説明

放射線用カセッテキャリア

【課題】可搬性を有し、搬送時や使用時の際、通信ケーブル加わる加重負荷に耐えることが可能な電子カセッテを提供する。
【解決手段】カセッテ1を収容するカセッテキャリア4は、放射線照射面を露出した状態でカセッテ1を収容するよう矩形形状の凹部41を有し、その一辺側壁に把手61が形成された第1フレームと、凹部41の他辺側壁の第2フレームとにより形成される。第1フレーム側壁には、カセッテ1が凹部41に装着された状態で該カセッテ1のコネクタ部3と対向する位置に開口が設けられ、この開口と連通した空間を有している。当該カセッテ1が装着された状態でこの空間を介してコネクタ部3への外部ケーブル20の挿抜が可能で、カセッテが凹部に装着された状態でコネクタ部に外部ケーブル20が接続された場合に、この空間は外部ケーブル20のコネクタハウジングを収容可能な大きさを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線用カセッテに可搬性を提供するための放射線用カセッテキャリアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、対象物にX線を照射し,対象物を透過したX線の強度分布を検出してX線画像を得る装置が,工業用の非破壊検査や医療診断の場で広く一般に利用されている。このような撮影の一般的な方法としてはフィルム/スクリーン方式やCR(Computed Radiography)方式が挙げられる。これらはいずれも感光性フィルムや潜像として画像を蓄積する蛍光体プレートを,非特許文献1で規格化されているカセッテといわれる収納ケースに入れて撮影に用いてきた。撮影する際は、対象物とカセッテを所望の位置に合わせる作業が必要であるが、カセッテは直方体形状で、特に使用者が把持するための考慮はされていない。そのため、特許文献1に記載されるようにカセッテを中央部に収納し、両側に把手部を有するカセッテキャリアが提案されている。
【0003】
一方、半導体センサを使用してX線画像を撮影しデジタル化するDR(デジタルラジオグラフィ)方式も提案され、実装技術の向上に伴い装置の小型・軽量化が進み、可搬型のX線画像撮影装置として実用化されている。しかし、これらの装置は電子部品を多く内蔵するため、従来のカセッテに比べて重量が大きく、特許文献2に示すように把持するためのハンドル部をX線検出部の筐体に形成したものが開発されてきた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】JIS Z 4905
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−282598
【特許文献2】特許第3577003号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
医療現場でX線撮影する際は、被験者に対してカセッテを位置決め保持するために、立位用のスタンドや臥位用のテーブルといった各種架台が用いられる。これらは、非特許文献1に規格化されたカセッテの外形に合わせて設計されたものが数多く設置されてきた。DR方式のX線検出部の形状やサイズが規格化されたカセッテのサイズと異なると、DR方式のX線検出部に合わせて新規の架台を導入しなければならず、投資費用が多くなってしまう。そのため、非特許文献1で規定されたカセッテ外形と互換性のあるX線撮影装置の提供が望まれていた。高密度実装技術や無線技術の進歩により、規格化されたカセッテと互換外形を有するX線撮影装置が開発されてきている。しかし、一方で従来のDR装置で考慮されていた可搬性は損なわれ、特許文献1にあるようなカセッテキャリアも必要になる。
【0007】
特許文献1のようにカセッテを収納するような形態では無線の通信性能を劣化させるため、無線通信性能を考慮した対策が必要である。また、カセッテに設けられた有線接続部や操作部へのアクセスができなくなってしまう可能性がある。カセッテキャリアに中継ケーブルやコネクタを構成し、収納されたカセッテとの有線接続を可能とすることも考えられる。しかしながら、カセッテキャリアの中継ケーブルを経由した場合、EMC(電磁)耐性が劣化したり、カセッテキャリアの外形サイズが大きくなってしまったりする可能性がある。更に、特許文献2では、ハンドルが筐体に形成されており、撮影部を被験者に対して位置決めする際にかかる強度負荷を満足する設計は容易であるが、規格化されたカセッテの外形からは逸脱してしまう。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、半導体放射線検出パネルを装着して可搬性を提供するとともに、その無線通信性能、有線通信性能、操作性を維持する放射線用カセッテキャリアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による放射線用カセッテキャリアは以下の構成を備える。すなわち、
