説明

放射線画像撮影装置及び充電システム

【課題】放射線画像撮影装置が備える充電回路部が発熱しても、適切な画質の放射線画像を取得することが可能な放射線画像撮影装置及び充電システムを提供する。
【解決手段】放射線画像撮影に関する所定の機能を実行する各機能部と、各機能部に電力を供給する蓄電体28とを筐体21内部に備え、蓄電体28からの電力供給による駆動が可能な放射線画像撮影装置2において、蓄電体28に充電電力を供給する充電回路部6と、充電回路部6及び/又はその周辺の温度を検出する第1温度検出部81と、第1温度検出部81により温度が検出される場所から所定の距離以上離れた場所の温度を検出する第2温度検出部82と、を備え、第1温度検出部81により検出された温度と第2温度検出部82により検出された温度との差が第1閾値S1以上であるか否かを判定し、当該差が第1閾値S1以上である場合に蓄電体28に供給する充電電力を低下させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置及び充電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレータ等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギーに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
【0003】
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、その内部に蓄電体を内蔵し、ケーブルレスで駆動可能な可搬型に構成されたカセッテ型の放射線画像撮影装置が開発されている(例えば、特許文献2参照)。
放射線画像撮影装置を可搬型に構成した場合、患者のベッドサイド等におけるポータブル撮影をはじめとする自由度の高い撮影が可能となる。また、据置き型の装置と異なり、容易に持ち運びができるため、撮影室が複数あるような場合に、用途等に応じて1つの放射線画像撮影装置を異なる撮影室に移動させて撮影を行うことも可能となる。
【0004】
このような放射線画像撮影装置においては、放射線が照射されない状態でも、放射線検出素子の熱による熱励起等により各放射線検出素子内で暗電荷が発生し、放射線検出素子内に蓄積される電荷すなわち画像データにこの暗電荷によるオフセット分が含まれる。そのため、高画質の放射線画像を取得するために、通常、暗電荷によるオフセット分のデータ(以下「暗画像データ」という。)を各放射線検出素子から読み出して補正用暗画像を取得する暗画像取得処理が、放射線画像撮影処理とは別に行われることが多い。
【0005】
ところで、蓄電体を内蔵する放射線画像撮影装置には、当該蓄電体に充電電力を供給する充電回路部が備えられている。この充電回路部は、具体的には、外部から供給された電力の電圧・電流を変換して蓄電体に供給することによって蓄電体を内部充電するためのものであり、充電回路部を介して蓄電体を充電すると、充電回路部が備えるスイッチング素子等が発熱して、充電回路部がその他の部分よりも高温になることが知られている。
【0006】
放射線検出素子では、前述したように当該放射線検出素子の熱による熱励起等により放射線検出素子内で暗電荷が発生するが、当該放射線検出素子の温度に応じて発生する暗電荷の量が変わる。放射線画像撮影装置が備える複数の放射線検出素子のうち、配設された場所が充電回路部に近い放射線検出素子ほど充電回路部の温度の影響を受け易いので、充電回路部がその他の部分よりも高温になると、充電回路部の近傍に配設された放射線検出素子と、当該放射線検出素子よりも充電回路部から離れた場所に配設された放射線検出素子との間で温度差が生じ、発生する暗電荷の量に差が生じてしまう場合がある。そのため、発生する暗電荷の量の違いから、画像データ等に基づいて最終的に生成される放射線画像上に、充電回路部近傍の放射線検出素子領域と、当該放射線検出素子領域よりも充電回路部から離れた放射線検出素子領域との間でムラが生じてしまうといった問題が生じる場合がある。
【0007】
そこで、例えば、発熱するICと筐体との間や発熱するICとセンサパネルとの間などに熱伝導材を配することで、ICからの熱を放熱させ、放射線検出素子(光電変換素子)等に余計な熱を伝えない、或いは伝わっても実質上問題が生じないようにすることが可能な光電変換装置が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−73144号公報
【特許文献2】特開2009−237074号公報
【特許文献3】特開平9−288184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、熱伝導材によって充電回路部からの熱を放熱させたとしても、充電回路部近傍の放射線検出素子領域と、当該放射線検出素子領域よりも充電回路部から離れた放射線検出素子領域と間の温度差が、必ずしも最終的に生成される放射線画像上にムラが生じない温度差になるとは限らない。
また、放熱された熱が一部の放射線検出素子の温度を上昇させる場合もあるので、熱伝導材によって充電回路部からの熱を放熱させたとしても、ムラのない適切な画質の放射線画像を取得できない可能性がある。
【0010】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影装置が備える充電回路部が発熱しても、適切な画質の放射線画像を取得することが可能な放射線画像撮影装置及び充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の課題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
放射線画像撮影に関する所定の機能を実行する機能部と、前記機能部に電力を供給する蓄電体と、を筐体内部に備え、前記蓄電体からの電力供給による駆動が可能な放射線画像撮影装置において、
前記蓄電体に充電電力を供給する充電回路部と、
前記機能部の動作制御を行う制御部と、
前記充電回路部及び/又はその周辺の温度を検出する第1温度検出部と、
前記第1温度検出部により温度が検出される場所から所定の距離以上離れた場所の温度を検出する第2温度検出部と、を前記筐体内部に備え、
前記制御部は、
前記第1温度検出部により検出された温度と、前記第2温度検出部により検出された温度と、の差が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記充電回路部の動作制御を行う充電制御手段と、を備え、
前記充電制御手段は、前記判定手段によって前記差が前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記蓄電体に供給する前記充電電力を低下させることを特徴とする。
【0012】
本発明の別の側面である放射線画像撮影装置は、
放射線画像撮影に関する所定の機能を実行する機能部と、前記機能部に電力を供給する蓄電体と、を筐体内部に備え、前記蓄電体からの電力供給による駆動が可能な放射線画像撮影装置において、
前記蓄電体に充電電力を供給する充電回路部と、
少なくとも前記機能部の動作制御を行う制御部と、
前記充電回路部及び/又はその周辺の温度を検出する第1温度検出部と、
前記第1温度検出部により温度が検出される場所から所定の距離以上離れた場所の温度を検出する第2温度検出部と、を前記筐体内部に備え、
前記充電回路部は、
前記第1温度検出部により検出された温度と、前記第2温度検出部により検出された温度と、の差が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記差が前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記蓄電体に供給する前記充電電力を低下させる充電制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の別の側面である充電システムは、
