外壁が曲線部の外側の弧線を描くように、内壁と対向外壁とを含む。1つまたは複数の前記曲線部の内壁は、放射線ガイド内にガス試料を入れるための吸気口を含んでもよい。通常、より少ない放射線が放射線ガイドの曲線部の内壁に当たり、したがって放射線ガイドの曲線部の内壁にガス試料の吸気口を設けることにより、ガス試料の吸気口による放射線ガイド内の放射線の減衰は吸気口が外壁に設けられる場合より少なくなるだろう。これは、曲線部が90°を越えてまたは好ましくは180°を越えて湾曲する場合に特に有利である。
【0038】
放射線ガイドの曲線部または各曲線部は内側領域と外側領域を含んでもよい。放射線ガイドの内側領域は内壁に最も近い放射線ガイドの半分に対応してもよい。放射線ガイドの外側半分は外壁に最も近い放射線ガイドの半分に対応してもよい。放射線源から放射線ガイドを通って検出器まで進む放射線は、放射線ガイドと放射線源と検出器の構成の結果として、主として放射線ガイドの外側領域内の放射線ガイドの曲線部の周囲を進んでよい。これにより、放射線源と検出器との間の放射線の平均反射回数が低減する。
【0039】
放射線ガイドの幅は、(放射線ガイドの中心に沿って測定された)放射線ガイドの長さの10分の1未満であってもよいが、好ましくは放射線ガイドの長さの20分の1未満である。
【0040】
ガスセンサは、定義された波長帯域内の放射線を検出器内に選択的に入れる放射フィルタを含んでもよい。波長帯域はターゲット検体に依存して選択される。通常、ターゲット検体はCO2、CO、NO、CH4またはNO2等のガス種である。
【0041】
ガスセンサは、放射線源において、定義された波長帯域内の放射線を選択的に入れる放射フィルタを含んでもよい。
【0042】
放射線源および/または検出器は、それぞれ発射または検出された放射線が検出対象のターゲット検体の波長吸収ピークと一致するように選択されてもよい。
【0043】
ガスセンサは非分散型赤外線センサであってよい。通常、放射線源により発射される放射線の大部分は近赤外線である。
【0044】
放射線源は、発光ダイオード(LED)、有機LED、レーザーダイオード、あるいは電流を放射線に変換するように動作可能な別の電気部品であってよい。放射線源は広いスペクトルの波長で放射線を発射してもよい。放射線源は狭いスペクトルの波長で放射線を発射してもよい。通常、放射線源は、放射線源により発射される放射線をターゲット検体が強く吸収するようにターゲット検体の吸収スペクトルと重なるピーク放射波長を有する。
【0045】
検出器はフォトダイオードであってよい。あるいは、検出器は、入射放射線を熱エネルギーに変換しその後熱エネルギーを電流に変換するように動作可能な装置であってよい。例えば上記装置は熱電対列または焦電検出器であってよい。
【0046】
ガスセンサは放射線ガイド要素(前記放射線ガイドを含むまたはそれからなる)と上記支持要素とを含んでもよい。放射線ガイド要素または支持要素は、放射線ガイド要素に対し支持要素を位置決めする(そして検出器と放射線源を放射線ガイドに整列させる)ように構成された複数の位置決め要素を含んでもよい。位置決め要素のいくつかまたはすべては放射線ガイド要素上に突起または溝を含んでもよい。少なくともいくつかケースでは、支持要素は共働溝または突起をそれぞれ含んでもよい。3つの位置決め要素(放射線ガイド要素または支持要素内に形成された)が存在することが好ましい。通常、3つの位置決め要素(支持要素または放射線ガイド要素内にそれぞれ形成された)のうち2つのための共働溝または突起が存在する。これにより、放射線ガイド要素と支持要素の相対的移動を過度に制約することなく十分に制約できるようにする。
【0047】
複数の位置決め要素は、放射線ガイド要素(または支持要素)内に、支持要素に対し放射線ガイド要素を位置決めする工程中に支持要素に対して放射線ガイド要素を回転することができるピボット(例えば、補完的凹部により受け入れられる隆起)を含んでもよい。ピボットは半球または他の突起を含んでもよい。
【0048】
複数の位置決め要素は、放射線ガイド要素(または支持要素)内に、支持要素(または放射線ガイド要素それぞれ)内の補完的構造(例えば溝)により受け入れられ放射線ガイドに垂直な面内の放射線ガイド要素に対する支持要素の回転を防止するように構成された少なくとも1つの突起(ポスト等)を含んでもよい。支持要素内の補完的構造は細長くてもよい。細長い補完的構造は、支持要素と放射線ガイド要素との相対的回転無しに、放射線ガイド要素または支持要素に対し支持要素または放射線ガイド要素がそれぞれ膨張できる(例えば、温度の上昇により)ようにしてもよい。
【0049】
複数の位置決め要素は少なくとも1つのスペーサを含んでもよい。少なくとも1つのスペーサは、支持要素が放射線ガイド要素上に搭載される場合に検出器と放射線源との間に存在するように位置決めされてもよい。少なくとも1つのスペーサは、支持要素と放射線ガイド要素との間の規定間隔を維持するように構成されてもよい。少なくとも1つのスペーサは、検出器および放射線源と放射線ガイド要素の放射線ガイドとの間の規定間隔を維持するようにされてもよい。
【0050】
少なくとも1つのスペーサは共働溝により受け入れられないが対向面に当接することが好ましい。例えばスペーサが放射線ガイド要素上に配置されるいくつかの実施形態では、スペーサは支持要素に当接するが共働溝により受け入れられない。
【0051】
ガスセンサに対し支持要素を位置決めするように構成された複数の位置決め要素の設置は、放射線源が放射線ガイド内の開口に隣接され検出器が放射線ガイド内の開口に隣接されるようにあるいはそうでなければ放射線ガイドに対し放射線源と検出器を整列させるように、放射線源と検出器をガスセンサに正確に位置決めできるようにする。
【0052】
ガスセンサは3つの位置決め要素を含むことが好ましい。3つの位置決め要素はピボット、突起、スペーサを含むことが好ましい。3つの位置決め要素は三角形の角を形成するように配置されてもよい。すなわち、位置決め要素の1つが他の2つとずれて配置される。
【0053】
ガスセンサは、放射線ガイド要素に向けて支持要素を付勢する付勢手段(例えば付勢装置)を含むことが好ましい。付勢手段は、放射線ガイド要素に向けて支持要素に圧力を印加する剛性または可撓性要素(ばね等)であってよい。これにより位置決め要素は放射線ガイド要素と支持要素の相対位置および方位を制約することができる。
【0054】
付勢手段の設置は、複数の位置決め要素がそれぞれの共働溝および表面と係合されたままであることを保証し、これにより支持要素が放射線ガイド要素に対して安定に制約されることを保証し、放射線ガイドと検出器の放射線ガイドとの整列を維持する。
【0055】
放射線ガイドは支持要素対向面を含んでもよい。放射線源に隣接する支持要素対向面内に凹部が形成されてもよい。検出器に隣接する支持要素対向面内に凹部が形成されてもよい。放射線源および/または検出器に隣接する支持要素対向面内に形成される凹部は、放射線源および/または検出器と放射線ガイドの支持要素対向面との間に一定の間隔が存在するように配置されてもよい。
【0056】
放射線ガイドが導電面(通常は例えば金などの金属被覆)を含む本発明のいくつかの実施形態では、放射線源および/または検出器に隣接する支持要素対向面内に形成される凹部の設置は、放射線ガイドと放射線源または検出器とが電気的に短絡されるのを防止する。これは、支持要素対向面が放射線ガイドの導電面の少なくとも一部を形成する場合に適用可能である。これは、検出器および/または放射線ガイド要素がそれぞれの放射線ガイド対向面上に放射線ガイド対向面と電気的接続(例えば、回路板まで延在するワイヤへの接続)を有する場合に特に有利である。
【0057】
本発明の第2の態様によると、放射線源と、放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、放射線源と検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサが提供され、検出器は、放射線源により発射されるものと異なる波長スペクトルを有する放射線を発射するように動作可能であり、放射線源は検出器により発射される放射線を検出するように動作可能である。
【0058】
好ましくは、ガスセンサはさらに放射線源と検出器を2つのモードで動作させるように動作可能な電子回路を含んでもよく、第1のモードでは、放射線源は放射線を発射し、前記放射線は測定信号を供給するために検出器により検出され、第2のモードでは、検出器は放射線を発射し、前記放射線は基準信号を供給するために放射線源により検出される。
【0059】
したがって本発明の本態様は、別の放射線源と別の検出器を設ける必要無しに基準信号と測定信号が同じ放射経路に沿って得られるようにする。第1および第2の放射線源と第1および第2の検出器とを含むガスセンサは、単一の放射線源と単一の検出器を含むガスセンサより大きくなる。したがって、それぞれが放射線を発射しかつ他の放射線源により発射される放射線に敏感であるように動作可能な放射線源と検出器を設けることにより、本発明の本態様のガスセンサは追加の放射線源と検出器を必要とするガスセンサより小さくなることができる。
【0060】
好ましくは、検出器により発射され放射線源により検出される放射線は基準信号を供給し、放射線源により発射され検出器により検出される放射線は測定信号を供給する。通常、検出器と放射線源は様々なピーク波長を有する放射線を発射する。通常、放射線源は、ターゲット検体ガスが放射線を吸収する波長にほぼ対応する波長においてピーク強度を有する放射線を発射する。通常、検出器は、主として、放射線源により発射される放射線のピーク強度の前記波長よりターゲット検体により実質的により吸収されない波長において放射線を発射する。
【0061】
本発明の第1または第2の態様に関連して説明した場合により備えられる機能は本発明の第2の態様の場合により備えられる機能であり、本発明の第1の態様のガスセンサはまた本発明の第2の態様によるとガスセンサであってよい。
【0062】
本発明の第3の態様によると、第1の放射線源と、第2の放射線源と、第1の放射線源と第2の放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、第1の放射線源と第2の放射線源からの放射線を検出器に誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサが提供され、第2の放射線源から発射される放射線は、第1の放射線源の周囲にまたはそれを貫通してのいずれかまたは両方で延在する経路に沿って誘導される。
【0063】
第1の放射線源から検出される放射線は、使用時に測定または基準信号を計算するために使用されてもよい。第2の放射線源から検出された放射線は基準または測定信号をそれぞれ計算するために使用されてもよい。したがって第2の放射線源は通常、第1の放射線源とは異なる波長スペクトルを有する放射線を発射する。
【0064】
第2の放射線源から発射される放射線は、第1の放射線源を貫通する経路に沿って誘導されてもよい。検出器に到達する第2の放射線源からの放射線のほぼ大部分またはすべては第1の放射線源を貫通してもよい。前記放射線の一部またはすべては通常、放射線が第1の放射線源を通り抜けた後だけ放射線ガイドで反射される。第1の放射線源は、第2の放射線源から放射線ガイド沿って検出器まで延在する経路内に配置されてもよい。第1の放射線源は第2の放射線源により発射されるピーク波長において半透明であってよい。第2の放射線源により発射される放射線の少なくとも1%、好ましくは少なくとも3%そしてより好適には少なくとも10%は第1の放射線源を透過してもよい。
【0065】
第2の放射線源から発射される放射線は第1の放射線源の周囲に送られてもよい。第2の放射線源は第1の放射線源の周囲に延在してもよい。例えば、第2の放射線源は環状であってよい。
【0066】
第1と第2の放射線源はプリント回路板の両側に搭載されてもよい。プリント回路板は貫通穴を含んでもよく、第1と第2の放射線源は穴の両端に配置される。第1の放射線源は穴を塞いでもよい。第2の放射線源は、第1の放射線源を少なくとも部分的に通り抜け、穴を通って光を送るように配向されてもよい。第2の放射線源は、穴を通ってそして第1の放射線源の周囲に光を送るように配向されてもよい。
【0067】
ガスセンサは、第1と第2の放射線源をパルスで送るように動作可能な電子回路を含んでもよい。第1と第2の放射線源は、第1の放射線源または第2の放射線源のいずれかからの放射線が検出器により検出されるように交互にパルスで送られてもよい。
【0068】
したがって検出器からの出力信号は、第1の放射線源が発射されているときに測定信号を判断し、第2の放射線源が発射されているときには検出器からの基準信号を判断するために解析されてもよい。したがって測定信号と基準信号の両方は単一の検出器から得られ、そして検体ガスの測定濃度を判断するために処理されてもよい。
【0069】
ガスセンサはさらに、第2の放射線源からの放射線を検出するように動作可能な基準検出器を含んでもよく、放射線ガイドはさらに、第2の放射線源からの放射線を基準検出器に送るように、そして第2の放射線源からの放射線が検出器により吸収されるのを防ぐように動作可能な送り手段を含む。
【0070】
送り手段は第2の放射線源により発射される放射線を反射し,かつ第1の放射線源により発射される放射線を透過するように動作可能なダイクロニック反射器を含んでもよい。
【0071】
本発明の第1または第2の態様に関連して説明した場合により備えられる機能は、本発明の第3の態様の場合により備えられる機能であり、本発明の第1の態様のガスセンサもまた本発明の第3の態様によるガスセンサであってよい。
【0072】
本発明の第4の態様によると、放射線源と、放射線源から発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、複数の反射壁を有する放射線ガイドと、を含む光吸収ガスセンサが提供され、放射線ガイドは、ほぼL字形の反射面を有する2つの当接する放射線ガイド部分により形成される。
【0073】
ほぼL字形の反射面により、我々は各受面の接触線に垂直な面内の放射線ガイド部分の反射壁の形状を指す。通常、ほぼL字形の反射面のそれぞれは、80〜100度、一般的には90度で交わる2つの平面の反射壁により画定される。
【0074】
通常、放射線ガイド部分の反射壁は基板上に反射被覆を含む。被膜は金またはアルミニウム等の金属を含んでもよいが、MgF2、ZnS等の2つ以上の誘電体材料を含んでもよい。
【0075】
本発明のすべての上述の態様に関連して説明した場合により備えられる機能は本発明の第4の態様の場合により備えられる機能であり、本発明の第1の態様のガスセンサもまた本発明の第4の態様によるガスセンサであってよい。
【0076】
本発明の第5の態様によると、本発明の第4の態様の2つの放射線ガイド部分を設ける工程と、放射線ガイドの内面を形成する2つの放射線ガイド部分の反射面により放射線ガイドを形成するために2つの放射線ガイド部分が互いに当接するように2つの放射線ガイド部分を結合する工程と、を含む光吸収ガスセンサ製造方法が提供される。
