説明

放射線画像検出装置および放射線画像撮影システム

【課題】被写体を透過した放射線を検出する放射線検出部から放射線画像信号を読み取り、その放射線画像信号を無線通信信号として出力する放射線画像検出装置おいて、放射線検出器から読取中の放射線画像信号に対して無線通信信号が与える影響を抑制し、放射線画像信号におけるノイズを減少させる。
【解決手段】放射線検出器40から放射線画像信号の読取中におけるカセッテ送受信機48の搬送周波数を、上記読取中以外におけるカセッテ送受信機48の搬送周波数よりも下げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を透過した放射線を検出する放射線検出部から放射線画像信号を読み取り、その放射線画像信号を無線通信信号として出力する放射線画像検出装置およびその放射線画像検出装置を備えた放射線画像撮影システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、医療分野などにおいて、被写体を透過した放射線の照射により被写体に関する放射線画像を記録する放射線検出器が各種提案、実用化されている。
【0003】
上記放射線検出器としては、たとえば、放射線の照射により電荷を発生するアモルファスセレンなどの半導体を利用した放射線検出器があり、そのような放射線検出器として、いわゆる光読取方式のものやTFT読取方式のものが提案されている。
【0004】
そして、上記のような放射線検出器を用いた放射線画像撮影システムとして、特許文献1には、放射線検出器によって検出した放射線画像信号を無線通信によって処理装置に送信し、処理装置において画像処理等の信号処理を行うものが提案されている。
【0005】
また、特許文献2には、放射線画像信号の通信を高周波により行なうことで大容量の放射線画像信号を高速に通信可能にする無線通信可能な電子カセッテが提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の発明のように、放射線画像信号を無線通信信号として出力する場合、放射線検出器から放射線画像信号を読み取っている間に、既に読み取った放射線画像信号を無線通信信号として出力すると、放射線検出器から読み取られる放射線画像信号は微弱な信号であるため、無線通信信号の電波の影響を受けて読取中の放射線画像信号にノイズが混入してしまい、放射線画像の画質を劣化させてしまう。
【0007】
そこで、特許文献3には、放射線検出器から放射線画像信号を読み取っている間は、無線通信信号を出力する通信モジュールの動作を停止させる方法が開示されている。
【0008】
また、特許文献4には、無線通信信号を電波として出力するアンテナに指向性を持たせ、放射線検出器や放射線検出器から放射線画像信号を読み取る検出部に電波が照射されないようにすることによって、無線通信信号が読取中の放射線画像信号に影響を及ぼさないようにする方法が開示されている。
【特許文献1】特許第3494683号公報
【特許文献2】特開2006−263339号公報
【特許文献3】特開2006−247102号公報
【特許文献4】特開2003−210444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献3に記載の方法では、放射線検出器から放射線画像信号を読み取っている間は、無線通信ができないので、処理速度が低下してしまう。また、放射線検出器から放射線画像信号を読み取っている間に無線通信を停止するようにすると、放射線画像信号の読取りと無線通信とを並行して行なう必要があるプレビュー画像撮影や動画撮影に対応することができない。
【0010】
また、特許文献4に記載の方法では、無線通信信号の送信側(電子カセッテ)と受信側(コンソール)のアンテナの配置に制約を生じ、操作性の悪いシステムとなってしまう。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑み、処理速度を低下させることなく、無線通信信号が読取中の放射線画像信号に与える影響を抑制することができる放射線画像検出装置および放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の放射線画像検出装置は、被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生して被写体の放射線画像を検出する放射線検出部と、該放射線検出部から放射線画像を表す放射線画像信号を読み取る読取部と、該読取部より読み取られた放射線画像信号を無線通信信号として出力する無線通信部とを備えた放射線画像検出装置において、無線通信部が、読取部による放射線画像信号の読取中における無線通信信号の搬送周波数を、上記読取中以外における無線通信信号の搬送周波数よりも低くするものであることを特徴とする。
【0013】
また、上記本発明の放射線画像検出装置においては、上記読取中を、放射線画像検出部により被写体の動画を検出している間とすることができる。
【0014】
また、無線通信部を、放射線画像信号以外の信号を無線通信信号として出力するものとし、放射線画像信号以外の信号の無線通信信号の搬送周波数を、上記読取中における放射線画像信号の無線通信信号の搬送周波数よりも低くするものとすることができる。
【0015】
ここで、上記「読取中」とは、放射線検出器において放射線の照射により発生した電荷を放射線画像信号として取り出している間のことをいう。
【0016】