上記の本発明の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置に接続して電力を供給する電力供給手段と、を備え、
前記充電回路部は、前記電力供給手段により供給される電力に基づいて前記蓄電体に充電電力を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のような方式の放射線画像撮影装置及び充電システムによれば、第1温度検出部により検出された温度と、第2温度検出部により検出された温度との差が所定の第1閾値以上である場合に、蓄電体に供給する充電電力を低下させるように構成したので、充電回路部を介して蓄電体を充電すると、充電回路部の温度が上昇し、その他の部分よりも高温になるが、その温度上昇を抑制することが可能となる。
したがって、充電回路部がその他の部分よりも高温になると、充電回路部の近傍に配設された放射線検出素子と、当該放射線検出素子よりも充電回路部から離れた場所に配設された放射線検出素子との間で温度差が生じ、発生する暗電荷の量に差が生じてしまう。そして、その発生する暗電荷の量の違いから、最終的に生成される放射線画像上に、充電回路部近傍の放射線検出素子領域と、当該放射線検出素子領域よりも充電回路部から離れた放射線検出素子領域との間でムラが生じてしまうといった問題が生じる場合があるが、充電回路部の温度上昇が抑制されるので、このような問題が回避され、適切な画質の放射線画像を取得することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る充電システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る放射線画像撮影装置の充電制御の機能的構成を示す要部ブロック図である。
【図3】本実施形態に係る放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
【図4】図3におけるX−X線に沿う断面図である。
【図5】本実施形態に係る放射線画像撮影装置のセンサパネル部及び読取部等の構成を示す等価回路図である。
【図6】(a)本実施形態における充電電力の電流値の変化を示す説明図、(b)充電電力の電流値の変化に伴う温度の変化を示す説明図である。
【図7】本実施形態の一変形例に係る充電システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図8】本実施形態の一変形例に係る放射線画像撮影装置の充電制御の機能的構成を示す要部ブロック図である。
【図9】(a)本実施形態の一変形例における充電電力の電流値の変化を示す説明図、(b)本実施形態の他の一変形例における充電電力の電流値の変化を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明を適用可能な実施形態はこれに限定されるものではない。
【0017】
〔充電システム〕
図1は、本実施形態における充電システム1の概略構成を模式的に示したブロック図である。
本実施形態において充電システム1は、図1に示すように、放射線画像撮影装置2と、充電時等に放射線画像撮影装置2が載置される充電装置としてのクレードル4と、充電時等に放射線画像撮影装置2に接続される給電ケーブル5とを備えている。
【0018】
〔クレードル及びケーブル〕
クレードル4は、放射線画像撮影装置2を載置することにより、外部から放射線画像撮影装置2に電力を供給可能に構成されており、外部電源と接続されるコンセントに接続されたAC/DC電源や、当該AC/DC電源から供給される電力を外部に出力するためのコネクタ部などを備えている(何れも図示せず)。クレードル4のAC/DC電源は、負荷の変動に左右されず常に所定の電力を出力するものであり、クレードル4のコネクタ部は、この所定の電力を放射線画像撮影装置2に対して供給するように構成されている。
クレードル4に放射線画像撮影装置2が装着されると、クレードル4のコネクタ部が放射線画像撮影装置2のコネクタ部26と電気的に接続されて、クレードル4のAC/DC電源を介して外部電源から放射線画像撮影装置2に、蓄電体28(後述)を充電するための電力が直接供給されるように構成されている。
【0019】
給電ケーブル5は、放射線画像撮影装置2と接続することにより、外部から放射線画像撮影装置2に電力を供給可能に構成されている。本実施形態において、給電ケーブル5は、両端部にコネクタ部を備え(図1においては一方のみ図示)、その一端側が放射線画像撮影装置2のコネクタ部26に接続され、他端側が図示しないAC/DC電源に接続されて、図示しないコンセント等を介し外部電源と接続されるように構成されている。これにより、給電ケーブル5の一端側を放射線画像撮影装置2のコネクタ部26に接続すると、外部電源から放射線画像撮影装置2に電力が供給される。この場合、給電ケーブル5を介して供給される電力は、電圧が高く電流値が小さいものとなっている。そして、給電ケーブル5を介して供給された電力は、後述するように、放射線画像撮影装置2の充電回路部6において蓄電体28の充電に適した電圧及び電流に変換される。
なお、給電ケーブル5の他端側は、AC/DC電源を備える装置(クレードル4であってもよいし、その他の装置であってもよい。)と接続することによって、当該AC/DC電源と接続することも可能であるし、AC/DC電源と直接接続することも可能である。
【0020】
〔放射線画像撮影装置〕
本実施形態において放射線画像撮影装置2は、いわゆるフラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:以下「FPD」という。)をカセッテ型に構成した可搬型のカセッテ型FPDであり、放射線画像撮影に用いられ、放射線画像データ(以下、単に「画像データ」と称する。)を取得するものである。
なお、以下では、放射線画像撮影装置2として、シンチレータ等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレータ等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
【0021】
放射線画像撮影装置2には、当該放射線画像撮影装置2の各機能部に電力を供給するバッテリとして、リチウムイオンキャパシタ(LIC)等の蓄電体28が設けられている。
【0022】
放射線画像撮影装置2には、前述したように、当該放射線画像撮影装置2に接続して電力を供給するクレードル4や給電ケーブル5を介して外部電源(図示省略)から電力が供給されるようになっており、放射線画像撮影装置2は、この外部電源からの電力を受電するコネクタ部26を備えている。
【0023】
なお、本実施形態における放射線画像撮影装置2は、このコネクタ部26と蓄電体28との間の充電経路として、外部から供給された電力の電圧値、電流値を変換して蓄電体28に供給する第1充電経路P1と、外部から供給された電力をそのまま(すなわち、電圧値、電流値を放射線画像撮影装置2側で変換せずに)蓄電体28に供給する第2充電経路P2との2種類の充電経路を備えている。
【0024】
本実施形態における放射線画像撮影装置2には、クレードル4及び給電ケーブル5の何れがコネクタ部26に接続されたのかを判定し、その判定結果に応じて充電経路を切り替える充電経路切替手段27が備えられている。
本実施形態では、クレードル4を介して供給される電力よりも、給電ケーブル5を介して供給される電力の方が、電圧が高く電流値が小さいものとなっており、充電経路切替手段27は、コネクタ部26に供給される電力の電圧値を検知し、当該検知した電圧値のレベルによって、コネクタ部26にクレードル4及び給電ケーブル5の何れが接続されたかを判定するように構成されている。具体的には、充電経路切替手段27は、例えば、検知した電圧値が基準値よりも高いか否かを判断し、電圧値が基準値よりも低ければコネクタ部26にクレードル4が接続されたと判定し、電圧値が基準値よりも高ければコネクタ部26に給電ケーブル5が接続されたと判定する。
