説明

文章管理装置および文章管理方法

【課題】FAX情報の分類精度を向上することが可能な文章管理装置を提供する。
【解決手段】画像変換部2は、FAX受信部1が受信したFAX情報を画像情報に変換する。文字変換部3は、その画像情報からFAX番号の国番号を抽出し、その国番号に基づいて、FAX情報に示されている文章の言語名を特定する。文字変換部3は、その画像情報を、その特定された言語名の言語の文字情報に変換する。分類部6は、その文字情報に基づいて、そのFAX情報を分類する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FAX情報を管理する文章管理装置および文章管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファクシミリ(以下、FAXと称する)情報を分類して管理する文章管理システムが使用されている。
【0003】
このような文章管理システムは、受信したFAX情報からFAX番号を抽出し、そのFAX番号に基づいて、そのFAX情報の発信元を特定する。また、文章管理システムは、その発信元ごとにそのFAX情報を分類する。
【0004】
これにより、利用者は特定の発信元から受信したFAX情報を検索することが可能になっている。
【0005】
近年、FAX情報を発信元によって分類するだけでなく、様々な分類を行うことが可能な文章管理システムが提案されている。
【0006】
例えば、特許文献1(特開平11−120202号公報)に記載の総合型文章管理システムは、FAX情報から所定の文字成分をインデックスとして抽出し、そのインデックスに応じてFAX情報を分類している。
【0007】
これにより、FAX情報が所定の文字成分による分類が可能になり、利用者は細やかな検索を行なうことが可能になっている。
【特許文献1】特開平11−120202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の総合的文章管理システムは、FAX情報を画像情報に変換し、OCR(光学式文字読取装置:Optical Character Reader)を用いて、その画像情報を文字情報に変換している。
【0009】
通常、OCRでは、その画像情報に示されている文章の言語を特定する手段は設けられていない。このため、利用者は、画像情報に示されている文章の言語を予め設定しておかなければならない。
【0010】
しかしながら、FAX情報は様々な国から発信されるため、FAX情報に示されている文章の言語は、予め設定された言語と異なる可能性がある。
【0011】
予め設定された言語と異なる言語がFAX情報に示されていると、そのFAX情報から所定の文字成分を抽出することができず、そのFAX情報を正確に分類することができない可能性があった。
【0012】
本発明の目的は、FAX情報の分類精度を向上することが可能な文章管理装置および文章管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の文章管理装置は、言語名を、FAX番号の国番号ごとに対応付けて格納する格納部と、前記FAX番号を含むFAX情報を受信する受信部と、前記FAX情報を画像情報に変換する画像変換部と、前記画像変換部が変換した画像情報から前記FAX番号の国番号を抽出し、該国番号と前記格納部で対応付けられた言語名を、前記FAX情報に示されている文章の言語名として特定する言語特定部と、前記画像変換部が変換した画像情報を、前記言語特定部が特定した言語名の言語の文字情報に変換する変換部と、前記変換部にて変換された文字情報に基づいて、前記FAX情報を分類する分類部と、を含む。
【0014】
また、本発明の文章管理方法は、言語名をFAX番号の国番号ごとに対応付けて格納する格納部を含む文章管理装置が行なう文章管理方法であって、前記FAX番号を含むFAX情報を受信する受信ステップと、前記FAX情報を画像情報に変換する画像変換ステップと、前記変換された画像情報から前記FAX番号の国番号を抽出する国番号抽出ステップと、前記抽出された国番号と前記格納部で対応付けられた言語名を、前記FAX情報に示されている文章の言語名として特定する特定ステップと、前記特定された言語名で、前記画像情報を文字情報に変換する文字変換ステップと、前記変換された文字情報に基づいて、前記FAX情報を分類する分類ステップと、を含む。
【0015】
上記の発明によれば、FAX情報が画像情報に変換され、その画像情報からFAX番号の国番号が抽出される。また、その国番号と対応付けられた言語名から、そのFAX情報に示されている文章の言語名が特定される。その後、その画像情報が、その特定された言語名の言語の文字情報に変換される。
【0016】