【0077】
放射線ガイド部分はL字形反射面を含む単一の連続的に細長い部材を含んでもよい。あるいは、放射線ガイド部分はL字形反射面を形成するために縁に沿って接着される2つの細長い部材を含んでもよい。
【0078】
好ましくは、材料は金またはアルミニウム等の金属であるが、MgF2、ZnS等の2つ以上の誘電体材料を含んでもよい。
【0079】
通常、ガスセンサの放射線ガイドは、中空体を形成するための溝を含む第2の部材上に第1の平面部材を結合することにより製造される。平面を材料で被覆することは単純明快であり、一様な被覆は容易に作製されることができる。しかしながら、小さな長さスケールでは、溝を含む部材内に一様な膜を作製することは技術的に難しいことである。
【0080】
L字形表面の内面上に一様な膜を作製することは、溝を含む部材の場合よりも技術的に難しくない。したがってより高品質の膜がL字形表面上に、そして溝内に一様な膜を作製するより低費用で作製され得る。
【0081】
したがって本発明の本態様の製造方法は、放射線ガイドと試料チェンバ等の空洞を含む中空体を、一様な反射膜により、以前の方法より高水準でかつ少ない費用で製造できるようにする。
【0082】
本発明は第6の態様では、放射線源と放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、放射線源と検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサに拡張される。支持要素または放射線ガイド要素は、放射線ガイド要素に対して支持要素を位置決めし、これにより放射線源と検出器を放射線ガイドに整列させるように構成された複数の位置決め要素を含む。
【0083】
通常、ガスセンサは3つの位置決め要素を含む。ガスセンサはさらに、放射線ガイド要素に向けて支持要素を付勢する付勢手段を含んでもよい。本発明の第6の態様によるガスセンサの別の場合により備えられる機能は、本発明の第1〜第5の態様に関連して上に検討したものに対応する。
【0084】
本発明は第7の態様では、放射線源と放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、導電面を有する放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサに拡張される。放射線源および/または検出器はその面上に電気的接続を有する放射線ガイド対向面を有し、放射線ガイドは、導電面の少なくとも一部を形成する支持要素対向面と、放射線源に隣接する支持要素対向面内の凹部および/または検出器に隣接する支持要素対向面内の凹部と、を含む。本発明の第6の態様によるガスセンサの別の場合により備えられる機能は本発明の第1〜第5の態様に関連して上に検討したものに対応する。
【0085】
次に本発明の例示的な実施形態について以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】例示的光線の経路を図示するガスセンサの平面図である。
【図2】ガスセンサの放射線源と検出器の取り付け法を図示する。
【図3】いくつかの例示的光線のトレースを含む図1のガスセンサの放射線ガイドの平面図である。
【図4】光線トレースを含む図1のガスセンサの放射線ガイドの斜視図である。
【図5】光線トレースを含む図1のガスセンサの放射線ガイドの斜視図である。
【図6】ガスセンサ内の基準信号と測定信号の両方を得るための第1の構成の部品の概略図である。
【図7】例示的発光ダイオードの放射線透過対波長のグラフである。
【図8】ガスセンサ内の基準信号と測定信号の両方を得るための第2の構成における、(図8A)発光ダイオードおよび(図8B)フォトダイオードにより発射される放射線のスペクトルを図示する。
【図9A】2つの「L字形」物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9A)と、平面物体と溝状物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9B)との比較を示す。
【図9B】2つの「L字形」物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9A)と、平面物体と溝状物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9B)との比較を示す。
【図10】ガスセンサの本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1〜図5を参照すると、光吸収ガスセンサ1は、互いに隣接して配置されプリント回路板8上に搭載された発光ダイオード4(放射線源として機能する)と中赤外線発光フォトダイオード6(検出器として機能する)とを含む支持体(支持要素として機能する)2を含む。プリント回路板上の電子回路10は、発光ダイオードとフォトダイオード間で熱を伝導しこれにより熱伝導手段として機能する。
【0088】
光吸収ガスセンサは、中空の管状放射線ガイド14を含む本体12(放射線ガイド要素として機能する)を含む。本体は支持体対向面16を含む。支持体対向面は、第1の基準点として機能するピボット18と、いくらかの熱膨脹差を許容する一方で本体と支持体の相対的回転を防ぐために放射状溝に嵌るポスト20と、スペーサ22(複数の位置決め要素として集合的に機能するピボット、ポスト、スペーサ)と、を含む。支持体は本体に搭載され、放射線ガイドが発光ダイオードからフォトダイオードまで延在して発光ダイオードとフォトダイオードが放射線ガイドに整列されるように、ピボット、ポストおよびスペーサにより位置決めされる。
【0089】
支持体はさらに、支持体の周囲の本体から延在し本体(ピボット、ポストおよびスペーサに対向する)に向けて支持体を引っ張る力を誘起しこれによりピボット、ポストおよびスペーサが支持体に十分に係合されることを保証し、発光ダイオードとフォトダイオードの、放射線ガイドとの整列を維持するようにする板23(付勢手段として機能する)を含む。板は跳ねることができるか、あるいは剛性であって単純に支持体に対し直接保持されることができる。板は例えば単純に、ピボットとポストを受け入れるための孔を含み、締りばめを使用して取り付けられてもよい。
【0090】
発光ダイオードとフォトダイオードはそれぞれ、プリント回路板の表面から各装置の表面まで延在する露出した金ワイヤ24により前面搭載される。支持体対向面はさらに2つの凹部26を含む。第1の凹部はフォトダイオードに隣接して配置され、第2の凹部は発光ダイオードに隣接して配置される。これらの凹部は、ワイヤと放射線ガイドの金反射面との電気的短絡の可能性を回避する。凹部はワイヤが存在する放射線ガイドの縁に沿ってだけ配置され、放射線ガイドは、露出したワイヤを有しない検出器とフォトダイオードの側面の周囲のプリント回路板に非常に近いかあるいはそれに接触することが好ましい。
【0091】
放射線ガイドは、入射する赤外線の2〜5%を吸収し残りを反射する金の反射被覆を有する。放射線ガイドは第1の曲線部28、第2の曲線部30、第3の曲線部32、発光ダイオードに向かって先細になるコリメータ34、検出器に向かって先細になる集光装置36を含む。これらは放射線ガイドの別々の領域として図示されるが、コリメータと集光装置は通常、第1と第3の曲線部内にそれぞれ融合することになる。
【0092】
放射線ガイドは、発光ダイオードとフォトダイオードの背後の放物面反射器40を除き、全体として矩形断面38を有する。矩形断面の小さい寸法は発光ダイオード、フォトダイオード、放射線ガイド(図1の断面と同じ面)を貫通する面内にあり、矩形断面の大きい寸法はこの面に垂直である。最大断面を有する場所の放射線ガイドのアスペクト比は通常4:1〜8:1である。
【0093】
放射線ガイドは通常、前記面内で湾曲する。第1の曲線部は外側に湾曲する。任意の点で、放射線ガイドは矩形断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で湾曲するが、放射線ガイドがその周囲で湾曲する軸の位置としたがって曲率半径とは第1の曲線部の長さに沿って変化してもよい。第2の曲線部は、再び矩形断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で反対の向きに湾曲する。第2の曲線部は、軸42の周囲で一定の曲率半径でもって部分円を描く。第3の曲線部は再び、第1の曲線部と同じ方向にそして第2の曲線部と反対の方向に、外側に湾曲する。放射線は反射により曲線部の周囲に誘導される。図4に例示的光線トレース44を示した。
【0094】
放射線ガイドは、内壁46と、センサの面に垂直な外壁48と、センサの面に平行な対向平面壁50と52と、を有する。ガス試料がガスセンサの直周辺から放射線ガイドの壁により画定される空洞56内に拡散できるようにするために、もう1つのガスアクセス点54が内壁内に設けられる。センサの本体は、ガスがガスセンサの周囲からガスアクセス点または各ガスアクセス点に拡散するように塵埃排除格子または繊維被覆チャネル(図示せず)を含んでもよい。
【0095】
発光ダイオードとフォトダイオードはそれぞれ、砒化ガリウム(GaAs)基板上に成長され、そのドーピングがガス状の二酸化炭素が強く吸収する波長に対応する狭い波長帯域の光を発光ダイオードに発射させるようにバンドギャップを調節するように選択される狭いバンドギャップのIII−V材料アンチモン化アルミニウムインジウム材料((In1−x)AlxSb)により形成される。好適な発光ダイオードとフォトダイオードの形成は、欧州特許第0 864 180号明細書、欧州特許第0 992 094号明細書、M.K.et al.,Applied Physics Letters,vol.90,231116(2007)に開示され、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0096】
発光ダイオードとフォトダイオードは同じ半導体基板から作製されてもよい。発光ダイオードとフォトダイオードもまた、同様の基板から作製され、それらのエピ層厚だけが異なってもよい。エピ層厚は、発光ダイオードの場合は発光性能をフォトダイオードの場合は光収集性能を強化するために恐らく調節される。それらの近接度と熱伝導手段の存在のために、発光ダイオードとフォトダイオードは熱平衡状態のままとなり、例えば国際公開第2009/019467号パンフレット(Gas Sensing Solutions Limited)に記載の温度補償回路を使用することにより温度補償を容易にする。
【0097】
使用時、発光ダイオードは従来の発光ダイオード駆動回路により駆動される。発光ダイオードは、4.3μm(二酸化炭素濃度を測定するためのガスセンサの場合)を中心とした狭帯域の波長の電磁放射線を発射する。放射線は、広角拡散でそして通常はランベルト分布で発射される。放射線は、コリメータにより部分的に平行にされ、放射線ガイドの第1の曲線部、第2の曲線部および第3の曲線部を通る。すべての放射線は少なくとも数回反射されることになる。放射線ガイドの面内の湾曲のために、一部の放射線(例えば光線58)は、対向壁間で何度も反射ししたがってかなり減衰される経路上に反射されることになる。しかしながら放射線ガイドの面にほぼ平行な壁で反射する放射線は、放射線ガイドの面内のその経路の成分を変えることはなく、放射線ガイドの面にほぼ平行な壁が平らでない場合に生じるであろう追加の分散と減衰を回避する。
【0098】
放射線源からの放射線の多くは、放射線ガイドの面にほぼ平行な壁で数回反射する。したがって発光ダイオードとフォトダイオードとの間の平均経路長は、発光ダイオードからの放射線が放射線ガイドの面からの狭い範囲の角度だけを有するように十分に平行にされた場合のものより大きい。集光装置は通常、反対方向に面すること以外はコリメータと同じプロフィールを有する。
【0099】
放射線ガイドは、発射放射線の平均方向を発光ダイオードと検出器との間で180°変えるが、第1の曲線部は約45°湾曲し、第2の曲線部は約270°反対の向きに湾曲し、第3の曲線部は第1の曲線部と同じ向きに約45°湾曲する。したがって発光ダイオードとフォトダイオードとの間の放射線ガイドの湾曲全体の大きさは約360°である。比較的長い平均経路長を小型センサ内で実現できるようにする比較的長く緩やかに湾曲した放射線ガイドが提供された。
【0100】
さらに、放射線ガイドの構成の結果として、ガスにより吸収されなければ、発光ダイオードにより発射される放射線のかなりの割合の放射線がフォトダイオードに到達する。フォトダイオードにより検出される放射線量は、発光ダイオードから放射線を吸収する放射線ガイド内のガスの濃度に依存することになる。
【0101】
ガス試料は放射線ガイド内のチャンバに入り、そしてガスアクセスポートを介した拡散によりそこから出る。ガスアクセスポートは第2の曲線部の内面に配置される。より少ない放射線が外面よりむしろ内面上に入射される。したがってガスアクセスポートが第2の曲線部の外面に配置される場合のものより少ない放射線がガスアクセスポートによる吸収または散乱のために失われる。いくつかのガスアクセスポートは第2の曲線部の内面上に設けられることができ、また他の曲線部の内面上にも可能である。センサは比較的小型であるので、放射線ガイド内のガスの組成物が外部ガス(例えば空気)と平衡する速度は比較的速く、したがってガス濃度の変化に比較的速く応答するセンサが実現される。
【0102】
センサは基準信号無しに動作されてもよい。但し、検体ガスの濃度に対してだけ低感度または感度の無い基準信号がまた測定され、そして検体ガス濃度のより精密な測定が得られるように測定信号を校正するために使用されることが好ましい。
【0103】
好適な基準信号を得る別の装置と方法の2つの例について次に説明する。これらの装置と方法のそれぞれは図1〜図5を参照して上に説明され図示された装置と共に採用されてもよく、放射線源と放射線源からの放射線に敏感な検出器とを有する他のタイプの光吸収ガスセンサと共に採用されてもよい。
【0104】
実施例1
図6を参照すると、使用時に約4.3μmにピーク強度を有する放射線を発射する第1のアンチモン化アルミニウムインジウム発光ダイオード100が1.6mm厚の繊維ガラス樹脂プリント回路板104の第1の面102上に設けられる。第1の発光ダイオードは、欧州特許第0 864 180号明細書、欧州特許第0 992 094号明細書、Haigh, M.K.et al.,Applied Physics Letters,vol.90,231116(2007)に従って形成される。この第1の発光ダイオードは、フォトダイオード110により検出される電磁放射線を供給するために、マイクロコントローラ108の制御下で電子回路106により駆動される。フォトダイオードもまたアンチモン化アルミニウムインジウに基づいており、プリント回路板112に搭載されるが、これは、図1〜図5のガスセンサと共に使用されるとき、発光ダイオードに隣接する第1の発光ダイオードが搭載されるプリント回路板の領域が好ましく、プリント回路板上に印刷された電子回路を介して発光ダイオードとフォトダイオードとの間の熱伝達を容易にする。
