説明

放射線治療装置制御装置および放射線照射方法

【課題】被検体の所定位置をより高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させること。
【解決手段】治療用放射線23を放射する治療用放射線照射装置16と、治療用放射線照射装置16に固定されるイメージャ24、25、32、33と、被検体43が配置されるカウチ41を駆動する駆動装置11、15、42とを備えている放射線治療装置3を制御する放射線治療装置制御装置2であり、イメージャ16、24、25、31、32、33により撮像された参照イメージャ画像を収集する参照画像作成部56と、イメージャ24、25、32、33により被検体43の撮像イメージャ画像を撮像する透過画像撮像部と、被検体43の特徴点が撮像イメージャ画像に映し出される位置と参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置とに基づいて治療用放射線照射装置16に対するカウチ41の相対位置が適正かどうかを判別する患部位置制御部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線治療装置制御装置および放射線照射方法に関し、特に、患部に放射線を照射することにより患者を治療するときに利用される放射線治療装置制御装置および放射線照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
患部(腫瘍)に放射線を照射することにより患者を治療する放射線治療が知られている。その放射線治療は、治療効果が高いことが望まれ、その放射線は、患部の細胞に照射される線量に比較して、正常な細胞に照射される線量がより小さいことが望まれている。
【0003】
特許第3746747号公報には、放射線の照射治療中においても、リアルタイムに治療野の状態をモニタすることが可能な放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、被検体の治療野へ治療用放射線を照射する放射線照射ヘッドと、前記被検体の前記治療野に診断用X線を照射するX線源と、前記被検体を透過した前記診断用X線の透過X線を検出して、診断画像データとして出力するセンサアレイと、を具備し、前記センサアレイは、前記放射線照射ヘッドの移動に連動して動く。
【0004】
特開2004−121406号公報には、放射線の照射対象を放射線照射範囲内に容易に位置決めすることのできる放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、放射線とレーザ光線とを同軸に出射する放射線発生装置と、前記放射線と前記レーザ光線が同軸に出射される照射軸が1点で交わるようにアイソセンタを中心に所定の半径の軌道に沿って前記放射線発生装置を移動させるガイドと、前記アイソセンタを通る傾倒軸を中心に前記ガイドを回転させる支持部材と、互いに交差する2つの回動軸で前記放射線発生装置を枢支して前記ガイドに沿って移動する可動部材と、前記アイソセンタとこの近傍に配置される前記放射線の照射対象とを含む範囲の透視画像の情報を検出する検出器と、前記検出器が複数の方位でそれぞれ検出した複数の前記透視画像の情報と前記アイソセンタに対して前記透視画像を検出した方位の情報とを基に前記アイソセンタの位置と前記照射対象の位置との相対位置関係を演算する解析装置と、前記相対位置関係を基に前記放射線発生装置を移動させる制御装置とを備えることを特徴としている。
【0005】
特許第3053389号公報には、体幹部内で動き回る腫瘍の位置を実時間で、かつ自動的に算出し、機構系の絶対精度に依存せずに実質必要な精度を確保することができる動体追跡照射装置が開示されている。その動体追跡照射装置は、腫瘍に治療ビームを照射するライナックと、腫瘍近傍に埋め込まれた腫瘍マーカと、前記腫瘍マーカを第1の方向から撮像する第1のX線透視装置と、前記腫瘍マーカを第2の方向から前記第1のX線透視装置と同時に撮像する第2のX線透視装置と、前記第1及び第2のX線透視装置から出力される第1及び第2の透視映像をデジタイズする第1及び第2の画像入力部と、前記第1及び第2の画像入力部によってデジタイズされた画像情報に予め登録された腫瘍マーカのテンプレート画像を作用させた濃淡正規化相互相関法によるテンプレートマッチングを所定フレームレートの実時間レベルで実行し、前記腫瘍マーカの第1及び第2の2次元座標を求める第1及び第2の認識処理部と、前記第1及び第2の認識処理部で算出された第1及び第2の2次元座標より前記腫瘍マーカの3次元座標を計算する中央演算処理部と、前記求めた腫瘍マーカの3次元座標により前記ライナックの治療ビーム照射を制御する照射制御部とを備えたことを特徴としている。
【0006】
特許第3432268号公報には、放射線治療を行うときに被検体の体動に因る照射計画の精度低下を解消することができる放射線治療システムが開示されている。その放射線治療システムは、放射線を被検体に照射して放射線治療を行う放射線治療システムにおいて、前記被検体のCT画像の取得と並行して検出される当該被検体の体動変化に応じた生体データと前記CT画像との両位相を対応付ける位相特定手段と、この位相特定手段により前記生体データの位相に対応付けられる前記CT画像に基づき、前記放射線の照射野を調整するためのコリメータの開閉データを含む治療計画データを作成する計画データ作成手段と、前記CT画像の位相に対応付けられた前記生体データと前記放射線治療を行うときに得られる前記被検体の体動変化に応じた生体データとの間の相関性を判定する判定手段と、この判定手段により判定結果に応じて前記開閉データに基づく前記コリメータの開閉制御を行うコリメータ制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
【特許文献1】特許第3746747号公報
【特許文献2】特開2004−121406号公報
【特許文献3】特許第3053389号公報
【特許文献4】特許第3432268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、被検体の所定位置をより高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させる治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、被検体の所定位置を放射線治療装置の所定位置に合致させるユーザの操作を容易にする治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、被検体の所定位置をより高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるときの被検体の負担を軽減する治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、被検体の所定の3次元位置をより高精度に放射線治療装置の所定の3次元位置に合致させる治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、被検体の所定位置を高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるコストを低減する治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、被検体の所定位置を高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるシステムの構築にかかるコストを低減する治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
本発明のさらに他の課題は、被検体の所定位置を高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるシステムを配置するスペースを省スペース化する治療装置制御装置および放射線照射方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、治療用放射線(23)を放射する治療用放射線照射装置(16)と、被検体(43)を透過する放射線により被検体(43)のイメージャ画像を生成するイメージャ(16、24、25、31、32、33)と、被検体(43)が配置されるカウチ(41)を治療用放射線照射装置(16)に対して移動する駆動装置(11、15、42)とを備えている放射線治療装置(3)を制御する。本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、イメージャ(16、24、25、31、32、33)により撮像された参照イメージャ画像を収集する参照画像作成部(56)と、イメージャ(16、24、25、31、32、33)により被検体(43)の撮像イメージャ画像を撮像する透過画像撮像部(55)と、被検体(43)が備えている特徴点が撮像イメージャ画像に映し出される位置と参照イメージャ画像にその特徴点が映し出される位置とに基づいて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置が適正かどうかを判別する患部位置制御部(57)とを備えていることが好ましい。このとき、その撮像イメージャ画像の画質(たとえば、解像度、分解能)は、その参照イメージャ画像の画質に一致している。このため、放射線治療装置制御装置(2)は、被検体(43)の所望の一部分だけに治療用放射線(23)が照射されるように、治療用放射線照射装置(16)に対する被検体(43)の相対位置をより高精度に制御することができる。患部位置制御部(57)は、被検体(43)が備えている特徴点が撮像イメージャ画像に映し出される位置と参照イメージャ画像にその特徴点が映し出される位置とに基づいて駆動装置(11、15、42)を用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更することが好ましい。
【0011】
その参照イメージャ画像は、被検体(43)の一部分が治療用放射線(23)に照射されるように被検体(43)が配置されたときにイメージャ(16、24、25、31、32、33)により撮像される。このとき、患部位置制御部(57)は、その撮像イメージャ画像を撮像するときの治療用放射線照射装置(16)に対するイメージャ(16、24、25、31、32、33)の相対位置がその参照イメージャ画像を撮像するときの治療用放射線照射装置(16)に対するイメージャ(16、24、25、31、32、33)の相対位置に一致するときに、被検体(43)が備える特徴点がその撮像イメージャ画像に映し出される位置が参照イメージャ画像にその特徴点が映し出される位置に一致するように、駆動装置(11、15、42)を用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更する。このとき、放射線治療装置制御装置(2)は、その一部分に治療用放射線(23)が照射されるように、治療用放射線照射装置(16)に対する被検体(43)の相対位置をより高精度に制御することができる。
【0012】
患部位置制御部(57)は、その参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と被検体(43)の一部分の位置との関係に基づいて、その撮像イメージャ画像にその特徴点が映し出される位置から算出されるその一部分の位置が治療用放射線(23)に照射されるように駆動装置(11、15、42)を用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更することが好ましい。
【0013】