このため、国番号に対応付けられた言語名が適宜設定されれば、その画像情報が、そのFAX情報に示された文章に適した言語の文字情報に変換することが可能になる。したがって、FAX情報の分類精度を向上することが可能になる。
【0017】
また、前記格納部は、複数の言語名を前記国番号ごとに対応付けて格納し、かつ、前記言語の特殊文字を前記言語名ごと対応付けて格納し、前記言語特定部は、前記国番号と前記格納部で対応付けられた複数の言語名のそれぞれを、前記FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択し、かつ、前記画像情報から該画像情報の一部を図形情報として抽出し、その後、該図形情報と、該候補として選択された複数の言語名のそれぞれと前記格納部で対応付けられた特殊文字と、を照合して、該図形情報に該特殊文字が含まれるか否かを判定し、該図形情報に該特殊文字が含まれると、該特殊文字と前記格納部で対応付けられた言語名を前記FAX情報に示されている文章の言語名として特定することが望ましい。
【0018】
上記の発明によれば、国番号と対応付けられた複数の言語名のそれぞれが、FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択され、かつ、画像情報の一部が図形情報として抽出される。また、その図形情報に、その候補として選択された言語名のそれぞれと対応付けられた特殊文字が含まれると、その特殊文字と対応付けられた言語名を、FAX情報に示された文章の言語名として特定する。
【0019】
このため、FAX情報に示された文章の言語名をより正確に特定することが可能になり、FAX情報の分類精度を向上することが可能になる。
【0020】
また、前記格納部にて前記国番号ごとに対応付けられた複数の言語名のそれぞれには、優先順位が付けられ、前記言語特定部は、前記候補として選択された複数の言語名の中で、前記優先順位の高い言語名から順に、該言語名と前記格納部で対応付けられた特殊文字と、前記図形情報とを照合して、該図形情報に該特殊文字が含まれるか否かを判定していくことが望ましい。
【0021】
上記の発明によれば、優先順位の高い順に、特殊文字と図形情報とが照合される。このため、優先順位が適宜設定されれば、言語名の特定を迅速に行なうことが可能になる。
【0022】
また、前記FAX情報は、シンボル画像を含み、特定のシンボル画像を保持し、前記画像変換部が変換した画像情報から、前記保持しているシンボル画像と同じシンボル画像を抽出するシンボル抽出部を含み、前記分類部は、前記シンボル抽出部が抽出したシンボル画像に基づいて、前記FAX情報を分類することが望ましい。
【0023】
上記の発明によれば、画像情報からシンボル画像が抽出され、そのシンボル画像に基づいて、FAX情報が分類される。
【0024】
このため、FAX情報の中で、特定の文字の代わりにシンボル画像(例えば、製品名を表すロゴなど)が用いられても、そのFAX情報を分類することが可能になる。したがって、FAX情報の分類精度を向上することが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、FAX情報の分類精度を向上することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例の文章管理装置の構成を示したブロック図である。
【0028】
図1において、文章管理装置は、FAX受信部1と、画像変換部2と、文字変換部3と、キーワード抽出部4と、シンボル抽出部5と、分類部6と、FAX情報格納部7と、表示部8と、出力部9とを含む。
【0029】
FAX受信部1は、FAX情報を受信する。FAX情報は、発信元のFAX番号と、シンボル画像とを含む。なお、FAX情報にはヘッダが設定され、FAX番号は、そのヘッダに含まれるとする。ヘッダは、FAX情報の発信元を示す発信元情報を含む。発信元情報は、例えば、発信元の会社名または部署名などの組織名である。なお、発信元情報は、組織名に限らず、適宜変更可能である。
【0030】
シンボル画像は、例えば、製品または社名を表すロゴ、スタンプおよびサインなどである。なお、シンボル画像は、ロゴ、スタンプおよびサインに限らず適宜変更可能である。
【0031】
画像変換部2は、FAX受信部1が受信したFAX情報を画像情報に変換する。画像情報の形式は、例えば、ビットマップ(bmp)またはティフ(tiff)である。なお、画像情報の形式は、ビットマップまたはティフに限らず適宜変更可能である。
【0032】
文字変換部3は、画像変換部2が変換した画像情報から、FAX番号の国番号を抽出し、その国番号からそのFAX情報に示されている文章の言語名を特定する。なお、FAX番号の国内プレフィックス「0」を、自国を示す国番号とみなしてもよい。
