説明

文字入力支援システム、文字入力支援方法、文字入力支援プログラム、及び文字入力支援装置

【課題】タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援すること。
【解決手段】予測単語格納部110と、画素座標取得部120と、最先単語順特定部131と、最後単語順特定部132と、最先単語順算出部141と、最後単語順算出部142と、ユーザインターフェース生成部180と、ユーザインターフェース生成部180が生成したインターフェースがタッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力部190とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援システム、文字入力支援方法、文字入力支援プログラム、及び文字入力支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンを有する携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等の端末における文字の入力方法としては、タッチスクリーンに表示されたQWERTY配列のソフトウェアキーボードを利用する方法が一般的である。しかるに、携帯電話やPDA等の端末は、一般的にタッチスクリーンの表示領域が狭いため、ソフトウェアキーボードの個々のボタンのサイズが小さくなってしまう。そのため、ユーザは、QWERTY配列のソフトウェアキーボードを利用して文字を入力するのに非常に細かい操作が要求されることとなり、誤操作も生じやすい。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている技術は、このようなQWERTY配列のソフトウェアキーボードを利用したシステムに代わる文字入力支援システムである。具体的には、特許文献1に記載されている技術は、タッチパネルに文字の属性情報を複数表示し、複数の属性情報のうち1つが指定された際には、指定された属性情報の表示位置に、指定された属性情報に基づく詳細情報を含むガイド表示を表示し、詳細情報が選択された際には、選択された詳細情報に隣接する位置に、予測される候補のガイド表示を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−003950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、文字を入力するにあたり、タッチスクリーンに表示されているボタンを長押しして指をずらす等の操作を行わなければならず、広い操作領域が必要となる。また、特許文献1に記載の技術においては、予測単語等の技術を意識した入力方法であるとは言い難く、多数の予測単語を効率よく絞り込んでいくといった工夫が何らなされていない。
【0006】
そこで本発明は、上記課題を解決することができる文字入力支援システム、文字入力支援方法、文字入力支援プログラム、及び文字入力支援装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の文字入力支援システムにおいては、タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援システムであって、入力単語として予測される多数の予測単語を格納する予測単語格納部と、入力単語の読み仮名のn文字目を入力するためにタッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得部と、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定部と、五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定部と、画素座標取得部が取得した画素座標、最先単語順特定部が特定した語順、最後単語順特定部が特定した語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出部と、画素座標取得部が取得した画素座標、最先単語順特定部が特定した語順、最後単語順特定部が特定した語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出部と、予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、最先単語順算出部が算出した語順から、最後単語順算出部が算出した語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成部と、ユーザインターフェース生成部が生成したインターフェースがタッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力部とを備える。
【0008】
また、本発明の文字入力支援方法においては、タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援方法であって、入力単語として予測される多数の予測単語を予測単語格納部に格納する予測単語格納ステップと、入力単語の読み仮名のn文字目を入力するためにタッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得ステップと、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定ステップと、五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定ステップと、画素座標取得ステップにおいて取得された画素座標、最先単語順特定ステップにおいて特定された語順、最後単語順特定ステップにおいて特定された語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出ステップと、画素座標取得ステップにおいて取得された画素座標、最先単語順特定ステップにおいて特定された語順、最後単語順特定ステップにおいて特定された語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出ステップと、予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、最先単語順算出ステップにおいて算出された語順から、最後単語順算出ステップにおいて算出された語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成ステップと、ユーザインターフェース生成ステップにおいて生成されたインターフェースがタッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力ステップとを備える。
【0009】