【0025】
さらに、充電経路切替手段27は、例えば所定の電圧が印加されることによりON/OFFが切り替えられるスイッチを備えており、コネクタ部26に給電ケーブル5が接続されたと判定した場合には、充電経路が第1充電経路P1となるよう切り替え、コネクタ部26にクレードル4が接続されたと判定した場合には、充電経路が第2充電経路P2となるよう切り替えるように構成されている。
【0026】
なお、本実施形態では、コネクタ部26に供給される電力の電圧値を検知することによって、コネクタ部26にクレードル4及び給電ケーブル5の何れが接続されたかを判定するように構成したが、充電経路切替手段27による接続判定の手法は特に限定されず、これ以外の手法によって接続判定を行ってもよい。
また、本実施形態では、所定の電圧が印加されることによりON/OFFが切り替えられるスイッチによって充電経路を切り替えるように構成したが、充電経路切替手段27による経路切替の手法は特に限定されず、これ以外の手法によって経路切替を行ってもよい。
【0027】
第1充電経路P1上には、図1に示すように、電力供給手段(本実施形態では給電ケーブル5)により供給される電力に基づいて蓄電体28に充電電力を供給する充電回路部6が設けられている。そして、充電経路が第1充電経路P1に切り替えられた場合には、充電回路部6によって、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力の電圧値・電流値を変換して蓄電体28に供給することにより、蓄電体28の内部充電を行うように構成されている。
【0028】
本実施形態において充電回路部6は、外部電源から供給された電力を所定の充電電力に変換して蓄電体28に供給するためのものである。
具体的には、充電回路部6は、例えば図2に示すように、放射線画像撮影装置2の各機能部の動作を制御する制御部30から入力される制御信号に従って充電電力の電流値等を設定する制御回路6a、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力を制御回路6aにより設定された充電電力に変換する、第1スイッチング素子6b及び第2スイッチング素子6c、コイル6d等を備えている。
【0029】
第1スイッチング素子6b及び第2スイッチング素子6cは、FET(Field-Effect Transistor)であり、互いに直列に接続されているとともに、それぞれゲート電極が制御回路6aに接続されている。
第1スイッチング素子6bは、蓄電体28に接続されたコイル6dと、コネクタ部26との間に直列接続されて、充電電力の電流の流路を形成している。また、第2スイッチング素子6cは、蓄電体28に接続されたコイル6dと、接地との間に直列接続されている。そして、第1スイッチング素子6bのゲート電極や第2スイッチング素子6cのゲート電極に印加する電圧を制御することにより、第1スイッチング素子6b及び第2スイッチング素子6cによって、蓄電体28に供給する充電電力を調整するようになっている。
なお、本実施形態では、スイッチング素子6b,6cとして、FETを用いたが、スイッチング素子6b,6cの種類は特に限定されず、FET以外のスイッチング素子を用いることも可能である。
【0030】
ここで、前述したように、充電回路部6を介して蓄電体28を充電すると充電回路部6が備えるスイッチング素子等が発熱するが、本実施形態では、充電回路部6が備える2つのスイッチング素子(第1スイッチング素子6b及び第2スイッチング素子6c)のうち、コネクタ部26に直接接続された第1スイッチング素子6bに多くの電流(充電電力の電流)が流れるので、コネクタ部26に直接接続されていない第2スイッチング素子6cよりも第1スイッチング素子6bの方が発熱し易くなっている。
【0031】
一方、第2充電経路P2上には、図1に示すように、充電回路部6等が設けられておらず、充電経路が第2充電経路P2に切り替えられた場合には、クレードル4及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力の電圧値・電流値を変換することなくそのまま(すなわち、高い電流値のまま)蓄電体28に供給することにより、蓄電体28の外部充電を行うように構成されている。
【0032】
図3は、本実施形態における放射線画像撮影装置2の斜視図であり、図4は、図3のX−X線に沿う断面図である。
放射線画像撮影装置2は、図3や図4に示すように、内部を保護する筐体21を備えている。筐体21は、少なくとも放射線の照射を受ける側の面R(以下「放射線入射面R」という。)が、放射線を透過するカーボン板やプラスチック等の材料で形成されている。
なお、図3や図4では、筐体21がフロント部材21aとバック部材21bとで形成されている場合が示されているが、その形状、構成は特に限定されず、この他にも、筐体21を筒状のいわゆるモノコック状等に形成することも可能である。
【0033】
図3に示すように、本実施形態において、放射線画像撮影装置2の側面部分には、電源スイッチ22、インジケータ25、コネクタ部26等が配置されている。
【0034】
電源スイッチ22は、放射線画像撮影装置2の電源のON/OFFを切り替えるものであり、電源スイッチ22を操作することにより、蓄電体28(図1参照)による放射線画像撮影装置2の各機能部に対する電力供給の開始及び停止を指示する信号が制御部30(図1参照)に出力される。放射線画像撮影装置2を撮影に使用しないときには、電源をOFFに(すなわち、蓄電体28による各機能部に対する電力供給を停止)しておくことにより、蓄電体28の電力消費を抑えることができる。
【0035】
インジケータ25は、例えばLED等で構成され、蓄電体28の充電残量や各種の操作状況等を表示するものである。
【0036】
また、放射線画像撮影装置2の側面部分には、筐体21内に内蔵された蓄電体28の交換のために開閉される蓋部材70が設けられており、蓋部材70の側面部には、放射線画像撮影装置2が外部装置との間で無線方式による情報の送受信を行うためのアンテナ装置71が埋め込まれている。
【0037】
コネクタ部26は、クレードル4及び給電ケーブル5のそれぞれと着脱自在に電気的に接続して、外部から放射線画像撮影装置2に供給される電力の受電を行う。
コネクタ部26は、放射線画像撮影装置2がクレードル4に載置されたときに、クレードル4のコネクタ部に対応する位置に設けられている。そして、放射線画像撮影装置2は、コネクタ部26にクレードル4のコネクタ部が接続されると、前述したように蓄電体28に高電流値の充電電力を供給することにより、蓄電体28を急速充電することが可能となるように構成されている。
また、放射線画像撮影装置2は、コネクタ部26に給電ケーブル5(具体的には、給電ケーブル5の一端側)が接続されると、前述したように外部電源からの電力をより低電流値の充電電力に変換して蓄電体28に供給することにより、蓄電体28を充電することが可能となるように構成されている。
【0038】
また、蓄電体28と各機能部との間には、例えば図1に示すように、電源回路29が設けられている。電源回路29は、蓄電体28から供給される電力を供給先の各機能部に適するように、その電圧値等を適宜変換・調整して供給するように構成されている。この電源回路29は、蓄電体28の充電時・非充電時に区別なく、各機能部へ電力の供給を行うようになっている。
なお、ここで言う各機能部とは、放射線画像撮影装置2において、放射線画像撮影における各種の機能を実行し、電力の供給を必要とするモジュール又はデバイスであり、前述した制御部30の他、後述する記憶部31、走査駆動回路32、信号読出し回路33、信号処理部34、通信部35、A/D変換部40等がこれに該当する。
【0039】
また、電源回路29は、蓄電体28から供給される電力を、充電回路部6や充電経路切替手段27に適するように、その電圧値等を適宜変換・調整して供給するように構成されている。