駆動装置(11、15、42)は、カウチ(41)を移動するカウチ駆動装置(42)と、治療用放射線照射装置(16)を移動する照射装置駆動装置(11、15)とを含んでいる。このとき、患部位置制御部(57)は、照射装置駆動装置(11、15)を優先して用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更する。このような制御は、被検体(43)の負担を軽減することができる。
【0014】
イメージャ(16、24、25、31、32、33)は、第1イメージャ(16、24、31、32)と第2イメージャ(25、33)とを含んでいる。参照イメージャ画像は、第1イメージャ(16、24、31、32)により撮像された第1参照イメージャ画像と、第2イメージャ(25、33)により撮像された第2参照イメージャ画像とを含んでいる。撮像イメージャ画像は、第1イメージャ(16、24、31、32)により撮像される第1撮像イメージャ画像と、第2イメージャ(25、33)により撮像される第2撮像イメージャ画像とを含んでいる。このとき、患部位置制御部(57)は、第1撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と、第1参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と、第2撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と、第2参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置とに基づいて、駆動装置(11、15、42)を用いて被検体(43)を移動する。参照イメージャ画像と撮像イメージャ画像とが複数であることによれば、被検体(43)の特徴点は、立体視されることができ、放射線治療装置制御装置(2)は、被検体(43)の所望の一部分の位置をより正確に算出することができ、治療用放射線(23)をより正確に被検体(43)の所望の一部分だけに照射することができ、好ましい。イメージャ(16、24、25、31、32、33)は、治療用放射線(23)によりその参照イメージャ画像または撮像イメージャ画像を生成するイメージャ(16、31)を含んでいることが好ましい。
【0015】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、イメージャ(16、24、25、31、32、33)により撮像された透過画像に基づいて被検体(43)の3次元データを生成する3次元データ作成部と、その3次元データに基づいて2次元画像を作成する2次元画像作成部(54)とをさらに備えていることが好ましい。このとき、患部位置制御部(57)は、その撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と2次元画像に特徴点が映し出される位置とに基づいて駆動装置(11、15、42)を用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更する。このとき、放射線治療装置制御装置(2)は、その参照イメージャ画像が撮像されていないときにも、治療用放射線(23)が患部に照射されるように放射線治療装置(3)を制御することができる。
【0016】
本発明による放射線治療装置制御装置(2)は、放射線治療装置(3)と別個に設けられる3次元撮像装置(5)により生成される被検体(43)の3次元データを収集する3次元データ収集部(51)と、その3次元データに基づいて2次元画像を作成する2次元画像作成部(54)とをさらに備えていることが好ましい。このとき、患部位置制御部(57)は、撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置が2次元画像に特徴点が映し出される位置に一致するように、駆動装置(11、15、42)を用いて被検体(43)を移動する。このとき、放射線治療装置制御装置(2)は、その参照イメージャ画像が撮像されていないときにも、治療用放射線(23)が患部に当たるように放射線治療装置(3)を制御することができる。
【0017】
参照イメージャ画像と撮像イメージャ画像とは、被検体(43)を識別する識別情報に対応付けて記憶装置に記録されることが好ましい。
【0018】
本発明による放射線治療システム(1)は、本発明による放射線治療装置制御装置(2)と、放射線治療装置(3)とを備えていることが好ましい。
【0019】
本発明による放射線照射方法は、治療用放射線(23)を放射する治療用放射線照射装置(16)と、被検体(43)を透過する放射線により被検体(43)のイメージャ画像を生成するイメージャ(16、24、25、31、32、33)と、被検体(43)が配置されるカウチ(41)を治療用放射線照射装置(16)に対して移動する駆動装置(11、15、42)とを備えている放射線治療装置(3)を用いて治療用放射線(23)を照射する方法である。本発明による放射線照射方法は、イメージャ(16、24、25、31、32、33)により撮像された参照イメージャ画像を収集するステップと、イメージャ(16、24、25、31、32、33)により被検体(43)の撮像イメージャ画像を撮像するステップと、被検体(43)が備えている特徴点が撮像イメージャ画像に映し出される位置と参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置とに基づいて、治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置が適正であるかどうかを判別ステップとを備えていることが好ましい。このとき、その撮像イメージャ画像の画質(たとえば、解像度、分解能)は、その参照イメージャ画像の画質に一致している。このため、このような放射線照射方法によれば、被検体(43)の所望の一部分だけに治療用放射線(23)が照射されるように、治療用放射線照射装置(16)に対する被検体(43)の相対位置をより高精度に制御することができる。本発明による放射線照射方法は、被検体(43)が備えている特徴点が撮像イメージャ画像に映し出される位置と参照イメージャ画像にその特徴点が映し出される位置とに基づいて駆動装置(11、15、42)を用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更するステップをさらに備えていることが好ましい。
【0020】
その参照イメージャ画像は、被検体(43)の一部分が治療用放射線(23)に照射されるように被検体(43)が配置されたときにイメージャ(16、24、25、31、32、33)により撮像される。治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置は、その撮像イメージャ画像を撮像するときの治療用放射線照射装置(16)に対するイメージャ(16、24、25、31、32、33)の相対位置がその参照イメージャ画像を撮像するときの治療用放射線照射装置(16)に対するイメージャ(16、24、25、31、32、33)の相対位置に一致するときに、被検体(43)が備える特徴点がその撮像イメージャ画像に映し出される位置が参照イメージャ画像にその特徴点が映し出される位置に一致するように、駆動装置(11、15、42)を用いて変更される。このような放射線照射方法は、その一部分に治療用放射線(23)が照射されるように、治療用放射線照射装置(16)に対する被検体(43)の相対位置をより高精度に制御することができる。
【0021】
本発明による放射線照射方法は、その参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と被検体(43)の一部分の位置との関係に基づいて、その撮像イメージャ画像にその特徴点が映し出される位置から算出されるその一部分の位置が治療用放射線(23)に照射されるように駆動装置(11、15、42)を用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更するステップをさらに備えていることが好ましい。
【0022】
駆動装置(11、15、42)は、カウチ(41)を移動するカウチ駆動装置(42)と、治療用放射線照射装置(16)を移動する照射装置駆動装置(11、15)とを含んでいる。このとき、照射装置駆動装置(11、15)は、治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更するときに、カウチ駆動装置(42)より優先して用いられる。このような放射線照射方法は、被検体(43)の負担を軽減することができる。
【0023】
イメージャ(16、24、25、31、32、33)は、第1イメージャ(16、24、31、32)と第2イメージャ(25、33)とを含んでいる。参照イメージャ画像は、第1イメージャ(16、24、31、32)により撮像された第1参照イメージャ画像と、第2イメージャ(25、33)により撮像された第2参照イメージャ画像とを含んでいる。撮像イメージャ画像は、第1イメージャ(16、24、31、32)により撮像される第1撮像イメージャ画像と、第2イメージャ(25、33)により撮像される第2撮像イメージャ画像とを含んでいる。このとき、本発明による放射線照射方法は、さらに、第1撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と、第1参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と、第2撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置と、第2参照イメージャ画像に特徴点が映し出される位置とに基づいて、駆動装置(11、15、42)を用いて被検体(43)を移動するステップを備えている。参照イメージャ画像と撮像イメージャ画像とが複数であることによれば、被検体(43)の特徴点は、立体視されることができ、放射線治療装置制御装置(2)は、被検体(43)の所望の一部分の位置をより正確に算出することができ、治療用放射線(23)をより正確に被検体(43)の所望の一部分だけに照射することができ、好ましい。イメージャ(16、24、25、31、32、33)は、治療用放射線(23)によりその参照イメージャ画像または撮像イメージャ画像を生成することが好ましい。
【0024】
本発明による放射線照射方法は、イメージャ(16、24、25、31、32、33)により撮像された透過画像に基づいて被検体(43)の3次元データを生成するステップと、その3次元データに基づいて2次元画像を作成するステップと、その撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置とその2次元画像に特徴点が映し出される位置とに基づいて駆動装置(11、15、42)を用いて治療用放射線照射装置(16)に対するカウチ(41)の相対位置を変更するステップとを備えていることが好ましい。このような放射線照射方法は、その参照イメージャ画像が撮像されていないときにも、治療用放射線(23)が患部に当たるように放射線治療装置(3)を制御することができる。
【0025】
本発明による放射線照射方法は、放射線治療装置(3)と別個に設けられる3次元撮像装置(5)により生成される被検体(43)の3次元データを収集するステップと、その3次元データに基づいて2次元画像を作成するステップと、その撮像イメージャ画像に特徴点が映し出される位置が2次元画像に特徴点が映し出される位置に一致するように、駆動装置(11、15、42)を用いて被検体(43)を移動するステップとをさらに備えていることが好ましい。このような放射線照射方法は、その参照イメージャ画像が撮像されていないときにも、治療用放射線(23)が患部に当たるように放射線治療装置(3)を制御することができる。
【0026】
本発明による放射線照射方法は、参照イメージャ画像と撮像イメージャ画像とを被検体(43)を識別する識別情報に対応付けて記憶装置に記録するステップをさらに備えていることが好ましい。