本発明の放射線画像撮影システムは、被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生して被写体の放射線画像を検出する放射線検出部、該放射線検出部から放射線画像を表す放射線画像信号を読み取る読取部および該読取部より読み取られた放射線画像信号を無線通信信号として出力する無線通信部を備えた放射線画像検出装置と、該放射線画像検出装置に対し、静止画撮影を示す信号とプレビュー画像撮影を示す信号および動画撮影を示す信号の少なくとも1つとを出力する撮影制御装置とを備え、放射線画像検出装置が、撮影制御装置から出力された上記信号を受け付ける撮影モード信号受付部を有し、無線通信部が、プレビュー画像撮影を示す信号または動画撮影を示す信号を受け付けた場合における無線通信信号の搬送周波数を、静止画撮影を示す信号を受け付けた場合における無線通信信号の搬送周波数よりも低くするものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の放射線画像検出装置によれば、読取部による放射線画像信号の読取中における無線通信信号の搬送周波数を、上記読取中以外における無線通信信号の搬送周波数よりも低くするようにしたので、無線通信部から出力される無線通信信号が読取中の放射線画像信号に与える影響を小さくすることができ、放射線画像信号中におけるノイズを減らすことができる。
【0018】
また、上記本発明の放射線画像検出装置において、放射線画像信号以外の信号の無線通信信号の搬送周波数を、上記読取中における放射線画像信号の無線通信信号の搬送周波数よりも低くするようにした場合には、無線通信で消費する電力をさらに節約することができる。
【0019】
本発明の放射線画像撮影システムによれば、放射線画像検出装置における無線通信部が、プレビュー画像撮影を示す信号または動画撮影を示す信号を受け付けた場合における無線通信信号の搬送周波数を、静止画撮影を示す信号を受け付けた場合における無線通信信号の搬送周波数よりも低くするようにしたので、放射線画像信号の読取りと無線通信とを並行して行なう必要があるプレビュー画像撮影時や動画撮影時においても、無線通信部から出力される無線通信信号が読取中の放射線画像信号に与える影響を小さくすることができ、放射線画像信号中におけるノイズを減らすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の放射線画像検出装置の一実施形態を用いた放射線画像撮影システムについて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態を用いた放射線画像撮影システム10が設置された手術室の様子を示したものである。
【0022】
放射線画像撮影システム10は、撮影条件に従った線量の放射線Xを患者14に照射するための撮影装置22と、患者14を透過した放射線Xを検出し、患者14の放射線画像を記録する放射線検出器を内蔵した放射線検出カセッテ24と、放射線検出器によって検出された放射線画像を表示する表示装置26と、撮影装置22、放射線検出カセッテ24および表示装置26を制御するコンソール28とを備えている。コンソール28と、撮影装置22、放射線検出カセッテ24および表示装置26との間では、無線通信により信号の送受信が行なわれる。
【0023】
撮影装置22は、自在アーム30に連結され、患者14の撮影部位に応じた所望の位置に移動可能であるとともに、医師による手術の邪魔とならない位置に待避可能である。同様に、表示装置26は、自在アーム30に連結され、撮影された放射線画像を医師が容易に観察できる位置に移動可能である。
【0024】
図2は、放射線検出カセッテ24の内部構成図である。放射線検出カセッテ24は、放射線Xを透過させる材料からなるケーシング34を備えている。ケーシング34の内部には、患者14による放射線Xの散乱線を除去するグリッド38、患者14を透過した放射線Xを検出し、患者14の放射線画像を記録する放射線検出器40、および放射線Xのバック散乱を吸収する鉛板42が、放射線Xが照射されるケーシング34の照射面36側から順に配設されている。なお、ケーシング34の照射面36をグリッド38として構成してもよい。
【0025】
また、ケーシング34の内部には、放射線検出カセッテ24の電源であるバッテリ44と、バッテリ44から供給される電力により放射線検出器40を駆動制御するカセッテ制御部46と、放射線検出器40から読み取られた放射線画像信号などをコンソール28に無線通信信号として送信するとともに、コンソール28からの制御信号などを受信するカセッテ送受信機48とが収容されている。なお、カセッテ制御部46およびカセッテ送受信機48には、放射線Xが照射されることによる損傷を回避するため、ケーシング34の照射面36側に鉛板などを配設しておくことが望ましい。また、図2においては、図示省略したが、図4に示すように、放射線検出カセッテ24には、放射線検出器40によって検出された放射線画像などを表示する表示部85や、放射線検出カセッテ24を操作するための信号を入力可能な操作部86などが設けられている。また、照射された放射線Xを検出する放射線検出センサー87と放射線検出センサー87により検出された信号に所定の信号処理を施す信号処理部88とが設けられており、制御部84は、放射線検出センサー87により検出された信号に基づいて、自動露出制御のための制御信号を生成し、その制御信号をカセッテ送受信機48を介してコンソール28に送信するものである。
【0026】
図3は、放射線検出器40の回路構成ブロック図である。放射線検出器40は、放射線
Xを感知して電荷を発生させるアモルファスセレン(a−Se)などの物質からなる光電変換層51を行列状の薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)52のアレイの上に配置した構造を有し、光電変換層51において発生した電荷を蓄積容量53に蓄積した後、各行毎にTFT52を順次オンにして、蓄積容量53に蓄積した電荷を画像信号として読み出す。図3では、光電変換層51および蓄積容量53からなる1つの画素50と1つのTFT52との接続関係のみを示し、その他の画素50の構成については省略している。