【0033】
文字変換部3は、その画像情報を、その特定された言語名の言語の文字情報に変換する。文字変換部3は、その文字情報のヘッダから発信元情報を抽出する。
【0034】
図2は、文字変換部3の構成の一例を示したブロック図である。
【0035】
図2において、文字変換部3は、変換格納部31と、言語特定部32と、変換部33と、発信元抽出部34とを含む。
【0036】
変換格納部31は、言語名テーブルと、特殊文字テーブルとを格納する。
【0037】
言語名テーブルでは、言語名がFAX番号の国番号ごとに対応付けられている。なお、各国番号には、複数の言語名が対応付けられてもよい。言語名は、例えば、日本語、英語および韓国語などである。
【0038】
複数の言語名が国番号ごとに対応付けられている場合、その言語名には、優先順位が付けられていることが望ましい。例えば、国番号「81」(日本)に、言語名の候補として、優先順位「1」が付けられた日本語と、優先順位「2」が付けられた英語と、優先順位「3」が付けられた韓国語とが対応付けられている。
【0039】
また、優先順位は、その言語名の言語の使用頻度または使用回数の高いものが高くなるように設定されることが望ましい。
【0040】
特殊文字テーブルは、言語の特殊文字が、言語名ごとに対応付けられている。特殊文字は、例えば、仮名文字または朝鮮文字などである。
【0041】
言語特定部32は、画像変換部2が変換した画像情報からFAX番号の国番号を抽出する。
【0042】
具体的には、先ず、言語特定部32は、画像情報のヘッダからFAX番号を抽出する。なお、FAX番号は、通常、算用数字(アラビア数字)で示されている。このため、言語特定部32は、そのFAX情報に示された文章の言語名を特定する前でも、算用数字の列をFAX番号として抽出することができる。
【0043】
続いて、言語特定部32は、そのFAX番号から国番号を抽出する。
【0044】
言語特定部32は、国番号を抽出すると、その抽出した国番号と変換格納部31で対応付けられた言語名を、そのFAX情報に示されている文章の言語名として特定する。
【0045】
具体的には、先ず、言語特定部32は、その画像情報から、その画像情報の一部を図形情報として抽出する。画像情報の一部は、例えば、画像情報に示されている文章の中の文字列である。
【0046】
続いて、言語特定部32は、その抽出した国番号と対応付けられた複数の言語名のそれぞれを、FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択する。
【0047】
さらに、言語特定部32は、その図形情報と、その候補として選択した言語名のそれぞれと変換格納部31で対応付けられた特殊文字と、を照合して、その図形情報にその特殊文字が含まれるか否かを判定する。
【0048】
なお、言語名に優先順位が付けられている場合、言語特定部32は、その言語名に付けられた優先順位が高い順に、その言語名と対応付けられた特殊文字と、その図形情報とを照合していく。
【0049】
その後、言語特定部32は、その図形情報にその特殊文字があると、その特殊文字と変換格納部31で対応付けられた言語名を、FAX情報に示された文章の言語名として特定する。
【0050】
変換部33は、その画像情報を、言語特定部32が特定した言語名の言語の文字情報に変換する。例えば、変換部33は、言語特定部32が特定した言語名の言語のOCRアプリケーションを実行して、画像情報を文字情報に変換する。
【0051】
発信元抽出部34は、変換部33が変換した文字情報のヘッダから、発信元情報を抽出する。
【0052】
キーワード抽出部4は、変換部33が変換した文字情報から、キーワードを抽出する。キーワードは、例えば、製品名、会社名、部署名および人名などの固有名詞である。なお、キーワードは、固有名詞に限らず適宜変更可能である。
【0053】
キーワード抽出部4は、例えば、固有表現抽出アプリケーションなどを実行して、その文字情報の形態素解析を行ない、その解析結果に応じて文字情報からキーワードを抽出する。また、キーワード抽出部4は、特定のキーワードを予め保持し、その保持しているキーワードと同じキーワードを、その文字情報から抽出してもよい。
【0054】
シンボル抽出部5は、特定のシンボル画像を予め保持し、その保持しているシンボル画像と同じシンボル画像を、画像変換部2が変換した画像情報から抽出する。
【0055】
分類部6は、変換部33にて変換された文字情報に基づいて、FAX情報を分類する。
【0056】
分類部6がFAX情報を分類する分類方法には、発信元分類と、キーワード分類とがある。
【0057】
