説明

文書管理装置、文書管理方法およびプログラム

【課題】削除された電子文書用の記憶領域を必要とせず、削除された電子文書を記憶領域に移動せず、削除状態の電子文書を閲覧可能な者を制限可能な文書管理装置を提供する。
【解決手段】電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶して電子文書を削除状態に設定し、削除情報を削除して電子文書を復元する文書管理装置は、電子文書と識別情報とを記憶する記憶手段と、端末と通信する通信手段と、通信手段が電子文書の削除要求と削除要求の入力者を示す削除者情報を受信すると、削除情報と削除者情報を識別情報に関連づけて記憶手段に記憶して電子文書を削除状態に設定する設定手段と、通信手段が電子文書の表示要求と表示要求の入力者を示す利用者情報を受信すると、利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が記憶手段内にある場合に、削除状態の電子文書を端末に送信する制御手段と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置、文書管理方法およびプログラムに関し、特には、電子文書の誤削除を防止可能な文書管理装置、文書管理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書管理システムにおける電子文書の誤削除を防止する機能としては、削除された電子文書を特定の記憶領域(ごみ箱)に移動する、いわゆる、ゴミ箱機能が一般的である。ごみ箱機能では、ごみ箱内の電子文書を拾い出すことによって、電子文書が復元される。
【0003】
なお、ごみ箱機能では、削除された電子文書を記憶するための記憶領域(ごみ箱)を設ける必要があり、また、削除された電子文書を、ゴミ箱として機能する記憶領域に移動する作業が必要であるという問題点があった。
【0004】
特許文献1には、上記問題点を解決可能な削除フラグ機能が記載されている。削除フラグ機能では、削除が要求された電子文書の実体を削除せずに、削除が要求された電子文書に削除フラグが設定されることにより電子文書が削除状態となる。削除フラグ機能では、削除フラグを取り消すことによって、削除状態の電子文書が復元される。
【0005】
このため、削除フラグ機能では、削除された電子文書を記憶するための記憶領域(ごみ箱)を設ける必要がなく、また、削除された電子文書をゴミ箱として機能する記憶領域に移動する作業も不要になる。
【0006】
なお、特許文献1に記載の削除フラグ機能では、削除フラグが設定された電子文書が、全ての利用者に表示され、また、削除を要求した利用者の機器のログアウトに応じて、削除フラグが設定された電子文書の実体が削除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3041801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ごみ箱機能では、削除された電子文書を記憶するための記憶領域(ごみ箱)を設ける必要があり、また、削除された電子文書をゴミ箱として機能する記憶領域に移動する作業が必要であるという課題があった。
【0009】
また、特許文献1に記載の削除フラグ機能では、削除フラグが設定された電子文書が、全ての利用者に表示され、また、削除を要求した利用者の機器のログアウトに応じて、削除フラグが設定された電子文書の実体が削除される。
【0010】
このため、削除を要求した利用者の機器がログアウトするまで、削除を要求した利用者以外の利用者も、削除フラグが設定された電子文書を閲覧することが可能となる。
【0011】
この場合、例えば、利用者Aのみが閲覧すべき電子文書Fが誤って文書管理システムに登録されている状況で、利用者Aが電子文書Fを削除しても、利用者Aの機器がログアウトするまで、電子文書Fが、他の利用者に閲覧されてしまうという問題が生じる。この問題は、削除が要求された電子文書を閲覧可能な利用者が制限されていないという課題から生じる。
【0012】
本発明の目的は、上記課題を解決可能な文書管理装置、文書管理方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の文書管理装置は、電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定し、前記削除情報を削除することにより前記電子文書を復元する文書管理装置であって、
前記電子文書と、前記識別情報と、を記憶する記憶手段と、
端末と通信する通信手段と、
前記通信手段が、前記端末から、前記電子文書の削除要求と、当該削除要求の入力者を示す削除者情報と、を受信すると、前記削除情報と前記削除者情報とを前記識別情報に関連づけて前記記憶手段に記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定する設定手段と、
前記通信手段が、前記端末から、前記電子文書の表示要求と、当該表示要求の入力者を示す利用者情報と、を受信すると、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該削除者情報が前記記憶手段内にある場合に、当該削除者情報が関連づけられた識別情報にて識別される削除状態の電子文書を前記端末に送信する制御手段と、を含む。
【0014】
本発明の文書管理方法は、電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定し、前記削除情報を削除することにより前記電子文書を復元する文書管理装置での文書管理方法であって、
前記電子文書と、前記識別情報と、を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記端末から、前記電子文書の削除要求と、当該削除要求の入力者を示す削除者情報と、を受信すると、前記削除情報と前記削除者情報とを前記識別情報に関連づけて前記記憶手段に記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定する設定ステップと、
前記端末から、前記電子文書の表示要求と、当該表示要求の入力者を示す利用者情報と、を受信すると、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該削除者情報が前記記憶手段内にある場合に、当該削除者情報が関連づけられた識別情報にて識別される削除状態の電子文書を前記端末に送信する制御ステップと、を含む。
【0015】
本発明のプログラムは、電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定し、前記削除情報を削除することにより前記電子文書を復元するコンピュータに、
前記電子文書と、前記識別情報と、を記憶手段に記憶する記憶手順と、
前記端末から、前記電子文書の削除要求と、当該削除要求の入力者を示す削除者情報と、を受信すると、前記削除情報と前記削除者情報とを前記識別情報に関連づけて前記記憶手段に記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定する設定手順と、
前記端末から、前記電子文書の表示要求と、当該表示要求の入力者を示す利用者情報と、を受信すると、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該削除者情報が前記記憶手段内にある場合に、当該削除者情報が関連づけられた識別情報にて識別される削除状態の電子文書を前記端末に送信する制御手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、削除された電子文書を記憶するための特定の記憶領域を設ける必要がなく、また、削除された電子文書を特定の記憶領域に移動する作業も不要となり、かつ、削除状態の電子文書を閲覧可能な利用者を制限することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態の文書管理装置を示したブロック図である。