【0027】
放射線検出器40の各画素50に接続されるTFT52には、行方向に平行に延びるゲート線54と、列方向に平行に延びる信号線56とが接続されている。各ゲート線54は、ライン走査駆動部58に接続され、各信号線56は、マルチプレクサ66に接続されている。
【0028】
ゲート線54には、行方向に配列されたTFT52をオンオフ制御する制御信号Von、Voffがライン走査駆動部58から供給される。この場合、ライン走査駆動部58は、ゲート線54を切り替える複数のスイッチSW1と、スイッチSW1の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ60とを備えている。アドレスデコーダ60には、カセッテ制御部46からアドレス信号が供給される。
【0029】
また、信号線56には、列方向に配列されたTFT52を介して各画素50の蓄積容量53に保持されている電荷が流出する。この電荷は、増幅器62によって増幅される。増幅器62には、サンプルホールド回路64を介してマルチプレクサ66が接続される。マルチプレクサ66は、信号線56を切り替える複数のスイッチSW2と、スイッチSW2の1つを選択する選択信号を出力するアドレスデコーダ68とを備えている。アドレスでコーダ68には、カセッテ制御部46からアドレス信号が供給される。マルチプレクサ66には、A/D変換器70が接続され、A/D変換器70によってデジタル信号に変換された放射線画像信号がカセッテ制御部46に出力される。
【0030】
次に、放射線画像撮影システム10における撮影装置22、放射線検出カセッテ24、表示装置26およびコンソール28の内部構成について詳細に説明する。図4は、撮影装置22、放射線検出カセッテ24、表示装置26およびコンソール28からなる放射線画像撮影システム10の構成ブロック図である。
【0031】
撮影装置22は、撮影スイッチ72と、放射線Xを出力する放射線源74と、コンソール28から無線通信により撮影条件を受信する一方、コンソール28に対して無線通信により撮影完了信号などを送信する送受信機76と、撮影スイッチ72から供給される撮影開始信号および送受信機76から供給される撮影条件に基づいて放射線源74を制御する線源制御部78とを備えている。なお、上述したように放射線検出カセッテ24に設けられた放射線検出センサー87により検出された信号に基づいて自動露出制御を行なう場合には、放射線検出センサー87により検出された信号に基づいて生成された制御信号がカセッテ制御部46からカセッテ送受信機48を介してコンソール28に出力され、コンソール28から撮影装置22に向けて制御信号が出力され、送受信機76を介して線源制御部78に入力される。そして、線源制御部78は、その制御信号に基づいて放射線源74からの放射線の射出を停止する。
【0032】
また、本放射線画像撮影システム10は、プレビュー撮影、動画撮影および静止画撮影の3つの撮影モードでの撮影が可能に構成されており、どの撮影モードで撮影するかはコンソール28において設定され、コンソール28は、その撮影モードに応じた制御信号を撮影装置22と放射線検出カセッテ24とに出力する。そして、その制御信号が撮影装置22の送受信機76を介して線源制御部78に入力され、線源制御部78は、その制御信号に基づいて放射線源74からの放射線の射出を制御する。
【0033】
放射線検出カセッテ24には、上述したように放射線検出器40、バッテリ44、カセッテ制御部46、カセッテ送受信機48および電源スイッチ45が収容されている。電源スイッチ45は、制御部84からの制御信号Ssによりオンオフが切り替えられ、バッテリ44から放射線検出器40、カセッテ制御部46およびカセッテ送受信機48への電力の供給を切り替える。制御部84は、コンソール28から出力され、カセッテ送受信機48を介して入力された制御信号に基づいて電源スイッチ45に制御信号Ssを出力する。
【0034】
カセッテ制御部46は、放射線検出器40を構成するライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60およびマルチプレクサ66のアドレスデコーダ68に対してアドレス信号を供給するアドレス信号発生部80と、放射線検出器40から読み取られた放射線画像信号を記憶する画像メモリ82と、アドレス信号発生部80、画像メモリ82およびカセッテ送受信機48の動作を制御する制御部84とを備えている。
【0035】
制御部84は、後述するようにカセッテ送受信機48に対して、放射線検出器40から放射線画像信号を読取中であることを示す信号を出力するものである。また、制御部84からは、上記のように読取中であることを示す信号に限らず、放射線検出器40のその他の動作状態など放射線検出カセッテ24内の種々の情報がカセッテ送受信機48を介してコンソール28に出力される。また、制御部84は、電源スイッチ45をONにする制御信号以外に、放射線検出カセッテ24に対する種々の制御信号をカセッテ送受信機48を介してコンソール28から受信するものである。本放射線画像撮影システム10においては、コンソール28において、プレビュー撮影、動作撮影および静止画撮影の撮影モードを設定可能であるが、この設定された撮影モードを示す情報もコンソール28から出力され、カセッテ送受信機48を介して制御部84に入力され、制御部84はその情報に基づいてアドレス信号発生部80や画像メモリ82などを制御する。
【0036】
