説明

放射線量計

【課題】放射線による閾値電圧の変化を増幅することができ、また、温度補償を行うことができる二種類の金属酸化物半導体電界効果型トランジスタ(MOSFET)を有する放射線量計およびその操作方法を提供する。
【解決手段】放射線量計は、同じ基板に集積された二つの放射線電界効果型トランジスタ(RADFET)および二つのMOSFETを含む放射線集積回路(RADIC)、または、同じ基板に集積された二つのRADFET、および二つの抵抗器を含むものである。閾値電圧の変化の増幅は、MOSFETインバータの増幅原理を用い、いずれも、第一のRADFETのゲートには順方向のバイアスがかけられ、第二のRADFETのゲートはバイアスが外される。増幅された差分閾値電圧の変化は、示度モードで測定される。放射線感度が高められたため、ミリラッドの線量測定が可能となり、温度効果およびドリフトは、ほぼ除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は放射線量計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金属酸化物半導体放射線量計は、放射線を軟化させるための特別に処理されたゲート絶縁材を備えたMOS電界効果型トランジスタである。
【0003】
熱ルミネッセンス装置など従来の要員用放射線量計がある。この種の装置は、CaFまたはLiFの小さな結晶を用いたもので、この結晶が、電離性放射線によって生成された電子とホールをトラップする。加熱されると、トラップが空になるために結晶から発光が生じ、この光は蓄積された線量に関係している。
【0004】
MOSFET放射線量計は、一般に放射線電界効果型トランジスタ(RADFET)として知られており、放射線によって生じたRADFETの閾値電圧のシフトを測定するものである。
【0005】
放射線電界効果型トランジスタは、熱ルミネッセンス装置に関係する多くの利点をもっている:低コスト、小型、軽量、頑丈、正確、広い線量測定可能範囲、リアルタイムでまたは時間差をもっての直接示度、情報把持、測定を行うことのできる他のセンサーおよび/または回路とのモノリシック集積の可能性、信号調整、およびデータ処理等である。
【0006】
1986年5月20日付けのトムソンのカナダ国特許第1204885号は、一対のシリコン絶縁ゲート電界効果型トランジスタ(IGFET)を有し、同じ放射線に被曝する二つのIGFETセンサーの間の差分閾値を測定する放射線量計を開示している。二つのIGFETセンサーの一方は、その導電領域にバイアスがかけられ、他方は導電領域から外れるようにまたは前者より低い導電レベルにバイアスがかけられる。これら二つのIGFETをもつ放射線量計は、ゲートバイアスが3ボルトの場合には約2mV/cGY、またゲートバイアスが10ボルトより高い場合には約5mV/cGYの感度を示す。この二重式IGFETセンサーの温度に対する感度は、0.1mV/℃より低いことがわかっている。軍隊仕様の温度範囲である−20℃から+50℃すなわち70℃の温度差では、ΔV=7mVすなわち1−3cGYである。
【0007】
この先行技術の装置に関連する問題は、医療、核関連、および他の産業分野の作業要員が使用する線量計としては感度が不十分なことである。個人が使用する放射線量計は、約0.010cGY(Rad)の感度がなければならない。
【0008】
B.オコンネル、A.ケレハー、W.レーン、L.アダムズは、1996年6月のIEEE Tran.Nucl.Sci.Vol.43,N3の中で公表された「放射線感度を高めるための積層式RADFET」と題する論文の中で、同じチップの上に15の個別のPADFETを積層することによって80mV/cGYの放射線感度が得られることを示している。
【0009】
V.ポリシュークおよびG.サラベイルースは、Radiation Physics and Chemistry Vol.61,No.3−6,2001の論評欄で公表された「MOS電離性放射線量計:低乃至高線量測定」と題する論文の中で、1.8μmというきわめて厚いゲート酸化物を有するRADFETを用いた積層接続式RADFET構成を示している。感度および最低測定線量を高めるために、14ものトランジスタが積層されている。この構成で、照射前の出力電圧は18Vであった。90mV/cGYもの高い感度が得られている。
【0010】
両グループとも、ミリRadの放射線量を測定できる可能性を主張している。しかし、積層式RADFETには、個人用放射線量計での使用を制限する多くの問題がある。問題は、一個のRADFETは、一定の温度係数を有していることである。金属酸化物半導体電界効果型トランジスタ装置は、放射線で誘起された閾値電圧のシフトだけが放射線量計で測定されるようにするために考慮に入れなければならない温度閾値電圧依存性を有している。積層式RADFETでは、温度感度は、単一のものをN倍したよりも高くなる(Nは、積層されたRADFETの数)。
