説明

文書開示方法、文書開示装置、および文書開示プログラム

【課題】 ウエブ上で文書を開示するにあたって、文書の重要度/業務に応じた開示設定、見せたくない部署への非開示設定等、登録者が開示/非開示をコントロールできる機能を有する文書開示システムを提供する。
【解決手段】
複数のユーザ端末とネットワークを介して接続する文書管理サーバの文書開示方法であって、対象とする文書の重要度区分が定義されたテーブルに基づいて、文書作成者が設定した開示先部門の設定情報を取得するステップと、その開示先の設定情報を文書の識別子等の属性情報とともにデータベースに蓄えるステップと、ユーザの閲覧要求に対し、蓄えたデータベースを参照しユーザの所属部門を判定するステップと、一致した時に、ユーザに要求文書をウエブ上で開示するステップとを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ウエブにおける文書類( 規格標準、様式、チェックシート等) の開示について、文書の重要度に応じた開示・非開示をコントロールするとともに、組織変更やユーザ移動に対してもその開示条件を継承出来る文書管理の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会社の組織体で作成された規格標準やチェックシート等の電子文書について、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークを介して、クライアント/サーバ間で文書の登録、閲覧を行う文書管理システムが日常的に行われている。
【0003】
また、インターネットの普及に伴い、サーバに登録された文書をウエブ(WebまたはWWW) 上に公開し、その公開文書を複数のクライアントがアクセスして自端末のブラウザソフトによって画面に表示させる技術が一般的となっている。
【0004】
一方、社内で作成される文書類は、その属性によって閲覧するユーザを制限する必要がある。ウエブによる文書閲覧において、ユーザの役職などの職位に応じて、文書全体を表示させたり、一部を伏せ字にしたりするなど、閲覧ユーザの属性で制限する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
しかしながら、これまでの文書管理システムによる文書情報の開示においては、
(1)文書情報の開示/非開示の指定がシステム化されていない。
(2)文書情報の開示/非開示部門の管理ならびに組織変更やユーザ移動などの更新作業がシステム化されておらず、組織変更のたびに開示先情報の確認と修正を人手で行っていた。また、定期棚卸しの実施を人手で行っていた。さらに、
(3)文書毎の開示・非開示情報や部門毎の開示・非開示などユーザ単位での検索が出来ない。
【0006】
等の問題を抱えていた。
【特許文献1】特開2002−312362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した問題を解決するため、本発明では、文書開示の条件として、登録する文書に重要度のランクを指定し、そのランクに応じて開示先を設定し、その文書のランクに応じて、部署毎(個別単位)に開示あるいは非開示できる機能を持たせた文書開示システムを提供する。
【0008】
また、社内人事情報システムと連携し、組織変更やユーザの異動情報を取り込み、開示条件を継承できる機能を持たせることを目的とする。
【0009】
すなわち、ウエブ上で文書を開示するにあたって、文書の重要度/業務に応じた開示設定、見せたくない部署への非開示設定等、文書作成者(登録者)が、開示/非開示のコントロールができる機能を持つ文書開示システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一の発明は、会社等組織体の複数のユーザ端末とネットワークを介して接続する文書管理サーバの文書開示方法であって、対象とする文書の重要度区分が定義された重要度定義テーブルに基づいて、文書作成者が設定した開示先部門の設定情報を取得する設定情報取得ステップと、前記開示先の設定情報を前記文書の識別子等属性情報とともに開示先テーブルとして記憶部に格納する格納ステップと、ユーザからの前記文書の閲覧要求に応じて、前記開示先テーブルを参照し、ユーザの所属部門が該当開示先部門か否かを判定する開示先判定ステップと、前記開示先判定ステップで所属部門と開示先部門とが一致した時に、前記部門ユーザに対し前記文書および属性情報をウエブ上で開示するウエブ開示ステップと、を有することを特徴とする文書開示方法に関する。
【0011】
すなわち、第一の発明によれば、設定情報取得手段が、ユーザ端末において、重要度区分としてランクが定義された重要度定義テーブルにしたがい、文書作成者(登録者)によって設定された当該文書の開示先部門の部門名、部門コード等の設定情報を取得し、格納手段が、取得した開示先の設定情報について、文書を特定する識別子を含む文書の属性情報とともに開示先テーブルとして記憶部に格納する。