表示装置26は、コンソール28から放射線画像信号を受信する受信機90と、受信した放射線画像信号の表示制御を行う表示制御部92と、表示制御部92によって処理された放射線画像信号に基づいて放射線画像を表示する表示部94とを備えている。
【0037】
コンソール28は、撮影装置22、放射線検出カセッテ24および表示装置26に対して、放射線画像信号を含む必要な情報を無線通信により送受信するコンソール送受信機96と、撮影装置22による撮影に必要な撮影条件を管理する撮影条件管理部98と、放射線検出カセッテ24から送信された放射線画像信号に対して画像処理を施す画像処理部100と、画像処理の施された放射線画像信号を記憶する画像メモリ101と、撮影対象である患者14の患者情報を管理する患者情報管理部102と、放射線検出カセッテ24に電源スイッチ45をONにする制御信号や撮影モードの情報を示す信号や種々の制御信号を出力するとともに、放射線検出カセッテ24から放射線検出器24の動作状態など放射線検出カセッテ24内の種々の情報を受け付けるカセッテ制御部103とを備えている。
【0038】
なお、撮影条件とは、患者14の撮影部位に対して、適切な線量の放射線Xを照射するための管電圧、管電流、照射時間などを決定するための条件であり、たとえば、撮影部位、撮影方法などの条件を挙げることができる。患者情報とは、患者14の氏名、性別、患者ID番号など、患者14を特定するための情報である。これらの撮影条件および患者情報を含む撮影のオーダリング情報は、コンソール28において設定することができる。
【0039】
また、上述したように、プレビュー撮影、動画撮影および静止画撮影の3つの撮影モードのうちどの撮影モードで撮影するかがコンソール28において設定され、コンソール28は、その撮影モードに応じた制御信号を撮影装置22と放射線検出カセッテ24とに出力する。
【0040】
図5は、放射線検出カセッテ24におけるカセッテ送受信機48と、コンソール28におけるコンソール送受信機96の内部構成の一部を示すブロック図である。
【0041】
放射線検出カセッテ24におけるカセッテ送受信機48は、マイクロコンピュータを備えるカセッテ送受信制御部202と、アンテナ203と、アンテナ共用器205と、受信部208と、送信部210とを備えている。
【0042】
受信部208は、アンテナ203により受信した電波をアンテナ共用器205を介して受信して復調し、受信信号Rとしてカセッテ送受信制御部202に出力するものである。送信部210は、画像メモリ82(図4参照)から読み出され、カセッテ送受信制御部202から所定の転送レートで出力された放射線画像信号Dを変調して出力するものである。そして、送信部210は、2種類の搬送周波数に基づいて変調可能に構成されており、カセッテ送受信制御部202からの制御信号Sに応じてこの2つの搬送周波数を切り替える。カセッテ送受信制御部202は、制御部84(図4参照)からの信号に応じて、放射線検出器40から放射線画像信号を読取中であるときの放射線画像信号の搬送周波数を、読取中以外であるときの放射線画像信号の搬送周波数よりも低く設定するものである。なお、以下、放射線画像信号を読取中であるときの搬送周波数を「読取時搬送周波数」、読取中以外であるときの搬送周波数を「通常時搬送周波数」という。
【0043】
なお、読取時搬送周波数および通常時搬送周波数としては、たとえば、読取時搬送周波数として、医療用バンドとして認められている400MHz帯を利用し、通常時搬送周波数として、ISMバンドとして認められている2.4GHz帯または5.8GHz帯を利用することができる。
【0044】
また、読取時搬送周波数は、カセッテ送受信機48から出力される無線通信信号が読取中の放射線画像信号に影響を及ぼさない程度の高さとなるように設定されることが望ましい。なお、無線通信信号が読取中の放射線画像信号に影響を及ぼさない程度とは、無線通信信号の影響によって読取中の放射線画像信号にノイズがのらない程度、もしくは、読取中の放射線画像信号にノイズがのったとしても問題とならない程度であることをいう。
【0045】
また、たとえば、放射線検出カセッテ24から無線通信信号を出力させるとともに、読取中の放射線画像信号におけるノイズ量を検出し、そのノイズ量が予め設定された所定の閾値よりも小さくなったときの搬送周波数を読取時搬送周波数として設定するようにしてもよい。
【0046】
一方、コンソール送受信機96は、マイクロコンピュータを備えるコンソール送受信制御部220と、アンテナ224と、アンテナ共用器226と、受信部228と、送信部230とを備えている。受信部228は、アンテナ224により受信した電波をアンテナ共用器226を介して受信して復調し、受信データRDとしてコンソール送受信制御部220に出力するものである。送信部210は、コンソール送受信制御部220から出力された信号TDを変調して出力するものである。
【0047】
次に、本発明の放射線画像検出装置の一実施形態を用いた放射線画像撮影システム10の動作について説明する。
【0048】
放射線画像撮影システム10は、手術室12に設置されており、たとえば、医師により患者の手術中において、放射線画像の撮影が必要になった際に使用される。そのため、撮影対象である患者14の患者情報は、撮影に先立ち、コンソール28の患者情報管理部102に予め登録してある。また、撮影部位や撮影方法が予め決まっている場合には、これらの撮影条件を撮影条件管理部98に予め登録しておく。以上の準備作業が終了した状態において、患者14に対する手術が施される。
【0049】
手術中において放射線画像の撮影を行なう場合、医師または放射線技師は、患者14と手術台16との間の所定位置に、照射面36を撮影装置22側とした状態で放射線検出カセッテ24を設置する。
【0050】