【0027】
本発明によるコンピュータプログラムは、本発明による放射線照射方法をコンピュータ(2)に実行させることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線照射方法は、治療用放射線が照射される位置に被検体の所定の位置をより高精度に合致させることができる。
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線照射方法は、被検体の所定位置を放射線治療装置の所定位置に合致させるユーザの操作を容易にすることができる。
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線照射方法は、被検体の所定位置をより高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるときの被検体の負担を軽減することができる。
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線照射方法は、被検体の所定の3次元位置をより高精度に放射線治療装置の所定の3次元位置に合致させることができる。
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線照射方法は、被検体の所定位置を高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるコストを低減することができる。
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線照射方法は、被検体の所定位置を高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるシステムの構築にかかるコストを低減することができる。
本発明による放射線治療装置制御装置および放射線照射方法は、被検体の所定位置を高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させるシステムを配置するスペースを省スペース化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
図面を参照して、本発明による放射線治療システムの実施の形態を記載する。その放射線治療システム1は、図1に示されているように、放射線治療装置制御装置2と放射線治療装置3とCT(コンピュータ断層撮影装置)5とを備えている。放射線治療装置制御装置2は、パーソナルコンピュータに例示されるコンピュータである。放射線治療装置制御装置2は、双方向に情報を伝送することができるように放射線治療装置3およびCT5に接続されている。
【0030】
CT5は、各方向からX線を人体に透過させて複数の透過画像を撮影し、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理してその人体の断面の画像を生成し、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理してその人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。なお、CT5は、人体の内部の3次元の状態を測定する他の装置に置換することでき、たとえば、MRI装置に置換することができる。そのMRI装置は、核磁気共鳴を利用して人体の細胞が有する磁気を検出し、その磁気をコンピュータにより画像化し、その人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。
【0031】
図2は、放射線治療装置3を示している。放射線治療装置3は、旋回駆動装置11とOリング12と走行ガントリ14と首振り機構15と治療用放射線照射装置16とを備えている。旋回駆動装置11は、回転軸17を中心に回転可能にOリング12を土台に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されて回転軸17を中心にOリング12を回転させる。回転軸17は、鉛直方向に平行である。Oリング12は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、回転軸18を中心に回転可能に走行ガントリ14を支持している。回転軸18は、鉛直方向に垂直であり、回転軸17に含まれるアイソセンタ19を通る。回転軸18は、さらに、Oリング12に対して固定され、すなわち、Oリング12が回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させるとともに、回転軸18を中心に回転する。走行ガントリ14は、回転軸18を中心とするリング状に形成され、Oリング12のリングと同心円になるように配置されている。放射線治療装置3は、さらに、図示されていない走行駆動装置を備えている。その走行駆動装置は、放射線治療装置制御装置2により制御されて回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる。
【0032】
首振り機構15は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、治療用放射線照射装置16を走行ガントリ14に支持している。首振り機構15は、パン軸21およびチルト軸22を有している。パン軸21は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。チルト軸22は、走行ガントリ14に対して固定され、パン軸21に直交している。首振り機構15は、放射線治療装置制御装置2により制御されて、パン軸21を中心に治療用放射線照射装置16を回転させ、チルト軸22を中心に治療用放射線照射装置16を回転させる。治療用放射線照射装置16は、放射線治療装置制御装置2により制御されて、治療用放射線23を放射する。
【0033】
治療用放射線23は、このように治療用放射線照射装置16が走行ガントリ14に支持されることにより、首振り機構15で治療用放射線照射装置16がアイソセンタ19に向かうように一旦調整されると、旋回駆動装置11によりOリング12が回転し、または、その走行駆動装置により走行ガントリ14が回転しても、常に概ねアイソセンタ19を通る。
【0034】
放射線治療装置3は、さらに、複数のイメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置3は、線源駆動装置37、38と診断用X線源24、25とセンサアレイ駆動装置27、28とセンサアレイ32、33とを備えている。線源駆動装置37は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、診断用X線源24を走行ガントリ14に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されて診断用X線源24を走行ガントリ14に対して移動させる。診断用X線源24は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源24は、放射線治療装置制御装置2により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線35を放射する。診断用X線35は、診断用X線源24が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。線源駆動装置38は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、診断用X線源25を走行ガントリ14に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されて診断用X線源24を走行ガントリ14に対して移動させる。診断用X線源25は、走行ガントリ14のリングの内側に配置され、アイソセンタ19から診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置されている。診断用X線源25は、放射線治療装置制御装置2により制御されてアイソセンタ19に向けて診断用X線36を放射する。診断用X線36は、診断用X線源25が有する1点から放射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。
【0035】
センサアレイ駆動装置27は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、センサアレイ32を走行ガントリ14に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されてセンサアレイ32を走行ガントリ14に対して移動させる。センサアレイ駆動装置28は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、センサアレイ33を走行ガントリ14に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されてセンサアレイ33を走行ガントリ14に対して移動させる。センサアレイ32は、診断用X線源24により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線35を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ33は、診断用X線源25により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した診断用X線36を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ32、33としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。
【0036】
このようなイメージャシステムによれば、センサアレイ32、33は、各々、線源駆動装置37、38により診断用X線源24、25が移動されてもセンサアレイ駆動装置27、28により適宜移動されてアイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。
【0037】
放射線治療装置3は、さらに、センサアレイ駆動装置26とセンサアレイ31とを備えている。センサアレイ駆動装置26は、走行ガントリ14のリングの内側に固定され、センサアレイ31を走行ガントリ14に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されてセンサアレイ31を走行ガントリ14に対して移動させる。センサアレイ31は、治療用放射線照射装置16により放射されてアイソセンタ19の周辺の被写体を透過した治療用放射線23を受光して、その被写体の透過画像を生成する。センサアレイ31としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。このとき、センサアレイ31は、首振り機構15により治療用放射線照射装置16が移動されても、センサアレイ駆動装置26により適宜移動されてアイソセンタ19を中心とする透過画像を生成することができる。
【0038】
なお、診断用X線源24は、アイソセンタ19から診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鈍角になるような位置に配置されることもできる。すなわち、センサアレイ32は、アイソセンタ19からセンサアレイ32を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置される。診断用X線源25は、アイソセンタ19から診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鈍角になるような位置に配置されることもできる。すなわち、センサアレイ33は、アイソセンタ19からセンサアレイ33を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とがなす角が鋭角になるような位置に配置される。このとき、センサアレイ32、33は、治療用放射線照射装置16から放射される治療用放射線23に照射されにくく、好ましい。