【0105】
図1〜図5に示された放射線ガイドは、フォトダイオードにより検出される放射線量が約4.3μmにおける放射線を吸収するガスの濃度に敏感となるように放射線を発光ダイオードから試料ガスまで送るために、発光ダイオードとフォトダイオードとの間に延在する。フォトダイオードからの電流はフォトダイオード増幅器回路113により増幅され、得られた測定結果はマイクロコントローラに供給される。
【0106】
第1の発光ダイオードは回路板を貫通する穴114を含む。950nmの波長で電磁放射線を発射する第2の発光ダイオード116は、第1の発光ダイオードに対し回路板の反対側に固定され、穴を通して発射放射線を送るように配向されている。第1の発光ダイオードは図7に示す吸収スペクトルを有する。第1の発光ダイオードは950nmの波長で放射線の約10%を透過するのでこの波長の放射線に対して半透明である。フォトダイオードは約4.3μm波長の放射線を検出するように最適化されるが、950nmの放射線に対してもある程度敏感である。したがって第2の発光ダイオードからの放射線もまたフォトダイオードにより検出され、フォトダイオード増幅器を使用することにより測定されることができる。第2の発光ダイオード駆動回路118は、マイクロコントローラの制御下で第2の発光ダイオードを駆動するために設けられる。
【0107】
使用時、マイクロコントローラは、第1と第2の発光ダイオードが交互にパルス動作するように第1と第2の発光ダイオードの駆動回路に信号を送る。したがってフォトダイオードにより交互に生成される電流は、第1と第2の発光ダイオードから順に受信された放射線の測定結果を与える。第1の発光ダイオードからの約4.3μmの波長の放射線は存在する二酸化炭素の量に基づいて吸収され、第1の発光ダイオードが照射される間に測定される強度が測定信号を与える。第2の発光ダイオードにより950nmで発射される放射線は二酸化炭素により最小限だけ吸収され、大気中に通常見出されれる他のガスの吸収は低い。したがってマイクロコントローラは、測定信号を校正するために第2の発光ダイオードにより発射される放射線の吸収を利用しつつ測定信号から一酸化炭素の濃度を判断することができる。
【0108】
理想的には第2の発光ダイオードは、温度と第1の発光ダイオードに対する他の環境要因とに対し同様の反応を有するように選択される。第2の発光ダイオードからフォトダイオードまでの放射線の経路は、第1の発光ダイオードからフォトダイオードまでの放射線の経路と同じであるが、第2の発光ダイオードから第1の発光ダイオードまでの放射線の角拡散は第1の発光ダイオードにより生成された放射線の角拡散と異なってもよい。それにもかかわらず、これは、単一の発光ダイオードだけを利用して可能なものより、より精密な測定ガス濃度信号を供給するために採用されることができる有用な校正信号を提供する。
【0109】
この戦略の変形形態では、第1の発光放射線源を透過するのではなく、第2の放射線源からの放射線は第1の放射線源の周囲で反射されてもよいし、あるいは第1の放射線源の周囲に延在する第2の放射線源が設けられてもよい。第1と第2の放射線源は前と同様にして制御される。
【0110】
実施例2
基準測定を得るための第2の別の手法では、我々は、アンチモン化アルミニウムインジウムベースのフォトダイオードは従来の発光ダイオード駆動回路を使用して駆動されると光を発射するということを発見した。同様に、上に引用した欧州特許第0 864 180号明細書、欧州特許第0 992 094号明細書、Haigh,M.K.et al.,Applied Physics Letters,vol.90,231116 (2007)によるアンチモン化アルミニウムインジウムベースの発光ダイオードは、従来のフォトダイオード増幅器回路に取り付けることによりフォトダイオードとして使用されることができる。
【0111】
したがって第2の例では、発光ダイオードは前と同様にパルス動作され、フォトダイオードにおける電流は測定信号を供給するために測定される。発光ダイオードの各パルス間に、フォトダイオードは放射線を発射するように駆動され、発光ダイオードで受信される放射線は増幅器を使用して測定される。このモードでは、フォトダイオードにより発射される放射線は主として、発光ダイオードにより発射される放射線より格段に高い波長であり、二酸化炭素濃度に対しあまり敏感でない。発光ダイオード200とフォトダイオード202の発光スペクトルを図8Aと図8Bに示す。
【0112】
したがって発光ダイオードが放射線を発射するときにフォトダイオードにより生成される電流は測定信号を導出するために使用され、フォトダイオードが放射線を発射する間に発光ダイオードにより生成される電流は基準信号を導出するために使用される。マイクロコントローラは、測定信号を校正するために基準信号を使用し、次に、基準信号無しに可能と思われるものよりより精密な二酸化炭素濃度の測定結果である信号を出力する。
【0113】
基準測定を得る装置と方法の2つの例は図1〜図5による光吸収ガスセンサだけでなく任意の光吸収ガスセンサに採用されてもよいということを当業者は理解するだろう。
【0114】
本明細書に開示された例示的光吸収ガスセンサは二酸化炭素を検出するようにされるが、センサは、放射線源と、特定の検体が強く吸収するが空気の他の成分または潜在的な干渉物が強く吸収しない波長に対応する波長または波長帯域を有する放射線の減衰を測定するようにされた検出器と、を選択することにより、様々なガス検体の検出用にカスタマイズされることができる。
【0115】
図9を参照すると、本発明の別の実施形態は空洞を含む光吸収ガスセンサの製造方法を提供する。この製造方法を示すために線形矩形放射線ガイドの例示的な実施形態が使用される。
【0116】
第1のL字形放射線ガイド部分300は大きい寸法と小さい寸法を有する第1の細長い部材302と第2の細長い部材304とを含む。第1の細長い部材は、ほぼ「L字形」放射線ガイド部分を形成するために、大きい寸法306に沿った端部に沿って第2の細長い部材に接続される。
【0117】
第2のL字形放射線ガイド部分308は大きい寸法と小さい寸法を有する第1の細長い部材310と第2の細長い部材312を含む。第1の細長い部材は、ほぼ「L字形」放射線ガイド部分を形成するために大きい寸法314沿った端部に沿って第2の細長い部材に接続される。第1と第2の放射線ガイド部分は内面316と外面318を含む。
【0118】
当該技術領域で周知のスパッタリング工程により第1と第2のL字形放射線ガイド部分の内面に金層が付着される。クロム層をL字形放射線ガイド部分の内面に付着することが必要となり得る。クロム層は、金をL字形放射線ガイド部分に強く結合させることができ、L字形放射線ガイド部分が金に対する低親和性を有する材料を含む場合に必要となり得る。
【0119】
第1と第2のL字形放射線ガイド部分は、第1のL字形放射線ガイド部分が第2のL字形放射線ガイド部分に対し非整列(anti−aligned)されるように、そして空洞がその間に形成されるように図10Aに示すように配置される。金層はそのように形成された中空体の内面上に存在する。第1と第2のL字形放射線ガイド部分の端部は半田付けにより互に接合される。あるいは、これらは例えば接着剤または溶接により接合されてもよい。
【0120】
別の実施形態では、金層はアルミニウム層または2つの誘電体層で置換されてもよい。後者のケースでは、ZnS等の低屈折率の層がMgF2またはTiO2等の高屈折率の層上に付着される。非常に有効な反射材料であるものの、2つの誘電体層の付着は高レベルの精度を必要としそれに応じて高価である。
【0121】
上記方法はその一方で放射線ガイドと試料チェンバに使用される一般的な製造方法であり、平面部材320は溝322を含む部材上に接合される。平面に反射材料を付着することは単純明快であるが、溝の内面に反射材料を付着することは滑らかな仕上げを得ようとする場合は難しい。
【0122】
別の変形と修正が、本明細書に開示された本発明の範囲内で行われてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、これに限定されないが赤外線吸収ガスセンサを含む光吸収ガスセンサの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスセンサは通常、ガス状態の検体を測定する工業用途と民生用途で採用される。多くのガスセンサは放射線により照射されたときのターゲット検体の吸収特性に依存し、放射線源と、放射線源により発射される放射線を検出することができる検出器と、ターゲットガス検体を収容するチャンバと、を含む。チャンバ内の検体ガスは特定の波長または波長帯域の放射線を吸収し、検出器により検出される放射線の減衰がチャンバ内のターゲット検体の濃度の指標を与える。チャンバ内にガスを積極的に輸送するセンサは知られているが、ターゲット検体は通常はチャンバ内に拡散する。いくつかの光吸収ガスセンサでは、放射線源は広い波長帯域において放射線を発射し、波長選択フィルタが検出器に設けられる。この場合のガスセンサは非分散型センサ(non−dispersive sensor)と呼ばれる。他の光吸収ガスセンサでは、放射線源は定義された波長または波長帯域の放射線を発射するか、あるいは特定の波長帯域を選択するフィルタを含む。
【0003】
高感度を実現するために、放射線は、検体が放射線のかなりの部分を吸収し放射線がセンサ内においていかなる他の工程によっても吸収されないように、放射線源から検出器までの検体を通るできるだけ長い平均経路長を有することが望ましい。例えば、放射線源と検出器との間の経路が線形でない場合、放射線は検出器へ送られるように反射されなければならない。しかしながら反射面は吸収および/または散乱により光損失を生じ、この光損失は通常は低コストセンサにおいて著しくなる。したがって経路長を増加するために反射の回数を増加することと過剰反射による発射放射線の過度減衰を回避することとのバランスを取らなければならない。
【0004】
しかしながら多くの実際の用途では、ガスセンサは小さいかあるいは標準化寸法に準拠することが望ましく、通常は短い経路長とそれに応じた低感度をもたらす。したがって本発明の1つの目的は、小型かつ費用効率が高い製造に好適である一方で高感度を有するガスセンサを提供することである。
【0005】
放射線源と検出器との間に延在し矩形または他の断面を有する直線状中空管放射線ガイド(straight hollow tubular radiation guide)を有するガスセンサを設けることが知られている。このタイプの放射線ガイドは、放射線が放射線ガイドに入射する方位に依存してある範囲の経路長により放射線を誘導する。放射線ガイドの壁に対し高い入射角で放射線ガイドに入射する放射線は何度も反射するので、放射線ガイドの軸に近い方位で直線矩形放射線ガイドに入射する放射線より大きく減衰される。
【0006】
線形放射線ガイドについては、断面の大きさを増加させると反射の回数したがって吸収損が減少するが集光効率が悪くなることが知られている。より良好な配置は、例えば複合放物状集光器(CPC:compound parabolic collector)として成形された導波管の先端と末端を有することである。このことによる効果は、放射線が導波管に沿って進むにつれて放射線場を変形することである。放射線場は、放射線源においては大きな角拡散と比較的小さな空間拡散を有し、途中では小さな角拡散だが大きな空間拡散を有し、検出器においては再び大きな角拡散だが小さな空間拡散を有する。正しく選択されると、この配置は多重反射による吸収を著しく低減することができる。
【0007】
放射線ガイド内に曲線部を取り込むと、曲線部を欠く放射線ガイドより所与の体積において放射線のより長い経路の設置を容易にすることができる。しかしながら、放射線ガイドが湾曲する場所では、ガイドの湾曲壁に当たる放射線は、空間拡散の低下が無くしたがって多重反射における吸収による損失の増加の無いより大きな角拡散を生じる。特に、放射線が湾曲壁上に当たる場所では、湾曲壁に入射する平行放射線は反射後は平行にならないので分散される。一部放射線は、壁が平面である場合より大きな入射角で湾曲壁に入射することになる。したがって放射線ガイドが湾曲する場所では、一部放射線は対向壁に向けて比較的大きな角度で反射する経路中に反射され、湾曲放射線ガイドに入射する放射線のうちのかなりの部分が何度も反射されるので強く吸収されるという効果がある。
【0008】
さらに、検出器において湾曲放射線ガイドと集光器を含むいくつかの実施形態では、コリメータは角拡散の増加のために放射線を検出器上に送ることができない。したがって検出器に入射する放射線の強度は低減され、それに応じてガスセンサの感度が低減される。
【0009】
本発明のいくつかの態様は、放射線源からガス試料を通して検出器に放射線をより良好に送る改善された湾曲放射線ガイドを有する光吸収ガスセンサを提供することを目的とする。
【0010】
吸収ガスセンサの分野において発生する別の問題は、動作中、放射線源(しばしば赤外線発光体である)と検出器とが温度に敏感であるということである。放射線源の発光スペクトルは温度に応じて変化することがあり、検出器の感度もまた温度に応じて変化することがある。室温により影響を与えられるだけでなく、放射線源は特に、使用時に発熱する。出力される放射線が大量でありかつパルス的であれば、温度は劇的に変動し得る。小さな減衰を測定する場合、放射線源と検出器のいずれかまたは両方の温度変動による小さな測定誤差が、測定ガス濃度の大きな誤差を生じる可能性がある。
【0011】
国際公開第2007/091043号パンフレット(Gas Sensing Solutions Limited)は、赤外線発光ダイオード(放射線源として機能する)とフォトダイオード(検出器として機能する)とが互いに隣接しかつ互いに熱的に連通するように配置されたセンサを開示している。放射線源と検出器とを互いに隣接しかつ熱伝達するように配置することにより、放射線源と検出器はほぼ同じ温度のままとなり温度変動の補正手順を簡単にする。したがって本発明のいくつかの実施形態は、放射線源と検出器が互いに隣接した状態と熱伝達状態のいずれかまたは両方でなければばらないという制約下で高感度を有する小型ガスセンサを提供することを目的とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