【0012】
そして、開示先判定手段が、文書閲覧を要求するユーザの所属部門と開示先テーブルを参照して文書の開示先部門とを照合し、閲覧要求部門が文書開示先となっているかを判定し、判定の結果、一致していれば、ウエブ開示手段が、要求ユーザに対しウエブ上で文書を開示する。
【0013】
本発明によって、組織体の特定部門への開示先設定が可能となり、文書情報のセキュリティを向上させるとともに、文書単位で開示先が設定でき、必要とされる情報がタイムリーに提供できる。また、文書に応じてランクが設定でき開示先が容易にコントロールできることとなる。
【0014】
第二の発明は、前記設定情報取得ステップにおいて取得した文書作成者による前記開示先部門の設定は、重要度区分に対応して、少なくとも一つ以上の組織体の特定部門への開示あるいは非開示として設定されることを特徴とする上記第一の発明に記載の文書開示方法に関する。
【0015】
すなわち、第二の発明によれば、文書作成者は、重要度定義テーブルで定義された区分(ランク)にしたがって、文書の登録時に、少なくとも一つ以上の開示したい部門あるいは開示したくない部門について、ユーザ端末から画面入力、設定することによって、その開示先設定データが文書管理サーバに送信され、開示先テーブルとして記憶される。
【0016】
組織体の特定部門への開示先設定を文書作成部門にて設定でき、開示先をコントロールすることが可能となり、結果的に文書情報のセキュリティを向上させることとなる。
【0017】
第三の発明は、前記設定情報取得ステップにおいて取得した文書作成者による前記開示先部門の設定は、重要度区分に対応して、組織体の特定部門およびその下位部門全体への開示、あるいはその下位部門の一部を非開示として設定されることを特徴とする上記第一または第二の発明に記載の文書開示方法に関する。
【0018】
すなわち、第三の発明によれば、組織体の特定部門以下の部門全体を開示とする指定ができ、また、その下位部門について一部を非開示とするような設定が可能となる。本発明によって、部門全体が、例えば、部門コードによって指定でき、従来、部門の下部まで全部署に渡っていちいち手入力していた煩雑さが解消でき、効率化が図られる。また、開示先部門のグルーピングを行うことができ、かつ、グルーピングのデータを保存してパターン化しての再利用を可能とする。
【0019】
第四の発明は、組織体における部門名および部門コード等の部門情報は、組織変動を扱う組織体内の人事組織システムとネットワークを介して連動させ、所定周期で組織人事情報データベースから組織移動に関する部門情報を取り込み、最新に更新された部門情報であることを特徴とする上記第一乃至第三の発明に記載の文書開示方法に関する。
【0020】
すなわち、第四の発明によれば、組織体の人事情報システムとネットワークで連動させることによって、例えば、毎日一定時刻に、最新の組織における、部門名、部門コード等の部門情報を取り込むことができ、組織移動があっても、本文書開示システムのデータを継承させることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
上記した本発明によって以下の効果が生じる。
【0022】
文書作成者(登録者)が、登録の段階で、組織体の特定部門への開示先設定、また、文書単位での開示先設定が可能とすることで、作成部門でのコントロールが可能となり、技術情報のセキュリティを向上させ、情報をタイムリーに提供することができる。
【0023】
また、文書に応じて、重要度区分としてランクが設定でき、開示先を容易にコントロールでき、また、文書毎に開示先をグループ化して指定できるため、開示先の文書管理が容易となる。
【0024】
さらに、社内の人事組織システムとの連動によって、組織変更や個人の移動情報があっても容易に反映でき、文書のセキュリティ管理を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態になる文書開示システムの基本構成を示す。本文書開示システムは、記憶装置2を備える文書管理サーバ1と組織体の複数のユーザ端末3とがネットワーク4で接続された構成となっている。
【0027】
文書管理サーバ1は、ユーザ端末3で作成された文書情報(本文情報と属性情報)および開示先の設定情報を取得する設定情報取得手段11、取得した設定情報を記憶装置2に格納する格納手段12、ユーザからの文書閲覧要求に対し、設定情報が格納された開示先テーブル26を参照して要求部門が文書の開示先部門となっているかを判定する開示先判定手段13、およびユーザが文書の開示先部門であればウエブ上で文書を開示し、ユーザに閲覧させるウエブ開示手段14からなる文書開示プログラム10、またユーザ端末3との間でネットワーク4を介してデータの送受信を行う送受信プログラム20を備える。
