説明

断熱容器

【課題】外面に複数のリブが突設された容器本体を有する断熱容器において、お湯などの液体の補充量の目安となる目印線を容器本体の任意の位置に表示することができる断熱容器を提供する。
【解決手段】断熱容器1は、筒状壁21の下方に底面22が設けられた合成樹脂製の容器本体2と、前記筒状壁21の外面の周方向に所定間隔を開けて一体的に成形された複数のリブ3であって、前記筒状壁21の外面において上下方向に延び且つ径外方向に突設されたリブ3と、前記容器本体2の少なくとも筒状壁21に外嵌された外装体5と、を有し、前記筒状壁21の光線透過率が50%以上であり、前記隣合うリブ3,3の間に於ける筒状壁21の外面に、目印線7が表示されており、前記目印線7が、インクジェットプリンターによって印刷されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品などを収容する断熱容器、特に、使用時にお湯などの液体を補充する用途に好適な断熱容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、即席食品(いわゆるインスタント麺、インスタント味噌汁など)、ホット飲料、コールド飲料等を収容する容器は、持ち手に熱が伝わり難くするため、断熱容器が用いられている。
【0003】
上記断熱容器として、従来、特許文献1に記載された断熱容器が知られている。
該断熱容器は、合成樹脂成形品からなる容器本体の外周面に、上下方向のリブが放射状に突設され、この容器本体に熱収縮性のラベルが外嵌装着されており、容器本体の底面から開口上縁までの中央位置以上の一カ所に、水平環状の接続部を介して、環状の上部周壁部と下部周壁部とが階段状に連続した周壁が形成されている。
上記特許文献1に記載の断熱容器に、例えば、即席食品が収容されている場合、これを食する際には、容器内にお湯を補充する。上記断熱容器は、上記階段状の周壁がお湯の補充量の目印線として利用される。
【特許文献1】特開2004−99178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に、収容する食品の種類によって、お湯の補充量が異なる場合が多い。従って、上記のように、樹脂成形によって形成された周壁を目印線として利用すると、お湯の補充量が異なる食品毎に、それぞれ適切な位置に周壁が形成された容器本体を樹脂成形しなければならない。つまり、上記従来の断熱容器は、容器本体の形状を目印線として利用するので、お湯の補充量が異なる食品毎に適合した容器本体を、それぞれ樹脂成形しなければならない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、外面に複数のリブが突設された容器本体を有する断熱容器において、お湯などの液体の補充量の目安となる目印線を容器本体の任意の位置に表示することができる断熱容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の断熱容器は、筒状壁の下方に底面が設けられた合成樹脂製の容器本体と、前記筒状壁の外面の周方向に所定間隔を開けて一体的に成形された複数のリブであって、前記筒状壁の外面において上下方向に延び且つ径外方向に突設されたリブと、前記容器本体の少なくとも筒状壁に外嵌された外装体と、を有する断熱容器に於いて、前記筒状壁の光線透過率が50%以上であり、前記隣合うリブの間に於ける筒状壁の外面に、目印線が表示されており、前記目印線が、インクジェットプリンターによって印刷されていることを特徴とする。
ただし、上記光線透過率は、JIS K 7105−1981(プラスチックの光学的特性試験方法)に準じた方法によって測定した値をいう。
【0007】
断熱容器は、容器本体の少なくとも筒状壁に外装体が外嵌されているため、通常、筒状壁の外面に目印線を表示しても外装体によって隠蔽される。この点、本発明の断熱容器は、容器本体の筒状壁の外面に目印線が印刷され、該筒状壁の光線透過率が50%以上であるため、筒状壁の内面側から、筒状壁の外面に印刷された目印線を透視することができる。また、目印線を筒状壁の外面に印刷することにより、前記目印線を表示するためのインキが容器本体内の食品と接触する虞がなく、衛生的にも好ましい。
また、筒状壁の外面には、複数のリブが突設されており、該リブに目印線を印刷したり、或いは外装体の内面に目印線を印刷しても、(リブは筒状壁の外面から突出しているため)該目印線を筒状壁の内面側から透視することは困難である。この点、本発明の断熱容器は、上記目印線がインクジェットプリンターを用いて印刷されるため、隣合うリブとリブの間に存する筒状壁の外面にインキを飛ばし、前記目印線を確実に筒状壁の外面に印刷することができる。従って、筒状壁の内面側から目印線を透視することができる。