【図2】記憶部21内の文書属性管理情報の遷移を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の一実施形態の文書管理装置について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、文書管理システムを示したブロック図である。図1において、文書管理システムは、クライアント端末1と、サーバ端末2と、を含む。
【0020】
クライアント端末1は、一般的に端末と呼ぶことができる。クライアント端末1は、入力部11と、要求送信部12と、表示処理部13と、を含む。
【0021】
サーバ端末2は、一般的に文書管理装置と呼ぶことができる。サーバ端末2は、記憶部21と、処理受付部22と、文書削除属性設定部(以下「設定部」と称する)23と、表示データ生成部(以下「生成部」と称する)24と、文書復元部(以下「復元部」と称する)25と、文書実体削除部(以下「削除部」と称する)26と、削除文書一覧表示制御部(以下「削除文書制御部」と称する)27と、を含む。
【0022】
サーバ端末2は、クライアント端末1と通信可能である。なお、図1では、クライアント端末1の数を1としているが、クライアント端末1の数は2以上の整数でもよい。
【0023】
まず、クライアント端末1について説明する。
【0024】
クライアント端末1は、複数の利用者にて共用される、または、個人所有として利用される。本実施形態では、クライアント端末1は、利用者A、利用者Bおよび利用者Cにて利用される。
【0025】
入力部11は、例えば、キーボードであり、利用者にて入力された要求を受け付ける。なお、入力部11は、キーボードに限らず適宜変更可能である。
【0026】
本実施形態では、入力部11が受け付ける要求は、ログイン要求と、電子文書の削除要求と、文書一覧表示要求と、削除文書一覧表示要求と、電子文書の復元要求と、文書実体削除要求と、のいずれかである。
【0027】
ログイン要求には、利用者を示す利用者情報が示されている。電子文書の削除要求は、削除が要求された文書名を含む。電子文書の復元要求は、復元が要求された文書名を含む。文書実体削除要求は、実体の削除が要求された文書名を含む。
【0028】
文書名は、一般的に、電子文書の識別情報と呼ぶことができる。文書一覧表示要求は、一般的に、電子文書の表示要求と呼ぶことができる。電子文書の復元要求は、一般的に、削除状態の電子文書の復元要求と呼ぶことができる。文書実体削除要求は、一般的に、削除状態の電子文書の実体削除要求と呼ぶことができる。削除文書一覧表示要求は、一般的に、削除状態の電子文書の表示要求と呼ぶことができる。
【0029】
入力部11は、利用者から要求を受け付けると、その要求を要求送信部12に提供する。
【0030】
要求送信部12は、入力部11から提供された要求を、サーバ端末2に送信する。
【0031】
表示処理部13は、要求送信部12から送信された要求に応じてサーバ端末2が送信した情報を受信し、その情報を表示する。
【0032】
続いて、サーバ端末2について説明する。
【0033】
サーバ端末2は、電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶することにより、その電子文書を削除状態に設定し、また、その削除情報を削除することにより、その電子文書を復元する。
【0034】
記憶部21は、一般的に記憶手段と呼ぶことができる。
【0035】
記憶部21は、文書実体ファイル記憶部(以下、単に「記憶部」と称する)21aと、文書属性管理情報記憶部(以下、単に「記憶部」と称する)21bと、参照可能利用者情報記憶部(以下、単に「記憶部」と称する)21cと、を含む。
【0036】
記憶部21aは、電子文書(以下「文書実体ファイル」と称する)を記憶する。なお、初期状態では、記憶部21a内に文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルが存在するとする。
【0037】
記憶部21bは、文書実体ファイルの識別情報等を含む文書属性管理情報を記憶する。本実施形態では、文書実体ファイルの識別情報として、文書実体ファイルの文書名(以下、単に「文書名」と称する)が用いられる。
【0038】
図2は、文書属性管理情報の一例を示した図である。
【0039】
図2において、文書属性管理情報では、文書実体ファイルごとに、文書名の欄2aと、削除状態情報の欄2bと、削除者情報の欄2cと、その他の属性(登録日時など)の欄2dと、が互いに関連づけられている。
【0040】
文書名の欄2aには、文書実体ファイルの文書名が記憶される。
【0041】
削除状態情報の欄2bには、文書実体ファイルが削除状態に設定されているか否かを表す情報が記憶される。本実施形態では、文書実体ファイルが削除状態に設定されている場合には、削除状態情報の欄2bには“削除”が記憶され、文書実体ファイルが削除状態に設定されていない場合には、削除状態情報の欄2bには“表示”が記憶される。なお、削除状態情報の欄2b内の“削除”は、一般的に削除情報と呼ぶことができる。
【0042】
削除者情報の欄2cには、文書実体ファイルを削除状態に設定した削除者を示す削除者情報が記憶される。
【0043】
初期状態では、図2(a)に示すとおり、文書A、文書Bおよび文書Cが登録されている(つまり、文書A、文書Bおよび文書Cが削除状態に設定されていない)とする。
【0044】
記憶部21cは、削除状態の文書実体ファイルを参照可能な参照者(以下、単に「参照者」と称する)を示す参照者情報を記憶する。初期状態では、利用者Cが参照者として登録されているとする。
【0045】
処理受付部22は、一般的に通信手段と呼ぶことができる。処理受付部22は、クライアント端末1内の要求送信部12から送信された要求を受信する。
【0046】
設定部23は、一般的に設定手段と呼ぶことができる。
【0047】
設定部23は、処理受付部22が、クライアント端末1から、ログイン要求を受信し、その後、電子文書の削除要求を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を、以下のように更新する。
【0048】
設定部23は、削除要求に示された文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2bに“削除”を設定し、その文書名に関連づけられた削除者情報の欄2cに、ログイン要求に示された利用者情報、つまり、削除者情報を設定する。
【0049】
本実施形態では、削除要求に示された文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2bに“削除”が設定され、その文書名に関連づけられた削除者情報の欄2cに、クライアント端末1からの削除者情報が設定されると、その文書名の文書実体ファイルは削除状態に設定されたことになる。
【0050】
生成部24は、一般的に制御手段と呼ぶことができる。
【0051】
生成部24は、処理受付部22が、クライアント端末1から、ログイン要求を受信した後、文書一覧表示要求を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を参照して、以下のような動作を実行する。
【0052】
生成部24は、ログイン要求に示された利用者情報が、記憶部21c内に参照者情報として記憶されているかを確認する。
