説明

文書作成装置および文書作成方法

【課題】文章テンプレートを柔軟に作成、編集することができる文書作成装置および文書作成方法を提供する。
【解決手段】テンプレート作成手段11は、文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付ける。また、文書作成手段12による文書テンプレートの表示方法に、指定された表示態様が反映される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書テンプレートへの入力操作を受け付けることにより文書の作成を支援する文書作成装置および文書作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる検査レポート等の医療用検査報告文書を端末装置で作成する場合、予め保存されているテンプレートに文字等を入力して文書を作成する方法が用いられている。このような方法によれば、文書すべてをキーボード等によって入力するのに比較して、文書を効率的に作成することが可能となる。
【特許文献1】特開平11−306170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療用検査報告文書に用いられる文章内の選択項目、入力項目あるいはそれらの項目を用いて作成される文章は画一的でなく、医療システムが変われば要求される項目や完成された文章の形式が異なる。また、検査の種類に応じて、文章の形式を変えたいなどの要求もある。
【0004】
しかし、従来のシステムでは、文書テンプレートの表示方法や最終的な文書への変換などの手順はプログラムで規定されており、項目や文章形式に応じて個々にプログラムを作り直す必要がある。また、システム稼動後に変更が必要となる場合にもプログラムの再作成を余儀なくされ、柔軟な対応ができない。
【0005】
本発明の目的は、文章テンプレートを柔軟に作成、編集することができる文書作成装置および文書作成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の文書作成装置は、文書テンプレートへの入力操作を受け付けることにより文書の作成を支援する文書作成装置において、文書テンプレートを作成するための操作を受け付けるテンプレート作成手段と、前記テンプレート作成手段を介して作成された前記文書テンプレートを表示するとともに、当該文書テンプレートへの入力操作による文書の作成を受け付ける文書作成手段と、を備え、前記テンプレート作成手段は、前記文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、前記文書作成手段による前記文書テンプレートの表示方法に、指定された前記表示態様が反映されることを特徴とする。
この文書作成装置によれば、テンプレート作成手段は、文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、文書作成手段による文書テンプレートの表示方法に、指定された上記表示態様が反映されるため、文章テンプレートを柔軟に作成、編集することができる。
【0007】
前記表示態様として、入力された前記パーツとしての文字列に応じて付加される接頭語または接尾語の定義が含まれてもよい。
【0008】
前記表示態様として、複数の前記パーツ間の関連性の定義が含まれてもよい。
【0009】
前記表示態様として、入力された前記パーツとしての文字列に応じて、当該文字列と他のパーツとして入力された文字列との前後関係の定義が含まれてもよい。
【0010】
前記表示態様として、入力された前記パーツとしての文字列に応じて、当該文字列と他のパーツとして入力された文字列との従属関係の定義が含まれてもよい。
【0011】
前記文書は、医療用検査報告文書であってもよい。
【0012】
本発明の文書作成方法は、文書テンプレートへの入力操作を受け付けることにより文書の作成を支援する文書作成方法において、文書テンプレートを作成するための操作を受け付けるステップと、前記テンプレート作成するための操作を受け付けるステップを介して作成された前記文書テンプレートを表示するとともに、当該文書テンプレートへの入力操作による文書の作成を受け付けるステップと、を備え、前記文書テンプレートを作成するための操作を受け付けるステップでは、前記文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、前記文書の作成を受け付けるステップにおける前記文書テンプレートの表示方法に、指定された前記表示態様が反映されることを特徴とする。
この文書作成方法によれば、文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、文書作成時における文書テンプレートの表示方法に、指定された上記表示態様が反映されるため、文章テンプレートを柔軟に作成、編集することができる。
【0013】
前記文書は、医療用検査報告文書であってもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の文書作成装置によれば、テンプレート作成手段は、文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、文書作成手段による文書テンプレートの表示方法に、指定された上記表示態様が反映されるため、文章テンプレートを柔軟に作成、編集することができる。
【0015】
本発明の文書作成方法によれば、文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、文書作成時における文書テンプレートの表示方法に、指定された上記表示態様が反映されるため、文章テンプレートを柔軟に作成、編集することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図1〜図5を参照して、本発明による文書作成装置の一実施形態について説明する。本実施形態の文書作成装置は、医療用検査報告文書を作成するための装置である。
