説明

断熱材保持スペーサ、これを使用した屋根構造及び壁構造

【課題】ヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができ、パネル状の断熱材の不陸を矯正することができるとともに、屋根構造及び壁構造の施工の低減化を図ることができる。
【解決手段】屋根構造体20の最上部に設けた屋根下地部15に沿って配置したパネル状の断熱材22を保持する断熱材保持スペーサ1である。合成樹脂材からなる基部2と、金属材料からなる不陸矯正部3とを備えている。基部は、屋根構造体及び屋根下地部に固定される固着部4と、この固着部に一体形成された第1円筒部5と、第1円筒部の外周面に形成された第1ねじ部6とを備えている。不陸矯正部は、第2円筒部7と、この第2円筒部の内周面に形成され、第1ねじ部に螺合する第2ねじ部8と、第2円筒部の前記固着部に対して離間した端部に一体形成され、屋根構造体に対向する断熱材の面に当接して当該断熱材を保持する保持部10とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築構造体に沿ってパネル状の断熱材を配置する断熱材保持スペーサと、これを使用した屋根構造及び壁構造に関する。
【背景技術】
【0002】
木造の壁構造材に沿ってパネル状の断熱材を配置する構造として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。
この特許文献1の構造は、木造の壁構造材の外面にパネル状の断熱材を当接し、断熱材にスポット的に形成した開口部内に、合成樹脂製のブラケット(本発明の断熱材保持スペーサに相当する部材)を配置して断熱材を支持している。そして、このブラケットは、断熱材との間に断熱空間を設けて外側に配置した外装材を、ブラケット内部に設けた不陸調整部を介して支持している。
【0003】
この構造によると、ブラケットが合成樹脂により形成されているので、室内及び室外との温度差によるヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができ、しかも、不陸調整部材を備えているので外装材の不陸を調整することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−30739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した特許文献1の構造は、断熱材に、ブラケットを配置するための開口部を形成しなければならず、施工準備に多くの時間と手間を要するという問題がある。
また、特許文献1のブラケットは、複数のリブを形成したブラケット本体、ブラケット本体内部に配置される複数部材からなる不陸調整部材で構成され、複雑な形状で部品点数が多いので、製造コストの面で問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、室内及び室外との温度差によるヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができ、パネル状の断熱材の不陸を矯正することができるとともに、屋根構造、壁構造の施工の低減化を図ることができる安価な断熱材保持スペーサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る請求項1の断熱材保持スペーサは、建築構造体に沿って配置したパネル状の断熱材を保持する断熱材保持スペーサであって、合成樹脂材からなる基部と、金属材料からなる不陸矯正部とを備え、前記基部は、前記建築構造体に固着される固着部と、この固着部に一体形成され、前記建築構造体から離間する方向に突出する第1円筒部と、前記第1円筒部の外周面及び内周面の一方に形成された第1ねじ部とを備え、前記不陸矯正部は、第2円筒部と、この第2円筒部の外周面及び内周面の他方に形成され、前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部と、前記第2円筒部の一方の端部を閉塞して一体形成され、前記建築構造体に沿って配置した前記断熱材の面を当接して保持する保持部とを備えている。
【0008】
また、本発明に係る請求項2の発明は、請求項1記載の断熱材保持スペーサにおいて、前記固着部に、前記第1円筒部の内部空間に連通する一つの固定具通過孔を形成し、当該固定具通過孔を通過した1本の固定具により前記固着部が前記建築構造体に固定される。
また、本発明に係る請求項3の発明は、請求項1又は2記載の断熱材保持スペーサにおいて、前記断熱材の縁部に断熱材係合部材が係合し、この断熱材係合部材を介して前記断熱材が前記不陸矯正部の前記保持部に固定されており、前記断熱材係合部材は、前記不陸矯正部の前記保持部に当接する当接部と、この当接部の略中央部から突出し、前記当接部とで前記断熱材の縁部を挟み込んで係合する係合部とを備え、前記保持部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合により回転する回転円周上の所定位置に、前記当接部の縁部を挟持する弾性変形自在な弾性挟持部を備えている。
【0009】
