説明

放送波受信装置および方法、放送波送信装置および方法、プログラム、並びに記録媒体

【課題】既存のインフラを活用しつつ、放送受信のみでマルチセグメント放送の選局を可能とする普遍的な選局を実現することができるようにする。
【解決手段】所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局し、選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定し、連結送信記述子が取得された場合、物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局し、選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、放送波受信装置および方法、放送波送信装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関し、特に、既存のインフラを活用しつつ、放送受信のみでマルチセグメント放送の選局を可能とする普遍的な選局を実現することができるようにする放送波受信装置および方法、放送波送信装置および方法、プログラム、並びに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、UHF(Ultra High Frequency)帯において地上波デジタル放送が実施されている。地上波デジタル放送の物理チャンネルは13セグメントに分割され、そのうちの1セグメント分の帯域で携帯端末向け放送が行われる。そして、残りの12セグメント分の帯域で、テレビジョン受像機などの固定端末向けの放送が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
携帯端末向け1セグメント放送対応端末は、例えば、携帯電話を中心に既に広く普及していて、現状では固定端末向けの放送と同じ内容の放送が行われている。なお、携帯端末向け1セグメント放送は、一般に1セグ放送と称される。
【0004】
一方でUHF帯の13チャンネル乃至52チャンネルのうち、各地域で実際に上記の地上デジタル放送が行われているチャンネル以外の空きチャンネルが多く存在しており、有効利用が検討されている。特に、物理チャンネル内の13セグメント分をフルに利用して多くの1セグ放送を同時に送出可能なマルチセグメント放送が有力な利用方法として認識されつつある。
【0005】
例えば、地上波デジタル放送波には、13乃至52チャンネルのうち、各地域で実際に地上波デジタル放送が行われているチャンネル以外の空きチャンネルが多く存在する。そのため、この空きチャンネルを有効利用する方法が検討されている。
【0006】
マルチセグメント放送のサービスモデルとしては、例えば、以下の2つが考えられている。
【0007】
1つは、1セグ再送信と称される方式であり、例えば、地下街等の電波の届きにくいエリアで、地上デジタル放送の1セグ放送をまとめて、マルチセグメントとして再送信するサービスである。
【0008】
他の1つは、エリア限定放送と称される(コミュニティ放送とも称される)方式であり、例えば、人の集まるエリアにおいて、エリア限定の1セグ放送を複数のチャンネルを利用して多面的に行うサービスである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−329847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、従来の携帯端末は、各物理チャンネルの中央セグメントのTS(Transport Stream)をスキャンして、そのTSに含まれている自セグメントのNIT(Network Information Table)から選局情報を取得するようになされている。
【0011】
従って、空きチャンネルでマルチセグメント放送が行われる場合、その空きチャンネルの中央セグメントの選局情報は取得できるが、中央セグメント以外のセグメントの選局情報は取得できない。このため、従来の携帯端末などの1セグ受信端末では、マルチセグメント放送の選局を自在に行うことができなかった。
【0012】
1つの物理チャンネルにおいて複数の1セグ放送の信号を重畳した電波を送出し、受信する実験は既に行われている。しかし、この場合、各セグメントの周波数情報を、放送以外の手段で受信端末に通知してダイレクトに選局することにより特定の1セグ放送の選局を実現している。
【0013】
このため、今後の受信端末としては、放送受信のみで選局を可能とする普遍的な選局メカニズムが検討課題とされている。
【0014】
一方で、既存のインフラであるUHF帯を利用することで、遵守すべき要件として、既存の地上デジタル放送受信に影響を与えないこと、また地上デジタル放送の方式体系に整合をとり、インターオペラビリティが確保されることが要求される。
【0015】
また、既存の1セグ受信端末に対するマルチセグメント放送対応が低コストで可能であることが受信端末普及の観点から求められる。さらに、例えば、エリア限定放送などのマルチセグメント放送の性格を考慮すると、送出設備が低コストで実現できることも求められる。
【0016】
本技術はこのような状況に鑑みて開示するものであり、既存のインフラを活用しつつ、放送受信のみでマルチセグメント放送の選局を可能とする普遍的な選局を実現することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本技術の第1の側面は、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局する中央セグメント選局部と、前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定する記述子判定部と、前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局する他セグメント選局部と、前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成する選局テーブル作成部とを備える放送波受信装置である。
【0018】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、前記記述子判定部は、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT(Network Information Table)を取得し、前記NITに前記連結送信記述子が含まれているか否かを判定することで、前記連結送信記述子が取得されたか否かを判定するようにすることができる。
【0019】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、前記記述子判定部は、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT actualを取得し、前記NIT actualに前記連結送信記述子が含まれているか否かを判定することで、前記連結送信記述子が取得されたか否かを判定し、前記他セグメント選局部は、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT otherを取得し、前記NIT otherに記述された情報に基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局するようにすることができる。
【0020】
前記他セグメント選局部は、前記連結送信記述子の記述に基づいて、前記所定の物理チャンネルの中のセカンダリセグメントのセグメント位置を特定して前記セカンダリセグメントを選局し、前記セカンダリセグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報に基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局するようにすることができる。
【0021】
前記他セグメント選局部は、前記連結送信記述子に記述されたビットマップに基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局するようにすることができる。
【0022】
本技術の第1の側面は、中央セグメント選局部が、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局し、記述子判定部が、前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定し、他セグメント選局部が、前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局し、選局テーブル作成部が、前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成するステップを含む放送波受信方法である。
【0023】
本技術の第1の側面は、コンピュータを、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局する中央セグメント選局部と、前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定する記述子判定部と、前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局する他セグメント選局部と、前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成する選局テーブル作成部とを備える放送波受信装置として機能させるプログラムである。
【0024】
本技術の第1の側面においては、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントが選局され、前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かが判定され、前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントが順次選局され、前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルが作成される。
【0025】
本技術の第2の側面は、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化する多重化部と、前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信する送信部とを備え、前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる放送波送信装置である。
【0026】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、前記関連情報生成部は、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT(Network Information Table)の一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成するようにすることができる。