本発明の断熱容器は、印刷によって目印線を表示するので、収容する食品に応じた適切な位置に目印線を表示できる。従って、お湯などの液体の補充量が異なる食品毎に形状の異なる容器本体をストックしておく必要がなく、このため、断熱容器を安価に提供できる。
【0008】
本発明の好ましい断熱容器は、上記外装体が、発泡樹脂シートを含み、外装体の内面が白色に形成されている。
かかる好ましい断熱容器は、外装体が発泡樹脂シートを含むので、断熱性に優れている。さらに、外装体の内面が白色であるため、上記筒状壁の外面に印刷された目印線を、筒状壁の内面側から、より鮮明に透視することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の断熱容器は、筒状壁の外面に印刷された目印線を、筒状壁の内面側から透視することができる。該目印線は、筒状壁の外面に印刷されているので、収容する食品にインクが接触する虞がない。また、目印線をインクジェットプリンターによって印刷するので、隣合うリブの間における筒状壁の外面に、確実にインクを飛ばして目印線を印刷でき、任意の位置に印刷線が表示された断熱容器を簡易に製造できる。
本発明の断熱容器は、お湯などの液体の補充量が異なる食品毎に形状の異なる容器本体をストックしておく必要がないので、安価に提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1及び図2において、1は、外面にリブ3が形成された合成樹脂製の容器本体2と、該容器本体2に外嵌された外装体5と、を有する断熱容器を示す。前記容器本体2には、目印線7がインクジェット方式のプリンターにて印刷されている。
【0011】
容器本体2は、筒状壁21と、該筒状壁21の下方に設けられた底面22と、を有する有底筒型(上面開口型)に形成されている。該筒状壁21の外面21aには、上下方向に細長く延びるリブ3が一体的に形成されている。該リブ3は、前記筒状壁21の周方向に所定間隔を開けて複数形成されている。該リブ3は、筒状壁21の外面21aにおいて、上下方向に延び且つ筒状壁21の径外方向に突出して形成されている。前記筒状壁21の外面形状は、特に限定されないが、本実施形態では、底面22側に向かうに従って縮径する円筒状に形成されている。その他、筒状壁21の外面形状は、多角柱状などでもよい。
また、筒状壁21には、特開2004−99178号公報などに記載されているような、階段状の周壁部分が形成されていてもよい。
【0012】
上記筒状壁21の肉厚は、筒状壁21の形状を維持できる程度の強度を有する厚みに設計されるが、通常、0.2mm〜1.5mmである。
上記リブ3の幅(筒状壁21の周方向に於けるリブ3の長さ)は、リブ3が折れない程度であれば特に限定されないが、通常、0.5mm〜2mm程度である。また、リブ3の突出高さ(筒状壁21の径外方向に於けるリブ3の長さ)についても特に限定されないが、余りに低いと外装体5の内面と筒状壁21の外面21aの間に十分な空気層を確保できないので、好ましくは、1mm以上、より好ましくは2mm以上である。さらに、隣合うリブ3,3の間隔は、特に限定されないが、好ましくは、2mm〜5mm程度である。
【0013】
上記筒状壁21は、透明または半透明な合成樹脂で成形される。筒状壁21の透明度合いは、その光線透過率が、50%以上、好ましくは80%以上である。光線透過率が50%以上の筒状壁21であれば、その外面21aに印刷した目印線7を筒状壁21の内面21bから透視できる。
ただし、光線透過率は、JIS K 7105−1981(プラスチックの光学的特性試験方法)に準じた方法によって測定した値であり、光線透過率(%)=(T2/T1)×100、で求められる。ただし、T2は、全光線透過量(試験片を通過した全光量)を、T1は、入射光量を、表す。
上記容器本体2は、隣合うリブ3,3の間においては筒状壁21のみで構成されている。従って、隣合うリブ3,3の間における透明度合いは、上記光線透過率となる。
上記容器本体2は、上記リブ3、筒状壁21及び底面22を合成樹脂を用いて一体成形することによって形成されている。
前記容器本体2を形成する合成樹脂としては、特に限定されず、通常、ポリプロピレン、高密度ポリエチレンなどのオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂を例示できる。
【0014】