【0039】
なお、線源駆動装置37、38は、それぞれ、診断用X線源24、25を治療用放射線照射装置16に支持することもできる。このとき、放射線治療装置3は、首振り機構15により治療用放射線照射装置16が移動されたときでも、治療用放射線照射装置16との相対位置が一定になり、診断用X線源24、25の位置を制御することがより容易になり、好ましい。
【0040】
放射線治療装置3は、さらに、カウチ41とカウチ駆動装置42とを備えている。カウチ41は、放射線治療システム1により治療される患者43が横臥することに利用される。カウチ41は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、その患者が動かないように、その患者をカウチ41に固定する。カウチ駆動装置42は、カウチ41を土台に支持し、放射線治療装置制御装置2により制御されてカウチ41を移動させる。
【0041】
図3は、放射線治療装置制御装置2を示している。放射線治療装置制御装置2は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、放射線治療装置制御装置2にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置と出力装置とを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUに利用される情報を記録し、そのCPUにより生成される情報を記録する。その入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボード、マウスが例示される。その出力装置は、そのCPUにより生成された情報をユーザに認識可能に出力する。その出力装置としては、ディスプレイが例示される。そのインターフェースは、放射線治療装置制御装置2に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。
【0042】
放射線治療装置制御装置2は、コンピュータプログラムである3次元データ収集部51と治療計画部52とイメージャ位置制御部53とDRR画像作成部54と透過画像撮像部55と参照画像作成部56と患部位置制御部57と照射位置制御部58と治療用放射線照射部59とを備えている。
【0043】
3次元データ収集部51は、CT5により生成された患者43の患部とその患部の周辺の臓器と位置関係を示す3次元データをCT5から収集して、その3次元データを患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。なお、3次元データ収集部51は、各方向からX線を患者43に透過させて撮影された複数の透過画像をCT5から収集し、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理して患者43の断面の画像を生成し、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理して患者43の内部の状態を示す3次元データを生成することもできる。
【0044】
治療計画部52は、3次元データ収集部51により収集された3次元データとユーザ(医者)により入力された情報とに基づいて、治療計画を作成して、その治療計画を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。その治療計画は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する照射角度と、その各照射角度から照射する治療用放射線23の線量および性状とを示している。その治療計画は、さらに、治療用放射線23を各照射角度から照射するときに、診断用X線35、36が患者43を透過して撮像される透過画像が患者43の患部をより詳細に映し出すような診断用X線35、36を照射する撮像角度を示している。なお、その撮像角度は、その治療計画が示さなくてもよく、その治療計画と別途に放射線治療装置制御装置2に入力されることもできる。このとき、その撮像角度は、その医者と異なるユーザにより決定されてもよい。
【0045】
イメージャ位置制御部53は、治療計画部52により作成された治療計画により示される撮像角度で診断用X線35が患者43に照射されるように、線源駆動装置37を制御して診断用X線源24を移動させ、診断用X線35による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置27を制御してセンサアレイ32を移動させる。イメージャ位置制御部53は、さらに、その治療計画が示す撮像角度で診断用X線36が患者43に照射されるように、線源駆動装置38を制御して診断用X線源25を移動させ、診断用X線36による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置28を制御してセンサアレイ33を移動させる。イメージャ位置制御部53は、さらに、その撮像角度で診断用X線36が患者43に照射されるように、線源駆動装置38を制御して診断用X線源25を移動させ、診断用X線36による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置28を制御してセンサアレイ33を移動させる。イメージャ位置制御部53は、さらに、その治療計画が示す撮像角度で治療用放射線23が患者43に照射されるように、首振り機構15を制御して治療用放射線照射装置16を移動させ、治療用放射線23による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置26を制御してセンサアレイ31を移動させる。
【0046】
DRR画像作成部54は、3次元データ収集部51により収集された3次元データに基づいて、DRR画像を算出して、そのDRR画像を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。そのDRR画像は、治療計画部52により作成された治療計画により示される撮像角度からX線を透過したときに撮像される2次元画像を示している。DRR画像作成部54は、さらに、ユーザ(医者)により入力された情報に基づいて、そのDRR画像における患者43の特徴点が映し出される位置に印を付加する。
【0047】
透過画像撮像部55は、診断用X線源24を用いて診断用X線35を放射し、センサアレイ32を用いて診断用X線35に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。透過画像撮像部55は、さらに、診断用X線源25を用いて診断用X線36を放射し、センサアレイ33を用いて診断用X線35に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。透過画像撮像部55は、さらに、その透過画像を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。このように撮像された複数の透過画像によれば、患者43の特徴点の3次元位置を算出することができる。その特徴点としては、患者43の内臓のうちの透過画像に写りやすい部位(骨など)、患者43の患部に連動して動く部位に埋め込まれた金マーカが例示される。なお、透過画像撮像部55は、さらに、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23を放射し、センサアレイ31を用いて治療用放射線23に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像することもできる。治療用放射線23による透過画像をさらに用いることによれば、患者43の特徴点の3次元位置をより高精度に算出することができる。なお、透過画像撮像部55は、診断用X線35、36のうちの1つのX線による透過画像と治療用放射線23による透過画像とだけを撮像することもできる。このときも、この2つの透過画像を用いて患者43の特徴点の3次元位置を算出することができる。なお、透過画像撮像部55は、診断用X線35、36と治療用放射線23とのうちの1つのX線による透過画像だけを撮像することもできる。このとき、患者43の特徴点の3次元位置を算出することができない。
【0048】
参照画像作成部56は、透過画像撮像部55により撮像された透過画像を記憶装置から収集し、その透過画像に基づいて参照画像を作成する。その参照画像に作成される基となる透過画像は、その参照画像を用いて実行される治療動作より過去に撮像された透過画像であり、たとえば、以前の治療動作で患者43の患部が治療用放射線23に照射されるように配置されたときに透過画像撮像部55により撮像された撮像された透過画像である。参照画像作成部56は、さらに、ユーザ(医者)により入力された情報に基づいて、その参照画像のうちの患者43の特徴点が映し出される位置に印を付加する。
【0049】
患部位置制御部57は、透過画像撮像部55により撮像される透過画像とDRR画像作成部54により生成されたDRR画像とを比較して、患者43の患部が治療用放射線23に照射されるかどうかを判別する。患部位置制御部57は、さらに、透過画像撮像部55により撮像される透過画像とDRR画像作成部54により生成されたDRR画像とを比較して、患者43の患部が治療用放射線23に照射されるようなカウチ41のカウチ位置を算出する。たとえば、そのカウチ位置は、患者43の患部がアイソセンタ19に配置されるときのカウチ41の位置である。そのカウチ位置は、そのDRR画像に付加される印の位置とその透過画像に映し出される特徴点の位置とに基づいて算出されることができる。患部位置制御部57は、カウチ駆動装置42を用いて、カウチ41をその算出された位置に移動することにより患者43を移動させる。すなわち、患部位置制御部57は、患者43の患部が治療用放射線23に照射されるようにカウチ駆動装置42を用いて患者43を移動させる。たとえば、患部位置制御部57は、透過画像撮像部55により撮像される透過画像がDRR画像作成部54により生成されたDRR画像に一致するように、カウチ駆動装置42を用いて患者43を移動させる。たとえば、患部位置制御部57は、その透過画像に映し出される特徴点の位置とそのDRR画像に映し出される特徴点の位置との差異を算出する。たとえば、その差異は、その透過画像とそのDRR画像とを重ねたときに、その透過画像の特徴点に対するそのDRR画像の特徴点の方向と2つの特徴点の距離とを示している。患部位置制御部57は、その差異に基づいて患者43を移動させる方向と距離とを算出し、その方向と距離とに基づいてカウチ41を移動させる。
【0050】