半導体放射線検出器を内蔵したカセッテを収容する放射線用カセッテキャリアであって、
前記カセッテを放射線照射面を露出した状態で収容するように形成された矩形形状の凹部と、
前記凹部の一辺の側壁を形成し、把手を有する第1フレームと、
前記凹部の他の辺の側壁を形成する第2フレームとを備え、
前記第1フレームが形成する側壁には、前記カセッテが前記凹部に装着された状態で当該カセッテが有するコネクタ部と対向する位置に開口が設けられ、
前記第1フレームは、上記開口と連通した空間を有し、当該カセッテが装着された状態で前記空間を介してコネクタ部への外部ケーブルの挿抜が可能となっており、
前記空間は、前記カセッテが前記凹部に装着された状態で前記コネクタ部に外部ケーブルが接続された場合に、当該外部ケーブルのコネクタハウジングの全体を収容可能な大きさを有する
【0010】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施例等によって明らかにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の放射線用カセッテキャリアによれば、半導体放射線検出パネルを内蔵したカセッテを、その無線通信性能、有線通信性能、操作性を維持しながら装着して可搬性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第一実施形態における可搬型X線撮影装置の基本構成を示す図。
【図2】第一実施形態における可搬型X線撮影装置の正面図。
【図3】第一実施形態における可搬型X線撮影装置のA部詳細図。
【図4】第二実施形態における可搬型X線撮影装置の側面断面図。
【図5】第二実施形態における可搬型X線撮影装置の正面図。
【図6】第二実施形態における可搬型X線撮影装置の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態の例を説明する。
【0014】
[第一実施形態]
以下、半導体放射線検出器を内蔵した放射線用カセッテ、及びこれを収容して可搬性を提供する放射線用カセッテキャリアにより構成される可搬型放射線撮影装置を説明する。なお、以下の実施形態では、放射線としてX線を用いた構成、すなわち、X線用カセッテおよびこれを収容するカセッテキャリアにより構成される可搬型X線撮影装置を例に挙げて説明する。
【0015】
図1、図2に、本実施形態による可搬型X線撮影装置の構成を示す。本実施形態の可搬型X線撮影装置は、X線用カセッテ1とカセッテキャリア4の2つのユニットを有する。X線用カセッテ1は、外形形状およびサイズが非特許文献1で規格化されたカセッテと同じであり、不図示の半導体X線検出器、無線通信回路、有線通信回路、バッテリ等を内蔵している。このようなX線用カセッテ1の構成により、非特許文献1で規格化されたカセッテ用の組込装置を改造することなく利用可能となっている。また、X線用カセッテ1の筺体の側面には、外部ケーブル接続用のコネクタ部3が設けられている。不図示の外部制御ユニットや外部電源供給ユニットと接続されている外部ケーブル20とコネクタ部3とを接続することにより、X線用カセッテ1への電源供給及び信号送受信が可能な構成となっている。
【0016】
一方、X線用カセッテ1を回診車などフリーポジションで利用する際の可搬性を向上させるため、X線用カセッテ1を着脱可能なユニットとしてカセッテキャリア4が提供されている。カセッテキャリア4は、X線用カセッテ1をその放射線照射面を露出した状態で収容する、矩形形状の凹部41を有する。凹部41は底面パネルと、周囲の4辺の側壁により形成される。第1フレーム6は、凹部41の4辺の側壁のうちの一辺の側壁を提供し、第2フレーム5a〜5cは他の3辺の側壁を提供する。なお、第1フレーム6には貫通穴が形成されており、操作者が握ることができる把手61を提供する。
【0017】