【0027】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、前記関連情報生成部は、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT actualの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT otherに記述される情報として、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報を生成するようにすることができる。
【0028】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、前記関連情報生成部は、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNITの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、前記連結送信記述子に、前記所定の物理チャンネルの中のセカンダリセグメントのセグメント位置を特定する情報を記述し、前記セカンダリセグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれるようにすることができる。
【0029】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、前記関連情報生成部は、前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNITの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、前記連結送信記述子に記述されるビットマップを、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報として生成するようにすることができる。
【0030】
本技術の第2の側面は、関連情報生成部が、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成し、多重化部が、前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化し、送信部が、前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信しステップを含み、前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる放送波送信方法である。
【0031】
本技術の第2の側面は、コンピュータを、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化する多重化部と、前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信する送信部とを備え、前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる放送波送信装置として機能させるプログラムである。
【0032】
本技術の第2の側面においては、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報が生成され、前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとが多重化され、前記多重化されて得られたトランスポートストリームが、前記中央セグメントの放送波として送信され、前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる。
【発明の効果】
【0033】
本技術によれば、既存のインフラを活用しつつ、放送受信のみでマルチセグメント放送の選局を可能とする普遍的な選局を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来の1セグ受信端末である携帯端末による選局テーブル作成処理の例を説明するフローチャートである。
【図2】NITとSDTの構成例を示す図である。
【図3】従来のスキャン方式の例を説明する図である。
【図4】地上波デジタル放送波の帯域の割り当てについて説明する図である。
【図5】エリア限定放送を説明する図である。
【図6】1セグ再送信を説明する図である。
【図7】1セグ再送信における1つの空きチャンネルで送信されるマルチセグメント放送の構成例を示す図である。
【図8】集中型のマルチセグメント放送の例を説明する図である。
【図9】分散型のマルチセグメント放送の例を説明する図である。
【図10】ハイブリッド型のマルチセグメント放送の例を説明する図である。
【図11】連結情報について説明する図である。
【図12】マルチセグメント放送における選局情報の取得方式について説明する図である。
【図13】中央セグメントスキャン方式を説明する図である。
【図14】中央セグメントスキャン方式を採用する場合のNITの構成を説明する図である。
【図15】2セグメントスキャン方式を説明する図である。
【図16】2セグメントスキャン方式を採用する場合のNITの構成を説明する図である。
【図17】連結送信記述子の記述例を示す図である。
【図18】2セグメントスキャン方式の場合の連結送信記述子の記述の拡張を説明する図である。
【図19】全セグメントスキャン方式を説明する図である。
【図20】全セグメントスキャン方式の場合の連結送信記述子の記述の拡張を説明する図である。
【図21】ビットマップの例を示す図である。
【図22】本技術を適用したマルチセグメント放送送信装置の一実施の形態に係る構成例を示すブロック図である。
【図23】マルチセグメント放送送信処理の例を説明するフローチャートである。
【図24】本技術を適用した受信端末の一実施の形態に係る構成例を示すブロック図である。
【図25】図24の受信端末による選局テーブル作成処理の例を説明するフローチャートである。
【図26】本技術を適用した受信端末と、従来の受信端末による地上波デジタル放送の受信について説明する図である。
【図27】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、ここで開示する技術の実施の形態について説明する。
【0036】
最初に従来の1セグ受信端末による選局情報(各セグメントの周波数情報など)の取得について説明する。
【0037】
地上波デジタル放送の物理チャンネルは13セグメントに分割され、そのうちの1セグメント分の帯域で携帯端末向け放送が行われる。そして、残りの12セグメント分の帯域で、テレビジョン受像機などの固定端末向けの放送が行われる。
【0038】
携帯端末向け1セグメント放送対応端末は、例えば、携帯電話を中心に既に広く普及していて、現状では固定端末向けの放送と同じ内容の放送が行われている。携帯端末向け1セグメント放送は、一般に1セグ放送と称され、携帯端末向け1セグメント放送対応端末は、1セグ受信端末などと称される。
【0039】
図1は、従来の1セグ受信端末である携帯端末により、選局情報が取得され、選局テーブルが作成される処理(選局テーブル作成処理)の例を説明するフローチャートである。
【0040】
ステップS11において、携帯端末は、所定の物理チャンネル(例えば、最も周波数の低い物理チャンネル)を、処理の対象とする対象物理チャンネルとする。ステップS12において、携帯端末は、対象物理チャンネルの中央セグメントを選局する。ステップS13において、携帯端末は、対象物理チャンネルの中央セグメントのTS(Transport Stream)が受信されたかどうかを判定し、受信されたと判定した場合、処理をステップS14に進める。
【0041】
ステップS14において、携帯端末は、受信されたTSから、NIT actualとして記述されている自セグメントのNIT(Network Information Table)と、SDT actualとして記述されている自セグメントのSDT(Service Description Table)を取得する。そして、処理はステップS15に進む。
【0042】
一方、ステップS13で中央セグメントのTSが受信されていないと判定された場合、ステップS14をスキップして、処理はステップS15に進む。
【0043】
ステップS15において、携帯端末は、全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとしたかどうかを判定する。ステップS15で全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとしていないと判定された場合、ステップS16において、携帯端末は、次の物理チャンネル(例えば、周波数が次に高い物理チャンネル)を対象物理チャンネルとして、処理をステップS12に戻す。そして、携帯端末は、全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとするまで、ステップS12乃至S16の処理を繰り返す。
【0044】
一方、ステップS15で全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとしたと判定された場合、ステップS17において、携帯端末は、ステップS14で取得されたNITとSDTに基づいて選局テーブルを作成する。
【0045】
具体的には、図2に示すように、NITには、自セグメントに対応する、ネットワークに固有のIDであるネットワークID、TSに固有のIDであるTSID、周波数、放送サービスに固有のサービスIDなどが記述されている。また、SDTには、自セグメントに対応する放送サービスに関する情報として、その放送サービスのTSID、サービスID、サービス名などが記述されている。
【0046】
従って、図2に示すように、携帯端末は、各物理チャンネルの中央セグメントのNITから、サービスIDと選局情報としての周波数を取得するとともに、そのNITに対応するSDTからサービス名を取得して対応付け、選局テーブルとする。
【0047】
なお、図2の例では、物理チャンネル1(物理CH−1)の中央セグメントにおいて、2つの放送サービスが時分割で放送されるため、物理チャンネル1の中央セグメントのNITには、2つのサービスIDが記述されている。
【0048】
選局テーブルが作成されたことにより、携帯端末における選局が可能となる。
【0049】
このように、従来の携帯端末は、各物理チャンネルの中央セグメントのTSをスキャンして、そのTSに含まれている自セグメントのNITから選局情報を取得する。
【0050】
従って、従来の携帯端末は、例えば、図3に示されるように、所定の物理チャンネルにおいて、その物理チャンネルの中央セグメント11の選局情報は取得できるが、中央セグメント11以外のセグメント12−1乃至12−6の選局情報は取得できない。
【0051】
次に、地上波デジタル放送におけるマルチセグメント放送について説明する。図4は、地上波デジタル放送波の帯域の割り当てについて説明する図である。
【0052】
図4に示されるように、地上波デジタル放送波の全帯域のうち、地上波デジタル放送に使用される物理チャンネルでは、中央の1セグメント分の帯域で1セグ放送が行われ、残りの12セグメント分の帯域で固定端末向け放送が行われる。また、空きチャンネルでは、例えば、1セグ再放送がマルチセグメント放送として送信される。
【0053】
なお、物理チャンネルは、放送波において予め割り当てられている所定の周波数帯域を意味し、図4の上側に示されている複数の台形のそれぞれが物理チャンネルとされる。セグメントは、物理チャンネル内で予め割り当てられている所定の周波数帯域を意味し、図4の下側に示されている棒状の図形のそれぞれがセグメントとされ、1つの物理チャンネルには、最大で13のセグメントを割り当てることができる。各セグメントは、論理チャンネルとも称される。