また、本発明の文字入力支援プログラムにおいては、タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援プログラムであって、コンピュータを、入力単語として予測される多数の予測単語を格納する予測単語格納部、入力単語の読み仮名のn文字目を入力するためにタッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得部、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定部、五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定部、画素座標取得部が取得した画素座標、最先単語順特定部が特定した語順、最後単語順特定部が特定した語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出部、画素座標取得部が取得した画素座標、最先単語順特定部が特定した語順、最後単語順特定部が特定した語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出部、予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、最先単語順算出部が算出した語順から、最後単語順算出部が算出した語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成部、ユーザインターフェース生成部が生成したインターフェースがタッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力部として機能させる。
【0010】
また、本発明の文字入力支援装置においては、タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援装置であって、入力単語として予測される多数の予測単語を格納する予測単語格納部と、入力単語の読み仮名のn文字目を入力するためにタッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得部と、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定部と、五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定部と、画素座標取得部が取得した画素座標、最先単語順特定部が特定した語順、最後単語順特定部が特定した語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出部と、画素座標取得部が取得した画素座標、最先単語順特定部が特定した語順、最後単語順特定部が特定した語順、タッチスクリーンの画面画素数、及びタップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出部と、予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、最先単語順算出部が算出した語順から、最後単語順算出部が算出した語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成部と、ユーザインターフェース生成部が生成したインターフェースがタッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザインターフェースとなるボタン等の表示に広い領域を必要とせず、単純なタップ操作のみによって入力単語の読みを確定させることができ、入力に際し、効率よく予測単語を絞り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る文字入力支援システムによる文字の入力方法の概要を示す図である。
【図2】本実施形態に係る文字入力支援システム100の機能構成の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る予測単語格納部110のデータ構造の一例を示す図である。
【図4】本実施形態に係る文字入力支援システム100における処理の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る文字入力支援システムによる文字の入力方法の概要を示す図である。
文字入力支援システムは、タッチスクリーン210を有する携帯電話やPDA等の端末200における文字の入力を支援するシステムである。また、文字入力支援システムは、入力単語の読み仮名が1文字ずつ入力される度に、入力単語として予測される多数の予測単語の中から、選択され得る予測単語を効率的に絞り込むシステムである。例えば、文字入力支援システムは、ユーザがWebブラウザによってWebページを閲覧するにあたりテキスト入力ボックスを選択したり、電子メールソフトによって電子メールを作成したりする場合等、文字の入力が行われる際に起動する。なお、端末200は、本発明に係る文字入力支援装置の一例である。
【0015】
文字入力支援システムが起動すると、端末200のタッチスクリーン210には、図1(a)に示すようなユーザインターフェースが表示される。タッチスクリーン210に最初に表示されるユーザインターフェースは、入力単語の読み仮名の1文字目を入力するための指標となる。また、ユーザインターフェースは、五十音の「あ行」、「か行」、「さ行」・・・の入力を指標する複数の選択領域からなる。各選択領域は、タッチスクリーン210の右端に、「あ行」の選択領域から五十音順に上から並んで表示される。そして、各選択領域の縦幅は、選択領域が示す五十音順の行が読み仮名の1文字目となる予測単語の数と相関する。例えば、読み仮名の1文字目が「あ行」の予測単語の数が7000語あり、「か行」の予測単語の数が14000語ある場合、「か行」の選択領域の縦幅は、「あ行」の選択領域の縦幅の2倍の長さとなる。文字入力支援システムは、ユーザインターフェースによって選択され得る予測単語の範囲と、タップ操作された位置の縦の画素座標によって、選択されたであろう予測単語の範囲を絞り込んでいく。予測単語の範囲とは、全ての予測単語の五十音順の何語目の単語から何語目の単語までといった範囲である。例えば、ユーザインターフェースによって予測単語の五十音順の1語目の単語から95000語目の単語までが選択され得るとき、タップ操作された位置が縦の真ん中あたりの画素座標であった場合、絞り込まれる予測単語の範囲は、45000語目あたりの単語となる。即ち、文字入力支援システムにおけるユーザインターフェースは、タップされる表示領域が同じ表示領域であったとしても、その表示領域の縦方向のタップされる位置によって、選択され得る予測単語の範囲が変わることとなる。上述したように、各選択領域の縦幅と、選択領域が示す五十音順の行が読み仮名の1文字目となる予測単語の数とが相関するので、ユーザは、その選択領域によって示される行の仮名を入力する場合、おおよそ選択領域を5等分してタップする位置を考えればよいこととなる。例えば、仮名「う」を入力する場合、ユーザは、「あ行」を示す選択領域の真ん中あたりをタップすればよいこととなる。以下の説明においては、「てながざる」という入力単語が入力される場合を例にとって、その入力手順について説明する。図1(a)に示すユーザインターフェースが表示されているとき、ユーザは、入力単語の1文字目の仮名「て」を入力するにあたり、「た行」の選択領域の上から5分の4程度の位置をタップする。