【0028】
また、記憶装置2には、登録文書を管理する文書マスタ21、ユーザ端末3を利用する文書の閲覧者または作成者(登録者)を管理するユーザマスタ22、人事組織情報DB30とリンクさせ随時更新された組織データを保持する組織マスタ23、文書を特定する識別子(ID)等の属性情報を管理する属性情報テーブル24、文書の重要度区分を定義した重要度定義テーブル25、文書毎の開示先部門の設定情報を管理する開示先テーブル26、および文書の原文が格納された本文DB27(データベース)で構成されている。
【0029】
さらに、上記記憶装置2に格納された各テーブルおよびDBは、社内の人事組織情報システムとネットワークで接続されており、人事組織情報DB30とリンクして、最新の組織データが取り込まれ、更新される仕組みとしている。
【0030】
なお、上記文書開示プログラム10および送受信プログラム20は、コンピュータである文書管理サーバ1にあらかじめ内蔵され、上記各手段が実行される。
【0031】
なお、これら当該プログラムは、フレキシブルディスク、コンパクトディスク、ROM(Read Only Memory)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され、また、とくに、図には示していないが、内蔵あるいは外部接続された媒体読取装置にセットし、インストールすることによって実行可能な状態としてもよい。
【0032】
つぎに、本発明の文書開示システムの仕組みを図2〜図4を使用して説明する。
【0033】
図2は、本発明の実施の形態になる文書管理サーバにおける開示データの流れを示す。文書管理サーバ1は、ユーザ端末3から送信された文書本文(版数有り)と属性情報(後述する通知書)からなる文書情報を受信し、取得した実体データを記憶装置2の各テーブルおよびDBに格納し、文書開示プログラム10によって、文書作成者(登録者)が入力した開示先の設定情報をチェックし、文書本文と文書関連の記事、設計変更、開示先等の文書属性情報とを対としたウエブ上の開示情報について、一般(制限無し)部門への開示とするか、特定(制限有り)部門への開示とするかが決定され、要求ユーザ部門における閲覧が可能となる。なお、文書の属性情報には、文書作成者によって設定される開示先の設定情報が含まれる。
【0034】
図3は、本発明の実施の形態になる文書の属性情報を記した通知書の画面例を示す。通知書は、作成した文書がどういうものであるかの属性情報を記したものである。作成者が記入する項目としては、「版数」、「適用」(緊急度を表す項目、例えば「即日」を記入)、「適用日」、制定/改定/廃止に伴う「規格変更理由」、重要度/開示先/その他に関する「通知書変更理由」、「重要度区分」(例えば、「A」、「B」、「C」を記入)、「開示先・非開示先」として「開示」および「非開示」のチェック欄、「会社名/部署名」、部署、氏名、日付からなる「作成」、「検査」、および「承認」の項目で構成される。
【0035】
開示先の設定では、重要度区分を、例えば「A」とすると、「配付/開示先・非開示先」項目に、予め登録された関連の部門リストが表示され、「開示」のチェックにマークするだけでよい。ここの部署名は、人事組織情報DB30とのリンクで文書管理サーバ1の記憶装置2の組織マスタ23からの最新の組織データが取り込まれている。
【0036】
また、「重要度区分」項目の設定では、例えば、本項目をマウスの右クリックにより、後述する重要度定義テーブル25で定義したデータをもとにした定義情報を表示させ、記入をガイドしてもよい。
【0037】
図4は、本発明の実施の形態になるグループ化された組織体への文書開示を表す模式図を示している。図では、A本部全部に開示する場合、A本部を設定することでA本部に属する全ての部門に開示することができ、B2事業部を設定した場合、B2事業部に属する全ての部門に開示でき、また、上位部門や横に繋がりのあるB本部、B1事業部には開示されないこと状態を模式的に表している。さらに、B2事業部には開示するが、B2−b部には開示したくない場合、B2−b部を「非開示」に設定することが可能である。
【0038】
つぎに、本発明の文書開示システムに用いるデータベースのデータ構成を図5〜図10を使って説明する。
【0039】
図5は、本発明の実施の形態になる文書マスタの構成を示す。文書マスタ21は、「文書ID」、「文書名」、「管理者ID」、「管理者名」、「本文ID」、および「属性情報ID」のデータで構成される。「文書ID」、「管理者ID」、および「本文ID」、および「属性情報ID」は、それぞれ文書、管理者、本文、および属性情報を本システムにおいて一意に特定する識別子であり、例えば、4桁の数字、アルファベット、あるいは数字/アルファベットの混合の文字列が付される。