発信元分類では、分類部6は、発信元抽出部34が文字情報から抽出した発信元情報を、分類用のインデックスとして、画像変換部2がFAX情報から変換した画像情報に付ける。
【0058】
キーワード分類では、分類部6は、キーワード抽出部4が文字情報から抽出したキーワードを、分類用のインデックスとして、画像変換部2がFAX情報から変換した画像情報に付ける。
【0059】
また、分類部6は、シンボル抽出部5が抽出したシンボル画像に基づいて、そのFAX情報を分類する。
【0060】
このシンボル分類では、分類部6は、分類用のインデックスをシンボル画像ごとに対応付けて保持し、シンボル抽出部5が抽出したシンボル画像と対応付けられた分類用のインデックスを、画像変換部2がFAX情報から変換した画像情報に付ける。シンボル画像に対応付けられた分類用のインデックスは、例えば、そのシンボル画像の意味(例えば、製品名など)を示す。
【0061】
分類部6は、FAX情報を分類すると、その分類したFAX情報(分類用のインデックスが付いた画像情報)をFAX情報格納部7に格納する。
【0062】
表示部8は、分類部6が分類したFAX情報を表示する。出力部9は、例えば、プリンタであり、分類部6が分類したFAX情報を印刷する。
【0063】
次に動作を説明する。
【0064】
図3は、文章管理装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0065】
FAX受信部1は、FAX情報を受信すると、ステップS301を実行する。
【0066】
ステップS301では、FAX受信部1は、そのFAX情報を画像変換部2に出力する。画像変換部2は、そのFAX情報を受け付けると、ステップS302を実行する。
【0067】
ステップS302では、画像変換部2は、そのFAX情報を画像情報に変換し、その画像情報を、文字変換部3およびシンボル抽出部5に発信する。文字変換部3は、その画像情報を受け付けると、ステップS303を実行し、シンボル抽出部5は、その画像情報を受け付けると、ステップS306を実行する。
【0068】
ステップS303では、文字変換部3は、その画像情報から、FAX番号の国番号を抽出し、その国番号からFAX情報に示されている文章の言語名を特定する。文字変換部3は、その画像情報を、その特定した言語名の言語の文字情報に変換する。文字変換部3は、画像情報を文字情報に変換すると、ステップS304を実行する。
【0069】
ステップS304では、文字変換部3は、その文字情報のヘッダから発信元情報を抽出し、その発信元情報および文字情報をキーワード抽出部4に出力する。なお、文字変換部3は、その文字情報の所定の範囲をヘッダとみなす。
【0070】
キーワード抽出部4は、その発信元情報および文字情報を受け付けると、ステップS305を実行する。
【0071】
ステップS305では、キーワード抽出部4は、その文字情報からキーワードを抽出し、そのキーワードおよび発信元情報を分類部6に出力する。
【0072】
一方、ステップS306では、シンボル抽出部5は、その画像情報から、自己が保持しているシンボル画像と同じシンボル画像を抽出する。シンボル抽出部5は、そのシンボル画像および画像情報を分類部6に出力する。
【0073】
分類部6は、キーワード抽出部4から、キーワードおよび発信元情報を受け付け、シンボル抽出部5から、シンボル画像および画像情報を受け付けると、ステップS307を実行する。
【0074】
ステップS307では、分類部6は、そのキーワード、発信元情報およびシンボル画像に基づいて、そのFAX情報を分類し、その分類したFAX情報をFAX情報格納部7に格納する。分類部6は、ステップS307を終了すると、ステップS308を実行する。
【0075】
ステップS308では、分類部6は、その画像情報を表示部8および出力部9に出力する。
【0076】
表示部8は、その画像情報を受け付けると、その画像情報を表示する。出力部9は、その画像情報を受け付けると、その画像情報を印刷する。
【0077】
次に、文字変換部3の動作の一例を説明する。
【0078】
図4は、文字変換部3の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【0079】
文字変換部3の言語特定部32は、画像変換部2から、画像情報を受け付けると、ステップS401を実行する。
【0080】
ステップS401では、言語特定部32は、その画像情報のヘッダからFAX番号を抽出する。言語特定部32は、FAX番号を抽出すると、ステップS402を実行する。
【0081】
ステップS402では、言語特定部32は、そのFAX番号からそのFAX番号の国番号を抽出する。言語特定部32は、国番号を抽出すると、ステップS403を実行する。
【0082】