また、本発明に係る請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の断熱材保持スペーサにおいて、前記建築構造体の外方を向く面に前記断熱材を当接し、前記第2円筒部に近接する前記断熱材の縁部が、前記外方を向く面及び前記不陸矯正部の前記保持部に挟み込まれて保持されている。
また、本発明に係る請求項5の発明は、請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した屋根構造であって、前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の屋根構造体であり、この屋根構造体の最上部に設けた屋根下地部に前記断熱材保持スペーサの前記固着部を固着し、前記屋根下地部との間に断熱空間を設けて配置した前記断熱材としての屋根断熱材の下面に、前記断熱材保持スペーサの前記保持部を当接して前記屋根断熱材を保持するとともに、前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記屋根断熱材を上下方向に移動させて高さを調整する。
【0010】
また、本発明に係る請求項6の発明は、請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した屋根構造であって、前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の屋根構造体であり、この屋根構造体の最上部に設けた屋根下地部に前記断熱材保持スペーサの前記固着部を固着し、前記屋根下地部上に2層に配置した前記断熱材としての複数の屋根断熱材を前記断熱材保持スペーサで保持するとともに、前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記屋根断熱材を上下方向に移動させて高さを調整する。
【0011】
また、本発明に係る請求項7の発明は、請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した壁構造であって、前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の壁構造体であり、この壁構造体の外壁に設けた壁下地部に前記断熱材保持スペーサの前固着部を固着し、前記壁下地部との間に断熱空間を設けて配置した前記断熱材としての壁断熱材の内面に、前記断熱材保持スペーサの前記保持部を当接して前記壁断熱材を保持するとともに、前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記壁断熱材を側方に移動させて突出量を調整する。
【0012】
さらに、本発明に係る請求項8の発明は、請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した壁構造であって、前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の壁構造体であり、この壁構造体の外壁に設けた壁下地部に前記断熱材保持スペーサの前固着部を固着し、前記壁下地部に沿って2層に配置した前記断熱材としての複数の壁断熱材を前記断熱材保持スペーサで保持するとともに、前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記壁断熱材を側方に移動させて突出量を調整する。
【0013】
さらにまた、本発明に係る請求項9の発明は、請求項7又は8記載の壁構造において、前記鉄筋コンクリート造りの前記壁構造体は、型枠保持部材としてPコンが埋設されており、前記壁構造体の外壁から露出している前記Pコンのねじ孔に、前記断熱材保持スペーサの前記固着部を貫通したねじ部材が螺合している。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る断熱材保持スペーサは、簡便な形状の基部及び不陸矯正部からなる2つの部材で構成されており、製造コストの低減化を図ることができる。
また、本発明に係る断熱材保持スペーサを使用した屋根構造及び壁構造によると、従来の構造のように断熱材にブラケットを配置する開口部を設けず、直ぐに構造体に沿って断熱材を配置することができるので、屋根、或いは壁施工の省力化、短縮化を図ることができる。
【0015】
また、保持部を回して第1ねじ部及び第2ねじ部の螺合位置を変更することで断熱材の不陸を簡単に矯正することができる。
さらに、屋外の高温の熱、或いは低温の熱が、金属製の不陸矯正部に伝達されても、この不陸矯正部及び建築構造体の間に配置したスペーサの基部が合成樹脂製であり、屋外の高温の熱、或いは低温の熱の伝熱は遮断されるので、ヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る第1実施形態の断熱材保持スペーサを示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の断熱材保持スペーサの軸方向断面図である。
【図3】第1実施形態の断熱材保持スペーサを使用した第2実施形態の鉄骨造の屋根構造を示す図である。