【0053】
利用者情報が参照者情報として記憶されている場合には、生成部24は、削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書実体ファイルと、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書実体ファイルと、を記憶部21から読み出し、その文書実体ファイルを、文書一覧表示要求の送信元であるクライアント端末1に送信する。
【0054】
一方、利用者情報が参照者情報として記憶されていない場合には、生成部24は、削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書実体ファイルと、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書実体ファイルについては削除者情報の欄2cにその利用者情報が設定されている文書実体ファイルと、を記憶部21から読み出し、その文書実体ファイルを、文書一覧表示要求の送信元であるクライアント端末1に送信する。
【0055】
復元部25は、一般的に復元手段と呼ぶことができる。
【0056】
復元部25は、処理受付部22が、クライアント端末1から、ログイン要求を受信した後、電子文書の復元要求を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を、以下のように更新する。
【0057】
復元部25は、復元要求に示された文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2b内の“削除”を削除して、その欄2b内に“表示”を設定し、さらに、その文書名に対応する削除者情報の欄2cの「削除者情報」を削除することによって、復元要求に示された文書名の文書実体ファイルを復元する。
【0058】
本実施形態では、復元要求に示された文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2b内の“削除”が“表示”に設定され、その文書名に関連づけられた削除者情報の欄2c内の削除者情報が削除されると、その文書名の文書実体ファイルが復元されたことになる。
【0059】
削除部26は、一般的に削除手段と呼ぶことができる。
【0060】
削除部26は、処理受付部22が、クライアント端末1から、ログイン要求を受信した後、文書実体削除要求を受信すると、記憶部21内の情報を以下のように更新する。
【0061】
削除部26は、文書実体削除要求に示された文書名の文書実体ファイルを記憶部21aから削除し、かつ、記憶部21b内の文書属性管理情報から、その文書名と、その文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2b内の情報と、その文書名に関連づけられた削除者情報の欄2c内の情報と、その文書名に関連づけられたその他の属性の欄2d内の情報と、を削除する。
【0062】
削除文書制御部27は、一般的に削除文書制御手段と呼ぶことができる。
【0063】
削除文書制御部27は、処理受付部22が、クライアント端末1から、ログイン要求を受信した後、削除文書一覧表示要求を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を参照して、以下のような動作を実行する。
【0064】
削除文書制御部27は、ログイン要求に示された利用者情報が、記憶部21c内に参照者情報として記憶されているかを確認する。
【0065】
利用者情報が記憶部21c内に参照者情報として記憶されていると、削除文書制御部27は、削除状態情報の欄2b内に“削除”が設定されている全ての文書実体ファイルを記憶部21から読み出し、その文書実体ファイルを、削除文書一覧表示要求の送信元であるクライアント端末1に送信する。
【0066】
利用者情報が記憶部21c内に参照者情報として記憶されていないと、削除文書制御部27は、削除状態情報の欄2b内に“削除”が設定されている文書実体ファイルのうち、削除者情報の欄2c内に、その利用者情報が削除者情報として設定されている文書実体ファイルを記憶部21から読み出し、その文書実体ファイルを、削除文書一覧表示要求の送信元であるクライアント端末1に送信する。
【0067】
なお、サーバ端末2は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、コンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)のような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行することによって、記憶部21、処理受付部22、設定部23、生成部24、復元部25、削除部26、および、削除文書制御部27として機能する。なお、記録媒体は、CD−ROMに限らず適宜変更可能である。
【0068】
次に、動作を説明する。
【0069】
利用者Aは、クライアント端末1内の入力部11を操作してログイン要求を入力する。なお、このログイン要求には、利用者Aを示す利用者情報が含まれる。
【0070】
入力部11は、ログイン要求を受け付けると、そのログイン要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、ログイン要求を受け付けると、そのログイン要求を、サーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。なお、サーバ端末2は、初期状態(図2(a)で示した状態A)になっているとする。
【0071】
続いて、利用者Aは、入力部11を操作して、文書Bおよび文書Cに対する削除要求(以下「削除要求BC」)を入力する。入力部11は、削除要求BCを受け付けると、その削除要求BCを、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、削除要求BCを受け付けると、その削除要求BCを、サーバ端末2に送信する。
【0072】
サーバ端末2では、処理受付部22は、削除要求BCを受信すると、その削除要求BCを、ログイン要求に示された利用者Aを示す利用者情報(削除者情報)と共に、設定部23に提供する。
【0073】
設定部23は、削除要求BCを受け付けると、記憶部21b内の文書Bおよび文書Cの属性情報(削除状態情報および削除者情報)を、図2(b)で示した状態Bのように書き換える。
【0074】
記憶部21b内の文書Bおよび文書Cの属性情報が書き換えられると、生成部24は、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(b)の状態Bにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(b)の状態Bにおける削除者情報の欄2cに“利用者A”が設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0075】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書A、文書Bおよび文書C)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0076】
表示処理部13は、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。
【0077】