患部位置制御部57は、さらに、透過画像撮像部55により撮像される透過画像と参照画像作成部56により生成された参照画像とを比較して、患者43の患部が治療用放射線23に照射されるようなカウチ41のカウチ位置を算出する。そのカウチ位置は、その参照画像に付加される印の位置とその透過画像に映し出される特徴点の位置とに基づいて算出されることができる。たとえば、患者43の患部は、治療法放射線照射装置16に対するイメージャシステムの相対位置がその参照画像が撮像されたときとその透過画像が撮像されたときとで一致し、かつ、その透過画像における特徴点の位置がその参照画像における特徴点の位置に一致しているときに、治療用放射線23に照射される。患部位置制御部57は、カウチ駆動装置42を用いて、カウチ41をその算出された位置に移動することにより患者43を移動させる。すなわち、患部位置制御部57は、患者43の患部が治療用放射線23に照射されるようにカウチ41を移動させる。たとえば、患部位置制御部57は、治療用放射線照射装置16に対するイメージャシステムの位置がその参照画像が撮像されたときとその透過画像が撮像されるときとで一致している場合に、透過画像撮像部55により撮像される透過画像が参照画像作成部56により生成された参照画像に一致するように、カウチ駆動装置42を用いて患者43を移動させる。たとえば、患部位置制御部57は、その透過画像に映し出される特徴点の位置とその参照画像に映し出される特徴点の位置との差異を算出する。たとえば、その差異は、その透過画像とその参照画像とを重ねたときに、その透過画像の特徴点に対するその参照画像の特徴点の方向と2つの特徴点の距離とを示している。患部位置制御部57は、その差異に基づいて患者43を移動させる方向と距離とを算出し、その方向と距離とに基づいてカウチ41を移動させる。
【0051】
なお、患部位置制御部57は、ユーザにより入力された情報に基づいてカウチ駆動装置42を用いて患者43を移動させることもできる。このとき、患部位置制御部57は、透過画像撮像部55により撮像される透過画像とDRR画像作成部54により生成されたDRR画像とをディスプレイに表示する。そのユーザは、その透過画像とそのDRR画像とを比較して、患者43を移動させる方向と距離とを放射線治療装置制御装置2に入力する。患部位置制御部57は、その入力された情報に基づいてカウチ駆動装置42を用いて患者43を移動させる。さらに、患部位置制御部57は、透過画像撮像部55により撮像される透過画像と参照画像作成部56により作成された参照画像とをディスプレイに表示する。そのユーザは、その透過画像とその参照画像とを比較して、患者43を移動させる方向と距離とを放射線治療装置制御装置2に入力する。患部位置制御部57は、その入力された情報に基づいてカウチ駆動装置42を用いて患者43を移動させる。
【0052】
なお、患部位置制御部57は、旋回駆動装置11または回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる走行駆動装置または首振り機構15をさらに用いて治療用放射線23に対する患者43の相対位置を制御することもできる。このとき、患部位置制御部57は、旋回駆動装置11またはその走行駆動装置または首振り機構15を、カウチ駆動装置42より優先して用いる。このような移動は、患者43の移動に関する負担を軽減することができ、好ましい。
【0053】
照射位置制御部58は、透過画像撮像部55により撮像される透過画像に映し出される患部の位置に基づいて患部の3次元位置を算出し、治療用放射線23がその3次元位置を透過するように、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を移動させる。なお、照射位置制御部58は、治療用放射線23がその3次元位置を透過するように、旋回駆動装置11または回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる走行駆動装置またはカウチ駆動装置42をさらに用いて、治療用放射線照射装置16を移動させることもできる。このとき、照射位置制御部58は、カウチ駆動装置42より、旋回駆動装置11または回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる走行駆動装置または首振り機構15を優先して用いる。このような移動は、患者43の移動に関する負担を軽減することができ、好ましい。
【0054】
治療用放射線照射部59は、照射位置制御部58により治療用放射線照射装置16を移動させた後に、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23をその患部に照射する。
【0055】
なお、放射線治療装置制御装置2は、互いに双方向に情報を伝送することができるように接続される複数のコンピュータから形成されることもできる。このとき、3次元データ収集部51と治療計画部52とイメージャ位置制御部53とDRR画像作成部54と透過画像撮像部55と参照画像作成部56と患部位置制御部57と照射位置制御部58と治療用放射線照射部59とは、それぞれ、その複数のコンピュータのうちのいずれかに備えられている。このとき、複数のユーザが別個の場所で放射線治療に関して作業することができる。たとえば、ユーザ(医者)が治療計画を作成するコンピュータと別のユーザ(技士)が放射線治療装置3を操作するコンピュータとを別個にすることができる。
【0056】
本発明による放射線照射方法の実施の形態は、放射線治療システム1により実行され、1人の患者43に関して、治療計画を作成する動作と、1回目の治療動作と、2回目以降の治療動作とを備えている。
【0057】
その治療計画を作成する動作では、まず、ユーザは、CT5を用いて患者43の患部とその患部の周辺の部位との3次元データを採取して、その3次元データを患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。放射線治療装置制御装置2は、CT5により生成された3次元データに基づいて、患者43の患部とその患部の周辺の臓器とを示す画像を生成する。ユーザは、放射線治療装置制御装置2を用いてその画像を閲覧し、その患部の位置を特定する。ユーザは、さらに、その画像に基づいて治療計画部52を活用して治療計画を作成し、その治療計画を放射線治療装置制御装置2に入力する。その治療計画は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する照射角度と、その各照射角度から照射する治療用放射線23の線量および性状とを示している。その治療計画は、さらに、治療用放射線23を各照射角度から照射するときに、診断用X線35、36を照射する撮像角度を示している。その撮像角度は、診断用X線35、36が患者43を透過して撮像される透過画像が患者43の患部をより詳細に映し出すように算出される。放射線治療装置制御装置2は、その治療計画を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。
【0058】
1回目の治療動作では、まず、ユーザは、CT5により3次元データを採取したときと同様の姿勢に放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。放射線治療装置制御装置2は、治療計画を作成する動作で収集された3次元データに基づいて、DRR画像を算出する。そのDRR画像は、その治療計画により示される撮像角度で診断用X線35、36が照射されるときに撮像される透過画像を示している。ユーザは、放射線治療装置制御装置2を用いて、そのDRR画像に映し出される患者43の特徴点が認識することができるように、DRR画像のその特徴点が映し出されている位置に印を付加する。放射線治療装置制御装置2は、そのDRR画像を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。
【0059】
放射線治療装置制御装置2は、次いで、患者43の位置合わせ動作を実行する。すなわち、放射線治療装置制御装置2は、その治療計画により示される撮像角度で診断用X線35が患者43に照射されるように、線源駆動装置37を制御して診断用X線源24を移動させ、診断用X線35による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置27を制御してセンサアレイ32を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その治療計画により示される撮像角度で診断用X線36が患者43に照射されるように、線源駆動装置38を制御して診断用X線源25を移動させ、診断用X線36による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置28を制御してセンサアレイ33を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その治療計画が示す撮像角度で治療用放射線23が患者43に照射されるように、旋回駆動装置11または走行駆動装置を制御して治療用放射線照射装置16を移動させ、治療用放射線23による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置26を制御してセンサアレイ31を移動させる。
【0060】
放射線治療装置制御装置2は、診断用X線源24を用いて診断用X線35を放射し、センサアレイ32を用いて診断用X線35に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、診断用X線源25を用いて診断用X線36を放射し、センサアレイ33を用いて診断用X線36に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23を放射し、センサアレイ31を用いて治療用放射線23に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、その透過画像とそのDRR画像とを比較して患者43の患部が治療用放射線23に照射されるかどうかを判別する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その透過画像とそのDRR画像とを比較してカウチ41のカウチ位置を算出する。たとえば、放射線治療装置制御装置2は、その透過画像に映し出される特徴点の位置とそのDRR画像に映し出される特徴点の位置との差異に基づいて患者43を移動させる方向と距離とを算出し、その方向と距離とに基づいてカウチ41を移動させる。または、ユーザは、放射線治療装置制御装置2を用いて、ディスプレイを見ながらその撮像された透過画像がそのDRR画像に概ね一致するように、カウチ駆動装置42を制御して患者43を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、その撮像画像を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。
【0061】
放射線治療装置制御装置2は、次いで、追尾動作と照射動作とを繰り返して実行する。その追尾動作では、放射線治療装置制御装置2は、複数のイメージャシステムにより撮像される透過画像に映し出される患部の位置に基づいて患部の3次元位置を算出し、治療用放射線23がその3次元位置を透過するように首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を移動させる。その照射動作では、放射線治療装置制御装置2は、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23をその患部に照射する。このような追尾動作と照射動作とによれば、放射線治療装置3は、呼吸などで移動する患部のみをより確実に照射することができ、より高精度の治療をすることができる。
【0062】
2回目以降の治療動作では、まず、ユーザは、過去に実行された治療動作と同様の姿勢に放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。放射線治療装置制御装置2は、前回の治療動作で撮影された透過画像に基づいて参照画像を作成する。その前回の治療動作は、今回の治療動作より前に実行された治療動作を示し、今回の治療動作がn回目(n=2,3,4,…)であるときに、1回目〜(n−1)回目の治療動作を示している。その参照画像は、患者43の患部が治療用放射線23に照射されるように配置されたときに放射線治療装置制御装置2により撮像された撮像された透過画像である。ユーザは、放射線治療装置制御装置2を用いて、その参照画像に映し出される患者43の特徴点が認識することができるように、その参照画像のその特徴点が映し出されている位置に印を付加する。放射線治療装置制御装置2は、その参照画像を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。