【図4】第1実施形態の断熱材保持スペーサを使用した第3実施形態の鉄筋コンクリート造の屋根構造を示す図である。
【図5】第1実施形態の断熱材保持スペーサを使用した第4実施形態の木造の屋根構造を示す図である。
【図6】第1実施形態の断熱材保持スペーサを使用した第5実施形態の鉄骨造の壁構造を示す図である。
【図7】本発明に係る第6実施形態の断熱材保持スペーサを示す斜視図である。
【図8】図8(a)は第6実施形態の断熱材保持スペーサを保持部側から示した図であり、図8(b)は(a)のA−A線矢視図である。
【図9】図9(a)は第6実施形態の保持部に形成した弾性挟持部を示す図であり、図9(b)は(a)のB−B線矢視図である。
【図10】図10(a)は図9と異なる構造の弾性挟持部を示す図であり、図10(b)は(a)のC−C線矢視図である。
【図11】図11(a)は図9及び図10と異なる構造の弾性挟持部を示す図であり、図11(b)は(a)のD−D線矢視図である。
【図12】第6実施形態の断熱材保持スペーサに断熱材係合部材を係合させる手順を示す図である。
【図13】第6実施形態の断熱材保持スペーサを使用した第7実施形態の鉄筋コンクリート造の壁構造を示す図である。
【図14】第6実施形態の断熱材保持スペーサを使用した第8実施形態の鉄筋コンクリート造の屋根構造を示す図である。
【図15】第6実施形態の断熱材保持スペーサを使用した第9実施形態の鉄筋コンクリート造の壁構造を示す図である。
【図16】第9実施形態の鉄筋コンクリート造の壁構造を形成する際の型枠構成部材を示す図である。
【図17】第9実施形態の鉄筋コンクリート造の壁構造を形成する際に型枠等を取り外した状態を示す図である。
【図18】第9実施形態の鉄筋コンクリート造を構成するPコンを利用して断熱材保持スペーサを固着する手順を示す図である。
【図19】第9実施形態において断熱材保持スペーサの一部を通過させる孔を壁断熱材に形成する状態を示した図である。
【図20】第9実施形態において断熱材保持スペーサを一体化するとともに、壁構造体に内側の壁断熱材を配置する状態を示した図である。
【図21】第9実施形態の鉄筋コンクリート造の壁構造において断熱材係合部材を配置する手順を示す図である。
【図22】第9実施形態の鉄筋コンクリート造の壁構造において壁断熱材を配置する手順を示す図である。
【図23】第9実施形態の鉄筋コンクリート造の壁構造において壁仕上げ材を配置する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明に係る断熱材保持スペーサ、これを使用した屋根構造及び壁構造について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態:断熱材保持スペーサ)
図1及び図2は、断熱材保持スペーサ1(以下、スペーサ1と略称する)の実施形態を示す図である。
【0018】
本実施形態のスペーサ1は、基部2及び不陸矯正部3の2つの部材で構成されている。
基部2は合成樹脂材料で形成された部材であり、建築構造体に固定される円形状の固着板4と、この固着板4と同軸に一体形成された第1円筒部5と、第1円筒部5の外周に形成された雄ねじ部6とを備えている。固着板4の中心位置には、ビスやアンカー等の固定部材が通過する一つの貫通穴4aが形成されている。また、第1円筒部5の内面及び固着板4の上面は、カップ形状の薄肉金属部材9で被覆されている。なお、薄肉金属部材9の貫通穴4aに対応する位置は、貫通穴4aと同一径で貫通している。
【0019】
不陸矯正部3は銅製部材であり、第2円筒部7と、この第2円筒部7の内周面に形成され、基部2の雄ねじ部6に螺合する雌ねじ部8と、第2円筒部7の一端に一体化された基部2の固着板4より大径形状の保持板10とを備えている。保持板10の中心位置には、六角形状の係合穴11が形成されている。
【0020】
上記構成のスペーサ1は、図2に示すように、不陸矯正部3の保持板10を回転することで、互いに螺合している基部2の雄ねじ部6及び不陸矯正部3の雌ねじ部8の螺合量を変更することで、基部2の下端(固着板4の下面)から不陸矯正部3の上端(保持板10の上面)までの距離hが変更される。ここで、保持板10は、六角形状の係合穴11に六角レンチ(不図示)を挿入して回すことで、容易に回転する。
本実施形態のスペーサ1によると、基部2及び不陸矯正部3は簡便な形状の部材であり、しかも、2つの部材で構成されているので、製造コストの低減化を図ることができる。
【0021】
(第2実施形態:屋根構造)
次に、図3は鉄骨造の屋根構造体に屋根断熱材22を配置する際にスペーサ1を使用したものである。
図3の符号20は、C型鋼(リップ溝型鋼)からなる屋根構造体である。この屋根構造体20の上部のフランジ20aに野地板15が配置され、野地板15上にルーフィング16が敷設されている。
スペーサ1の固着板4は、野地板15及びフランジ20aに螺合したビス21を介して固定されている。そして、不陸矯正部3の保持板10には、金属板を折り曲げて形成した断熱材係合部材24がビス25を介して固定されている。
【0022】