【0017】
図1は、本実施形態の文書作成装置の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、本実施形態の文書作成装置1は、文書テンプレートを作成するための操作を受け付けるテンプレート作成手段11と、テンプレート作成手段11を介して作成された文書テンプレートを表示するとともに、当該文書テンプレートへの入力操作による文書の作成を受け付ける文書作成手段12と、テンプレート作成手段11で作成された文書テンプレートを格納するテンプレート保存部13と、を備える。
【0019】
図2は、テンプレート作成手段11の動作手順を示すフローチャートである。
【0020】
図2のステップS1では、ユーザの操作によって指定されたテンプレート名を取得する。
【0021】
次に、ステップS2では、指定されたテンプレート名のテンプレート画面をテンプレート保存部13から読み込み、表示画面2上に表示する。また、予め登録してあるパーツリストを表示画面上2に表示する。図3はテンプレート画面を例示する図、図4はパーツリストを例示する図である。
【0022】
次に、ステップS3では、表示画面4上でのユーザの操作に従って、パーツをテンプレート画面上に配置する。ここでは、ユーザは、パーツリスト(図4)から必要なパーツを選択し、そのパーツに対してドラッグ&ドロップなどの操作を行うことにより、テンプレート画面(図3)上に配置することができる。
【0023】
例えば、図4では、パーツとしてパーツリストから「チェックボックス」のボタン41Aを操作する様子が示されており、「チェックボックス」を配置する操作を行うことで、図3に示すようにテンプレート画面にチェックボックス41が配置される。同様に、パーツリストから「一般入力」のボタン42A(図4)を操作することにより、図3に示すようにテンプレート画面に入力欄42が配置される。
【0024】
次に、ステップS4では、ステップS3で配置されたパーツについて、そのプロパティをユーザの操作に従って設定する。
【0025】
パーツのプロパティには以下の表示形式が含まれる。
(1)パーツの表示位置
(2)パーツの表示サイズ
(3)パーツの表示フォント
(4)「コンボボックス」等のパーツに対応する候補リスト
(5)表示条件。例えば、文書作成に際して、文書テンプレートへの入力操作を行った場合に、チェックボックスにより所定の項目が選択された場合に限り、次のチェックボックスが追加表示されるなどの表示条件が含まれる。
【0026】
次に、ステップS5では、ユーザの操作に従って、文書ルールを作成する。
【0027】
ここでは、ステップS3で配置されたパーツとの関連で、文書の作成方法が定義される。例えば、文書作成に際して、ステップS3で配置されたパーツに対する入力操作、あるいは当該パーツへの入力操作を行った場合、その入力された情報や、その情報に付加する文字列などを用いて、どのような文章にまとめるのかが定義される。
【0028】
具体的には、
(1)ステップS3で配置されたパーツに入力され、あるいは当該パーツにおいて選択された文字列に応じて付加される接頭語や接尾語を定義できる。例えば、当該パーツに入力された文字列の内容や品詞に応じた適切な接頭語や接尾語を指定できる。
(2)ステップS3で配置されたパーツに入力され、あるいは当該パーツにおいて選択された文字列と、他のパーツにおいて入力され、あるいは選択された文字列との前後関係を定義できる。例えば、ステップS3で配置されたパーツに数値が入力された場合には、その前には特定のデータ名やデータ名を選択するための「コンボボックス」を表示させるとともに、入力された数値の後には特定の単位や単位を選択するための「コンボボックス」を表示させる旨を指定できる。
(3)ステップS3で配置されたパーツと、他のパーツ間の従属関係を定義できる。例えば、ステップS3で配置されたパーツに入力され、あるいは当該パーツにおいて選択された文字列が特定の文字列であった場合に限り、その文字列の下位にある文字列をさらに入力、あるいは選択できるように設計できる。
【0029】
次に、ステップS6では、ユーザの操作に従って、パーツの追加が要求されているか否か判断し、判断が肯定されればステップS3へ戻り、判断が否定されればステップS7へ進む。
【0030】
ステップS7では、パーツの削除が要求されているか否か判断し、判断が肯定されればステップS8へ進み、判断が否定されればステップS9へ進む。ステップS8では、ユーザの操作に応じて、指定されたパーツを文書テンプレートから削除し、ステップS6へ戻る。
【0031】
ステップS9では、パーツのプロパティあるいは文書ルールの変更が要求されているか否か判断し、判断が肯定されればステップS4へ戻り、判断が否定されればステップS10へ進む。
【0032】
ステップS10では、作成された文書テンプレートをテンプレート保存部13へ保存し、処理を終了する。
【0033】
図5は、文書作成手段12により文書の作成を受け付ける際に、表示画面4に表示される報告書登録画面を例示する図である。
【0034】
文書作成手段12による文書作成を行う場合、ユーザはテンプレート名を指定するなどして、テンプレート保存部13に保存された文書テンプレートの中から所望の文書テンプレートを選択する。図5に示すように、報告書登録画面には、選択された文書テンプレートの表示領域45があり、表示領域45の文書テンプレートのパーツに文字列を入力し、あるいは選択操作を施すことで、文書を効率的に作成することができる。領域46は、報告書の書誌的事項を入力するための領域であり、書誌的事項が報告書に含まれる。報告書の作成が終了すると、報告書がファイルとして出力、登録される。
【0035】
表示領域45の表示には、文書テンプレート作成時に指定したパーツのプロパティ(図2のステップS4)や文書ルール(図2のステップS5)が反映される。
【0036】
