放送受信システムおよび、携帯端末、サーバ
【課題】携帯端末で放送を視聴するユーザの使い勝手を向上した放送受信システムおよび、携帯端末、サーバを提供する。
【解決手段】放送受信システムは、放送を受信可能な携帯端末と、携帯端末とデータの送受信が可能なサーバとを備える。携帯端末は、放送を受信する第1の放送受信部と、サーバとの間でデータの送受信が可能な第1の通信部を有する。サーバは、放送を受信する第2の放送受信部と、携帯端末との間でデータの送受信が可能な第2の通信部と、第2の放送受信部により受信したデータを記憶可能な第2の記憶部とを備える。携帯端末は、第1の放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を第1の通信部により前記サーバに送信し、サーバは、携帯端末から送信要求情報を受信すると、第2の記録部から読み出したデータを第2の通信部により携帯端末に送信する。
【解決手段】放送受信システムは、放送を受信可能な携帯端末と、携帯端末とデータの送受信が可能なサーバとを備える。携帯端末は、放送を受信する第1の放送受信部と、サーバとの間でデータの送受信が可能な第1の通信部を有する。サーバは、放送を受信する第2の放送受信部と、携帯端末との間でデータの送受信が可能な第2の通信部と、第2の放送受信部により受信したデータを記憶可能な第2の記憶部とを備える。携帯端末は、第1の放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を第1の通信部により前記サーバに送信し、サーバは、携帯端末から送信要求情報を受信すると、第2の記録部から読み出したデータを第2の通信部により携帯端末に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送を受信可能な携帯端末及びサーバ、これらを用いた放送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機により所望のテレビ番組の録画予約がされると、サーバ装置は予約されたテレビ番組を録画する。そして、携帯電話機からテレビ番組の視聴要求を受けると、サーバ装置は録画したテレビ番組のデータ形式を携帯電話機の表示部に適したデータ形式に変換し、インターネットを介して携帯電話機に送信することが特許文献1に開示されている。
【0003】
また、放送内容を記録し、後に再生できるテレビ受像可能な携帯端末が特許文献2に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−339041号公報
【特許文献2】特開2003−348510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1時間や2時間分のテレビ番組データの全てを通信回線を利用して受信すると、通信料金が多くかかってしまうという問題がある。一方、携帯端末でテレビ番組を受信して録画する場合、携帯端末を保持したユーザが地下街等に移動することにより、放送受信状態が悪くなると、ユーザが視聴を希望していたテレビ番組を録画できなくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決し、携帯端末で放送を視聴するユーザの使い勝手を向上した放送受信システムおよび、携帯端末、サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる放送受信システムは、放送を受信可能な携帯端末と、前記携帯端末とデータの送受信が可能なサーバとを備える。前記携帯端末は、放送を受信する第1の放送受信部と、前記サーバとの間でデータの送受信が可能な第1の通信部を有する。また、前記サーバは、放送を受信する第2の放送受信部と、前記携帯端末との間でデータの送受信が可能な第2の通信部と、前記第2の放送受信部により受信したデータを記憶可能な第2の記憶部とを備える。そして、前記携帯端末は、前記第1の放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を前記第1の通信部により前記サーバに送信し、前記サーバは、前記携帯端末から前記送信要求情報を受信すると、前記第2の記録部から読み出したデータを前記第2の通信部により前記携帯端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末で放送を視聴するユーザの使い勝手を向上した放送受信システムおよび、携帯端末、サーバを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
デジタル放送受信システムの一例を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、携帯端末及び録画代行サーバ、放送局からなるデジタル放送受信システムの一例を説明するブロック図である。
【0011】
デジタル放送は、放送局100から放送用送信アンテナ101を介して、送信される。携帯端末103は、放送用受信アンテナ102を介して、デジタル放送を受信する。また、携帯端末103は、ユーザにより録画を希望する番組に関する情報が入力されると、その番組予約情報を保存するとともに、通信用送受信アンテナ104を介して、録画代行サーバ105に送信する。
【0012】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106を介して、携帯端末103からの番組予約情報を受信し、その番組予約情報に基づき、放送用受信アンテナ107を介して、デジタル放送を受信し、録画する。録画代行サーバ105によりデジタル放送を録画した回数または時間に応じて、携帯端末103のユーザに課金しても良いし、録画回数等によらず、一定期間に一定料金を課金するようにしても良い。
【0013】
保存された番組予約情報に基づいて携帯端末103にて番組を録画中に、デジタル放送の受信状態が悪くなり、デジタル放送を受信できない未受信区間が発生することがある。このような場合、番組終了後に、受信できなかった区間を示す未受信情報を、通信用送受信アンテナ104を介して、録画代行サーバ105に送信する。
【0014】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106を介して、携帯端末103から未受信情報を受信し、その未受信情報に基づき、未受信区間のデータのみを通信用送受信アンテナ106を介して、携帯端末103に送信する。
【0015】
このように、未受信区間のデータのみが、携帯端末103に送信されるので、デジタル放送の番組全体を送受信する場合に比べて、通信回線を介して送受信するのデータ量及び通信時間を減らすことができる。これにより、ユーザに課金される通信料金を減少させることができるとともに、占有率を低減し、通信回線を有効に使うことができる。
【0016】
図2は、携帯端末103の内部構成の一例を示すブロック図である。図1と同一物は同一符号を付し、説明を省略する。
【0017】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、携帯端末103全体の制御を行う。操作部202は番号キーやファンクションキーを含む複数のキーから構成され、ユーザからの指示を受け付ける。選局部203は、デジタル放送を選局するためのチューナであり、受信したデジタル放送を復調し、デジタルデータを出力する。なお、この復調には、放送に含まれる誤り訂正符合を用いた誤り訂正も含まれる。無線通信部208は、CDMA(Code Division Multiple Access)モデム等の無線通信を行うモデムである。
【0018】
制御部201の動作プログラム等を保存する記憶部204、受信したデジタル放送番組を録画保存する番組保存部205、予約録画する番組の番組情報を保存する番組予約情報保存部206、番組の未受信区間の時刻情報を保存する未受信情報保存部207は、それぞれ別のRAM(Random Access Memory)等のメモリであっても良いし、1つのメモリの中に記憶部204、番組保存部205等を設けるようにしても良い。また、メモリカードなどの取り外し可能な外部記憶媒体を用いるようにしても良い。例えば、番組保存部205を外部記憶媒体とし、他の記憶部204等をRAMで構成するようにしても良い。番組保存部205を外部記憶媒体とし、複数の媒体を取り替えて用いることができるようにすることにより、多くのデジタル放送番組データを保存することができる。
【0019】
映像復号部209は圧縮された映像データを復号するデコーダー、表示部210は映像復号部209で復号された映像を表示する液晶モニタ等のディスプレイである。音声復号部は圧縮された音声データを復号するデコーダー、音声出力部212は音声復号部211で復号された音声を出力するスピーカである。なお、表示部210をユーザがペンや指を用いてディスプレイの画面を触ることにより、文字や数字、ユーザ指示を入力可能なタッチパネル方式にしても良い。これにより、ユーザは使用状況や入力する情報に応じて、操作部202あるいは表示部210を使い分けることができる。また、携帯端末を小型化するために、操作部202を省略しても良い。
【0020】
デジタル放送を、放送用受信アンテナ102及び選局部203を介して受信すると、記憶部204に一時保存する。一時保存されたデジタル放送データは、制御部201の制御で圧縮映像データと圧縮音声データに分離する。圧縮映像データは、映像復号部209にて復号し、表示部210にて表示する。また、圧縮音声データは、音声復号部211にて復号し、音声出力部212にて音声として出力する。