屋根断熱材22は複数のパネル状の屋根断熱材22a,22bで構成されており、これら屋根断熱材22a,22bの縁部がスペーサ1の保持板10に固定した断熱材係合部材24に係合することで、互いに端面同士を対向させた状態で連結されるようになっている。屋根断熱材22がスペーサ1に保持されることで、野地板15と屋根断熱材22との間に断熱空間17が設けられる。また、屋根断熱材22上には、屋根仕上げ材23が敷設されている。
【0023】
ここで、スペーサ1に保持される屋根断熱材22(屋根断熱材22a,22b)と他の位置に配置されている屋根断熱材22(不図示)との間の不陸を防止するには、保持板10の係合穴11に六角レンチを挿入し、六角レンチで保持板10を回すことで、図2で示した基部2の下端(固着板4の下面)から不陸矯正部3の上端(保持板10の上面)までの距離hを調整する。そして、保持板10に断熱材係合部材24をビス25を介して固定し、断熱材係合部材24に屋根断熱材22a,22bの縁部を係合することで、他の屋根断熱材22との不陸が防止される。
【0024】
上記構成の屋根構造によると、屋根構造体20上に設けた野地板15と屋根断熱材22との間にスペーサ1を配置するだけであり、従来の構造のように断熱材に不陸調整機構を備えたブラケットを配置する開口部を設けず、直ぐに屋根構造体20に沿って屋根断熱材22を配置することができ、鉄骨造の屋根施工の省力化、短縮化を図ることができる。
また、保持板10を回して固着板4と保持板10の距離hを変更することで、他の屋根断熱材と屋根断熱材22a,22bとの不陸を防止することができる。
【0025】
また、本実施形態は、屋外の高温の熱、或いは低温の熱が、屋根断熱材22を介して金属製(銅製)のスペーサ1の不陸矯正部3に伝達されても、この不陸矯正部3及び屋根構造体20の間に配置したスペーサ1の基部2が合成樹脂製であり、この基部2が屋外の高温の熱、或いは低温の熱の伝熱を遮断するので、屋外と室内との温度差によるヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができる。
【0026】
そして、野地板15と屋根断熱材22との間に断熱空間17が設けられるので、断熱効果を高めた屋根構造とすることができる。
【0027】
(第3実施形態:屋根構造)
図4は、鉄筋コンクリート造の屋根構造体に屋根断熱材22を配置する際にスペーサ1を使用したものである。
図4の符号27は、上面が屋根下地面として形成した鉄骨コンクリートからなる屋根構造体である。この屋根構造体27にはアンカー28が打ち込まれており、スペーサ1の基部2を構成する固着板4が、アンカー28のねじ部にナット29を螺合することで固定されている。なお、他の構造は、図3と同様の構造なので、同一符号を付してその説明は省略する。
【0028】
本実施形態も、鉄筋コンクリートからなる屋根構造体27と屋根断熱材22との間にスペーサ1を配置するだけであり、従来の構造のように断熱材に不陸調整機構を備えたブラケットを配置する開口部を設けず、直ぐに屋根構造体27に沿って屋根断熱材22を配置することができるので、鉄筋コンクリート造の屋根施工の省力化、短縮化を図ることができる。
【0029】
また、図3で示した構造と同様に、スペーサ1の保持板10を回して固着板4と保持板10の距離を変更することで、他の屋根断熱材と屋根断熱材22a,22bとの不陸を防止することができる。また、不陸矯正部3及び屋根構造体27の間に配置したスペーサ1の基部2が合成樹脂製であり、この基部2が屋外の高温の熱、或いは低温の熱の伝熱を遮断するので、ヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができる。
さらに、屋根構造体27と屋根断熱材22との間に断熱空間17が設けられるので、断熱効果を高めた屋根構造とすることができる。
【0030】
(第4実施形態:屋根構造)
また、図5は、木造の屋根構造体にスペーサ1を使用したものである。
図5の符号30は木質の板材からなる第1屋根構造体であり、符号31は、第1屋根構造体1を屋内側から支持する垂木、或いは母屋からなる第2屋根構造体である。
【0031】
スペーサ1の基部2を構成する固着板4は、木ねじ32を介して第1屋根構造体30及び第2屋根構造体31に固定されている。なお、他の構造は、図3と同様の構造なので、同一符号を付してその説明は省略する。
本実施形態も、木造の第1屋根構造体30と屋根断熱材22との間にスペーサ1を配置するだけであり、従来の構造のように断熱材に不陸調整機構を備えたブラケットを配置する開口部を設けず、直ぐに屋根構造体30に沿って屋根断熱材22を配置することができるので、木造の屋根施工の省力化、短縮化を図ることができる。
【0032】
また、図3で示した構造と同様に、スペーサ1の保持板10を回して固着板4と保持板10の距離を変更することで、他の屋根断熱材と屋根断熱材22a,22bとの不陸を防止することができる。また、不陸矯正部3及び屋根構造体27の間に配置したスペーサ1の基部2が合成樹脂製であり、この基部2が屋外の高温の熱、或いは低温の熱の伝熱を遮断するので、ヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができる。さらに、屋根構造体27と屋根断熱材22との間に断熱空間17が設けられるので、断熱効果を高めた屋根構造とすることができる。