【0016】
入力単語の読み仮名の1文字目の入力としてタッチスクリーン210がタップされると、文字入力支援システムは、図1(b)に示すように、2文字目を入力するためのユーザインターフェースを表示する。2文字目を入力するためのユーザインターフェースは、入力単語の読み仮名の1文字目を入力するためのタップ操作が行われたことにより、絞り込まれた予測単語の範囲が少なくとも選択され得るような選択領域からなる。例えば、1文字目を入力するためのタップ操作によって、読み仮名が「てか」から始まる46250語目の単語から、読み仮名が「とさ」から始まる48750語目の単語までの単語が予測単語の範囲として絞り込まれた場合、図1(b)に示すように、表示される選択領域は、絞り込まれた予測単語の範囲よりも少し広い「てあ」から始まる単語から「とそ」から始まる単語が選択され得るものとなる。なお、2文字目を入力するためのユーザインターフェースの選択領域は、図1(a)と同様、五十音の「あ行」、「か行」、「さ行」・・・の入力を指標するものである。各選択領域の左側には、読み仮名「て」に続く選択領域なのか、読み仮名「と」に続く選択領域なのかが直感的に分かるような表示がなされる。このようなユーザインターフェースにより、ユーザは、入力単語の読み仮名の1文字目を入力する場合と同様、入力単語の2文字目の仮名「な」を入力するにあたり、「な行」の選択範囲の上から5分の1程度の位置をタップする。
【0017】
入力単語の読み仮名の1文字目の入力としてタッチスクリーン210がタップされると、文字入力支援システムは、図1(c)に示すように、3文字目を入力するためのユーザインターフェースを表示する。3文字目を入力するためのユーザインターフェースは、入力単語の読み仮名の2文字目を入力するためのタップ操作が行われたことにより、絞り込まれた予測単語の範囲が少なくとも選択され得るような選択領域からなる。例えば、2文字目を入力するためのタップ操作によって、読み仮名が「てなか」から始まる47000語目の単語から、読み仮名が「てにた」から始まる47125語目の単語までの単語が予測単語の範囲として絞り込まれた場合、図1(b)に示すように、表示される選択領域は、絞り込まれた予測単語の範囲よりも少し広い「てなあ」から始まる単語から「てにと」から始まる単語が選択され得るものとなる。なお、3文字目を入力するためのユーザインターフェースの選択領域は、図1(a)と同様、五十音の「あ行」、「か行」、「さ行」・・・の入力を指標するものである。各選択領域の左側には、読み仮名「てな」に続く選択領域なのか、読み仮名「てに」に続く選択領域なのかが直感的に分かるような表示がなされる。このようなユーザインターフェースにより、ユーザは、入力単語の読み仮名の1文字目や2文字目を入力する場合と同様、入力単語の3文字目の仮名「が」を入力するにあたり、「か行」の選択範囲の上から5分の1程度の位置をタップする。
【0018】
このようにして、文字入力支援システムは、入力単語の読み仮名が順に入力されるにあたり、タッチスクリーン210がタップされた位置によって予測単語の範囲を絞り込みつつ、次の読み仮名の入力用のユーザインターフェースを表示する。そして、文字入力支援システムは、入力単語の読み仮名の入力を繰り返していくうちに、絞り込まれた予測単語の範囲に含まれる範囲が、予め定められた許容単語数よりも少なくなったとき、図1(d)に示すように、絞り込まれた予測単語の範囲に含まれる単語のリストを表示する。ユーザは、表示されたリストの中から、所望の単語をタップすることによって、入力単語を確定することができる。なお、図1(d)には、入力単語の読み仮名のリストを表示しているが、これらリストのいずれかがタップされたときに、更に、その変換候補を表示するようにしてもよい。例えば、「てながざる」がタップされた場合には、「てながざる」、「テナガザル」、「手長ザル」、「手長猿」等の変換候補のリストを表示する。
【0019】
図2は、本実施形態に係る文字入力支援システム100の機能構成の一例を示す図である。
文字入力支援システム100は、予測単語格納部110、画素座標取得部120、最先単語順特定部131、最後単語順特定部132、最先単語順算出部141、最後単語順算出部142、単語数判定部150、読み仮名判定部160、文字数判定部170、ユーザインターフェース生成部180、及びユーザインターフェース出力部190を備える。
【0020】
予測単語格納部110は、入力単語として予測される予測単語を示す多数の予測単語データ、その読み仮名を示す読み仮名データ、及び全ての予測単語のうち五十音順の何語目であるかを示す語順データがそれぞれ対応付けて格納している(図3参照)。各読み仮名データによって示される読み仮名は、対応する予測単語の読み仮名を示す文字列である。
【0021】
画素座標取得部120は、ユーザがタップしたタッチスクリーン210の画素座標を取得する処理部である。画素座標取得部120が取得する画素座標は、タッチスクリーン210の画面画素のいずれの点がタップされたのかを示す値であって、画面画素の縦方向の上から数えた画素数である。画素座標取得部120は、タッチスクリーン210がタップされた画素座標を示すデータを、端末200のコントローラから受け取って、最先順算出部141及び最後単語順算出部142に送る。
【0022】
最先単語順特定部131は、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する処理部である。最先単語順特定部131は、生成されたユーザインターフェースによって選択され得る予測単語の範囲を示すデータをユーザインターフェース生成部180から受け取る。そして、最先単語順特定部131は、その範囲に含まれる予測単語のうち、五十音順の最先の単語の全ての予測単語における五十音順の語順を特定し、特定した語順を示すデータを最先単語順算出部141及び最後単語順算出部142に送る。
【0023】