そして、医師または放射線技師の操作によりコンソール28のカセッテ制御部103から放射線検出カセッテ24の電源スイッチ45をONするための制御信号が出力され、その制御信号はコンソール送受信機96を介してコンソール28から出力される。そして、その制御信号は放射線検出カセッテ24のカセッテ送受信機48により受信され、制御部84に出力され、制御部84から電源スイッチ45に制御信号が出力されて電源スイッチ45がONされる。そして、放射線検出カセッテ24の電源スイッチ45がONされると、放射線検出器24の動作状態など放射線検出カセッテ24内における種々の情報を表す信号がカセッテ制御部46の制御部84から出力され、その情報はカセッテ送受信機48を介してコンソール28に出力される。
【0051】
ここで、放射線検出カセッテ24内における種々の情報を表す信号は、カセッテ送受信機48におけるカセッテ送受信制御部202から所定の転送レートで送信部210に出力され、送信部210において変調が施された後、アンテナ共用器205およびアンテナ203を介してコンソール28に向けて出力される。このとき、カセッテ送受信制御部202は、放射線画像信号を放射線検出器40から読取中であることを示す信号を制御部84から受け取っていないため、送信部210における搬送周波数を通常時搬送周波数に設定する。
【0052】
次に、撮影装置22を放射線検出カセッテ24に対向する位置に移動させた後、撮影スイッチ72を操作して撮影を行なう。
【0053】
撮影装置22の線源制御部78は、コンソール送受信機96、送受信機76を介して、コンソール28の撮影条件管理部98より患者14の撮影部位に係る撮影条件を無線通信により取得し、取得した撮影条件に従って放射線源74を制御することにより、所定の線量からなる放射線Xを患者14に照射する。なお、ここでは、コンソール28において静止画撮影の撮影モードが設定されたときの動作について説明する。
【0054】
患者14を透過した放射線Xは、放射線検出カセッテ24のグリッド38によって散乱線が除去された後、放射線検出器40に照射され、放射線検出器40を構成する各画素50の光電変換層51によって電気信号に変換され、蓄積容量53に電荷として保持される(図3参照)。
【0055】
ここで、放射線検出カセッテ24に向けて照射された放射線Xは、放射線検出カセッテ24に設けられた放射線検出センサー87によっても検出される。そして、放射線検出センサー87により検出された信号に基づいて自動露出制御を行なう場合には、放射線検出センサー87により検出された信号に基づいて生成された自動露出制御信号がカセッテ制御部46の制御部84からカセッテ送受信機48を介してコンソール28に出力される。このときにおいても、カセッテ送受信機48におけるカセッテ送受信制御部202は、放射線画像信号を放射線検出器40から読取中であることを示す信号を制御部84から受け取っていないため、送信部210の搬送周波数を通常時搬送周波数に設定する。
【0056】
そして、放射線検出カセッテ24から送信された自動露出制御信号に応じてコンソール28から撮影装置22に向けて制御信号が出力され、送受信機76を介して線源制御部78に入力される。そして、線源制御部78は、その制御信号に基づいて放射線源74からの放射線の射出を停止する。
【0057】
そして、上記のようにして放射線Xの照射が終了した後、放射線検出器40の各蓄積容量53に保持された電荷信号はカセッテ制御部46を構成するアドレス信号発生部80からライン走査駆動部58およびマルチプレクサ66に供給されるアドレス信号に従って読み出される。
【0058】
すなわち、ライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60は、アドレス信号発生部80から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW1の1つを選択し、対応するゲート線54に接続されたTFT52のゲートに制御信号Vonを供給する。一方、マルチプレクサ66のアドレスデコーダ68は、アドレス信号発生部80から供給されるアドレス信号に従って選択信号を出力してスイッチSW2を順次切り替え、ライン走査駆動部58によって選択されたゲート線54に接続された各画素50の蓄積容量53に保持された電荷信号を信号線56を介して順次読み出す。
【0059】
放射線検出器40の選択されたゲート線54に接続された各画素50の蓄積容量53から読み出された電荷信号は、各信号線56に接続された各増幅器62によって増幅された後、各サンプルホールド回路64によってサンプリングされ、マルチプレクサ66を介してA/D変換器70に供給され、デジタル信号に変換される。デジタル信号に変換された放射線画像信号は、カセッテ制御部46の画像メモリ82に一旦記憶される。
【0060】
同様にして、ライン走査駆動部58のアドレスデコーダ60は、アドレス信号発生部80から供給されるアドレス信号に従ってスイッチSW1を順次切り替え、各ゲート線54に接続されている各画素50の蓄積容量53に保持された電荷信号を信号線56を介して読出し、マルチプレクサ66およびA/D変換器70を介してカセッテ制御部46の画像メモリ82に記憶させる。
【0061】
そして、カセッテ制御部46の制御部84は、上記のように放射線検出器40を制御して、1フレーム分の放射線画像信号を読出し、その放射線画像信号を画像メモリ82に一旦記憶する。
【0062】
そして、1フレーム分の放射線画像信号の読取りおよび記憶が終了した後、カセッテ制御部46の制御部84は、画像メモリ82から放射線画像信号を順次読出し、これをカセッテ送受信機48に出力する。
【0063】