前記容器本体2の筒状壁21の外面21aには、筒状壁21の周方向に延びる目印線7が表示されている。
該目印線7は、筒状壁21の外面21aであって、少なくとも複数のリブ3,3の間に表示されている。
目印線7は、筒状壁21の全周に亘って印刷されていてもよい。また、図示したように、目印線7は、周方向に延びる比較的短い線でもよい。また、該比較的短い目印線7が、筒状壁21の外面21aにおいて向かい合うような位置にそれぞれ印刷されていてもよい。
【0015】
上記目印線7は、インクジェット方式のプリンターにて印刷されている。筒状壁21の外面21aには、複数のリブ3が突設されているが、インクジェットプリンターを用いることにより、隣合うリブ3,3の間に存する筒状壁21の外面21aに、インクを飛ばして目印線7を確実に印刷することができる。また、目印線7と共に、目盛りや文字などの印字を併記してもよい。文字は、例えば、注意書や説明書などである。印字は、上記目印線6と同様にインクジェット方式のプリンターにて印刷されていることが好ましい。
なお、上記容器本体2の上面側の開口部には、蓋材9が設けられる。蓋材9としては、図示したような、容器本体2のフランジ部23に接着されるシール蓋(ガスバリア性、液バリア性、遮光性などを有するラミネートシートなど)を例示できる。また、蓋材9は、容器本体2のフランジ部23に嵌着可能なシート成形蓋などでもよい。
【0016】
次に、外装体5は、容器本体2の少なくとも筒状壁21を覆うように外嵌されている。外装体5は、好ましくは、図1に示すように、筒状壁21の外側及び底面22の周端部22aを覆うように外嵌されている。なお、容器本体2の底面22の周端部22aに、糸尻部が形成されている場合には、該糸尻部を挟み込んで保持するように、外装体5が形成されていてもよい。
外装体5を容器本体2に外嵌した際、容器本体2に突設されたリブ3の外頂部と外装体5の内面が接触する。従って、隣合うリブ3,3と、該リブ3,3間の筒状壁21の外面21aと、該リブ3,3間の外装体5の内面と、によって囲われる領域に、空気層が形成される。
【0017】
上記外装体5は、筒状に形成された熱収縮性シートを熱収縮させることによって、形成されている。具体的には、主として周方向に熱収縮しうる筒状シート(筒状に形成された熱収縮性シート)を、容器本体2の外形に適合する成形型に外嵌し、該筒状シートを熱収縮させることにより、外装体5が形成されている。
【0018】
上記外装体5を形成する熱収縮性シートは、面内の一方向に主として熱収縮しうるシートであれば特に限定されず、従来公知のシートを用いることができる。
なお、本発明において、シートとは、一般にフィルムと呼ばれているものを含む意味である。
熱収縮性シートは、単層構造のシート、あるいは複層構造の積層シートのいずれでも良い。熱収縮性シートとしては、合成樹脂シート、発泡樹脂シートなどを例示できる。熱収縮性シートが単層シートの場合には、合成樹脂シートまたは発泡樹脂シートのいずれかを用いることが好ましく、特に、発泡樹脂シートを用いることがより好ましい。熱収縮性シートが積層シートの場合には、合成樹脂シートと発泡樹脂シートを含む積層シートが好ましい。発泡樹脂シートは断熱性に優れているので、持ち手に容器の温度が伝わりにくい断熱容器1を構成でき、さらに、発泡樹脂シートは通常白色を呈するので、上記目印線7が筒状壁21の内面21b側から見え易くなるからである。
【0019】
上記合成樹脂シートと発泡樹脂シートを含む熱収縮性シートを用いて筒状シートを形成する場合、前記合成樹脂シートが筒状シートの外面側となり、且つ発泡樹脂シートが筒状シートの内面側となるように、熱収縮性シートを筒状に形成することが好ましい。
なお、上記熱収縮性シートには、必要に応じて、所望の意匠印刷が施される。商品名などの意匠印刷は、通常、熱収縮性シートの内面に施すことが好ましい。例えば、上記合成樹脂シートと発泡樹脂シートを含む熱収縮性シートの場合には、合成樹脂シートの内面(発泡樹脂シートの積層面)に意匠印刷を施すことが好ましい。
【0020】
