説明

文字入力システムおよびその動作方法

【課題】文字入力が可能な状態にすることが容易であり且つ文字入力が容易な文字入力システムを提供する。
【解決手段】入力装置1は、文字入力のためのボタンが視認可能な文字入力状態、または、文字入力状態においては視認不可能なボタンが視認可能な非文字入力状態に、入力装置1の部位を動かすことによって、なり得るものである。入力部11は、状態の切り替わりを検出する。送信部12は、切り替わり後の状態を示す状態信号を、受信部3を介して、制御装置2に送信する。制御装置2の制御部22は、状態信号が文字入力状態を示すものなら、記憶部21から文字入力プログラムを読み出して実行し、一方、状態信号が非文字入力状態を示すものなら、実行されている文字入力プログラムを終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字入力が可能な状態にすることが容易であり且つ文字入力が容易な文字入力システムおよびその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年では、情報通信技術を用いた機器の普及により、テレビジョン受像機(テレビ)にウェブページを表示する機会や、マウスやキーボードの代わりに、テレビのリモートコントローラやゲーム機のコントローラなど(以下、テレビ等の入力装置)を用いる機会が多い。
【0003】
つまり、ウェブページ検索用の検索窓へのキーワードの入力やアドレスバーへのURL(Uniform Resource Locator)の入力など、テレビ等の入力装置を用いた文字入力の機会が多い。
【0004】
しかし、テレビ等の入力装置は、文字入力用に作られていないため、文字入力が容易でなく、ユーザの心理的負荷が大きい。
【0005】
従来においては、テレビ等の入力装置の傾き情報と矢印ボタンの操作によって文字入力を効率的に行う技術がある(特許文献1参照)。
【0006】
この技術では、テレビ等の入力装置がもつボタン数よりも文字の種類が多いとボタン操作が多くなることに鑑み、傾き情報を用いてボタン操作の回数を少なくし、文字入力を高速化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−238220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
テレビ等の入力装置を用いて文字入力を行う場合、しばしばソフトキーボードが用いられる。ソフトキーボードによる検索窓へ文字入力は、例えば以下の手順で行われる。
【0009】
まず、矢印ボタンを操作して検索窓を選択することで、検索窓にカーソルを表示させる。次に、予め定められたボタンを予め定めれた方法で操作することで、ソフトウェアキーボードを表示させる。次に、ソフトウェアキーボードの文字を矢印ボタンで選択し、その文字を決定ボタンで入力する。
【0010】
しかし、このような文字入力は、ユーザにとって容易でない。
【0011】
まず、(1)ソフトウェアキーボードを表示させる、つまり文字入力が可能な状態にするためのボタン操作は、複雑な場合があり、憶えにくい。
【0012】
また、(2)文字入力の際に、数字ボタンなど、つまり文字入力に不要なボタンを操作してしまうことがある。
【0013】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、文字入力が可能な状態にすることが容易であり且つ文字入力が容易な文字入力システムおよびその動作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、入力装置と制御装置を備え、前記入力装置は、文字入力のためのボタンが視認可能な文字入力状態、または、当該文字入力状態においては視認不可能なボタンが視認可能な非文字入力状態に、前記入力装置の部位を動かすことによって、なり得るものであり、且つ、前記2つの状態の切り替わりを検出する入力部、切り替わり後の状態を示す状態信号を前記制御装置に送信する送信部を有し、前記制御装置は、前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行うための文字入力プログラムが予め記憶される記憶部、前記状態信号を受信し、当該状態信号が前記文字入力状態を示すものなら、前記記憶部に記憶された文字入力プログラムが実行されて前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行えるようにし、一方、前記状態信号が前記非文字入力状態を示すものなら、前記文字入力のためのボタンの操作による文字入力を行えないようにする制御部を有することを特徴とする文字入力システムをもって解決手段とする。