例えば、「肝上葉部に10mm径の血腫を認める」という文章を作成する場合に、<肝上葉部>に<10>mm径の<血腫>を認める」というように、「<>」で示す部分を入力あるいは選択することにより、他の文字列が自動的に表示され、文書全体が作成される。
【0037】
また、例えば、患部を入力したい場合に、大まかな部位(例えば、「頭部」)をパーツで選択すると、「頭部」に属する詳細部位を選択するための「コンボボックス」や「チェックボックス」が表示され、詳細な部位を選択する操作により文書作成を行える。この場合、文書テンプレートの作成時に、大まかな部位と詳細部位との従属関係を指定しておけばよい。
【0038】
一旦、テンプレート保存部13に格納された文書テンプレートは、テンプレート作成手段11によって自由に編集することができ、テンプレート保存部13に追加保存、あるいは上書き保存できる。これにより、文書テンプレートの細かい変更要求に対し、即座に対応可能となる。また、検査の種類ごとに少しずつ異なる文書テンプレートを効率的に作成することも可能となる。
【0039】
なお、文書作成装置1の販売時に、テンプレート保存部13に予め標準的な文書テンプレートを格納しておくことで、ユーザはその文書テンプレートをそのまま利用し、あるいはカスタマイズして利用できるため、ユーザの作業負担をより軽減できる。
【0040】
以上のように、本実施形態の文書作成装置によれば、テンプレート作成手段11は、文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定(図2のステップS4およびステップS5)を受け付ける。また、文書作成手段12による文書テンプレートの表示方法に、指定された表示態様が反映される。このように、ユーザにより文書テンプレートを作成することができるため、ユーザの事情に応じた形式の文書を容易に作成可能となるとともに、文書テンプレートを容易にカスタマイズすることができる。
【0041】
以上説明したように、本発明の文書作成装置によれば、テンプレート作成手段は、文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、文書作成手段による文書テンプレートの表示方法に、指定された上記表示態様が反映されるため、文章テンプレートを柔軟に作成、編集することができる。
【0042】
本発明の適用範囲は上記実施形態に限定されることはない。本発明は、文書テンプレートへの入力操作を受け付けることにより文書の作成を支援する文書作成装置および文書作成方法に対し、広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】一実施形態の文書作成装置の構成を示すブロック図。
【図2】テンプレート作成手段の動作手順を示すフローチャート。
【図3】テンプレート画面を例示する図。
【図4】パーツリストを例示する図。
【図5】報告書登録画面を例示する図。
【符号の説明】
【0044】
1 文書作成装置
11 テンプレート作成手段
12 文書作成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書テンプレートへの入力操作を受け付けることにより文書の作成を支援する文書作成装置において、
文書テンプレートを作成するための操作を受け付けるテンプレート作成手段と、
前記テンプレート作成手段を介して作成された前記文書テンプレートを表示するとともに、当該文書テンプレートへの入力操作による文書の作成を受け付ける文書作成手段と、
を備え、
前記テンプレート作成手段は、前記文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、
前記文書作成手段による前記文書テンプレートの表示方法に、指定された前記表示態様が反映されることを特徴とする文書作成装置。
【請求項2】
前記表示態様として、入力された前記パーツとしての文字列に応じて付加される接頭語または接尾語の定義が含まれることを特徴とする請求項1に記載の文書作成装置。
【請求項3】
前記表示態様として、複数の前記パーツ間の関連性の定義が含まれることを特徴とする請求項1に記載の文書作成装置。
【請求項4】
前記表示態様として、入力された前記パーツとしての文字列に応じて、当該文字列と他のパーツとして入力された文字列との前後関係の定義が含まれることを特徴とする請求項3に記載の文書作成装置。
【請求項5】
前記表示態様として、入力された前記パーツとしての文字列に応じて、当該文字列と他のパーツとして入力された文字列との従属関係の定義が含まれることを特徴とする請求項3に記載の文書作成装置。
【請求項6】
前記文書は、医療用検査報告文書であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の文書作成装置。
【請求項7】
文書テンプレートへの入力操作を受け付けることにより文書の作成を支援する文書作成方法において、
文書テンプレートを作成するための操作を受け付けるステップと、
前記テンプレート作成するための操作を受け付けるステップを介して作成された前記文書テンプレートを表示するとともに、当該文書テンプレートへの入力操作による文書の作成を受け付けるステップと、
を備え、
前記文書テンプレートを作成するための操作を受け付けるステップでは、前記文書テンプレートを構成するパーツの入力を受け付けるとともに、当該パーツの性質に応じた表示態様の指定を受け付け、
前記文書の作成を受け付けるステップにおける前記文書テンプレートの表示方法に、指定された前記表示態様が反映されることを特徴とする文書作成方法。
【請求項8】
前記文書は、医療用検査報告文書であることを特徴とする請求項6に記載の文書作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−175994(P2009−175994A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−13244(P2008−13244)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】