光吸収ガスセンサは通常、より正確な測定を可能にするために測定信号に加えて基準信号を供給するメカニズムを含む。非分散型光吸収センサにおいて基準信号を得る1つのメカニズムは、様々な量で存在すると予想されるいかなるガスによっても吸収されない波長で光を測定するために異なるフィルタを有する第2の検知器を設けることである。しかしながら、これはガスセンサの複雑性としたがってそのコストを増大させる。別々の測定放射線源と基準放射線源を設けることが知られているが、通常はこれらの放射線源と検出器との間に様々な経路が存在することになるか、あるいは基準放射線源の存在は、第2の放射線源が存在しないケースより低い割合の発射放射線を検出器に送る光学的配置を必要とすることになる。したがって本発明のいくつかの態様は、光吸収ガスセンサにおいて基準信号を得るための改善されたまたは代替の別のメカニズムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によると、放射線源と、放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、放射線源と検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、放射線ガイドはほぼ矩形断面を有する曲線部を含み、放射線ガイドの曲線部は矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲する、ガスセンサが提供される。
【0014】
ほぼ矩形な断面はほぼ正方形の断面(例えば、正方形断面)であってもよいが、矩形断面は大きい寸法と小さい寸法を有するほぼ長方形の断面(例えば長方形の断面)であることが好ましい。
【0015】
曲線部はほぼ矩形な断面を有し、矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲するので、放射線の角拡散は増加され、一部放射線は何度も反射される経路内に反射される(これにより、入射放射線を著しく吸収する放射線ガイド内で大きく減衰される)。但し、この効果は1つの面においてだけ生じることになる。その周囲で放射線ガイドが湾曲する軸に垂直な壁で反射する放射線はこのようにして分散されない。したがって検出器に到達する放射線の量は、放射線ガイドが矩形断面を有しなくかつ矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲する場合より大きい。
【0016】
放射線ガイドは放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にするように動作可能なコリメータを含むことが好ましい。通常、コリメータは、放射線ガイドの小さい寸法に平行な軸より大きい寸法に平行な軸において放射線の角拡散をより低減する。
【0017】
放射線ガイドは検出器上に放射線を集光するように動作可能な集光装置を含むことが好ましい。
【0018】
放射線ガイドの曲線部は湾曲面内の放射線の角拡散だけを増加させる。したがって、集光装置に入射する、矩形断面の小さい寸法に平行な壁により主に反射される放射線と、矩形断面の大きい寸法に平行な壁により主に反射される放射線とには角拡散の不均衡がある。集光装置に入射する放射線が集光される方向はその放射線の角拡散により決定される。通常、集光装置は、より低い角拡散を有する放射線を検出器上に送るように最適化される。したがって矩形断面の大きい寸法に平行な壁により主に反射される高角拡散を有する放射線は検出器に到達しないことがある。
【0019】
湾曲放射線ガイド内で反射される前に高角拡散を有する放射線は、低角拡散を有する平行放射線より、集光装置によりより効率的に収集されることができる。
【0020】
したがって本発明の本態様では、コリメータは通常、放射線源により発射される放射線を矩形断面の大きい寸法に平行な軸に高程度に平行にし、この軸に垂直な壁からの反射は概して角拡散を生じないようにし、および、放射線源により発射される放射線を矩形断面の小さい寸法に平行な軸に低程度に平行にし、この軸に垂直な壁からの反射は概して角拡散を生じるようにする。
【0021】
したがって本発明のこの態様は、放射線ガイドの曲線部により設けられる長い経路長と、検出器に到達する放射線源により発射される放射線のうちの高割合の放射線と、を組み合わせて高感度にする。
【0022】
放射線ガイドの曲線部はほぼ矩形な断面の小さい寸法に平行な軸の周囲で湾曲してもよいが、放射線ガイドの曲線部はほぼ矩形な断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で湾曲することが好ましい。したがって所与の断面積(したがって放射線が通過するガスの体積)に対し、分散と減衰は、湾曲が小さい寸法に平行な軸の周囲に存在する場合または放射線ガイドがほぼ正方形の断面を有する場合より少なくなる。
【0023】
放射線ガイドと放射線ガイドの曲線部とは中空管を含むことが好ましい。放射線ガイドの内部はガスセンサ近傍の空気とガスで連通している。検体ガスは、放射線ガイドの1つまたは複数の開口またはガス透過性領域を介し、使用時は中空管内に受け入れられる。放射線ガイドは、放射線源により発射される放射線を反射するように動作可能な材料で形成された内面を有してもよい。材料は金またはアルミニウム等の金属被膜であってよい。材料は誘電体被覆であってもよい。一部入射放射線を吸収する材料の使用を可能にすることにより、本発明は費用効率が高いセンサを提供できるようにする。通常、材料の反射率は少なくとも0.99または一般的には少なくとも0.97である。
【0024】
放射線源と検出器は互いに隣接してもよい。放射線源と検出器との間の間隔は、放射線源と検出器を貫通する面(放射線ガイドの対称面であってもよい)内の放射線ガイドの平均幅の3倍未満、好ましくは2倍未満であってよい。放射線ガイドに沿った放射線源と検出器との間の放射線の最短経路長は、放射線源と検出器との間の間隔の好ましくは10倍(例示的な実施形態では18倍)である。したがって放射線源と検出器が近接した状態でかなりの経路長が得られる。
【0025】
放射線源と検出器は、例えば直接にまたは熱転写手段を介し、互いに熱的に連通してよい。放射線源と検出器は、使用時に放射線源と検出器がほぼ熱平衡状態のままであるように熱的に連通してよい。
【0026】
ガスセンサは、平面支持体であってよい支持要素を含んでもよく、放射線源と検出器は支持要素上に搭載される。支持要素は、電子回路を含んでよく、通常はプリント回路板(PCB)である。支持要素はさらに、放射線源と検出器との間で熱を伝導するように動作可能な熱伝達手段を含んでもよい。熱伝達手段は電気回路であってよい。
【0027】
放射線ガイドは複数の前記曲線部を含んでもよい。放射線ガイドは、互いに逆向きに湾曲する第1と第2の曲線部を含んでもよい。放射線ガイドは、第1の向きに湾曲する第1の曲線部と、第1の曲線部よりさらに放射線ガイドに沿って(放射線源から検出器まで測定された)第2の逆向きに湾曲する第2の曲線部と、を含むことが好ましい。放射線ガイドはさらに、第2の曲線部よりさらに放射線ガイドに沿って(放射線源から検出器まで測定された)第1の向きに湾曲された第3の曲線部を含んでもよい。これにより、放射線源から放射線ガイドに入射する方向とほぼ反対方向に光が検出器に入射する特にいくつかの実施形態では、所与の体積内により長い放射経路を設けることができるようになる。
【0028】
放射線ガイドは、第1の向きに少なくとも10°通常は少なくとも25°だけ湾曲する第1の曲線部と、第1の曲線部よりさらに放射線ガイドに沿って(放射線源から検出器までの測定された)反対の向きに少なくとも180°の間ほぼ一定のカーブで湾曲する第2の曲線部と、を含んでもよい。第1と第2の曲線部は互いに直接接触してもよい。
【0029】
放射線ガイドは実質的に面内で延在してもよい。放射線ガイドは対称面を有してもよい。放射線ガイドの曲線部は面内で湾曲してもよい。
【0030】
放射線ガイドは、放射線源と検出器との間で少なくとも90°だけ平均照射方向を変えてもよい。放射線ガイドは、放射線源と検出器との間で少なくとも135°だけ平均照射方向を変えてもよい。放射線源からの放射線が放射線ガイドに入射する平均方向のほぼ反対の平均方向の放射線を検出器が受けるいくつかの実施形態では、放射線ガイドは、放射線源と検出器との平均照射方向を、160〜200°、好ましくは170〜190°、より好適には175〜185°だけ変えてもよい。
【0031】
放射線ガイドの湾曲全体の大きさは、少なくとも90°、好ましくは少なくとも180°、より好適には少なくとも260°であってよい。放射線ガイドの湾曲全体の大きさは、放射線源と検出器との間の放射線ガイドの正味湾曲より少なくとも90°だけ大きいことが好ましい。したがって放射線ガイドが放射線源と検出器との間で単純に連続的に湾曲した場合より大きな平均経路長を設けることが可能であろう。それにもかかわらず、放射線ガイドの湾曲全体の大きさは放射線の過度減衰を回避するために720°未満、より好適には540°未満であってよい。
【0032】
放射線ガイドは放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にするように動作可能なコリメータを含んでもよい。放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にすることにより、放射線ガイドの曲線部における多重反射による減衰により失われる光量が低減される。コリメータは放射線の角拡散を部分的に低減する部分的コリメータであることが好ましい。放射線は、検体ガスによる吸収を最大限にするために放射線ガイドのできるだけ大きな体積を通って送られることが好ましい。さらに、曲線部の平面壁に対し大きな角度で入射する放射線はかなりの回数反射されるが曲線部の平面壁に対し平行な放射線より長い経路長を有することになる。したがってコリメータは放射線を部分的に平行にすることが好ましい。
【0033】
コリメータは反射器例えば放物面反射器であってよく、通常は放射線ガイドの反射内面の一部である。放射線ガイドの曲線部の少なくとも一部はコリメータの少なくとも一部であってよい。コリメータはレンズまたはレンズアレイであってよい。通常、コリメータは小さい寸法と大きい寸法を有するほぼ長方形の断面を有し、コリメータは、小さい寸法に平行な軸より大きい寸法に平行な軸上で放射線の角拡散をより低減する。コリメータの大きい寸法と放射線ガイドの曲線部または各曲線部の大きい寸法は平行である。
【0034】
コリメータは放射線ガイドの長さの5%を越えてまたは好ましくは10%を越えて延在してもよい。この長さのコリメータが本発明の本態様に対し適度なコリメーションを与えることが発見された。
【0035】
放射線ガイドは検出器上に放射線を集光するように動作可能な集光装置を含んでもよい。集光装置は反射器例えば放物面反射器または楕円反射器であってよい。しかし、集光装置はレンズまたはレンズアレイを含んでもよい。
【0036】
集光装置は放射線ガイドの長さの5%を越えてまたは好ましくは10%を越えて延在してもよい。
【0037】
放射線ガイドの曲線部または各曲線部は通常、内壁が曲線部の内側の弧線を描き対向外壁が曲線部の外側の弧線を描くように、内壁と対向外壁とを含む。1つまたは複数の前記曲線部の内壁は、放射線ガイド内にガス試料を入れるための吸気口を含んでもよい。通常、より少ない放射線が放射線ガイドの曲線部の内壁に当たり、したがって放射線ガイドの曲線部の内壁にガス試料の吸気口を設けることにより、ガス試料の吸気口による放射線ガイド内の放射線の減衰は吸気口が外壁に設けられる場合より少なくなるだろう。これは、曲線部が90°を越えてまたは好ましくは180°を越えて湾曲する場合に特に有利である。
【0038】
放射線ガイドの曲線部または各曲線部は内側領域と外側領域を含んでもよい。放射線ガイドの内側領域は内壁に最も近い放射線ガイドの半分に対応してもよい。放射線ガイドの外側半分は外壁に最も近い放射線ガイドの半分に対応してもよい。放射線源から放射線ガイドを通って検出器まで進む放射線は、放射線ガイドと放射線源と検出器の構成の結果として、主として放射線ガイドの外側領域内の放射線ガイドの曲線部の周囲を進んでよい。これにより、放射線源と検出器との間の放射線の平均反射回数が低減する。
【0039】
放射線ガイドの幅は、(放射線ガイドの中心に沿って測定された)放射線ガイドの長さの10分の1未満であってもよいが、好ましくは放射線ガイドの長さの20分の1未満である。
【0040】
ガスセンサは、定義された波長帯域内の放射線を検出器内に選択的に入れる放射フィルタを含んでもよい。波長帯域はターゲット検体に依存して選択される。通常、ターゲット検体はCO2、CO、NO、CH4またはNO2等のガス種である。
【0041】
ガスセンサは、放射線源において、定義された波長帯域内の放射線を選択的に入れる放射フィルタを含んでもよい。
【0042】
放射線源および/または検出器は、それぞれ発射または検出された放射線が検出対象のターゲット検体の波長吸収ピークと一致するように選択されてもよい。
【0043】
ガスセンサは非分散型赤外線センサであってよい。通常、放射線源により発射される放射線の大部分は近赤外線である。
【0044】
放射線源は、発光ダイオード(LED)、有機LED、レーザーダイオード、あるいは電流を放射線に変換するように動作可能な別の電気部品であってよい。放射線源は広いスペクトルの波長で放射線を発射してもよい。放射線源は狭いスペクトルの波長で放射線を発射してもよい。通常、放射線源は、放射線源により発射される放射線をターゲット検体が強く吸収するようにターゲット検体の吸収スペクトルと重なるピーク放射波長を有する。
【0045】
検出器はフォトダイオードであってよい。あるいは、検出器は、入射放射線を熱エネルギーに変換しその後熱エネルギーを電流に変換するように動作可能な装置であってよい。例えば上記装置は熱電対列または焦電検出器であってよい。
【0046】
ガスセンサは放射線ガイド要素(前記放射線ガイドを含むまたはそれからなる)と上記支持要素とを含んでもよい。放射線ガイド要素または支持要素は、放射線ガイド要素に対し支持要素を位置決めする(そして検出器と放射線源を放射線ガイドに整列させる)ように構成された複数の位置決め要素を含んでもよい。位置決め要素のいくつかまたはすべては放射線ガイド要素上に突起または溝を含んでもよい。少なくともいくつかケースでは、支持要素は共働溝または突起をそれぞれ含んでもよい。3つの位置決め要素(放射線ガイド要素または支持要素内に形成された)が存在することが好ましい。通常、3つの位置決め要素(支持要素または放射線ガイド要素内にそれぞれ形成された)のうち2つのための共働溝または突起が存在する。これにより、放射線ガイド要素と支持要素の相対的移動を過度に制約することなく十分に制約できるようにする。
【0047】
複数の位置決め要素は、放射線ガイド要素(または支持要素)内に、支持要素に対し放射線ガイド要素を位置決めする工程中に支持要素に対して放射線ガイド要素を回転することができるピボット(例えば、補完的凹部により受け入れられる隆起)を含んでもよい。ピボットは半球または他の突起を含んでもよい。
【0048】
複数の位置決め要素は、放射線ガイド要素(または支持要素)内に、支持要素(または放射線ガイド要素それぞれ)内の補完的構造(例えば溝)により受け入れられ放射線ガイドに垂直な面内の放射線ガイド要素に対する支持要素の回転を防止するように構成された少なくとも1つの突起(ポスト等)を含んでもよい。支持要素内の補完的構造は細長くてもよい。細長い補完的構造は、支持要素と放射線ガイド要素との相対的回転無しに、放射線ガイド要素または支持要素に対し支持要素または放射線ガイド要素がそれぞれ膨張できる(例えば、温度の上昇により)ようにしてもよい。