また、図2(b)の状態Bの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されていない利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Bを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0078】
続いて、利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その文書一覧表示要求を送信する。
【0079】
サーバ端末2では、処理受付部22は、文書一覧表示要求を受信すると、その文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Bを示す利用者情報と共に、生成部24に提供する。
【0080】
生成部24は、文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(b)の状態Bにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(b)の状態Bにおける削除者情報の欄2cに“利用者B”が設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0081】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書A)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0082】
表示処理部13は、文書Aの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書Aの文書実体ファイルを表示する。このため、利用者Aの場合と異なり、利用者Bの場合には、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルは表示されない。
【0083】
また、図2(b)の状態Bの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されている利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Cを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0084】
続いて、利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その文書一覧表示要求を送信する。
【0085】
サーバ端末2では、処理受付部22は、文書一覧表示要求を受信すると、その文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Cを示す利用者情報と共に、生成部24に提供する。
【0086】
生成部24は、文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(b)の状態Bにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(b)の状態Bにおける削除者情報の欄2c内の情報によらず全ての文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0087】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書A、文書Bおよび文書C)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0088】
表示処理部13は、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。このため、利用者Aの場合と同様に、利用者Cの場合には、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルが表示される。
【0089】
また、図2(b)の状態Bの時点で、利用者Aが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Aを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0090】
続いて、利用者Aが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、削除文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その削除文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、削除文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その削除文書一覧表示要求を送信する。
【0091】
サーバ端末2では、処理受付部22は、削除文書一覧表示要求を受信すると、その削除文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Aを示す利用者情報と共に、削除文書制御部27に提供する。
【0092】
削除文書制御部27は、削除文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(b)の状態Bにおける削除状態情報の欄2bに“削除”が設定され、かつ、図2(b)の状態Bにおける削除者情報の欄2cに利用者Aが設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0093】
削除文書制御部27は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書Bおよび文書C)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0094】
表示処理部13は、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。
【0095】
また、図2(b)の状態Bの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されていない利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Bを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0096】
続いて、利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、削除文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その削除文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、削除文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その削除文書一覧表示要求を送信する。
【0097】
サーバ端末2では、処理受付部22は、削除文書一覧表示要求を受信すると、その削除文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Bを示す利用者情報と共に、削除文書制御部27に提供する。
【0098】
削除文書制御部27は、削除文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(b)の状態Bにおける削除状態情報の欄2bに“削除”が設定され、かつ、図2(b)の状態Bにおける削除者情報の欄2cに利用者Bが設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。この場合、該当する文書実体ファイルはない。
【0099】