【0054】
図5は、マルチセグメント放送のサービスモデルの1つであるエリア限定放送(コミュニティ放送とも称される)を説明する図である。
【0055】
図5に示されるように、エリア限定放送の場合、図4の空きチャンネルで放送されるセグメントのそれぞれを、所定のサービスエリアに対応させる。
【0056】
図5の例では、コミュニティ放送局32−1は、例えば、半径1km以内の地区であるサービスエリアAに対応するセグメントを放送する放送局とされる。サービスエリアが広範となるコミュニティ放送局32−1は中心局と称される。また、コミュニティ放送局32−2、および、コミュニティ放送局32−3が、それぞれ、その地区内の建物やアミューズメントパークなどのサービスエリアB、サービスエリアCに対応する放送局であり、ローカル局と称される。この例では、サービスエリアAがサービスエリアBおよびCを含んでいる。
【0057】
図5の例では、1つの物理チャンネル(空チャンネル)内に8つの論理チャンネルが設けられている。図中最も左の論理チャンネルは、コミュニティ放送局32−2によって放送されるセグメントとされている。また、図中右側の2つの論理チャンネルは、コミュニティ放送局32−3によって放送されるセグメントとされている。そして、図中中央の5つの論理チャンネルは、コミュニティ放送局32−1によって放送されるセグメントとされている。
【0058】
図6は、マルチセグメント放送のサービスモデルの1つである1セグ再送信を説明する図である。
【0059】
図6に示されるように、地上波放送局41−1乃至地上波放送局41−3は、地上波デジタル放送波で地上波デジタル放送を行う。なお、以下では、地上波放送局41−1乃至地上波放送局41−3を特に区別する必要が無い場合、それらをまとめて地上波放送局41という。
【0060】
1セグ再送信局42は、地上波放送局41から送信される地上波デジタル放送の1セグ放送を受信する。そして、1セグ再送信局42は、その1セグ放送をマルチセグメント放送として、地上波デジタル放送波の空きチャンネルを利用して、例えば、受信困難地域に再送する。なお、受信困難地域とは、地上波放送局41から送信される地上波デジタル放送を受信しにくい地下街などの地域を指す。
【0061】
受信端末43は、地上波放送局41からの1セグ放送と、1セグ再送信局42からのマルチセグメント放送としての1セグ放送を受信可能な携帯端末である。1セグ再送信局42から送信されるマルチセグメント放送としての1セグ放送は、1セグ再放送とも称される。
【0062】
以上のように、1セグ再送信局42は、例えば、受信困難地域に1セグ放送を再送するので、受信端末43が受信困難地域にある場合であっても、1セグ放送を確実に受信することができる。
【0063】
図7は、1セグ再送信における1つの空きチャンネルで送信されるマルチセグメント放送の構成例を示す図である。同図の例では、図中左から2番目の物理チャンネルが空きチャンネルとされており、この物理チャンネルで1セグ再放送が行われる。この例における1セグ再放送は、4つの物理チャンネルの中央セグメントで送信される1セグ放送をまとめて放送するようになされている。
【0064】
次に、マルチセグメント放送の放送波の送出形態について説明する。マルチセグメント放送の放送波の送出形態は、大別すると、集中型、分散型、およびハイブリッド型に分類される。
【0065】
図8は、集中型のマルチセグメント放送の例を説明する図である。同図に示されるように、集中型の場合、1つのマルチセグメント送出装置52が、全ての放送セグメント分の1セグ再放送のTSを送信する。
【0066】
図9は、分散型のマルチセグメント放送の例を説明する図である。同図に示されるように、分散型の場合、放送セグメントごとに異なる1セグ送出装置から1セグ放送のTSが送信されている。この例では、3つの1セグ送出装置51−1乃至1セグ送出装置51−3が、それぞれ、1つの論理チャンネルに対応する1セグ放送のTSを送信している。
【0067】
図10は、ハイブリッド型のマルチセグメント放送の例を説明する図である。同図に示されるように、ハイブリッド型は、図8の集中型と図9の分散型のハイブリッドの送出形態である。この例では、マルチセグメント送出装置71−1が、3つの論理チャンネルに対応する1セグ放送のTSを送信し、1セグ送出装置71−2と1セグ送出装置71−3が、それぞれ、1つの論理チャンネルに対応する1セグ放送のTSを送信している。
【0068】
送出形態が分散型やハイブリッド型である場合、論理チャンネルの選局順によって選局に要する時間が異なる。具体的には、同一のマルチセグメント送出装置で送出されるセグメントの論理チャンネルが連続して選局される場合、セグメント間でのOFDM同期がとれている。このため、同一のマルチセグメント送出装置で送出されるセグメントの論理チャンネルが連続して選局される場合、OFDM同期が省略され、選局に要する時間は短くなる。
【0069】
しかしながら、異なる1セグ送出装置で送出されるセグメントの論理チャンネルが連続して選局される場合、OFDM同期が行われるため、選局に要する時間は長くなる。
【0070】
例えば、マルチセグメント送出装置から連結情報が送信されるようにし、受信端末がその連結情報に基づいて選局順を制御することで、選局に要する時間を短縮することが可能となる。例えば、図11に示されるように、連結情報によって、6番目と8番目のセグメントが同一のマルチセグメント送出装置で送出されるセグメントであることを示している場合、受信端末は、選局対象を6番目のセグメントから8番目のセグメントに切り替える場合に、OFDM同期処理を行わずに行うことができる。これにより、例えば、8番目のセグメントの選局を、異なる1セグ送出装置で送出されるセグメント(例えば、4番目のセグメント)の後に行う場合に比べて、より短時間で選局を行うことが可能になる。
【0071】
図12は、マルチセグメント放送における選局情報の取得方式について説明する図である。図12に示されるように、マルチセグメント放送における選局情報の取得方式としては、主に、3つの方式が考えられる。
【0072】
第1の方式は、放送波のスキャンにより選局情報を取得する方式である。第1の方式では、受信端末は、地上波デジタル放送波をスキャンするだけで、受信可能なマルチセグメント放送の選局情報を取得することができる。従って、受信端末を所持するユーザは、自分の位置で受信可能なマルチセグメント放送があるかどうかを意識する必要なく、受信可能なマルチセグメント放送の選局情報を自動的に取得することができる。
【0073】
第2の方式は、選局情報を受信端末に埋め込む方式である。第2の方式では、受信端末が予め選局情報を記憶しておく必要があるが、例えば、地域ごとに異なるコミュニティ放送や1セグ再送信の選局情報を全て記憶しておくことは困難である。従って、第2の方式は、コミュニティ放送や1セグ再送信には適していない。
【0074】
第3の方式は、放送波以外の手段(例えば、インターネットを介した通信等)により選局情報を取得する方式である。第3の方式では、受信端末を所持するユーザが、自分の位置で受信可能なマルチセグメント放送があるかどうかを把握し、そのマルチセグメント放送の選局情報の取得を指示する必要がある。しかしながら、例えば、地域ごとに異なるコミュニティ放送や1セグ再送信を、その地域とともに全て把握しておくことは困難である。従って、第3の方式は、コミュニティ放送や1セグ再送信には適していない。
【0075】
すなわち、マルチセグメント放送における選局情報の取得方式として、第1の方式が採用されることが望ましい。
【0076】
上述したように、従来の受信端末は、各物理チャンネルの中央セグメントのTS(Transport Stream)をスキャンして、そのTSに含まれている自セグメントのNIT(Network Information Table)から選局情報を取得するようになされている。
【0077】
従って、空きチャンネルでマルチセグメント放送が行われる場合、その空きチャンネルの中央セグメントの選局情報は取得できるが、中央セグメント以外のセグメントの選局情報は取得できない。このため、従来の受信端末では、マルチセグメント放送の選局を自在に行うことができなかった。
【0078】
1つの物理チャンネルにおいて複数の1セグ放送の信号を重畳した電波を送出し、受信する実験は既に行われている。この場合、各セグメントの周波数情報を、放送以外の手段で受信端末に通知してダイレクトに選局することにより特定の論理チャンネルの選局を実現している。
【0079】
このため、今後の受信端末としては、放送受信のみで選局を可能とする普遍的な選局メカニズムが検討課題とされている。
【0080】
そこで、本技術では、まず、マルチセグメント放送の選局情報を取得する方式として第1の方式を採用する。具体的には、地上波放送局、コミュニティ放送局、および1セグ再送信局が、地上波デジタル放送波で選局情報を送信し、受信端末が、その選局情報をスキャンにより取得して保持する。そして、受信端末は、保持している選局情報に基づいて、所定の論理チャンネルを選局して再生することになる。
【0081】
ここで、第1の方式であって、スキャンにより選局情報を取得する方式は、さらに3種類のスキャン方式に分類される。ここで、3種類のスキャン方式をそれぞれ、中央セグメントスキャン方式、2セグメントスキャン方式、および全セグメントスキャン方式と称することにする。
【0082】
上述した3種類のスキャン方式では、マルチセグメント放送が行われる物理チャンネルの中央セグメントのNITに、連結送信記述子を記述することで、マルチセグメント放送が行われていることを受信端末に通知する。連結送信記述子は、上述したように、複数のセグメントが同一のマルチセグメント送出装置から送出されていることを表す連結情報を記述するものとされる。なお、連結送信記述子の詳細については、ARIB(Association of Radio Industries and Broadcast)で規定されている。
【0083】
図13は、上述した3種類のスキャン方式の中の中央セグメントスキャン方式を説明する図である。同図の例では、図中に5つの物理チャンネルが存在しており、図中最も左の物理チャンネルと右から2番目の物理チャンネルでは、地上波デジタル放送の信号が送信され、図中中央の物理チャンネルでは、マルチセグメント放送の信号が送信される。また、同図の左から2番目の物理チャンネルと最も右の物理チャンネルでは放送用の信号が送信されていない。
【0084】
図13の矢印に示されるように、中央セグメントスキャン方式では、例えば、受信端末が地上波デジタル放送波の各物理チャンネルの中央セグメントを、周波数の低い方から順にスキャンする。
【0085】
これにより、地上波デジタル放送の物理チャンネルの中央セグメント91のTS、および、中央セグメント93のTSが取得され、そのTSから中央セグメント91、および、中央セグメント93で放送される1セグ放送のNITとSDTが取得される。また、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中央セグメント92−1のTSが取得され、そのTSから中央セグメント92−1で放送されるマルチセグメント放送のNITとSDTが取得される。
【0086】
なお、同図の例では、マルチセグメント放送の物理チャンネルの13のセグメントの中で、セグメント92−1乃至セグメント92−5に対応する5のセグメントが運用されている。ここで、運用されているセグメントは、論理チャンネルとして意味のある情報に対応する信号が放送されるセグメントとされ、セグメント92−1乃至セグメント92−5以外のセグメントは、運用されていないものとされる。