【0040】
図6は、本発明の実施の形態になる属性情報テーブルの構成を示す。属性情報テーブル24は、「属性情報ID」、「文書ID」、「本文ID」、「開示元部門コード」、「開示先部門コード」、「非開示先部門コード」、および「重要度区分」の項目から構成されている。「属性情報ID」、「文書ID」、および「本文ID」は、文書マスタ21と同一のデータである。
【0041】
「開示元部門コード」は文書作成者の所属部門のコード、また「開示先部門コード」は文書を開示する開示先部門のコード、および「非開示先部門コード」は開示したくない非開示先部門のコードであり、例えば、これらのコードは、4桁の数字等で表される。
【0042】
本テーブルのように、「開示先部門コード」、「非開示先部門コード」を持つことによって、少なくとも一つ以上の組織体の特定部門への開示あるいは非開示として設定することが可能となる。
【0043】
「重要度区分」は、文書の内容に応じて重要度定義テーブル25を基に、文書毎に、例えば、「A」、「B」、「C」等のランクを付与するもので、これにしたがって文書の開示先を設定する。
【0044】
図7は、発明の実施の形態になる重要度定義テーブルの構成を示す。重要度定義テーブル25は、「重要度区分」を設定する際のルールを予め定義したものである。実施例では、「A」、「B」、「C」の3つのランク付けのケースを想定し、「A」区分は、「特定部門内に開示」する場合で、少なくとも一つ以上の組織体の部門を設定する。「B」は、「特定部門内の子部門を非開示」とする場合で、部門に下位の階層の部門があり、見せたくない子部門を非開示に設定する。そして「C」は、「全部門に開示」する場合で、制限なく一般に開示する。
【0045】
図8は、本発明の実施の形態になる開示先テーブルのデータ構成を示す。開示先テーブル26は、「属性情報ID」、「開示先部門コード」、「非開示先部門コード」、および「重要度区分」の項目から構成されている。開示先テーブル26は、属性情報テーブル24の中から、開示先情報だけを抜粋したものである。
【0046】
図9は、本発明の実施の形態になる組織マスタのデータ構成を示す。組織マスタ23は、「部門コード」、「親部門コード」、「部門名」、「ネットワークドメイン」、および「全組織名」の項目で構成されている。「部門コード」および「部門名」は、会社等組織体の部門のコードであり、部門名である。また、「ネットワークドメイン」は、人事組織情報システムをネットワーク4を介して接続した場合のネットワーク上の名称であり、「全組織名」は、会社の全組織の名称である。
【0047】
組織マスタ23は、ネットワーク4を介して人事組織DBから組織情報取得手段15によって組織情報を一定周期で取得し、例えば、日に2回、データが更新される。
【0048】
図10は、本発明の実施の形態になるユーザマスタのデータ構成を示す。ユーザマスタ22は、「ユーザID」、「パスワード」、「所属部門コード」、「氏名」、および「メールアドレス」の項目で構成される。ユーザマスタ22には、文書を作成する部門、および閲覧を希望する部門において、本文書開示システムを利用するユーザが対象となり、上記項目にて登録される。
【0049】
図11は、本発明の実施の形態になる文書開示システムにおける作成者による文書登録の処理フローを示す。まず、ステップS11において、登録のための文書本文が作成され、ステップS12において、作成した文書本文を管理する本文情報が設定される。本文情報としては、例えば、設計の規格文書であれば、図版、版数、文書の名称、管理者および管理部門などが設定される。
【0050】
つぎに、ステップS13において、組織体の関連部門への通知書が作成される。通知書は、部門への通知用に、文書の属性情報が記載されたものである。ステップS14において、文書の属性情報として、例えば、版数、適用時期、規格の制定/改版/廃止などの理由、重要度区分、文書の開示先等が設定され、入力される。そして、ステップS15において、作成された文書本文と通知書の文書データは、登録のため文書管理サーバ1に送信される。
【0051】
こうして登録された文書は、ウエブ上で公開され、ユーザの閲覧要求に応ずるものとなるが、同時に、例えば、登録文書のリスト情報を電子メールによって関連業務部門に通知するなどの事前通知手段を持つ構成としてもよい。
【0052】
図12は、本発明の実施の形態になる文書作成者による通知書画面からの開示先設定の処理フローを示す。本実施例では、文書作成者がユーザ端末3において、図3の通知書画面を使って文書の開示先部門を設定するケースを示している。まず、ステップS21において、図3の通知書画面を表示させ、その重要度区分に重要度定義テーブル25に定義されたランクを指定する。この定義情報については、例えば、通知書画面の「重要度区分」の入力欄にて、マウスの右クリック等により画面に表示させることが好ましい。なお、実施例の定義例では、「A」、「B」、および「C」のランクが設けられている。