第2フレーム5bが形成する凹部41の側壁には突起部8が形成されている。これに対応するようにX線用カセッテ1の側面には不図示の溝部が設けられており、この溝部を突起部8に挿入することで、X線用カセッテ1を凹部41に収容した際にZ方向への抜けが抑制される。また、突起部8が設けられた側壁に対向する側壁(第1フレーム6が形成する側壁)には、ロック用突起部7が設けられている。ロック用突起部7はY方向に移動可能な機構になっている。ロック用突起部7をY方向に移動させる機構は第1フレーム6の内部に配置され、ロック操作部10とリンクしている。したがって、ユーザがロック操作部10を操作することで、ロック用突起部7をY方向に移動させることができる。ユーザは、初めに突起部8をX線用カセッテ1の溝部(不図示)に挿入し、次にX線用カセッテ1を傾けながら凹部41に収容し、ロック操作部10を操作してX線用カセッテ1の溝部2にロック用突起部7を挿入してロック状態とすることができる。
【0018】
また、カセッテキャリア4の凹部41にX線用カセッテ1を収納した状態において、有線通信用のコネクタ部3が第1フレーム6の側壁に対向する配置となる。第1フレーム6が形成する側壁には、X線用カセッテ1が凹部41に装着された状態でコネクタ部3と対向する部分に開口が設けられている。第1フレーム6は、上記開口と連通した空間(図3の600)を有しており、当該X線用カセッテ1が凹部41に装着された状態でコネクタ部3への外部ケーブル20の挿抜が可能となっている。なお、図1では空間600はコネクタカバー9によって閉められた状態が示されている。空間600の詳細については図3により後述する。
【0019】
以上のような構造のカセッテキャリア4によれば、X線用カセッテ1を凹部41に装着した状態では、凹部41の底面パネル、第2フレーム5a〜5c、第1フレーム6でX線用カセッテ1の周囲が覆われることになり、機械的な強度を向上させることができる。可搬時には落下させたり、衝突させたりしてしまう可能性も高く、高価なX線用カセッテ1を保護する点で有効である。特に回診撮影などではベッドに横臥した被験者の下にX線検出部を出し入れするケースがあるが、Z方向に荷重がかかった場合でも凹部41が有する底面パネルにより十分に荷重に耐えうる構造になっている。
【0020】
更に、ロック用突起部7のためのロック機構、X線用カセッテ1の有線接続用のコネクタ部3へアクセスするための空間600が、カセッテキャリア4の第1フレーム6側に配置されている。このため、残りの3つの側面においてはX線用カセッテ1の撮影領域の外形との距離が最小限に抑えられる。これにより3側面側を所望の部位により近接させて撮影できる。
【0021】
また、第1フレーム6には、ケーブルカバー9がコネクタ部3へアクセスするための空間600(図3)を開閉可能に構成されている。このため、X線用カセッテ1をカセッテキャリア4に組み付けた状態で、外部ケーブル20をコネクタ部3に接続することが可能となっている。なお、ケーブルカバー9はヒンジ等によって開閉可能に第1フレーム6に取り付けられた構成としてもよいし、第1フレーム6から着脱可能な構成としてもよい。
【0022】
ケーブルカバー9により空間600を閉じた状態において、外部ケーブル20を外部へ引き出すための配線引き出し部91が形成される。空間600は、X線用カセッテ1が凹部41に装着された状態でコネクタ部3に外部ケーブル20が接続された場合に、外部ケーブル20のコネクタハウジング201の全体を収容可能な大きさを有する。したがって、外部ケーブル20を接続した状態でケーブルカバー9を装着可能とすることで、X線用カセッテ1のコネクタ部3や外部ケーブル20のコネクタハウジング201に、撮影時などにZ方向からの負荷がかからないよう保護することができる。すなわち、コネクタ部3やコネクタハウジング201における破損の可能性を減少させる構造となっている。
【0023】
図3は、第一実施形態における外部ケーブル接続部付近(A部)でケーブルカバー9を取り外した状態の詳細図である。第1フレーム6には、ケーブル配線をするための空間600が形成されている。空間600において、壁601を設けることで、ケーブル202を誤った経路で敷設できないように規制し、配線ガイド602、603によってケーブル202はS字状に敷設される。このようなケーブルの敷設経路を確保することで、X線用カセッテ1のコネクタ部3に外部ケーブル20を接続した際に、ケーブル引き抜き力(Y方向の力)に対し、コネクタハウジング201に負荷がかからない構造となっている。