ステップS403では、言語特定部32は、その国番号と変換格納部31で対応付けられた言語名を、FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択する。言語特定部32は、その言語名の候補を選択すると、ステップS404を実行する。
【0083】
ステップS404では、言語特定部32は、その画像情報から、その画像情報の一部を図形情報として抽出する。言語特定部32は、その選択した言語名の優先順位が高い順に、その言語名と変換格納部31で対応付けられた特殊文字と、その図形情報とを照合して、その図形情報にその特殊文字が含まれるか否かを判定していく。
【0084】
言語特定部32は、その図形情報にその特殊文字が含まれると、ステップS405を実行し、その図形情報にその特殊文字が含まれないと、動作を終了する。
【0085】
ステップS405では、言語特定部32は、その特殊文字と変換格納部31で対応付けられた言語名を、FAX情報に示される文章の言語名として特定する。
【0086】
言語特定部32は、その言語名の言語で文字変換を行なう旨の実行指示を生成し、その実行指示および画像情報を変換部33に出力する。変換部33は、その実行指示および画像情報を受け付けると、ステップS406を実行する。
【0087】
ステップS406では、変換部33は、その画像情報を、その実行指示が指示する言語名の言語の文字情報に変換する。例えば、その実行指示が指示する言語名の言語のOCRアプリケーションを実行して、その画像情報を、その言語名の言語の文字情報に変換する。
【0088】
変換部33は、画像情報を文字情報に変換すると、その文字情報を発信元抽出部34に出力する。発信元抽出部34は、その文字情報を受け付けると、ステップS407を実行する。
【0089】
ステップS407では、発信元抽出部34は、その文字情報のヘッダから発信元情報を抽出し、その発信元情報および文字情報をキーワード抽出部4に出力する。その後、キーワード抽出部4は、その発信元情報および文字情報を受け付けると、ステップ305を実行する。
【0090】
次に、分類部6の動作の一例を説明する。
【0091】
分類部6は、キーワード抽出部4からキーワードおよび発信元情報を受け付け、シンボル抽出部5からシンボル画像および画像情報を受け付けると、以下の処理を行なう。
【0092】
具体的には、分類部6は、その発信元情報を、分類用のインデックスとしてその画像情報に付ける。また、分類部6は、そのキーワードを、分類用のインデックスとしてその画像情報に付ける。
【0093】
さらに、分類部6は、その受け付けたシンボル画像を、保持しているシンボル画像と照合して、その保持しているシンボル画像と同じシンボル画像があるか否かを判定する。
【0094】
分類部6は、その保持しているシンボル画像と同じシンボル画像があると、そのシンボル画像と対応付けられた分類用のインデックスを、そのFAX情報に付ける。
【0095】
分類部6は、その発信元分類、キーワード分類およびシンボル分類を行なうと、その分類用のインデックスが付いた画像情報を、FAX情報格納部7に格納する。
【0096】
本実施例によれば、画像変換部2は、FAX受信部1が受信したFAX情報を画像情報に変換する。文字変換部3の言語特定部32は、その画像情報からFAX番号の国番号を抽出し、その国番号と変換格納部31で対応付けられた言語名から、そのFAX情報に示されている文章の言語名を特定する。変換部33は、その画像情報を、その特定された言語名の言語の文字情報に変換する。分類部6は、その文字情報に基づいて、そのFAX情報を分類する。
【0097】
この場合、FAX情報が画像情報に変換され、その画像情報からFAX番号の国番号が抽出される。また、その国番号と対応付けられた言語名から、そのFAX情報に示されている文章の言語名が特定される。その後、その画像情報が、その特定された言語名の言語の文字情報に変換される。
【0098】
このため、国番号に対応付けられた言語名が適宜設定されれば、その画像情報に適した言語名で、その画像情報を文字情報に変換することが可能になる。FAX情報の分類精度を向上することが可能になる。
【0099】
また、本実施例では、言語特定部32は、その抽出した国番号と変換格納部31で対応付けられた複数の言語名のそれぞれを、FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択する。また、言語特定部32は、その画像情報から文字列を図形情報として抽出する。言語特定部32は、その図形情報と、その候補として選択された複数の言語名のそれぞれと変換格納部31で対応付けられた特殊文字とを照合して、その図形情報にその特殊文字が含まれるか否かを判定する。その図形情報にその特殊文字が含まれると、言語特定部32は、その特殊文字と変換格納部31で対応付けられた言語名を、FAX情報に示されている文章の言語名として特定する。