【0053】
つぎに、ステップS22において、重要度定義テーブル25にしたがって、開示先部門を設定する。ステップS23において、重要度区分が何であるかを判定する。重要度区分が「A」であれば、ステップS24において、対象とする文書を開示する特定部門のコードを設定する。具体的には、図3の通知書画面の「開示/非開示」項目において、予め登録された関連業務部門が、「会社名/部署名」欄にリスト表示され、その「開示」欄の○印にマウスでチェックを入れる操作となる。
【0054】
また、ステップS23の判定ステップで、重要度区分が「B」であれば、ステップS25において、「A」で設定した部門の下位部門に非開示とする部門があるかを判定する。その結果、非開示としたい下位部門があれば、ステップS26において、その下位部門のコードを設定する。ステップS24と同様に、具体的には、図3の通知書画面の「開示/非開示」項目の部門リストの「非開示」欄の○印にマウスでチェックを入れる。
【0055】
さらに、ステップS23の判定ステップで、重要度区分が「C」であれば、ステップS27において、特別指定することはなく、全部門に対する一般開示とされる。
【0056】
そして、ステップS28において、これら開示先データが、通知書として文書管理サーバ1に送信され、文書管理サーバ1の記憶装置2に格納される。
【0057】
図13は、本発明の実施の形態になる文書開示の処理フローを示す。実施例では、ユーザからの閲覧要求に対する文書開示の処理フローを示している。
【0058】
ステップS31において、ユーザからの文書閲覧要求を受信し、ユーザIDおよびパスワードによるユーザ確認とともに、閲覧要求の文書IDを取得する。つぎに、ステップS32で、ユーザIDをもとに記憶装置2に格納されたユーザマスタ22から所属部門コードを取得する。
【0059】
また、ステップS33において、文書IDをキーに対象文書の開示先部門コードを検索し、ステップS34において、閲覧要求のユーザの所属部門コードが対象文書の開示先部門に指定されているか否かを判定する。
【0060】
判定の結果、所属部門コードと開示先部門コードが一致すれば、ステップS35において、要求の対象文書を開示とする。また、ステップS34で、両者の部門コードが一致しなければ、ステップS36において、当該文書は「非開示」であることを通知する。
【0061】
以上、上記してきた本発明によって、本システムに開示先を設定するとき、その文書の重要度のランクに応じて、部署毎(個別単位)に開示・非開示が設定でき、文書の作成元で開示先がコントロール可能となる。
【0062】
また、以上の実施例では、社内システムを想定して記述してきたが、本発明の文書開示システムは、これに限定されるものではなく、取引先情報を含む他システムとの連携においても実現される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態になる文書開示システムの基本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態になる文書管理サーバにおける開示データの流れを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態になる文書の属性情報を記した通知書の画面例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態になるグループ化された組織体への文書開示を表す模式図を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態になる文書マスタの構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態になる属性情報テーブルの構成を示す図である。
【図7】発明の実施の形態になる重要度定義テーブルの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態になる開示先テーブルのデータ構成を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態になる組織マスタのデータ構成を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態になるユーザマスタのデータ構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態になる文書開示システムにおける作成者による文書登録の処理フローを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態になる文書作成者による通知書画面からの開示先設定の処理フローを示す図である。