【0021】
デジタル放送番組を録画する場合は、デジタル放送データを番組保存部205に保存する。通信用送受信アンテナ104及び無線通信部208を介して、受信したデジタルデータは、記憶部204に一時保存される。一時保存されたデジタルデータは、制御部201によりで、データを分離し、メール等の文字データの場合は表示部210にて表示し、通話等の音声データの場合は、音声出力部212にて音声として出力する。また、制御部201の制御により、記憶部204等に保存されたデータを読出し、通信用送受信アンテナ104及び無線通信部208を介してデジタルデータとして送信する。
【0022】
図3は、録画代行サーバ105の内部構成の一例を示すブロック図である。図1と同一物は同一符号を付して、説明を省略する。
【0023】
制御部301は録画代行サーバ105全体の制御を行うCPUであり、選局部302はデジタル放送を選局するためのチューナ、無線通信部307は無線通信を行うモデムである。制御部301の動作プログラム等を保存する記憶部303、デジタル放送番組の番組予約情報を保存する番組予約情報保存部304、受信したデジタル放送番組を録画保存する番組保存部305、録画保存された番組の時刻情報を保存する時刻情報保存部306は、RAM等のメモリで構成される。なお、記憶部303等をそれぞれ別のメモリで構成することに限定するものではなく、1つのメモリの中に構成しても良い。但し、大容量のデジタル放送データの保存を可能にするためには、番組保存部305をハードディスク等の別のメモリにすることが望ましい。
【0024】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、携帯端末103から送信された番組予約情報を受信し、番組予約情報保存部304に保存する。番組予約情報に基づき、放送用受信アンテナ107を介して、デジタル放送を受信し、番組保存部305に録画保存する。また、録画保存された番組に関する時刻情報は、時刻情報保存部306に保存する。
【0025】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、携帯端末103から未受信情報を受信する。未受信情報に基づき、携帯端末103で受信できなかった区間のデータのみを通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、携帯端末103に送信(データ転送)する。
【0026】
図4は、携帯端末103における、番組録画予約処理の一例を示したフローチャートである。この番組録画予約処理を実行するためのプログラムは記憶部204に保存され、このプログラムに基づいて制御部201が処理を実行する。
【0027】
ユーザから番組予約モードへの切換指示が入力されると、録画予約処理が開始される(ステップ400)。ユーザは操作部202を用いて録画を希望するデジタル放送番組を選択する(ステップ401)。例えば、電子番組ガイド(EPG:Electronic Program Guide)用いて、図9に示すような番組選択画面を表示し、ユーザはこの画面の中から任意の番組を選択する。図9の例では、YYYTVの19:00(午後7時)から番組が開始されるホームドラマが選択されている。なお、電子番組ガイドは、放送局100あるいは録画代行サーバ105から送信されたものを事前に番組予約情報保存部206に記憶し、これを用いて番組選択画面を表示しても良いし、ユーザが番組予約モードに切り換えたときに放送局100等から受信するようにしても良い。また、図示せざるインターネット網を介して入手しても良い。
【0028】
番組が選択されると、電子番組ガイドに含まれる情報を用いて、番組開始時刻の設定(ステップ402)、および番組終了時刻の設定(ステップ403)をそれぞれ行い、番組予約情報を生成する。生成された番組予約情報は、番組予約情報保存部206に保存される。そして、携帯端末103は、番組予約情報を録画代行サーバ105に送信し(ステップ404)、録画代行サーバ105からの予約確認情報を受信し(ステップ405)、録画予約処理を終了する(ステップ406)。
【0029】
図11は、図9に示す番組選択画面でホームドラマを選択した場合に生成された番組予約情報の一例を示している。受信チャンネルをXXch、放送局名をYYYTV、番組識別番号をNN、番組名をホームドラマ、放送番組開始時刻を19:00(午後7時)、放送番組終了時刻を20:00(午後8時)に設定している。なお、項目及び内容については、図11の例に限定するものではない。例えば、受信チャンネルと、放送番組開始時刻と、放送番組継続時間でも良いし、番組識別番号だけであっても良い。
【0030】
本実施例では、番組予約情報として、番組配列情報であるSI(Service Information)情報から生成される電子番組ガイドの情報を使用しているが、これに限定するものではなく、ユーザが操作部202を用いて、受信チャンネル、録画開始時刻、録画終了時刻、番組識別情報をそれぞれ入力しても良い。ただし、SI情報を利用すると、野球中継延長等で放送時刻の変更された場合、番組識別番号からその変更を知ることができ、録画ミスを防ぐことができる。
【0031】
図5は、携帯端末103における、デジタル放送受信録画処理の一例を示したフローチャートである。番組録画予約処理と同様に、本処理を実行するためのプログラムは記憶部204に保存され、制御部201により実行される。
【0032】
番組録画予約が設定されると、処理が開始される(ステップ500)。制御部201は、番組録画予約処理で設定された番組開始時刻になったかどうかを検出し(ステップ501)、番組開始時刻に達したら、録画を開始し、番組保存部205に順次録画保存する(ステップ502)。
【0033】
録画保存中は、受信不良が発生したかどうかを常時監視する(ステップ503)。受信不良が発生した状態とは、放送用受信アンテナ102が放送データを受信できない状態あるいは選局部203が受信したデジタル放送を復調できない状態である。放送を正常受信中の場合、番組終了時刻に達しているかどうか判断し(ステップ504)、番組終了時刻に達していない場合は番組保存部205への録画保存を継続する。番組終了時刻に達している場合には、録画を終了する(ステップ505)。
【0034】
一方、受信不良が発生した場合は、受信不良の開始時刻を未受信開始時刻として未受信情報保存部207に保存する(ステップ507)。この場合は、番組保存部205への録画保存を中断する。受信不良中に番組終了時刻に達すると(ステップ508)、録画保存の終了処理を行い(ステップ505)、デジタル放送受信録画処理を終了する(ステップ506)。この場合、番組終了時刻を未受信終了時刻として未受信情報保存部207に保存する。番組終了時刻に達していない場合、受信不良が継続しているかどうかを判断し(ステップ509)、受信不良が継続している場合はステップ508に移行する。
【0035】
ステップ509で受信不良が解消して正常受信になったと判断された場合、判断したときの時刻を未受信終了時刻として未受信情報保存部207に保存し(ステップ510)、番組保存部205への録画を再開する。なお、正常受信状態とは、放送用受信アンテナ102が放送データを受信し、かつ、選局部203が受信したデジタル放送を復調し、デジタルデータを出力できる状態である。
【0036】
図12は、未受信情報の一例を示す。未受信情報は、放送番組開始時刻、未受信開始時刻、未受信終了時刻、放送番組終了時刻を有しており、放送番組受信中に、受信不良が1回発生し、放送番組の未受信区間がt2からt3であることを意味している。例えば、未受信区間が2回以上発生した場合には、1つの未受信情報の中に、複数組の未受信開始時刻と未受信終了時刻を含めるようにしても良いし、未受信区間が発生する毎にそれぞれ未受信情報を生成するようにしても良い。なお、受信不良中に番組終了時刻に達した場合は、番組終了時刻t4がそのまま未受信終了時刻t4となる。
【0037】
なお、項目及び内容については、図12の例に限定するものではない。例えば、未受信開始時刻と、未受信終了時刻だけでも良い。
【0038】
図6は、携帯端末103における、未受信区間のデータ取得処理の一例を示したフローチャートである。他の処理プログラムと同様に、本処理を実行するためのプログラムは記憶部204に保存され、このプログラムに基づいて制御部201が処理を実行する。
【0039】
録画終了後に未受信区間のデータ取得処理を開始する(ステップ600)。なお、データ取得処理は録画終了後に自動的に開始するようにしても良いし、ユーザからの要求を待って開始するようにしても良い。
【0040】
未受信情報保存部207に保存されている未受信情報により、録画保存したファイルに未受信区間があるかどうかを判断する(ステップ601)。未受信区間が無いと判断された場合は、処理を終了する(ステップ602)。
【0041】
一方、未受信区間があると判断された場合は、未受信情報保存部207に保存されている未受信情報を録画代行サーバ105に送信し(ステップ603)、録画代行サーバ105から未受信区間のデータを受信(データ転送)する(ステップ604)。ステップ604で、録画代行サーバ105から受信した未受信区間のデータは、番組保存部205に保存されている録画保存ファイルに挿入し(ステップ605)、欠落の無い録画保存ファイルとして完成する。
【0042】
未受信区間データを録画保存ファイルに挿入する方法について、図7を用いて説明する。
【0043】