そして、カセッテ送受信機48におけるカセッテ送受信制御部202は、入力された送信単位の放射線画像信号を所定の転送レートで送信部210に出力する。そして、放射線画像信号は、送信部210おいて変調された後、アンテナ共用器205およびアンテナ203を介して無線通信信号としてコンソール28に送信される。
【0064】
ここで、静止画撮影モードにおいては、上記のように1フレーム分の放射線画像信号の読取りが終了した後、その放射線画像信号を無線通信信号として出力するので、この無線通信信号が読取中の放射線画像信号に影響を与えることはない。そして、放射線画像信号を無線通信信号として出力する際、制御部84から放射線画像信号が読取中であることを示す信号も出力されていないので、カセッテ送受信制御部202は送信部210における搬送周波数を通常時搬送周波数に設定する。
【0065】
そして、コンソール28に送信された変調信号は、コンソール28のコンソール送受信機96において放射線画像信号として復調され、その放射線画像信号は、画像処理部100において所定の画像処理が施された後、患者情報管理部102に登録されている患者14の患者情報と関連付けられた状態で画像メモリ101に記憶される。
【0066】
次いで、画像処理の施された放射線画像信号は、コンソール送受信機96から表示装置26に送信される。そして、表示装置26の受信機90によって放射線画像信号を受信した表示装置26は、表示制御部92によって表示部94を制御し、放射線画像を表示部94に表示する。
【0067】
なお、上記説明においては、1フレーム分の放射線画像信号の読取りおよび記憶が終了した後、カセッテ制御部46の制御部84が、画像メモリ82から放射線画像信号を順次読出し、これをカセッテ送受信機48に出力するようにしたが、たとえば、1フレーム分の放射線画像信号が画像メモリ82に記憶される前に、画像メモリ82に送信に必要な単位の放射線画像信号が記憶された場合に、画像メモリ82からその送信単位の放射線画像信号を順次読出し、これをカセッテ送受信機48に出力するようにしてもよい。ただし、この場合には、制御部84から放射線画像信号が読取中であることを示す信号が出力されるので、カセッテ送受信制御部202は送信部210における搬送周波数を読取時搬送周波数に設定する。そして、放射線画像信号の読取りが終了した後、カセッテ送受信制御部202は送信部210における搬送周波数を再び通常時搬送周波数に設定する。したがって、放射線画像信号の読取りが終了した後、まだなお画像メモリ82に記憶されている放射線画像信号については、通常時搬送周波数で送信される。
【0068】
次に、コンソール28においてプレビュー画像撮影の撮影モードが設定されたときの動作について説明する。
【0069】
患者14に対して放射線Xの照射を開始するまでの動作については、上記静止画撮影の撮影モードのときと同様である。
【0070】
そして、プレビュー画像撮影モードにおいては、静止画撮影モードのときのように自動露出制御は行なわれず、コンソール28において撮影停止の指示があるまで患者14に対して放射線Xが連続して照射される。
【0071】
そして、上記と同様にして、患者14を透過した放射線Xが、放射線検出カセッテ24内の放射線検出器40に照射され、放射線検出器40の蓄積容量53に電荷が保持される。
【0072】
そして、放射線検出器40の各蓄積容量53に保持された電荷信号はカセッテ制御部46を構成するアドレス信号発生部80からライン走査駆動部58およびマルチプレクサ66に供給されるアドレス信号に従って読み出される。なお、読出しの作用については上記と同様である。
【0073】
そして、デジタル信号に変換された放射線画像信号は、カセッテ制御部46の画像メモリ82に一旦記憶される。
【0074】
そして、カセッテ制御部46の制御部84は、1フレーム分の放射線画像信号が画像メモリ82に記憶される前に、画像メモリ82に送信に必要な単位の放射線画像信号が記憶されると、画像メモリ82からその送信単位の放射線画像信号を順次読出し、これをカセッテ送受信機48に出力する。なお、プレビュー画像撮影モードの時には、画像メモリ82に一旦記憶された放射線画像信号は、画像メモリ82からの読出しとともに消去され、画像メモリ82に残らない。
【0075】
そして、カセッテ送受信機48におけるカセッテ送受信制御部202は、入力された送信単位の放射線画像信号を所定の転送レートで送信部210に出力する。そして、放射線画像信号は、送信部210おいて変調された後、アンテナ共用器205およびアンテナ203を介して無線通信信号としてコンソール28に送信される。
【0076】
ここで、上記のようにプレビュー画像撮影モードにおいては、放射線検出器40からの放射線画像信号の読取りとコンソール28への無線通信信号とが並行して行なわれるため、無線通信信号が読取中の放射線画像信号に影響を及ぼすおそれがある。
【0077】
したがって、放射線検出器40から放射線画像信号を読み取っている間には、カセッテ制御部46の制御部84から読取中であることを示す信号が出力される。そして、その信号はカセッテ送受信機48のカセッテ送受信制御部202に入力され、カセッテ送受信制御部202はその信号に応じて、送信部210に制御信号を出力し、送信部210は搬送周波数を予め設定された読取時搬送周波数まで下げる。
【0078】
そして、コンソール28に送信された変調信号は、コンソール28のコンソール送受信機96において放射線画像信号として復調され、その放射線画像信号は、画像処理部100において所定の画像処理が施された後、患者情報管理部102に登録されている患者14の患者情報と関連付けられた状態で画像メモリ101に記憶される。
【0079】