【0087】
図14は、本技術において、中央セグメントスキャン方式を採用する場合のNITの構成を説明する図である。NITには、NIT actualと称される自セグメントに係る情報が記述されたNITと、NIT otherと称される自セグメント以外のセグメントに係る情報が記述されたNITが存在する。なお、NIT actualとNIT otherの詳細については、ARIBで規定されている。
【0088】
同図に示されるNIT111は、中央セグメントであるセグメントS7から取得されるNITとされる。NIT111は、NIT actualとされ、セグメントS7に係る情報が記述されたNITである。NIT111には、ネットワークIDが付与されており、ネットワーク名記述子、システム管理記述子・・・が記述されている。
【0089】
また、NIT111には、TS記述エリア112が設けられている。TS記述エリア112は、当該セグメント(中央セグメントであるセグメントS7)のTSに係る情報が記述される。TS記述エリア112には、当該TSに固有のIDであるTSID、サービスリスト記述子、地上システム分配記述子、部分受信記述子、TS情報記述子、連結送信記述子・・・が記述されている。
【0090】
上述したように、本技術では、中央セグメントのNIT actualに連結送信記述子を記述することにより、当該中央セグメントを有する物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであることを識別できるようにする。
【0091】
また、図14に示されるNIT121は、NIT otherとされ、中央セグメントであるセグメントS7以外のセグメント(セグメントS1乃至セグメントS6、および、セグメントS8乃至セグメントS13)に係る情報が記述されたNITである。
【0092】
NIT121には、ネットワーク名記述子、システム管理記述子が記述され、TS記述エリア122−1乃至TS記述エリア122−12が設けられている。TS記述エリア122−1乃至TS記述エリア122−12には、セグメントS1乃至セグメントS6、および、セグメントS8乃至セグメントS13のTSに係る情報が記述される。
【0093】
なお、本技術では、NIT otherのネットワークIDをNIT actualのネットワークIDと同一にしてもよい。
【0094】
さらに、同図に示されるNIT131は、NIT actualとされ、セグメントS1乃至セグメントS6、および、セグメントS8乃至セグメントS13のTSのそれぞれから取得されるNITとされる。すなわち、12個のセグメントのTSのそれぞれから取得されるNITをまとめてNIT131として表している。
【0095】
NIT131には、ネットワーク名記述子、システム管理記述子が記述され、TS記述エリア132−1乃至TS記述エリア132−13が設けられている。TS記述エリア132−1乃至TS記述エリア132−13には、セグメントS1乃至セグメントS13のTSに係る情報が記述される。すなわち、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中央セグメント以外のセグメントのTSから取得されるNIT actualには、当該物理チャンネルの全セグメントに対応するTS記述エリアが設けられるようになされている。
【0096】
中央セグメントスキャン方式を採用する場合、受信端末は、中央セグメントのNIT actual(NIT111)の連結送信記述子の有無により、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであるか否かを識別する。そして、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルである場合、受信端末は、NIT otherのTS記述エリア122−1乃至TS記述エリア122−12の記述に基づいて中央セグメント以外のセグメントを選局することが可能となる。これにより、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中で運用されている全セグメントのNITとSDTが取得され、選局テーブルが作成される。
【0097】
このようにして、中央セグメントスキャン方式でのスキャンが行われて選局情報が取得される。
【0098】
図15は、上述した3種類のスキャン方式の中の2セグメントスキャン方式を説明する図である。同図の例では、図中に5つの物理チャンネルが存在しており、図中最も左の物理チャンネルと右から2番目の物理チャンネルでは、地上波デジタル放送の信号が送信され、図中中央の物理チャンネルでは、マルチセグメント放送の信号が送信される。また、同図の左から2番目の物理チャンネルと最も右の物理チャンネルでは放送用の信号が送信されていない。
【0099】
図15の矢印に示されるように、2セグメントスキャン方式では、例えば、受信端末が地上波デジタル放送波の各物理チャンネルの中央セグメントを、周波数の低い方から順にスキャンする。
【0100】
ただし、図15の例の場合、図中中央の物理チャンネルの中央セグメント92−1がスキャンされた後、同一の物理チャンネル内のセグメント92−4がスキャンされている。セグメント92−4は、中央セグメント92−1のTSに含まれるNITの記述に基づいて指定されるセグメントとされ、ここでは、セカンダリセグメントと称することにする。
【0101】
セカンダリセグメント92−4がスキャンされた後、中央セグメント93がスキャンされる。
【0102】
これにより、地上波デジタル放送の物理チャンネルの中央セグメント91のTS、および、中央セグメント93のTSが取得され、そのTSから中央セグメント91、および、中央セグメント93で放送される1セグ放送のNITとSDTが取得される。また、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中央セグメント92−1のTSが取得され、そのTSから中央セグメント92−1で放送されるマルチセグメント放送のNITとSDTが取得される。さらに、セカンダリセグメント92−4のTSが取得され、そのTSから中央セグメント92−1以外のセグメントで放送されるマルチセグメント放送のNITとSDTが取得される。
【0103】
なお、同図の例では、マルチセグメント放送の物理チャンネルの13のセグメントの中で、セグメント92−1乃至セグメント92−5に対応する5のセグメントが運用されている。
【0104】
図16は、本技術において、2セグメントスキャン方式を採用する場合のNITの構成を説明する図である。
【0105】
同図に示されるNIT111は、中央セグメントであるセグメントS7から取得されるNITとされる。NIT111は、NIT actualとされ、セグメントS7に係る情報が記述されたNITである。NIT111には、ネットワークIDが付与されており、ネットワーク名記述子、システム管理記述子・・・が記述されている。
【0106】
また、NIT111には、TS記述エリア112が設けられている。TS記述エリア112は、当該セグメント(中央セグメントであるセグメントS7)のTSに係る情報が記述される。TS記述エリア112には、当該TSに固有のIDであるTSID、サービスリスト記述子、地上システム分配記述子、部分受信記述子、TS情報記述子、連結送信記述子・・・が記述されている。
【0107】
上述したように、本技術では、中央セグメントのNIT actualに連結送信記述子を記述することにより、当該中央セグメントを有する物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであることを識別できるようにする。
【0108】
さらに、同図に示されるNIT131は、NIT actualとされ、セグメントS1乃至セグメントS6、および、セグメントS8乃至セグメントS13のTSのそれぞれから取得されるNITとされる。すなわち、12個のセグメントのTSのそれぞれから取得されるNITをまとめてNIT131として表している。
【0109】
NIT131には、ネットワーク名記述子、システム管理記述子が記述され、TS記述エリア132−1乃至TS記述エリア132−13が設けられている。TS記述エリア132−1乃至TS記述エリア132−13には、セグメントS1乃至セグメントS13のTSに係る情報が記述される。すなわち、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中央セグメント以外のセグメントのTSから取得されるNIT actualには、当該物理チャンネルの全セグメントに対応するTS記述エリアが設けられるようになされている。
【0110】
なお、図16(2セグメントスキャン方式)の場合のNIT111とNIT131の構成は、図14(中央セグメントスキャン方式)の場合と同様である。ただし、図16(2セグメントスキャン方式)の場合、NIT111の中のTS記述エリア112の連結送信記述子の記述が次のように拡張される。
【0111】
図17と図18は、2セグメントスキャン方式の場合の連結送信記述子の記述の拡張を説明する図である。
【0112】
図17は、ARIBで規定された連結送信記述子の記述を示している。すなわち、8ビットの「descriptor_tag」、8ビットの「descriptor_length」、・・・2ビットの「modulation_type_C」の記述が規定されている。また、記述エリア202には、伝送付加情報(「additional_connected_transmission_info」)を必要に応じて記述できるように規定されている。
【0113】
本技術では、2セグメントスキャン方式を採用する場合、記述エリア202を図18に示されるように記述する。
【0114】
すなわち、図18に示されるように、記述エリア202にセカンダリセグメント情報フラグ(「secondary_segment_info_flag」)が設けられる。例えば、当該記述エリアを有する連結送信記述子が、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中央セグメントであるセグメントS7のTSから取得されるものである場合、セカンダリセグメント情報フラグがオンになるようになされている。
【0115】
そして、セカンダリセグメント情報フラグがオン(「(secondary_segment_info_flag==1)」)である場合、セカンダリセグメントの周波数(「secondary_segment_frequency」)が続けて記述されるようになされている。セカンダリセグメントとしては、例えば、当該物理チャンネルの中で常に運用されていると想定されるセグメントが選択される。図15の例では、セグメント92−4がセカンダリセグメントとして選択されている。
【0116】
2セグメントスキャン方式を採用する場合、受信端末は、中央セグメントのNIT actual(NIT111)の連結送信記述子の有無により、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであるか否かを識別する。そして、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルである場合、受信端末は、連結送信記述子内の記述エリア202の記述内容に基づいてセカンダリセグメントを特定してスキャンする。受信端末は、セカンダリセグメントのNIT131のTS記述エリア132−1乃至TS記述エリア132−13の記述に基づいて中央セグメントとセカンダリセグメント以外のセグメントを選局することが可能となる。これにより、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中で運用されている全セグメントのNITとSDTが取得され、選局テーブルが作成される。