【図13】本発明の実施の形態になる文書開示の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 文書管理サーバ
2 記憶装置
3 ユーザ端末
4 ネットワーク
10 文書開示プログラム
11 設定情報取得手段
12 格納手段
13 開示先判定手段
14 ウエブ開示手段
15 組織情報取得手段
20 送受信プログラム
21 文書マスタ
22 ユーザマスタ
23 組織マスタ
24 属性情報テーブル
25 重要度定義テーブル
26 開示先テーブル
27 本文DB(データベース)
30 人事組織情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
会社等組織体の複数のユーザ端末とネットワークを介して接続する文書管理サーバの文書開示方法であって、
対象とする文書の重要度区分が定義された重要度定義テーブルに基づいて、文書作成者が設定した開示先部門の設定情報を取得する設定情報取得ステップと、
前記開示先の設定情報を前記文書の識別子等属性情報とともに開示先テーブルとして記憶部に格納する格納ステップと、
ユーザからの前記文書の閲覧要求に応じて、前記開示先テーブルを参照し、ユーザの所属部門が該当開示先部門か否かを判定する開示先判定ステップと、
前記開示先判定ステップで所属部門と開示先部門とが一致した時に、前記部門ユーザに対し前記文書および属性情報をウエブ上で開示するウエブ開示ステップと、
を有することを特徴とする文書開示方法。
【請求項2】
前記設定情報取得ステップにおいて取得した文書作成者による前記開示先部門の設定は、重要度区分に対応して、少なくとも一つ以上の組織体の特定部門への開示あるいは非開示として設定されることを特徴とする請求項1に記載の文書開示方法。
【請求項3】
前記設定情報取得ステップにおいて取得した文書作成者による前記開示先部門の設定は、重要度区分に対応して、組織体の特定部門およびその下位部門全体への開示、あるいはその下位部門の一部を非開示として設定されることを特徴とする請求項1または2記載の文書開示方法。
【請求項4】
組織体における部門名および部門コード等の部門情報は、組織変動を扱う組織体内の人事組織システムとネットワークを介して連動させ、所定周期で組織人事情報データベースから組織移動に関する部門情報を取り込み、最新に更新された部門情報であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の文書開示方法。
【請求項5】
会社等組織体の複数のユーザ端末とネットワークを介して接続する文書管理サーバの文書開示装置であって、
対象とする文書の重要度区分が定義された重要度定義テーブルに基づいて、文書作成者が設定した開示先部門の設定情報を取得する設定情報取得手段と、
前記開示先の設定情報を前記文書の識別子等属性情報とともに開示先テーブルとして記憶部に格納する格納手段と、
ユーザからの前記文書の閲覧要求に応じて、前記開示先テーブルを参照し、ユーザの所属部門が該当開示先部門か否かを判定する開示先判定手段と、
前記開示先判定手段で所属部門と開示先部門とが一致した時に、前記部門ユーザに対し前記文書および属性情報をウエブ上で開示するウエブ開示手段と、
を有することを特徴とする文書開示方法。
【請求項6】
会社等組織体の複数のユーザ端末とネットワークを介して接続する文書管理サーバの文書開示プログラムであって、
コンピュータに、
対象とする文書の重要度区分が定義された重要度定義テーブルに基づいて、文書作成者が設定した開示先部門の設定情報を取得する設定情報取得ステップと、
前記開示先の設定情報を前記文書の識別子等属性情報とともに開示先テーブルとして記憶部に格納する格納ステップと、
ユーザからの前記文書の閲覧要求に応じて、前記開示先テーブルを参照し、ユーザの所属部門が該当開示先部門か否かを判定する開示先判定ステップと、
前記開示先判定ステップで所属部門と開示先部門とが一致した時に、前記部門ユーザに対し前記文書および属性情報をウエブ上で開示するウエブ開示ステップと、
を実行させる文書開示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−72622(P2006−72622A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−254298(P2004−254298)
【出願日】平成16年9月1日(2004.9.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】