【0040】
筐体21の放射線入射面Rの内側には、例えば図4に示すように、放射線入射面Rから入射した放射線を吸収して可視光を含む波長の光に変換するシンチレータ50が形成されている。シンチレータ50は、例えばCsI:TlやGdS:Tb、ZnS:Ag等の母体内に発光中心物質が付活された蛍光体を用いて形成されたものを用いることができる。
【0041】
シンチレータ50の放射線入射面R側とは反対側には、基板60が配設されており、シンチレータ50の放射線入射面R側には、基板60やシンチレータ50を保護するためのガラス基板55が配設されている。
【0042】
基板60は、本実施形態では、ガラス基板で構成されており、図4に示すように、基板60のシンチレータ50に対向する側の面上には、シンチレータ50から出力された光を電気信号に変換する複数の放射線検出素子23(図5参照)が2次元状に複数配列された検出手段としてのセンサパネル部24が設けられている。
基板60の放射線入射面R側とは反対側には、図示しない鉛の薄板等を介して基台51が配置されている。基台51には、電子部品52等が配設されたPCB基板53や緩衝部材54などが取り付けられている。
【0043】
本実施形態においては、制御部30、走査駆動回路32、信号読出し回路33等により、このセンサパネル部24の各放射線検出素子23の出力値を読み取る読取手段である読取部45(図5参照)が構成されている。
【0044】
センサパネル部24及び読取部45の構成について、図5の等価回路図を参照しつつ、さらに説明する。
図5に示すように、センサパネル部24の各放射線検出素子23の一方の電極にはそれぞれ信号読出し用のスイッチ素子であるTFT46のソース電極が接続されている。また、各放射線検出素子23の他方の電極にはバイアス線Lbが接続されており、バイアス線Lbはバイアス電源36に接続されていて、バイアス電源36から各放射線検出素子23に逆バイアス電圧が印加されるようになっている。
【0045】
各TFT46のゲート電極はそれぞれ走査駆動回路32から延びる走査線Llに接続されており、TFT46のゲート電極には、この走査線Llを介して図示しないTFT電源から読み出し電圧(ON電圧)又はOFF電圧が印加されるようになっている。また、各TFT46のドレイン電極はそれぞれ信号線Lrに接続されている。各信号線Lrは、それぞれ信号読出し回路33内の増幅回路37に接続されており、各増幅回路37の出力線はそれぞれサンプルホールド回路38を経てアナログマルチプレクサ39に接続されている。また、信号読出し回路33には信号をデジタル信号に変換処理する処理手段としてのA/D変換部40が接続されており、アナログマルチプレクサ39から送り出されたアナログの画像信号は、A/D変換部40によりデジタルの画像信号に変換される。信号読出し回路33は、このA/D変換部40を介して制御部30に接続されており、デジタルの画像信号が制御部30に出力される。制御部30には、記憶部31が接続されており、制御部30は、A/D変換部40から送られたデジタルの画像信号を画像データとして記憶部31に記憶させるようになっている。
【0046】
制御部30は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータであり、放射線画像撮影装置2全体を統括的に制御する。すなわち、制御部30は、放射線画像撮影に関する所定の機能を実行する機能部(記憶部31、走査駆動回路32、信号読出し回路33、信号処理部34、通信部35、A/D変換部40等)や充電回路部6などの動作制御を行う。
【0047】
ROMには、実写画像データ生成処理、オフセット補正値生成処理、充電制御処理等、放射線画像撮影装置2において各種の処理を行うためのプログラム、各種の制御プログラムやパラメータ等が記憶されている。
制御部30は、ROMに格納された所定のプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開し、当該プログラムに従ってCPUが各種処理を実行するようになっている。
【0048】
信号処理部34は、画像データに所定の信号処理を施すことによって画像データを外部に出力するのに適した形式のデータとする機能部である。
【0049】
記憶部31は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等で構成されており、記憶部31には、読取部45(図5参照)により生成される実写画像データ(被写体を透過した放射線に基づく画像データ)や、暗画像データ(放射線を照射しない状態で取得された画像データ)等が記憶されるようになっている。
なお、記憶部31は内蔵型のメモリであってもよいし、メモリカード等の着脱可能なメモリであってもよい。また、その容量は特に限定されないが、複数枚分の画像データを保存可能な容量を有することが好ましい。このような記憶手段を備えることによって、被写体に対して連続して放射線を照射し、その度ごとに画像データを記録し蓄積していくことができ、連続撮影や動画撮影を行うことが可能となる。
【0050】
通信部35は、アンテナ装置71と接続されており、制御部30の制御に従って、外部装置との間で各種信号の送受信を行うものである。具体的には、通信部35は、無線アクセスポイント(図示省略)を介して無線方式でコンソール101等の外部装置との間で通信を行う。
本実施形態において、通信部35は、読取部45によって読み取られA/D変換部40においてアナログ信号からデジタル信号に変換された画像信号に基づく画像データを外部装置に送信したり、外部装置から撮影オーダ情報等を受信したりするように構成されている。
【0051】
さらに、本実施形態における放射線画像撮影装置2は、例えば図1や図2に示すように、充電回路部6の第1スイッチング素子6bの周辺の温度を検出する第1温度検出部81と、制御部30の周辺の温度を検出する第2温度検出部82とを備えている。
【0052】
第1温度検出部81は、充電回路部6の第1スイッチング素子6bの近傍に配設されたサーミスタ等であり、第1スイッチング素子6bの周辺の温度を検出して、当該検出した温度に関する温度情報を制御部30に出力するように構成されている。
【0053】
第2温度検出部82は、制御部30の近傍に配設されたサーミスタ等であり、制御部30の周辺の温度を検出して、当該検出した温度に関する温度情報を制御部30に出力するように構成されている。
ここで、本実施形態において制御部30は、第1温度検出部81により温度が検出される場所から所定の距離(後述)以上離れた場所の温度を第2温度検出部82によって検出できるよう、第1スイッチング素子6bから離れた場所に配設されていることとする。
【0054】
そして、本実施形態において制御部30は、後述するように、第1温度検出部81及び第2温度検出部82からの温度情報に基づいて、第1温度検出部81により検出された温度(本実施形態では、第1スイッチング素子6bの周辺の温度)と、第2温度検出部82により検出された温度(本実施形態では、制御部30の周辺の温度)との差が所定の第1閾値S1以上であるか否かを判定する判定手段として機能するように構成されている。
さらに、本実施形態において制御部30は、後述するように、第1温度検出部81及び第2温度検出部82からの温度情報に基づいて、第1温度検出部81により検出された温度と、第2温度検出部82により検出された温度との差が第1閾値S1よりも小さい所定の第2閾値S2以下であるか否かを判定するように構成されている。
【0055】
また、制御部30は、後述するように、第1温度検出部81により検出された温度と、第2温度検出部82により検出された温度との差が第1閾値S1以上であると判定した場合に、充電回路部6の動作制御を行って、蓄電体28に供給する充電電力を低下させる充電制御手段として機能するように構成されている。