【0117】
このようにして、2セグメントスキャン方式でのスキャンが行われて選局情報が取得される。
【0118】
図19は、上述した3種類のスキャン方式の中の全セグメントスキャン方式を説明する図である。同図の例では、図中に5つの物理チャンネルが存在しており、図中最も左の物理チャンネルと右から2番目の物理チャンネルでは、地上波デジタル放送の信号が送信され、図中中央の物理チャンネルでは、マルチセグメント放送の信号が送信される。また、同図の左から2番目の物理チャンネルと最も右の物理チャンネルでは放送用の信号が送信されていない。
【0119】
図19の矢印に示されるように、全セグメントスキャン方式では、例えば、受信端末が地上波デジタル放送波の各物理チャンネルの中央セグメントを、周波数の低い方から順にスキャンする。
【0120】
ただし、図19の例の場合、図中中央の物理チャンネルの中央セグメント92−1がスキャンされた後、同一の物理チャンネル内のセグメント92−2がスキャンされている。その後、同一の物理チャンネル内のセグメントが図中左から順番にセグメント92−3からセグメント92−5までスキャンされている。
【0121】
セグメント92−5がスキャンされた後、中央セグメント93がスキャンされる。
【0122】
これにより、地上波デジタル放送の物理チャンネルの中央セグメント91のTS、および、中央セグメント93のTSが取得され、そのTSから中央セグメント91、および、中央セグメント93で放送される1セグ放送のNITとSDTが取得される。また、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中央セグメント92−1のTSが取得され、そのTSから中央セグメント92−1で放送されるマルチセグメント放送のNITとSDTが取得される。さらに、マルチセグメント放送の物理チャンネルのセグメント92−2、セグメント92−3、セグメント92−4、およびセグメント92−5それぞれのTSが取得され、それらのTSからそれぞれマルチセグメント放送のNITとSDTが取得される。
【0123】
全セグメントスキャン方式を採用する場合、NITの構成は、例えば、図16を参照して上述した場合と同様とすればよい。ただし、図19(全セグメントスキャン方式)の場合、NIT111の中のTS記述エリア112の連結送信記述子の記述が次のように拡張される。
【0124】
図20と図21は、全セグメントスキャン方式の場合の連結送信記述子の記述の拡張を説明する図である。
【0125】
本技術では、全セグメントスキャン方式を採用する場合、図17に示される連結送信記述子の記述エリア202を図20に示されるように記述する。
【0126】
すなわち、図20に示されるように、記述エリア202にマルチセグメント放送の各セグメントを特定するためのビットマップが記述される。ここで、ビットマップは、例えば、3ビットのセレクタ(「selector」)と、13ビットのマルチセグメント情報(「multi_segment_bitmap」)とを含んで構成される。
【0127】
例えば、図21A乃至図21Cに示されるように3種類のビットマップが設けられる。
【0128】
図21Aは、運用セグメントレイアウト用ビットマップとされる。運用セグメントレイアウト用ビットマップは、当該物理チャンネル内の運用されているセグメントのセグメント位置を特定するためのビットマップとされる。
【0129】
運用セグメントレイアウト用ビットマップのセレクタ(先頭の3ビット)は「000」とされ、その後の13ビットのそれぞれが当該物理チャンネル内のセグメント位置に対応している。例えば、セレクタの後の13ビットの中で、「1」が格納されたビット位置が当該物理チャンネル内の運用されているセグメントのセグメント位置を表すものとされる。これにより、受信端末において、当該物理チャンネル内の運用されているセグメントの周波数を特定することが可能となり、各セグメントをスキャンすることが可能となる。
【0130】
図21Bは、自セグメント位置用ビットマップとされる。自セグメント位置用ビットマップは、当該物理チャンネル内での自セグメントの位置を特定するためのビットマップとされる。
【0131】
自セグメント位置用ビットマップのセレクタ(先頭の3ビット)は「001」とされ、その後の13ビットのそれぞれが当該物理チャンネル内のセグメント位置に対応している。例えば、セレクタの後の13ビットの中で、「1」が格納されたビット位置が当該物理チャンネル内での自セグメントのセグメント位置を表すものとされ、通常、中央セグメントに対応する位置のビットに「1」が格納される。
【0132】
図21Cは、1セグ再送信セグメント位置用ビットマップとされる。1セグ再送信セグメント位置用ビットマップは、当該物理チャンネル内で1セグ再送信に割り当てられたセグメントの位置を特定するためのビットマップとされる。
【0133】
1セグ再送信セグメント位置用ビットマップのセレクタ(先頭の3ビット)は「010」とされ、その後の13ビットのそれぞれが当該物理チャンネル内のセグメント位置に対応している。例えば、セレクタの後の13ビットの中で、「1」が格納されたビット位置が当該物理チャンネル内で1セグ再送信に割り当てられたセグメントのセグメント位置を表すものとされる。これにより、受信端末において、当該物理チャンネル内で1セグ再送信に割り当てられたセグメント周波数を特定することが可能となる。このようにすることで、例えば、受信端末において、1セグ再送信のTSに含まれるNITの周波数に係る記述などは取捨選択して利用することが可能となる。
【0134】
全セグメントスキャン方式を採用する場合、受信端末は、中央セグメントのNIT actual(NIT111)の連結送信記述子の有無により、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであるか否かを識別する。そして、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルである場合、受信端末は、連結送信記述子内の記述エリア202の記述内容に基づいてビットマップを取得し、各セグメントのセグメント位置を特定して選局する。これにより、マルチセグメント放送の物理チャンネルの中で運用されている全セグメントのNITとSDTが取得され、選局テーブルが作成される。
【0135】
このようにして、全セグメントスキャン方式でのスキャンが行われて選局情報が取得される。
【0136】
図22は、本技術を適用したマルチセグメント放送送信装置の一実施の形態に係る構成例を示すブロック図である。同図に示されるマルチセグメント放送送信装置250は、例えば、図5に示されるコミュニティ放送局32、図6に示される1セグ再送信局42に配置され、図8乃至図10に示されるマルチセグメント送出装置、または、1セグ送出装置として用いられる。
【0137】
同図の例では、マルチセグメント放送送信装置250が、関連情報生成部251、ビデオデータ取得部252、ビデオエンコーダ253、オーディオデータ取得部254、オーディオエンコーダ255、マルチプレクサ256、送信部257、およびアンテナ258により構成される。
【0138】
関連情報生成部251は、例えば、コミュニティ放送のNIT、SDT等を含むPSI(Program Specific Information)、または、1セグ再送信のNIT、SDT等を含むPSI、ブラウザを用いた表示を行うための情報(以下、表示制御情報という)等を関連情報として生成し、マルチプレクサ256に供給する。
【0139】
関連情報生成部251は、例えば、図14、および図16を参照して上述したようにNITを生成する。また、この際、関連情報生成部251は、所定のNITに含まれる連結送信記述子を、図17、図18、図20、および図21を参照して上述したように記述する。
【0140】
ビデオデータ取得部252は、例えば、図示せぬHDD(Hard Disk Drive)や、外部のサーバなどからビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ253に供給する。
【0141】
ビデオエンコーダ253は、ビデオデータ取得部252から供給されるビデオデータを、例えば、MPEG2(Moving Picture Experts Group phase 2)等の符号化方式で符号化し、マルチプレクサ256に供給する。
【0142】
オーディオデータ取得部254は、例えば、図示せぬHDDや、外部のサーバなどから、
オーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ255に供給する。
【0143】
オーディオエンコーダ255は、オーディオデータ取得部254から供給されるオーディオデータを、MPEG2等の符号化方式で符号化し、マルチプレクサ256に供給する。
【0144】
なお、1セグ再送信が行われる場合、ビデオデータ取得部252、および、オーディオデータ取得部254に代わって、図示せぬ放送波受信部が所定の物理チャンネルで放送される地上波デジタル放送の放送信号を取得する。そして、その放送信号に対応するデータがそのままマルチプレクサ256に供給される。
【0145】
マルチプレクサ256は、関連情報生成部251からの関連情報、ビデオエンコーダ253からのビデオデータ、およびオーディオエンコーダ255からのオーディオデータを多重化してTSを生成し、送信部257に供給する。この際、例えば、図14、および図16を参照して上述したように生成された所定のNITが、それぞれ適切なセグメントのTSに含まれるように多重化される。
【0146】
送信部57は、マルチプレクサ56から供給されるTSを、当該TSのセグメントに対応する周波数でアンテナ258を介して送信する。
【0147】
次に、図23のフローチャートを参照して、図9のマルチセグメント放送送信装置250によるマルチセグメント放送送信処理の例について説明する。
【0148】
ステップS51において、関連情報生成部251は、コミュニティ放送のNIT、SDT等を含むPSI、または、1セグ再送信のNIT、SDT等を含むPSI、表示制御情報等を関連情報として生成し、マルチプレクサ256に供給する。
【0149】
このとき、関連情報生成部251は、例えば、図14、および図16を参照して上述したようにNITを生成し、所定のNITに含まれる連結送信記述子が、図17、図18、図20、および図21を参照して上述したように記述される。
【0150】
ステップS52において、ビデオデータ取得部252は、ビデオデータを取得し、オーディオデータ取得部254は、オーディオデータを取得する。
【0151】
ステップS53において、ビデオエンコーダ253とオーディオエンコーダ255は、ステップS52で取得されたビデオデータとオーディオデータを、例えば、MPEG2等の符号化方式で符号化する。
【0152】
なお、1セグ再送信が行われる場合、ビデオデータ取得部252、および、オーディオデータ取得部254に代わって、図示せぬ放送波受信部が所定の物理チャンネルで放送される地上波デジタル放送の放送信号を取得する。そして、その放送信号に対応するデータがそのままマルチプレクサ256に供給される。
【0153】