最後単語順特定部132は、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する処理部である。最後単語順特定部132は、生成されたユーザインターフェースによって選択され得る予測単語の範囲を示すデータをユーザインターフェース生成部180から受け取る。そして、最後単語順特定部132は、その範囲に含まれる予測単語のうち五十音順の最後の単語の、全ての予測単語における五十音順の語順を特定し、特定した語順を示すデータを最先単語順算出部141及び最後単語順算出部142に送る。
【0024】
最先単語順算出部141は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する処理部である。最先単語順算出部141は、タッチスクリーン210がタップされた画素座標を示すデータを画素座標取得部120から受け取る。また、最先単語順算出部141は、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最先単語順特定部131から受け取る。また、最先単語順算出部141は、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最後単語順特定部132から受け取る。そして、最先単語順算出部141は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出し、特定した語順を示すデータを単語数判定部150、読み仮名判定部160、文字数判定部170、及びユーザインターフェース生成部180に送る。
【0025】
最後単語順算出部142は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する処理部である。最後単語順算出部142は、タッチスクリーン210がタップされた画素座標を示すデータを画素座標取得部120から受け取る。また、最後単語順算出部142は、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最先単語順特定部131から受け取る。また、最後単語順算出部142は、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最後単語順特定部132から受け取る。そして、最後単語順算出部142は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出し、特定した語順を示すデータを単語数判定部150、読み仮名判定部160、文字数判定部170、及びユーザインターフェース生成部180に送る。
【0026】
単語数判定部150は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語の範囲に含まれる単語数が予め定められた許容単語数よりも多いか少ないかを判定する処理部である。単語数判定部150は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最先単語順算出部141から受け取る。また、単語数判定部150は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最後単語順算出部142から受け取る。そして、単語数判定部150は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語の範囲に含まれる単語数が予め定められた許容単語数よりも多いか少ないかを判定し、判定結果を示すデータを読み仮名判定部160、あるいはユーザインターフェース生成部180に送る。
【0027】
読み仮名判定部160は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、最先の単語と最後の単語の読み仮名のn文字目が一致するか否かを判定する処理部である。読み仮名判定部160は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最先単語順算出部141から受け取る。また、読み仮名判定部160は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最後単語順算出部142から受け取る。そして、読み仮名判定部160は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語の範囲に含まれる単語数が予め定められた許容単語数よりも多いと判定された判定結果を示すデータを単語数判定部150から受け取った場合、予測単語格納部110に格納されているデータを参照して、絞り込まれる予測単語のうち最先の単語と最後の単語の読み仮名のn文字目が一致するか否かを判定し、判定結果を示すデータを文字数判定部170に送る。
【0028】
文字数判定部170は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、最先の単語の読みのn+1文字目から最後の単語の読みのn+1文字目までの文字数が予め定められた許容文字数よりも多いか少ないかを判定する処理部である。文字数判定部170は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最先単語順算出部141から受け取る。また、文字数判定部170は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最後単語順算出部142から受け取る。そして、文字数判定部170は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち最先の単語と最後の単語の読み仮名のn文字目が一致するか否かの判定結果を示すデータを読み仮名判定部160から受け取ると、絞り込まれる予測単語のうち、最先の単語の読みのn+1文字目から最後の単語の読みのn+1文字目までの文字数が予め定められた許容文字数よりも多いか少ないかを判定し、判定結果を示すデータをユーザインターフェース生成部180に送る。
【0029】
ユーザインターフェース生成部180は、タッチスクリーン210に表示すべきユーザインターフェースを生成する処理部である。ユーザインターフェース生成部180は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最先単語順算出部141から受け取る。また、ユーザインターフェース生成部180は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を示すデータを最後単語順算出部142から受け取る。そして、ユーザインターフェース生成部180は、上記のような判定結果を示すデータを単語数判定部150、あるいは文字数判定部170から受け取ると、タッチスクリーン210に表示すべきユーザインターフェースを生成し、生成したユーザインターフェースを示すデータをユーザインターフェース出力部190に送る。
【0030】