次いで、画像処理の施された放射線画像信号は、コンソール送受信機96から表示装置26に送信される。そして、表示装置26の受信機90によって放射線画像信号を受信した表示装置26は、表示制御部92によって表示部94を制御し、放射線画像を表示部94に表示する。
【0080】
そして、プレビュー画像撮影モードにおいては、上述したようにコンソール28において撮影停止の指示があるまで放射線の照射および放射線画像信号の読取りが継続されるので、コンソール28において撮影停止の指示があるまで上記の動作が繰り返して行なわれ、表示装置26の表示部94にはプレビュー画像が表示される。
【0081】
そして、コンソール28において、プレビュー画像撮影停止の指示がされると、コンソール28のカセッテ制御部103から放射線検出カセッテ24の動作を停止するための制御信号が出力され、その制御信号はコンソール送受信機96を介してコンソール28から出力される。そして、その制御信号は放射線検出カセッテ24のカセッテ送受信機48により受信され、制御部84に出力され、制御部84からアドレス信号発生部80に制御信号が出力され、アドレス信号発生部80は、放射線検出器40からの放射線画像信号の読取りを停止する。一方、プレビュー画像撮影停止の指示がされると、コンソール28から撮影装置22にも制御信号が無線通信信号として出力され、撮影装置22はその制御信号を送受信機76を介して受信し、線源制御部78はその制御信号に応じて放射線源74からの放射線Xの射出を停止する。
【0082】
そして、放射線検出器40からの放射線画像信号の読取りが終了した後は、つまり、カセッテ制御部46の制御部84から読取中であることを示す信号が出力されなくなった時には、カセッテ送受信制御部202は送信部210に制御信号を出力し、送信部210の搬送周波数を再び通常時搬送周波数まで上げる。
【0083】
次に、コンソール28において動画撮影の撮影モードが設定されたときの動作について説明する。
【0084】
動画撮影の撮影モードが設定されたときの動作については、上述したプレビュー画像撮影の撮影モードが設定されたときの動作とほぼ同様である。ただし、動画撮影モードの時には、画像メモリ82に一旦記憶された放射線画像信号は消去されることなく、画像メモリ82内に残る点がプレビュー画像撮影モード時の動作と異なる。
【0085】
そして、動画撮影モードで画像メモリ82に記憶された放射線画像信号は、任意のタイミングで画像メモリ82から読出され、カセッテ送受信機48を介して無線通信信号として出力されるが、このときには放射線検出器40からの放射線画像信号の読取りは行なわれていないので、カセッテ送受信機48のカセッテ送受信制御部202は、送信部210の搬送周波数を通常時搬送周波数に設定する。
【0086】
なお、上記実施形態の放射線画像撮影システム10においては、放射線検出器40から放射線画像信号を読取っている間は、カセッテ制御部46の制御部84から読取中であることを示す信号を出力させ、その信号に応じてカセッテ送受信制御部202により送信部210の搬送周波数を読取時搬送周波数まで下げさせるようにしたが、必ずしも制御部84から読取中であることを示す信号を出力させるようにしなくてもよい。
【0087】
そして、たとえば、コンソール28から各撮影モードを示す信号を放射線検出カセッテ24に出力させ、放射線検出カセッテ24がその信号に応じて送信部210の搬送周波数を読取時搬送周波数と通常時搬送周波数とで切り替えるようにしてもよい。具体的には、放射線検出カセッテ24の制御部84が、静止画撮影モードを示す信号を受信した場合には、送信部210の搬送周波数を通常時搬送周波数のままとし、放射線検出カセッテ24の制御部84が、プレビュー画像撮影モードまたは動画撮影モードを示す信号を受信した場合には、撮影停止を示す信号を受信し、撮影したプレビュー画像または動画を表わす放射線画像信号の送信が終了するまでの間、送信部210の搬送周波数を読取時搬送周波数に切り替えるようにしてもよい。なお、静止画撮影モードにおいては、1フレーム分の放射線画像信号を一旦画像メモリ82に記憶した後、つまり放射線画像信号の読取りが終了した後に送信を開始するものとする。
【0088】
また、上記実施形態の放射線画像撮影システムにおいて、一切放射線画像の撮影を行なっていない間は、つまり放射線画像信号以外の信号を無線通信信号として放射線検出カセッテ24から送信する場合には、送信部210の搬送周波数を読取時搬送周波数よりもさらに低い搬送周波数に設定するようにしてもよい。さらに低い搬送周波数とすることにより消費電力を節約することができる。
【0089】
また、上記実施形態の放射線画像撮影システムにおいては、放射線検出カセッテ24から送信される無線通信信号が、放射線検出器40から読取中の放射線画像信号に及ぼす影響を考慮して、放射線検出カセッテ24の搬送周波数を変更するようにしたものであるが、さらに、コンソール28から送信される制御信号が、放射線検出器40から読取中の放射線画像信号に及ぼす影響を考慮して、コンソール28の搬送周波数を考慮するようにしてもよい。なお、放射線検出器40から放射線画像信号を読取中にコンソール28から放射線検出カセッテ24に送信される制御信号としては、たとえば、コンソール28から放射線検出カセッテ24に出力される受信エラー信号などがある。具体的には、放射線検出カセッテ24からコンソール28に向けて放射線画像信号が送信される際には、所定のブロック単位で送信される。そして、コンソール28は、ブロック単位の放射線画像信号を受信し、各ブロックの放射線画像信号が適切に受信できているかどうかをパリティチェックなどによって判定する。そして、所定のブロックの放射線画像信号について受信エラーが検出された場合には、再びその受信エラーの生じたブロックの放射線画像信号を再送信するような制御信号を放射線検出カセッテ24に出力する。また、上記説明では、受信エラーが検出されたときのみコンソール28から放射線検出カセッテ24に制御信号を出力するようにしたが、各ブロックについて、受信が適切に行なわれたことを示す信号か受信エラーが検出されたことを示す信号かのいずれかを必ずコンソール28から放射線検出カセッテ24に出力するようにしてもよい。