図7(a)は、デジタル放送番組を録画中に受信不良が発生した場合の録画保存ファイルの一例を示すものである。本例では、放送番組開始時刻t1より録画保存を開始したが、時刻t2で受信不良が発生したので、時刻t1から時刻t2までの録画ファイルとして、ファイルt1(ZZZ_t1.dtv)701を保存する。その後、時刻t3で受信不良が改善したので、時刻t3から録画保存を開始し、放送番組終了時刻t4に至るまでの録画ファイルとして、ファイルt3(ZZZ_t3.dtv)702を保存している。時刻t2から、時刻t3までは、未受信区間となる。図7(b)は、録画代行サーバ105から、未受信区間のデータを受信(データ転送)し、生成された録画ファイルt2(ZZZ_t2.dtv)703を示している。
【0044】
この録画ファイルt2(ZZZ_t2.dtv)703を、録画ファイルt1(ZZZ_t1.dtv)701と、録画ファイルt3(ZZZ_t3.dtv)702の間に挿入することにより、放送番組開始時刻t1から放送番組終了時刻t4までのデジタル放送全体のデータファイルを生成することができる。具体的には、録画ファイルt1(ZZZ_t1.dtv)701と、録画ファイルt2(ZZZ_t2.dtv)704と、録画ファイルt3(ZZZ_t3.dtv)702のヘッダーに録画されたデータの放映時刻を示す情報を記録し、これらの情報を用いて録画ファイルを放映順に順次連結し、図7(c)に示す録画ファイル(ZZZ.dtv)705を生成する。
【0045】
なお、録画ファイルに記録する情報はヘッダーに記録した放映時刻を示す情報に限定するものではなく、番組先頭からの位置を示すTS(Transport Stream)パケットのパケット番号を示す情報や、プログラム時刻基準値であるPCR(Program, Clock Reference)、表示時刻を示すタイムスタンプであるPTS(Presentation Time Stamp)などを用いても良い。
【0046】
図8は、録画代行サーバ105における未受信区間データの送信処理の一例を示したフローチャートである。本処理を実行するためのプログラムは記憶部303に保存され、制御部301により実行される。
【0047】
録画代行サーバ105は、携帯端末103から番組予約情報を、通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して受信すると(ステップ801)、予約確認情報を携帯端末103に送信する(ステップ802)。なお、受信した番組予約情報は、番組予約情報保存部304に保存する。
【0048】
番組予約情報保存部304に保存した番組予約情報に基づき、選局部302の受信チャンネルを設定し、放送番組開始時刻に達すると、放送用受信アンテナ107及び選局部302を介して、デジタル放送を受信し、番組保存部305に録画保存する(ステップ803)。
【0049】
携帯端末103から未受信情報を受信すると(ステップ804)、番組時刻情報保存部306に保存されている録画保存された番組の時刻情報を用いて、番組保存部305に録画保存されている録画保存ファイルから該当する未受信区間のデータを抽出する(ステップ805)。抽出したデータを通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、録画機能付デジタル放送受信携帯端末103に送信(データ転送)する(ステップ806)。
【0050】
録画代行サーバ105では、録画保存した時点から、予め設定された一定時間が経過すると、録画保存したファイルを削除する(ステップ806)。
【0051】
なお、本実施例では、携帯端末103は、番組終了後に未受信情報を送信したが、通信回線で信号を送信可能な状態であれば、放送を受信できない状態になったときに、未受信区間の開始を示す未受信開始時刻情報を送信し、受信できる状態になったときに未受信区間の終了を示す未受信終了時刻情報を送信するようにしても良い。この場合、録画代行サーバ105は、一定期間、例えば90分間ユーザから開始情報を受信しない場合は、録画した情報を順次消去していくようにしても良い。この場合、録画代行サーバ105は番組全体を録画しておく必要がない。あるいは、受信できる状態になったときに、携帯端末103から開始情報と終了情報を含めた未受信情報を送信するようにしても良い。
【0052】
また、上記した実施例では、番組終了後に未受信データを録画代行サーバから受信したが、受信不良が改善されたら、番組終了を待たずに、未受信データを録画代行サーバから受信するようにしてもよい。この場合は、未受信データを補充した録画保存ファイルの生成が、録画保存中もしくは録画保存終了後直ちに行うことができるので、上記実施例に比べて、未受信データを補充した録画保存ファイルを速く生成することができる。
【0053】
次に、録画しないでデジタル放送を視聴している途中に受信不良に陥った場合の処理方法を説明する。
【0054】
図10は、携帯端末103での番組視聴処理の一例を示すフローチャートである。本処理を実行するプログラムは、記憶部204に保存され、制御部201により実行される。
【0055】
放送受信を開始すると(ステップ1000)、視聴している番組が終了したかどうかを検出し(ステップ1001)、終了していない場合は放送の受信状態の検出を行う(ステップ1002)。
【0056】
受信しているデジタル放送の受信不良が発生したことを検出すると(ステップ1002)、受信不良が発生した時刻を示す時刻情報や番組情報等を有する未受信開始情報を録画代行サーバ105に送信する(ステップ1003)。番組情報は、受信チャンネルや番組名、番組を識別する番号やコードである。未受信開示情報を受信した録画代行サーバ105は録画を開始する。なお、受信不良状態の最中に番組が終了した場合には、デジタル放送受信を終了し、時刻情報や番組情報等からなる未受信終了情報を録画代行サーバに送信する。
【0057】
受信不良の改善を検出すると(ステップ1004)、受信したデジタル放送の録画を開始し、録画データを番組保存部205に保存する(ステップ1005)。そして、受信不良が終了した時刻を示す時刻情報や番組情報からなる未受信終了情報を録画代行サーバ105に送信し(ステップ1006)、録画代行サーバ105から未受信データを受信する(ステップ1007)。受信した未受信データは番組保存部205に保存する。なお、録画代行サーバからの未受信データと録画保存した番組(録画保存ファイル)とを結合して、録画保存ファイルとしても良い。
【0058】
録画代行サーバ105から未受信データを受信すると、表示部210に例えば「番組の視聴を再開しますか?」等のメッセージを表示し、ユーザに視聴を再開するかどうかの確認を求める(ステップ1008)。ユーザが視聴を希望しない場合には、番組終了を検出すると(ステップ1009)、録画を終了し(ステップ1010)、放送受信を終了する(ステップ1010)。
【0059】
ユーザが視聴を希望する場合には、タイムシフト再生を行うか、時短再生を行うかの確認をユーザに求める(ステップ1012)。ここで、タイムシフト再生とは、番組終了まで録画を継続しつつ、通常の再生速度で、録画代行サーバ105から受信したデータと携帯端末103で録画したデータを順次再生する方法である。また、時短再生とは、放送されている番組に追いつくまでは、録画代行サーバ105から受信したデータと携帯端末103で録画したデータを2倍速で再生し、放送されている番組に追いついてからはデジタル放送の視聴に切り換える方法である。なお、時短再生は2倍速に限られず、1倍速を超える速度であれば良く、1.1倍速や、3倍速以上の再生速度で行っても良い。また、時短再生として、番組の中のダイジェスト部分のみを再生するようにしてもよい。例えば、スポーツ番組の場合には、観客の歓声等の音声が所定以上になっている部分のみを再生する。
【0060】
ユーザが時短再生を選択すると、先ず録画代行サーバ105からの未受信データを2倍速で再生し、未受信データの再生が終了すると、携帯端末103で録画しているデータの2倍速再生を開始する(ステップ1013)。
【0061】
そして、再生データのTS(Transport Stream)パケットのパケット番号(番組先頭からの位置を示すTSパケットのパケット番号)と、受信中のデジタル放送のパケット番号とを比較する(ステップ1014)。再生データのパケット番号が受信放送のパケット番号に一致したもしくは近づいた場合は、録画データの再生が受信中のデジタル放送に再生が追いついたと判断し、デジタル放送の視聴に切換、録画を終了する(ステップ1015)。そして、番組が終了すると(ステップ1016)、放送受信を終了する(ステップ1011)。なお、本実施形態では、録画データの再生が受信中のデジタル放送に再生が追いついたかどうかを判断するために、番組先頭からの位置を示すTSパケットのパケット番号を用いたが、これに限定するものではなく、プログラム時刻基準値であるPCR(Program, Clock Reference)、表示時刻を示すタイムスタンプであるPTS(Presentation Time Stamp)を用いて判断しても良い。デジタル放送の視聴に移行した場合に、番組保存部205に録画保存した録画保存ファイルを自動的に消去するようにしても良い。これにより、番組保存部205の記憶容量を有効に使用することができる。
【0062】
ユーザがタイムシフト再生を選択した場合には、通常の再生速度で、録画代行サーバ105から受信したデータと携帯端末103で録画したデータを順次再生する(ステップ1017)。そして、番組が終了すると(ステップ1018)、録画を終了するとともに放送受信を終了する(ステップ1019)。そして、録画したデータを終わりまで再生すると、再生を終了する(ステップ1020)。