【0015】
第2の本発明は、入力装置と制御装置を備える文字入力システムの動作方法であって、前記入力装置は、文字入力のためのボタンが視認可能な文字入力状態、または、当該文字入力状態においては視認不可能なボタンが視認可能な非文字入力状態に、前記入力装置の部位を動かすことによって、なり得るものであり、前記制御装置は、前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行うための文字入力プログラムが予め記憶される記憶部を有し、前記動作方法は、前記入力装置の入力部が、前記2つの状態の切り替わりを検出し、前記入力装置の送信部が、切り替わり後の状態を示す状態信号を前記制御装置に送信し、前記制御装置の制御部が、前記状態信号を受信し、当該状態信号が前記文字入力状態を示すものなら、前記記憶部に記憶された文字入力プログラムが実行されて前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行えるようにし、一方、前記状態信号が前記非文字入力状態を示すものなら、前記文字入力のためのボタンの操作による文字入力を行えないようにすることを特徴とする文字入力システムの動作方法をもって解決手段とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、入力装置の部位を動かすことで入力装置は文字入力状態になるので、入力装置を文字入力状態にすることが容易であるとともに、非文字入力状態で視認可能なボタン、例えば文字入力に不要なボタンが文字入力状態では視認不可能なので、このボタンなどを操作してしまうことがなく、文字入力を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態に係る文字入力システムの構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態において、文字入力状態の入力装置1と、非文字入力状態の入力装置1とを示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係る文字入力システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態における表示装置への表示例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る文字入力システムの構成を示す図である。
【図6】第2の実施の形態において、文字入力状態の入力装置1と、非文字入力状態の入力装置1とを示す斜視図である。
【図7】第2の実施の形態に係る文字入力システムの動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態における表示装置への表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態では、文字入力システムをテレビジョン受像機に組み込み、テレビジョン受像機(以下、テレビという)内の表示装置(以下、表示装置という)にウェブページが表示されているときに、ユーザ(以下、ユーザという)が文字入力を行う例を説明する。つまり、ユーザは、ウェブページを見ながら、他のウェブページを検索するためのキーワードを構成する文字などを入力する。
【0020】
図1は、第1の実施の形態に係る文字入力システムの構成を示す図である。
【0021】
文字入力システムは、入力装置1および制御装置2を備える。入力装置1は、ここでは、テレビ用のリモートコントローラである。
【0022】
第1の実施の形態では、また、入力装置1から各種信号を受信する受信部3と、表示装置などに組み込まれる出力制御部4および出力部5が用いられる。
【0023】
入力装置1は、文字入力のためのボタンが視認可能な文字入力状態、または、当該文字入力状態においては視認不可能なボタンが視認可能な非文字入力状態に、入力装置1の部位を動かすことによって、なり得るものである。なお、ボタンは、「キー」などとも称される。
【0024】
文字入力状態においては文字入力が行われる。文字入力とは、ここでは、表示装置に表示された文字入力可能領域に文字や文字列を表示させ、当該文字等に対応するデータをテレビのメモリに記憶させることをいう。
【0025】