ステップS54において、マルチプレクサ256は、ステップS51で生成された関連情報、ステップS53の処理による符号化されたデータを多重化してTSを生成する。
【0154】
このとき、例えば、図14、および図16を参照して上述したように生成された所定のNITが、それぞれ適切なセグメントのTSに含まれるように多重化される。
【0155】
ステップS55において、送信部57は、ステップS54の処理の結果得られたTSを、当該TSのセグメントに対応する周波数でアンテナ258を介して送信する。
【0156】
このようにして、マルチセグメント放送送信処理が実行される。
【0157】
図24は、本技術を適用した受信端末の構成例を示すブロック図である。同図に示される受信端末270は、例えば、図8乃至図10に示される受信端末として用いられる。
【0158】
図24において、受信端末270は、アンテナ271、チューナ272、デマルチプレクサ273、ビデオデコーダ274、選択部275、表示部276、オーディオデコーダ277、スピーカ278、ブラウザ279、および制御部280により構成される。
【0159】
チューナ272は、制御部280から供給される選局情報に基づいて選局を行い、所定の論理チャンネルで放送されたTSを、アンテナ271を介して受信する。チューナ272は、受信されたTSをデマルチプレクサ273に供給する。
【0160】
デマルチプレクサ273は、チューナ272から供給されるTSを、ビデオデータ、オーディオデータ、表示制御情報、PSI(Program Specific Information)の各情報等に分離する。デマルチプレクサ273は、ビデオデータをビデオデコーダ274に供給し、オーディオデータをオーディオデコーダ277に供給する。また、デマルチプレクサ273は、表示制御情報をブラウザ279に供給し、PSIの各情報等を制御部280に供給する。
【0161】
ビデオデコーダ274は、制御部280の制御にしたがって、デマルチプレクサ273から供給されるビデオデータを、当該ビデオデータの符号化方式に対応する方式で復号(デコード)し、選択部275に供給する。
【0162】
選択部275は、制御部280の制御にしたがって、ビデオデコーダ274から供給されるビデオデータまたはブラウザ279から供給されるビデオデータを選択し、表示部276に供給する。表示部276は、選択部275から供給されるビデオデータに基づいて、画像を表示する。
【0163】
オーディオデコーダ277は、制御部280の制御にしたがって、デマルチプレクサ273から供給されるオーディオデータを、当該オーディオデータの符号化方式に対応する方式で復号(デコード)し、スピーカ278に供給する。スピーカ278は、オーディオデコーダ277からのオーディオデータに対応する音声を出力する。
【0164】
ブラウザ279は、例えば、デマルチプレクサ273から供給される表示制御情報を解釈して、ビデオデータを生成し、選択部275に供給する。
【0165】
制御部280は、地上波デジタル放送波の各物理チャンネルの中央セグメントの選局情報を順にチューナ272に供給する。また、制御部280は、各物理チャンネルの中央セグメントのTSから図14、および図16を参照して上述したようにNITを抽出し、連結送信記述子の有無を判定することにより、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであるか否かを判定する。
【0166】
当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであると判定された場合、制御部280は、図13乃至図21を参照して上述したスキャン方式により選局情報を取得する。すなわち、中央セグメントスキャン方式、2セグメントスキャン方式、および全セグメントスキャン方式のいずれかのスキャン方式により、選局情報が取得され、選局テーブルが生成される。そして、制御部280は、例えば、生成された選局テーブルを内蔵するメモリ(図示せず)などに記憶する。
【0167】
また、制御部280は、ユーザからの指令に応じて、例えば、選局テーブルに登録されているサービス名をブラウザ279に供給し、そのサービス名を表示部276に表示させる。ユーザは、表示部276に表示されたサービス名を見て、視聴対象とする放送サービスのサービス名を選択指示する。制御部280は、この選択指示に基づいて、選局テーブルから視聴対象のサービス名に対応する選局情報を読み出し、その選局情報をチューナ272に供給する。
【0168】
さらに、制御部280は、例えば、デマルチプレクサ273から供給されるPSIの各情報に基づいて、ビデオデコーダ274、選択部275、オーディオデコーダ277、およびブラウザ279を制御する。具体的には、制御部280は、例えば、ビデオデコーダ274から出力されるビデオデータとオーディオデコーダ277から出力されるオーディオデータの同期をとるように、ビデオデコーダ274とオーディオデコーダ277を制御する。
【0169】
次に、図25のフローチャートを参照して、図24の受信端末270による選局テーブル作成処理の例について説明する。この処理は、例えば、ユーザにより選局テーブルの作成が指令されたとき、実行される。
【0170】
ステップS71において、制御部280は、所定の物理チャンネル(例えば、最も周波数の低い物理チャンネル)を、処理の対象とする対象物理チャンネルとする。そして、制御部280は、対象物理チャンネルの中央セグメントの周波数を選局情報としてチューナ272に供給する。
【0171】
ステップS72において、チューナ272は、制御部280からの選局情報に基づいて、対象物理チャンネルの中央セグメントを選局する。
【0172】
ステップS73において、チューナ272は、対象物理チャンネルの中央セグメントのTSが受信されたかどうかを判定し、受信されたと判定した場合、処理をステップS74に進める。
【0173】
ステップS74において、デマルチプレクサ273は、チューナ272により受信された対象物理チャンネルの中央セグメントのTSから、NITとSDTを取得する。そして、デマルチプレクサ273は、そのNITとSDTを制御部280に供給する。
【0174】
ステップS75において、制御部280は、受信された中央セグメントのTSに含まれるNITに基づいて、当該物理チャンネル(対象物理チャンネル)がマルチセグメント放送の物理チャンネンルであるか否かを判定する。このとき、上述したように、連結送信記述子の有無を判定することにより、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであるか否かが判定される。
【0175】
ステップS75で、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネンルであると判定された場合、処理はステップS76に進む。
【0176】
ステップS76において、制御部280は、当該物理チャンネルの中央セグメント以外のセグメントの周波数を特定する。
【0177】
このとき、例えば、中央セグメントスキャン方式が採用される場合、制御部280は、図14のNIT otherのTS記述エリア122−1乃至TS記述エリア122−12の記述に基づいて中央セグメント以外のセグメントの周波数を特定する。
【0178】
また、例えば、2セグメントスキャン方式を採用する場合、制御部280は、図16のNIT actualの連結送信記述子内の記述エリア202の記述内容(図17、図18)に基づいてセカンダリセグメントを特定してスキャンする。さらに、制御部280は、セカンダリセグメントのNIT131のTS記述エリア132−1乃至TS記述エリア132−13の記述(図16)に基づいて中央セグメント以外のセグメントの周波数を特定する。
【0179】
さらに、例えば、全セグメントスキャン方式を採用する場合、制御部280は、連結送信記述子内の記述エリア202の記述内容(図20)に基づいてビットマップ(図21)を取得し、各セグメントのセグメント位置を特定して中央セグメント以外のセグメントの周波数を特定する。
【0180】
ステップS77において、チューナ272は、制御部280からの選局情報に基づいて、対象物理チャンネルの中央セグメント以外のセグメントをスキャンする。
【0181】
ステップS78において、デマルチプレクサ273は、チューナ272により受信された対象物理チャンネルの中央セグメント以外のセグメントのTSからNITとSDTを取得する。
【0182】
一方、ステップS73で対象物理チャンネルの中央セグメントのTSが受信されていないと判定された場合、または、ステップS75で対象物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルではないと判定された場合、処理はステップS79に進む。
【0183】
ステップS79において、制御部280は、全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとしたかどうかを判定する。ステップS79で全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとしていないと判定された場合、ステップS80において、制御部280は、次の物理チャンネル(例えば、周波数が次に高い物理チャンネル)を対象物理チャンネルとして、処理をステップS72に戻す。そして、全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとするまで、ステップS72乃至S80の処理が繰り返される。
【0184】
一方、ステップS79で全ての物理チャンネルを対象物理チャンネルとしたと判定された場合、処理はステップS81に進む。
【0185】
ステップS81において、制御部280は、ステップS74とステップS78の処理で取得されたNITとSDTに基づいて選局テーブルを作成する。そして、制御部280は、作成された選局テーブルを内蔵するメモリに記憶し、処理を終了する。
【0186】
このようにして、選局テーブル作成処理が実行される。
【0187】
図26は、本技術を適用した受信端末270と、従来の受信端末290による地上波デジタル放送の受信について説明する図である。
【0188】
従来の受信端末290は、一般的に、受信端末270と同様に、各物理チャンネルの中央セグメントを、周波数の低い方から順にスキャンして、選局テーブルを作成する。しかしながら、受信端末290は、マルチセグメント放送に対応していないため、マルチセグメント放送が行われる物理チャンネルの中央セグメント以外のセグメントのスキャンを行わない。すなわち、従来の受信端末290は、マルチセグメント放送が行われる物理チャンネルの中央セグメントのTSに含まれるNITにおいて連結送信記述子が検出されても、当該物理チャンネルがマルチセグメント放送の物理チャンネルであるとは認識しないのである。
【0189】
従って、従来の受信端末290では、マルチセグメント放送が行われる物理チャンネルでも、他の物理チャンネルの場合と同様に中央セグメント以外のセグメントを選局することはできない。一方で、マルチセグメント放送が行われていても、従来の受信端末290が誤動作を起こすなどの問題は生じない。
【0190】
よって、受信端末290が地上波デジタル放送波を受信する場合、地上波デジタル放送波の各物理チャンネルの中央セグメントのTSに含まれるNITとSIDに基づいて、選局テーブルが作成される。つまり、図1を参照して上述した処理によって選局テーブルが作成される。
【0191】
これに対して、本技術を適用した受信端末270が地上波デジタル放送波を受信する場合、図25を参照して上述した処理によって選局テーブルが作成される。