【0063】
放射線治療装置制御装置2は、次いで、患者43の位置合わせ動作を実行する。すなわち、放射線治療装置制御装置2は、その治療計画により示される撮像角度で診断用X線35が患者に照射されるように、線源駆動装置37を制御して診断用X線源24を移動させ、診断用X線35による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置27を制御してセンサアレイ32を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その治療計画が示す撮像角度で診断用X線36が患者に照射されるように、線源駆動装置38を制御して診断用X線源25を移動させ、診断用X線36による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置28を制御してセンサアレイ33を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その治療計画が示す撮像角度で治療用放射線23が患者に照射されるように、首振り機構15を制御して治療用放射線照射装置16を移動させ、治療用放射線23による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置26を制御してセンサアレイ31を移動させる。
【0064】
放射線治療装置制御装置2は、診断用X線源24を用いて診断用X線35を放射し、センサアレイ32を用いて診断用X線35に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、診断用X線源25を用いて診断用X線36を放射し、センサアレイ33を用いて診断用X線36に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23を放射し、センサアレイ31を用いて治療用放射線23に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、その透過画像とその参照画像とを比較して患者43の患部が治療用放射線23に照射されるかどうかを判別する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その透過画像とその参照画像とを比較してカウチ41のカウチ位置を算出する。たとえば、放射線治療装置制御装置2は、その透過画像に映し出される特徴点の位置とその参照画像に映し出される特徴点の位置との差異に基づいて患者43を移動させる方向と距離とを算出し、その方向と距離とに基づいてカウチ41を移動させる。または、ユーザは、放射線治療装置制御装置2を用いて、ディスプレイを見ながらその撮像された透過画像がその参照画像に概ね一致するように、カウチ駆動装置42を制御して患者43を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、その撮像画像を患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録する。
【0065】
放射線治療装置制御装置2は、次いで、追尾動作と照射動作とを繰り返して実行する。その追尾動作では、放射線治療装置制御装置2は、複数のイメージャシステムにより撮像される透過画像に映し出される患部の位置に基づいて患部の3次元位置を算出し、治療用放射線23がその3次元位置を透過するように首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を移動させる。その照射動作では、放射線治療装置制御装置2は、その追尾動作により治療用放射線照射装置16が移動した後に治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23をその患部に照射する。
【0066】
DRR画像は、一般的に、透過画像と画質が異なっている。たとえば、DRR画像は、分解能が1mm/pixel程度であり、透過画像は、一般的に、0.5mm/pixel以上の分解能を得ることができる。本発明による放射線照射方法は、DRR画像より分解能が高い透過画像を用いることにより、患者43の患部をより高精度に放射線治療装置の所定位置(たとえば、アイソセンタ19)に合致させることができる。コンピュータによる画像処理または人間は、一般に、画質が異なる2つの画像を比較することが困難であり、画質が異なる2つの画像を比較して患部の位置を同定することが困難である。このため、コンピュータまたは人は、このような比較に時間を要する上に、十分な照合精度を得ることが困難である。
【0067】
本発明による放射線照射方法は、コンピュータまたは人は、患者43の患部と治療用放射線23の照射位置との位置合わせに、画質が同一である2つの画像を比較する。このため、本発明による放射線照射方法は、画質が異なる2つの画像を比較することより、画質が同一である2つの画像を容易に速く比較することができる。このため、本発明による放射線照射方法によれば、放射線治療装置制御装置2は、患者43の患部と治療用放射線23の照射位置との位置関係をより速く算出することができ、カウチ41を移動する方向と距離とを速く算出することができる。さらに、ユーザは、放射線治療装置制御装置2のディスプレイを見ながらその透過画像とその参照画像とを比較するときに、患者43の患部を放射線治療装置の所定位置に手早くより高精度に合致させることができる。
【0068】
一般に、人間の内臓は、性状と位置とが時間の経過とともに変化する。特に、体幹部は、このような現象が顕著に現れる。本発明による放射線照射方法は、放射線治療装置制御装置2がその3次元データとその治療計画とそのDRR画像とその参照画像とを患者43の識別情報に対応付けて記憶装置に記録している。このような記録によれば、患者43の内臓の性状と位置と経時変化を管理しやすく、好ましい。その治療計画は、内臓の性状と位置とが極端に変化したときに、修正する必要があることがある。このような記録によれば、そのDRR画像と現在の透過画像との比較に基づいて治療計画を修正する必要があるかどうかを早期に評価することができる。
【0069】
治療計画を作成する動作が実行されてから1回目の治療動作が実行されるまでの時間は、一般的に、複数の治療動作が実行される間隔に比較して十分に長く、臓器の性状・位置が放射線治療に支障となる程度に変化する可能性がある。本発明による放射線照射方法によれば、2回目以降の治療動作では、治療計画時よりも時間間隔が短い時に採取された患部の性状・位置を示す参照画像を用いて、患部を位置合わせしている。このため、2回目以降の治療動作では、患者43の患部を放射線治療装置の所定位置に手早くより高精度に合致させることができる。さらに、本発明による放射線照射方法によれば、患者43の患部の性状・位置の経時変化を詳細に記録することができ、ユーザは、その経時変化に基づいて初期に設定された治療計画を遂行することの可否を判断することができ、その経時変化に基づいて治療暦をより正確に評価することができる。
【0070】
図4は、治療動作で実行される患者43の位置合わせ動作例を示している。放射線治療装置制御装置2は、まず、イメージャシステムを用いて、患者43の透過画像を撮像する(ステップS1)。放射線治療装置制御装置2は、その透過画像に映し出される特徴点の位置に基づいて患部位置を算出し、放射線治療装置制御装置2は、その位置と治療用放射線23が照射する位置との差異量を算出する。放射線治療装置制御装置2は、その差異量に基づいて、治療用放射線23がその位置を照射するために治療用放射線照射装置16とカウチ41との相対位置を変更することが必要かどうかを判別する(ステップS2)。
【0071】
放射線治療装置制御装置2は、その相対位置の変更が必要であるときに(ステップS2、YES)、治療用放射線23が位置を照射するために、カウチ41を移動させることと治療用放射線照射装置16を移動させることとのうちのどちらが適しているかを判別する(ステップS3)。たとえば、放射線治療装置制御装置2は、その差異が所定の値より大きいときにカウチ41を選択し、その差異がその所定の値より小さいときに治療用放射線照射装置16を選択する。
【0072】
放射線治療装置制御装置2は、カウチ41が選択されたときに(ステップS3、カウチ)、その差異が十分に小さくなるまで(ステップS5、NO)、カウチ駆動装置42を用いてカウチ41を移動させる(ステップS4)。放射線治療装置制御装置2は、治療用放射線照射装置16が選択されたときに(ステップS3、ジンバル)、その差異が十分に小さくなるまで(ステップS7、NO)、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を移動させる(ステップS6)。このような位置合わせ動作は、患者43より治療用放射線照射装置16を優先して移動させ、患者43の負担を軽減することができ、好ましい。このため、その所定値は、たとえば、首振り機構15により治療計画とおりに治療用放射線23の患部位置への照射を行い得るものとする。また、そのイメージャシステムは複数角度から、たとえば前述のシステムを用いて、撮像した結果を用いて患者43の患部位置等を3次元的に認識可能とすることにより、一層治療計画に即した照射を行い得ることとなる。
【0073】
図5は、治療動作で実行される他の位置合わせ動作例を示している。放射線治療装置制御装置2は、まず、イメージャシステムを用いて、患者43の透過画像を撮像する(ステップS11)。放射線治療装置制御装置2は、その透過画像に映し出される特徴点の位置に基づいて患部位置を算出し、放射線治療装置制御装置2は、その位置と治療用放射線23が照射する位置との差異量を算出する。放射線治療装置制御装置2は、その差異量に基づいて、治療用放射線23がその位置を照射するために治療用放射線照射装置16とカウチ41との相対位置を変更することが必要かどうかを判別する(ステップS12)。
【0074】
放射線治療装置制御装置2は、その相対位置の変更が必要であるときに(ステップS12、YES)、カウチ41を移動させることが必要かどうかを判別する(ステップS13)。たとえば、放射線治療装置制御装置2は、その差異が所定の値より大きいときにカウチ41を移動させることが必要であると判別する。放射線治療装置制御装置2は、カウチ41の移動が必要であるときに(ステップS13、YES)、その差異が十分に小さくなるように、カウチ駆動装置42を用いてカウチ41を移動させる(ステップS14)。
【0075】
放射線治療装置制御装置2は、カウチ41の移動が不要であるときに(ステップS13、NO)、または、カウチ41を移動させた後に、治療用放射線23がその3次元位置を透過するために治療用放射線照射装置16を移動させることが必要かどうかを判別する(ステップS15)。放射線治療装置制御装置2は、患部位置と治療用放射線23が透過する位置との差異が十分に小さくように(ステップS17、NO)、首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を移動させる(ステップS16)。このような位置合わせ動作は、患者43より治療用放射線照射装置16を優先して移動させ、患者43の負担を軽減することができることおよび両機能を補完的に活用可能であるという観点から、好ましい。なお、その所定値およびイメージャシステム構成については前例と同様である。カウチ駆動装置42は、一般的に、首振り機構15と比較して位置あわせ精度が悪い。このため、図4の位置合わせ動作では、ある程度以上ずれているときに、カウチ41の移動だけで対応し、照射位置が微小にずれることが危惧される。図5の位置合わせ動作は、カウチ41を移動させた後に首振り機構15によりさらに位置合わせをしており、図4のフローよりも高精度に位置あわせすることができる。