図2は、第1の実施の形態において、文字入力状態の入力装置1と、非文字入力状態の入力装置1とを示す斜視図である。
【0026】
図2(a)に示すように、文字入力状態においては、矢印ボタンYと決定ボタンSのみが視認可能であり、図2(b)に示すように、非文字入力状態においては、数字ボタンNのみが視認可能である。入力装置1は、入力装置1の部位であるスライド機構Mを動かし、つまり、下げることによって文字入力状態になり、逆にスライド機構Mを上げることによ非文字入力状態になる。なお、スライド機構Mは、図示しないスイッチ(以下、単にスイッチという)に連動し、スイッチは、文字入力状態でオン、非文字入力状態でオフになる。なお、このようなスライド機構Mを有する入力装置1は、後述の第2の実施の形態で用いてもよい。
【0027】
図1に戻り、入力装置1は、2つの状態の切り替わりを検出する入力部11と、切り替わり後の状態を示す状態信号等を、受信部3を介して、制御装置2へ送信する送信部12とを有する。送信部12から受信部3への通信は、例えば赤外線を用いて行われる。
【0028】
入力部11は、スイッチのオンからオフまたはオフからオンへの切り替わりを検出し、切り替わり後の状態を送信部12に通知する。
【0029】
送信部12は、通知された切り替わり後の状態を示す状態信号を、受信部3を介して、制御装置2に送信する。
【0030】
送信部12は、また、文字入力状態においては、ユーザが矢印ボタンYと決定ボタンSを操作したなら、操作に応じた操作信号を、受信部3を介して、制御装置2に送信する。
【0031】
制御装置2は、文字入力のためのボタン(矢印ボタンYと決定ボタンS)の操作により文字入力を行うための文字入力プログラムが予め記憶される記憶部21と、状態信号が文字入力状態を示すものなら、記憶部21から文字入力プログラムを読み出して実行し、一方、状態信号が非文字入力状態を示すものなら、実行されている文字入力プログラムを終了する制御部22とを有する。
【0032】
制御部22は、出力制御部4に対し、表示装置に文字入力可能領域が表示され且つ当該文字入力可能領域が選択されているか否かを問い合わせる入力処理部221と、文字入力プログラムを読み出して実行し、実行されている文字入力プログラムを終了する出力処理部222とを有する。
【0033】
出力処理部222は、出力部5を介して、文字入力において必ずしも必要でないポインタなどを消去する。
【0034】
図3は、第1の実施の形態に係る文字入力システムの動作を示すフローチャートである。図3(a)、(b)は、それぞれ入力装置1、制御装置2のものである。
【0035】
また、図4は、第1の実施の形態における表示装置への表示例を示す図である。
【0036】
図3において、入力装置1では、入力部11が、スイッチの(状態の)切り替わりを検出したなら(S1:YES)、切り替わり後の状態を送信部12に通知する(S3)。
【0037】
送信部12は、通知された切り替わり後の状態を示す状態信号を、受信部3を介して、制御装置2に送信し(S5)、ステップS1に戻る。
【0038】
制御装置2では、受信部3を介して、状態信号を受信したなら(S11:YES)、入力処理部221が、状態信号が文字入力状態を示すものであるか、状態信号が非文字入力状態を示すものであるかを判定する(S13)。
【0039】
入力処理部221は、状態信号が文字入力状態を示すものであるなら(S13:文字入力状態)、出力制御部4に対し、表示装置に文字入力可能領域が表示され且つ当該文字入力可能領域が選択されているか否かを問い合わせる(S15)。
【0040】
出力制御部4は、表示装置に文字入力可能領域が表示され且つ当該文字入力可能領域が選択されているか否かを入力処理部221に回答する。
【0041】
入力処理部221は、否定的な回答を得たなら(S15:NO)、ステップS11に戻る。
【0042】
一方、図4に示すように、非文字入力状態において、表示装置にポインタ100および文字入力可能領域101が表示され、且つ、文字入力可能領域101にカーソル102が表示され、つまり、文字入力可能領域101が選択され、これにより、入力処理部221が、出力制御部4から肯定的な回答を得たなら(S15:YES)、入力処理部221は、出力処理部222に対し、文字入力プログラムを読み出して実行するための信号を送信する(S17)。
【0043】
これにより、出力処理部222は、記憶部21から文字入力プログラムを読み出して実行する(S19)。
【0044】
