説明

放熱板

【課題】本発明は、金属板の形状を改善して垂直積層することによって、システムのサイズを最適化して放熱効率を極大化する放熱板を提供する。
【解決手段】本発明の放熱板は、金属板(10)において、所定の長さの正方形に対して両対角線を切開して得られた4つの三角形を金属板の一方向に金属板に対して所定の第1角度を成すように直立させて、金属板の他方向に所定の長さの正方形の開口部(11)を形成して構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放熱板に関し、より詳細には限流器等の電子素子の放熱に用いられるための放熱板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、空冷の冷却方式には強制対流と自然対流がある。
【0003】
強制対流の場合には、ファンを利用して空気の風速及び方向等を制御できるため、放熱板の設置条件が難しくない。
【0004】
一方、自然対流冷却の場合、空気の密度差によって垂直方向に循環する空気の特性を考慮して、放熱板は主に水平方向に重なって配列される。しかし、構造的な特性、絶縁距離の確保及び設置場所の制約によって放熱板を水平配列することができない場合、穿孔された金属板を垂直方向に積層して穿孔前の金属板と同じ熱伝達面積と垂直方向の空気循環通路を確保することができる。
【0005】
一方、多数の電力機器の冷却に放熱板が用いられる。特に、高圧電力機器における放熱板使用は、絶縁距離の確保が大変重要であるため、設置される空間上の制約が多い問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術的課題は、金属板の形状を改善して垂直積層することによって、システムのサイズを最適化し、放熱効率を極大化する放熱板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記技術的課題を解決するために、本発明の放熱板は、金属板において、所定の長さの正方形に対して両対角線を切開して得られた4つの三角形を前記金属板の一方向に前記金属板に対して所定の第1角度を成すように直立し、前記金属板の他方向に前記所定の長さの正方形の開口部を形成することが好ましい。
【0008】
本発明の一実施形態において、前記開口部は、長方形の前記金属板と第2角度を成すように形成することが好ましい。
【0009】
本発明の一実施形態において、前記第2角度は、実質的に45°であることが好ましい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記開口部は複数形成し、互いに同一間隔で離隔配置することが好ましい。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記開口部の長さと前記同一間隔とが実質的に同一であることが好ましい。
【0012】
また、上記技術的課題を解決するために、本発明の放熱板は、金属板において、所定の長さの正方形に対して両対角線を切開して得られた4つの三角形を前記金属板の一方向に前記金属板に対して所定角度を成すように直立し、前記金属板の他方向に正方形の開口部を形成し、前記開口部は複数形成し、互いに同一間隔で四方一直線に離隔し、前記金属板が複数積層して形成することが好ましい。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記開口部の長さと前記同一間隔が実質的に同一で、前記開口部が交互に位置するように積層することが好ましい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記開口部は、長方形の前記金属板と第2角度を成すように形成することが好ましい。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記第2角度は、実質的に45°であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、穿孔前の金属板と同じ熱伝達面積を確保し、システムのサイズを顕著に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る放熱板の一実施形態の平面図である。
【図2A】図1の点線で表示された円部分の裏面を示した一実施形態の斜視図である。
【図2B】図2Aの一実施形態の側面図である。
【図3】発明の放熱板を積層した構造を説明するための一つの例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、多様な変更が加えられ、多様な実施形態を有し、特定の実施形態を図面に例示して詳細に説明する。
【0019】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むと理解しなければならない。
【0020】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使われるが、構成要素はこの用語によって限定されない。
【0021】
この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけに使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない限り第2構成要素は第1構成要素と命名され、同様に第1構成要素も第2構成要素と命名される。
【0022】
ある構成要素が異なる構成要素に「連結されて」いるまたは「接続されて」いると記述する際には、他の構成要素に直接的に連結されても、または接続されてもよいが、中間に他の構成要素が存在してもよいものと理解しなければならない。一方、ある構成要素が異なる構成要素に「直接連結されて」いるまたは「直接接続されて」いると記述した時には、中間に他の構成要素が存在しないことと理解しなければならない。
【0023】
本願で使った用語は、単に特定の実施形態を説明するために使われたもので、本発明を限定する意図はない。単数の表現は文脈上明白に異なる意味を有しない限り、複数の表現を含む。
【0024】
本願において、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0025】
また、本願の添付図は、説明の便宜のために、拡大または縮小して示されたものと理解しなければならない。
【0026】
本発明について図面を参照して詳細に説明し、図面符号に関係なく同一のまたは対応する構成要素は、同じ参照番号を付してこれに関する重複説明は省略する。
【0027】
図1は、本発明に係る放熱板の一実施形態の平面図である。
【0028】
図面に示したように、本発明の放熱板は、金属板10に所定長さ(a)の正方形の複数の開口部11を穿孔して構成され、複数の開口部11は、互いに所定の同一間隔(b)をあけて一直線に離隔されている。
【0029】
複数の開口部11は、長方形の金属板10に対して所定角度(α)を成して穿孔されるが、好ましくは、金属板10の長方形と45°の角を成して穿孔される。
【0030】
図2Aは、図1の点線で表示された円の部分の裏面を示した一実施形態の斜視図であり、図2Bは、図2Aの一実施形態の側面図である。
【0031】
図面に示したように、開口部11の穿孔過程で生じる王冠(crown)状の構造物を切り離すことなく維持して、穿孔前の金属板と同じ熱伝達面積を確保することができる。
【0032】
即ち、穿孔前、正方形の両対角線を切開して4つの三角形を得て、これを金属板10の一方向に金属板10に対して所定の角度(β)を成すように立たせて王冠状の構造物を生成し、他方向には開口部11を形成する。
【0033】
また、穿孔して得た4つの三角形のサイズは下記の通りである。
【0034】
図1において開口部11の一辺の長さをaとすると、三角形の底辺の長さはaで、底辺を除いた三角形の両辺の長さは
【数1】