上記合成樹脂シートは、意匠印刷を透視可能な無色透明又は有色透明のシートが好ましい。合成樹脂シートの材質については特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのオレフィン系、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系、環状オレフィン系、塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂からから選ばれる1種、又は2種以上の混合物などからなるシート、及びこれらの積層シートなどを例示できる。中でも、比較的収縮力の強いポリエチレンテレフタレートなどのエステル系樹脂シートが好ましい。合成樹脂シートは、Tダイ法やインフレーション法などの公知の製法で製膜し延伸処理することによって得ることができる。延伸処理は、通常、70〜110℃程度の温度で、幅方向(筒状シートとした場合に周方向。以下同様)に2.0〜8.0倍、好ましくは3.0〜7.0倍程度延伸することにより行われる。かかる延伸処理を施すことにより、主として幅方向に大きく熱収縮する合成樹脂シートを得ることができる。さらに、縦方向(幅方向と直交する方向。以下同様)にも、例えば1.5倍以下の低倍率で延伸処理を行ってもよい。
合成樹脂シートの厚みは、発泡樹脂シートと積層する場合には、好ましくは15〜60μm程度であり、より好ましくは30〜50μm程度である。合成樹脂シートのみから筒状シートを形成する場合には、該合成樹脂シートの厚みは、好ましくは40〜100μmであり、より好ましくは、50〜80μmである。
【0021】
上記発泡樹脂シートの材質についても特に限定されず、例えば、スチレン系、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィン系、ウレタン系などを例示できる。中でも高発泡性を有することからスチレン系を用いることが好ましい。スチレン系樹脂としては、汎用的なスチレンモノマーからなるポリマーの他、スチレン−ブタジエン共重合体、無水マレイン酸又はメタクリル酸等とスチレンの共重合体などを用いることができる。発泡方法は、物理的発泡、化学的発泡など公知の発泡方法で行えばよい。これらの樹脂には、必要に応じて、各種フィラー、可塑剤、安定剤などの添加剤を適宜添加することができる。発泡樹脂シートは、例えば、発泡剤を含むポリスチレンなどの樹脂組成物を約150〜230℃でTダイ法などで製膜する(必要に応じて延伸処理を行う)ことにより得ることができる。
尚、発泡樹脂シートは、無数の気泡を有するので、白色を呈するが、上記フィラーとして炭酸カルシウムなどの白色系無機物を用いることにより、良好な白色を呈する発泡樹脂シートを得ることができる。かかる発泡樹脂シートは、目印線7を筒状壁21の内面21b側から鮮明に見せることができる。なお、白色以外の色彩に着色された発泡樹脂シートを用いることもできる。
【0022】
また、上記発泡樹脂シートの発泡倍率は、容器本体2の断熱性を高める上で、1.1〜10倍程度が好ましく、更に、気泡を大きくする又は気泡の数を多くすることによって熱収縮時に発泡樹脂シート自体を収縮し易くすることができることから、1.5〜5倍程度がより好ましい。スチレン系樹脂を用いることにより、比較的簡易に好適な発泡倍率の発泡樹脂シートを形成できる。
発泡樹脂シートの厚みは、好ましくは80μm以上であり、より好ましくは100μm以上である。一方、発泡樹脂シートの厚みの上限は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは400μm以下である。
発泡樹脂シートは、未延伸又は低延伸されているが実質的に熱収縮しないもの(非熱収縮性)でもよいし、延伸処理などを施すことにより、少なくとも幅方向に熱収縮するものを用いてもよい。
【0023】
上記熱収縮性シートは、幅方向に於ける熱収縮率が、例えば90℃の温水中に10秒間浸漬した際、約30%以上であり、好ましくは約40%以上であり、より好ましくは60%以上である。尚、縦方向の熱収縮率は、0〜10%であり、好ましくは0〜6%程度である。ただし、熱収縮率(%)=[{(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)−(幅方向(又は縦方向)の浸漬後の長さ)}/(幅方向(又は縦方向)の元の長さ)]×100。
なお、熱収縮性シートとして、合成樹脂シートと発泡樹脂シートの積層シートを用いる場合には、合成樹脂シート及び発泡樹脂シートの少なくとも何れか一方が主として幅方向に熱収縮性を有していればよい。
【0024】
上記合成樹脂シートと発泡樹脂シートの積層方法としては、押出成形などによってシート状に形成された発泡樹脂シートを、ドライラミネーション、感熱性接着剤を挟んで接着する熱ラミネーションなどのような接着剤を介在させた積層方法、溶融した発泡樹脂組成物を合成樹脂シートに押出しコーティングする押出ラミネーション法(押出コーティング法)、などを例示できる。
【0025】
上記断熱容器1は、例えば、下記の方法にて製造できる。
上記リブ3が突設された容器本体2を、射出成形などによって成形する。一方、筒状シートを成形型に嵌めて熱収縮させることにより、前記容器本体2の外形に適合した外装体5を成形する。