【0033】
(第5実施形態:壁構造)
次に、上記のスペーサ1を使用した壁構造の実施形態について、図6を参照して説明する。なお本実施形態も、図3に示した構成と同一構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図6の符号37は、C型鋼(リップ溝型鋼)からなる壁構造体である。この壁構造体37の一方のフランジ37aに壁下地材18が配置され、壁下地材18の外側にルーフィング19が敷設されている。
スペーサ1の固着板4は、壁下地材18及びフランジ37aに螺合したビス38を介して固定されている。そして、不陸矯正部3の保持板10には、断熱材係合部材24がビス25を介して固定されている。
【0034】
壁断熱材39は複数のパネル状の壁断熱材39a,39bで構成されており、これら壁断熱材39a,39bの縁部がスペーサ1の保持板10に固定した断熱材係合部材24に係合することで、互いに端面同士を対向させた状態で連結されるようになっている。壁断熱材39がスペーサ1に保持されることで、壁下地材18と壁断熱材39との間に断熱空間17が設けられる。また、壁断熱材39の外壁側には、壁仕上げ材40が敷設されている。
【0035】
ここで、スペーサ1に保持される壁断熱材39(壁断熱材39a,39b)と他の位置に配置されている壁断熱材39(不図示)との間の不陸を防止するには、保持板10の係合穴11に六角レンチを挿入し、六角レンチで保持板10を回すことで、基部2と不陸矯正部3との間の距離を調整する。そして、保持板10に断熱材係合部材24をビス25を介して固定し、断熱材係合部材24に壁断熱材39a,39bの縁部を係合することで、他の壁断熱材39との不陸が防止される。
【0036】
上記構成の壁構造によると、壁構造体37と壁断熱材39との間にスペーサ1を配置するだけで、直ぐに壁構造体37に沿って壁断熱材39を配置することができるので、鉄骨造の壁施工の省力化、短縮化を図ることができる。
また、保持板10を回して固着板4と保持板10の距離を変更することで、他の壁断熱材と壁断熱材39a,39bとの不陸を防止することができる。
【0037】
また、本実施形態は、屋外の高温の熱、或いは低温の熱が、壁断熱材39を介して金属製(銅製)のスペーサ1の不陸矯正部3に伝達されても、この不陸矯正部3及び壁構造体37の間に配置したスペーサ1の基部2が合成樹脂製であり、この基部2が屋外の高温の熱、或いは低温の熱の伝熱を遮断するので、屋外と室内との温度差によるヒートブリッジ、或いはクールブリッジの発生を防止することができる。
【0038】
そして、壁下地材18と壁断熱材39との間に断熱空間17が設けられるので、断熱効果を高めた壁構造とすることができる。
なお、上述したスペーサ1を使用した鉄骨造の壁構造に替えて、図示しないが、鉄筋コンクリート造、木造の壁構造にスペーサ1を使用することで、上述した鉄骨造の壁構造と同様の効果を奏することができる。
【0039】
また、図示しないが、ルーフィング19に当接するように断熱材を配置し、その断熱材を保持板10で挟み込んで支持する構造にすると、さらに断熱効果を高めた壁構造となる。また、断熱材係合部材24に係合している壁断熱材39a,39bをルーフィング19に当接して配置し、壁断熱材39a,39bより外側に断熱空間を設けた構造としてもよい。
【0040】
さらに、上述した各実施形態では、スペーサ1の保持板10の係合穴11に六角レンチを挿入して回すことで保持板10を回転させるようにしたが、六角レンチ等の工具を使用せずに作業者が手で回してもよい。
【0041】
(第6実施形態:断熱材保持スペーサ)
次に、図7から図12は、図1から図2で示したスペーサ1と異なる構造の断熱材保持スペーサ50(以下、スペーサ50と略称する)を示す図である。なお、図1から図2で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態のスペーサ50は、不陸矯正部3の保持板10に、後述する断熱材係合部材51の当接部51aの縁部を挟持する4個の弾性挟持部53A〜53Dが形成されている。
【0042】
これら弾性挟持部53A〜53Dは、図8(a)に示すように、保持板10の所定半径Rの回転円周上に略90°の間隔をあけ、保持板10の一部を切り欠くことで形成されている。各弾性挟持部53A〜53Dは、図9に示すように、保持板10をコ字状に切り欠くことで開口部53aを形成し、回転方向の一方で保持板10に連続している連続部53bと、開口部53aを閉塞するように回転方向の他方に延在して波形に変形されている挟持片53cとを備えている。
【0043】
前述した断熱材係合部材51は、図12に示すように、保持板10に当接する長尺な平板状の当接部51aと、当接部51aの幅方向中央から立ち上がるL字形状の係合部51bとを備えており、保持板10は、図10の矢印方向に回転することで、所定の弾性挟持部53A,53Cが当接部51aの幅方向縁部を挟持するようになっている。
本実施形態のスペーサ50によると、基部2及び不陸矯正部3は簡便な形状の部材であり、しかも、2つの部材で構成されているので、製造コストの低減化を図ることができる。
【0044】