【0090】
また、上記第1から第4の実施形態を用いた放射線画像撮影システムにおける放射線検出カセッテ24に収容される放射線検出器40は、入射した放射線Xを光電変換層51によって直接電気信号に変換するものであるが、これに限らず、入射した放射線Xをシンチレータによって一旦可視光に変換した後、その可視光をアモルファスシリコン(a−Si)などを用いて電気信号に変換するようにした、いわゆる間接変換型の放射線検出器を利用するようにしてもよい(たとえば、特許第3494683号公報参照)。
【0091】
また、放射線検出器40は、TFTによって電荷信号を読み出す、いわゆるTFT読取方式の放射線検出器であるが、これに限らず、読取光を照射することによって蓄積された電荷信号を読み出す、いわゆる光読取方式の放射線検出器を利用するようにしてもよい(たとえば、特開2000−105297号公報参照)。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の放射線画像検出装置の一実施形態を用いた放射線画像撮影システムの概略構成図
【図2】放射線検出カセッテの内部構成図
【図3】放射線検出器の回路構成を示すブロック図
【図4】放射線画像撮影システムの構成を示すブロック図
【図5】放射線検出カセッテにおけるカセッテ送受信機とコンソールにおけるコンソール送受信機の内部構成の一部を示すブロック図
【符号の説明】
【0093】
10 放射線画像撮影システム
22 撮影装置
24 放射線検出カセッテ(放射線画像検出装置)
24 放射線検出器
26 表示装置
28 コンソール(撮影制御装置)
40 放射線検出器
44 バッテリ
46 カセッテ制御部
48 カセッテ送受信機(無線通信部)
58 ライン走査駆動部
60 アドレスデコーダ
62 増幅器
64 サンプルホールド回路
66 マルチプレクサ
68 アドレスデコーダ
70 変換器
74 放射線源
76 送受信機
78 線源制御部
80 アドレス信号発生部
82 画像メモリ
84 制御部(撮影モード信号受付部)
85 表示部
86 操作部
87 放射線検出センサー
88 信号処理部
90 受信機
92 表示制御部
94 表示部
96 コンソール送受信機
101 画像メモリ
103 カセッテ制御部
202 カセッテ送受信制御部
203 アンテナ
205 アンテナ共用器
208 受信部
210 送信部
220 コンソール送受信制御部
224 アンテナ
226 アンテナ共用器
228 受信部
230 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生して前記被写体の放射線画像を検出する放射線検出部と、該放射線検出部から前記放射線画像を表す放射線画像信号を読み取る読取部と、該読取部より読み取られた放射線画像信号を無線通信信号として出力する無線通信部とを備えた放射線画像検出装置において、
前記無線通信部が、前記読取部による前記放射線画像信号の読取中における前記無線通信信号の搬送周波数を、前記読取中以外における前記無線通信信号の搬送周波数よりも低くするものであることを特徴とする放射線画像検出装置。
【請求項2】
前記読取中が、前記放射線画像検出部により前記被写体の動画を検出している間であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像検出装置。
【請求項3】
前記無線通信部が、前記放射線画像信号以外の信号を無線通信信号として出力するものであるとともに、前記放射線画像信号以外の信号の無線通信信号の搬送周波数を、前記読取中における前記放射線画像信号の無線通信信号の搬送周波数よりも低くするものであることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像検出装置。
【請求項4】
被写体を透過した放射線の照射を受けて電荷を発生して前記被写体の放射線画像を検出する放射線検出部、該放射線検出部から前記放射線画像を表す放射線画像信号を読み取る読取部および該読取部より読み取られた放射線画像信号を無線通信信号として出力する無線通信部を備えた放射線画像検出装置と、
該放射線画像検出装置に対し、静止画撮影を示す信号とプレビュー画像撮影を示す信号および動画撮影を示す信号の少なくとも1つとを出力する撮影制御装置とを備え、
前記放射線画像検出装置が、前記撮影制御装置から出力された前記信号を受け付ける撮影モード信号受付部を有し、
前記無線通信部が、前記プレビュー画像撮影を示す信号または前記動画撮影を示す信号を受け付けた場合における前記無線通信信号の搬送周波数を、前記静止画撮影を示す信号を受け付けた場合における前記無線通信信号の搬送周波数よりも低くするものであることを特徴とする放射線画像撮影システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−201874(P2009−201874A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−49232(P2008−49232)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【復代理人】
【識別番号】100128451
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 隆一
【Fターム(参考)】