【0026】
図3び図4に示すように、上記容器本体2の筒状壁21の外面に、インクジェットプリンターのインク噴射ノズル10を配置する。ノズル10の容器本体2に対する高さは、収容する食品に応じて適宜設定される。なお、図3及び図4では、一対のノズル10,10を対向配置しているが、ノズル10は、1個でもよい。ノズル10からインクを飛ばしつつ、図4に示すように、容器本体2を一方向Xへ移動させることにより、比較的短い目印線7を筒状壁21の外面21aに印刷することができる。なお、容器本体2を固定し、ノズル10を一方向Xに移動させても同様な目印線7を印刷できる。
また、図4に併せて示すように、容器本体2を周方向Yに回転させてもよい。この場合、容器本体2の筒状壁21の全周に亘って目印線7を印刷することもできるし、上記のように比較的短い目印線7を印刷することもできる。なお、容器本体2を固定し、ノズル10を周方向Yに回転させても同様である。
【0027】
目印線7を印刷した後、容器本体2に外装体5を外嵌すると共に、容器本体2内に食品を入れ、該容器本体2の開口部を蓋材9にて封止することにより、断熱容器1を得ることができる。
収容する食品は、通常、お湯や水などを補充して食する食品であり、例えば、インスタント麺、インスタント味噌汁、インスタントコーヒーなどの即席食品などである。
【0028】
上記断熱容器1は、容器本体2の筒状壁21の外面21aに目印線7が印刷され、該筒状壁21の光線透過率が50%以上であるため、図5に示すように、筒状壁21の内面21b側から、筒状壁21の外面21aに印刷された目印線7を透視することができる。
特に、外装体5の内面が白色の場合には、筒状壁21の内面21bから目印線7を見た際、目印線7の背景色が白色となるため、該目印線7をより鮮明に透視することができる。なお、この目印線7は、筒状壁21の外面21aに印刷されているので、そのインキが食品と接触することがなく、衛生的にも好ましい。
また、目印線7をインクジェットプリンターを用いて印刷することにより、隣合うリブ3とリブ3の間に存する筒状壁21の外面21aに、目印線7を簡単に且つ確実に印刷することができる。
本発明の断熱容器1は、印刷によって目印線7を表示するので、収容する食品に応じた適切な位置に目印線7を表示できる。従って、お湯などの液体の補充量が異なる食品毎に形状の異なる容器本体2をストックしておく必要がない。つまり、1つの容器本体2を用いても、インクジェットプリンターにて目印線7を印刷することにより、液体の補充量が異なる食品毎に適切な位置に目印線7が表示された断熱容器1を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態における断熱容器の半断面図。
【図2】同断熱容器の各構成部材を分離した分解正面図。
【図3】容器本体に目印線を印刷する際の工程を示す参考正面図。
【図4】同工程を示す参考平面図。
【図5】断熱容器の内面側に透視される目印線を表した参考斜視図。
【符号の説明】
【0030】
1…断熱容器、2…容器本体、21…筒状壁、21a…筒状壁の外面、21b…筒状壁の内面、3…リブ、5…外装体、7…目印線、9…蓋材、10…インクジェットプリンターのインク噴射ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状壁の下方に底面が設けられた合成樹脂製の容器本体と、前記筒状壁の外面の周方向に所定間隔を開けて一体的に成形された複数のリブであって、前記筒状壁の外面において上下方向に延び且つ径外方向に突設されたリブと、前記容器本体の少なくとも筒状壁に外嵌された外装体と、を有する断熱容器に於いて、
前記筒状壁の光線透過率が、50%以上であり、
前記隣合うリブの間に於ける筒状壁の外面に、目印線が印刷されており、前記目印線が、インクジェットプリンターによって印刷されていることを特徴とする断熱容器。
【請求項2】
前記外装体が、発泡樹脂シートを含み、前記外装体の内面が白色である請求項1に記載の断熱容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−67402(P2009−67402A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−235020(P2007−235020)
【出願日】平成19年9月11日(2007.9.11)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】