【0049】
複数の位置決め要素は少なくとも1つのスペーサを含んでもよい。少なくとも1つのスペーサは、支持要素が放射線ガイド要素上に搭載される場合に検出器と放射線源との間に存在するように位置決めされてもよい。少なくとも1つのスペーサは、支持要素と放射線ガイド要素との間の規定間隔を維持するように構成されてもよい。少なくとも1つのスペーサは、検出器および放射線源と放射線ガイド要素の放射線ガイドとの間の規定間隔を維持するようにされてもよい。
【0050】
少なくとも1つのスペーサは共働溝により受け入れられないが対向面に当接することが好ましい。例えばスペーサが放射線ガイド要素上に配置されるいくつかの実施形態では、スペーサは支持要素に当接するが共働溝により受け入れられない。
【0051】
ガスセンサに対し支持要素を位置決めするように構成された複数の位置決め要素の設置は、放射線源が放射線ガイド内の開口に隣接され検出器が放射線ガイド内の開口に隣接されるようにあるいはそうでなければ放射線ガイドに対し放射線源と検出器を整列させるように、放射線源と検出器をガスセンサに正確に位置決めできるようにする。
【0052】
ガスセンサは3つの位置決め要素を含むことが好ましい。3つの位置決め要素はピボット、突起、スペーサを含むことが好ましい。3つの位置決め要素は三角形の角を形成するように配置されてもよい。すなわち、位置決め要素の1つが他の2つとずれて配置される。
【0053】
ガスセンサは、放射線ガイド要素に向けて支持要素を付勢する付勢手段(例えば付勢装置)を含むことが好ましい。付勢手段は、放射線ガイド要素に向けて支持要素に圧力を印加する剛性または可撓性要素(ばね等)であってよい。これにより位置決め要素は放射線ガイド要素と支持要素の相対位置および方位を制約することができる。
【0054】
付勢手段の設置は、複数の位置決め要素がそれぞれの共働溝および表面と係合されたままであることを保証し、これにより支持要素が放射線ガイド要素に対して安定に制約されることを保証し、放射線ガイドと検出器の放射線ガイドとの整列を維持する。
【0055】
放射線ガイドは支持要素対向面を含んでもよい。放射線源に隣接する支持要素対向面内に凹部が形成されてもよい。検出器に隣接する支持要素対向面内に凹部が形成されてもよい。放射線源および/または検出器に隣接する支持要素対向面内に形成される凹部は、放射線源および/または検出器と放射線ガイドの支持要素対向面との間に一定の間隔が存在するように配置されてもよい。
【0056】
放射線ガイドが導電面(通常は例えば金などの金属被覆)を含む本発明のいくつかの実施形態では、放射線源および/または検出器に隣接する支持要素対向面内に形成される凹部の設置は、放射線ガイドと放射線源または検出器とが電気的に短絡されるのを防止する。これは、支持要素対向面が放射線ガイドの導電面の少なくとも一部を形成する場合に適用可能である。これは、検出器および/または放射線ガイド要素がそれぞれの放射線ガイド対向面上に放射線ガイド対向面と電気的接続(例えば、回路板まで延在するワイヤへの接続)を有する場合に特に有利である。
【0057】
本発明の第2の態様によると、放射線源と、放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、放射線源と検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサが提供され、検出器は、放射線源により発射されるものと異なる波長スペクトルを有する放射線を発射するように動作可能であり、放射線源は検出器により発射される放射線を検出するように動作可能である。
【0058】
好ましくは、ガスセンサはさらに放射線源と検出器を2つのモードで動作させるように動作可能な電子回路を含んでもよく、第1のモードでは、放射線源は放射線を発射し、前記放射線は測定信号を供給するために検出器により検出され、第2のモードでは、検出器は放射線を発射し、前記放射線は基準信号を供給するために放射線源により検出される。
【0059】
したがって本発明の本態様は、別の放射線源と別の検出器を設ける必要無しに基準信号と測定信号が同じ放射経路に沿って得られるようにする。第1および第2の放射線源と第1および第2の検出器とを含むガスセンサは、単一の放射線源と単一の検出器を含むガスセンサより大きくなる。したがって、それぞれが放射線を発射しかつ他の放射線源により発射される放射線に敏感であるように動作可能な放射線源と検出器を設けることにより、本発明の本態様のガスセンサは追加の放射線源と検出器を必要とするガスセンサより小さくなることができる。
【0060】
好ましくは、検出器により発射され放射線源により検出される放射線は基準信号を供給し、放射線源により発射され検出器により検出される放射線は測定信号を供給する。通常、検出器と放射線源は様々なピーク波長を有する放射線を発射する。通常、放射線源は、ターゲット検体ガスが放射線を吸収する波長にほぼ対応する波長においてピーク強度を有する放射線を発射する。通常、検出器は、主として、放射線源により発射される放射線のピーク強度の前記波長よりターゲット検体により実質的により吸収されない波長において放射線を発射する。
【0061】
本発明の第1または第2の態様に関連して説明した場合により備えられる機能は本発明の第2の態様の場合により備えられる機能であり、本発明の第1の態様のガスセンサはまた本発明の第2の態様によるとガスセンサであってよい。
【0062】
本発明の第3の態様によると、第1の放射線源と、第2の放射線源と、第1の放射線源と第2の放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、第1の放射線源と第2の放射線源からの放射線を検出器に誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサが提供され、第2の放射線源から発射される放射線は、第1の放射線源の周囲にまたはそれを貫通してのいずれかまたは両方で延在する経路に沿って誘導される。
【0063】
第1の放射線源から検出される放射線は、使用時に測定または基準信号を計算するために使用されてもよい。第2の放射線源から検出された放射線は基準または測定信号をそれぞれ計算するために使用されてもよい。したがって第2の放射線源は通常、第1の放射線源とは異なる波長スペクトルを有する放射線を発射する。
【0064】
第2の放射線源から発射される放射線は、第1の放射線源を貫通する経路に沿って誘導されてもよい。検出器に到達する第2の放射線源からの放射線のほぼ大部分またはすべては第1の放射線源を貫通してもよい。前記放射線の一部またはすべては通常、放射線が第1の放射線源を通り抜けた後だけ放射線ガイドで反射される。第1の放射線源は、第2の放射線源から放射線ガイド沿って検出器まで延在する経路内に配置されてもよい。第1の放射線源は第2の放射線源により発射されるピーク波長において半透明であってよい。第2の放射線源により発射される放射線の少なくとも1%、好ましくは少なくとも3%そしてより好適には少なくとも10%は第1の放射線源を透過してもよい。
【0065】
第2の放射線源から発射される放射線は第1の放射線源の周囲に送られてもよい。第2の放射線源は第1の放射線源の周囲に延在してもよい。例えば、第2の放射線源は環状であってよい。
【0066】
第1と第2の放射線源はプリント回路板の両側に搭載されてもよい。プリント回路板は貫通穴を含んでもよく、第1と第2の放射線源は穴の両端に配置される。第1の放射線源は穴を塞いでもよい。第2の放射線源は、第1の放射線源を少なくとも部分的に通り抜け、穴を通って光を送るように配向されてもよい。第2の放射線源は、穴を通ってそして第1の放射線源の周囲に光を送るように配向されてもよい。
【0067】
ガスセンサは、第1と第2の放射線源をパルスで送るように動作可能な電子回路を含んでもよい。第1と第2の放射線源は、第1の放射線源または第2の放射線源のいずれかからの放射線が検出器により検出されるように交互にパルスで送られてもよい。
【0068】
したがって検出器からの出力信号は、第1の放射線源が発射されているときに測定信号を判断し、第2の放射線源が発射されているときには検出器からの基準信号を判断するために解析されてもよい。したがって測定信号と基準信号の両方は単一の検出器から得られ、そして検体ガスの測定濃度を判断するために処理されてもよい。
【0069】
ガスセンサはさらに、第2の放射線源からの放射線を検出するように動作可能な基準検出器を含んでもよく、放射線ガイドはさらに、第2の放射線源からの放射線を基準検出器に送るように、そして第2の放射線源からの放射線が検出器により吸収されるのを防ぐように動作可能な送り手段を含む。
【0070】
送り手段は第2の放射線源により発射される放射線を反射し,かつ第1の放射線源により発射される放射線を透過するように動作可能なダイクロニック反射器を含んでもよい。
【0071】
本発明の第1または第2の態様に関連して説明した場合により備えられる機能は、本発明の第3の態様の場合により備えられる機能であり、本発明の第1の態様のガスセンサもまた本発明の第3の態様によるガスセンサであってよい。
【0072】
本発明の第4の態様によると、放射線源と、放射線源から発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、複数の反射壁を有する放射線ガイドと、を含む光吸収ガスセンサが提供され、放射線ガイドは、ほぼL字形の反射面を有する2つの当接する放射線ガイド部分により形成される。
【0073】
ほぼL字形の反射面により、我々は各受面の接触線に垂直な面内の放射線ガイド部分の反射壁の形状を指す。通常、ほぼL字形の反射面のそれぞれは、80〜100度、一般的には90度で交わる2つの平面の反射壁により画定される。
【0074】
通常、放射線ガイド部分の反射壁は基板上に反射被覆を含む。被膜は金またはアルミニウム等の金属を含んでもよいが、MgF2、ZnS等の2つ以上の誘電体材料を含んでもよい。
【0075】
本発明のすべての上述の態様に関連して説明した場合により備えられる機能は本発明の第4の態様の場合により備えられる機能であり、本発明の第1の態様のガスセンサもまた本発明の第4の態様によるガスセンサであってよい。
【0076】
本発明の第5の態様によると、本発明の第4の態様の2つの放射線ガイド部分を設ける工程と、放射線ガイドの内面を形成する2つの放射線ガイド部分の反射面により放射線ガイドを形成するために2つの放射線ガイド部分が互いに当接するように2つの放射線ガイド部分を結合する工程と、を含む光吸収ガスセンサ製造方法が提供される。
【0077】
放射線ガイド部分はL字形反射面を含む単一の連続的に細長い部材を含んでもよい。あるいは、放射線ガイド部分はL字形反射面を形成するために縁に沿って接着される2つの細長い部材を含んでもよい。
【0078】
好ましくは、材料は金またはアルミニウム等の金属であるが、MgF2、ZnS等の2つ以上の誘電体材料を含んでもよい。
【0079】
通常、ガスセンサの放射線ガイドは、中空体を形成するための溝を含む第2の部材上に第1の平面部材を結合することにより製造される。平面を材料で被覆することは単純明快であり、一様な被覆は容易に作製されることができる。しかしながら、小さな長さスケールでは、溝を含む部材内に一様な膜を作製することは技術的に難しいことである。
【0080】
L字形表面の内面上に一様な膜を作製することは、溝を含む部材の場合よりも技術的に難しくない。したがってより高品質の膜がL字形表面上に、そして溝内に一様な膜を作製するより低費用で作製され得る。
【0081】
したがって本発明の本態様の製造方法は、放射線ガイドと試料チェンバ等の空洞を含む中空体を、一様な反射膜により、以前の方法より高水準でかつ少ない費用で製造できるようにする。
【0082】
本発明は第6の態様では、放射線源と放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、放射線源と検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサに拡張される。支持要素または放射線ガイド要素は、放射線ガイド要素に対して支持要素を位置決めし、これにより放射線源と検出器を放射線ガイドに整列させるように構成された複数の位置決め要素を含む。
【0083】
通常、ガスセンサは3つの位置決め要素を含む。ガスセンサはさらに、放射線ガイド要素に向けて支持要素を付勢する付勢手段を含んでもよい。本発明の第6の態様によるガスセンサの別の場合により備えられる機能は、本発明の第1〜第5の態様に関連して上に検討したものに対応する。
【0084】
本発明は第7の態様では、放射線源と放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、導電面を有する放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサに拡張される。放射線源および/または検出器はその面上に電気的接続を有する放射線ガイド対向面を有し、放射線ガイドは、導電面の少なくとも一部を形成する支持要素対向面と、放射線源に隣接する支持要素対向面内の凹部および/または検出器に隣接する支持要素対向面内の凹部と、を含む。本発明の第6の態様によるガスセンサの別の場合により備えられる機能は本発明の第1〜第5の態様に関連して上に検討したものに対応する。
【0085】
次に本発明の例示的な実施形態について以下の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】例示的光線の経路を図示するガスセンサの平面図である。
【図2】ガスセンサの放射線源と検出器の取り付け法を図示する。
【図3】いくつかの例示的光線のトレースを含む図1のガスセンサの放射線ガイドの平面図である。
【図4】光線トレースを含む図1のガスセンサの放射線ガイドの斜視図である。
【図5】光線トレースを含む図1のガスセンサの放射線ガイドの斜視図である。
【図6】ガスセンサ内の基準信号と測定信号の両方を得るための第1の構成の部品の概略図である。
【図7】例示的発光ダイオードの放射線透過対波長のグラフである。
【図8】ガスセンサ内の基準信号と測定信号の両方を得るための第2の構成における、(図8A)発光ダイオードおよび(図8B)フォトダイオードにより発射される放射線のスペクトルを図示する。
【図9A】2つの「L字形」物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9A)と、平面物体と溝状物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9B)との比較を示す。
【図9B】2つの「L字形」物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9A)と、平面物体と溝状物体から放射線ガイドを組み立てる工程(図9B)との比較を示す。