また、出力処理部222は、出力部5に対し、文字入力プログラムの実行により生成される、ソフトウェアキーボードを表示するための画面データ、ならびに、ポインタ100を消去するための信号を送信し(S21)、これにて処理が終了する。
【0045】
出力部5は、図4に示すように、画面データに基づいて、表示装置にソフトウェアキーボード103を表示させ、また、ポインタ100を消去させる。
【0046】
なお、送信部12は、文字入力状態においては、ユーザが矢印ボタンYと決定ボタンSを操作したなら、操作に応じた操作信号を、受信部3を介して、制御装置2に送信する。
【0047】
制御装置2では、文字入力プログラムの実行により生成された機能部(文字入力部という)が、操作信号に応じた文字や文字列を文字入力可能領域101に表示させ、当該文字等に対応するデータをテレビのメモリに記憶させる。
【0048】
さて、入力処理部221は、状態信号が非文字入力状態を示すものであるなら(S13:非文字入力状態)、出力処理部222に対し、実行されている文字入力プログラムを終了するための信号を送信する(S31)。
【0049】
これにより、出力処理部222は、実行されている文字入力プログラムを終了する(S33)。
【0050】
また、出力処理部222は、出力部5に対し、ソフトウェアキーボード103を消去するための信号、ならびに、ポインタ100を再表示するための信号を送信し(S35)、これにて処理が終了する。
【0051】
出力部5は、図4に示すソフトウェアキーボード103を消去し、また、ポインタ100を再表示させる。
【0052】
なお、送信部12は、非文字入力状態においては、ユーザが数字ボタンNを操作したなら、操作に応じた操作信号をテレビに送信する。
【0053】
テレビは、操作信号に基づいて、例えば、チャンネルの切り替えなどを行う。
【0054】
したがって、第1の実施の形態に係る文字入力システムによれば、入力装置1は、文字入力のためのボタン(矢印ボタンYなど)が視認可能な文字入力状態、または、文字入力状態においては視認不可能なボタン(数字ボタンNなど)が視認可能な非文字入力状態に、入力装置1の部位であるスライド機構Mを動かすことによって、なり得るものであり、且つ、2つの状態の切り替わりを検出する入力部11と、切り替わり後の状態を示す状態信号を制御装置2に送信する送信部12とを有する。
【0055】
また、制御装置2は、文字入力のためのボタン(矢印ボタンYなど)の操作により文字入力を行うための文字入力プログラムが予め記憶される記憶部21と、状態信号が文字入力状態を示すものなら、文字入力プログラムが実行されて文字入力のためのボタン(矢印ボタンYなど)の操作により文字入力を行えるようにし、一方、状態信号が非文字入力状態を示すものなら、文字入力のためのボタンの操作による文字入力を行えないようにする制御部22とを有する。
【0056】
したがって、スライド機構Mを動かすことで入力装置1は文字入力状態になるので、入力装置1を文字入力状態にすることが容易であるとともに、文字入力状態においては数字ボタンNなど、つまり文字入力に不要なボタンが視認不可能なので、この数字ボタンNなどを操作してしまうことがなく、文字入力を容易に行うことができる。
【0057】
なお、第1の実施の形態は、文字入力システムをテレビジョン受像機に組み込んだが、文字入力システムは、ゲーム機、パーソナルコンピュータのような、表示装置と入力装置を有し、且つ、文字入力が必要となる他の機器やシステムに組み込んでもよい。後述の第2の実施の形態でも同様である。
【0058】
また、第1の実施の形態は、ウェブページが表示されているときに文字入力を行う例としたが、文字入力は、テレビにおける番組検索での文字入力、ゲーム機におけるゲーム中での文字入力などでもよく、ウェブページの例に限らない。第2の実施の形態でも同様である。
【0059】
また、第1の実施の形態では、入力装置1は、テレビ用のリモートコントローラとしたが、入力装置1は、ゲーム機用のリモートコントローラやマウスなど、システムに入力を行うことのできるものであればよい。第2の実施の形態でも同様である。
【0060】
また、第1の実施の形態では、スライド機構を動かすことでスイッチを切り替えて状態信号を送信したが、スライド機構を用いなくてもよい。例えば、入力装置の側面につけたスイッチを切り替えることで状態信号を送信してもよい。また、入力装置1の蓋を開け閉めしすることでスイッチを切り替え状態信号を送信してもよい。つまり、ボタン操作でなく、入力装置1の部位を動かすことで状態信号が送信されればよい。第2の実施の形態でも同様である。