ユーザインターフェース出力部190は、タッチスクリーン210に表示されるようユーザインターフェースを出力する処理部である。ユーザインターフェース出力部190は、ユーザインターフェースを示すデータをユーザインターフェース生成部180から受け取り、タッチスクリーン210へ出力する。
【0031】
図4は、本実施形態に係る文字入力支援システム100における処理の流れの一例を示す図である。
以下の説明においては、図1をともに参照しつつ、「てながざる」という入力単語が入力される例について説明する。なお、文字入力支援システム100の予測単語格納部110は、100000語の予測単語を格納しているものとする。
【0032】
Webブラウザのテキスト入力ボックスが選択されたりして文字入力が行われる場面になると、ユーザインターフェース生成部180は、入力単語の読み仮名の1文字目を入力するためのユーザインターフェースを生成する(S101)。ユーザインターフェース生成部180が1文字目を入力するために生成するユーザインターフェースは、100000語の全ての予測単語が選択され得るユーザインターフェースであってもよいし、その一部が選択され得ないユーザインターフェースであってもよい。例えば、図1(a)に示すユーザインターフェースは、五十音順の1語目の「あ行」の単語から95000語目の「ら行」の単語までた選択されるようになっており、「わ行」の選択領域が表示されていない。このような場合、表示されていない「わ行」の選択領域は、フリック操作されることによって表示されるものとする。
【0033】
タッチスクリーン210にユーザインターフェースが表示されると、最先単語順特定部131は、五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する(S102)。具体的には、最先単語順特定部131は、生成されたユーザインターフェースによって選択され得る予測単語の範囲を示すデータをユーザインターフェース生成部180から受け取って、この範囲のうち五十音順の最先の予測単語の語順を特定する。本例の場合、この時点において表示されるユーザインターフェースによって選択され得る予測単語は、五十音順の1語目から95000語目までの単語である。したがって、最先単語順特定部131が特定する語順は、「1」となる。
【0034】
タッチスクリーン210にユーザインターフェースが表示されると、最後単語順特定部131は、五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する(S103)。具体的には、最後単語順特定部131は、生成されたユーザインターフェースによって選択され得る予測単語の範囲を示すデータをユーザインターフェース生成部180から受け取って、この範囲のうち五十音順の最後の予測単語の語順を特定する。本例の場合、この時点において表示されるユーザインターフェースによって選択され得る予測単語は、五十音順の1語目から95000語目までの単語である。したがって、最後単語順特定部131が特定する語順は、「95000」となる。
【0035】
ユーザは、「てながざる」の1文字目「て」を入力すればよいので、「た行」の選択領域の上から5分の4程度の位置をタップすることとなる。タッチスクリーン210がタップされると、画素座標取得部120は、タップされた画素座標の値を端末200のコントローラから取得する(S104)。画素座標取得部120が取得する画素座標の値は、タッチスクリーン210の画面画素の縦座標においてタップされた座標を示す値である。
【0036】
そして、最先単語順算出部141は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する(S105)。具体的には、最先単語順算出部141は、最先単語順特定部131が特定した値W、最後単語順特定部132が特定した値W、画素座標取得部120が取得した画素座標の値T、タッチスクリーン210がタップされるにあたり想定される誤差の画素数として予め設定された値Δy、及び画面画素の縦の画素数MAXとに基づいて、絞り込まれる予測単語のうち五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順WS−NEWを、式(1)のようにして算出する。
【数1】

本例の場合、画面画素の縦の画素数がMAX=800pixelであって、Δy=10pixelと定められているとすると、「て」の入力に伴いT=380pixelの位置がタップされたとき、この時点において最先単語順算出部141が算出する語順Ws−NEWは、1+(95000−1)×(380−10)/800=43938となる。
【0037】
また、最後単語順算出部142は、タッチスクリーン210がタップされることによって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する(S106)。具体的には、最後単語順算出部142は、最先単語順特定部131が特定した値W、最後単語順特定部132が特定した値W、画素座標取得部120が取得した画素座標の値T、タッチスクリーン210がタップされるにあたり想定される誤差の画素数として予め設定された値Δy、及び画面画素の縦の画素数MAXとに基づいて、絞り込まれる予測単語のうち五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順WE−NEWを、式(1)のようにして算出する。
【数2】

本例の場合、この時点において最先単語順算出部141が算出する語順WE−NEWは、1+(95000−1)×(380+10)/800=46313となる。
【0038】
そして、単語数判定部150は、語順WS−NEWから語順WE−NEWまでに含まれる予測単語数が予め定められた許容単語数よりも多いか少ないかを判定する(S107)。例えば、許容単語数が15語として定められているとすると、本例の場合、この時点において語順WS−NEWから語順WE−NEWまでに含まれる単語数が2375語であるので、単語数判定部150は、許容単語数よりも多いと判定する。
【0039】
語順WS−NEWから語順WE−NEWまでに含まれる単語数が予め定められた許容単語数よりも多いと単語数判定部150が判定した場合(S107:Yes)、読み仮名判定部160は、語順WS−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目と、語順WE−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目とが一致するか否かを判定する(S108)。具体的には、単語数判定部150は、語順WS−NEWの予測単語及び語順WE−NEWの予測単語を予測単語格納部110から抽出し、抽出したこれら予測単語の読み仮名のn文字目が一致するか否かを判定する。例えば、本例の場合、43938語目の予測単語の読み仮名が「てか」から始まる単語であって、46313語目の予測単語の読み仮名が「とさ」から始まる単語であったとすると、読み仮名判定部160は、これら予測単語の読み仮名のn文字目「て」と「と」が一致しないと判定する。