【0011】
本発明の発明者は、B.オコンネルのグループが作った積層式RADFETの温度感度を彼等のRADFET放射線量計を用いて測定した。10μAの小さい定電流モード用に積層した15のMOSFETでの温度レスポンスは70mV/℃であった。測定温度が+/−1℃に制御された場合、最低測定放射線量は、約5cGYすなわち5Radである。
【0012】
G.サラベイルース、D.ブクダール、V.ポリシューク、およびS.シスコスは、Radiation Physics and Chemistry Vol.61,No.3−6,2003,pp737−739で公表された「積層式MOS電界効果型電離性放射線量計:可能性と限界」と題する論文の中で、最低温度係数(MTC)点で積層式RADFETを測定することによって積層式RADFETの温度感度を下げることを提案している。この論文が示しているのは、実はコンピュータ・シミュレーションだけである。MTC点での温度感度や閾値電圧のドリフトは測定されていない。
【0013】
積層式RADFETのもう一つの問題は、場合によって約18ボルトにもなる高い出力電圧である。したがって、オペアンプを用いて放射線によって生じた閾値電圧の小さな変化を増幅することは困難である。
【0014】
本発明では、放射線感度を高めるために、R.H.クロフォード「回路設計におけるMOSFET」、New York:McGraw−Hill,1967という書物に記載されているMOSFETインバータの増幅原理を用いた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は、インバータの増幅原理を適用してミリRadの感度と温度補償性能を有する個人用放射線量計として放射線集積回路を提供することである。
本発明は、0.01cGYから2cGY電離性放射線のきわめて低い線量を測定する固体放射線量計、より詳しくはRADFETまたはMOSFETをベースにした放射線集積回路(RADIC)あるいはRADFETおよび抵抗器をベースにした回路に関する。いずれかのRADICの照射中、基準回路の第一のRADFET(左)はバイアスが外され、インバータ回路の第二のRADFET(右)はバイアスがかけられる。従って、第二のRADFETの閾値電圧は、第一のRADFETのそれよりもかなり高い程度まで線量によって変化する。測定中、第二のRADFET(右)の閾値電圧の変化は、そのインバータ回路によって増幅される。出力電圧の変化は、下の式であらわされるように増幅された差分閾値電圧の変化に等しくなるであろう。
ΔUout=AuΔUt
【0016】
従って、本発明は、従来の二重式IGFETおよび積層接続式RADFET放射線量計の低放射線感度の問題を解決するものである。
【0017】
本発明の第二の目的は、この放射線集積回路が最小の温度効果を有し、温度変化に対して比較的鈍感であることである。これは、二つのRADFETからの差分閾値電圧を測定することによって達成される。温度が二つのRADFETに及ぼす効果を確実に等しくするために、RADFETとMOSFETまたは二つとRADFETを備えた回路を同じシリコン基板すなわち同じチップで作成する。各RADFETのゲート酸化物の厚さは、好ましくは1μmである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】差分閾値電圧を測定できる状態にある二重式IGFET放射線量計を示す。
【図2】積層接続式RADFET放射線量計の示度構成を示す。
【図3】負荷としてMOSFETを有するインバータを示す。
【図4】負荷として抵抗器を有するインバータを示す。
【図5】照射を受け容れる状態にある構成の本発明の基本実施形態のための放射線集積回路の構成図を示す。
【図6】示度モードにある本発明の基本実施形態のための放射線集積回路の構成図を示す。
【図7】照射を受け容れる状態にある構成の本発明の第二の実施形態のための放射線回路の構成図を示す。
【図8】示度モードにある本発明の第二の実施形態のための放射線回路の構成図を示す。
【図9】本発明の第二の実施形態のためのガンマ線の放射線量に応じた放射線回路のレスポンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、以下の本発明の詳細な説明および添付図面を参照することによってよりよく理解される。
図3は、二つのMOSFETでつくられたインバータを示す。図中、T1は、管理用MOSFETトランジスタであり、T2は、装荷用MOSFETトランジスタである。本発明の背景の部分で参照したR.H.クロフォードの書物からの先行技術にもとづくこのインバータの増幅係数は、下の式で表される。