【0061】
また、第1の実施の形態では、スイッチを切り替えたが、スイッチでなく、センサーの状態を切り替えてもよい。例えば、光センサやジャイロセンサや加速度センサにより、スライド機構などの部位の動きを検出し、動きに伴う光の有無や入力装置1の向きなどが検出されたなら状態信号を送信すればよい。第2の実施の形態でも同様である。
【0062】
また、第1の実施の形態では、送信部12から受信部3への通信を赤外線を用いて行うとしたが、赤外線に限らず、送信部12から受信部3への通信が行えればよい。送信部12と受信部3は、無線(例えば、Bluetoothなど)や有線(ケーブル)で接続されていてもよい。第2の実施の形態でも同様である。
【0063】
また、第1の実施の形態では、ソフトウェアキーボード103を表示させたが、数字ボタンNを模した画面を表示させ、数字ボタンNで文字入力を行ってもよい。その場合、例えば、矢印ボタンYなどが不要ならば、矢印ボタンYなどが視認不可能になるような構成とすればよい。第2の実施の形態でも同様である。
【0064】
また、第1の実施の形態では、状態信号が非文字入力状態を示すものなら、記憶部21から文字入力プログラムを読み出して実行し、一方、状態信号が非文字入力状態を示すものなら、実行されている文字入力プログラムを終了することとしたが、文字入力プログラムを実行されたままとし、状態信号が文字入力状態を示すものなら、例えば、ソフトウェアキーボードなど表示して文字入力を行えるようにし、一方、状態信号が非文字入力状態を示すものなら、ソフトウェアキーボードなどを消去して文字入力を行えないようにしてもよい。
【0065】
また、第1の実施の形態では、表示装置はテレビ内にあるものとしたが、表示装置は、表示機能を有するものであればよい。第2の実施の形態でも同様である。
【0066】
また、第1の実施の形態では、文字入力において必ずしも必要でないポインタなどの表示要素の消去を行うとしたが、かかる表示要素は表示したままでもよい。第2の実施の形態でも同様である。
【0067】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に同一または類似の装置および装置構成を用い、同一または類似のものについては第1の実施の形態で使用した符号を使用して重複説明を略し、第1の実施の形態とは異なる事項を中心に説明を行う。
【0068】
図5は、第2の実施の形態に係る文字入力システムの構成を示す図である。
【0069】
入力装置1は、第1の実施の形態と同様に、入力部11と、送信部12とを備える。
【0070】
制御装置2は、第1の実施の形態と同様に、記憶部21と、制御部22とを備える。
【0071】
特に、第2の実施の形態では、記憶部21は、文字入力プログラムの他に、文字入力可能領域を選択するためのルール情報が記憶されている。
【0072】
また、第2の実施の形態では、入力処理部221は、ルール情報を読み出し、ルール情報に基づいて、1つの文字入力可能領域を選択し、当該文字入力可能領域を示す情報を出力処理部222に送信する。
【0073】
出力処理部222は、出力部5を介して、当該情報で示される文字入力可能領域にカーソルを表示させる。
【0074】
図6は、第2の実施の形態において、文字入力状態の入力装置1と、非文字入力状態の入力装置1とを示す斜視図である。
【0075】
図6(a)に示すように、文字入力状態においては、仮名ボタンKと変換ボタンHと決定ボタンSのみが視認可能であり、図6(b)に示すように、非文字入力状態においては、数字ボタンNのみが視認可能である。入力装置1は、入力装置1の部位である筐体Bを動かし、つまり、表裏の一方の面をユーザに向けることによって文字入力状態になり、表裏の他方の面をユーザに向けることによって非文字入力状態になる。なお、筐体Bは、図示しないスイッチ(以下、スイッチという)に連動し、スイッチは、文字入力状態でオン、非文字入力状態でオフになる。なお、このように表裏を使用する入力装置1を第1の実施の形態で用いてもよい。
【0076】
図7は、第2の実施の形態に係る文字入力システムの動作を示すフローチャートである。図7は、制御装置2のものである。入力装置1のフローチャートは、図3(a)と同なので省略する。
【0077】
また、図8は、第2の実施の形態における表示装置への表示例を示す図である。
【0078】
入力装置1では、第1の実施の形態と同様に、入力部11が、スイッチの切り替わりを検出したなら(図3(a)、S1:YES)、切り替わり後の状態を送信部12に通知する(図3(a)、S3)。