また、不陸矯正部3の保持板10に形成した弾性挟持部53A〜53Dは、自身の回転によって断熱材係合部材51の当接部51aの幅方向の縁部を挟持して係合するので、付属部品の装着作業の迅速化を図ることができる。
なお、弾性挟持部53A〜53Dの形状は、図9に限るものではなく、図10に示すように、開口部53aを閉塞するように回転方向の他方に直線状に延在する挟持片53cの下面に凸部53dを設けた形状、或いは、図11に示すように、開口部53aを閉塞するように回転方向の他方に延在する挟持片53cの先端側を開いた形状としてもよい。
【0045】
(第7実施形態:壁構造)
次に、上記のスペーサ50を使用した壁構造の実施形態について、図13を参照して説明する。
図13の符号54は、鉄筋コンクリートからなる壁構造体である。この壁構造体54にはアンカー28が打ち込まれており、スペーサ50の基部2を構成する固着板4が、アンカー28のねじ部にナット29を螺合することで固定されている。
スペーサ50を構成する不陸矯正部3の保持板10は、壁構造体54に沿って水平に延在した断熱材係合部材51を介して壁断熱材39a,39bを保持している。
【0046】
断熱材係合部材51は、図12に示したように、保持板10を回転することで、所定の弾性挟持部53A,53Cが当接部51aの幅方向縁部を挟持している。そして、下部に配置した壁断熱材39aの上縁部が、断熱材係合部材51の当接部51a及び係合部51bに挟み込まれて保持されている。また、上部に配置した壁断熱材39bは、図示しないが、上部に配置したスペーサ50の保持板10に一体化した断熱材係合部材51に保持されている。
【0047】
そして、壁断熱材39a,39bが断熱材係合部材51を介してスペーサ50に保持されることで、壁構造体54と壁断熱材39a,39bとの間に断熱空間17が設けられる。なお、壁断熱材39の外壁側には、壁仕上げ材40が敷設されている。
上記構成の壁構造によると、壁構造体54にスペーサ50を固定し、スペーサ50の保持板10を回転することで断熱材係合部材51を装着し、断熱材係合部材51で壁断熱材39a,39bを保持するだけで、直ぐに壁構造体54に沿って壁断熱材39a,39bを配置することができるので、鉄筋コンクリート造の壁施工の省力化、短縮化を図ることができる。
【0048】
なお、図示しないが、壁構造体54に当接するように断熱材を配置し、その断熱材を保持板10で挟み込んで支持する構造にすると、さらに断熱効果を高めた壁構造となる。また、断熱材係合部材51に係合している壁断熱材39a,39bを壁構造体54に当接して配置し、壁断熱材39a,39bより外側に断熱空間を設けた構造としてもよい。
【0049】
(第8実施形態:屋根構造)
次に、上記のスペーサ50を使用した屋根構造の実施形態について、図14を参照して説明する。
上面が屋根下地面として形成した鉄骨コンクリートからなる屋根構造体27にアンカー28が打ち込まれており、スペーサ50の基部2を構成する固着板4が、アンカー28のねじ部にナット29を螺合することで固定されている。
スペーサ50を構成する不陸矯正部3の保持板10は、屋根構造体27に沿って水平に延在した断熱材係合部材51を介して屋根断熱材22a,22bを保持している。
【0050】
断熱材係合部材51は、保持板10を回転することで、所定の弾性挟持部53A,53Cが当接部51aの幅方向縁部を挟持している。そして、図14の左側に配置した屋根断熱材22aの縁部が、断熱材係合部材51の当接部51a及び係合部51bに挟み込まれて保持されている。図14の右側に配置した屋根断熱材22bは、図示しないが、右側に配置したスペーサ50の保持板10に一体化した断熱材係合部材51に保持されている。
【0051】
そして、屋根断熱材39a,39bが断熱材係合部材51を介してスペーサ50に保持されることで、屋根構造体27と屋根断熱材22a,22bとの間に断熱空間17が設けられる。なお、屋根断熱材22a,22bの外壁側には、屋根仕上げ材23が敷設されている。
上記構成の屋根構造によると、屋根構造体27にスペーサ50を固定し、スペーサ50の保持板10を回転することで断熱材係合部材51を装着し、断熱材係合部材51で屋根断熱材22a,22bを保持するだけで、直ぐに屋根構造体27上に屋根断熱材22a,22bを配置することができるので、鉄筋コンクリート造の屋根施工の省力化、短縮化を図ることができる。
【0052】
(第9実施形態:壁構造)
さらに、上記のスペーサ50を使用した壁構造の他の実施形態について、図15から図23を参照して説明する。
本実施形態は、図15に示すように、型枠を使用して鉄筋コンクリート造の壁構造体60を形成する際に、壁構造体60に埋め込まれたPコン57の外面に露出しているねじ孔57aを利用してスペーサ50の基部2を構成する固着板4が固着されている。すなわち、固着板4の貫通孔4aに挿通した連結ボルト61のねじ部をPコン57のねじ孔57aに螺合することで、固着板4が壁構造体60の外面に固着されている。また、断熱材係合部材51で壁断熱材62a,62bが保持されているとともに、壁断熱材62a,62bの内側に、壁構造体60に当接する壁断熱材63a,63bを配置し、この壁断熱材63a,63bの縁部を保持板10が挟み込んで支持している。