ただし、βは、下の式であたえられる。

【0020】
図4は、MOSFETと抵抗器でつくられたインバータを示す。図中、T1は、管理用トランジスタであり、Rは、装荷用抵抗器である。同じくR.H.クロフォードの書物からの先行技術に基くこの第二のインバータの増幅係数は、傾斜の大きさあるいは遷移導電率および装荷抵抗に比例し、下記の式で表される。

ただし、R‖rは、並列接続の装荷抵抗器Rと動的ドレイン抵抗rの等価抵抗である。

【0021】
図5は、本発明の基本実施形態を示す。RADFET Q2は、そのゲートG2、ドレインD2、およびソースS2が互いに接続され、さらに共通のソースSに接続されている。RADFET Q1は、そのゲートG1が電池4によってバイアスがかけられ、そのドレインD1およびソースS1が共通のソースSに接続されている。二つのMOSFET Q3およびQ4は、それらのドレインD3およびD4、ゲートG3およびG4、ソースS3およびS4が共通のソースSに接続されている。
【0022】
両RADFET Q1およびQ2ならびに両MOSFET Q3およびQ4は、同じ電離性放射線を受ける。これらのMOSFETは、100nm以下の薄い酸化物の厚さを有し、これらのRADFETは、1μm以下の薄い酸化物の厚さを有する。放射線感度は、酸化物の厚さに比例するため、MOSFETは、RADFETと比べると感度がきわめて低い。バイアスがかけられたRADFET Q1では、バイアスがかけられないRADFET Q2より放射線感度がかなり高いことが分かっている。
【0023】
図6は、示度モードにある本発明の基本実施形態を示す。同図は、放射線量を測定できる状態にある放射線集積回路(さらなるRADIC1)の同じRADFET Q1およびQ2ならびに同じMOSFET Q3およびQ4を示している。二つのRADFETのソースS1およびS2は、互いに接続されて接地されている。RADFET Q2のゲートG2は、それ自身のドレインD2に接続され、このドレインは、RADFET Q1のゲートG1にも接続されている。MOSFET Q3のゲートG3およびドレインD3は、互いに接続されている。MOSFET Q4のゲートG4よびドレインD4も、同じく互いに接続されている。MOSFET Q3のソースS3は、RADFET Q1のドレインD1に接続され、MOSFET Q4のソースS4は、RADFET Q2のドレインD2に接続されている。電源Uddは、二つのMOSFETのドレインD3およびD4に接続されている。二つのMOSFETは、同じものでなければならない。二つのRADFETもやはり同じものでなければならない。二つのMOSFETおよび二つのRADFETは、同じダイで作成される。従って、二つのRADFETは、照射に先立って、同じ温度変化特性、同じ初期閾値電圧、および同じ酸化物電荷をもっていなければならない。二つのMOSFETも、やはり同じ温度特性と同じ閾値電圧をもっていなければならない。RADFET Q1とMOSFET Q3は、RADFET Q1の閾値電圧の変化を増幅させることのできるインバータである。閾値電圧の変化の増幅は、下記の等式であたえられる。

【0024】
RADFETのパラメータが、W1=1200μm、L1=50μm、dox=1μmであり、MOSFETのパラメータが、W2=20μm、L2=2400μm、dox=0.1μmである場合には、閾値電圧の変化の増幅度は、17である。
【0025】
出力電圧Uoutは、RADFETのドレインD1とD2の間で測定される。照射に先立って、電圧Uoutは、第一の増幅された差分閾値として測定される。照射後、出力電圧Uoutは、再度測定される。出力電圧Uoutは、照射前後の出力電圧の差あるいは受けた放射線量による増幅された差分閾値電圧ΔUに等しい。