【0079】
これ以降、ステップS13までは、第1の実施の形態と同様である。
【0080】
入力処理部221は、状態信号が文字入力状態を示すものであるなら(S13:文字入力状態)、出力制御部4に対し、表示装置に文字入力可能領域が表示され且つ当該文字入力可能領域が選択されていないか否かを問い合わせる(S41)。
【0081】
出力制御部4は、表示装置に文字入力可能領域が表示され且つ当該文字入力可能領域が選択されていないか否かを入力処理部221に回答する。
【0082】
入力処理部221は、否定的な回答を得たなら(S41:NO)、ステップS11に戻る。
【0083】
一方、図8に示すように、表示装置にポインタ100および文字入力可能領域101a、101bが表示され、文字入力可能領域101a、101bのいずれにもカーソルが表示されておらず、これにより、入力処理部221が、出力制御部4から肯定的な回答を得たなら(S41:YES)、入力処理部221は、まず、記憶部21からルール情報を読み出す(S43)。
【0084】
次に、入力処理部221は、例えば、ルール情報において、ポインタに最も近い文字入力可能領域を選択すべきとの記載があれば、図8の例では、長さLaよりも長さLbの方が短いので、文字入力可能領域101bを選択し、当該文字入力可能領域を示す情報を出力処理部222に送信する(S45)。
【0085】
また、入力処理部221は、第1の実施の形態と同様に、出力処理部222に対し、文字入力プログラムを読み出して実行するように信号を送信する(S17)。
【0086】
これにより、第1の実施の形態と同様に、出力処理部222は、記憶部21から文字入力プログラムを読み出して実行する(S19)。
【0087】
また、出力処理部222は、出力部5に対し、文字入力プログラムの実行により生成される、ソフトウェアキーボードを表示するための画面データ、ポインタ100を消去するための信号、ならびに、選択された文字入力可能領域にカーソルを表示するための信号を送信し(S21a)、これにて処理が終了する。
【0088】
出力部5は、図8に示すように、画面データに基づいて、表示装置にソフトウェアキーボード103を表示させ、また、ポインタ100を消去させ、また、選択された文字入力可能領域101bにカーソル102を表示させる。
【0089】
なお、状態信号が非文字入力状態を示すものであるなら(S13:非文字入力状態)、第1の実施の形態と同様に、ステップS31〜S35が実行される。
【0090】
出力部5は、図8に示すソフトウェアキーボード103を消去し、また、ポインタ100を再表示させる。
【0091】
また、文字入力状態における文字入力の際の動作、非文字入力状態におけるチャンネルの切り替えなどの際の動作は、第1の実施の形態と同様である。文字入力の際においては、カーソル102のある文字入力可能領域101bに文字が表示される。
【0092】
したがって、第2の実施の形態に係る文字入力システムによれば、制御部22は、ルール情報を読み出し、ルール情報に基づいて選択した文字入力可能領域に文字が表示されるようにするので、ユーザによる文字入力可能領域の選択の手間が省け、文字入力を一層容易にすることができる。
【0093】
なお、第2の実施の形態では、ルール情報において、ポインタに最も近い文字入力可能領域を選択すべきとの記載があるとしたが、ルール情報はこれに限らない。例えば、ポインタの直下にある文字入力可能領域を選択すべき、または、表示されている1以上の文字入力可能領域の中で最も上(最も下でもよい)に表示されているものを選択すべき、としてもよい。また、画面上部にポインタがあるときは、アドレスバーと称される入力可能領域を選択すべきとしてもよい。また、画面下部にポインタがあるときは、ウェブページのソース情報の中で最も近くにある文字入力可能領域を選択すべきとしてもよい。また、これらの条件を組み合わせてもよい。
【0094】
また、第2の実施の形態では、ポインタの位置を基準に入力可能領域を選択したが、ポインタの位置を基準にするのでなく、銀行の現金自動支払機のように、リンク選択式のインタフェースを用いてもよい。例えば、リモートコントローラの上下左右の矢印ボタンを用いてリンクを選択する例などが考えられる。
【0095】
なお、第1、第2の実施の形態に係る文字入力システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録でき、また、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【符号の説明】