【0053】
上記構成の鉄筋コンクリート造の壁構造を形成する手順について図16から図23を参照して説明する。
先ず、図16に示すように、壁厚と同程度の距離に一対の型枠55a,55bを互いに対向して配置し、これら一対の型枠55a,55bを保持する棒状のセパレータ本体56、Pコン57、フォームタイ58,軸足59を装着する。
【0054】
セパレータ本体56の一端側には、一方の型枠55aの内壁に当接するアンカー部56aが形成され、他端側の外周にはねじ部56bが形成されている。セパレータ本体56のねじ部56aは、Pコン57のねじ孔57aに螺合しており、このPコン57から他方の型枠55bに向けて突出するようにねじ孔57aに螺合している軸足59が、他方の型枠55bを貫通してフォームタイ58にネジ締結されている。
【0055】
そして、鉄筋(不図示)を配筋した一対の型枠55a,55b内にコンクリートを打設することで、セパレータ本体56及びPコン57が埋設された壁構造体60が形成される(図17参照)。
そして、一対の型枠55a,55b及びフォームタイ58を取り外し、Pコン57のねじ孔57aに螺合している軸足59も取り外すと、図17に示すように、外部側にPコン57のねじ孔57aの一部が露出する。
【0056】
次に、図18に示すように、スペーサ50の基部2を構成する固着板4の貫通孔4aに連結ボルト61を挿通し、連結ボルト61のねじ部をPコン57のねじ孔57aに螺合することで、固着板4が壁構造体60の外面に固着される。
次に、図19に示すように、壁断熱材63a,63bに、基部2の雄ねじ部6と略同一径の挿入孔64を形成する。次に、壁構造体60に壁断熱材63a,63bを当接して雄ねじ部6を挿入孔64に挿入し、図20に示すように、基部2の雄ねじ部6及び不陸矯正部3の雌ねじ部8を螺合することで、基部2及び不陸矯正部3を一体化する。
【0057】
次に、図21に示すように、不陸矯正部3の保持板10を回転することで、壁構造体60に沿って上下方向に延在させた断熱材係合部材51の当接部51aを保持板10の何れかの弾性挟持部53A〜53Dで挟持する。次に、図22に示すように、断熱材係合部材51の当接部51a及び係合部51bで、壁断熱材62a,62bの縁部を挟み込んで保持する。最後に、図23に示すように、壁断熱材62a,62bの外壁側に壁仕上げ材40を付設することで外壁が形成される。
【0058】
上記構成の壁構造によると、一対の型枠55a,55bを使用して鉄筋コンクリート造の壁構造体60を形成する際に、壁構造体60に埋め込まれたPコン57の外面に露出しているねじ孔57aを利用してスペーサ50の固着板4を固着することができるので、さらに鉄筋コンクリート造の壁施工の省力化、短縮化を図ることができる。
【符号の説明】
【0059】
1…スペーサ(断熱材保持スペーサ)、2…基部、3…不陸矯正部、4…固着板(固着部)、4a…貫通穴、5…第1円筒部、6…雄ねじ部(第1ねじ部)、7…第2円筒部、8…雌ねじ部(第2ねじ部)、9…薄肉金属部材、10…保持板(保持部)、11…係合穴、15…野地板(屋根下地部)、16…ルーフィング(屋根下地部)、17…断熱空間、18…壁下地材、19…ルーフィング(壁下地部)、20…鉄骨造の屋根構造体(建築構造体)、20a…フランジ、21…ビス、22…屋根断熱材、22a,22b…屋根断熱材、23…屋根仕上げ材、24…断熱材係合部材、25,26…ビス、27…鉄筋コンクリート造の屋根構造体(建築構造体)、28…アンカー、29…ナット、30…木造の第1屋根構造体(建築構造体)、31…木造の第2屋根構造体(建築構造体)、32…木ねじ、37…鉄骨造の壁構造体(建築構造体)、37a…フランジ、38…ビス、39…壁断熱材、39a,39b…壁断熱材、40…壁仕上げ材、50……スペーサ(断熱材保持スペーサ)、51…断熱材係合部材、51a…当接部、51b…係合部、53A〜53D…弾性挟持部、53a…開口部、53b…連続部、53c…挟持片、54…鉄筋コンクリート造の壁構造体(建築構造体)、55a,55b…型枠、56…セパレータ本体、56a…セパレータ本体のアンカー部、56b…セパレータ本体のねじ部、57…Pコン、57a…Pコンのねじ孔、58…フォームタイ、59…軸足、60…鉄筋コンクリート造の壁構造体(建築構造体)、61…連結ボルト、62a,62b,63a,63b…壁断熱材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築構造体に沿って配置したパネル状の断熱材を保持する断熱材保持スペーサであって、
合成樹脂材からなる基部と、金属材料からなる不陸矯正部とを備え、
前記基部は、前記建築構造体に固着される固着部と、この固着部に一体形成され、前記建築構造体から離間する方向に突出する第1円筒部と、前記第1円筒部の外周面及び内周面の一方に形成された第1ねじ部とを備え、
前記不陸矯正部は、第2円筒部と、この第2円筒部の外周面及び内周面の他方に形成され、前記第1ねじ部に螺合する第2ねじ部と、前記第2円筒部の一方の端部を閉塞して一体形成され、前記建築構造体に沿って配置した前記断熱材の面を当接して保持する保持部とを備えていることを特徴とする断熱材保持スペーサ。