【0063】
なお、本実施例では、携帯端末103のデジタル放送の受信状態が良好になった後に録画代行サーバ105から未受信データを受信し、受信したデータの再生をしているが、これに限定するものではない。未受信開始情報を送信後に、録画代行サーバ105から順次デジタル放送データを受信し、受信したデータが所定以上になったときに、ユーザに視聴を開始するかどうか確認を求め、受信状態が良好になる前であっても、再生を開始するようにしても良い。
【0064】
なお、以上説明したデジタル放送受信システムでは、録画代行サーバを放送局とは別に設けたが、放送局が録画代行サーバ機能を備えるようにしても良い。また、専用の録画代行サーバではなく、受信状態の変動が少ない場所でデジタル放送を受信できかつ録画できる装置(例えば、他の録画機能付デジタル放送受信携帯端末)を録画代行サーバとして用いても良い。また、放送局が、全番組もしくは主要な番組を録画保存し、ユーザの要求に応じて、未受信情報に基づき、未受信区間のデータを提供しても良い。
【0065】
また、上記実施例では、無線通信網を用いたが、有線通信網を利用することも出来る。例えば、録画代行サーバとインターネット網で接続したPCからダウンロードする方法等を利用しても良い。また、受信不良が発生した場合に限らず、携帯端末の電池残量が少なくなり、正常な受信が出来なくなる、あるいは録画できなくなる可能性がある場合に、録画代行サーバに録画依頼をするようにしても良い。
【0066】
デジタル放送には、地上波によるデジタル放送や、人工衛星を介したデジタル放送があるが、無線によるデジタル放送であることについては同じであり、本発明が適用できる。
【0067】
なお、携帯端末は、ユーザが保持するものだけに限られず、自動車に搭載する車載用途の携帯端末も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】デジタル放送受信システムの1例を示すブロック図である。
【図2】携帯端末の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】録画代行サーバの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】携帯端末における番組録画予約処理の一例を示したフローチャートである。
【図5】携帯端末におけるデジタル放送受信録画処理の一例を示したフローチャートである。
【図6】携帯端末における未受信区間のデータ取得処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】未受信区間データを録画保存ファイルに挿入する方法を説明する為の模式図である。
【図8】録画代行サーバにおける未受信区間データの送信処理の一例を示したフローチャートである。
【図9】携帯端末に表示する番組選択画面の一例を示す図である。
【図10】携帯端末における番組視聴処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】番組予約情報の一例を示す図である。
【図12】未受信情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
100:放送局
101:放送用送信アンテナ
102、107:放送用受信アンテナ
103:携帯端末
104、106:通信用送受信アンテナ
105:録画代行サーバ
201:制御部
203:選局部
205:番組保存部
206:番組予約情報保存部
207:未受信情報保存部
301:制御部
302:選局部
305:番組保存部
304:番組予約情報保存部
305:番組時刻情報保存部
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送を受信可能な携帯端末及びサーバ、これらを用いた放送受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機により所望のテレビ番組の録画予約がされると、サーバ装置は予約されたテレビ番組を録画する。そして、携帯電話機からテレビ番組の視聴要求を受けると、サーバ装置は録画したテレビ番組のデータ形式を携帯電話機の表示部に適したデータ形式に変換し、インターネットを介して携帯電話機に送信することが特許文献1に開示されている。
【0003】
また、放送内容を記録し、後に再生できるテレビ受像可能な携帯端末が特許文献2に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−339041号公報
【特許文献2】特開2003−348510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1時間や2時間分のテレビ番組データの全てを通信回線を利用して受信すると、通信料金が多くかかってしまうという問題がある。一方、携帯端末でテレビ番組を受信して録画する場合、携帯端末を保持したユーザが地下街等に移動することにより、放送受信状態が悪くなると、ユーザが視聴を希望していたテレビ番組を録画できなくなるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決し、携帯端末で放送を視聴するユーザの使い勝手を向上した放送受信システムおよび、携帯端末、サーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる放送受信システムは、放送を受信可能な携帯端末と、前記携帯端末とデータの送受信が可能なサーバとを備える。前記携帯端末は、放送を受信する第1の放送受信部と、前記サーバとの間でデータの送受信が可能な第1の通信部を有する。また、前記サーバは、放送を受信する第2の放送受信部と、前記携帯端末との間でデータの送受信が可能な第2の通信部と、前記第2の放送受信部により受信したデータを記憶可能な第2の記憶部とを備える。そして、前記携帯端末は、前記第1の放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を前記第1の通信部により前記サーバに送信し、前記サーバは、前記携帯端末から前記送信要求情報を受信すると、前記第2の記録部から読み出したデータを前記第2の通信部により前記携帯端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、携帯端末で放送を視聴するユーザの使い勝手を向上した放送受信システムおよび、携帯端末、サーバを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
デジタル放送受信システムの一例を図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、携帯端末及び録画代行サーバ、放送局からなるデジタル放送受信システムの一例を説明するブロック図である。
【0011】
デジタル放送は、放送局100から放送用送信アンテナ101を介して、送信される。携帯端末103は、放送用受信アンテナ102を介して、デジタル放送を受信する。また、携帯端末103は、ユーザにより録画を希望する番組に関する情報が入力されると、その番組予約情報を保存するとともに、通信用送受信アンテナ104を介して、録画代行サーバ105に送信する。
【0012】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106を介して、携帯端末103からの番組予約情報を受信し、その番組予約情報に基づき、放送用受信アンテナ107を介して、デジタル放送を受信し、録画する。録画代行サーバ105によりデジタル放送を録画した回数または時間に応じて、携帯端末103のユーザに課金しても良いし、録画回数等によらず、一定期間に一定料金を課金するようにしても良い。
【0013】
保存された番組予約情報に基づいて携帯端末103にて番組を録画中に、デジタル放送の受信状態が悪くなり、デジタル放送を受信できない未受信区間が発生することがある。このような場合、番組終了後に、受信できなかった区間を示す未受信情報を、通信用送受信アンテナ104を介して、録画代行サーバ105に送信する。
【0014】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106を介して、携帯端末103から未受信情報を受信し、その未受信情報に基づき、未受信区間のデータのみを通信用送受信アンテナ106を介して、携帯端末103に送信する。
【0015】
このように、未受信区間のデータのみが、携帯端末103に送信されるので、デジタル放送の番組全体を送受信する場合に比べて、通信回線を介して送受信するのデータ量及び通信時間を減らすことができる。これにより、ユーザに課金される通信料金を減少させることができるとともに、占有率を低減し、通信回線を有効に使うことができる。
【0016】
図2は、携帯端末103の内部構成の一例を示すブロック図である。図1と同一物は同一符号を付し、説明を省略する。
【0017】
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)等により構成され、携帯端末103全体の制御を行う。操作部202は番号キーやファンクションキーを含む複数のキーから構成され、ユーザからの指示を受け付ける。選局部203は、デジタル放送を選局するためのチューナであり、受信したデジタル放送を復調し、デジタルデータを出力する。なお、この復調には、放送に含まれる誤り訂正符合を用いた誤り訂正も含まれる。無線通信部208は、CDMA(Code Division Multiple Access)モデム等の無線通信を行うモデムである。