【図10】ガスセンサの本体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1〜図5を参照すると、光吸収ガスセンサ1は、互いに隣接して配置されプリント回路板8上に搭載された発光ダイオード4(放射線源として機能する)と中赤外線発光フォトダイオード6(検出器として機能する)とを含む支持体(支持要素として機能する)2を含む。プリント回路板上の電子回路10は、発光ダイオードとフォトダイオード間で熱を伝導しこれにより熱伝導手段として機能する。
【0088】
光吸収ガスセンサは、中空の管状放射線ガイド14を含む本体12(放射線ガイド要素として機能する)を含む。本体は支持体対向面16を含む。支持体対向面は、第1の基準点として機能するピボット18と、いくらかの熱膨脹差を許容する一方で本体と支持体の相対的回転を防ぐために放射状溝に嵌るポスト20と、スペーサ22(複数の位置決め要素として集合的に機能するピボット、ポスト、スペーサ)と、を含む。支持体は本体に搭載され、放射線ガイドが発光ダイオードからフォトダイオードまで延在して発光ダイオードとフォトダイオードが放射線ガイドに整列されるように、ピボット、ポストおよびスペーサにより位置決めされる。
【0089】
支持体はさらに、支持体の周囲の本体から延在し本体(ピボット、ポストおよびスペーサに対向する)に向けて支持体を引っ張る力を誘起しこれによりピボット、ポストおよびスペーサが支持体に十分に係合されることを保証し、発光ダイオードとフォトダイオードの、放射線ガイドとの整列を維持するようにする板23(付勢手段として機能する)を含む。板は跳ねることができるか、あるいは剛性であって単純に支持体に対し直接保持されることができる。板は例えば単純に、ピボットとポストを受け入れるための孔を含み、締りばめを使用して取り付けられてもよい。
【0090】
発光ダイオードとフォトダイオードはそれぞれ、プリント回路板の表面から各装置の表面まで延在する露出した金ワイヤ24により前面搭載される。支持体対向面はさらに2つの凹部26を含む。第1の凹部はフォトダイオードに隣接して配置され、第2の凹部は発光ダイオードに隣接して配置される。これらの凹部は、ワイヤと放射線ガイドの金反射面との電気的短絡の可能性を回避する。凹部はワイヤが存在する放射線ガイドの縁に沿ってだけ配置され、放射線ガイドは、露出したワイヤを有しない検出器とフォトダイオードの側面の周囲のプリント回路板に非常に近いかあるいはそれに接触することが好ましい。
【0091】
放射線ガイドは、入射する赤外線の2〜5%を吸収し残りを反射する金の反射被覆を有する。放射線ガイドは第1の曲線部28、第2の曲線部30、第3の曲線部32、発光ダイオードに向かって先細になるコリメータ34、検出器に向かって先細になる集光装置36を含む。これらは放射線ガイドの別々の領域として図示されるが、コリメータと集光装置は通常、第1と第3の曲線部内にそれぞれ融合することになる。
【0092】
放射線ガイドは、発光ダイオードとフォトダイオードの背後の放物面反射器40を除き、全体として矩形断面38を有する。矩形断面の小さい寸法は発光ダイオード、フォトダイオード、放射線ガイド(図1の断面と同じ面)を貫通する面内にあり、矩形断面の大きい寸法はこの面に垂直である。最大断面を有する場所の放射線ガイドのアスペクト比は通常4:1〜8:1である。
【0093】
放射線ガイドは通常、前記面内で湾曲する。第1の曲線部は外側に湾曲する。任意の点で、放射線ガイドは矩形断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で湾曲するが、放射線ガイドがその周囲で湾曲する軸の位置としたがって曲率半径とは第1の曲線部の長さに沿って変化してもよい。第2の曲線部は、再び矩形断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で反対の向きに湾曲する。第2の曲線部は、軸42の周囲で一定の曲率半径でもって部分円を描く。第3の曲線部は再び、第1の曲線部と同じ方向にそして第2の曲線部と反対の方向に、外側に湾曲する。放射線は反射により曲線部の周囲に誘導される。図4に例示的光線トレース44を示した。
【0094】
放射線ガイドは、内壁46と、センサの面に垂直な外壁48と、センサの面に平行な対向平面壁50と52と、を有する。ガス試料がガスセンサの直周辺から放射線ガイドの壁により画定される空洞56内に拡散できるようにするために、もう1つのガスアクセス点54が内壁内に設けられる。センサの本体は、ガスがガスセンサの周囲からガスアクセス点または各ガスアクセス点に拡散するように塵埃排除格子または繊維被覆チャネル(図示せず)を含んでもよい。
【0095】
発光ダイオードとフォトダイオードはそれぞれ、砒化ガリウム(GaAs)基板上に成長され、そのドーピングがガス状の二酸化炭素が強く吸収する波長に対応する狭い波長帯域の光を発光ダイオードに発射させるようにバンドギャップを調節するように選択される狭いバンドギャップのIII−V材料アンチモン化アルミニウムインジウム材料((In1−x)AlxSb)により形成される。好適な発光ダイオードとフォトダイオードの形成は、欧州特許第0 864 180号明細書、欧州特許第0 992 094号明細書、M.K.et al.,Applied Physics Letters,vol.90,231116(2007)に開示され、その全体を参照により本明細書に援用する。
【0096】
発光ダイオードとフォトダイオードは同じ半導体基板から作製されてもよい。発光ダイオードとフォトダイオードもまた、同様の基板から作製され、それらのエピ層厚だけが異なってもよい。エピ層厚は、発光ダイオードの場合は発光性能をフォトダイオードの場合は光収集性能を強化するために恐らく調節される。それらの近接度と熱伝導手段の存在のために、発光ダイオードとフォトダイオードは熱平衡状態のままとなり、例えば国際公開第2009/019467号パンフレット(Gas Sensing Solutions Limited)に記載の温度補償回路を使用することにより温度補償を容易にする。
【0097】
使用時、発光ダイオードは従来の発光ダイオード駆動回路により駆動される。発光ダイオードは、4.3μm(二酸化炭素濃度を測定するためのガスセンサの場合)を中心とした狭帯域の波長の電磁放射線を発射する。放射線は、広角拡散でそして通常はランベルト分布で発射される。放射線は、コリメータにより部分的に平行にされ、放射線ガイドの第1の曲線部、第2の曲線部および第3の曲線部を通る。すべての放射線は少なくとも数回反射されることになる。放射線ガイドの面内の湾曲のために、一部の放射線(例えば光線58)は、対向壁間で何度も反射ししたがってかなり減衰される経路上に反射されることになる。しかしながら放射線ガイドの面にほぼ平行な壁で反射する放射線は、放射線ガイドの面内のその経路の成分を変えることはなく、放射線ガイドの面にほぼ平行な壁が平らでない場合に生じるであろう追加の分散と減衰を回避する。
【0098】
放射線源からの放射線の多くは、放射線ガイドの面にほぼ平行な壁で数回反射する。したがって発光ダイオードとフォトダイオードとの間の平均経路長は、発光ダイオードからの放射線が放射線ガイドの面からの狭い範囲の角度だけを有するように十分に平行にされた場合のものより大きい。集光装置は通常、反対方向に面すること以外はコリメータと同じプロフィールを有する。
【0099】
放射線ガイドは、発射放射線の平均方向を発光ダイオードと検出器との間で180°変えるが、第1の曲線部は約45°湾曲し、第2の曲線部は約270°反対の向きに湾曲し、第3の曲線部は第1の曲線部と同じ向きに約45°湾曲する。したがって発光ダイオードとフォトダイオードとの間の放射線ガイドの湾曲全体の大きさは約360°である。比較的長い平均経路長を小型センサ内で実現できるようにする比較的長く緩やかに湾曲した放射線ガイドが提供された。
【0100】
さらに、放射線ガイドの構成の結果として、ガスにより吸収されなければ、発光ダイオードにより発射される放射線のかなりの割合の放射線がフォトダイオードに到達する。フォトダイオードにより検出される放射線量は、発光ダイオードから放射線を吸収する放射線ガイド内のガスの濃度に依存することになる。
【0101】
ガス試料は放射線ガイド内のチャンバに入り、そしてガスアクセスポートを介した拡散によりそこから出る。ガスアクセスポートは第2の曲線部の内面に配置される。より少ない放射線が外面よりむしろ内面上に入射される。したがってガスアクセスポートが第2の曲線部の外面に配置される場合のものより少ない放射線がガスアクセスポートによる吸収または散乱のために失われる。いくつかのガスアクセスポートは第2の曲線部の内面上に設けられることができ、また他の曲線部の内面上にも可能である。センサは比較的小型であるので、放射線ガイド内のガスの組成物が外部ガス(例えば空気)と平衡する速度は比較的速く、したがってガス濃度の変化に比較的速く応答するセンサが実現される。
【0102】
センサは基準信号無しに動作されてもよい。但し、検体ガスの濃度に対してだけ低感度または感度の無い基準信号がまた測定され、そして検体ガス濃度のより精密な測定が得られるように測定信号を校正するために使用されることが好ましい。
【0103】
好適な基準信号を得る別の装置と方法の2つの例について次に説明する。これらの装置と方法のそれぞれは図1〜図5を参照して上に説明され図示された装置と共に採用されてもよく、放射線源と放射線源からの放射線に敏感な検出器とを有する他のタイプの光吸収ガスセンサと共に採用されてもよい。
【0104】
実施例1
図6を参照すると、使用時に約4.3μmにピーク強度を有する放射線を発射する第1のアンチモン化アルミニウムインジウム発光ダイオード100が1.6mm厚の繊維ガラス樹脂プリント回路板104の第1の面102上に設けられる。第1の発光ダイオードは、欧州特許第0 864 180号明細書、欧州特許第0 992 094号明細書、Haigh, M.K.et al.,Applied Physics Letters,vol.90,231116(2007)に従って形成される。この第1の発光ダイオードは、フォトダイオード110により検出される電磁放射線を供給するために、マイクロコントローラ108の制御下で電子回路106により駆動される。フォトダイオードもまたアンチモン化アルミニウムインジウに基づいており、プリント回路板112に搭載されるが、これは、図1〜図5のガスセンサと共に使用されるとき、発光ダイオードに隣接する第1の発光ダイオードが搭載されるプリント回路板の領域が好ましく、プリント回路板上に印刷された電子回路を介して発光ダイオードとフォトダイオードとの間の熱伝達を容易にする。
【0105】
図1〜図5に示された放射線ガイドは、フォトダイオードにより検出される放射線量が約4.3μmにおける放射線を吸収するガスの濃度に敏感となるように放射線を発光ダイオードから試料ガスまで送るために、発光ダイオードとフォトダイオードとの間に延在する。フォトダイオードからの電流はフォトダイオード増幅器回路113により増幅され、得られた測定結果はマイクロコントローラに供給される。
【0106】
第1の発光ダイオードは回路板を貫通する穴114を含む。950nmの波長で電磁放射線を発射する第2の発光ダイオード116は、第1の発光ダイオードに対し回路板の反対側に固定され、穴を通して発射放射線を送るように配向されている。第1の発光ダイオードは図7に示す吸収スペクトルを有する。第1の発光ダイオードは950nmの波長で放射線の約10%を透過するのでこの波長の放射線に対して半透明である。フォトダイオードは約4.3μm波長の放射線を検出するように最適化されるが、950nmの放射線に対してもある程度敏感である。したがって第2の発光ダイオードからの放射線もまたフォトダイオードにより検出され、フォトダイオード増幅器を使用することにより測定されることができる。第2の発光ダイオード駆動回路118は、マイクロコントローラの制御下で第2の発光ダイオードを駆動するために設けられる。
【0107】
使用時、マイクロコントローラは、第1と第2の発光ダイオードが交互にパルス動作するように第1と第2の発光ダイオードの駆動回路に信号を送る。したがってフォトダイオードにより交互に生成される電流は、第1と第2の発光ダイオードから順に受信された放射線の測定結果を与える。第1の発光ダイオードからの約4.3μmの波長の放射線は存在する二酸化炭素の量に基づいて吸収され、第1の発光ダイオードが照射される間に測定される強度が測定信号を与える。第2の発光ダイオードにより950nmで発射される放射線は二酸化炭素により最小限だけ吸収され、大気中に通常見出されれる他のガスの吸収は低い。したがってマイクロコントローラは、測定信号を校正するために第2の発光ダイオードにより発射される放射線の吸収を利用しつつ測定信号から一酸化炭素の濃度を判断することができる。
【0108】
理想的には第2の発光ダイオードは、温度と第1の発光ダイオードに対する他の環境要因とに対し同様の反応を有するように選択される。第2の発光ダイオードからフォトダイオードまでの放射線の経路は、第1の発光ダイオードからフォトダイオードまでの放射線の経路と同じであるが、第2の発光ダイオードから第1の発光ダイオードまでの放射線の角拡散は第1の発光ダイオードにより生成された放射線の角拡散と異なってもよい。それにもかかわらず、これは、単一の発光ダイオードだけを利用して可能なものより、より精密な測定ガス濃度信号を供給するために採用されることができる有用な校正信号を提供する。
【0109】
この戦略の変形形態では、第1の発光放射線源を透過するのではなく、第2の放射線源からの放射線は第1の放射線源の周囲で反射されてもよいし、あるいは第1の放射線源の周囲に延在する第2の放射線源が設けられてもよい。第1と第2の放射線源は前と同様にして制御される。
【0110】
実施例2
基準測定を得るための第2の別の手法では、我々は、アンチモン化アルミニウムインジウムベースのフォトダイオードは従来の発光ダイオード駆動回路を使用して駆動されると光を発射するということを発見した。同様に、上に引用した欧州特許第0 864 180号明細書、欧州特許第0 992 094号明細書、Haigh,M.K.et al.,Applied Physics Letters,vol.90,231116 (2007)によるアンチモン化アルミニウムインジウムベースの発光ダイオードは、従来のフォトダイオード増幅器回路に取り付けることによりフォトダイオードとして使用されることができる。
【0111】
したがって第2の例では、発光ダイオードは前と同様にパルス動作され、フォトダイオードにおける電流は測定信号を供給するために測定される。発光ダイオードの各パルス間に、フォトダイオードは放射線を発射するように駆動され、発光ダイオードで受信される放射線は増幅器を使用して測定される。このモードでは、フォトダイオードにより発射される放射線は主として、発光ダイオードにより発射される放射線より格段に高い波長であり、二酸化炭素濃度に対しあまり敏感でない。発光ダイオード200とフォトダイオード202の発光スペクトルを図8Aと図8Bに示す。
【0112】