【0040】
語順WS−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目と、語順WE−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目とが一致すると読み仮名判定部160が判定した場合(S108:Yes)、文字数判定部170は、語順WS−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn+1文字目の仮名から、語順WE−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn+1文字目の仮名までの五十音順における文字数が、予め定められた許容文字数よりも多いか少ないかを判定する(S109)。例えば、語順WS−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn+1文字目の仮名が「い」であって、語順WE−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn+1文字目の仮名が「か」である場合、「い」から「か」までの五十音順における文字数は、5文字となる。この場合、許容文字数が15文字と定められているとすると、文字数判定部170は、許容文字数よりも少ないと判定する。
【0041】
語順WS−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目と、語順WE−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目とが一致しないと読み仮名判定部160が判定した場合(S108:No)、文字数判定部170は、語順WS−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目の仮名から五十音の最後の仮名「ん」までの五十音順における文字数に、五十音の最初の仮名「あ」から語順WE−NEWによって特定される予測単語の読み仮名のn文字目の仮名までの五十音順における文字数を加えた文字数が、上述した許容文字数よりも多いか少ないかを判定する(S110)。例えば、本例の場合、この時点においては、上述したように、43938語目の予測単語の読み仮名が「てか」から始まる単語であって、46313語目の予測単語の読み仮名が「とさ」から始まる単語である。このような場合、文字数判定部170は、「てか」の2文字目の「か」から「ん」までの五十音順における文字数「41」と、「あ」から「とさ」の「さ」までの五十音順における文字数「11」とを加えた文字数「52」が許容文字数よりも多いか少ないかを判定する。この場合、許容文字数が15文字と定められているとすると、文字数判定部170は、許容文字数よりも多いと判定する。
【0042】
許容文字数よりも多いと文字数判定部170が判定した場合(S109:Yes又はS110:Yes)、ユーザインターフェース生成部180は、入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェースとして、五十音の特定の行の入力を指標する選択領域からなるユーザインターフェースを生成する(S111)。この場合、ユーザインターフェース生成部180は、語順WS−NEWから語順WE−NEWまでに含まれる予測単語が生成するユーザインターフェースによって選択され得るよう、ユーザインターフェースを構成する選択領域を決定する。具体的には、ユーザインターフェース生成部180は、予測単語格納部110が格納しているデータを参照し、語順WS−NEWから語順WE−NEWまでに含まれる予測単語に、「てや」、「てら」、「てわ」から始まる予測単語がない場合、入力単語の読み仮名の1文字目の「て」に続く2文字目の選択領域として、「や行」、「ら行」、「わ行」の選択領域を生成しない。また、好ましくは、ユーザインターフェース生成部180は、語順WS−NEWから語順WE−NEWよりも幅広い語順の予測単語が選択され得るよう、入力単語の読み仮名の1文字目の「て」に続く「あ行」の選択領域を含めてユーザインターフェースを生成する。なお、ユーザインターフェース生成部180は、入力単語の読み仮名のn+1文字目の選択領域がn文字目までの何の読み仮名に続く選択領域なのかを分かりやすくするために、n文字目までの読み仮名を示す表示領域を、選択領域の左側に表示する。例えば、ユーザインターフェース生成部180は、図1(b)に示すように、1文字目の「て」や「と」を示す表示領域を表示する。
【0043】
許容文字数よりも少ないと文字数判定部170が判定した場合(S109:No又はS110:No)、ユーザインターフェース生成部180は、入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェースとして、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースを生成する(S112)。この場合、各選択領域の縦幅は、入力単語の読み仮名のn文字目に続くn+1文字目の仮名が選択領域によって示されている仮名となる予測単語の数と相関する。例えば、「てあ」から始まる予測単語の数が「てい」から始まる予測単語の2倍の数であるとすると、1文字目の読み仮名「て」に続く「あ」を示す選択領域の縦幅は、1文字目の読み仮名「て」に続く「い」を示す選択領域の縦幅の2倍の長さとなる。
【0044】
そして、ユーザインターフェース出力部190は、ユーザインターフェース生成部180が生成したユーザインターフェースがタッチスクリーン210に表示されるよう、ユーザインターフェースを示すデータをタッチスクリーン210に出力する(S113)。本例の場合、入力単語「てながざる」の1文字目「て」を入力するためにユーザによってタッチスクリーン210がタップされた場合、上記のような処理を経て、ユーザインターフェース出力部190は、図1(b)に示すようなユーザインターフェースがタッチスクリーン210に表示されるよう、ユーザインターフェースを示すデータをタッチスクリーン210に出力することとなる。
【0045】