【0018】
制御部201の動作プログラム等を保存する記憶部204、受信したデジタル放送番組を録画保存する番組保存部205、予約録画する番組の番組情報を保存する番組予約情報保存部206、番組の未受信区間の時刻情報を保存する未受信情報保存部207は、それぞれ別のRAM(Random Access Memory)等のメモリであっても良いし、1つのメモリの中に記憶部204、番組保存部205等を設けるようにしても良い。また、メモリカードなどの取り外し可能な外部記憶媒体を用いるようにしても良い。例えば、番組保存部205を外部記憶媒体とし、他の記憶部204等をRAMで構成するようにしても良い。番組保存部205を外部記憶媒体とし、複数の媒体を取り替えて用いることができるようにすることにより、多くのデジタル放送番組データを保存することができる。
【0019】
映像復号部209は圧縮された映像データを復号するデコーダー、表示部210は映像復号部209で復号された映像を表示する液晶モニタ等のディスプレイである。音声復号部は圧縮された音声データを復号するデコーダー、音声出力部212は音声復号部211で復号された音声を出力するスピーカである。なお、表示部210をユーザがペンや指を用いてディスプレイの画面を触ることにより、文字や数字、ユーザ指示を入力可能なタッチパネル方式にしても良い。これにより、ユーザは使用状況や入力する情報に応じて、操作部202あるいは表示部210を使い分けることができる。また、携帯端末を小型化するために、操作部202を省略しても良い。
【0020】
デジタル放送を、放送用受信アンテナ102及び選局部203を介して受信すると、記憶部204に一時保存する。一時保存されたデジタル放送データは、制御部201の制御で圧縮映像データと圧縮音声データに分離する。圧縮映像データは、映像復号部209にて復号し、表示部210にて表示する。また、圧縮音声データは、音声復号部211にて復号し、音声出力部212にて音声として出力する。
【0021】
デジタル放送番組を録画する場合は、デジタル放送データを番組保存部205に保存する。通信用送受信アンテナ104及び無線通信部208を介して、受信したデジタルデータは、記憶部204に一時保存される。一時保存されたデジタルデータは、制御部201によりで、データを分離し、メール等の文字データの場合は表示部210にて表示し、通話等の音声データの場合は、音声出力部212にて音声として出力する。また、制御部201の制御により、記憶部204等に保存されたデータを読出し、通信用送受信アンテナ104及び無線通信部208を介してデジタルデータとして送信する。
【0022】
図3は、録画代行サーバ105の内部構成の一例を示すブロック図である。図1と同一物は同一符号を付して、説明を省略する。
【0023】
制御部301は録画代行サーバ105全体の制御を行うCPUであり、選局部302はデジタル放送を選局するためのチューナ、無線通信部307は無線通信を行うモデムである。制御部301の動作プログラム等を保存する記憶部303、デジタル放送番組の番組予約情報を保存する番組予約情報保存部304、受信したデジタル放送番組を録画保存する番組保存部305、録画保存された番組の時刻情報を保存する時刻情報保存部306は、RAM等のメモリで構成される。なお、記憶部303等をそれぞれ別のメモリで構成することに限定するものではなく、1つのメモリの中に構成しても良い。但し、大容量のデジタル放送データの保存を可能にするためには、番組保存部305をハードディスク等の別のメモリにすることが望ましい。
【0024】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、携帯端末103から送信された番組予約情報を受信し、番組予約情報保存部304に保存する。番組予約情報に基づき、放送用受信アンテナ107を介して、デジタル放送を受信し、番組保存部305に録画保存する。また、録画保存された番組に関する時刻情報は、時刻情報保存部306に保存する。
【0025】
録画代行サーバ105は、通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、携帯端末103から未受信情報を受信する。未受信情報に基づき、携帯端末103で受信できなかった区間のデータのみを通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、携帯端末103に送信(データ転送)する。
【0026】
図4は、携帯端末103における、番組録画予約処理の一例を示したフローチャートである。この番組録画予約処理を実行するためのプログラムは記憶部204に保存され、このプログラムに基づいて制御部201が処理を実行する。
【0027】
ユーザから番組予約モードへの切換指示が入力されると、録画予約処理が開始される(ステップ400)。ユーザは操作部202を用いて録画を希望するデジタル放送番組を選択する(ステップ401)。例えば、電子番組ガイド(EPG:Electronic Program Guide)用いて、図9に示すような番組選択画面を表示し、ユーザはこの画面の中から任意の番組を選択する。図9の例では、YYYTVの19:00(午後7時)から番組が開始されるホームドラマが選択されている。なお、電子番組ガイドは、放送局100あるいは録画代行サーバ105から送信されたものを事前に番組予約情報保存部206に記憶し、これを用いて番組選択画面を表示しても良いし、ユーザが番組予約モードに切り換えたときに放送局100等から受信するようにしても良い。また、図示せざるインターネット網を介して入手しても良い。
【0028】
番組が選択されると、電子番組ガイドに含まれる情報を用いて、番組開始時刻の設定(ステップ402)、および番組終了時刻の設定(ステップ403)をそれぞれ行い、番組予約情報を生成する。生成された番組予約情報は、番組予約情報保存部206に保存される。そして、携帯端末103は、番組予約情報を録画代行サーバ105に送信し(ステップ404)、録画代行サーバ105からの予約確認情報を受信し(ステップ405)、録画予約処理を終了する(ステップ406)。
【0029】
図11は、図9に示す番組選択画面でホームドラマを選択した場合に生成された番組予約情報の一例を示している。受信チャンネルをXXch、放送局名をYYYTV、番組識別番号をNN、番組名をホームドラマ、放送番組開始時刻を19:00(午後7時)、放送番組終了時刻を20:00(午後8時)に設定している。なお、項目及び内容については、図11の例に限定するものではない。例えば、受信チャンネルと、放送番組開始時刻と、放送番組継続時間でも良いし、番組識別番号だけであっても良い。
【0030】
本実施例では、番組予約情報として、番組配列情報であるSI(Service Information)情報から生成される電子番組ガイドの情報を使用しているが、これに限定するものではなく、ユーザが操作部202を用いて、受信チャンネル、録画開始時刻、録画終了時刻、番組識別情報をそれぞれ入力しても良い。ただし、SI情報を利用すると、野球中継延長等で放送時刻の変更された場合、番組識別番号からその変更を知ることができ、録画ミスを防ぐことができる。
【0031】
図5は、携帯端末103における、デジタル放送受信録画処理の一例を示したフローチャートである。番組録画予約処理と同様に、本処理を実行するためのプログラムは記憶部204に保存され、制御部201により実行される。
【0032】
番組録画予約が設定されると、処理が開始される(ステップ500)。制御部201は、番組録画予約処理で設定された番組開始時刻になったかどうかを検出し(ステップ501)、番組開始時刻に達したら、録画を開始し、番組保存部205に順次録画保存する(ステップ502)。
【0033】
録画保存中は、受信不良が発生したかどうかを常時監視する(ステップ503)。受信不良が発生した状態とは、放送用受信アンテナ102が放送データを受信できない状態あるいは選局部203が受信したデジタル放送を復調できない状態である。放送を正常受信中の場合、番組終了時刻に達しているかどうか判断し(ステップ504)、番組終了時刻に達していない場合は番組保存部205への録画保存を継続する。番組終了時刻に達している場合には、録画を終了する(ステップ505)。
【0034】
一方、受信不良が発生した場合は、受信不良の開始時刻を未受信開始時刻として未受信情報保存部207に保存する(ステップ507)。この場合は、番組保存部205への録画保存を中断する。受信不良中に番組終了時刻に達すると(ステップ508)、録画保存の終了処理を行い(ステップ505)、デジタル放送受信録画処理を終了する(ステップ506)。この場合、番組終了時刻を未受信終了時刻として未受信情報保存部207に保存する。番組終了時刻に達していない場合、受信不良が継続しているかどうかを判断し(ステップ509)、受信不良が継続している場合はステップ508に移行する。
【0035】
ステップ509で受信不良が解消して正常受信になったと判断された場合、判断したときの時刻を未受信終了時刻として未受信情報保存部207に保存し(ステップ510)、番組保存部205への録画を再開する。なお、正常受信状態とは、放送用受信アンテナ102が放送データを受信し、かつ、選局部203が受信したデジタル放送を復調し、デジタルデータを出力できる状態である。
【0036】