【0024】
以上のような第一実施形態の構成によれば、
・非特許文献1で規格化されたカセッテの組込装置にX線用カセッテ1を組み込んで撮影すること、
・カセッテキャリア4にX線用カセッテ1を装着して可搬性と機械的強度を向上させ、回診車などで撮影を行うこと、
が可能となる。また、回診車では様々な場所で撮影を行うため、無線通信を行ってはいけない場所や無線通信が安定しない場所で有線接続による撮影が想定されるが、上記実施形態の構成によれば、可搬性や操作性を損なうことなくケーブル接続を利用することが可能となる。
【0025】
なお、上記実施形態では、第2フレーム5a〜5cと第1フレーム6により凹部41の4辺が囲まれる構成を示したがこれに限られるものではない。強度は多少犠牲になるが、第2フレーム5a〜5cの少なくともいずれかの側壁と第1フレーム6の側壁により凹部41が形成されるように構成すれば、カセッテキャリア4にX線用カセッテ1を装着でき、可搬性を提供することは可能である。たとえば、第2フレーム5bと第1フレーム6のみ(第1フレーム6が提供する側壁とこれに対向する側壁のみ)で凹部41を形成するようにしてもよい。或いは、たとえば第2フレーム5a、5b、第1フレーム6により(第1フレーム6が提供する側壁と、これに対向する側壁を含む2辺の側壁により)凹部41を形成するようにしてもよい。
【0026】
[第二実施形態]
第一実施形態において、ケーブルカバー9を設けることで、X線用カセッテ1を操作したり持ち運んだりすることによってコネクタ部3、コネクタハウジング201にかかる負荷を低減している。しかしながら、外部ケーブル20を接続した状態のX線用カセッテ1を、ケーブルカバー9を取り付けた状態のカセッテキャリア4から取り外すそうとした場合、コネクタハウジング201とケーブルカバー9が干渉してしまう。これにより、コネクタハウジング201やケーブルカバー9が破損してしまう可能性が生じる。
【0027】
これらの点を考慮し、このような操作手順ミスによる破損減少を考慮した機構を図4〜5に基づいて説明する。図4は、第二実施形態における空間600とロック機構の構成を説明する図である。なお、第一実施形態で説明した構成と同様の構成には、同一の参照番号を付してある。
【0028】
本実施形態のカセッテキャリア4では、X線用カセッテ1を凹部41に装着した状態に維持するためのロック機構が、コネクタ部3に外部ケーブル20が接続されている場合には当該外部ケーブル20との物理的な干渉によってロック状態の解除が禁止される。以下、この構成についてより具体的に説明する。
【0029】
カセッテキャリア4の空間600には、外部ケーブル20を敷設するための構造が形成されている。壁612を設けることで、ケーブル202が誤った経路で敷設されないように規制し、配線ガイド611、613、614によって外部ケーブル20をS字状に敷設する。ケーブル202についてこのような敷設経路を確保することで、外部ケーブル20を接続した際に、ケーブル引き抜き力(Y方向の力)による負荷が、コネクタハウジング201やX線用カセッテ1のコネクタ部3にかからない構造となっている。ケーブル202の引き出し部91付近の配線ガイド611には、規制レバー51がX方向にスライド可能に取り付けられている。図5にS方向から見た外部ケーブル有無における規制レバーの位置関係を示す。規制レバー51には、ケーブル202を敷設可能なU溝511が形成されている。
【0030】
図5の(A)に示すように、規制レバー51は図示にないバネにより、X1に位置している。図5の(B)に示すように、規制レバー51を矢印Xの方向に押し、X2の位置まで移動させることで、U溝511が敷設経路上に位置するようになっており、ケーブル202をU溝511に嵌めることで規制レバー51はX2の位置で固定される。
【0031】
図4におけるロック操作部10を矢印Yの方向へ押し、ロック位置Y1からY2の位置まで移動することで、ロック用突起部7によるロックが解除される。しかしながら、上記のように外部ケーブル20が敷設されていると、規制レバー51がX2の位置にあるため、ロック操作部10を解除位置Y2に移動させることが出来ない。そのため、ロック用突起部7によるロック状態を解除することができず、X線用カセッテ1を凹部41から取り出すことができなくなる。すなわち、外部ケーブル20が接続されている間はX線用カセッテ1を凹部41から取り出すことができなくなり、コネクタ部3,コネクタハウジング201や、コネクタカバー9の破損を防止することができる。