削除文書制御部27は、該当する文書実体ファイルがないと、該当文書無しという内容を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0100】
表示処理部13は、該当文書無しという内容を示した表示情報を受信すると、該当文書無しという内容を表示する。
【0101】
このため、利用者Bの場合、利用者Aが削除した文書Bおよび文書Cは表示されない。
【0102】
また、図2(b)の状態Bの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されている利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Cを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0103】
続いて、利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、削除文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その削除文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、削除文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その削除文書一覧表示要求を送信する。
【0104】
サーバ端末2では、処理受付部22は、削除文書一覧表示要求を受信すると、その削除文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Cを示す利用者情報と共に、削除文書制御部27に提供する。
【0105】
削除文書制御部27は、削除文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(b)の状態Bにおける削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている全ての文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0106】
削除文書制御部27は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書Bおよび文書C)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0107】
表示処理部13は、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。このため、利用者Cの場合、利用者Aが削除した文書Bおよび文書Cも表示される。
【0108】
次に、図2(b)の状態Bの時点で、利用者Aが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Aを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0109】
続いて、利用者Aが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書Bに対する復元要求(以下「復元要求B」と称する)を入力すると、入力部11は、その復元要求Bを、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、復元要求Bを受け付けると、サーバ端末2に対して、その復元要求Bを送信する。
【0110】
サーバ端末2では、処理受付部22は、復元要求Bを受信すると、その復元要求Bを、ログイン要求に示された利用者Aを示す利用者情報と共に、復元部25に提供する。
【0111】
復元部25は、復元要求Bを受け付けると、記憶部21b内の文書Bの属性情報(削除状態情報および削除者情報)を、図2(c)で示した状態Cのように書き換える。
【0112】
記憶部21b内の文書Bの属性情報が書き換えられると、生成部24は、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(c)の状態Cにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(c)の状態Cにおける削除者情報の欄2cに“利用者A”が設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0113】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書A、文書Bおよび文書C)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0114】
表示処理部13は、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。
【0115】
また、図2(c)の状態Cの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されていない利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Bを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0116】
続いて、利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その文書一覧表示要求を送信する。
【0117】
サーバ端末2では、処理受付部22は、文書一覧表示要求を受信すると、その文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Bを示す利用者情報と共に、生成部24に提供する。
【0118】
生成部24は、文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(c)の状態Cにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(c)の状態Cにおける削除者情報の欄2cに“利用者B”が設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0119】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書Aおよび文書B)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0120】
表示処理部13は、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。このため、利用者Aが復元した文書Bの文書実体ファイルは表示され、利用者Aが削除した文書Cの文書実体ファイルは表示されない。
【0121】
また、図2(c)の状態Cの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されている利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Cを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0122】
続いて、利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その文書一覧表示要求を送信する。
【0123】
サーバ端末2では、処理受付部22は、文書一覧表示要求を受信すると、その文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Cを示す利用者情報と共に、生成部24に提供する。
【0124】