で、三角形の高さはa/2であることは自明である。
【0035】
このように形成される本発明の放熱板は、穿孔前の金属板と同一熱伝達面積を維持し、穿孔によって生成される開口部11を介して垂直方向の空気循環をスムーズにして速かに熱を放出できる構造である。
【0036】
図3は、本発明の放熱板を積層した構造を説明するための一つの例示図である。
【0037】
図面に示したように、各々の開口部11に該当する金属板を切開して立たせた王冠状の構造物は、金属板10の間の間隔を維持させる機能をする。図3の場合には、開口部11の間の間隔を開口部11の一辺の長さと同一に、即ち、aだけ間隔をあけたもの(即ち、b=a)で、各金属板10の開口部11が交互に位置するように積層して構成できる。
【0038】
本発明の放熱板は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor;IGBT)を冷却するために使われる。24kV/4000A/40kA)規格の限流器(limiter)に使われるIGBTの予想発熱量は約48kWである。
【0039】
本発明の放熱板によって、穿孔前金属板と同じ熱伝達面積を確保すると共に、システムのサイズを顕著に減らすことができる。
【0040】
本発明の放熱板は、例えばIGBTのような電力電子変換素子を空冷またはヒートパイプを利用して冷却する際、放熱効率を増加しシステム及び配電盤のサイズを最適化するために用いられる。
【0041】
IGBTを利用した限流器の場合、発熱量に応じて空冷、ヒートパイプ冷却、そして水冷等の方法を採用することができる。相対的に少量の発熱量に対しては放熱板を利用して冷却する空冷またはヒートパイプを利用して冷却する。放熱板は、冷却ファンを使用するか否かによって(即ち、強制冷却または自然対流冷却)、配列及び構造が変わり、穿孔された放熱板を用いると自然対流の場合にも放熱板を垂直方向に積層できるため、システムの構造的な制限が少なくなる。
【0042】
即ち、本発明の放熱板を利用すると穿孔前の金属板と同じ熱伝達面積を確保して、システムのサイズを顕著に減らすことができる。
【0043】
以上、代表的な実施形態をもって本発明について詳細に説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、上述した実施形態に対して本発明の範疇から逸脱しないで、多様な変形が可能であることが理解できる。従って、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に限って定まってはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等物等によって定めるべきである。
【符号の説明】
【0044】
10 金属板
11 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板において、所定の長さの正方形に対して両対角線を切開して得られた4つの三角形を前記金属板の一方向に前記金属板に対して所定の第1角度を成すように直立させて、前記金属板の他方向に前記所定の長さの正方形の開口部を形成することを特徴とする、放熱板。
【請求項2】
前記開口部は、長方形の前記金属板と第2角度を成すように形成することを特徴とする、請求項1に記載の放熱板。
【請求項3】
前記第2角度は、実質的に45°であることを特徴とする、請求項2に記載の放熱板。
【請求項4】
前記開口部は、複数形成されて、互いに同一間隔に離隔配置されることを特徴とする、請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の放熱板。
【請求項5】
前記開口部の長さと前記同一間隔が実質的に同一であることを特徴とする、請求項4に記載の放熱板。
【請求項6】
金属板において、所定の長さの正方形に対して両対角線を切開して得られた4つの三角形を前記金属板の一方向に前記金属板に対して所定の第1角度を成すように直立させて、前記金属板の他方向に正方形の開口部を形成し、前記開口部は複数形成し、互いに同一間隔で四方一直線に離隔され、前記金属板が複数積層されて形成されることを特徴とする、放熱板。
【請求項7】
前記開口部の長さと前記同一間隔が実質的に同一で、前記開口部が交互に位置するように積層されることを特徴とする、請求項6に記載の放熱板。
【請求項8】
前記開口部は、長方形の前記金属板と第2角度を成すように形成されることを特徴とする請求項6または7に記載の放熱板。
【請求項9】
前記第2角度は、実質的に45°であることを特徴とする、請求項8に記載の放熱板。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−42138(P2013−42138A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−179724(P2012−179724)
【出願日】平成24年8月14日(2012.8.14)
【出願人】(593121379)エルエス産電株式会社 (221)
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO., LTD
【Fターム(参考)】