また、制御部30は、後述するように、蓄電体28に供給する充電電力を低下させた後、第1温度検出部81により検出された温度と、第2温度検出部82により検出された温度との差が第2閾値S2以下であると判定した場合に、充電回路部6の動作制御を行って、蓄電体28に供給する充電電力を上昇させるように構成されている。
【0056】
次に、本実施形態における蓄電体28の充電(特に内部充電)について説明する。
【0057】
放射線画像撮影装置2のコネクタ部26にクレードル4又は給電ケーブル5が接続されると、充電経路切替手段27によって、クレードル4及び給電ケーブル5の何れがコネクタ部26に接続されたかが判定され、その判定結果に応じて充電経路が切り替えられる。
具体的には、充電経路切替手段27は、コネクタ部26に給電ケーブル5が接続されたと判定すると、充電経路を第1充電経路P1に切り替える。これにより、蓄電体28の内部充電が行われる。
一方、充電経路切替手段27は、コネクタ部26にクレードル4が接続されたと判定すると、充電経路を第2充電経路P2に切り替える。これにより、蓄電体28の外部充電が行われる。
【0058】
制御部30は、充電経路が第1充電経路P1に切り替えられると、充電回路部6の動作制御を行う。
具体的には、制御部30は、まず、充電回路部6の制御回路6aに制御信号を入力して、充電電力の電流値として通常電流値Aを設定させる。これにより、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力が通常電流値Aの充電電力に変換されて蓄電体28に供給される。
【0059】
すなわち、例えば図6(a)に示すように、充電経路が第1充電経路P1に切り替えられると(時間:t)、まず、通常電流値Aの充電電力が蓄電体28に供給される。
ここで、通常電流値Aは、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力の電流値よりも低い値であれば任意であり、例えば、従来の放射線画像撮影装置において蓄電体を内部充電する際の充電電力の電流値と同等の値を通常電流値Aとして採用することができる。
【0060】
このように充電回路部6を介して蓄電体28を充電すると、充電回路部6が備える第1スイッチング素子6bが特に発熱するため、例えば図6(b)に示すように、充電経路が第1充電経路P1に切り替えられると(時間:t)、第1温度検出部81により検出される第1スイッチング素子6bの周辺の温度(図6(b)において実線で示す。)が上昇する。また、制御部30等も駆動して発熱するため、第2温度検出部82により検出される制御部30の周辺の温度(図6(b)において破線で示す。)も上昇する。
【0061】
その際、放射線画像撮影装置2を構成する各部品のうち第1スイッチング素子6bが最も発熱するので、第1スイッチング素子6bの周辺では温度が急激に上昇するが、第1スイッチング素子6bから離れた場所ほど第1スイッチング素子6bの温度の影響を受け難いので、第1スイッチング素子6bから離れた場所ほど、第1スイッチング素子6bの温度の影響を受けない温度上昇になる。そのため、例えば図6(b)に示すように、第1スイッチング素子6bの周辺と、制御部30の周辺(すなわち、第1スイッチング素子6bから離れた場所)との間の温度差が徐々に大きくなっていく。
第1スイッチング素子6bの周辺と、制御部30の周辺との間で温度差が大きくなっていくと、同様にして、充電回路部6の近傍に配設された放射線検出素子23と、当該放射線検出素子23よりも充電回路部6から離れた場所に配設された放射線検出素子23との間でも温度差が大きくなっていく。
【0062】
放射線検出素子23では、当該放射線検出素子23の熱による熱励起等により放射線検出素子23内で暗電荷が発生するが、当該放射線検出素子23の温度に応じて発生する暗電荷の量が変わる。充電回路部6の近傍に配設された放射線検出素子23と、当該放射線検出素子23よりも充電回路部6から離れた場所に配設された放射線検出素子23との間で温度差が大きくなっていくと、発生する暗電荷の量の差も大きくなっていく。そのため、発生する暗電荷の量の違いから、画像データ等に基づいて最終的に生成される放射線画像上に、充電回路部6近傍の放射線検出素子23領域と、当該放射線検出素子23領域よりも充電回路部6から離れた放射線検出素子23領域との間でムラが生じてしまうといった問題が生じる場合がある。
【0063】
そこで、本実施形態では、例えば図6(a)、図6(b)に示すように、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が第1閾値S1以上になると(時間:t)、蓄電体28に供給する充電電力の電流値が通常電流値Aよりも小さい低下電流値Aとなるよう充電電力の電流値を減少させることによって、充電電力を低下させるようになっている。
具体的には、制御部30は、第1温度検出部81からの温度情報と第2温度検出部82からの温度情報とに基づいて、第1温度検出部81により検出された温度と第2温度検出部82により検出された温度との差が第1閾値S1以上であるか否かを判定する。そして、制御部30は、当該差が第1閾値S1以上であると判定した場合に、充電回路部6の制御回路6aに制御信号を入力して、充電電力の電流値として通常電流値Aよりも小さい低下電流値Aを設定させる。これにより、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力が低下電流値Aの充電電力に変換されて蓄電体28に供給される。
【0064】
このように、例えば図6(b)に示すように、温度差が第1閾値S1以上になり(時間:t)、充電電力が低下されると、第1スイッチング素子6bの周辺の温度が低下し、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が徐々に小さくなる。また、同様にして、充電回路部6の近傍に配設された放射線検出素子23と、当該放射線検出素子23よりも充電回路部6から離れた場所に配設された放射線検出素子23との間でも温度差が小さくなっていく。
【0065】
ここで、第1閾値S1は、最終的に生成される放射線画像上にムラが生じない温度差、すなわち、補正後の画像データに基づく放射線画像の画質が適切な画質となる温度差のうちの何れかである。
放射線画像撮影装置2により撮影された放射線画像の画像データには、放射線画像撮影装置2やコンソール101等の外部装置において、伸長処理、オフセット補正処理、ゲイン補正処理、自動階調処理等の所定の画像処理が施される。充電回路部6(具体的には、本実施形態では第1スイッチング素子6b)の発熱に伴い生じる放射線画像上のムラは、充電回路部6の発熱に伴い発生する暗電荷の量の差が小さいうちは、このような画像処理を施すことによって補正されるが、発生する暗電荷の量の差が大きくなると、このような画像処理を施したとしても補正しきれなくなる。そのため、第1閾値S1は、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差を、このような画像処理を施して最終的に生成される放射線画像上にムラが生じない範囲に保つことができる値であればよい。
【0066】
なお、第1閾値S1は、最終的に生成される放射線画像上にムラが生じない温度差のうちの何れかであれば任意であるが、第1閾値S1が小さいと、すぐに充電電力を低下させる充電制御が行われてしまい、蓄電体28の充電に時間がかかってしまう可能性がある。したがって、第1閾値S1は、最終的に生成される放射線画像上にムラが生じない温度差のうち、より大きな温度差であることが好ましい。
このような温度差を第1閾値S1として設定することで、最終的に生成される放射線画像上にムラが生じないように第1スイッチング素子6bの温度上昇を抑制することが可能となるとともに、蓄電体28の充電を効率よく行うことが可能となる。
【0067】