【0192】
従って、図26に示されるように、従来の受信端末290は、第1の物理チャンネル乃至第5の物理チャンネルにおいて、各物理チャンネルの中央セグメントの論理チャンネルのみを選局することができる。
【0193】
一方、本技術を適用した受信端末270は、第1の物理チャンネル、第3の物理チャンネル、および第4の物理チャンネルの各中央セグメントの論理チャンネルを選局することができる。さらに、受信端末270は、第2の物理チャンネルでは、中央セグメントを含む5つのセグメントの論理チャンネルを選局することができ、第5の物理チャンネルでは、中央セグメントを含む7つのセグメントの論理チャンネルを選局することができる。
【0194】
このように、本技術によれば、既存の地上デジタル放送受信に影響を与えず、地上デジタル放送の方式体系に整合をとり、インターオペラビリティが確保された放送システムを構築できる。また、この際、受信端末、送出設備ともに既存の構成を大きく変える必要はなく、低コストで実現できる。
【0195】
従って、本技術によれば、既存のインフラを活用しつつ、放送受信のみでマルチセグメント放送の選局を可能とする普遍的な選局を実現することができる。
【0196】
なお、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば図27に示されるような汎用のパーソナルコンピュータ700などに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
【0197】
図27において、CPU(Central Processing Unit)701は、ROM(Read Only Memory)702に記憶されているプログラム、または記憶部708からRAM(Random Access Memory)703にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM703にはまた、CPU701が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0198】
CPU701、ROM702、およびRAM703は、バス704を介して相互に接続されている。このバス704にはまた、入出力インタフェース705も接続されている。
【0199】
入出力インタフェース705には、キーボード、マウスなどよりなる入力部706、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる出力部707、ハードディスクなどより構成される記憶部708、モデム、LANカードなどのネットワークインタフェースカードなどより構成される通信部709が接続されている。通信部709は、インターネットを含むネットワークを介しての通信処理を行う。
【0200】
入出力インタフェース705にはまた、必要に応じてドライブ710が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア711が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部708にインストールされる。
【0201】
上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、インターネットなどのネットワークや、リムーバブルメディア711などからなる記録媒体からインストールされる。
【0202】
なお、この記録媒体は、図27に示される、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスク(登録商標)を含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)(登録商標)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア711により構成されるものだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに配信される、プログラムが記録されているROM702や、記憶部708に含まれるハードディスクなどで構成されるものも含む。
【0203】
なお、本明細書において上述した一連の処理は、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0204】
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0205】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
【0206】
(1) 放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局する中央セグメント選局部と、
前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定する記述子判定部と、
前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局する他セグメント選局部と、
前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成する選局テーブル作成部と
を備える放送波受信装置。
(2) 前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記記述子判定部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT(Network Information Table)を取得し、
前記NITに前記連結送信記述子が含まれているか否かを判定することで、前記連結送信記述子が取得されたか否かを判定する
(1)に記載の放送波受信装置。
(3) 前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記記述子判定部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT actualを取得し、
前記NIT actualに前記連結送信記述子が含まれているか否かを判定することで、前記連結送信記述子が取得されたか否かを判定し、
前記他セグメント選局部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT otherを取得し、
前記NIT otherに記述された情報に基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局する
(1)に記載の放送波受信装置。
(4) 前記他セグメント選局部は、
前記連結送信記述子の記述に基づいて、前記所定の物理チャンネルの中のセカンダリセグメントのセグメント位置を特定して前記セカンダリセグメントを選局し、
前記セカンダリセグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報に基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局する
(1)または(2)に記載の放送波受信装置。
(5) 前記他セグメント選局部は、
前記連結送信記述子に記述されたビットマップに基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局する
(1)または(2)に記載の放送波受信装置。
(6) 中央セグメント選局部が、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局し、
記述子判定部が、前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定し、
他セグメント選局部が、前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局し、
選局テーブル作成部が、前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成するステップ
を含む放送波受信方法。
(7) コンピュータを、
放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局する中央セグメント選局部と、
前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定する記述子判定部と、
前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局する他セグメント選局部と、
前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成する選局テーブル作成部とを備える放送波受信装置として機能させる
プログラム。
(8) (7)に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
(9) 放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、
前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化する多重化部と、
前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信する送信部とを備え、
前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる
放送波送信装置。
(10) 前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT(Network Information Table)の一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成する
(9)に記載の放送波送信装置。
(11) 前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT actualの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT otherに記述される情報として、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報を生成する
(9)に記載の放送波送信装置。
(12) 前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNITの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、
前記連結送信記述子に、前記所定の物理チャンネルの中のセカンダリセグメントのセグメント位置を特定する情報を記述し、
前記セカンダリセグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる
(9)または(10)に記載の放送波送信装置。
(13) 前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNITの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、
前記連結送信記述子に記述されるビットマップを、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報として生成する
(9)または(10)に記載の放送波送信装置。