生成部24は、文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(c)の状態Cにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(c)の状態Cにおける削除者情報の欄2c内の情報によらず全ての文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0125】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書A、文書Bおよび文書C)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0126】
表示処理部13は、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書A、文書Bおよび文書Cのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。このため、利用者Aが削除した文書Cの文書実体ファイルも表示される。
【0127】
次に、図2(c)の状態Cの時点で、利用者Aが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Aを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0128】
続いて、利用者Aが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書Cに対する文書実体削除要求(以下「文書実体削除要求C」と称する)を入力すると、入力部11は、その文書実体削除要求Cを、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、文書実体削除要求Cを受け付けると、サーバ端末2に対して、その文書実体削除要求Cを送信する。
【0129】
サーバ端末2では、処理受付部22は、文書実体削除要求Cを受信すると、その文書実体削除要求Cを、ログイン要求に示された利用者Aを示す利用者情報と共に、削除部26に提供する。
【0130】
削除部26は、文書実体削除要求Cを受け付けると、記憶部21b内の文書Cの属性情報(文書名、削除状態情報および削除者情報)を、図2(d)で示した状態Dのように書き換える。
【0131】
記憶部21b内の文書Cの属性情報が書き換えられると、生成部24は、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(d)の状態Dにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、及び、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(d)の状態Dにおける削除者情報の欄2cに“利用者A”が設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0132】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書Aおよび文書B)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0133】
表示処理部13は、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。
【0134】
また、図2(d)の状態Dの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されていない利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Bを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0135】
続いて、利用者Bが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その文書一覧表示要求を送信する。
【0136】
サーバ端末2では、処理受付部22は、文書一覧表示要求を受信すると、その文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Bを示す利用者情報と共に、生成部24に提供する。
【0137】
生成部24は、文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(d)の状態Dにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(d)の状態Dにおける削除者情報の欄2cに“利用者B”が設定されている文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0138】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書Aおよび文書B)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0139】
表示処理部13は、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。このため、利用者Aが実体を削除した文書Cの文書実体ファイルは表示されない。
【0140】
また、図2(d)の状態Dの時点で、記憶部21c内に参照者として登録されている利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、ログイン要求を入力すると、クライアント端末1は、利用者Bを示す利用者情報が含まれるログイン要求をサーバ端末2に送信して、サーバ端末2にログインする。
【0141】
続いて、利用者Cが、クライアント端末1内の入力部11を操作して、文書一覧表示要求を入力すると、入力部11は、その文書一覧表示要求を、要求送信部12に提供する。要求送信部12は、文書一覧表示要求を受け付けると、サーバ端末2に対して、その文書一覧表示要求を送信する。
【0142】
サーバ端末2では、処理受付部22は、文書一覧表示要求を受信すると、その文書一覧表示要求を、ログイン要求に示された利用者Cを示す利用者情報と共に、生成部24に提供する。
【0143】
生成部24は、文書一覧表示要求を受け付けると、記憶部21bに登録されている文書のうち、図2(c)の状態Cにおける削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書の文書実体ファイル、および、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書については図2(c)の状態Cにおける削除者情報の欄2c内の情報によらず全ての文書の文書実体ファイルを抽出する。
【0144】
生成部24は、文書実体ファイルを抽出すると、その文書実体ファイル(文書Aおよび文書B)を示した表示情報を、クライアント端末1内の表示処理部13に送信する。
【0145】
表示処理部13は、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを示した表示情報を受信すると、文書Aおよび文書Bのそれぞれの文書実体ファイルを表示する。このため、利用者Aが実体を削除した文書Cの文書実体ファイルは表示されない。
【0146】
本実施形態によれば、設定部23は、処理受付部22が、クライアント端末1から、電子文書の削除要求と、その削除要求の入力者を示す削除者情報(ログイン要求に含まれる利用者情報)と、を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を、以下のように更新する。