また、低下電流値Aは、通常電流値Aよりも小さい値のうち、低下電流値Aの充電電力を蓄電体28に供給した際に第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が第2閾値S2(後述)以下になる値であれば任意である。したがって、低下電流値Aを「0」に設定して、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が第1閾値S1以上となった時点(時間:t)で、蓄電体28に対する充電電力の供給を停止するように構成してもよい。
【0068】
さらに、本実施形態では、例えば図6(a)、図6(b)に示すように、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が、第1閾値S1よりも小さい第2閾値以下になると(時間:t)、蓄電体28に供給する充電電力の電流値が低下電流値Aから通常電流値Aへと復帰するように充電電力の電流値を増加させることによって、充電電力を上昇させるようになっている。
具体的には、制御部30は、充電電力を低下させる充電制御を行った後、第1温度検出部81からの温度情報と第2温度検出部82からの温度情報とに基づいて、第1温度検出部81により検出された温度と第2温度検出部82により検出された温度との差が第2閾値S2以下であるか否かを判定する。そして、制御部30は、当該差が第2閾値S2以下であると判定した場合に、充電回路部6の制御回路6aに制御信号を入力して、充電電力の電流値として通常電流値Aを設定させる。これにより、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力が通常電流値Aの充電電力に変換されて蓄電体28に供給される。
【0069】
このように充電電力が上昇すると、第1スイッチング素子6bの発熱が抑制されなくなるため、例えば図6(b)に示すように、温度差が第2閾値S2以下になり(時間:t)、充電電力が上昇されると、第1スイッチング素子6bの周辺の温度が上昇し、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が徐々に大きくなる。また、同様にして、充電回路部6の近傍に配設された放射線検出素子23と、当該放射線検出素子23よりも充電回路部6から離れた場所に配設された放射線検出素子23との間でも温度差が大きくなっていく。
【0070】
そして、制御部30は、蓄電体28の充電が完了するまで、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が第1閾値S1以上になれば、充電電力を低下させる充電制御を行い、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が第2閾値S2以下になれば、充電電力を上昇させる充電制御を行うように構成されている。
【0071】
なお、第2閾値S2は、第1閾値S1よりも小さい値(温度差)の何れかであれば任意であるが、第2閾値S2が大きいと、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差が十分に小さくならないうちに、充電電力を上昇させる充電制御が行われてしまう。この場合、充電電力を上昇させる充電制御の後、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差がすぐに第1閾値S1以上になってしまって、再び充電電力を低下させる充電制御が行われてしまうこととなり、結果として、蓄電体28の充電に時間がかかってしまう可能性がある。一方、第2閾値S2が小さいと、なかなか充電電力を上昇させる充電制御が行われず、蓄電体28の充電に時間がかかってしまう可能性がある。したがって、第2閾値S2は、第1閾値S1よりも小さい値のうち、蓄電体28の充電を効率よく行うことができる値であることが好ましい。
【0072】
また、本実施形態では、充電電力を上昇させる充電制御によって、充電電力の電流値を通常電流値Aへと復帰させるように構成したが、これに限ることはなく、低下電流値Aよりも大きく、かつ、安全な内部充電を行うことが可能な電流値の充電電力を蓄電体28に供給できるのであれば、充電電力を上昇させる充電制御により設定される充電電力の電流値は任意である。
【0073】
また、本実施形態では、充電回路部6が備える2つのスイッチング素子(第1スイッチング素子6b及び第2スイッチング素子6c)のうち第1スイッチング素子6bの周辺の温度を検出するように構成したが、これに限ることはなく、第2スイッチング素子6cの周辺の温度を検出するように構成してもよいし、第1スイッチング素子6bと第2スイッチング素子6cとの双方の周辺の温度を検出するように構成してもよい。
また、本実施形態では、第1温度検出部81によって充電回路部6が備えるスイッチング素子(具体的には第1スイッチング素子6b)の周辺の温度を検出するように構成したが、これに限ることはなく、充電回路部6の温度を検出するように構成してもよいし、充電回路部6の周辺の温度を検出するように構成してもよいし、充電回路部6及びその周辺の温度を検出するように構成してもよい。また、第1温度検出部81によって、例えば、第1スイッチング素子6bの温度の影響を最も受ける放射線検出素子23及び/又はその周辺の温度を検出することも可能である。
【0074】
また、本実施形態では、第2温度検出部82によって制御部30の周辺の温度を検出するように構成したが、これに限ることはなく、筐体21内部のうちの第1温度検出部81により温度が検出される場所から所定の距離以上離れた場所の温度を検出するのであれば、第2温度検出部82によって温度を検出する場所は任意であり、例えば、制御部30の温度を検出するように構成してもよいし、制御部30及び/又はその周辺以外の温度を検出するように構成してもよい。また、第2温度検出部82によって、例えば、第1スイッチング素子6bの温度の影響を最も受けない放射線検出素子23及び/又はその周辺の温度を検出することも可能である。
【0075】
また、第1温度検出部81により温度を検出する場所や、第2温度検出部82により温度を検出する場所に応じて、第1閾値S1や第2閾値S2を適宜変更することが好ましい。
本実施形態では、放射線画像撮影装置2の構成の都合上、制御部30を構成する各電子部品52や、充電回路部6を構成する第1スイッチング素子6b等の各電子部品52などが配設されたPCB基板53に電子部品52として第1温度検出部81や第2温度検出部82を配置し、制御部30の周辺や第1スイッチング素子6bの周辺の温度を検出するように構成したが、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差は、最終的に生成される放射線画像上のムラの原因となる実際の温度差、すなわち放射線検出素子23間の温度差とは異なる。しかしながら、検出される温度差(本実施形態では第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差)と、実際の温度差とは連動しているので、第1閾値S1として検出される温度差を最終的に生成される放射線画像上にムラが生じない範囲に保つことができる値を設定し、検出される温度差が第1閾値S1以上になった際に充電電力を低下させる充電制御を行えば、実際の温度差を検出しなくても、ムラのない適切な画質の放射線画像を得ることが可能となる。ただし、検出される温度差と実際の温度差とはほぼ連動しているが、第1温度検出部81により温度を検出する場所や、第2温度検出部82により温度を検出する場所に応じて、検出される温度差と実際の温度差との差は異なるので、第1温度検出部81により温度を検出する場所や、第2温度検出部82により温度を検出する場所に応じて、第1閾値S1や第2閾値S2を適宜変更することが好ましい。
【0076】