【0026】
RADFET Q2およびMOSFET Q4は、インバータと同じ温度およびドリフト特性を有する基準回路である。従って、この放射線集積回路の温度効果は除去されている。
【0027】
図7は、本発明の第二の実施形態を示す。RADFET Q6のゲートG6、ドレインD6、およびソースS6は互いに接続され、さらに共通のソースS6に接続されている。RADFET Q5は、そのゲートG5が電池4によってバイアスがかけられ、そのドレインD5およびソースS5が共通のソースSに接続されている。
【0028】
両RADFET Q5およびQ6は、同じ電離性放射線を受ける。これらのRADFETは、1μm以下の薄い酸化物の厚さを有する。照射中、RADFET Q5は電池4によってバイアスがかけられ、RADFET Q6は、バイアスが外される。従って、RADFET Q5は、RADFET Q6よりかなり高い放射線感度を有することになる。
【0029】
図8は、示度モードにある本発明の第二の実施形態を示す。図8は、放射線量を測定するために用意された放射線集積回路2(さらなるRADIC2)の同じRADFET Q5およびQ6ならびに同じ抵抗器2および3を示している。二つのRADFETのソースS1およびS2は、互いに接続されて接地されている。RADFET Q6のゲートG6は、それ自体のドレインD6に接続され、このドレインは、RADFET Q5のゲートG5にも接続されている。抵抗器2は、RADFET Q5のドレインD5に接続され、抵抗器3は、RADFET Q6のドレインD6に接続されている。電源Uddは、二つの抵抗器2および3に接続されている。
【0030】
二つのRADFET Q5およびQ6は、同じものでなければならず、同じダイで作成される。従って、二つのRADFET Q5およびQ6は、照射に先立って、同じ温度変化特性、同じ初期閾値電圧、および同じ酸化物電荷をもっていなければならない。RADFET Q5と抵抗器2は、RADFET Q5の閾値電圧の変化を増幅させることのできるインバータである。閾値電圧の変化の増幅は、下記の等式であたえられる。