【0147】
設定部23は、削除要求に示された文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2bに“削除”を設定し、その文書名に関連づけられた削除者情報の欄2cに、ログイン要求に示された利用者情報、つまり、削除者情報を設定して、その文書名の電子文書を削除状態に設定する。
【0148】
このため、いわゆるゴミ箱機能で必要となる記憶領域(ゴミ箱として機能する記憶領域)を必要とせず、また、削除された電子文書を特定の記憶領域に移動する作業も不要とすることが可能になる。このため、サーバ端末2の負荷を低くすることが可能になる。
【0149】
また、生成部24は、処理受付部22が、文書一覧表示要求と、その文書一覧表示要求の入力者を示す利用者情報(ログイン要求に含まれる利用者情報)と、を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を参照して、以下のような動作を実行する。
【0150】
生成部24は、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書実体ファイルについては、削除者情報の欄2cにログイン要求に示された利用者情報が設定されている文書実体ファイルを記憶部21から読み出し、その文書実体ファイルを、文書一覧表示要求の送信元であるクライアント端末1に送信する。
【0151】
このため、削除状態の電子文書を閲覧可能な利用者を制限することが可能になる。なお、この場合、記憶部21c内に参照者情報が記憶されなくてもよい。
【0152】
また、本実施形態では、記憶部21c内に参照者情報が記憶されている状況で、生成部24は、処理受付部22が、文書一覧表示要求と、その文書一覧表示要求の入力者を示す利用者情報(ログイン要求に含まれる利用者情報)と、を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を参照して、以下のような動作も実行する。
【0153】
生成部24は、ログイン要求に示された利用者情報が、記憶部21c内に参照者情報として記憶されているかを確認する。
【0154】
利用者情報が参照者情報として記憶されている場合には、生成部24は、削除状態情報の欄2bに“表示”が設定されている文書実体ファイルと、削除状態情報の欄2bに“削除”が設定されている文書実体ファイルと、を記憶部21から読み出し、その文書実体ファイルを、文書一覧表示要求の送信元であるクライアント端末1に送信する。
【0155】
このため、削除状態の電子文書は、削除者あるいは参照者でしか参照できず、削除状態の電子文書を閲覧可能な利用者を制限することが可能になる。
【0156】
また、本実施形態では、復元部25は、処理受付部22が、クライアント端末1から、削除状態の電子文書の復元要求を受信すると、復元要求に示された文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2b内の“削除”を削除して、その欄2b内に“表示”を設定し、さらに、その文書名に対応する削除者情報の欄2cの「削除者情報」を削除して、復元要求に示された文書名の文書実体ファイルを復元する。
【0157】
削除状態の電子文書は、削除者あるいは参照者でしか認識できないため、削除状態の電子文書の復元要求は、削除者あるいは参照者でしか入力できない。よって、削除状態の電子文書を復元できる利用者を限定することが可能になる。したがって、電子文書の不要な復元を防止することが可能になる。
【0158】
本実施形態では、削除部26は、処理受付部22が、クライアント端末1から、文書実体削除要求を受信すると、文書実体削除要求に示された文書名の文書実体ファイルを記憶部21aから削除し、かつ、記憶部21b内の文書属性管理情報から、その文書名と、その文書名に関連づけられた削除状態情報の欄2b内の情報と、その文書名に関連づけられた削除者情報の欄2c内の情報と、その文書名に関連づけられたその他の属性の欄2d内の情報と、を削除する。
【0159】
削除状態の電子文書は、削除者あるいは参照者でしか認識できないため、削除状態の電子文書の文書実体削除要求は、削除者あるいは参照者でしか入力できない。よって、削除状態の電子文書の本体ファイルを削除できる利用者を限定することが可能になる。したがって、電子文書の実体ファイルの不要な削除を防止することが可能になる。
【0160】
本実施形態では、削除文書制御部27は、処理受付部22が、クライアント端末1から、削除文書一覧表示要求と、その削除文書一覧表示要求の入力者を示す利用者情報(ログイン要求に含まれる利用者情報)と、を受信すると、記憶部21b内の文書属性管理情報を参照して、以下のような動作を実行する。
【0161】
削除文書制御部27は、ログイン要求に示された利用者情報が、記憶部21c内に参照者情報として記憶されているかを確認する。
【0162】
利用者情報が記憶部21c内に参照者情報として記憶されていないと、削除文書制御部27は、削除状態情報の欄2b内に“削除”が設定されている文書実体ファイルのうち、削除者情報の欄2c内に、その利用者情報が削除者情報として設定されている文書実体ファイルを記憶部21から読み出し、その文書実体ファイルを、削除文書一覧表示要求の送信元であるクライアント端末1に送信する。
【0163】
このため、利用者は、自らが削除状態にした文書を容易に認識することが可能になる。したがって、利用者は、自らが削除状態にした文書の文書実体ファイルの削除し忘れを防止することが可能になる。
【0164】
本実施形態によれば、電子文書の削除要求が受け付けられても、電子文書の文書実体ファイルは削除されず、また、文書実体ファイルの移動も実行されない。このため、サーバ端末2の負荷を低くすることが可能になる。
【0165】
その理由は、電子文書の文書実体ファイルを削除せずに、削除状態を属性として保持することで、削除状態か否かを制御するからである。
【0166】
また、本実施形態によれば、削除を実行した利用者および限定された利用者による電子文書の参照、文書実体ファイルの削除、および、電子文書の復元操作が可能である。また、利用者が削除した電子文書を一覧化して参照することも可能となる。
【0167】
その理由は、削除者と削除状態の電子文書を操作可能な者(参照者)を属性として保持することで、削除状態の電子文書への操作者を限定することが可能であり、削除状態と削除者との属性を保持することで、利用者ごとに、削除した文書の抽出が可能となるからである。
【0168】
なお、特許文献1に記載の削除フラグ機能では、削除を要求した利用者の機器のログアウトに応じて、削除フラグが設定された電子文書の実体が削除されるため、誤ったログアウトにより誤削除が発生する可能性があり、誤削除防止の効果が出ない場合がある。
【0169】
これに対して、本実施形態では、ログアウトに応じて削除状態の電子文書の文書実体ファイルは削除されないため、誤ったログアウトによる誤削除の発生を防止できる。
【0170】
また、特許文献1に記載の削除フラグ機能では、電子文書を削除した利用者がログアウトするまでの間は、電子文書を削除した利用者が、削除された電子文書を復元することは可能であるが、電子文書を削除した利用者が不在である場合には、例えば、誤って削除された電子文書を復元する手段が無い。
【0171】
これに対して、本実施形態では、記憶部21c内の参照者情報に示された参照者も、削除された電子文書を復元することができる。このため、電子文書を削除した利用者が不在であっても、例えば、誤って削除された電子文書を復元することが可能になる。
【0172】