なお、第2温度検出部82によって、筐体21内部のうちの第1温度検出部81により温度が検出される場所から所定の距離以上離れた場所の温度を検出するように構成したが、ここで言う所定の距離とは、第1温度検出部81により温度が検出される場所と、第2温度検出部82により温度が検出される場所との間の温度差が、最終的に生成される放射線画像上のムラの原因となる実際の温度差に連動する温度差となる距離である。
すなわち、第1温度検出部81により温度を検出する場所と、第2温度検出部82により温度を検出する場所とが近く、第2温度検出部82により温度を検出する場所も第1スイッチング素子6bの温度の影響を受けるような場合、検出される温度差が実際の温度差に連動しなくなって、充電電力を上昇させたり低下させたりする充電制御を行ったとしても、最終的に生成される放射線画像上にムラが生じてしまう可能性がある。これに対し、本実施形態では、検出される温度差が実際の温度差に連動するよう、第1温度検出部81により温度を検出する場所と、第2温度検出部82により温度を検出する場所とが所定の距離以上離れているので、充電電力を上昇させたり低下させたりする充電制御を的確に行うことができ、最終的に生成される放射線画像上にムラが生じてしまうといった問題を回避することが可能となっている。
【0077】
以上説明した本実施形態の放射線画像撮影装置2及び充電システム1によれば、第1温度検出部81により検出された温度と、第2温度検出部82により検出された温度との差が所定の第1閾値S1以上である場合に、蓄電体28に供給する充電電力を低下させるように構成したので、充電回路部6を介して蓄電体28を充電すると、充電回路部6が備える第1スイッチング素子6b等が発熱して充電回路部6の温度が上昇し、その他の部分よりも高温になるが、その温度上昇を抑制することが可能となる。
したがって、充電回路部6がその他の部分よりも高温になると、充電回路部6の近傍に配設された放射線検出素子23と、当該放射線検出素子23よりも充電回路部6から離れた場所に配設された放射線検出素子23との間で温度差が生じ、発生する暗電荷の量に差が生じてしまう。そして、その発生する暗電荷の量の違いから、最終的に生成される放射線画像上に、充電回路部6近傍の放射線検出素子23領域と、当該放射線検出素子23領域よりも充電回路部6から離れた放射線検出素子23領域との間でムラが生じてしまうといった問題が生じる場合があるが、充電回路部6の温度上昇が抑制されるので、このような問題が回避され、適切な画質の放射線画像を取得することが可能となる。
【0078】
また、本実施形態によれば、蓄電体28に供給する充電電力を低下させた後、第1温度検出部81により検出された温度と、第2温度検出部82により検出された温度との差が所定の第2閾値S2以下である場合に、蓄電体28に供給する充電電力を上昇させるように構成したので、充電電力が低下したままである場合と比較して、蓄電体28の充電に要する時間を短縮することができ、蓄電体28の充電を効率よく行うことが可能となる。
【0079】
また、本実施形態によれば、充電回路部6を介して蓄電体28を充電する際、特に第1スイッチング素子6bが発熱するが、第1温度検出部81により第1スイッチング素子6bの周辺の温度を検出するように構成したので、充電回路部6を介して蓄電体28を充電する際に発熱する部分とそれ以外の部分との温度差を的確に観測することが可能となる。
【0080】
また、本実施形態によれば、第1温度検出部81や第2温度検出部82は検出した温度に関する温度情報を制御部30に出力するが、第2温度検出部82を制御部30の周辺に配設し、制御部30の周辺の温度を検出するように構成したので、第2温度検出部82が制御部30から離れた場所の温度を検出する場合と比較して、制御部30と第2温度検出部82との間の配線パターンを短くすることが可能となる。
【0081】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0082】
<変形例1>
上記した実施の形態では、制御部30が充電回路部6の駆動制御を行って、充電電力を低下させる充電制御や充電電力を上昇させる充電制御を行うように構成したが、その代わりに、充電回路部6自身がこれらの充電制御を行うように構成することも可能である。
【0083】
具体的には、例えば図7、図8に示すように、第1温度検出部81や第2温度検出部82を充電回路部6の制御回路6aに接続して、第1温度検出部81からの温度情報や第2温度検出部82からの温度情報が制御回路6aに入力されるように構成する。
そして、制御回路6aによって、第1温度検出部81からの温度情報と第2温度検出部82からの温度情報とに基づいて、第1温度検出部81により検出された温度と第2温度検出部82により検出された温度との差が第1閾値S1以上であるか否かを判定し、当該差が第1閾値S1以上であると判定した場合に、充電電力の電流値として通常電流値Aよりも小さい低下電流値Aを設定するように構成する。これにより、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力が低下電流値Aの充電電力に変換されて蓄電体28に供給される。
【0084】
また、制御回路6aによって、充電電力を低下させる充電制御を行った後、第1温度検出部81からの温度情報と第2温度検出部82からの温度情報とに基づいて、第1温度検出部81により検出された温度と第2温度検出部82により検出された温度との差が第2閾値S2以下であるか否かを判定し、当該差が第2閾値S2以下であると判定した場合に、充電電力の電流値として通常電流値Aを設定するように構成する。これにより、給電ケーブル5及びコネクタ部26を介して外部電源から供給された電力が通常電流値Aの充電電力に変換されて蓄電体28に供給される。
【0085】
変形例1の場合、充電回路部6の制御回路6aが、判定手段や充電制御手段として機能する。
【0086】
<変形例2>
上記した実施の形態では、例えば図6(a)に示すように、充電電力を低下させる充電制御を行う際、充電電力の電流値を所定の通常電流値Aから当該通常電流値Aよりも小さい所定の低下電流値Aに切り替えることによって、充電電力を一気に低下させるように構成したが、その代わりに、充電電力の電流値を所定の通常電流値Aから当該通常電流値Aよりも小さい所定の低下電流値Aまで徐々に減少させることによって、充電電力を徐々に低下させるように構成することも可能である。
【0087】
具体的には、例えば図9(a)に示すように、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差等が、第1閾値S1以上になると(時間:t)、蓄電体28に供給する充電電力の電流値を、通常電流値Aから低下電流値Aまでリニアに変化させることによって、充電電力を徐々に低下させるように構成することも可能である。
【0088】
また、例えば図9(b)に示すように、第1スイッチング素子6bの周辺と制御部30の周辺との間の温度差等が、第1閾値S1以上になると(時間:t)、蓄電体28に供給する充電電力の電流値を、通常電流値Aから低下電流値Aまで段階的に変化させることによって、充電電力を徐々に低下させるように構成することも可能である。なお、図9(b)では、充電電力を5段階に変化させる場合を示したが、これに限ることはなく、充電電力を変化させる段階は任意である。
【0089】
上記した実施の形態の場合、変形例2の場合と比較して、温度差が第1閾値S1以上になってから(時間:t)、第2閾値S2以下になるまでに要する時間が短くなる。そのため、温度差が第2閾値S2以下になった際に行う充電電力を上昇させる充電制御を早い時点で行うことができる。すなわち、変形例2の場合における充電電力を上昇させる充電制御を行うタイミング(図9(a)の時間:tや図9(b)の時間:t)よりも、上記した実施の形態の場合における充電電力を上昇させる充電制御を行うタイミング(図6(a)の時間:t)を早くできるので、効率のよい充電が可能となる。