【0031】
RADFETのパラメータが、W1=4000μm、L=40μm、R1=1000kΩである場合には、閾値電圧の変化の増幅度は、15である。
【0032】
RADFET Q6および抵抗器3は、インバータと同じ温度およびドリフト特性を有する基準回路である。従って、この放射線集積回路の温度効果は最小化されている。RADIC2の測定温度感度は、0.5mV/Cである。
【0033】
出力電圧Uoutは、受けた放射線量による増幅された差分閾値電圧ΔUに等しい。
【0034】
この放射線回路(S=ΔUout/D)の放射線感度は、照射中のバイアスがかけられた電圧がUbias=3.3Vの場合は240mV/cGYである。測定された放射線感度を考慮すれば、温度が±1℃に制御される場合には約0.01cGYあるいは10mRadである。
【0035】
図9は、放射線集積回路(RADIC2)に関するガンマ線の照射線量に応じた実験出力電圧の変化を示す。
【0036】
従って、本発明の放射線集積回路(RADIC1およびRADIC2)は、先行技術の二重式IGFET放射線量計および積層接続式RADFET放射線量計より敏感で正確な放射線量計回路であることが理解される。
【0037】
特権の独占性を請求する本発明の実施形態は、特許請求の範囲に定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がゲート、ソース、およびドレインを有し、厚い酸化物を備え同じ基板に集積された一対の放射線電界効果型トランジスタと、
各々がゲート、ソース、およびドレインを有し、薄い酸化物を備え同じ基板に集積された一対の金属酸化物電界効果型トランジスタと、
各金属酸化物電界効果型トランジスタのドレインに電圧をかけるための手段と、
電離性放射線の影響下で第二の放射線電界効果型トランジスタのゲートには順方向のバイアスをかけまた第一の放射線電界効果型トランジスタのゲートにはゼロ・バイアスをかけるための手段と、
放射線集積回路の増幅された差分閾値電圧を測定するための手段と
を有する放射線量計。
【請求項2】
各々がゲート、ソース、およびドレインを有し、同じ基板に集積されている一対の放射線電界効果型トランジスタと、
一対の200kΩ以上の同じ抵抗器と、
第一および第二の抵抗器に電圧をかけるための手段と、
電離性放射線の影響下で第二の放射線電界効果型トランジスタのゲートには順方向のバイアスをかけまた第一の放射線電界効果型トランジスタのゲートにはゼロ・バイアスをかけるための手段と、
放射線集積回路の増幅された差分閾値電圧を測定するための手段と
を有する放射線量計。
【請求項3】
さらに、
第一の金属酸化物電界効果型トランジスタのドレインをゲートに接続し、第二の金属酸化物電界効果型トランジスタのドレインをゲートに接続するための手段と、
第一の金属酸化物電界効果型トランジスタのドレインおよび第二の金属酸化物電界効果型トランジスタのドレインを電源に接続するための手段と、
第一の放射線電界効果型トランジスタのゲートをドレインに接続するための手段と、
第一の放射線電界効果型トランジスタのドレインを第二の放射線電界効果型トランジスタのゲートに接続するための手段と、
第一の金属酸化物電界効果型トランジスタのソースを第一の放射線電界効果型トランジスタのドレインに接続し、第二の金属酸化物電界効果型トランジスタのソースを第二の放射線電界効果型トランジスタのドレインに接続するための手段と、
両放射線電界効果型トランジスタのドレインの間の増幅された閾値の差を読み取って照射に先立って蓄積された放射線量に対応する初期の増幅された差分閾値を得るための手段と
を有する請求項1に記載の放射線量計。
【請求項4】
さらに、
電源を第一および第二の抵抗器と接続するための手段、第一の放射線電界効果型トランジスタのゲートとドレインに接続するための手段と、
第一の放射線電界効果型トランジスタのドレインを第二の放射線電界効果型トランジスタのゲートに接続するための手段と、
第一の抵抗器を第一の放射線電界効果型トランジスタのドレインに接続し、第二の抵抗器を第二の放射線電界効果型トランジスタのドレインに接続するための手段と、
第一および第二の放射線電界効果型トランジスタのドレインの間の増幅された閾値の差を読み取って照射後に蓄積された放射線量を得るための手段と
を有する請求項2に記載の放射線量計。
【請求項5】
放射線電界効果型トランジスタおよび金属酸化物電界効果型トランジスタが、アルミニウム・ゲートまたはポリシリコン・ゲートを有する請求項1または3に記載の放射線量計。
【請求項6】
放射線電界効果型トランジスタが、アルミニウム・ゲートまたはポリシリコン・ゲートを有する請求項2または4に記載の放射線量計。
【請求項7】
放射線電界効果型トランジスタが、約0.5μm以上の酸化物の厚さを有する請求項1または3に記載の放射線量計。
【請求項8】
電離性放射線量を測定する方法において、
(1)二つの放射線電界効果型トランジスタおよび二つの金属酸化物電界効果型トランジスタを有する放射線集積回路1(RADIC1)または二つの放射線電界効果型トランジスタおよび二つの抵抗器を有する放射線集積回路2(RADIC2)の初期の増幅された差分閾値電圧を測定し;
(2)放射線集積回路1および2のために第二の放射線電界効果型トランジスタのゲートに順方向のバイアスをかけまた電離性放射線に被爆している第一の放射線電界効果型トランジスタにはゼロ・バイアスをかけ;
(3)二つの放射線電界効果型トランジスタの間の照射後の増幅された差分閾値電圧を測定し、放射線集積回路に関する増幅度が下記の式であたえられ;

(4)照射前に測定された増幅された差分閾値電圧から照射後に測定された増幅された差分閾値電圧を差し引くこと;

からなる方法。
【請求項9】
放射線集積回路1および2が、17および15に等しい差分閾値電圧の変化の増幅度を有し、これらの値が、金属酸化物電界効果型トランジスタ、放射線電界効果型トランジスタ、および抵抗器のパラメータに応じて2と100の間であり得る請求項1または2に記載の放射線量計。

【公開番号】特開2012−39078(P2012−39078A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−95993(P2011−95993)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(511102480)
【Fターム(参考)】