図12は、未受信情報の一例を示す。未受信情報は、放送番組開始時刻、未受信開始時刻、未受信終了時刻、放送番組終了時刻を有しており、放送番組受信中に、受信不良が1回発生し、放送番組の未受信区間がt2からt3であることを意味している。例えば、未受信区間が2回以上発生した場合には、1つの未受信情報の中に、複数組の未受信開始時刻と未受信終了時刻を含めるようにしても良いし、未受信区間が発生する毎にそれぞれ未受信情報を生成するようにしても良い。なお、受信不良中に番組終了時刻に達した場合は、番組終了時刻t4がそのまま未受信終了時刻t4となる。
【0037】
なお、項目及び内容については、図12の例に限定するものではない。例えば、未受信開始時刻と、未受信終了時刻だけでも良い。
【0038】
図6は、携帯端末103における、未受信区間のデータ取得処理の一例を示したフローチャートである。他の処理プログラムと同様に、本処理を実行するためのプログラムは記憶部204に保存され、このプログラムに基づいて制御部201が処理を実行する。
【0039】
録画終了後に未受信区間のデータ取得処理を開始する(ステップ600)。なお、データ取得処理は録画終了後に自動的に開始するようにしても良いし、ユーザからの要求を待って開始するようにしても良い。
【0040】
未受信情報保存部207に保存されている未受信情報により、録画保存したファイルに未受信区間があるかどうかを判断する(ステップ601)。未受信区間が無いと判断された場合は、処理を終了する(ステップ602)。
【0041】
一方、未受信区間があると判断された場合は、未受信情報保存部207に保存されている未受信情報を録画代行サーバ105に送信し(ステップ603)、録画代行サーバ105から未受信区間のデータを受信(データ転送)する(ステップ604)。ステップ604で、録画代行サーバ105から受信した未受信区間のデータは、番組保存部205に保存されている録画保存ファイルに挿入し(ステップ605)、欠落の無い録画保存ファイルとして完成する。
【0042】
未受信区間データを録画保存ファイルに挿入する方法について、図7を用いて説明する。
【0043】
図7(a)は、デジタル放送番組を録画中に受信不良が発生した場合の録画保存ファイルの一例を示すものである。本例では、放送番組開始時刻t1より録画保存を開始したが、時刻t2で受信不良が発生したので、時刻t1から時刻t2までの録画ファイルとして、ファイルt1(ZZZ_t1.dtv)701を保存する。その後、時刻t3で受信不良が改善したので、時刻t3から録画保存を開始し、放送番組終了時刻t4に至るまでの録画ファイルとして、ファイルt3(ZZZ_t3.dtv)702を保存している。時刻t2から、時刻t3までは、未受信区間となる。図7(b)は、録画代行サーバ105から、未受信区間のデータを受信(データ転送)し、生成された録画ファイルt2(ZZZ_t2.dtv)703を示している。
【0044】
この録画ファイルt2(ZZZ_t2.dtv)703を、録画ファイルt1(ZZZ_t1.dtv)701と、録画ファイルt3(ZZZ_t3.dtv)702の間に挿入することにより、放送番組開始時刻t1から放送番組終了時刻t4までのデジタル放送全体のデータファイルを生成することができる。具体的には、録画ファイルt1(ZZZ_t1.dtv)701と、録画ファイルt2(ZZZ_t2.dtv)704と、録画ファイルt3(ZZZ_t3.dtv)702のヘッダーに録画されたデータの放映時刻を示す情報を記録し、これらの情報を用いて録画ファイルを放映順に順次連結し、図7(c)に示す録画ファイル(ZZZ.dtv)705を生成する。
【0045】
なお、録画ファイルに記録する情報はヘッダーに記録した放映時刻を示す情報に限定するものではなく、番組先頭からの位置を示すTS(Transport Stream)パケットのパケット番号を示す情報や、プログラム時刻基準値であるPCR(Program, Clock Reference)、表示時刻を示すタイムスタンプであるPTS(Presentation Time Stamp)などを用いても良い。
【0046】
図8は、録画代行サーバ105における未受信区間データの送信処理の一例を示したフローチャートである。本処理を実行するためのプログラムは記憶部303に保存され、制御部301により実行される。
【0047】
録画代行サーバ105は、携帯端末103から番組予約情報を、通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して受信すると(ステップ801)、予約確認情報を携帯端末103に送信する(ステップ802)。なお、受信した番組予約情報は、番組予約情報保存部304に保存する。
【0048】
番組予約情報保存部304に保存した番組予約情報に基づき、選局部302の受信チャンネルを設定し、放送番組開始時刻に達すると、放送用受信アンテナ107及び選局部302を介して、デジタル放送を受信し、番組保存部305に録画保存する(ステップ803)。
【0049】
携帯端末103から未受信情報を受信すると(ステップ804)、番組時刻情報保存部306に保存されている録画保存された番組の時刻情報を用いて、番組保存部305に録画保存されている録画保存ファイルから該当する未受信区間のデータを抽出する(ステップ805)。抽出したデータを通信用送受信アンテナ106及び無線通信部307を介して、録画機能付デジタル放送受信携帯端末103に送信(データ転送)する(ステップ806)。
【0050】
録画代行サーバ105では、録画保存した時点から、予め設定された一定時間が経過すると、録画保存したファイルを削除する(ステップ806)。
【0051】
なお、本実施例では、携帯端末103は、番組終了後に未受信情報を送信したが、通信回線で信号を送信可能な状態であれば、放送を受信できない状態になったときに、未受信区間の開始を示す未受信開始時刻情報を送信し、受信できる状態になったときに未受信区間の終了を示す未受信終了時刻情報を送信するようにしても良い。この場合、録画代行サーバ105は、一定期間、例えば90分間ユーザから開始情報を受信しない場合は、録画した情報を順次消去していくようにしても良い。この場合、録画代行サーバ105は番組全体を録画しておく必要がない。あるいは、受信できる状態になったときに、携帯端末103から開始情報と終了情報を含めた未受信情報を送信するようにしても良い。
【0052】
また、上記した実施例では、番組終了後に未受信データを録画代行サーバから受信したが、受信不良が改善されたら、番組終了を待たずに、未受信データを録画代行サーバから受信するようにしてもよい。この場合は、未受信データを補充した録画保存ファイルの生成が、録画保存中もしくは録画保存終了後直ちに行うことができるので、上記実施例に比べて、未受信データを補充した録画保存ファイルを速く生成することができる。
【0053】
次に、録画しないでデジタル放送を視聴している途中に受信不良に陥った場合の処理方法を説明する。
【0054】
図10は、携帯端末103での番組視聴処理の一例を示すフローチャートである。本処理を実行するプログラムは、記憶部204に保存され、制御部201により実行される。
【0055】
放送受信を開始すると(ステップ1000)、視聴している番組が終了したかどうかを検出し(ステップ1001)、終了していない場合は放送の受信状態の検出を行う(ステップ1002)。
【0056】
受信しているデジタル放送の受信不良が発生したことを検出すると(ステップ1002)、受信不良が発生した時刻を示す時刻情報や番組情報等を有する未受信開始情報を録画代行サーバ105に送信する(ステップ1003)。番組情報は、受信チャンネルや番組名、番組を識別する番号やコードである。未受信開示情報を受信した録画代行サーバ105は録画を開始する。なお、受信不良状態の最中に番組が終了した場合には、デジタル放送受信を終了し、時刻情報や番組情報等からなる未受信終了情報を録画代行サーバに送信する。
【0057】
受信不良の改善を検出すると(ステップ1004)、受信したデジタル放送の録画を開始し、録画データを番組保存部205に保存する(ステップ1005)。そして、受信不良が終了した時刻を示す時刻情報や番組情報からなる未受信終了情報を録画代行サーバ105に送信し(ステップ1006)、録画代行サーバ105から未受信データを受信する(ステップ1007)。受信した未受信データは番組保存部205に保存する。なお、録画代行サーバからの未受信データと録画保存した番組(録画保存ファイル)とを結合して、録画保存ファイルとしても良い。
【0058】
録画代行サーバ105から未受信データを受信すると、表示部210に例えば「番組の視聴を再開しますか?」等のメッセージを表示し、ユーザに視聴を再開するかどうかの確認を求める(ステップ1008)。ユーザが視聴を希望しない場合には、番組終了を検出すると(ステップ1009)、録画を終了し(ステップ1010)、放送受信を終了する(ステップ1010)。
【0059】
ユーザが視聴を希望する場合には、タイムシフト再生を行うか、時短再生を行うかの確認をユーザに求める(ステップ1012)。ここで、タイムシフト再生とは、番組終了まで録画を継続しつつ、通常の再生速度で、録画代行サーバ105から受信したデータと携帯端末103で録画したデータを順次再生する方法である。また、時短再生とは、放送されている番組に追いつくまでは、録画代行サーバ105から受信したデータと携帯端末103で録画したデータを2倍速で再生し、放送されている番組に追いついてからはデジタル放送の視聴に切り換える方法である。なお、時短再生は2倍速に限られず、1倍速を超える速度であれば良く、1.1倍速や、3倍速以上の再生速度で行っても良い。また、時短再生として、番組の中のダイジェスト部分のみを再生するようにしてもよい。例えば、スポーツ番組の場合には、観客の歓声等の音声が所定以上になっている部分のみを再生する。