【0076】
本発明による放射線治療装置制御装置の実施の他の形態は、コンピュータプログラムである3次元データ作成部をさらに備えている。その3次元データ作成部は、放射線治療装置3の走行駆動装置を用いて回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させながら、放射線治療装置3の治療用放射線照射装置16およびセンサアレイ31を用いて各方向からX線を人体に透過させて生成される複数の患者43の透過画像を生成する。その3次元データ作成部は、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理してその人体の断面の画像を生成し、その人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。このような画像処理は、周知である。なお、その3次元データ作成部は、放射線治療装置3の走行駆動装置を用いて回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させながら、放射線治療装置3の診断用X線源24とセンサアレイ32とを用いて各方向からX線を人体に透過させて生成される複数の患者43の透過画像を生成することもできる。その3次元データ作成部は、その複数の透過画像をコンピュータで画像処理してその人体の断面の画像を生成し、その人体の内部の状態を示す3次元データを生成する。
【0077】
本発明による放射線照射方法の実施の他の形態は、このような放射線治療装置制御装置が適用される放射線治療システム1により実行され、既述の放射線照射方法における治療計画を作成する動作が他の動作に置換され、1回目の治療動作が他の動作に置換されている。
【0078】
その治療計画を作成する動作では、まず、ユーザは、放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定して、治療用放射線照射装置16およびセンサアレイ31(または診断用X線源24とセンサアレイ32と)を用いて患者43の患部とその患部の周辺の部位との3次元データを採取する。放射線治療装置制御装置2は、その3次元データに基づいて、患者43の患部とその患部の周辺の臓器とを示す画像を生成する。ユーザは、放射線治療装置制御装置2を用いてその画像を閲覧し、その患部の位置を特定する。ユーザは、さらに、その画像に基づいて治療計画を作成し、その治療計画を放射線治療装置制御装置2に入力する。その治療計画は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する照射角度と、その各照射角度から照射する治療用放射線23の線量および性状とを示している。その治療計画は、さらに、治療用放射線23を各照射角度から照射するときに、診断用X線35、36を照射する撮像角度を示している。
【0079】
その1回目の治療動作では、まず、ユーザは、その3次元データを採取したときと同様の姿勢に放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。放射線治療装置制御装置2は、治療計画を作成する動作で撮像された透過画像に基づいて、参照画像を作成する。その透過画像は、患者43の内部の状態を示す3次元データを生成するときに用いられた画像である。ユーザは、放射線治療装置制御装置2を用いて、その参照画像に映し出される患者43の特徴点が認識することができるように、その参照画像のその特徴点が映し出されている位置に印を付加する。
【0080】
放射線治療装置制御装置2は、その治療計画により示される撮像角度で診断用X線35が患者に照射されるように、線源駆動装置37を制御して診断用X線源24を移動させ、診断用X線35による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置27を制御してセンサアレイ32を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その治療計画が示す撮像角度で診断用X線36が患者に照射されるように、線源駆動装置38を制御して診断用X線源25を移動させ、診断用X線36による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置28を制御してセンサアレイ33を移動させる。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その治療計画が示す撮像角度で治療用放射線23が患者に照射されるように、首振り機構15を制御して治療用放射線照射装置16を移動させ、治療用放射線23による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置26を制御してセンサアレイ31を移動させる。
【0081】
放射線治療装置制御装置2は、診断用X線源24を用いて診断用X線35を放射し、センサアレイ32を用いて診断用X線35に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、診断用X線源25を用いて診断用X線36を放射し、センサアレイ33を用いて診断用X線36に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23を放射し、センサアレイ31を用いて治療用放射線23に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。放射線治療装置制御装置2は、その透過画像とその参照画像とを比較して、患者43の患部が放射線治療装置3の所定位置に合致するように、カウチ41を移動させる。たとえば、放射線治療装置制御装置2は、その透過画像に映し出される特徴点の位置とその参照画像に映し出される特徴点の位置との差異を算出する。放射線治療装置制御装置2は、その差異に基づいて患者43を移動させる方向と距離とを算出し、その方向と距離とに基づいてカウチ41を移動させる。
【0082】
放射線治療装置制御装置2は、次いで、追尾動作と照射動作とを繰り返して実行する。その追尾動作では、放射線治療装置制御装置2は、複数のイメージャシステムにより撮像される透過画像に映し出される患部の位置に基づいて患部の3次元位置を算出し、治療用放射線23がその3次元位置を透過するように首振り機構15を用いて治療用放射線照射装置16を移動させる。その照射動作では、放射線治療装置制御装置2は、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23をその患部に照射する。このような追尾動作と照射動作とによれば、放射線治療装置3は、呼吸などで移動する患部のみをより確実に照射することができ、より高精度の治療をすることができる。
【0083】
このような放射線照射方法は、1回目の治療動作でもDRR画像より分解能が高い画像を位置合わせに参照することができ、患者43の患部をより高精度に放射線治療装置の所定位置(たとえば、アイソセンタ19)に合致させることができる。さらに、このような放射線照射方法によれば、放射線治療システム1は、CT5を備える必要がなく、より小さいスペースに設置することができ、より低コストに製造することができる。
【0084】
本発明による放射線治療装置制御装置の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態におけるイメージャ位置制御部53と透過画像撮像部55とがそれぞれ他のイメージャ位置制御部と透過画像撮像部とに置換されている。
【0085】
そのイメージャ位置制御部は、治療計画部52により作成された治療計画により示される撮像角度で治療用放射線23が患者に照射されるように、旋回駆動装置11、首振り機構15または回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる走行駆動装置を制御して治療用放射線照射装置16を移動させ、治療用放射線23による透過画像が患者43の患部を中心に映し出すように、センサアレイ駆動装置26を制御してセンサアレイ31を移動させる。
【0086】
その透過画像撮像部は、そのイメージャ位置制御部により治療用放射線照射装置16が移動し、センサアレイ31が移動した後に、治療用放射線照射装置16を用いて治療用放射線23を放射し、センサアレイ31を用いて治療用放射線23に基づいて生成される患者43の透過画像を撮像する。
【0087】
このような放射線治療装置制御装置は、既述の実施の形態における放射線治療装置制御装置2と同様にして、患者43の患部に治療用放射線23が照射されるように放射線治療装置3を制御することができる。このとき、放射線治療装置3は、線源駆動装置37、38と診断用X線源24、25とセンサアレイ駆動装置27、28とセンサアレイ32、33とが不要である。放射線治療装置3は、線源駆動装置37、38と診断用X線源24、25とセンサアレイ駆動装置27、28とセンサアレイ32、33とを備えないときに、より安価に製造することができ、好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】図1は、放射線治療システムの実施の形態を示すブロック図である。
【図2】図2は、放射線治療装置を示す斜視図である。
【図3】図3は、放射線治療装置制御装置の実施の形態を示すブロック図である。
【図4】図4は、位置合わせ動作を示すフローチャートである。
【図5】図5は、他の位置合わせ動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0089】
1 :放射線治療システム
2 :放射線治療装置制御装置
3 :放射線治療装置
5 :CT(コンピュータ断層撮影装置)
11:旋回駆動装置
12:Oリング
14:走行ガントリ
15:首振り機構
16:治療用放射線照射装置
17:回転軸
18:回転軸
19:アイソセンタ
21:パン軸
22:チルト軸
23:治療用放射線
24:診断用X線源
25:診断用X線源
26:センサアレイ駆動装置
27:センサアレイ駆動装置
28:センサアレイ駆動装置
31:センサアレイ
32:センサアレイ
33:センサアレイ
35:診断用X線
36:診断用X線
37:線源駆動装置
38:線源駆動装置
41:カウチ
42:カウチ駆動装置
43:患者
51:3次元データ収集部
52:治療計画部
53:イメージャ位置制御部
54:DRR画像作成部
55:透過画像撮像部
56:参照画像作成部
57:患部位置制御部
58:照射位置制御部
59:治療用放射線照射部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療用放射線を放射する治療用放射線照射装置と、
被検体を透過する放射線により前記被検体のイメージャ画像を生成するイメージャと、
前記被検体が配置されるカウチを前記治療用放射線照射装置に対して移動する駆動装置とを備える放射線治療装置を制御する放射線治療装置制御装置であり、
前記イメージャにより撮像された参照イメージャ画像を収集する参照画像作成部と、
前記イメージャにより前記被検体の撮像イメージャ画像を撮像する透過画像撮像部と、
前記被検体が備える特徴点が前記撮像イメージャ画像に映し出される位置と前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置が適正かどうかを判別する患部位置制御部
とを具備する放射線治療装置制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記患部位置制御部は、前記被検体が備える特徴点が前記撮像イメージャ画像に映し出される位置と前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記駆動装置を用いて前記相対位置を変更する