文字入力支援システム100は、語順WS−NEWの単語から語順WE−NEWまでに含まれる予測単語数が予め定められた許容単語数よりも少ないと単語数判定部150が判定されるまで(S107:No)、上記処理を繰り返す。本例の場合、図1(b)において入力単語の読み仮名の2文字目を入力するためのタップ操作がなされることによって、文字入力支援システム100は、図1(c)に示すようなユーザインターフェースをタッチスクリーン210に表示する。そして、図1(c)において入力単語の読み仮名の3文字目を入力するためのタップ操作がなされることによって、絞り込まれる予測単語の数が15語よりも少ない数となると、ユーザインターフェース生成部180は、語順WS−NEWの単語から語順WE−NEWまでに含まれる予測単語のリストを生成することとなる(S114)。ユーザは、表示された予測単語のリストのうち入力単語と一致する予測単語をタップすることによって、入力を確定することができる。
【0046】
このように、文字入力支援システム100は、ユーザインターフェースとなる選択領域の表示に広い領域を必要としないため、文字入力の際に表示していたWebブラウザの表示の妨げを最小限に抑えることができる。また、文字入力支援システム100は、単純なタップ操作のみによって入力単語の読みを確定させることができるだけでなく、入力に際し、効率よく予測単語を絞り込むことができる。
【0047】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0048】
100 文字入力支援システム
110 予測単語格納部
120 画素座標取得部
131 最先単語順特定部
132 最後単語順特定部
141 最先単語順算出部
142 最後単語順算出部
150 単語数判定部
160 読み仮名判定部
170 文字数判定部
180 ユーザインターフェース生成部
190 ユーザインターフェース出力部
200 端末
210 タッチスクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援システムであって、
入力単語として予測される多数の予測単語を格納する予測単語格納部と、
入力単語の読み仮名のn文字目を入力するために前記タッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得部と、
五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定部と、
五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定部と、
前記画素座標取得部が取得した画素座標、前記最先単語順特定部が特定した語順、前記最後単語順特定部が特定した語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出部と、
前記画素座標取得部が取得した画素座標、前記最先単語順特定部が特定した語順、前記最後単語順特定部が特定した語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出部と、
前記予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、前記最先単語順算出部が算出した語順から、前記最後単語順算出部が算出した語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、前記入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、前記選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成部と、
前記ユーザインターフェース生成部が生成したインターフェースが前記タッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力部と
を備える文字入力支援システム。
【請求項2】
前記予測単語格納部が格納している予測単語のうち、前記最先単語順算出部が算出した語順から、前記最後単語順算出部が算出した語順までの間に含まれる予測単語の数が、予め定められた許容単語数よりも多いか少ないかを判定する単語数判定部
を更に備え、
前記含まれる予測単語の数が許容単語数よりも多いと前記単語数判定部が判定した場合、前記ユーザインターフェース生成部は、入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェースを生成し、
前記含まれる予測単語の数が許容単語数よりも少ないと前記単語数判定部が判定した場合、前記ユーザインターフェース生成部は、前記選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成する請求項1に記載の文字入力支援システム。
【請求項3】
前記予測単語格納部が格納している予測単語のうち、前記最先単語順算出部が算出した語順によって特定される最先の予測単語の読み仮名のn文字目と、前記最後単語順算出部が算出した語順によって特定される最先の予測単語の読み仮名のn文字目とが一致するか否かを判定する読み仮名判定部と、
前記最先及び最後の予測単語の読み仮名のn文字目が一致すると前記読み仮名判定部が判定した場合、前記最先の予測単語の読み仮名のn+1文字目の仮名から、前記最後の予測単語の読み仮名のn+1文字目の仮名までの五十音順における文字数が、予め定められた許容文字数よりも多いか少ないかを判定し、前記最先及び最後の予測単語の読み仮名のn文字目が一致しないと前記読み仮名判定部が判定した場合、前記最先の予測単語の読み仮名のn+1文字目の仮名から五十音の最後の仮名までの五十音順における文字数に、五十音の最初の仮名から前記最後の予測単語の読みのn+1文字目の仮名までの五十音順における文字数を加えた文字数が、前記許容文字数よりも多いか少ないかを判定する文字数判定部と
を更に備え、
前記文字数が許容文字数よりも多いと前記文字数判定部が判定した場合、前記ユーザインターフェース生成部は、前記入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェースとして、五十音の特定の行の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースを生成し、
前記文字数が許容文字数よりも少ないと前記文字数判定部が判定した場合、前記ユーザインターフェース生成部は、前記入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェースとして、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースを生成する請求項1又は2に記載の文字入力支援システム。
【請求項4】
タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援方法であって、
入力単語として予測される多数の予測単語を予測単語格納部に格納する予測単語格納ステップと、
入力単語の読み仮名のn文字目を入力するために前記タッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得ステップと、