【0060】
ユーザが時短再生を選択すると、先ず録画代行サーバ105からの未受信データを2倍速で再生し、未受信データの再生が終了すると、携帯端末103で録画しているデータの2倍速再生を開始する(ステップ1013)。
【0061】
そして、再生データのTS(Transport Stream)パケットのパケット番号(番組先頭からの位置を示すTSパケットのパケット番号)と、受信中のデジタル放送のパケット番号とを比較する(ステップ1014)。再生データのパケット番号が受信放送のパケット番号に一致したもしくは近づいた場合は、録画データの再生が受信中のデジタル放送に再生が追いついたと判断し、デジタル放送の視聴に切換、録画を終了する(ステップ1015)。そして、番組が終了すると(ステップ1016)、放送受信を終了する(ステップ1011)。なお、本実施形態では、録画データの再生が受信中のデジタル放送に再生が追いついたかどうかを判断するために、番組先頭からの位置を示すTSパケットのパケット番号を用いたが、これに限定するものではなく、プログラム時刻基準値であるPCR(Program, Clock Reference)、表示時刻を示すタイムスタンプであるPTS(Presentation Time Stamp)を用いて判断しても良い。デジタル放送の視聴に移行した場合に、番組保存部205に録画保存した録画保存ファイルを自動的に消去するようにしても良い。これにより、番組保存部205の記憶容量を有効に使用することができる。
【0062】
ユーザがタイムシフト再生を選択した場合には、通常の再生速度で、録画代行サーバ105から受信したデータと携帯端末103で録画したデータを順次再生する(ステップ1017)。そして、番組が終了すると(ステップ1018)、録画を終了するとともに放送受信を終了する(ステップ1019)。そして、録画したデータを終わりまで再生すると、再生を終了する(ステップ1020)。
【0063】
なお、本実施例では、携帯端末103のデジタル放送の受信状態が良好になった後に録画代行サーバ105から未受信データを受信し、受信したデータの再生をしているが、これに限定するものではない。未受信開始情報を送信後に、録画代行サーバ105から順次デジタル放送データを受信し、受信したデータが所定以上になったときに、ユーザに視聴を開始するかどうか確認を求め、受信状態が良好になる前であっても、再生を開始するようにしても良い。
【0064】
なお、以上説明したデジタル放送受信システムでは、録画代行サーバを放送局とは別に設けたが、放送局が録画代行サーバ機能を備えるようにしても良い。また、専用の録画代行サーバではなく、受信状態の変動が少ない場所でデジタル放送を受信できかつ録画できる装置(例えば、他の録画機能付デジタル放送受信携帯端末)を録画代行サーバとして用いても良い。また、放送局が、全番組もしくは主要な番組を録画保存し、ユーザの要求に応じて、未受信情報に基づき、未受信区間のデータを提供しても良い。
【0065】
また、上記実施例では、無線通信網を用いたが、有線通信網を利用することも出来る。例えば、録画代行サーバとインターネット網で接続したPCからダウンロードする方法等を利用しても良い。また、受信不良が発生した場合に限らず、携帯端末の電池残量が少なくなり、正常な受信が出来なくなる、あるいは録画できなくなる可能性がある場合に、録画代行サーバに録画依頼をするようにしても良い。
【0066】
デジタル放送には、地上波によるデジタル放送や、人工衛星を介したデジタル放送があるが、無線によるデジタル放送であることについては同じであり、本発明が適用できる。
【0067】
なお、携帯端末は、ユーザが保持するものだけに限られず、自動車に搭載する車載用途の携帯端末も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】デジタル放送受信システムの1例を示すブロック図である。
【図2】携帯端末の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】録画代行サーバの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図4】携帯端末における番組録画予約処理の一例を示したフローチャートである。
【図5】携帯端末におけるデジタル放送受信録画処理の一例を示したフローチャートである。
【図6】携帯端末における未受信区間のデータ取得処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】未受信区間データを録画保存ファイルに挿入する方法を説明する為の模式図である。
【図8】録画代行サーバにおける未受信区間データの送信処理の一例を示したフローチャートである。
【図9】携帯端末に表示する番組選択画面の一例を示す図である。
【図10】携帯端末における番組視聴処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】番組予約情報の一例を示す図である。
【図12】未受信情報の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0069】
100:放送局
101:放送用送信アンテナ
102、107:放送用受信アンテナ
103:携帯端末
104、106:通信用送受信アンテナ
105:録画代行サーバ
201:制御部
203:選局部
205:番組保存部
206:番組予約情報保存部
207:未受信情報保存部
301:制御部
302:選局部
305:番組保存部
304:番組予約情報保存部
305:番組時刻情報保存部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送を受信可能な携帯端末と、前記携帯端末とデータの送受信が可能なサーバとを備えた放送受信システムであって、
前記携帯端末は、放送を受信する第1の放送受信部と、前記サーバとの間でデータの送受信が可能な第1の通信部と、とを備え、
前記サーバは、放送を受信する第2の放送受信部と、前記携帯端末との間でデータの送受信が可能な第2の通信部と、前記第2の放送受信部により受信したデータを記憶可能な第2の記憶部とを備え、
前記携帯端末は、前記第1の放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を前記第1の通信部により前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記携帯端末から前記送信要求情報を受信すると、前記第2の記録部から読み出したデータを前記第2の通信部により前記携帯端末に送信することを特徴とする放送受信システム。
【請求項2】
前記送信要求情報は、放送番組の種別を示す識別情報と、前記第1の放送受信部による受信状態が悪くなった時刻を示す時刻情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の放送受信システム。
【請求項3】
前記放送番組の種別とは、放送番組名に関連した情報あるいは番組識別番号であることを特徴とする請求項2に記載の放送受信システム。
【請求項4】
前記第2の記憶部から読み出したデータは、前記第1の放送受信部により放送を受信できなかった期間の放送データであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の放送受信システム。
【請求項5】
前記第1の放送受信部は、アンテナと選局部を有し、
前記受信状態が悪くなったときとは、前記アンテナが放送を受信できない状態あるいは前記選局部が受信した放送を復調できない状態であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の放送受信システム。
【請求項6】
放送を受信する放送受信部と、
放送を録画可能なサーバとの間でデータの送受信が可能な通信部と、
前記放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を前記通信部により前記サーバに送信するように制御する制御部と、を備え、
前記放送受信部により放送を受信できない、あるいは受信した放送を復調できない期間の放送データを前記通信部により受信することを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
前記送信要求情報は、放送番組の種別を示す識別情報と、前記放送受信部による受信状態が悪くなった時刻を示す時刻情報を含むことを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記放送番組の種別とは、放送番組名に関連した情報あるいは番組識別番号であることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記携帯端末は、前記放送受信部あるいは前記通信部により受信したデータを記憶可能な記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを再生する再生手段を備え、
前記サーバから送信されたデータを前記記憶部に記憶し、
前記放送受信部による受信状態が良くなったとき、前記放送受信部により受信したデータを前記記憶部に記憶し、