以上説明した実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0173】
1 クライアント端末
11 入力部
12 要求送信部
13 表示処理部
2 サーバ端末
21 記憶部
21a 文書実体ファイル記憶部
21b 文書属性管理情報記憶部
21c 参照可能利用者情報記憶部
22 処理受付部
23 文書削除属性設定部
24 表示データ生成部
25 文書復元部
26 文書実体削除部
27 削除文書一覧表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定し、前記削除情報を削除することにより前記電子文書を復元する文書管理装置であって、
前記電子文書と、前記識別情報と、を記憶する記憶手段と、
端末と通信する通信手段と、
前記通信手段が、前記端末から、前記電子文書の削除要求と、当該削除要求の入力者を示す削除者情報と、を受信すると、前記削除情報と前記削除者情報とを前記識別情報に関連づけて前記記憶手段に記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定する設定手段と、
前記通信手段が、前記端末から、前記電子文書の表示要求と、当該表示要求の入力者を示す利用者情報と、を受信すると、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該削除者情報が前記記憶手段内にある場合に、当該削除者情報が関連づけられた識別情報にて識別される削除状態の電子文書を前記端末に送信する制御手段と、を含む文書管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文書管理装置において、
前記記憶手段は、前記削除状態の電子文書を参照可能な参照者を示す参照者情報を、さらに記憶し、
前記制御手段は、前記通信手段が前記端末から前記電子文書の表示要求と前記利用者情報とを受信すると、さらに、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す参照者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該参照者情報が前記記憶手段内にある場合に、前記記憶手段内の削除状態の電子文書を前記端末に送信する、文書管理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の文書管理装置において、
前記通信手段が、前記端末から、前記削除状態の電子文書の識別情報を含む復元要求を受信すると、当該識別情報と関連づけられた削除情報および削除者情報を前記記憶手段から削除することにより当該識別情報にて識別される削除状態の電子文書を復元する復元手段を、さらに含む文書管理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の文書管理装置において、
前記通信手段が、前記端末から、前記削除状態の電子文書の識別情報を含む実体削除要求を受信すると、当該識別情報にて識別される削除状態の電子文書と、当該識別情報と関連づけられた削除情報および削除者情報と、当該識別情報と、を前記記憶手段から削除する削除手段を、さらに含む文書管理装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の文書管理装置において、
前記通信手段が、前記端末から、前記削除状態の電子文書の表示要求と、当該表示要求の入力者を示す利用者情報と、を受信すると、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該削除者情報が前記記憶手段内にある場合に、当該削除者情報が関連づけられた識別情報にて識別される削除状態の電子文書のみを前記端末に送信する削除文書制御手段を、さらに含む文書管理装置。
【請求項6】
電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定し、前記削除情報を削除することにより前記電子文書を復元する文書管理装置での文書管理方法であって、
前記電子文書と、前記識別情報と、を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記端末から、前記電子文書の削除要求と、当該削除要求の入力者を示す削除者情報と、を受信すると、前記削除情報と前記削除者情報とを前記識別情報に関連づけて前記記憶手段に記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定する設定ステップと、
前記端末から、前記電子文書の表示要求と、当該表示要求の入力者を示す利用者情報と、を受信すると、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該削除者情報が前記記憶手段内にある場合に、当該削除者情報が関連づけられた識別情報にて識別される削除状態の電子文書を前記端末に送信する制御ステップと、を含む文書管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の文書管理方法において、
前記記憶ステップでは、前記削除状態の電子文書を参照可能な参照者を示す参照者情報を前記記憶手段にさらに記憶し、
前記制御ステップでは、前記端末から前記電子文書の表示要求と前記利用者情報とを受信すると、さらに、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す参照者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該参照者情報が前記記憶手段内にある場合に、前記記憶手段内の削除状態の電子文書を前記端末に送信する、文書管理方法。
【請求項8】
電子文書の識別情報に削除状態を示す削除情報を関連づけて記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定し、前記削除情報を削除することにより前記電子文書を復元するコンピュータに、
前記電子文書と、前記識別情報と、を記憶手段に記憶する記憶手順と、
前記端末から、前記電子文書の削除要求と、当該削除要求の入力者を示す削除者情報と、を受信すると、前記削除情報と前記削除者情報とを前記識別情報に関連づけて前記記憶手段に記憶することにより前記電子文書を削除状態に設定する設定手順と、
前記端末から、前記電子文書の表示要求と、当該表示要求の入力者を示す利用者情報と、を受信すると、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す削除者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該削除者情報が前記記憶手段内にある場合に、当該削除者情報が関連づけられた識別情報にて識別される削除状態の電子文書を前記端末に送信する制御手順と、を実行させるためのプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記記憶手順では、前記削除状態の電子文書を参照可能な参照者を示す参照者情報を前記記憶手段にさらに記憶し、
前記制御手順では、前記端末から前記電子文書の表示要求と前記利用者情報とを受信すると、さらに、当該利用者情報が示す入力者と同一の者を示す参照者情報が前記記憶手段内にあるかを確認し、当該参照者情報が前記記憶手段内にある場合に、前記記憶手段内の削除状態の電子文書を前記端末に送信する、プログラム。

【図1】
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【図2】
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