【0096】
1…入力装置
2…制御装置
3…受信部
4…出力制御部
5…出力部
11…入力部
12…送信部
21…記憶部
22…制御部
100…ポインタ
101、101a、101b…文字入力可能領域
102…カーソル
103…ソフトウェアキーボード
221…入力処理部
222…出力処理部
B…筐体
H…変換ボタン
K…仮名ボタン
M…スライド機構
N…数字ボタン
S…決定ボタン
Y…矢印ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置と制御装置を備え、
前記入力装置は、
文字入力のためのボタンが視認可能な文字入力状態、または、当該文字入力状態においては視認不可能なボタンが視認可能な非文字入力状態に、前記入力装置の部位を動かすことによって、なり得るものであり、且つ、前記2つの状態の切り替わりを検出する入力部、切り替わり後の状態を示す状態信号を前記制御装置に送信する送信部を有し、
前記制御装置は、
前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行うための文字入力プログラムが予め記憶される記憶部、前記状態信号を受信し、当該状態信号が前記文字入力状態を示すものなら、前記記憶部に記憶された文字入力プログラムが実行されて前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行えるようにし、一方、前記状態信号が前記非文字入力状態を示すものなら、前記文字入力のためのボタンの操作による文字入力を行えないようにする制御部を有する
ことを特徴とする文字入力システム。
【請求項2】
前記文字入力のためのボタンの操作による文字入力で入力された文字は、前記文字入力システムとともに用いられる表示装置に表示され選択された文字入力可能領域に表示されるものであり、
前記記憶部には、前記文字入力可能領域を選択するためのルール情報が予め記憶され、
前記制御部は、前記記憶部から前記ルール情報を読み出し、当該ルール情報に基づいて選択した文字入力可能領域に前記入力された文字が表示されるようにする
ことを特徴とする請求項1記載の文字入力システム。
【請求項3】
入力装置と制御装置を備える文字入力システムの動作方法であって、
前記入力装置は、
文字入力のためのボタンが視認可能な文字入力状態、または、当該文字入力状態においては視認不可能なボタンが視認可能な非文字入力状態に、前記入力装置の部位を動かすことによって、なり得るものであり、
前記制御装置は、
前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行うための文字入力プログラムが予め記憶される記憶部を有し、
前記動作方法は、
前記入力装置の入力部が、前記2つの状態の切り替わりを検出し、
前記入力装置の送信部が、切り替わり後の状態を示す状態信号を前記制御装置に送信し、
前記制御装置の制御部が、前記状態信号を受信し、当該状態信号が前記文字入力状態を示すものなら、前記記憶部に記憶された文字入力プログラムが実行されて前記文字入力のためのボタンの操作により文字入力を行えるようにし、一方、前記状態信号が前記非文字入力状態を示すものなら、前記文字入力のためのボタンの操作による文字入力を行えないようにする
ことを特徴とする文字入力システムの動作方法。
【請求項4】
前記文字入力のためのボタンの操作による文字入力で入力された文字は、前記文字入力システムとともに用いられる表示装置に表示され選択された文字入力可能領域に表示されるものであり、
前記記憶部には、前記文字入力可能領域を選択するためのルール情報が予め記憶され、
前記制御部は、前記記憶部から前記ルール情報を読み出し、当該ルール情報に基づいて選択した文字入力可能領域に前記入力された文字が表示されるようにする
ことを特徴とする請求項3記載の文字入力システムの動作方法。
【請求項5】
請求項1または2記載の文字入力システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−230462(P2012−230462A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96887(P2011−96887)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】