【0032】
なお、外部ケーブル20(コネクタハウジング201、ケーブル202)との物理的な干渉によりロック機構の解除を禁止する構成は上述した構成に限られず、種々の変形が可能であることは言うまでもない。たとえば、図6に示すように、ロック操作部10をX11からX12の位置へスライドさせるとロック解除レバー55の先端がX21からX22まで移動し、これによりX線用カセッテ1とのロック状態が解除されるロック機構をカセッテキャリア4が有するとする。図6によれば、外部ケーブル20が接続されている間は、ロック操作部10とリンクするロック解除レバー55の先端が外部ケーブル20のコネクタハウジング201と物理的に干渉してしまい、ロック解除が出来なくなる。
【0033】
以上のように、第二実施形態によれば、外部ケーブル20の接続時にはロック解除が出来ないようにする誤操作抑制機構を備えるので、コネクタ部3,コネクタハウジング201の破損を防止できるという効果がある。
【0034】
以上のように、上記各実施形態によれば、フィルムカセッテと互換外形を有する放射線用カセッテをカセッテキャリアに装着した可搬型放射線撮影装置において、
・可搬時や使用時に加わる荷重負荷に十分耐えうる強度、
・ケーブル接続時のユーザビリティー、ケーブルへの荷重に対する十分な保護、
を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体放射線検出器を内蔵したカセッテを収容する放射線用カセッテキャリアであって、
前記カセッテを放射線照射面を露出した状態で収容するように形成された矩形形状の凹部と、
前記凹部の一辺の側壁を形成し、把手を有する第1フレームと、
前記凹部の他の辺の側壁を形成する第2フレームとを備え、
前記第1フレームが形成する側壁には、前記カセッテが前記凹部に装着された状態で当該カセッテが有するコネクタ部と対向する位置に開口が設けられ、
前記第1フレームは、上記開口と連通した空間を有し、当該カセッテが装着された状態で前記空間を介してコネクタ部への外部ケーブルの挿抜が可能となっており、
前記空間は、前記カセッテが前記凹部に装着された状態で前記コネクタ部に外部ケーブルが接続された場合に、当該外部ケーブルのコネクタハウジングの全体を収容可能な大きさを有する、ことを特徴とする放射線用カセッテキャリア。
【請求項2】
前記空間を開閉するためのコネクタカバーを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の放射線用カセッテキャリア。
【請求項3】
前記第1フレームは、前記コネクタカバーを装着した状態で前記外部ケーブルを外部へ引き出すための、前記空間と連通した引き出し穴を有し、前記開口と前記引き出し穴は、前記コネクタ部における挿抜の方向に関してずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の放射線用カセッテキャリア。
【請求項4】
前記空間には、前記外部ケーブルがS字に敷設されるように、前記開口から前記引き出し穴へケーブルを導くためのガイドが設けられていることを特徴とする請求項3に記載の放射線用カセッテキャリア。
【請求項5】
前記第1フレームは、前記カセッテを前記凹部に装着した状態に維持するためのロック機構を更に備え、
前記ロック機構は、前記コネクタ部に外部ケーブルが接続されている場合には、前記外部ケーブルとの物理的な干渉によってロック状態の解除が禁止されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の放射線用カセッテキャリア。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の放射線用カセッテキャリアと、
半導体放射線検出器を内蔵した放射線用カセッテとを備え得ることを特徴とする可搬型放射線撮影装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−117841(P2012−117841A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−265431(P2010−265431)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】