したがって発光ダイオードが放射線を発射するときにフォトダイオードにより生成される電流は測定信号を導出するために使用され、フォトダイオードが放射線を発射する間に発光ダイオードにより生成される電流は基準信号を導出するために使用される。マイクロコントローラは、測定信号を校正するために基準信号を使用し、次に、基準信号無しに可能と思われるものよりより精密な二酸化炭素濃度の測定結果である信号を出力する。
【0113】
基準測定を得る装置と方法の2つの例は図1〜図5による光吸収ガスセンサだけでなく任意の光吸収ガスセンサに採用されてもよいということを当業者は理解するだろう。
【0114】
本明細書に開示された例示的光吸収ガスセンサは二酸化炭素を検出するようにされるが、センサは、放射線源と、特定の検体が強く吸収するが空気の他の成分または潜在的な干渉物が強く吸収しない波長に対応する波長または波長帯域を有する放射線の減衰を測定するようにされた検出器と、を選択することにより、様々なガス検体の検出用にカスタマイズされることができる。
【0115】
図9を参照すると、本発明の別の実施形態は空洞を含む光吸収ガスセンサの製造方法を提供する。この製造方法を示すために線形矩形放射線ガイドの例示的な実施形態が使用される。
【0116】
第1のL字形放射線ガイド部分300は大きい寸法と小さい寸法を有する第1の細長い部材302と第2の細長い部材304とを含む。第1の細長い部材は、ほぼ「L字形」放射線ガイド部分を形成するために、大きい寸法306に沿った端部に沿って第2の細長い部材に接続される。
【0117】
第2のL字形放射線ガイド部分308は大きい寸法と小さい寸法を有する第1の細長い部材310と第2の細長い部材312を含む。第1の細長い部材は、ほぼ「L字形」放射線ガイド部分を形成するために大きい寸法314沿った端部に沿って第2の細長い部材に接続される。第1と第2の放射線ガイド部分は内面316と外面318を含む。
【0118】
当該技術領域で周知のスパッタリング工程により第1と第2のL字形放射線ガイド部分の内面に金層が付着される。クロム層をL字形放射線ガイド部分の内面に付着することが必要となり得る。クロム層は、金をL字形放射線ガイド部分に強く結合させることができ、L字形放射線ガイド部分が金に対する低親和性を有する材料を含む場合に必要となり得る。
【0119】
第1と第2のL字形放射線ガイド部分は、第1のL字形放射線ガイド部分が第2のL字形放射線ガイド部分に対し非整列(anti−aligned)されるように、そして空洞がその間に形成されるように図10Aに示すように配置される。金層はそのように形成された中空体の内面上に存在する。第1と第2のL字形放射線ガイド部分の端部は半田付けにより互に接合される。あるいは、これらは例えば接着剤または溶接により接合されてもよい。
【0120】
別の実施形態では、金層はアルミニウム層または2つの誘電体層で置換されてもよい。後者のケースでは、ZnS等の低屈折率の層がMgF2またはTiO2等の高屈折率の層上に付着される。非常に有効な反射材料であるものの、2つの誘電体層の付着は高レベルの精度を必要としそれに応じて高価である。
【0121】
上記方法はその一方で放射線ガイドと試料チェンバに使用される一般的な製造方法であり、平面部材320は溝322を含む部材上に接合される。平面に反射材料を付着することは単純明快であるが、溝の内面に反射材料を付着することは滑らかな仕上げを得ようとする場合は難しい。
【0122】
別の変形と修正が、本明細書に開示された本発明の範囲内で行われてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線源と、前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、前記放射線源と前記検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドとを含むガスセンサであって、
前記放射線ガイドはほぼ矩形断面を有する曲線部を含み、
前記放射線ガイドの前記曲線部は前記矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲する、ガスセンサ。
【請求項2】
前記ほぼ矩形の断面は大きい寸法と小さい寸法を有するほぼ長方形の断面である、請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記放射線ガイドの前記曲線部は前記ほぼ矩形の断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で湾曲する、請求項2に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記放射線ガイドは前記放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にするように動作可能なコリメータを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記放射線ガイドは大きい寸法を含み、
前記放射線源により発射される放射線は主に前記放射線ガイドの前記大きい寸法に平行な単一方向に前記コリメータによりほぼ平行にされる、請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記コリメータは放物面反射器を含む、請求項4または5に記載のガスセンサ。
【請求項7】
前記放射線ガイドは前記検出器上に放射線を集光するように動作可能な集光装置を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項8】
前記放射線ガイドは大きい寸法を含み、
前記放射線ガイドから前記集光装置に入射する放射線は前記放射線ガイドの前記大きい寸法に平行な単一方向において前記検出器上に主に集光される、請求項7に記載のガスセンサ。
【請求項9】
前記集光装置は放物面反射器を含む、請求項7または8に記載のガスセンサ。
【請求項10】
前記放射線ガイドは、前記放射線源により発射される放射線を反射するように動作可能であり入射放射線の少なくとも1%を吸収する材料で形成された内面を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項11】
前記放射線源と前記検出器は互いに隣接する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項12】
前記放射線ガイドに沿った前記放射線源と前記検出器との間の放射線の最短経路長は前記放射線源と前記検出器との間の間隔の少なくとも10倍である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項13】
前記放射線源と前記検出器は互いに熱的に連通する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項14】
前記放射線ガイドは複数の前記曲線部を含む、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項15】
前記放射線ガイドは逆向きに湾曲する第1と第2の曲線部を含む、請求項14に記載のガスセンサ。
【請求項16】
前記放射線ガイドは、第1の向きに湾曲する第1の曲線部と、前記第1の曲線部よりさらに前記放射線ガイドに沿って(前記放射線源から前記検出器まで測定された)第2の逆向きに湾曲する第2の曲線部と、前記第2の曲線部よりさらに前記放射線ガイドに沿って(前記放射線源から前記検出器まで測定された)前記第1の向きに湾曲する第3の曲線部と、を含む、請求項15に記載のガスセンサ。
【請求項17】
前記第1と第3の曲線部はそれぞれ少なくとも10°だけ前記第1の向きに湾曲し、
前記第2の曲線部は少なくとも180°の間ほぼ一定の湾曲で前記反対の向きに湾曲する、請求項16に記載のガスセンサ。
【請求項18】
前記放射線ガイドは対称面を有する、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項19】
前記放射線源と前記検出器との間で少なくとも90°だけ平均照射方向を変える請求項1乃至18のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項20】
前記放射線ガイドの前記湾曲全体の大きさは少なくとも90°であり720°未満である、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項21】
前記放射線ガイドの前記曲線部または各曲線部は通常、内壁が前記曲線部の内側の弧線を描き前記対向外壁が前記曲線部の外側の弧線を描くように前記内壁と前記対向外壁とを含み、
1つまたは複数の前記曲線部の前記内壁は前記放射線ガイド内にガス試料を入れるために吸気口を含む、請求項1乃至20のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項22】
前記放射線ガイドは前記放射線源および/または検出器に隣接する凹部を有し、
前記放射線源および/または検出器は放射線ガイド対向面と前記それぞれの放射線ガイド対向面上の電気的接続とを有する、請求項1乃至21のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項23】
前記放射線ガイドを含むまたは前記放射線ガイドからなる放射線ガイド要素と前記放射線源および/または前記検出器を含む支持要素とを含む請求項1乃至22のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記放射線ガイド要素または前記支持要素は、前記放射線ガイド要素に対し前記支持要素を位置決めしこれにより前記検出器と前記放射線源を前記放射線ガイドに整列させるように構成された複数の位置決め要素を含んでもよい、ガスセンサ。
【請求項24】
前記放射線ガイドまたは前記支持要素は3つの位置決め要素を含む、請求項23に記載のガスセンサ。
【請求項25】
前記放射線ガイドまたは前記支持要素は前記放射線ガイド要素に向けて前記支持要素を付勢する付勢手段を含む、請求項23または24に記載のガスセンサ。
【請求項26】
放射線源と前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、前記放射線源と前記検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサであって、
前記支持要素または前記放射線ガイド要素は、前記放射線ガイド要素に対して前記支持要素を位置決めしこれにより前記放射線源と前記検出器を前記放射線ガイドに整列させるように構成された複数の位置決め要素を含む、ガスセンサ。
【請求項27】
3つの位置決め要素を含む請求項24に記載のガスセンサ。
【請求項28】
前記放射線ガイド要素に向けて前記支持要素を付勢する付勢手段を含む請求項26または27に記載のガスセンサ。
【請求項29】
放射線源と、前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、前記放射線源と前記検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、
前記検出器は前記放射線源により発射されるものと異なる波長スペクトルを有する放射線を発射するように動作可能であり、
前記放射線源は前記検出器により発射される放射線を検出するように動作可能である、ガスセンサ。
【請求項30】
前記放射線源と前記検出器を2つのモードで動作させるように動作可能な電子回路をさらに含む請求項29に記載のガスセンサであって、
第1のモードでは、前記放射線源は放射線を発射し、前記放射線は測定信号を供給するために前記検出器により検出され、第2のモードでは、前記検出器は放射線を発射し、前記放射線は基準信号を供給するために前記放射線源により検出されるようにした、ガスセンサ。
【請求項31】
前記検出器により発射され前記放射線源により検出される放射線は基準信号を供給し、前記放射線源により発射され前記検出器により検出される放射線は測定信号を供給する、請求項29または30に記載のガスセンサ。
【請求項32】
前記検出器と前記放射線源は様々なピーク波長を有する放射線を発射する、請求項29乃至31のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項33】
請求項29乃至32のいずれか一項または請求項1乃至25のいずれか一項とに記載のガスセンサ。
【請求項34】
第1の放射線源と、第2の放射線源と、前記第1の放射線源と前記第2の放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、前記第1の放射線源と前記第2の放射線源からの放射線を前記検出器に誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、
前記第2の放射線源から発射される放射線は、前記第1の放射線源の周囲にまたはそれを貫通してのいずれかまたは両方で延在する経路に沿って誘導される、ガスセンサ。
【請求項35】
前記第2の放射線源は様々な波長スペクトルを有する放射線を前記第1の放射線源へ発射する、請求項34に記載のガスセンサ。
【請求項36】
前記第2の放射線源から発射される放射線は前記第1の放射線源を貫通する経路に沿って誘導される、請求項34または35に記載のガスセンサ。
【請求項37】
前記検出器に到達する前記第2の放射線源からの前記放射線のほぼ大部分またはすべては前記第1の放射線源を貫通する、請求項34乃至36のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項38】
前記第2の放射線源により発射される前記放射線の少なくとも1%は前記第1の放射線源を透過する、請求項36または37に記載のガスセンサ。
【請求項39】
前記第2の放射線源から発射される放射線は前記第1の放射線源の周囲に送られる、請求項34または35に記載のガスセンサ。
【請求項40】
前記第1と第2の放射線源はプリント回路板の両側に搭載され、
前記プリント回路板は貫通する穴を含み、
前記第1と第2の放射線源は前記穴の両端に配置される、請求項34乃至39のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項41】
前記第1の放射線源または前記第2の放射線源のいずれかからの放射線が前記検出器により検出され得るように、前記第1と第2の放射線源を交互にパルス動作させるように動作可能な電子回路を含む、請求項34乃至40のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項42】
請求項34乃至41のいずれか一項または請求項1乃至15のいずれか一項とに記載のガスセンサ。
【請求項43】
放射線源と、前記放射線源から発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、複数の反射壁を有する放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、