前記再生手段は、前記記憶部から前記サーバから送信されたデータを再生した後に、前記放送受信部により受信したデータを再生することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記再生手段は、前記記憶部に記憶されたデータを1倍速で再生する第1の再生モードと、前記データを1倍速を超える速度で再生する第2の再生モードを有していることを特徴とする請求項9に記載の携帯端末。
【請求項11】
前記放送受信部はアンテナと選局部を有し、
前記受信状態が悪くなったときとは、前記アンテナが放送を受信できない状態あるいは前記選局部が受信した放送を復調できない状態であることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項12】
放送を受信する放送受信部と、
放送を録画可能なサーバとの間でデータの送受信が可能な通信部と、
前記放送受信部あるいは前記通信部により受信したデータを記憶可能な記憶部と、
前記記憶部に記憶する放送番組を設定する設定部と、
前記設定部により設定された放送番組が放送開始された場合に前記放送受信部により受信された放送データを前記記憶部に記憶し、前記放送受信部の受信状態が悪くなった場合に前記記憶部への放送データの記憶を停止し、前記放送受信部の受信状態が良くなった場合に前記放送受信部により受信した放送データの記憶を再開するとともに前記通信部により放送データの送信を要求する送信要求情報を前記サーバに送信し、前記放送受信部により放送を受信できない、あるいは受信した放送を復調できない期間の放送データを前記通信部により受信し、前記記憶部に前記通信部により受信した放送データを記憶するように制御する制御部と、を備えていることを特徴とする携帯端末。
【請求項13】
前記記憶部は、前記通信部により受信した放送データを前記放送受信部により受信した放送データとともに記憶することを特徴とする請求項12に記載の携帯端末。
【請求項14】
前記放送受信部はアンテナと選局部を有し、
前記受信状態が悪くなったときとは、前記アンテナが放送を受信できない状態あるいは前記選局部が受信した放送を復調できない状態であり、
前記受信状態が良くなったときとは、前記アンテナが放送を受信でき、かつ、前記選局部が受信した放送を復調できる状態であることを特徴とする請求項12または13に記載の携帯端末。
【請求項15】
放送を受信する放送受信部と、
携帯端末との間でデータの送受信が可能な通信部と、
前記放送受信部により受信した放送データを記憶可能な記憶部と、を備え、
前記携帯端末から放送データの送信を要求する送信要求情報を受信すると、前記記録部から読み出したデータを前記通信部により前記携帯端末に送信することを特徴とするサーバ。
【請求項1】
放送を受信可能な携帯端末と、前記携帯端末とデータの送受信が可能なサーバとを備えた放送受信システムであって、
前記携帯端末は、放送を受信する第1の放送受信部と、前記サーバとの間でデータの送受信が可能な第1の通信部と、とを備え、
前記サーバは、放送を受信する第2の放送受信部と、前記携帯端末との間でデータの送受信が可能な第2の通信部と、前記第2の放送受信部により受信したデータを記憶可能な第2の記憶部とを備え、
前記携帯端末は、前記第1の放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を前記第1の通信部により前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記携帯端末から前記送信要求情報を受信すると、前記第2の記録部から読み出したデータを前記第2の通信部により前記携帯端末に送信することを特徴とする放送受信システム。
【請求項2】
前記送信要求情報は、放送番組の種別を示す識別情報と、前記第1の放送受信部による受信状態が悪くなった時刻を示す時刻情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の放送受信システム。
【請求項3】
前記放送番組の種別とは、放送番組名に関連した情報あるいは番組識別番号であることを特徴とする請求項2に記載の放送受信システム。
【請求項4】
前記第2の記憶部から読み出したデータは、前記第1の放送受信部により放送を受信できなかった期間の放送データであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の放送受信システム。
【請求項5】
前記第1の放送受信部は、アンテナと選局部を有し、
前記受信状態が悪くなったときとは、前記アンテナが放送を受信できない状態あるいは前記選局部が受信した放送を復調できない状態であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の放送受信システム。
【請求項6】
放送を受信する放送受信部と、
放送を録画可能なサーバとの間でデータの送受信が可能な通信部と、
前記放送受信部による受信状態が悪くなったとき、放送データの送信を要求する送信要求情報を前記通信部により前記サーバに送信するように制御する制御部と、を備え、
前記放送受信部により放送を受信できない、あるいは受信した放送を復調できない期間の放送データを前記通信部により受信することを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
前記送信要求情報は、放送番組の種別を示す識別情報と、前記放送受信部による受信状態が悪くなった時刻を示す時刻情報を含むことを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
前記放送番組の種別とは、放送番組名に関連した情報あるいは番組識別番号であることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項9】
前記携帯端末は、前記放送受信部あるいは前記通信部により受信したデータを記憶可能な記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを再生する再生手段を備え、
前記サーバから送信されたデータを前記記憶部に記憶し、
前記放送受信部による受信状態が良くなったとき、前記放送受信部により受信したデータを前記記憶部に記憶し、
前記再生手段は、前記記憶部から前記サーバから送信されたデータを再生した後に、前記放送受信部により受信したデータを再生することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項10】
前記再生手段は、前記記憶部に記憶されたデータを1倍速で再生する第1の再生モードと、前記データを1倍速を超える速度で再生する第2の再生モードを有していることを特徴とする請求項9に記載の携帯端末。
【請求項11】
前記放送受信部はアンテナと選局部を有し、
前記受信状態が悪くなったときとは、前記アンテナが放送を受信できない状態あるいは前記選局部が受信した放送を復調できない状態であることを特徴とする請求項6ないし10のいずれかに記載の携帯端末。
【請求項12】
放送を受信する放送受信部と、
放送を録画可能なサーバとの間でデータの送受信が可能な通信部と、
前記放送受信部あるいは前記通信部により受信したデータを記憶可能な記憶部と、
前記記憶部に記憶する放送番組を設定する設定部と、
前記設定部により設定された放送番組が放送開始された場合に前記放送受信部により受信された放送データを前記記憶部に記憶し、前記放送受信部の受信状態が悪くなった場合に前記記憶部への放送データの記憶を停止し、前記放送受信部の受信状態が良くなった場合に前記放送受信部により受信した放送データの記憶を再開するとともに前記通信部により放送データの送信を要求する送信要求情報を前記サーバに送信し、前記放送受信部により放送を受信できない、あるいは受信した放送を復調できない期間の放送データを前記通信部により受信し、前記記憶部に前記通信部により受信した放送データを記憶するように制御する制御部と、を備えていることを特徴とする携帯端末。
【請求項13】
前記記憶部は、前記通信部により受信した放送データを前記放送受信部により受信した放送データとともに記憶することを特徴とする請求項12に記載の携帯端末。
【請求項14】
前記放送受信部はアンテナと選局部を有し、
前記受信状態が悪くなったときとは、前記アンテナが放送を受信できない状態あるいは前記選局部が受信した放送を復調できない状態であり、
前記受信状態が良くなったときとは、前記アンテナが放送を受信でき、かつ、前記選局部が受信した放送を復調できる状態であることを特徴とする請求項12または13に記載の携帯端末。
【請求項15】
放送を受信する放送受信部と、
携帯端末との間でデータの送受信が可能な通信部と、
前記放送受信部により受信した放送データを記憶可能な記憶部と、を備え、
前記携帯端末から放送データの送信を要求する送信要求情報を受信すると、前記記録部から読み出したデータを前記通信部により前記携帯端末に送信することを特徴とするサーバ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−157759(P2006−157759A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347984(P2004−347984)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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