【0100】
この場合、国番号と対応付けられた複数の言語名のそれぞれが、FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択され、かつ、画像情報から画像情報の一部が図形情報として抽出される。また、その図形情報に、その候補として選択された言語名と対応付けられた特殊文字が含まれると、画像情報がその言語名の言語の文字情報に変換される。
【0101】
このため、FAX情報に示された文章の言語名をより正確に特定することが可能になり、FAX情報の分類精度を向上することが可能になる。
【0102】
また、本実施例では、言語特定部32は、候補として選択された複数の言語名の中で、優先順位が高い言語名から順に、その言語名と変換格納部31で対応付けられた特殊文字と、その図形情報と、を照合して、その図形情報にその特殊文字が含まれるか否かを判定していく。
【0103】
この場合、優先順位の高い順に、特殊文字と図形情報とが照合される。このため、優先順位が適宜設定されれば、言語名の特定を迅速に行なうことが可能になる。
【0104】
また、シンボル抽出部5は、画像変換部2が変換した画像情報から保持しているシンボル画像と同じシンボル画像を抽出する。分類部6は、その抽出されたシンボル画像に基づいて、そのFAX情報を分類する。
【0105】
この場合、FAX情報の中で、特定の文字の代わりにシンボル画像が用いられても、そのFAX情報を分類することが可能になる。したがって、FAX情報の分類精度を向上することが可能になる。
【0106】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【0107】
例えば、分類部6は、分類用のインデックスをキーワードおよび発信元情報ごとに対応付けて保持し、キーワード抽出部4から受け付けたキーワードまたは発信元情報と対応付けられた分類用のインデックスを、シンボル抽出部5から受け付けた画像情報に付けてもよい。
【0108】
その保持される分類用のインデックスとして、例えば、そのFAX情報が必要であることを示す必要情報と、そのFAX情報が不要であることを示す不要情報とがある。
【0109】
分類部6は、そのキーワードまたは発信元情報と対応付けられた分類用のインデックスが不要情報である場合、その受け付けた画像情報を削除してもよい。
【0110】
これにより、例えば、スパムFAXなどの不要なFAX情報と、必要なFAX情報と、を分類することが可能になる。
【0111】
なお、その保持される分類用のインデックスは、必要情報および不要情報に限らず、適宜変更可能である。例えば、その保持される分類用のインデックスとして、見積書または質問書などのFAX情報のカテゴリーを示す情報などを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】本発明の一実施例の文章管理装置の構成を示したブロック図である。
【図2】文字変換部の構成の一例を示したブロック図である。
【図3】文章管理装置の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図4】文字変換部の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0113】
1 FAX受信部
2 画像変換部
3 文字変換部
4 キーワード抽出部
5 シンボル抽出部
6 分類部
7 FAX情報格納部
8 表示部
9 出力部
31 変換格納部
32 言語特定部
33 変換部
34 発信元抽出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
言語名を、FAX番号の国番号ごとに対応付けて格納する格納部と、
前記FAX番号を含むFAX情報を受信する受信部と、
前記FAX情報を画像情報に変換する画像変換部と、
前記画像変換部が変換した画像情報から前記FAX番号の国番号を抽出し、該国番号と前記格納部で対応付けられた言語名を、前記FAX情報に示されている文章の言語名として特定する言語特定部と、
前記画像変換部が変換した画像情報を、前記言語特定部が特定した言語名の言語の文字情報に変換する変換部と、
前記変換部にて変換された文字情報に基づいて、前記FAX情報を分類する分類部と、を含む文章管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の文章管理装置において、
前記格納部は、複数の言語名を前記国番号ごとに対応付けて格納し、かつ、前記言語の特殊文字を前記言語名ごと対応付けて格納し、