一方、変形例2の場合、上記した実施の形態の場合と比較して、温度差が第1閾値S1以上になってから(時間:t)、第2閾値S2以下になるまでに要する時間が長くなるが、充電電力の電流値が通常電流値Aから低下電流値Aになるまでの間に、より多くの充電電力を蓄電体28に供給することができる。例えば、充電完了が近い場合、充電電力を一気に低下させると、充電完了までに要する時間が長くなるが、充電電力を徐々に低下させると、その徐々に低下させている間に充電が完了する場合もあり、充電完了までに要する時間を短くすることができる。したがって、変形例2の場合も、効率のよい充電が可能となる。
【0090】
<変形例3>
上記した実施の形態では、例えば図6(a)に示すように、充電電力を上昇させる充電制御を行う際、充電電力の電流値を所定の低下電流値Aから所定の通常電流値Aに切り替えて、充電電力を一気に上昇させるように構成したが、その代わりに、充電電力の電流値を所定の低下電流値Aから所定の通常電流値Aまで徐々に増加させて、充電電力を徐々に上昇させるように構成することも可能である。
【0091】
具体的には、例えば、蓄電体28に供給する充電電力の電流値を、低下電流値Aから通常電流値Aまでリニアに変化させることによって、充電電力を徐々に上昇させるように構成することも可能であるし、蓄電体28に供給する充電電力の電流値を、低下電流値Aから通常電流値Aまで段階的に変化させることによって、充電電力を徐々に上昇させるように構成することも可能である。
【0092】
なお、上記の各変形例の構成を組み合わせて適用してもよい。
【0093】
また、上記した実施の形態や各変形例において、放射線画像撮影装置2は、クレードル4を介して供給された電力を、充電回路部6を介さずにそのまま蓄電体28に供給するように構成されていたが、これに限ることはなく、クレードル4を介して供給された電力を、充電回路部6を介して蓄電体28に供給するように構成することも可能である。
【0094】
また、上記した実施の形態や各変形例において、充電システム1は、クレードル4と給電ケーブル5との両方を備えるように構成されていたが、これに限ることはなく、給電ケーブル5のみを備えるように構成することも可能である。さらに、クレードル4を介して供給された電力を、充電回路部6を介して蓄電体28に供給するように放射線画像撮影装置2が構成されているのであれば、クレードル4のみを備えるように構成することも可能である。
【符号の説明】
【0095】
1 充電システム
2 放射線画像撮影装置
5 給電ケーブル(電力供給手段)
6 充電回路部
6a 制御回路(判定手段、充電制御手段)
6b 第1スイッチング素子(スイッチング素子)
6c 第2スイッチング素子(スイッチング素子)
21 筐体
28 蓄電体
30 制御部(判定手段、充電制御手段)
31 記憶部(機能部)
32 走査駆動回路(機能部)
33 信号読出し回路(機能部)
34 信号処理部(機能部)
35 通信部(機能部)
40 A/D変換部(機能部)
81 第1温度検出部
82 第2温度検出部
通常電流値
低下電流値
第1閾値
第2閾値

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線画像撮影に関する所定の機能を実行する機能部と、前記機能部に電力を供給する蓄電体と、を筐体内部に備え、前記蓄電体からの電力供給による駆動が可能な放射線画像撮影装置において、
前記蓄電体に充電電力を供給する充電回路部と、
前記機能部の動作制御を行う制御部と、
前記充電回路部及び/又はその周辺の温度を検出する第1温度検出部と、
前記第1温度検出部により温度が検出される場所から所定の距離以上離れた場所の温度を検出する第2温度検出部と、を前記筐体内部に備え、
前記制御部は、
前記第1温度検出部により検出された温度と、前記第2温度検出部により検出された温度と、の差が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記充電回路部の動作制御を行う充電制御手段と、を備え、
前記充電制御手段は、前記判定手段によって前記差が前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記蓄電体に供給する前記充電電力を低下させることを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項2】
放射線画像撮影に関する所定の機能を実行する機能部と、前記機能部に電力を供給する蓄電体と、を筐体内部に備え、前記蓄電体からの電力供給による駆動が可能な放射線画像撮影装置において、
前記蓄電体に充電電力を供給する充電回路部と、
少なくとも前記機能部の動作制御を行う制御部と、
前記充電回路部及び/又はその周辺の温度を検出する第1温度検出部と、
前記第1温度検出部により温度が検出される場所から所定の距離以上離れた場所の温度を検出する第2温度検出部と、を前記筐体内部に備え、
前記充電回路部は、
前記第1温度検出部により検出された温度と、前記第2温度検出部により検出された温度と、の差が所定の第1閾値以上であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記差が前記第1閾値以上であると判定された場合に、前記蓄電体に供給する前記充電電力を低下させる充電制御手段と、を備えることを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記充電制御手段は、前記充電電力の電流値を所定の通常電流値から当該通常電流値よりも小さい所定の低下電流値に切り替えることによって、前記充電電力を低下させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
前記充電制御手段は、前記充電電力の電流値を所定の通常電流値から当該通常電流値よりも小さい所定の低下電流値まで徐々に減少させることによって、前記充電電力を低下させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記判定手段は、さらに、前記第1温度検出部により検出された温度と、前記第2温度検出部により検出された温度と、の差が前記第1閾値よりも小さい所定の第2閾値以下であるか否かを判定し、
前記充電制御手段は、前記蓄電体に供給する前記充電電力を低下させた後、前記判定手段によって前記差が前記第2閾値以下であると判定された場合に、前記蓄電体に供給する前記充電電力を上昇させることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項6】
前記充電制御手段は、前記充電電力の電流値が前記低下電流値から前記通常電流値へと復帰するように、前記充電電力を上昇させることを特徴とする請求項5に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項7】
前記充電回路部は、前記蓄電体に供給する前記充電電力を調整するためのスイッチング素子を備え、
前記第1温度検出部は、前記充電回路部及び/又はその周辺の温度として、前記スイッチング素子の周辺の温度を検出することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項8】
前記第2温度検出部は、前記制御部及び/又はその周辺の温度を検出することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置に接続して電力を供給する電力供給手段と、を備え、
前記充電回路部は、前記電力供給手段により供給される電力に基づいて前記蓄電体に充電電力を供給することを特徴とする充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−103137(P2012−103137A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252408(P2010−252408)
【出願日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】