五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定ステップと、
五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定ステップと、
前記画素座標取得ステップにおいて取得された画素座標、前記最先単語順特定ステップにおいて特定された語順、前記最後単語順特定ステップにおいて特定された語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出ステップと、
前記画素座標取得ステップにおいて取得された画素座標、前記最先単語順特定ステップにおいて特定された語順、前記最後単語順特定ステップにおいて特定された語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出ステップと、
前記予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、前記最先単語順算出ステップにおいて算出された語順から、前記最後単語順算出ステップにおいて算出された語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、前記入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、前記選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成ステップと、
前記ユーザインターフェース生成ステップにおいて生成されたインターフェースが前記タッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力ステップと
を備える文字入力支援方法。
【請求項5】
タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援プログラムであって、
コンピュータを、
入力単語として予測される多数の予測単語を格納する予測単語格納部、
入力単語の読み仮名のn文字目を入力するために前記タッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得部、
五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定部、
五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定部、
前記画素座標取得部が取得した画素座標、前記最先単語順特定部が特定した語順、前記最後単語順特定部が特定した語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出部、
前記画素座標取得部が取得した画素座標、前記最先単語順特定部が特定した語順、前記最後単語順特定部が特定した語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出部、
前記予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、前記最先単語順算出部が算出した語順から、前記最後単語順算出部が算出した語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、前記入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、前記選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成部、
前記ユーザインターフェース生成部が生成したインターフェースが前記タッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力部
として機能させる文字入力支援プログラム。
【請求項6】
タッチスクリーンを有する端末における文字の入力を支援する文字入力支援装置であって、
入力単語として予測される多数の予測単語を格納する予測単語格納部と、
入力単語の読み仮名のn文字目を入力するために前記タッチスクリーンに表示されるユーザインターフェースであって、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなるユーザインターフェースの任意の位置のタップ操作が検出されることにより、当該タップ操作された位置の画素座標を取得する画素座標取得部と、
五十音順の最先の仮名、あるいは、五十音順の最先の行を指標する選択領域の最小画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を特定する最先単語順特定部と、
五十音順の最後の仮名、あるいは、五十音順の最後の行を指標する選択領域の最大画素座標がタップ操作されることによって選択され得る予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を特定する最後単語順特定部と、
前記画素座標取得部が取得した画素座標、前記最先単語順特定部が特定した語順、前記最後単語順特定部が特定した語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最先の予測単語の全予測単語における語順を算出する最先単語順算出部と、
前記画素座標取得部が取得した画素座標、前記最先単語順特定部が特定した語順、前記最後単語順特定部が特定した語順、前記タッチスクリーンの画面画素数、及び前記タップ操作によって生じ得る誤差の画素数として予め定められた値に基づいて、前記タップ操作によって絞り込まれる予測単語のうち、五十音順の最後の予測単語の全予測単語における語順を算出する最後単語順算出部と、
前記予測単語格納部が格納している予測単語のうち、少なくとも、前記最先単語順算出部が算出した語順から、前記最後単語順算出部が算出した語順までの間に含まれる予測単語が選択され得るよう、五十音の特定の行、あるいは、五十音の特定の仮名の入力を指標する複数の選択領域からなる、前記入力単語の読み仮名のn+1文字目を入力するためのユーザインターフェース、あるいは、前記選択され得る予測単語のリストからなるユーザインターフェースを生成するユーザインターフェース生成部と、
前記ユーザインターフェース生成部が生成したインターフェースが前記タッチスクリーンに表示されるよう出力するユーザインターフェース出力部と
を備える文字入力支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−48743(P2011−48743A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198129(P2009−198129)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】