【請求項2】
前記固着部に、前記第1円筒部の内部空間に連通する一つの固定具通過孔を形成し、当該固定具通過孔を通過した1本の固定具により前記固着部が前記建築構造体に固定されることを特徴とする請求項1記載の断熱材保持スペーサ。
【請求項3】
前記断熱材の縁部に断熱材係合部材が係合し、この断熱材係合部材を介して前記断熱材が前記不陸矯正部の前記保持部に固定されており、
前記断熱材係合部材は、前記不陸矯正部の前記保持部に当接する当接部と、この当接部の略中央部から突出し、前記当接部とで前記断熱材の縁部を挟み込んで係合する係合部とを備え、
前記保持部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合により回転する回転円周上の所定位置に、前記当接部の縁部を挟持する弾性変形自在な弾性挟持部を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の断熱材保持スペーサ。
【請求項4】
前記建築構造体の外方を向く面に前記断熱材を当接し、前記第2円筒部に近接する前記断熱材の縁部が、前記外方を向く面及び前記不陸矯正部の前記保持部に挟み込まれて保持されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の断熱材保持スペーサ。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した屋根構造であって、
前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の屋根構造体であり、
この屋根構造体の最上部に設けた屋根下地部に前記断熱材保持スペーサの前記固着部を固着し、前記屋根下地部との間に断熱空間を設けて配置した前記断熱材としての屋根断熱材の下面に、前記断熱材保持スペーサの前記保持部を当接して前記屋根断熱材を保持するとともに、
前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記屋根断熱材を上下方向に移動させて高さを調整することを特徴とする屋根構造。
【請求項6】
請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した屋根構造であって、
前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の屋根構造体であり、
この屋根構造体の最上部に設けた屋根下地部に前記断熱材保持スペーサの前記固着部を固着し、
前記屋根下地部上に2層に配置した前記断熱材としての複数の屋根断熱材を前記断熱材保持スペーサで保持するとともに、
前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記屋根断熱材を上下方向に移動させて高さを調整することを特徴とする屋根構造。
【請求項7】
請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した壁構造であって、
前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の壁構造体であり、
この壁構造体の外壁に設けた壁下地部に前記断熱材保持スペーサの前固着部を固着し、前記壁下地部との間に断熱空間を設けて配置した前記断熱材としての壁断熱材の内面に、前記断熱材保持スペーサの前記保持部を当接して前記壁断熱材を保持するとともに、
前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記壁断熱材を側方に移動させて突出量を調整することを特徴とする壁構造。
【請求項8】
請求項1乃至4の何れか1項記載の断熱材保持スペーサを使用した壁構造であって、
前記建築構造体は、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、或いは木造の壁構造体であり、
この壁構造体の外壁に設けた壁下地部に前記断熱材保持スペーサの前固着部を固着し、前記壁下地部に沿って2層に配置した前記断熱材としての複数の壁断熱材を前記断熱材保持スペーサで保持するとともに、
前記不陸矯正部は、前記第1ねじ部及び前記第2ねじ部の螺合量を調整することで、前記壁断熱材を側方に移動させて突出量を調整することを特徴とする壁構造。
【請求項9】
前記鉄筋コンクリート造りの前記壁構造体は、型枠保持部材としてPコンが埋設されており、前記壁構造体の外壁から露出している前記Pコンのねじ孔に、前記断熱材保持スペーサの前記固着部を貫通したねじ部材が螺合していることを特徴とする請求項7又は8記載の壁構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−156189(P2010−156189A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−130708(P2009−130708)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フォームタイ
【出願人】(306034789)コンフォートテック株式会社 (5)
【Fターム(参考)】