前記言語特定部は、前記国番号と前記格納部で対応付けられた複数の言語名のそれぞれを、前記FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択し、かつ、前記画像情報から該画像情報の一部を図形情報として抽出し、その後、該図形情報と、該候補として選択された複数の言語名のそれぞれと前記格納部で対応付けられた特殊文字と、を照合して、該図形情報に該特殊文字が含まれるか否かを判定し、該図形情報に該特殊文字が含まれると、該特殊文字と前記格納部で対応付けられた言語名を前記FAX情報に示されている文章の言語名として特定する、文章管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の文章管理装置において、
前記格納部にて前記国番号ごとに対応付けられた複数の言語名のそれぞれには、優先順位が付けられ、
前記言語特定部は、前記候補として選択された複数の言語名の中で、前記優先順位の高い言語名から順に、該言語名と前記格納部で対応付けられた特殊文字と、前記図形情報とを照合して、該図形情報に該特殊文字が含まれるか否かを判定していく、文章管理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の文章管理装置において、
前記FAX情報は、シンボル画像を含み、
特定のシンボル画像を保持し、前記画像変換部が変換した画像情報から、前記保持しているシンボル画像と同じシンボル画像を抽出するシンボル抽出部を含み、
前記分類部は、前記シンボル抽出部が抽出したシンボル画像に基づいて、前記FAX情報を分類する、文章管理装置。
【請求項5】
言語名をFAX番号の国番号ごとに対応付けて格納する格納部を含む文章管理装置が行なう文章管理方法であって、
前記FAX番号を含むFAX情報を受信する受信ステップと、
前記FAX情報を画像情報に変換する画像変換ステップと、
前記変換された画像情報から前記FAX番号の国番号を抽出する国番号抽出ステップと、
前記抽出された国番号と前記格納部で対応付けられた言語名を、前記FAX情報に示されている文章の言語名として特定する特定ステップと、
前記特定された言語名で、前記画像情報を文字情報に変換する文字変換ステップと、
前記変換された文字情報に基づいて、前記FAX情報を分類する分類ステップと、を含む文章管理方法。
【請求項6】
請求項5に記載の文章管理方法において、
前記格納部は、複数の言語名を前記国番号ごとに対応付けて格納し、かつ、前記言語の特殊文字を前記言語名ごと対応付けて格納し、
前記特定ステップは、
前記抽出された国番号と前記格納部で対応付けられた複数の言語名のそれぞれを、前記FAX情報に示されている文章の言語名の候補として選択する選択ステップと、
前記画像情報から該画像情報の一部を図形情報として抽出する図形抽出ステップと、
前記抽出された図形情報と、前記候補として選択された複数の言語名のそれぞれと前記格納部で対応付けられた特殊文字と、を照合して、該図形情報に該特殊文字が含まれるか否かを判定する判定ステップと、
前記図形情報に前記特殊文字が含まれると、該特殊文字と前記格納部で対応付けられた言語名を、前記FAX情報に示されている文章の言語名として特定する言語名特定ステップと、を含む、文章管理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の文章管理方法において、
前記格納部にて前記国番号ごとに対応付けられた複数の言語名のそれぞれには、優先順位が付けられ、
前記判定ステップでは、前記候補として選択された複数の言語名の中で、前記優先順位の高い言語名から順に、該言語名と前記格納部で対応付けられた特殊文字と、前記図形情報とを照合して、該図形情報に該特殊文字が含まれるか否かを判定していく、文章管理方法。
【請求項8】
請求項5ないし7のいずれか1項に記載の文章管理方法において、
前記FAX情報は、シンボル画像を含み、
前記文章管理装置は、特定のシンボル画像を保持するシンボル抽出部を含み、
前記変換された画像情報から、前記保持されているシンボル画像と同じシンボル画像を抽出するシンボル抽出ステップと、
前記抽出されたシンボル画像に基づいて、前記FAX情報を分類するシンボル分類ステップと、文章管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−118458(P2008−118458A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300620(P2006−300620)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】