前記放射線ガイドはほぼL字形反射面を有する2つの当接する放射線ガイド部分により画定される、ガスセンサ。
【請求項44】
少なくとも1つの反射面を含む2つ以上のL字形放射線ガイドを含む光吸収ガスセンサの製造方法であって、
放射線ガイドを形成し2つ以上のL字形放射線ガイド部分の前記反射面が前記放射線ガイドの内面を形成するように前記2つ以上のL字形放射線ガイド部分を接合する工程を含む、方法。
【請求項45】
放射線源と前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、導電面を有する放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサであって、
前記放射線源および/または前記検出器はその面上に電気的接続を有する放射線ガイド対向面を有し、
前記放射線ガイドは、前記導電面の少なくとも一部を形成する支持要素対向面と、前記放射線源に隣接する前記支持要素対向面内の凹部、および/または前記検出器に隣接する前記支持要素対向面内の凹部と、を含む、ガスセンサ。
【請求項1】
放射線源と、前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、前記放射線源と前記検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドとを含むガスセンサであって、
前記放射線ガイドはほぼ矩形断面を有する曲線部を含み、
前記放射線ガイドの前記曲線部は前記矩形断面の辺の1つに平行な軸の周囲で湾曲する、ガスセンサ。
【請求項2】
前記ほぼ矩形の断面は大きい寸法と小さい寸法を有するほぼ長方形の断面である、請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記放射線ガイドの前記曲線部は前記ほぼ矩形の断面の大きい寸法に平行な軸の周囲で湾曲する、請求項2に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記放射線ガイドは前記放射線源により発射される放射線を少なくとも部分的に平行にするように動作可能なコリメータを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記放射線ガイドは大きい寸法を含み、
前記放射線源により発射される放射線は主に前記放射線ガイドの前記大きい寸法に平行な単一方向に前記コリメータによりほぼ平行にされる、請求項4に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記コリメータは放物面反射器を含む、請求項4または5に記載のガスセンサ。
【請求項7】
前記放射線ガイドは前記検出器上に放射線を集光するように動作可能な集光装置を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項8】
前記放射線ガイドは大きい寸法を含み、
前記放射線ガイドから前記集光装置に入射する放射線は前記放射線ガイドの前記大きい寸法に平行な単一方向において前記検出器上に主に集光される、請求項7に記載のガスセンサ。
【請求項9】
前記集光装置は放物面反射器を含む、請求項7または8に記載のガスセンサ。
【請求項10】
前記放射線ガイドは、前記放射線源により発射される放射線を反射するように動作可能であり入射放射線の少なくとも1%を吸収する材料で形成された内面を有する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項11】
前記放射線源と前記検出器は互いに隣接する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項12】
前記放射線ガイドに沿った前記放射線源と前記検出器との間の放射線の最短経路長は前記放射線源と前記検出器との間の間隔の少なくとも10倍である、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項13】
前記放射線源と前記検出器は互いに熱的に連通する、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項14】
前記放射線ガイドは複数の前記曲線部を含む、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項15】
前記放射線ガイドは逆向きに湾曲する第1と第2の曲線部を含む、請求項14に記載のガスセンサ。
【請求項16】
前記放射線ガイドは、第1の向きに湾曲する第1の曲線部と、前記第1の曲線部よりさらに前記放射線ガイドに沿って(前記放射線源から前記検出器まで測定された)第2の逆向きに湾曲する第2の曲線部と、前記第2の曲線部よりさらに前記放射線ガイドに沿って(前記放射線源から前記検出器まで測定された)前記第1の向きに湾曲する第3の曲線部と、を含む、請求項15に記載のガスセンサ。
【請求項17】
前記第1と第3の曲線部はそれぞれ少なくとも10°だけ前記第1の向きに湾曲し、
前記第2の曲線部は少なくとも180°の間ほぼ一定の湾曲で前記反対の向きに湾曲する、請求項16に記載のガスセンサ。
【請求項18】
前記放射線ガイドは対称面を有する、請求項1乃至17のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項19】
前記放射線源と前記検出器との間で少なくとも90°だけ平均照射方向を変える請求項1乃至18のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項20】
前記放射線ガイドの前記湾曲全体の大きさは少なくとも90°であり720°未満である、請求項1乃至19のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項21】
前記放射線ガイドの前記曲線部または各曲線部は通常、内壁が前記曲線部の内側の弧線を描き前記対向外壁が前記曲線部の外側の弧線を描くように前記内壁と前記対向外壁とを含み、
1つまたは複数の前記曲線部の前記内壁は前記放射線ガイド内にガス試料を入れるために吸気口を含む、請求項1乃至20のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項22】
前記放射線ガイドは前記放射線源および/または検出器に隣接する凹部を有し、
前記放射線源および/または検出器は放射線ガイド対向面と前記それぞれの放射線ガイド対向面上の電気的接続とを有する、請求項1乃至21のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項23】
前記放射線ガイドを含むまたは前記放射線ガイドからなる放射線ガイド要素と前記放射線源および/または前記検出器を含む支持要素とを含む請求項1乃至22のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記放射線ガイド要素または前記支持要素は、前記放射線ガイド要素に対し前記支持要素を位置決めしこれにより前記検出器と前記放射線源を前記放射線ガイドに整列させるように構成された複数の位置決め要素を含んでもよい、ガスセンサ。
【請求項24】
前記放射線ガイドまたは前記支持要素は3つの位置決め要素を含む、請求項23に記載のガスセンサ。
【請求項25】
前記放射線ガイドまたは前記支持要素は前記放射線ガイド要素に向けて前記支持要素を付勢する付勢手段を含む、請求項23または24に記載のガスセンサ。
【請求項26】
放射線源と前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、前記放射線源と前記検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサであって、
前記支持要素または前記放射線ガイド要素は、前記放射線ガイド要素に対して前記支持要素を位置決めしこれにより前記放射線源と前記検出器を前記放射線ガイドに整列させるように構成された複数の位置決め要素を含む、ガスセンサ。
【請求項27】
3つの位置決め要素を含む請求項24に記載のガスセンサ。
【請求項28】
前記放射線ガイド要素に向けて前記支持要素を付勢する付勢手段を含む請求項26または27に記載のガスセンサ。
【請求項29】
放射線源と、前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、前記放射線源と前記検出器との間に放射線を誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、
前記検出器は前記放射線源により発射されるものと異なる波長スペクトルを有する放射線を発射するように動作可能であり、
前記放射線源は前記検出器により発射される放射線を検出するように動作可能である、ガスセンサ。
【請求項30】
前記放射線源と前記検出器を2つのモードで動作させるように動作可能な電子回路をさらに含む請求項29に記載のガスセンサであって、
第1のモードでは、前記放射線源は放射線を発射し、前記放射線は測定信号を供給するために前記検出器により検出され、第2のモードでは、前記検出器は放射線を発射し、前記放射線は基準信号を供給するために前記放射線源により検出されるようにした、ガスセンサ。
【請求項31】
前記検出器により発射され前記放射線源により検出される放射線は基準信号を供給し、前記放射線源により発射され前記検出器により検出される放射線は測定信号を供給する、請求項29または30に記載のガスセンサ。
【請求項32】
前記検出器と前記放射線源は様々なピーク波長を有する放射線を発射する、請求項29乃至31のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項33】
請求項29乃至32のいずれか一項または請求項1乃至25のいずれか一項とに記載のガスセンサ。
【請求項34】
第1の放射線源と、第2の放射線源と、前記第1の放射線源と前記第2の放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、前記第1の放射線源と前記第2の放射線源からの放射線を前記検出器に誘導するように動作可能な放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、
前記第2の放射線源から発射される放射線は、前記第1の放射線源の周囲にまたはそれを貫通してのいずれかまたは両方で延在する経路に沿って誘導される、ガスセンサ。
【請求項35】
前記第2の放射線源は様々な波長スペクトルを有する放射線を前記第1の放射線源へ発射する、請求項34に記載のガスセンサ。
【請求項36】
前記第2の放射線源から発射される放射線は前記第1の放射線源を貫通する経路に沿って誘導される、請求項34または35に記載のガスセンサ。
【請求項37】
前記検出器に到達する前記第2の放射線源からの前記放射線のほぼ大部分またはすべては前記第1の放射線源を貫通する、請求項34乃至36のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項38】
前記第2の放射線源により発射される前記放射線の少なくとも1%は前記第1の放射線源を透過する、請求項36または37に記載のガスセンサ。
【請求項39】
前記第2の放射線源から発射される放射線は前記第1の放射線源の周囲に送られる、請求項34または35に記載のガスセンサ。
【請求項40】
前記第1と第2の放射線源はプリント回路板の両側に搭載され、
前記プリント回路板は貫通する穴を含み、
前記第1と第2の放射線源は前記穴の両端に配置される、請求項34乃至39のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項41】
前記第1の放射線源または前記第2の放射線源のいずれかからの放射線が前記検出器により検出され得るように、前記第1と第2の放射線源を交互にパルス動作させるように動作可能な電子回路を含む、請求項34乃至40のいずれか一項に記載のガスセンサ。
【請求項42】
請求項34乃至41のいずれか一項または請求項1乃至15のいずれか一項とに記載のガスセンサ。
【請求項43】
放射線源と、前記放射線源から発射される放射線を検出するように動作可能な検出器と、複数の反射壁を有する放射線ガイドと、を含むガスセンサであって、
前記放射線ガイドはほぼL字形反射面を有する2つの当接する放射線ガイド部分により画定される、ガスセンサ。
【請求項44】
少なくとも1つの反射面を含む2つ以上のL字形放射線ガイドを含む光吸収ガスセンサの製造方法であって、
放射線ガイドを形成し2つ以上のL字形放射線ガイド部分の前記反射面が前記放射線ガイドの内面を形成するように前記2つ以上のL字形放射線ガイド部分を接合する工程を含む、方法。
【請求項45】
放射線源と前記放射線源により発射される放射線を検出するように動作可能な検出器とを含む支持要素と、導電面を有する放射線ガイドを含む放射線ガイド要素と、を含むガスセンサであって、
前記放射線源および/または前記検出器はその面上に電気的接続を有する放射線ガイド対向面を有し、
前記放射線ガイドは、前記導電面の少なくとも一部を形成する支持要素対向面と、前記放射線源に隣接する前記支持要素対向面内の凹部、および/または前記検出器に隣接する前記支持要素対向面内の凹部と、を含む、ガスセンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図7】
【公表番号】特表2013−517467(P2013−517467A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548482(P2012−548482)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050077
【国際公開番号】WO2011/086394
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512186748)ガス・センシング・ソリューションズ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GAS SENSING SOLUTIONS LTD.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【国際出願番号】PCT/GB2011/050077
【国際公開番号】WO2011/086394
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(512186748)ガス・センシング・ソリューションズ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】GAS SENSING SOLUTIONS LTD.
【Fターム(参考)】
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