(14) 関連情報生成部が、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成し、
多重化部が、前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化し、
送信部が、前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信しステップを含み、
前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる
放送波送信方法。
(15) コンピュータを、
放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、
前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化する多重化部と、
前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信する送信部とを備え、
前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる放送波送信装置として機能させる
プログラム。
(16) (15)に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
【符号の説明】
【0207】
250 マルチセグメント放送送信装置, 251 関連情報生成部, 252 ビデオデータ取得部, 253 ビデオエンコーダ, 254 オーディオデータ取得部, 255 オーディオエンコーダ, 256 マルチプレクサ, 257 送信部, 270 受信端末, 271 アンテナ 272 チューナ, 273 デマルチプレクサ, 274 ビデオデコーダ, 275 選択部, 276 表示部, 277 オーディオデコーダ, 279 ブラウザ, 280 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局する中央セグメント選局部と、
前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定する記述子判定部と、
前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局する他セグメント選局部と、
前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成する選局テーブル作成部と
を備える放送波受信装置。
【請求項2】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記記述子判定部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT(Network Information Table)を取得し、
前記NITに前記連結送信記述子が含まれているか否かを判定することで、前記連結送信記述子が取得されたか否かを判定する
請求項1に記載の放送波受信装置。
【請求項3】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記記述子判定部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT actualを取得し、
前記NIT actualに前記連結送信記述子が含まれているか否かを判定することで、前記連結送信記述子が取得されたか否かを判定し、
前記他セグメント選局部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT otherを取得し、
前記NIT otherに記述された情報に基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局する
請求項1に記載の放送波受信装置。
【請求項4】
前記他セグメント選局部は、
前記連結送信記述子の記述に基づいて、前記所定の物理チャンネルの中のセカンダリセグメントのセグメント位置を特定して前記セカンダリセグメントを選局し、
前記セカンダリセグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報に基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局する
請求項1に記載の放送波受信装置。
【請求項5】
前記他セグメント選局部は、
前記連結送信記述子に記述されたビットマップに基づいて、前記中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定して選局する
請求項1に記載の放送波受信装置。
【請求項6】
中央セグメント選局部が、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局し、
記述子判定部が、前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定し、
他セグメント選局部が、前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局し、
選局テーブル作成部が、前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成するステップ
を含む放送波受信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントのうち、所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントを選局する中央セグメント選局部と、
前記選局された中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれる情報であって、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子が取得されたか否かを判定する記述子判定部と、
前記連結送信記述子が取得された場合、前記物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントを順次選局する他セグメント選局部と、
前記選局された各セグメントのトランスポートストリームに含まれる選局情報を取得して選局テーブルを作成する選局テーブル作成部とを備える放送波受信装置として機能させる
プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムが記録されている記録媒体。
【請求項9】
放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、
前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化する多重化部と、
前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信する送信部とを備え、
前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる
放送波送信装置。
【請求項10】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT(Network Information Table)の一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成する
請求項9に記載の放送波送信装置。
【請求項11】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT actualの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNIT otherに記述される情報として、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報を生成する
請求項9に記載の放送波送信装置。
【請求項12】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNITの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、
前記連結送信記述子に、前記所定の物理チャンネルの中のセカンダリセグメントのセグメント位置を特定する情報を記述し、
前記セカンダリセグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる
請求項9に記載の放送波送信装置。
【請求項13】
前記放送波は、地上波デジタル放送の放送波であり、
前記関連情報生成部は、
前記中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるNITの一部に記述される、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのOFDM同期に係る情報が記述された連結送信記述子を、前記マルチセグメント放送が行われることを表す情報として生成し、
前記連結送信記述子に記述されるビットマップを、前記所定の物理チャンネル内の中央セグメント以外のセグメントのセグメント位置を特定するための情報として生成する
請求項9に記載の放送波送信装置。
【請求項14】
関連情報生成部が、放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成し、
多重化部が、前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化し、
送信部が、前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信しステップを含み、
前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる
放送波送信方法。
【請求項15】
コンピュータを、
放送波を複数の周波数帯に分割することにより得られる複数の物理チャンネル、および前記物理チャンネルのそれぞれをさらに複数の周波数帯に分割することにより得られる複数のセグメントに対応する論理チャンネルの選局に関連する関連情報を生成する関連情報生成部と、
前記生成された関連情報が、前記所定の物理チャンネルの予め定められたセグメント位置に配置される中央セグメントにおいて放送されるトランスポートストリームに含まれるように、前記関連情報とオーディオデータまたはビデオデータとを多重化する多重化部と、
前記多重化されて得られたトランスポートストリームを、前記中央セグメントの放送波として送信する送信部とを備え、
前記関連情報には、所定の物理チャンネルにおいて、前記複数のセグメントのそれぞれが異なる放送を行うマルチセグメント放送が行われることを表す情報とともに、前記所定の物理チャンネル内の複数のセグメントのセグメント位置を特定するための情報が含まれる放送波送信装置として機能させる
プログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムが記録されている記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−55568(P2013−55568A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193528(P2011−193528)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】