放射線治療装置制御装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記参照イメージャ画像は、前記被検体の一部分が前記治療用放射線に照射されるように前記被検体が配置されたときに前記イメージャにより撮像され、
前記患部位置制御部は、前記撮像イメージャ画像を撮像するときの前記治療用放射線照射装置に対する前記イメージャの相対位置が前記参照イメージャ画像を撮像するときの前記治療用放射線照射装置に対する前記イメージャの相対位置に一致するときに、前記被検体が備える特徴点が前記撮像イメージャ画像に映し出される位置が前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置に一致するように、前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更する
放射線治療装置制御装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記患部位置制御部は、前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記被検体の一部分の位置との関係に基づいて、前記撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置から算出される前記被検体の一部分の位置が前記治療用放射線に照射されるように前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更する
放射線治療装置制御装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれかにおいて、
前記駆動装置は、
前記カウチを移動するカウチ駆動装置と、
前記治療用放射線照射装置を移動する照射装置駆動装置とを含み、
前記患部位置制御部は、前記照射装置駆動装置を優先して用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更する
放射線治療装置制御装置。
【請求項6】
請求項2〜請求項5のいずれかにおいて、
前記イメージャは、第1イメージャと第2イメージャとを含み、
前記参照イメージャ画像は、
前記第1イメージャにより撮像された第1参照イメージャ画像と、
前記第2イメージャにより撮像された第2参照イメージャ画像とを含み、
前記撮像イメージャ画像は、
前記第1イメージャにより撮像される第1撮像イメージャ画像と、
前記第2イメージャにより撮像される第2撮像イメージャ画像とを含み、
前記患部位置制御部は、前記第1撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記第1参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記第2撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記第2参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更する
放射線治療装置制御装置。
【請求項7】
請求項2〜請求項5のいずれかにおいて、
前記イメージャは、前記治療用放射線により前記参照イメージャ画像または前記撮像イメージャ画像を生成するイメージャを含む
放射線治療装置制御装置。
【請求項8】
請求項2〜請求項7のいずれかにおいて、
前記イメージャにより撮像された透過画像に基づいて前記被検体の3次元データを生成する3次元データ作成部と、
前記3次元データに基づいて2次元画像を作成する2次元画像作成部とを更に具備し、
前記患部位置制御部は、前記撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記2次元画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更する
放射線治療装置制御装置。
【請求項9】
請求項2〜請求項7のいずれかにおいて、
前記放射線治療装置と別個に設けられる3次元撮像装置により生成される前記被検体の3次元データを収集する3次元データ収集部と、
前記3次元データに基づいて2次元画像を作成する2次元画像作成部とを更に具備し、
前記患部位置制御部は、前記撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記2次元画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更する
放射線治療装置制御装置。
【請求項10】
請求項2〜請求項9のいずれかにおいて、
前記参照イメージャ画像と前記撮像イメージャ画像とは、前記被検体を識別する識別情報に対応付けて記憶装置に記録される
放射線治療装置制御装置。
【請求項11】
請求項2〜請求項10のいずれかに記載される放射線治療装置制御装置と、
前記放射線治療装置
とを具備する放射線治療システム。
【請求項12】
治療用放射線を放射する治療用放射線照射装置と、
被検体を透過する放射線により前記被検体のイメージャ画像を生成するイメージャと、
前記被検体が配置されるカウチを前記治療用放射線照射装置に対して移動する駆動装置とを備える放射線治療装置を用いて前記治療用放射線を照射する放射線照射方法であり、
前記イメージャにより撮像された参照イメージャ画像を収集するステップと、
前記イメージャにより前記被検体の撮像イメージャ画像を撮像するステップと、
前記被検体が備える特徴点が前記撮像イメージャ画像に映し出される位置と前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置が適正であるかどうかを判別するステップ
とを具備する放射線照射方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記被検体が備える特徴点が前記撮像イメージャ画像に映し出される位置と前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記駆動装置を用いて前記相対位置を変更するステップ
を更に具備する放射線照射方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記参照イメージャ画像は、前記被検体の一部分が前記治療用放射線に照射されるように前記被検体が配置されたときに前記イメージャにより撮像され、
前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置は、前記撮像イメージャ画像を撮像するときの前記治療用放射線照射装置に対する前記イメージャの相対位置が前記参照イメージャ画像を撮像するときの前記治療用放射線照射装置に対する前記イメージャの相対位置に一致するときに、前記被検体が備える特徴点が前記撮像イメージャ画像に映し出される位置が前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置に一致するように、前記駆動装置を用いて変更される
放射線照射方法。
【請求項15】
請求項13において、
前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置は、前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記被検体の一部分の位置との関係に基づいて、前記撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置から算出される前記被検体の一部分の位置が前記治療用放射線に照射されるように、前記駆動装置を用いて変更される 放射線照射方法。
【請求項16】
請求項13〜請求項15のいずれかにおいて、
前記駆動装置は、
前記カウチを移動するカウチ駆動装置と、
前記治療用放射線照射装置を移動する照射装置駆動装置とを含み、
前記照射装置駆動装置は、前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更するときに、前記カウチ駆動装置より優先して用いられる
放射線照射方法。
【請求項17】
請求項13〜請求項16のいずれかにおいて、
前記イメージャは、第1イメージャと第2イメージャとを含み、
前記参照イメージャ画像は、
前記第1イメージャにより撮像された第1参照イメージャ画像と、
前記第2イメージャにより撮像された第2参照イメージャ画像とを含み、
前記撮像イメージャ画像は、
前記第1イメージャにより撮像される第1撮像イメージャ画像と、
前記第2イメージャにより撮像される第2撮像イメージャ画像とを含み、
更に、
前記第1撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記第1参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記第2撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記第2参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて、前記駆動装置を用いて前記被検体を移動するステップ
を具備する放射線照射方法。
【請求項18】
請求項13〜請求項16のいずれかにおいて、
前記イメージャは、前記治療用放射線により前記第1参照イメージャ画像または前記第1撮像イメージャ画像を生成するイメージャを含む
放射線照射方法。
【請求項19】
請求項13〜請求項18のいずれかにおいて、
前記イメージャにより撮像された透過画像に基づいて前記被検体の3次元データを生成するステップと、
前記3次元データに基づいて2次元画像を作成するステップと、
前記撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記2次元画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更するステップ
とを具備する放射線照射方法。
【請求項20】
請求項13〜請求項18のいずれかにおいて、
前記放射線治療装置と別個に設けられる3次元撮像装置により生成される前記被検体の3次元データを収集するステップと、
前記3次元データに基づいて2次元画像を作成するステップと、
前記患部位置制御部は、前記撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記2次元画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記駆動装置を用いて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置を変更するステップ
とを具備する放射線照射方法。
【請求項21】
請求項13〜請求項20のいずれかにおいて、
前記参照イメージャ画像と前記撮像イメージャ画像とを前記被検体を識別する識別情報に対応付けて記憶装置に記録するステップ
を更に具備する放射線照射方法。
【請求項22】
請求項12〜請求項21のいずれかに記載される放射線照射方法をコンピュータに実行させる
コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−236729(P2007−236729A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65316(P2006−65316)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)/高精度四次元放射線治療システムに関する開発研究」、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】